JP3148740B2 - コンテナ専用車、コンテナおよびその積降ろし方法 - Google Patents

コンテナ専用車、コンテナおよびその積降ろし方法

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JP3148740B2 JP14111799A JP14111799A JP3148740B2 JP 3148740 B2 JP3148740 B2 JP 3148740B2 JP 14111799 A JP14111799 A JP 14111799A JP 14111799 A JP14111799 A JP 14111799A JP 3148740 B2 JP3148740 B2 JP 3148740B2
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昭平 阿部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業廃棄物、一般
廃棄物、その他各種物品等を、コンテナに収容した状態
で運搬するためのコンテナ専用車、該専用車に積降ろし
されるコンテナ、および該専用車への該コンテナの積降
ろし方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物、一般廃棄物、その他各種物
品等の物流システムにおいて、脱着装置付コンテナ専用
車が、複数個のコンテナと組合せて使用されている。こ
のシステムでは、廃棄物等の発生場所にコンテナを配置
しておき、該コンテナが満杯になると、コンテナ専用車
に空のコンテナ(以下、これを空コンテナという)を積
載して該発生場所に搬入し、空コンテナを降ろし、廃棄
物等を収容したコンテナ(以下、収容物の入ったコンテ
ナを充コンテナという)を積載して搬出する。
【0003】従来の脱着装置付コンテナ専用車は、コン
テナを積降ろしするための脱着装置をトラック側に備
え、脱着装置にはアーム式とウインチ式がある。アーム
式では、アームでコンテナの一端を持ち上げて強制的に
積降ろし、ウインチ式では、荷台を傾斜させ、コンテナ
にワイヤロープをかけてウインチで積降ろす。いずれの
方式でも、コンテナを傾斜させた状態で積降ろしするの
で、充コンテナを積載するとき、充コンテナ内の収容物
が後方に移動して偏り、一部が脱落する場合がある。そ
のうえ積載後の充コンテナも収容物が後方に偏っている
ため、搬送時にコンテナ専用車の走行が不安定になるの
で、コンテナへの収容量が少量に限定される場合があ
る。
【0004】これに対し、トラックに備えたリフトアー
ムでコンテナ等を吊り上げて積降ろしする方式の水平脱
着ボデー車と呼ばれるものがある。これもコンテナを対
象とするときはコンテナ専用車である。これだと、コン
テナを水平にした状態で積降ろしできるので、上記のよ
うな収容物の脱落や偏りの問題は生じない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の脱着装置付コン
テナ専用車や、水平脱着ボデー車と呼ばれるコンテナ専
用車を使用するとき、作業性において問題となる場合が
ある。これを上記のような廃棄物の例で説明する。廃棄
物等の発生場所では、通常、置かれている充コンテナに
並べて空コンテナを降ろし、充コンテナを積載する。そ
して空コンテナには、この降ろされた位置で廃棄物等を
収容し、満杯になると、すなわち空コンテナが充コンテ
ナになると、コンテナ専用車で別の空コンテナを搬入し
て積降ろし作業を行うので、廃棄物等の発生場所では、
空コンテナの置かれる位置が交互に変わることになる。
【0006】しかし、状況によっては充コンテナが置か
れていたその位置に空コンテナを置くことが要求される
場合がある。例えば複数のコンテナを並置して廃棄物を
分別収容する場合や、建造物解体現場などコンテナ周囲
の空所が狭くて置場が限定される場合などである。この
ようなとき、まず、充コンテナが置かれている所定位置
から離れた空き地にコンテナ専用車を停車させ、空コン
テナを降ろして仮置きする。ついで、コンテナ専用車を
前記所定位置に走行させて充コンテナを積載し、空コン
テナを仮置きした位置に戻る。そして充コンテナを降ろ
し、仮置きした空コンテナを積載する。その後、コンテ
ナ専用車を再び前記所定位置に走行させて空コンテナを
降ろし、さらに充コンテナを降ろした位置に戻り、充コ
ンテナを積載して運搬する。
【0007】すなわち、所定位置と仮置き場の間でコン
テナ専用車を2往復も走行させ、コンテナを降ろす作業
と積載する作業をそれぞれ3回も行う必要があるので、
作業時間がかかり、作業者の負荷も大きい。そのうえ、
従来のアーム式およびウインチ式のコンテナ専用車に充
コンテナを積載するときは、傾斜状態で積載するので、
収容された廃棄物が脱落するおそれや、充コンテナ内の
廃棄物の偏りによって搬送時の走行不安定という問題も
生じる。
【0008】また、コンテナに収容される廃棄物等の種
類や状況によっては、コンテナ専用車の走行中、収容物
が飛散して道路および周辺に害を及ぼしたり、飛散しな
い場合でも美観上好ましくないこともある。この場合、
従来は積載後の充コンテナに、人手によりシートをかけ
るなどカバー装着を行っていた。しかし、この作業は高
所不安定作業となる場合が多く、自動化が望まれてい
た。
【0009】そこで本発明が解決しようとする課題は、
産業廃棄物、一般廃棄物、その他各種物品等を収容した
充コンテナと空コンテナをコンテナ専用車に積降ろす作
業において、コンテナを水平状態で積降ろしするととも
に、空コンテナを降ろす作業と充コンテナを積載する作
業を、同位置にて1回の積降ろし作業で行い、しかも充
コンテナが置かれていたその位置に空コンテナを置くこ
とである。また必要に応じて、コンテナ専用車に積載さ
れた充コンテナあるいは空コンテナに対して、自動的に
カバーを装着することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明コンテナ専用車は、積載された空コンテナを降
ろし、収容物の入った充コンテナを積載して運搬するコ
ンテナ専用車において、荷台に積載された前記空コンテ
ナを上昇させる機能および該空コンテナを地上に降ろす
機能を有する荷降ろし用リフターを前記荷台または車体
の後部に備え、地上に置かれた前記充コンテナを水平状
態で昇降させるための動力源を前記荷台または車体に備
え、かつ上昇させた該充コンテナを前記荷台に積載する
ための牽引治具を前記荷台または車体の前部に備え、前
記荷降ろし用リフターは、荷台に積載された空コンテナ
の両側に設けた回動アームおよび回動軸と該回動軸の回
動機構からなり、回動アームの一端は回動軸に固定さ
れ、他端は積降ろし作業時、空コンテナのコンテナ支持
軸に嵌合され、回動軸は荷台または車体の後部に設け
ことを特徴とするコンテナ専用車である。そして、前記
積載された両コンテナに対するカバーおよびカバー脱着
機構を前記荷台または車体の前部に備えたことが好まし
い。
【0011】また上記課題を解決するための本発明コン
テナは、コンテナ専用車に積降ろしされるコンテナにお
いて、該コンテナを水平状態で昇降させるための3本以
上の支柱を、該コンテナの側面に沿って備え、かつ両側
面の重心点の鉛直線上で該重心点より上側に、コンテナ
専用車の回動アームの一端が嵌合されるコンテナ支持軸
が設けてあることを特徴とするコンテナである。
【0012】さらに上記課題を解決するための本発明法
は、地上に置かれ収容物の入った充コンテナを、水平状
態でコンテナ専用車の荷台よりも高く上昇させ、かつ該
荷台に積載された空コンテナを上昇させた状態で、前記
コンテナ専用車を移動させかつ該充コンテナを牽引して
前記荷台の所定位置に積載した後、前記上昇させた空コ
ンテナを地上に降ろすことを特徴とするコンテナの積降
ろし方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のコンテナ専用車を図面に
示す例により説明する。図1は、コンテナ専用車1の荷
台2に積載された空コンテナ3を、荷降ろし用リフター
により上昇させたのち地上に降ろす過程を示している。
また図2は、地上に置かれ、廃棄物等の収容物が入った
充コンテナ4を、水平状態で上昇させ、荷台2に積載す
る前の状態を示している。
【0014】本発明のコンテナ専用車1は、荷台2に積
載された空コンテナ3を上昇させる機能および地上に降
ろす機能を有する荷降ろし用リフターを荷台2または車
体の後部に備え、地上に置かれた充コンテナ4を水平状
態で昇降させるための動力源を荷台2または車体に備
え、かつ上昇させた充コンテナ4を荷台4に積載するた
めの牽引治具を荷台2または車体の前部に備えている。
ここで、車体は運転席および荷台2の下方の部分であ
り、荷台2と一体であってもよく、荷台2とは別体で、
ダンプカーのように荷台2が傾斜上昇する構造であって
もよい。
【0015】荷降ろし用リフターは、図1の例では、空
コンテナ3の両側に設けた回動アーム5および回動軸6
と、回動軸6の回動機構からなる。回動軸6は荷台2の
後部に設け、図示しない油圧モータや電動等の回動機構
により回動できる。回動アーム5は一端を回動軸6に固
定し、他端は、積降ろし作業時、図1のように空コンテ
ナ3に設けたコンテナ支持軸7に嵌合させる。積降ろし
作業をしないときは、積載した空コンテナ3または充コ
ンテナ4のコンテナ支持軸7に嵌合させてもよく、また
荷台2に設けた固定軸8に嵌合させておいてもよい。図
1の例のほか、荷台2の下方の車体の後部に回動軸6を
設けてもよい。この場合固定軸8は車体に設けてもよ
い。回動軸6の回動機構は、充コンテナ4を昇降させる
ための動力源を使用してもよく、また該動力源とは別の
油圧供給装置や電源とし、荷台2または車体に設けるこ
とができる。
【0016】また回動アーム5は伸縮可能とするのが望
ましく、伸縮は油圧や電動等により行う構造とすること
ができる。本例では、回動アーム5に油圧シリンダを組
込んで伸縮可能としている。この場合の伸縮機構も、充
コンテナ4を昇降させるための動力源を使用でき、また
該動力源とは別の油圧供給装置や電源とし、荷台2また
は車体に設けることができる。なお荷降ろし用リフター
として、このほか回動アーム5を2本使用し、リンク機
構により空コンテナ3を上昇させ降ろす方式などを採用
することもできる。
【0017】充コンテナ4を昇降させるための動力源
は、本例では油圧供給装置9とし荷台2に設けている
が、このほか空気圧シリンダ用のエアコンプレッサ、電
動用の電源等とし、車体に設けることもできる。設ける
位置は、積降ろし作業に支障を来さない位置であればよ
い。充コンテナ4を荷台4に積載するための牽引治具
は、本例ではウインチ11とワイヤロープであり、ウイ
ンチ11は車体の運転席後部に設けているが、このほか
運転席とは別体の車体前部、あるいは荷台2の前部に設
けることもできる。
【0018】図1において、空コンテナ3を運搬すると
きはA位置に積載し、図示しないストッパー等により荷
台2に固定している。空コンテナ3の両側面には、重心
点の鉛直線上で該重心点よりも上側の位置にコンテナ支
持軸7が設けてある。空コンテナ3を降ろすには、まず
回動アーム5をコンテナ支持軸7に摺動自在に嵌合さ
せ、ついで回動軸6を油圧モータ等により回動させて回
動アーム5を直立させ、B位置で停止させる。このと
き、回動アーム5が空コンテナ3側面の上記のような位
置に設けたコンテナ支持軸7に嵌合しているので、空コ
ンテナ3はほぼ水平状態を保持して停止する。停止位置
は、回動アーム5を伸縮させることで必要に応じて高さ
調整し、B′位置とすることもできる。
【0019】そして、図2のように上昇させた充コンテ
ナ4を荷台2に積載した後、図1のように回動アーム5
を回動させて、空コンテナ3をC位置の地上に降ろす。
このとき、回動アーム5を伸縮させるか、コンテナ専用
車1を前後移動させるか、あるいはこれら双方を行うこ
とにより、充コンテナ4が置かれていたと同じ位置に空
コンテナ3を降ろすことができる。降ろした後、空コン
テナ3から回動アーム5を外して回動させ、荷台2の固
定軸8に嵌合させる。また回動アーム5を、積載した充
コンテナ4のコンテナ支持軸7に嵌合させてもよい。
【0020】空コンテナ3を上昇させ停止させる位置
は、充コンテナ4を空コンテナ3の下を通して荷台2に
積載することのできる高さで、かつ充コンテナ4を荷台
の所定位置に積載したのち、図1の例のように回動アー
ム5を回動させて空コンテナ3をC位置の地上に降ろす
とき、積載した充コンテナ4に接触しない高さとする。
このような高さとなるように、回動アーム5の長さを定
めておいてもよく、また上記のように回動アーム5を伸
縮可能とすることもできる。伸縮可能とすることで、異
なる高さのコンテナを積降ろしすることもできる。
【0021】図2の例において、地上に置かれ廃棄物等
の収容物が入った充コンテナ4を、破線で示す位置から
実線で示す位置まで水平状態で上昇させるには、コンテ
ナ専用車1の油圧供給装置9と充コンテナ4に設けた油
圧シリンダ15および16とを油圧ホース10で接続
し、油圧シリンダ15および16のロッドを伸張させて
支柱とする。油圧シリンダ15および16は、本例では
充コンテナ4の両側にそれぞれ2個ずつ設け、合計4個
の油圧シリンダを使用しているが、両側各1個と後側1
個の計3個でもよい。
【0022】また、充コンテナ4に空気圧シリンダを設
け、コンテナ専用車1にエアコンプレッサを設けて両者
を接続し、空気圧シリンダのロッドを支柱としてもよ
い。さらに充コンテナ4にネジ切りシャフトを設けて支
柱とし、コンテナ専用車1の電源と接続して回転させる
こともできる。充コンテナ4の上昇高さは、図2の実線
で示すように荷台2よりも高く空コンテナ3よりも低い
高さとし、高さ調整は、本例では油圧シリンダ15に付
設した切替調整器17および操作器18により、油圧供
給装置9からの油圧を調整して行う。
【0023】本例において充コンテナ4を荷台2に積載
するには、上記のように空コンテナ3および充コンテナ
4を上昇させた後、コンテナ専用車1を後退させる操作
と、まず充コンテナ4の油圧シリンダ15のロッドを引
込め、ついで油圧シリンダ16のロッドを引込める操作
と、ウインチ11により充コンテナ4を牽引する操作と
を組合わせて行い、図1のA位置に移動させ荷台2に固
定する。この工程の詳細は、後述の本発明法で説明す
る。なお、充コンテナ4の底にローラーを設けることも
できる。
【0024】充コンテナ4を積載した後、カバーを装着
する必要があるときは、コンテナ専用車1にカバー14
およびカバー脱着装置13を設けて自動的に装着する。
カバー脱着装置13は、図1の例では運転席の屋根に設
けているが、このほか運転席以外の車体前部や荷台2の
前部に設けることもできる。カバー14には、パイプ製
の骨組みに帆木綿や化学繊維等のシートを張ったもの、
薄鋼板製、アルミ板製などを採用できる。
【0025】図1の例では、カバー脱着装置13を、油
圧モータ、減速機付モータなどで回動させる回動式と
し、カバー14は蛇腹式として、カバー14を伸縮かつ
回動させて脱着させるが、このほか、スライド式にして
油圧シリンダなどでスライドさせることもできる。また
シャッターのように鎧戸として巻取る方式とすることも
できる。さらに、図3に示すように、カバー脱着装置1
3からカバー14を送り出す位置を昇降可能にすること
で、異なる高さのコンテナを使用した場合にもカバー1
4を自動的に脱着することができる。この場合の昇降機
構も油圧や空気圧あるいは電動などとすることができ
る。
【0026】つぎに本発明コンテナを図4および図5の
例により説明する。図5は側面図、図6は上面図であ
る。本発明コンテナは水平状態で昇降させるための3本
以上の支柱をコンテナの側面に沿って備えている。昇降
用の支柱は、本例では油圧シリンダ15および16のロ
ッドとしているが、前述のように、このほか空気圧シリ
ンダのロッドや電動用のネジ切りシャフト等とすること
もできる。支柱による昇降の作動は、コンテナ専用車1
に備えた動力源により行う。また本例では、支柱用とし
て油圧シリンダ15および16を合計4個としている
が、前述のように、このほか合計3個でもよい。
【0027】そして前側の油圧シリンダ15と後側の油
圧シリンダ16が同時に、あるいは別個に作動するよう
に油圧配管19が配設され、切替調整器17により調整
できる。調整は操作器18を操作して行う。配管例を示
すと図7のとおりであり、その作動については、後述の
本発明法で説明する。なお切替調整器17および操作器
18は、コンテナ専用車1に収納しておき、積降ろし作
業時にコンテナに取付けるのが望ましい。油圧配管19
はコンテナに常時取付けておくことができる。
【0028】本発明コンテナは、上記本発明コンテナ専
用車1用に、空コンテナ3および充コンテナ4として使
用される。その寸法は、コンテナ専用車1の荷台2の所
定位置に載置固定されるものであればよく、用途に応じ
て高さが変わっていてもよい。コンテナ専用車1への積
降ろし時、充コンテナ4が高い場合は回動アーム5を伸
ばすことで、上昇させた空コンテナ3を、図1のように
B位置から例えばB′位置までさらに上昇させる。この
ようにすれば、異なる高さの充コンテナ4でも積載する
ことができる。
【0029】また本発明コンテナには、両側面の重心点
の鉛直線上で該重心点より上側に、コンテナ支持軸7が
設けてある。空コンテナ3として使用し、コンテナ専用
車1から降ろすときは、図5の例のように、コンテナ支
持軸7にコンテナ専用車1の回動アーム5の一端を嵌合
させる。なお図4において、21は牽引用のフックであ
る。
【0030】つぎに本発明法は、本発明コンテナ専用車
1から、本発明コンテナを使用した空コンテナ3を降ろ
し、本発明コンテナを使用した充コンテナ4を積載する
ための積降ろし方法である。これを図6の具体例により
説明する。図6(a)のように、充コンテナ4の前にコ
ンテナ専用車1を停車させた後、回動アーム5の一端を
固定軸8から外して空コンテナ3のコンテナ支持軸7に
嵌合させるとともに、(b)のように、油圧供給装置9
と充コンテナ4の油圧シリンダ15および16を接続す
る。そして回動アーム5を回動させて空コンテナ3を上
昇させるとともに、油圧供給装置9から油圧を供給して
油圧シリンダ15および16のロッドを伸張させて支柱
とし、充コンテナ4を上昇させる。充コンテナ4の上昇
停止位置は、荷台2よりも高く空コンテナ3に接触しな
い高さである。
【0031】ついで(c)のように、充コンテナ4が荷
台2の上方に位置するまで、コンテナ専用車1を後退さ
せる。そして、充コンテナ4を下降させて前側を荷台2
に載せ、充コンテナ4とウインチ11をワイヤロープ1
2で連結し、前側の油圧シリンダ15のロッドを引込め
る。その後(d)のように、充コンテナ4をウインチ1
1により牽引するとともに、コンテナ専用車1をさらに
後退させ、充コンテナ4の重心が荷台2上に来た後、後
側の油圧シリンダ16のロッドを引込める。
【0032】そして、充コンテナ4をウインチ11によ
りさらに牽引し、(e)のように荷台2の所定位置に積
載し、空コンテナ3を地上に降ろす。このとき、回動ア
ーム5を伸縮させるか、コンテナ専用車1を前後移動さ
せるか、あるいはこれら双方を行うことにより、充コン
テナ4が置かれていたと同じ位置に空コンテナ3を降ろ
すことができる。その後、回動アーム5の一端を空コン
テナ3のコンテナ支持軸7から外し、荷台2の固定軸8
に嵌合させる。また必要に応じて、カバー脱着装置13
を操作して充コンテナ4にカバー14を装着する。
【0033】充コンテナ4の積載時において、油圧シリ
ンダ15および16を作動させるための配管例を図7に
示す。前側の油圧シリンダ15と後側の油圧シリンダ1
6には、油圧ホース10から切替調整器17を経て、油
圧配管19が別々に配設されている。切替調整器17に
は、油圧シリンダ15用の調整バルブ22と逆止弁24
と切替弁26、および油圧シリンダ16用の調整バルブ
23と逆止弁25と切替弁27が設けてあり、それぞれ
操作器18により操作する。この操作により、コンテナ
専用車1に設けた油圧供給装置9からの油圧を切替調整
し、上記のように、前側の油圧シリンダ15および後側
の油圧シリンダ16のロッドを出入させて充コンテナ4
を積載する。
【0034】なお、充コンテナ4を積載したコンテナ専
用車1が収容物の搬入先、例えば廃棄物処理場に到着し
た後、充コンテナ4内の収容物、例えば廃棄物を取出す
作業が行われる。この作業は、搬入先のクレーン等を使
用して行うことができるが、このほか、本発明コンテナ
専用車1の荷台2を傾斜式にしておき、充コンテナ4を
滑らせて降ろすこともできる。また充コンテナ4は荷台
2に固定しておき、収容物のみを落下させることもでき
る。この場合、本発明コンテナの後壁を傾斜させておく
と、収容物を容易に落下させることができる。
【0035】
【発明の効果】本発明により、産業廃棄物、一般廃棄
物、その他各種物品等を、コンテナに収容した状態で運
搬するにあたり、コンテナ専用車から空コンテナを降ろ
す作業と、廃棄物など収容物の入った充コンテナを積載
する作業とを、同位置にて1回の積降ろし作業で、コン
テナを水平状態にして行い、充コンテナが置かれていた
その位置に空コンテナを置くことができる。
【0036】このため、廃棄物発生場所等で、並置した
複数のコンテナに廃棄物等を分別収容する場合や、建築
物解体現場などコンテナ周囲の空所が狭い場合等におい
て、コンテナの積降ろし作業が大幅に向上し、しかもコ
ンテナ専用車およびコンテナの構造複雑化もさほど要し
ない。またコンテナを水平状態で積降ろしできるので、
積降ろし作業中、収容物脱落のおそれがなく、収容物が
偏らず、作業および運搬時の安定性が向上する。さらに
積載後の充コンテナに自動的にカバーを装着すること
で、作業の安全性を確保したうえで運搬中の道路および
周辺に害を及ぼすおそれが解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明コンテナ専用車の例を示す説明図であ
る。
【図2】本発明コンテナ専用車による積降ろし作業の例
を示す説明図である。
【図3】本発明コンテナ専用車の別の例を示す説明図で
ある。
【図4】本発明コンテナの例を示す側面図である。
【図5】本発明コンテナの例を示す上面図である。
【図6】(a),(b),(c),(d),(e)は本
発明法による積降ろし作業の工程例を示す説明図であ
る。
【図7】本発明コンテナにおける油圧シリンダの配管例
を示す説明図である。
【符号の説明】
1…コンテナ専用車 2…荷台 3…空コンテナ 4…充コンテナ 5…回動アーム 6…回動軸 7…コンテナ支持軸 8…固定軸 9…油圧供給装置 10…油圧ホース 11…ウインチ 12…ワイヤロープ 13…カバー脱着装置 14…カバー 15,16…油圧シリンダ 17…切替調整器 18…操作器 19…油圧配管 20…収容物 21…フック 22,23…調整バルブ 24,25…逆止弁 26,27…切替弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−136935(JP,A) 特開 昭51−118216(JP,A) 実開 昭53−161933(JP,U) 実開 昭56−70436(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60P 1/48

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積載された空コンテナを降ろし、収容物
    の入った充コンテナを積載して運搬するコンテナ専用車
    において、荷台に積載された前記空コンテナを上昇させ
    る機能および該空コンテナを地上に降ろす機能を有する
    荷降ろし用リフターを前記荷台または車体の後部に備
    え、地上に置かれた前記充コンテナを水平状態で昇降さ
    せるための動力源を前記荷台または車体に備え、かつ上
    昇させた該充コンテナを前記荷台に積載するための牽引
    治具を前記荷台または車体の前部に備え、前記荷降ろし
    用リフターは、荷台に積載された空コンテナの両側に設
    けた回動アームおよび回動軸と該回動軸の回動機構から
    なり、回動アームの一端は回動軸に固定され、他端は積
    降ろし作業時、空コンテナのコンテナ支持軸に嵌合さ
    れ、回動軸は荷台または車体の後部に設けたことを特徴
    とするコンテナ専用車。
  2. 【請求項2】 前記積載された両コンテナに対するカバ
    ーおよびカバー脱着装置を前記荷台または車体の前部に
    備えたことを特徴とする請求項1記載のコンテナ専用
    車。
  3. 【請求項3】 コンテナ専用車に積降ろしされるコンテ
    ナにおいて、該コンテナを水平状態で昇降させるための
    3本以上の支柱を、該コンテナの側面に沿って備え、か
    つ両側面の重心点の鉛直線上で該重心点より上側に、コ
    ンテナ専用車の回動アームの一端が嵌合されるコンテナ
    支持軸が設けてあることを特徴とするコンテナ。
  4. 【請求項4】 地上に置かれ収容物の入った充コンテナ
    を、水平状態でコンテナ専用車の荷台よりも高く上昇さ
    せ、かつ該荷台に積載された空コンテナを上昇させた状
    態で、前記コンテナ専用車を移動させかつ該充コンテナ
    を牽引して前記荷台の所定位置に積載した後、前記上昇
    させた空コンテナを地上に降ろすことを特徴とするコン
    テナの積降ろし方法。
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