JPH05338636A - ハンドラベラー - Google Patents

ハンドラベラー

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JPH05338636A
JPH05338636A JP17199892A JP17199892A JPH05338636A JP H05338636 A JPH05338636 A JP H05338636A JP 17199892 A JP17199892 A JP 17199892A JP 17199892 A JP17199892 A JP 17199892A JP H05338636 A JPH05338636 A JP H05338636A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1台で複数種類の大きさのラベルに対応でき
るハンドラベラーを提供する。 【構成】 ラベルテープ10は装置内に導入され、ラベ
ル受台230の上面へ導かれ、ここで印字が行われる。
印字後のラベル12は左方向へ繰り出され、移送テープ
11はラベル折返部232で折り返され、主移送ドラム
軸510に巻き付く。手動レバーを握る往路動作で、主
移送ドラム軸510が時計回りに回転する。ラベル移送
爪514は、PからQまで動くが、このとき、寝た状態
になるため、移送テープ11は動かない。続く復路動作
で、主移送ドラム軸510が反時計回りに回転すると、
ラベル移送爪514は、立った状態で動き、QからRま
では移送テープ11の裏面をスリップするが、Rで抜き
穴13に係合し、RからPまでは移送テープ11を移送
しながら動く。これにより、長さPRのラベル1枚分を
送ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハンドラベラー、特に、
長尺の移送テープ上に多数のラベルを順次仮貼着したラ
ベルテープに対して印字を行い、印字後のラベルを1枚
ずつ繰り出す機能をもったハンドラベラーに関する。
【0002】
【従来の技術】種々の商品に価格あるいは商品コードを
付する装置として、ハンドラベラーが広く用いられてい
る。現在用いられている一般的なハンドラベラーは、長
尺の移送テープ上に多数のラベルを順次仮貼着したラベ
ルテープを用い、このラベルテープに対して必要な印字
を行い、印字後のラベルを1枚ずつ繰り出す機能をもっ
ている。すなわち、巻取状態のラベルテープをテープホ
ルダにセットし、ここから引き出したラベルテープに印
字を行い、移送テープをラベル1枚分の長さだけ送り出
しながら、印字後のラベル1枚を移送テープから剥離す
る。このラベル1枚分の印字および送出動作は、操作者
が手動レバーを握る往路動作と、これを放してもとの位
置に復帰させる復路動作と、によって行われる。通常
は、往路動作によりラベルに対する印字が行われ、復路
動作によりラベル1枚分の送出が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】移送テープの送出動作
では、その都度、ラベル1枚分の長さだけを正確に送る
必要がある。送出長さが不正確であると、ラベル上での
印字位置が一定にならない不都合が生じるためである。
そのため、通常は、移送テープ上に、ラベル1枚分の長
さのピッチで抜き穴を形成しておき、この抜き穴に移送
爪を係合させ、この移送爪を動かすことにより、正確に
ラベル1枚分の長さだけの送出を行っている。より具体
的には、ラベル剥離後の移送テープを移送ドラムに巻き
付け、この移送ドラムの外周部に取り付けた移送爪によ
って移送テープの送出を行っている。複数の移送爪を移
送ドラムの外周上に、使用するラベル1枚分のピッチで
配列しておき、この移送ドラムを外周上でこのピッチ距
離だけ回動させれば、必要量だけの送出が可能になる。
【0004】ところで、ラベルを貼着する商品の形態や
印字内容によって、使用すべきラベルの大きさは様々で
ある。小さな商品に対する場合や印字文字数の少ない場
合には、1枚分の長さの短いラベルを用いる必要があ
り、大きな商品に対する場合や印字文字数の多い場合に
は、1枚分の長さの長いラベルを用いる必要がある。こ
のため、多用な商品や印字内容に対応するためには、1
枚分の長さが様々な数種類のラベルを使い分ける必要が
ある。しかしながら、上述したように、従来のハンドラ
ベラーでは、所定ピッチで移送爪を配置した移送ドラム
を用いているため、1台のハンドラベラーでは、使用で
きるラベルの大きさが1種類だけに限定されてしまうこ
とになる。このため、用いるラベルの種類に応じて、複
数台のハンドラベラーを用意しているのが現状である。
【0005】そこで本発明は、1台で複数種類の大きさ
のラベルに対応できるハンドラベラーを提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 本願第1の発明は、後方へ把手を延出するととも
に、長尺の移送テープ上に多数のラベルを順次仮貼着し
たラベルテープを巻装するためのテープホルダを備えた
ハウジングと、このハウジングに枢着され、把手へ向か
って回動する往路動作と、把手から離隔する方向へ回動
する復路動作と、を行う手動レバーと、この手動レバー
の往路動作により下降し、復路動作によって上昇する印
字機構と、テープホルダから引き出されたラベルテープ
を、下降してきた印字機構の印字面に接触させるように
支持するとともに、印字後のラベルを剥離しながら移送
テープを折り返すための折り返し部を有するラベル受台
と、移送テープをラベル1枚分の長さだけ送る機能を有
するラベル移送機構と、を備えるハンドラベラーにおい
て、移送テープを送出することができる順方向の回動動
作と、これとは逆方向の回動動作と、を行うことがで
き、手動レバーの往路動作に駆動されて逆方向の回動動
作を行い、手動レバーの復路動作に駆動されて順方向の
回動動作を行う主移送ドラムと、この主移送ドラムの外
周面から外側に突出するように、かつ、順方向に関して
は傾倒可能、逆方向に関しては傾倒不能、となるように
取り付けられたラベル移送爪と、移送テープの各ラベル
間位置に形成された抜き穴に、ラベル移送爪を係合させ
ることができるように、傾倒状態にあるラベル移送爪を
起こそうとする方向に力を作用させる爪起立手段と、に
よってラベル移送機構を構成したものである。
【0007】(2) 本願第2の発明は、上述の第1の発
明に係るハンドラベラーにおいて、主移送ドラム内の所
定の枢軸に関して回動する回動体にラベル移送爪を取り
付け、この枢軸のまわりに取り付けた爪発条によって爪
起立手段を構成するようにしたものである。
【0008】(3) 本願第3の発明は、上述の第1の発
明に係るハンドラベラーにおいて、主移送ドラムの両側
面に、それぞれ補助移送ドラムを更に設け、これら補助
移送ドラムを手動レバーの復路動作によって順方向に駆
動するようにし、これら補助移送ドラムとその周囲に配
置された送出ローラとによって移送テープを挟み、この
移送テープの送出動作に対する補助作用を行うことがで
きるようにしたものである。
【0009】(4) 本願第4の発明は、上述の第1の発
明に係るハンドラベラーにおいて、主移送ドラムに回動
動作を行わせるために、手動レバーの動作をギアにより
主移送ドラムに伝達するような構造とし、このギアのギ
ア比を切り替えることにより、主移送ドラムの回動角度
を変えることができるようにしたものである。
【0010】
【作 用】
(1) 本願第1の発明では、手動レバーの往路動作によ
って、主移送ドラムが逆方向に回動する。このとき、ラ
ベル移送爪は、上から巻き付いた移送テープによって押
さえ付けられるようになるため順方向に傾倒し、抜き穴
に係合することなくスリップする。したがって、この主
移送ドラムの逆方向への回動により、移送テープが逆方
向に動くことはない。続いて、手動レバーの復路動作に
よって、主移送ドラムが順方向に回動する。このとき、
ラベル移送爪に対しては、これを起こそうとする方向に
力が作用しているため、ラベル移送爪は、抜き穴位置に
到達するまではスリップするが、抜き穴位置に到達した
時点で起き上がってこの抜き穴に係合する。したがっ
て、抜き穴に係合した後は、移送テープを順方向に移送
することができる。抜き穴に係合する位置は任意の位置
でよいため、長さの異なる複数のラベルに対して、正常
なラベル移送機構が実現できる。
【0011】(2) 本願第2の発明では、主移送ドラム
内の所定の枢軸に関して回動する回動体にラベル移送爪
を取り付け、この枢軸のまわりに取り付けた爪発条によ
って爪を起こすようにしたため、単純な構造でラベル移
送機構が実現できる。
【0012】(3) 本願第3の発明では、更に補助移送
ドラムを設けるようにしたため、よりスムーズなラベル
移送動作が可能になる。
【0013】(4) 本願第4の発明では、ギア比を切り
替えることにより、主移送ドラムの回動角度を変えるこ
とができるようにしたため、より広範囲なラベルの大き
さに対応することができるようになる。
【0014】
【実施例】§1. ハンドラベラーの全体構成 以下、本発明を図示する実施例に基づいて詳述する。図
1は、本発明の一実施例に係るハンドラベラーの全体構
成を示す図である。ここでは、このハンドラベラーを、
機能の面から次の5つの機構に分けて説明することにす
る。駆動機構100は、操作者によって操作される部分
と、この操作によって生じる運動を他の各機構に伝達す
る部分とを含んでいる。テープ供給機構200は、この
ハンドラベラー内にラベルテープを供給するための機構
である。印字機構300は、供給されたラベルテープに
対して印字を行うための機構であり、インク供給機構4
00は、この印字機構300に対してインクを供給する
ための機構である。また、ラベル移送機構500は、供
給されたラベルテープを1ラベル分の長さごとに移送す
る機構である。
【0015】図2は、各機構の主たる構成部品をより詳
細に示した構造図であり、各部品に付した符号の百の位
は、上述の5つの機構のうち、その部品が所属する機構
に付した符号の百の位に統一して示してある。そこで、
まず、駆動機構100の主たる構成部品について説明す
る。ハウジング105は、このハンドラベラーの外部を
囲う筐体であり、後方へ把手となる部分が延びている。
このハウジング105は、図3に示す分解図によって全
体形状が明瞭に示されており、左側部と右側部とによっ
て構成されている。手動レバー110は、このハウジン
グ105に対して、図2に示すように、手動レバー軸1
11によって枢着されており、操作者によって操作され
る。この手動レバー110の一点とハウジング105の
一点との間には、手動レバー復帰ばね120が取り付け
られており、平常時には、手動レバー110は図2に示
された位置を保っている。操作者が、ハウジング105
の把手部分および手動レバー110を一緒に持って握り
しめると、手動レバー110は手動レバー軸111を中
心として、図2において、反時計回りに回動する。この
回動動作は、手動レバー110が手動レバーストッパ1
30に当接した位置で止まる。操作者が、握る力を弱め
ると、手動レバー復帰ばね120の作用により、手動レ
バー110はもとの位置へ復帰する。このハンドラベラ
ーは、こうした手動レバー110の往復運動によって駆
動されることになる。ここでは、操作者の握力により手
動レバー110が手動レバーストッパ130に向かって
動かされる動作を往路動作、逆に、手動レバー復帰ばね
120によって元の位置に復帰する動作を復路動作と呼
ぶことにする。
【0016】手動レバー110の往復運動は、主動アー
ム140に伝達される。主動アーム140は、図3の分
解図に示されているように、左右一対の部材からなり、
それぞれ先端には、ローラ142が形成されている。こ
の主動アーム140の一対の部材によって、中間部材1
50が挟まれた状態となっている。図2において、手動
レバー110の運動は、中間部材150を介して主動ア
ーム140へ伝達されることになる。手動レバー110
が手動レバー軸111を枢軸として回動するのに対し、
主動アーム140は主動アーム軸141を枢軸として回
動する。中間部材150の下端には、中間部材大歯車1
55が形成されており、後述するラベル移送機構500
を駆動する。この手動レバー110から主動アーム14
0への動力伝達は、図3に示す衝撃ばね160の作用に
より自由度をもって行われるが、この動力伝達機構につ
いての詳細は後述する。
【0017】続いて、テープ供給機構200について、
図2および図3を参照しながら説明する。テープホルダ
ー205は、ハウジング105に取り付けられたホルダ
ーであり、ここに、巻取状態となったラベルテープ10
を装着することができる。装着されたラベルテープ10
の一端は引き出され、ラベルガイド210から装置内部
へと導入される。ラベルストッパ220は、後述するよ
うに、導入されたラベルテープ10を係止する機能を有
する。導入されたラベルテープ10は、更に、装置底部
に設けられたラベル受台230の上面へと導かれ、この
ラベル受台230の先端に形成されたラベル折返部23
2によって装置底面へと折り返される。ところで、ラベ
ルテープ10は、長尺の移送テープ11上に多数のラベ
ル12を順次仮貼着して構成されるものであり、ラベル
折返部232によって装置底面に折り返されるのは、移
送テープ11のみである。別言すれば、このラベル折返
部232の直前で、ラベル12は剥離されて繰り出さ
れ、貼付ローラ240によって押圧することにより、こ
のラベル12を商品に貼着することができる。この様子
は、図2に示されている。
【0018】印字機構300は、ラベル受台230の上
面に支持されているラベルテープ10に対して印字を行
う機能を有する。スタンプケース305は、この印字機
構300の本体となるべき部分であり、主動アーム14
0に取り付けられている。この実施例の装置では、図2
に示すように、スタンプケース305内には、回転ゴム
印310、回転ゴム印320、サブ印330、の3つの
印字ユニットがセットされている。これらの印字ユニッ
トの底面には、それぞれ、印字部312、印字部32
2、印字部332、が設けられており、これら各印字部
には活字が形成されている。回転ゴム印310および3
20は、回転式のユニットであり、印字部312および
印字部322に設定する数字や記号を自由に変えること
ができる。前述のように、手動レバー110の運動は、
主動アーム140に伝達され、更に、印字機構300ま
で伝達される。すなわち、往路動作により印字機構30
0は下降し、印字部312,322,332が、ラベル
受台230の上面に支持されたラベルテープ10に接触
し、印字が行われることになる。続いて、復路動作によ
り印字機構300は上昇し、もとの位置(図2に示す位
置)へ復帰する。
【0019】インク供給機構400は、印字部312,
322,332の表面にインクを供給する機能を有し、
主たる構成部品は、ヘッドアーム410、インクアーム
420、インクローラ430、である。ヘッドアーム4
10およびインクアーム420の全体形状は、図3の分
解図に示されている。インクアーム420はヘッドアー
ム410に対して回動自在に取り付けられ、インクアー
ム420の先端には、インクを吸収したインクローラ4
30が取り付けられている。主動アーム140が下降す
ると、ローラ142によってヘッドアーム410が押し
下げられ、これにより、インクローラ430が各印字部
332,322,312の表面を転がりインクを付着さ
せる。この機構については、後で詳述する。
【0020】ラベル移送機構500は、主移送ドラム5
10、補助移送ドラム520,530(図2には530
のみ示されている)、ドラム小歯車540、送出ローラ
550、を主たる構成部品とする。主移送ドラム510
は移送ドラム軸511を枢軸としてハウジング105に
取り付けられている。また、補助移送ドラム520,5
30は、この主移送ドラム510の両側面に、やはり移
送ドラム軸511を枢軸として取り付けられている。こ
の移送ドラム軸511には、更に、ドラム小歯車540
が取り付けられている。このドラム小歯車540は、中
間部材大歯車155と噛み合い、手動レバー110の往
復運動を、主移送ドラム510に往復回動運動として伝
達する役目を果たす。各ドラム510,520,530
の外周部には、ラベル折返部232によって折り返され
た移送テープ11が巻き付き、その外側に配置された送
出ローラ550で押さえられる。各ドラム510,52
0,530が回動することにより、この移送テープ11
は排出方向へと移送される。
【0021】§2. 基本印字動作 続いて、このハンドラベラーによる基本印字動作につい
て説明する。図4は、このハンドラベラーについて、印
字動作の基本動作を行う部分のみを抽出した斜視図であ
る。前述のように、手動レバー110は手動レバー軸1
11を枢軸として取り付けられ、主動アーム140は主
動アーム軸141を枢軸として取り付けられている。手
動レバー110の往復運動は、中間部材150を介し
て、主動アーム140へ伝達される。すなわち、往路動
作では、手動レバー110の先端に形成された手動レバ
ー押部112によって、中間部材150の作用部151
が押し下げられる。これにより、主動アーム140が主
動アーム軸141を枢軸として下降する回動動作を行
う。一方、手動レバー復帰ばね120による復路動作で
は、手動レバー押部112によって、中間部材150の
部材側衝撃ばね軸152が押し上げられる。これによ
り、主動アーム140が主動アーム軸141を枢軸とし
て上昇する回動動作を行う。
【0022】図5〜図7は、手動レバー110の往復運
動に基づく基本印字動作を説明するための側面図であ
る。往路動作では、手動レバー110が手動レバー軸1
11を枢軸として、図における反時計回りに回動する。
これにより、中間部材150の作用部151が押し下げ
られるとともに、衝撃ばね160が引き伸ばされる。衝
撃ばね160は、手動レバー110に取り付けられたレ
バー側衝撃ばね軸114と、中間部材150に取り付け
られた部材側衝撃ばね軸152と、の間に取り付けられ
たばねであり、後述するように、ラベルテープ10に対
する印圧を制御するための機能を果たす。
【0023】図5において、主動アーム140が反時計
回りに回動すると、ローラ142がヘッドアーム410
を押し下げる動きをすることになる。この動きは図4の
斜視図を参照すれば容易に理解できよう。ところで、図
4に示すように、インクアーム420はインクアーム軸
421を枢軸としてヘッドアーム410に取り付けられ
ており、ヘッドアーム410に対しては、ヘッドアーム
発条412によって、また、インクアーム420に対し
ては、インクアーム発条422によって、それぞれ所定
方向への回転力が加えられている。すなわち、図5にお
いて、ヘッドアーム410およびインクアーム420に
は、いずれにも反時計回りへの回転力が加えられてい
る。したがって、ヘッドアーム410は、上部に位置す
るローラ142に接した状態を保とうとし、インクロー
ラ430は、上部に位置するスタンプケース305に接
した状態を保とうとする。ここで、ローラ142によっ
てヘッドアーム410を押し下げると、ヘッドアーム4
10およびインクアーム420は、それぞれヘッドアー
ム発条412およびインクアーム発条422に抗する方
向へ動くことになる。往路動作では、スタンプケース3
05がラベル受台230に向かって下降してゆくことに
なるが、この過程で、ローラ142によってヘッドアー
ム410が押し下げられるため、インクローラ430
は、スタンプケース305の底面に位置する活字の表面
を、図の右から左の方向へと転がってゆくことになる。
こうして、インクローラ430が含んでいたインクが、
活字面へ塗布される。
【0024】図6は、往路動作が完了した状態を示す側
面図である。スタンプケース305の底面(活字面)
は、ラベル受台230上に支持されたラベルテープ10
の表面に接触して印字が行われる。インク塗布の作業を
終えたインクローラ430は、スタンプケース305の
側面へ退避した状態となっている。この状態から、復路
動作へと転じる。図7は、この復路動作の途中の状態を
示す側面図である。すなわち、復路動作により、手動レ
バー押部112が上方へと動きながら、部材側衝撃ばね
軸152を押し上げてゆく。これにより、主動アーム1
40は、図における時計回りに回動し、スタンプケース
305は上昇することになる。ヘッドアーム410およ
びインクアーム420は、それぞれ、ヘッドアーム発条
412およびインクアーム発条422の作用によりもと
の位置へと復帰する方向に動く。側面へ退避していたイ
ンクローラ430は、再び、スタンプケース305の底
面へ戻り、図の左から右へと転がりながら移動する。こ
うして、再び図5に示す状態に戻ることになる。
【0025】ここで、ローラ142とヘッドアーム41
0との当接状態の変化を考えてみる。図5に示す状態
で、ローラ142の移動方向とヘッドアーム410の辺
とがなす当接角度を検討すると、ほぼ90°の当接角度
が得られている。これに対して、図6に示す状態になる
と、当接角度は、ほぼ0°となっている。前述のよう
に、ヘッドアーム410に対しては、ヘッドアーム発条
412によって図の反時計回りに反力が加えられている
が、この反力のうち、ローラ142の移動を阻むのに有
効な成分は、当接角度に依存する。すなわち、図5に示
すような往路動作の初期段階では、当接角度が90°に
近いため、ローラ142の移動を阻むのに比較的大きな
反力が作用しているが、図6に示すような往路動作の完
了段階では、当接角度が0°に近いため、ローラ142
の移動を阻むための反力はほとんどなくなっている。こ
のように、往路動作の過程で、ローラ142の移動を阻
む反力が次第に小さくなってゆくような構造は、往路動
作の完了時において、スタンプケース305を十分な衝
撃力でラベルテープ10に衝突させるために効果的であ
る。
【0026】以上の往復動作により、1枚のラベルにつ
いての印字が完了する。この印字機構の特徴は、手動レ
バー110と主動アーム140とが間接的に連結されて
いる点にある。従来のハンドラベラーでは、これらが直
接連結されていた。別言すれば、手動レバー110から
主動アーム140までが機械的に一体となった部品を構
成していた。このように、直接連結された構造の問題点
は、印字を行うときの印圧が、操作者の手動レバー11
0の操作握力によって左右されるという点である。すな
わち、印字時には、手動レバー110の移動速度に応じ
た速度でスタンプケース305が下降し、ラベル受台2
30に衝突することになる。したがって、操作者が勢い
良く手動レバー110を握るようにすれば、印圧は高く
なり、緩慢な動作で手動レバー110を握るようにすれ
ば、印圧は低くなってしまう。このように、操作者の操
作握力によって印圧が変わると、ラベルへの印字濃度が
不安定になり好ましくない。
【0027】このハンドラベラーの特徴のひとつは、手
動レバー110と主動アーム140とを間接的に連結す
るようにし、操作者の操作握力にかかわらず、常に一定
の印圧を確保できるようにした点にある。このハンドラ
ベラーによる印圧は、衝撃ばね160によって一定に制
御されるのである。この原理を図6を参照して説明しよ
う。図6は、前述したように、往路動作が完了した瞬間
の状態を示す側面図である。ここで、手動レバー押部1
12と作用部151との位置関係に注目すると、両者間
には若干の間隙が形成されていることがわかる。図5に
示すように、往路動作では、手動レバー押部112よっ
て作用部151が押し下げられ、これによりスタンプケ
ース305が下降してゆく。ところが、この往路動作の
完了時には、図6に示すように、手動レバー押部112
と作用部151との間には間隙が生じている。この理由
は、往路動作の最後の部分において、スタンプケース3
05をラベル受台230へと衝突させて印字を行う動作
は、手動レバー押部112による押下力ではなく、衝撃
ばね160の作用力によるものだからである。
【0028】図2に示すように、ハウジング105の把
手部分には、手動レバーストッパ130が設けられてお
り、手動レバー110がこの手動レバーストッパ130
に衝突した位置において、往路動作は完了する。図6に
示す手動レバー押部112の位置は、この往路動作完了
時の位置である。手動レバー押部112がこの最終位置
に到達した後、作用部151が更に下降するのは、衝撃
ばね160の作用力によるものである。前述したよう
に、往路動作中、衝撃ばね160には引き伸ばされる方
向に力が加わるため、衝撃ばね160は絶えず縮もうと
する方向に作用力を生じることになる。このため、手動
レバー110が往路動作の最終位置に到達して動きを止
めた後にも、衝撃ばね160は部材側衝撃ばね軸152
を下方へ引っ張ろうと作用する。こうして、スタンプケ
ース305は更に下降し、ラベルテープ10の上面への
印字を行うのである。
【0029】要するに、スタンプケース305の底面に
形成された活字を、ラベルテープ10の上面に最終的に
衝突させる力は、手動レバー110に直接与えられた操
作者の操作握力ではなく、往路動作中に衝撃ばね160
に蓄積された力ということになる。したがって、操作者
が手動レバー110を勢い良く握ろうが、緩慢に握ろう
が、印圧は常に衝撃ばね160によって決められる一定
値となり、常に均一な濃度の印字が可能になる。
【0030】§3. ラベル移送動作 続いて、本願特許請求の範囲に記載した発明に関連した
ラベル移送機構500によるラベル移送動作について詳
述する。図2において説明したように、ラベルへの印字
が完了すると、ラベル折返部232によって装置底面に
折り返された移送テープ11が、ラベル1枚分の長さだ
け図の右方へと移送される。これにより、移送テープ1
1上に仮貼着されていたラベル12が剥離し、図の左
方、貼付ローラ240の直下に繰り出される。このラベ
ル1枚分の長さだけの移送を行うのが、ラベル移送機構
500である。図2において、移送テープ11は、装置
底面から、主移送ドラム510の外周に巻き付き、この
主移送ドラム510と送出ローラ550との間を通って
装置外部へと排出される。したがって、原理的には、図
2において、主移送ドラム510の外周面において、ラ
ベル1枚分の長さだけ移送できるように、主移送ドラム
510を反時計回りに回動させれば、この移送動作は完
了する。しかしながら、移送テープ11をスリップする
ことなしに、正確にラベル1枚分の長さだけ送るために
は、移送テープ11にラベル1枚分の長さピッチで抜き
穴13を形成しておき、抜き穴13にラベル移送爪を係
合させて送る方法が確実である。
【0031】図8は、ラベル移送機構500の主たる構
成部品を示す正面図である。ちょうど、図2に示す装置
を図の左方から見た状態に対応し、一点鎖線X−X´よ
り下の部分には、その断面が示されている。図9は、図
8に示す構成部品の一部を分解して示した斜視図であ
る。以下、この図8および図9を参照しながら、各構成
部品の説明を行う。主移送ドラム510は、移送ドラム
軸511を枢軸としてハウジング105に取り付けられ
た円筒状のドラムであり、このラベル移送動作の主たる
動作を行う部品である。この主移送ドラム510の両側
面には、それぞれ、補助移送ドラム520および補助移
送ドラム530が嵌合している。この3つの各ドラム5
10,520,530は、いずれも、移送ドラム軸51
1を枢軸とするドラムであるが、このドラム自体は、そ
れぞれが別個に自由に回動することができるようになっ
ている。図9に示すように、主移送ドラム510には、
ドラムラチェット512が形成されており、補助移送ド
ラム520の内部には、このドラムラチェット512と
係合するための補助移送ドラム爪522が形成されてい
る。ドラムラチェット512には方向性があり、補助移
送ドラム520を主移送ドラム510に嵌合させた状態
では、補助移送ドラム520は主移送ドラム510に対
して一方向にのみ回動可能になる。また、補助移送ドラ
ム520の外周部には、方向性があるドラムラチェット
528が形成されている。ハウジング105に取り付け
られた逆転防止爪524は、逆転防止爪発条526によ
ってこのドラムラチェット528に係合する状態に保持
されている。更に、補助移送ドラム520の外周部に
は、ドラム歯車529が形成されており、同様に、補助
移送ドラム530の外周部には、ドラム歯車539が形
成されている。
【0032】一方、送出ローラ550は、これら各ドラ
ムの外周部直近に配置されており、一対のOリング55
2と、送出歯車554,556を有する。図8に示すよ
うに、送出歯車554はドラム歯車529と噛み合って
おり、送出歯車556はドラム歯車539と噛み合って
いる。また、一対のOリング552は、それぞれ、補助
移送ドラム520および補助移送ドラム530の外周部
に接している。移送ドラム軸511には、更に、ドラム
小歯車540が取り付けられている。このドラム小歯車
540は、図2に示すように、中間部材大歯車155と
噛み合っており、手動レバー110の往復運動は、中間
部材大歯車155およびドラム小歯車540によって、
往復回動運動として主移送ドラム510に伝達される。
ドラム小歯車540は、図8に示されているように、二
段式の歯車であり、中間部材大歯車155も、図2に示
されているように、二段式の歯車である。図2に示す状
態では、いずれも第1段目が噛み合っているが、ドラム
小歯車540を移送ドラム軸511から一旦抜き取り、
逆向きにして、再び挿入するようにすると、今度は、い
ずれも第2段目が噛み合うようになる。このように、ド
ラム小歯車540の挿入向きによって、第1段目と第2
段目とを切り替えることができ、ギア比を変えることが
できる。このギア比は、手動レバー110の往復運動の
振幅に対する主移送ドラム510の往復回動運動の振幅
を決定する要因となる。ギア比を変えることができるよ
うな構造を採るメリットについては、後述する。
【0033】さて、ここで、各ドラム510,520,
530および送出ローラ550の回動運動について検討
してみよう。ここでは、各ドラムの回動方向を次のよう
に定義する。すなわち、移送テープ11を目的の方向へ
送出することができるような回動方向、別言すれば、図
2において、移送ドラム軸511を回動軸としたときの
反時計回りの回動方向を「順方向」と呼び、これとは逆
の方向、別言すれば、図2において、移送ドラム軸51
1を回動軸としたときの時計回りの回動方向を「逆方
向」と呼ぶことにする。
【0034】まず、往路動作について考える。図2にお
いて、手動レバー110が反時計回りに回動すると、中
間部材大歯車155も同方向に回動し、ドラム小歯車5
40は、これとは逆の時計回りに回動する。ドラム小歯
車540および主移送ドラム510は、いずれも移送ド
ラム軸511に枢着されており、主移送ドラム510は
ドラム小歯車540と全く同じ回動動作を行う。こうし
て、往路動作では、主移送ドラム510は、図2におけ
る時計回り、すなわち「逆方向」への回動動作を行うこ
とになる。このとき、補助移送ドラム520は、全く回
動動作を行わない。なぜなら、図9に示すように、逆転
防止爪524がドラムラチェット528に引っ掛かり、
逆方向への回転が防止されているためである。このと
き、ドラムラチェット512は、その方向性により、補
助移送ドラム爪522をスリップさせながら回動するこ
とになる。補助移送ドラム530は、送出ローラ550
を介して、補助移送ドラム520の歯車と噛み合ってい
るため、やはり逆方向への回転は行わない。結局、往路
動作では、主移送ドラム510だけが逆方向B(図9の
矢印参照)に回動し、補助移送ドラム520および補助
移送ドラム530は静止状態を維持する。
【0035】次に、復路動作について考える。図2にお
いて、手動レバー110が時計回りに回動すると、中間
部材大歯車155も同方向に回動し、ドラム小歯車54
0は、これとは逆の反時計回りに回動する。こうして、
復路動作では、主移送ドラム510は、図2における反
時計回り、すなわち「順方向」への回動動作を行うこと
になる。このとき、補助移送ドラム520も、順方向へ
の回動動作を行う。なぜなら、図9に示すように、ドラ
ムラチェット512の方向性により、順方向への回動に
対しては、補助移送ドラム爪522によって補助移送ド
ラム520を同方向へ回動させる機能をもっているため
である。このとき、ドラムラチェット528は、その方
向性により、逆転防止爪524をスリップさせながら回
動することになる。補助移送ドラム530は、送出ロー
ラ550を介して、補助移送ドラム520の歯車と噛み
合っているため、やはり順方向への回転動作を行う。結
局、復路動作では、主移送ドラム510とともに、補助
移送ドラム520,530が順方向Aに回動することに
なる。
【0036】続いて、主移送ドラム510に内蔵された
ラベル移送爪514の機能についての説明を行う。図8
の断面部分に示されているように、主移送ドラム510
の内部には、爪軸515が配置され、この爪軸515を
枢軸として一対の回動体513が設けられている。この
一対の回動体513の下面には、それぞれラベル移送爪
514が取り付けられている。この一対のラベル移送爪
514は、移送テープ11に設けられた抜き穴13に挿
入できるような間隔に配されている(抜き穴13の概観
は、図16を参照)。回動体513は、爪軸515を枢
軸として回動するが、この回動動作には制限がつけられ
ている。いま、図9に示すように、ラベル移送爪514
が、主移送ドラム510の外周面から外側に突出する方
向を向いた状態、別言すれば、主移送ドラム510の半
径方向を向いた状態を起立状態と定義すると、このラベ
ル移送爪514を起立状態から、図に矢印Aで示した
「順方向」に倒す方向に対しては回動可能であり、逆
に、図に矢印Bで示した「逆方向」に倒す方向に対して
は回動不能となるような制限がつけられている。このよ
うな回動方向の制限は、この実施例では、後述するよう
に、断面形状が菱形となる回動体513を用意すること
により実現している。なお、図8に示す爪発条516に
よって、回動体513には、ラベル移送爪514を図9
の矢印Bに示す方向に動かす方向へ回動力が与えられて
いる。結局、ラベル移送爪514は、何ら外力を作用さ
せない状態においては、起立状態を保つことになり、外
力を作用させて図9の矢印Bの方向に倒そうとしても倒
すことはできない。逆に、矢印Aの方向に倒そうとする
と、爪発条516の作用力に抗して倒すことが可能であ
るが、外力がなくなると、再び起立状態へ復帰すること
になる。要するに、ラベル移送爪514を指で押さえな
がら矢印Aの方向に向かって動かすと、このラベル移送
爪514は倒れて主移送ドラム510の内部に収容され
るが、指を放すと、ラベル移送爪514は直ちに主移送
ドラム510の外周面から飛び出してくるような構造と
なっている。
【0037】以上、各部品の個々の動作について説明し
たが、続いて、このラベル移送機構500全体の移送動
作について、図10〜図15を参照して説明する。これ
らの各図は、ラベルテープ10の経路に関連した部品を
示す側面図である。図10は、手動レバー110を操作
する前の初期状態を示している。前述したように、ラベ
ルテープ10は、移送テープ11と、その上に仮貼着さ
れた多数のラベル12と、によって構成され、このラベ
ル1枚分のピッチで、抜き穴13が形成されている。ラ
ベルテープ10は、ラベルガイド210から装置内部に
導入され、ラベルストッパ220を経て、ラベル受台2
30の上面に導かれる。§2で説明したように、このラ
ベル受台230の上面において、ラベル12に対する印
字が行われ、印字後のラベル12は剥離されて装置前方
に繰り出され(図10には示されていない)、移送テー
プ11はラベル折返部232によって折り返され、装置
底面を通って主移送ドラム510の外周部に巻き付けら
れ、更に、送出ローラ550を通って排出される。
【0038】この初期状態では、ラベル移送爪514は
起立状態にあり、移送テープ11の抜き穴13に係合し
ている。ここでは、この初期状態におけるラベル移送爪
514の位置を、位置Pと呼ぶことにする。図10に示
されているように、回動体513は断面が菱形の形状を
しており、爪発条516によって、図における時計回り
の方向に力が加えられている。菱形形状をしているた
め、ラベル移送爪514を逆方向(図の時計回り)に倒
すことは構造上不可能である。順方向(図の反時計回
り)に倒すことは可能であるが、爪発条516による復
帰力が作用し、外力がなければ再び起立状態に復帰す
る。
【0039】図11は、操作者が手動レバー110を握
り始め、往路動作を開始した状態を示す側面図である。
前述のように、往路動作では、主移送ドラム510のみ
が逆方向に回動する。これにより、ラベル移送爪514
は、位置Pから逆方向へ移動しようとするが、抜き穴1
3によって阻まれるため、爪軸515を枢軸として順方
向に回動しながら倒れることになる。こうして、ラベル
移送爪514は、倒れて主移送ドラム510の内部に収
容されるようになると、抜き穴13からはずれることに
なる。主移送ドラム510が更に時計回りに回動する
と、ラベル移送爪514は倒れた状態のまま、移送テー
プ11の内側をスリップしながら移動することになる。
したがって、移送テープ11は静止した状態のままであ
る。
【0040】図12は、往路動作が完了したときの状態
を示す側面図である。ラベル移送爪514は、位置Qに
到達している。この位置Qでは、主移送ドラム510の
外周面と移送テープ11との間にいくらか間隙が生じて
いるため、ラベル移送爪514は爪発条516の作用に
より、起立状態に復帰している。なお、この段階では、
既にラベル12に対する印字が完了している。
【0041】図13は、操作者が手動レバー110を放
し始め、復路動作を開始した状態を示す側面図である。
前述のように、復路動作では、主移送ドラム510およ
び補助移送ドラム520,530が順方向に回動する。
これにより、ラベル移送爪514は、位置Qから順方向
へ移動するが、図12における位置Rに到達するまで
は、移送テープ11の内側をスリップしながら移動する
ことになる。位置Rに到達すると、図13に示すよう
に、この位置に存在する抜き穴13に係合する。ラベル
移送爪514は、逆方向に倒すことはできないので、図
13に示す状態からは、抜き穴13に係合した状態のま
ま順方向に移動することになる。すなわち、ラベル移送
爪514によって、移送テープ11が順方向に送られる
ことになる。なお、ラベル移送爪514が位置Qから位
置Rへ移動するまでの間、補助移送ドラム520,53
0が順方向に回動する。これにともない、送出ローラ5
50も移送テープ11を排出させる方向に回動する。し
たがって、移送テープ11は、補助移送ドラム520,
530とOリング552との間に挟まれ、順方向へ移送
するための摩擦力を受ける。しかしながら、これら補助
移送ドラム520,530による摩擦力だけでは、移送
テープ11を順方向に送ることはできない。図12に示
す状態から、移送テープ11を順方向へ送るためには、
ラベル折返部232において、印字完了後のラベル12
を剥離させながら、移送テープ11を折り返すだけの十
分な力が必要なのである。したがって、ラベル移送爪5
14が位置Rに到達するまで、補助移送ドラム520,
530とOリング552とは、移送テープ11に対して
スリップして空回りする状態となる。位置Rにおいてラ
ベル移送爪514が抜き穴13に係合した後は、ラベル
移送爪514によって移送テープ11に十分な力を与え
ることができるので、移送テープ11の送出動作が開始
することになる。補助移送ドラム520,530とOリ
ング552とによる摩擦力は、この送出動作を補助する
役目を果たす。ラベル移送爪514のみによる送出動作
では、抜き穴13の周囲が破れたりするおそれがあるた
め、補助移送ドラム520,530による補助動作によ
り、スムーズな送出動作を可能にしている。
【0042】図14は、復路動作が完了したときの状態
を示す側面図である。ラベル移送爪514は、位置Pに
おいて起立状態を保っている。こうして、移送テープ1
1がラベル1枚分の長さだけ送出されると、印字完了後
のラベル12が、移送テープ11から剥離されながらラ
ベル折返部232から前方へと繰り出される。移送テー
プ11は、ラベル折返部232によって折り返される。
このラベル1枚分の送出動作は、主として、主移送ドラ
ム510内のラベル移送爪514の移動によって行われ
るが、補助移送ドラム520および530の回動動作が
この送出動作を補助することになる。すなわち、移送テ
ープ11は、補助移送ドラム520,530と送出ロー
ラ550との間に挟まれ、摩擦力によっても順方向へと
送り出される。こうして、復路動作が完了した後、操作
者は、このハンドラベラーを所定の商品に接触させ、繰
り出されたラベル12を商品に貼着する。この貼着作業
を完了した後の状態は、図10に示す初期状態と全く同
じ状態となっている。
【0043】さて、以上のラベル移送動作を、図12を
参照してもう一度ふりかえってみよう。まず、往路動作
により、ラベル移送爪514は、位置Pから位置Qへと
移動するが、移送テープ11の内側をスリップしながら
移動する。続く復路動作では、位置Qから位置Rまでス
リップしながら移動し、位置Rにおいて抜き穴13に係
合した後は、位置Rから位置Pに至るまで、移送テープ
11を送出する動作を行う。結局、移送テープ11の送
出距離は、位置Rから位置Pに至るまでの距離というこ
とになり、これはラベル12の1枚分の長さに等しい。
ところで、上述の移送動作において、位置Rの位置(す
なわち、抜き穴13の位置)は任意の位置でよいことが
理解できよう。位置Qから順方向に移動してきたラベル
移送爪514は、どの位置であろうとも、抜き穴13に
遭遇した時点でこれに係合することができる。したがっ
て、このハンドラベラーでは、抜き穴13のピッチ、す
なわち、ラベル12の1枚分の長さ、は一定の値に限定
されないことになる。このため、1台のハンドラベラー
によって、複数種類の大きさのラベルに対応することが
できる。たとえば、長さ15mmのラベルを収容したラ
ベルテープ(抜き穴のピッチは15mm)を、テープホ
ルダー205にセットすれば、ラベル移送機構500に
よる移送距離は自動的に15mmとなり、長さ20mm
のラベルを収容したラベルテープ(抜き穴のピッチは2
0mm)を、テープホルダー205にセットすれば、移
送距離は自動的に20mmに切り替わることになる。操
作者は、何ら特別な設定を行うことなしに、複数種類の
ラベルを利用できるようになる。
【0044】図15は、ラベル長がやや長いラベルテー
プ10´を装着したときの状態を示した側面図である。
図14と図15とを比較すると、この違いが明瞭にな
る。いま、ラベル折返部232の位置を位置Sと呼ぶこ
とにすると、図14に示す例では、位置Sから位置Pま
での区間Lが、ラベル4枚分に相当することになる。別
言すれば、位置Rは、位置PからL/4だけ手前の位置
にある。これに対し、図15に示す例では、位置Sから
位置Pまでの区間Lが、ラベル3枚分に相当している。
別言すれば、位置R´は、位置PからL/3だけ手前の
位置にある。このように、抜き穴13の位置が、若干手
前の位置R´にきたとしても、ラベル移送爪514は位
置R´において抜き穴13に係合することになり、何ら
問題は生じない。もちろん、1枚分の長さがちょうど位
置Pから位置Qまでの長さに等しいようなラベル(この
場合は、位置Rが位置Qと一致することになり、復路動
作では、ラベル移送爪514はスリップすることなく抜
き穴13に係合する)を用いてもかまわない。
【0045】ただ、このハンドラベラーは、どのような
長さのラベルにも適用できるわけではない。たとえば、
図14に示す例で用いたラベルと、その半分の長さのラ
ベルと、を共用することはできない。なぜなら、半分の
長さのラベルを用いた場合、位置Pから位置Rまでの区
間は、ラベル2枚分の長さとなってしまうため、1回の
往復動作により、2枚ずつラベルが送出されてしまうこ
とになり不都合が生じる。したがって、この1台のハン
ドラベラーによって対応できるラベルの長さは、ある程
度の範囲内のものでなければならない。より具体的に言
えば、図12において、位置Pから位置Qに至るまでの
距離をαとすれば、ラベルの長さxはα≧x>α/2と
いう範囲内になければならない。x>αの場合には、図
12における位置Rが位置Qより左側にきてしまうた
め、往路動作でラベル移送爪514は抜き穴13に係合
することができなくなる。また、x≦α/2では、上述
したように、1回の往復動作により複数枚のラベルが送
出されてしまうことになる。
【0046】このラベル長の適用範囲を拡張するための
一方法は、主移送ドラム510の往復回動運動の振幅α
を変えることである。たとえば、図12に示す例におい
て、半分の長さのラベルを用いる場合には、主移送ドラ
ム510の往復回動運動の振幅も半分にするようにすれ
ば問題ない。具体的には、図12に示す例では、位置P
から位置Qまでが往復回動運動の振幅となっているが、
位置Pから位置Q´までを振幅とするような切り替えを
行えば、半分の長さのラベルに適用できるようになる。
この実施例のハンドラベラーでは、この往復回動運動の
振幅を二段階に調節する機能が付加されている。前述し
たように、ドラム小歯車540を移送ドラム軸511に
挿入する方向を変えることにより、ギア比を二段階に変
えることができる。これにより、往復回動運動の振幅を
二段階に切り替え、より広範囲なラベル長に対応するこ
とができるようになる。もちろん、二段階以上にギア比
を切り替えるような構造を採り、ラベル長に対する適用
範囲を更に拡大することも可能である。
【0047】ところで、適用対象となるラベル長につい
ては、もうひとつの制限がある。それは、ラベル移送動
作が完了し、ラベル移送爪514が位置Pに到達した時
点において、位置S(図14,図15参照)に抜き穴1
3がくるようにする必要があるためである。別言すれ
ば、位置Pから位置Sに至る区間Lの距離に、整数枚の
ラベルが入るようにする必要がある。たとえば、図14
に示す例では、区間Lに4枚分のラベルが入り、図15
に示す例では、区間Lに3枚分のラベルが入ることにな
る。これが半端な数になると、印字後のラベル12が完
全に剥離されず、不都合が生じることになる。この実施
例のハンドラベラーでは、具体的には、区間Lの距離
は、108mmであり、4とおりのラベルを使用できる
ようにしている。すなわち、長さが18mm(108÷
6),21.6mm(108÷5),27mm(108
÷4),36mm(108÷3)の4種類のラベルに適
用することができる。この4種類のラベルのすべてに適
用させるためには、上述した往復回動運動の振幅切り替
えを行う必要がある。すなわち、第1段のギア比では、
往復回動運動の振幅を21.6mmとして、長さが18
mmと21.6mmとの2種類のラベルに適用できるよ
うにし、第2段のギア比では、往復回動運動の振幅を3
6mmとして、長さが21.6mmと27mmと36m
mとの3種類のラベルに適用できるようにしている。
【0048】§4. ラベルストッパ機構 図2において説明したように、テープ供給機構200
は、テープホルダー205に装着された巻取状のラベル
テープ10の先端を引き出し、これをラベルガイド21
0から装置内に導入し、ラベル受台230の上面へと導
く機能を有する。ここで印字が行われた後、移送テープ
11からラベル12が剥離され、移送テープ11はラベ
ル折返部232で折り返されて装置底面を通ってラベル
移送機構500で移送され、剥離されたラベル12は貼
付ローラ240の直下に繰り出される。
【0049】テープ供給機構200は、上述のように、
ラベルテープ10を正しい経路に導く機能を有するが、
もうひとつの重要な機能は、ラベルテープ10を一時的
に係止しておく機能である。この機能は、ラベルストッ
パ220によって行われる。後に詳述するように、ラベ
ルストッパ220は、必要に応じて、ラベルテープ10
を係止状態(ラベルテープ10が装置内部で動かないよ
うに固定する状態)にしたり、解除状態(係止状態を解
除し、ラベル移送機構500によってラベルテープ10
が移送されるのを許す状態)にしたりすることができ
る。
【0050】ここでは、まず、このようにラベルテープ
10を係止状態にしたり、解除状態にしたりする必然性
について説明しておこう。図2には、手動レバー110
の往復動作により、ラベル12への印字が完了し、更
に、ラベル1枚分の移送テープ11が移送されることに
より、貼付ローラ240の直下にラベル12が繰り出さ
れた状態が示されている。この後、操作者は、このハン
ドラベラーの前方下端を商品に接触させ、繰り出された
ラベル12を、貼付ローラ240によって商品に貼着す
る作業を行う。ところが、このとき、ラベルテープ10
が解除状態になっていると、繰り出されたラベル12が
商品側へ移るときに、ラベルテープ10が一緒に引き出
されてしまう可能性がある。このように、ラベルテープ
10が予期せぬ事情により、不定量だけ移動してしまう
と、次の印字が正しい位置に行われなくなり支障が生じ
る。したがって、図2に示すような状態、すなわち、こ
のハンドラベラーの静止状態においては、ラベルテープ
10を装置内部で係止状態に保ち、勝手に引き出されな
いようにしておく必要がある。一方、§3で詳述したよ
うに、このハンドラベラーの復路動作では、ラベル移送
機構500によって、ラベルテープ10をちょうどラベ
ル1枚分の長さだけ移送しなければならず、このときに
は、ラベルテープ10が自由に引き出される状態、すな
わち、解除状態にしておく必要がある。
【0051】従来のハンドラベラーでは、ラベルテープ
10の経路途中に、ストッパ片を設け、このストッパ片
をラベルテープ10に押し付けて摩擦力によって係止状
態を保つラベルストッパ機構が採用されていた。しかし
ながら、摩擦力によって完全にラベルテープ10を係止
することは困難であり、ラベル12を商品に貼着する際
に、ラベルテープ10が動いてしまうという不都合が生
じる場合があった。このハンドラベラーのラベルストッ
パ機構では、ラベルストッパ220をラベルテープ10
の抜き穴13に係合させるという方法により、ラベルテ
ープ10を完全に係止状態に保つことができる。以下、
このラベルストッパ機構の動作について説明する。
【0052】図16は、ラベルストッパ220とラベル
テープ10との位置関係を示す斜視図である。ラベルス
トッパ220は、ラベルストッパ軸221によってハウ
ジング105に回動自在に固定されている。ラベルテー
プ10には、ラベル1枚分の長さピッチで、一対の抜き
穴13が形成されており、ラベルストッパ220の外周
部には、この抜き穴13と係合するためのストッパフッ
ク222が、合計で4対だけ形成されている。一対のス
トッパフック222を抜き穴13に係合させた状態にお
いて、ラベルストッパ220の回動を阻止すれば、ラベ
ルテープ10はその状態のまま固定され係止状態とな
る。ラベルストッパ220の回動を阻止するために、そ
の一端に十文字形状をしたストッパつば224が取り付
けられている。このストッパつば224を固定すること
により、ラベルテープ10を係止状態に保つことができ
る。
【0053】ラベルテープ10は、手動レバー110の
1回の往復動作を一周期として、係止状態および解除状
態を繰り返す。以下、この関係を図17を参照しながら
説明する。図17(a) 〜(d) は、ラベルストッパ220
と、ラベルテープ10と、中間部材150と、の相互位
置関係を示す側面図である。前述のように、ラベルスト
ッパ220は、ラベルストッパ軸221によって回動自
在に固着されており、その外周面には、ラベルテープ1
0が張着される。図17(a) は、このラベルストッパ2
20の周面に形成された一対のストッパフック222
が、抜き穴13に係合した状態を示している。また、十
文字状のストッパつば224の一部は、中間部材150
の回転止部158に係合している。この状態では、ラベ
ルテープ10を図の下方へ引き出そうとしても、ストッ
パつば224と回転止部158との係合により、ラベル
ストッパ220の回動は阻止されているため、ストッパ
フック222によって抜き穴13が係止され、ラベルテ
ープ10が図の下方に動くことはない。
【0054】ところで、ここで中間部材150の運動を
考えてみると、図4に示されているように、中間部材1
50は、主動アーム軸141を枢軸として回動運動を行
う。すなわち、往路動作においては、枢軸に対して反時
計回りに回動し、復路動作においては、枢軸に対して時
計回りに回動する。図17(b) は、往路動作完了時点に
おける状態を示している。中間部材150が、主動アー
ム軸141を枢軸として反対時計回りに回動した結果、
回転止部158はストッパつば224から離れ、ラベル
ストッパ220の回動を阻むものはなくなる。したがっ
て、次に復路動作に転じたときに、ラベル移送機構50
0によって移送テープ11が移送された場合、ラベルテ
ープ10は何ら障害なく図の下方へと移動できる。図1
7(c) は、この復路動作の中途段階の状態を示してい
る。ラベルテープ10が下方へ引かれるため、ラベルス
トッパ220は反時計回りに回動し、やがて、ストッパ
フック222が抜き穴13からはずれることになる。図
17(d) は、復路動作の終了段階の状態を示している。
中間部材150が、主動アーム軸141を枢軸として時
計回りに回動した結果、回転止部158は、再びストッ
パつば224に係合する状態となる。これにより、ラベ
ルストッパ220は回動を阻止されることになり、ラベ
ルテープ10は、ストッパフック222に対して裏面を
スリップさせながら、図の下方へと移送されてゆく。や
がて、ラベル1枚分の長さだけ移送されると、ちょうど
抜き穴13がストッパフック222に係合した状態とな
る。これは、図17(a) に示す初期状態と同じ状態であ
る。
【0055】以上のような動作により、このハンドラベ
ラーの静止状態においては、ラベルテープ10はラベル
ストッパ220によって係止状態に保たれ、先端部に繰
り出されたラベル12を商品に貼着する作業を行ってい
るときに、ラベルテープ10が移動することを防ぐこと
ができる。しかも、この係止状態は、従来装置のような
摩擦力によるものではなく、ストッパフック222によ
って抜き穴13を係止する方法によるものであるため、
ラベルテープ10がスリップすることなく確実な係止が
実現できる。また、このハンドラベラーの往復動作状態
においては、中間部材150の揺動を利用して係止状態
が解除されるため、必要なラベル移送動作には何ら支障
は生じない。
【0056】§5. ラベル受台の開閉機構 図10〜図15に示すように、装置内に導入されたラベ
ルテープ10は、ラベル折返部232において折り返さ
れ、移送テープ11が主移送ドラム軸510に巻き付け
られる。巻取状のラベルテープ10をテープホルダー2
05に装着した後、引き出したラベルテープ10の先端
部をこのような状態にセットする作業を容易にするた
め、ラベル受台230を開閉できる機構にしておくのが
望ましい。この実施例に係るハンドラベラーでは、次の
ような特有な機構により、ラベル受台230の開閉を実
現している。
【0057】図18は、このラベル受台230の開閉機
構に関連した部品を示す側面図である。この開閉機構に
おける主たる動作を行うのが開閉アーム610である。
この開閉アーム610の全体形状の斜視図は、図3の分
解図中に示されている。図18に示すように、開閉アー
ム610は、その中央部分において、開閉アーム軸61
1を枢軸として回動自在となるように、ハウジング10
5に固定されている。開閉アーム軸611には、開閉ア
ーム発条612が取り付けられており、この開閉アーム
610を図において反時計回りに回動させる方向に力が
加えられている。開閉アーム610の上端には、ラベル
ガイド取付部212が形成されており、ここにラベルガ
イド210が取り付けられている。テープホルダー20
5から引き出されたラベルテープ10は、このラベルガ
イド210を通って装置内部に導入される。また、ラベ
ルガイド取付部212には、ラベル押付部214が形成
されており、このラベル押付部214によってラベルテ
ープ10はラベルストッパ220の外周面へ押し付けら
れる。ラベル受台230は、この開閉アーム610とは
別個の単体であるが、ラベル受台230に形成されたラ
ベル受台突起部234が、開閉アーム610の下端と係
合するようになっている。
【0058】ラベル受台230の詳細な構造を図19に
示す。このラベル受台230は、ラベル受台回転軸23
1を枢軸として回動自在となるように、ハウジング10
5に取り付けられている。ただし、ラベル受台回転軸2
31を挿通するための穴は、長穴233となっており、
図19の左右方向に遊びをもった状態で取り付けられる
ことになる。ラベル受台230の内部には、ラベル受台
フック236,238が設けられており、これらはそれ
ぞれボディ突起622,624と係合する。ボディ突起
622,624は、ハウジング105の内面に形成され
た突起である。
【0059】図18において、開閉アーム610には、
開閉アーム発条612によって反時計回りの方向へ力が
加えられている。したがって、開閉アーム610の下端
部は、ラベル受台突起部234に対して図の右方向への
力を作用させることになる。このような力が加わると、
図19に示すように、ラベル受台フック236,238
が、それぞれボディ突起622,624と係合した状態
となり、ラベル受台230はハウジング105内に固定
された状態となる。これが、このハンドラベラーを使用
するときの状態、すなわち、ラベル受台230を閉じた
ときの状態である。
【0060】ラベル受台230を開くには、外力を加え
てやればよい。操作者が指でラベル受台230を前方、
すなわち、図19の左方へ動かすような力を加えると、
ラベル受台230は、開閉アーム発条612の力に抗し
て図の左方向へスライドする。すると、ラベル受台フッ
ク236,238が、それぞれボディ突起622,62
4からはずれる状態となり、ここで操作者が指を放せ
ば、ラベル受台230は図20に示すように、装置底面
から更に下方へ向かって開くことになる。すなわち、開
閉アーム610によってラベル受台突起部234が図の
右方へと押され、ラベル受台230がラベル受台回転軸
231を枢軸として反時計回りに回動するのである。こ
のとき、開閉アーム610の上部に取り付けられたラベ
ルガイド210およびラベル押付部214は、ラベルス
トッパ220から遠ざかる方向へ動くことになる。
【0061】図20に示すように、ラベル受台230を
開いた状態では、ラベルテープ10を図の上方から下方
へと挿入させた場合、障害となるものがない。したがっ
て、操作者は、テープホルダー205に装着した巻取状
のラベルテープ10の先端を、装置本体内にセットする
作業を容易に行うことができる。また、ラベル受台23
0を閉じる場合には、ラベル受台230の底部を上方へ
と持ち上げる操作をするだけでよい。ラベル受台230
を完全に持ち上げた状態では、開閉アーム610によっ
てラベル受台突起部234が右方へとスライドされるの
で、ラベル受台フック236,238が自然にボディ突
起622,624と係合することになる。図19に示す
ように、ラベル受台230は、ラベル受台回転軸231
およびボディ突起622,624によって、ハウジング
105に直接固定されるため、堅固な固定が可能にな
る。ラベル受台230の上面は、ラベルに対する印字動
作を行うための支持面となるため、このような堅固な固
定を行うことは、印字品質の向上に大きく寄与する。
【0062】§6. スタンプケースへの取り付け機構 印字機構300の本体は、図2に示されているように、
スタンプケース305に回転ゴム印310,回転ゴム印
320,サブ印330を取り付けたものである。このハ
ンドラベラーでは、この取り付け機構に特有の機構を採
用することにより、取り付けや取り外し作業を容易に行
いうるようにしている。ここでは、サブ印330の取り
付け機構を例にとって、以下にこの機能を説明する。
【0063】図21は、この実施例で用いられているサ
ブ印330の全体構成を示す斜視図である。このサブ印
330は、サブ印上部330Aとサブ印下部330Bと
によって構成され、両者は、サブ印回動軸334を枢軸
として回動自在に結合されている。サブ印下部330B
の底面には、印字部312が形成されている。また、サ
ブ印下部330Bの両側面には、それぞれスライド突起
336が形成されており、サブ印上部330Aの両側面
には、それぞれサブ印固定突起338が形成されてい
る。
【0064】一方、このサブ印330を取り付ける対象
となるスタンプケース305の斜視図を図22に示す。
スタンプケース305の内側面には、スライド突起33
6と嵌合するスライド溝307が掘られており、スタン
プケース305の上部には、サブ印固定突起338を固
定するための印受部306が形成されている。この実施
例では、3組のスライド溝307と3組の印受部306
が用意されており、サブ印330を3とおりの位置に取
り付けることができる。
【0065】たとえば、サブ印330を図22の一番手
前の位置に取り付けるには、次のようにすればよい。ま
ず、スライド突起336を所望のスライド溝307に挿
入しながら、サブ印330をスタンプケース305内に
差し込んでゆく。すなわち、図23の側面図において、
矢印Aに示す方向にサブ印330を差し込んでゆくこと
になる。完全に差し込んだら、続いて、矢印Bに示す方
向にサブ印上部330Aを動かし、サブ印固定突起33
8が印受部306に係合固定されるようにする。図24
は、サブ印330を取り付ける作業が完了した状態を示
す側面図である。サブ印330を取り外すには、これと
逆の操作を行えばよい。こうして、サブ印330を3と
おりの任意の位置に取り付けることができる。図23お
よび図24における二点鎖線は、別な位置に取り付けた
サブ印330を示すものである。
【0066】以上、サブ印330の取り付けを例にとっ
て説明したが、回転ゴム印310,320についても全
く同様の取り付けが可能である。ハンドラベラーでは、
ラベルを貼着する対象となる商品により、印字内容やそ
の配列などが種々異なることが多い。この実施例のよう
な取り付け機構を採用すれば、各印の交換や位置の変更
などを簡単に行うことができるようになる。
【0067】なお、図2に示すように、スタンプケース
305は主動アーム140にビスによって固定される
が、図22に示すように、スタンプケース305には複
数が連結したビス穴308が形成されているため、ビス
による固定位置の微調整が可能になる。このような固定
位置の調整により、印字位置の微調整を行うことが可能
になる。なお、ビス穴308は、長穴としておいてもよ
い。
【0068】
【発明の効果】以上のとおり本発明に係るハンドラベラ
ーによれば、双方向へ回動する移送ドラムに設けたラベ
ル移送爪を、ラベルテープの抜き穴に引っ掛けてテープ
移送を行うようにしたため、1台で複数種類の大きさの
ラベルに対応できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るハンドラベラーの主た
る機構を示す構造図である。
【図2】図1に示すハンドラベラーの各機構の構成要素
をより詳細に示した構造図である。
【図3】図1に示すハンドラベラーの分解図である。
【図4】図1に示すハンドラベラーについて、印字動作
の基本動作を行う部分のみを抽出した斜視図である。
【図5】図1に示すハンドラベラーについて、手動レバ
ー110の往復運動に基づく基本印字動作を説明するた
めの側面図である。
【図6】図5に示す状態から、手動レバー110を握る
ことにより、印字が行われた瞬間の状態を示す側面図で
ある。
【図7】図6に示す状態から、図5に示す状態へ復帰す
る中途段階を示す側面図である。
【図8】ラベル移送機構500の主たる構成部品を示す
正面図であり、図2に示す装置を図の左方から見た状態
に対応し、一点鎖線X−X´より下の部分には、その断
面が示されている。
【図9】図8に示す構成部品の一部を分解して示した斜
視図である。
【図10】ラベル移送機構500の動作を説明する側面
図であり、ハンドラベラーが静止状態にある状態が示さ
れている。
【図11】ラベル移送機構500の動作を説明する側面
図であり、ハンドラベラーが往路動作を開始した直後の
状態が示されている。
【図12】ラベル移送機構500の動作を説明する側面
図であり、ハンドラベラーが往路動作を完了した直後の
状態が示されている。
【図13】ラベル移送機構500の動作を説明する側面
図であり、復路動作の途中において、ラベル移送爪51
4が抜き穴13に係合した状態を示している。
【図14】ラベル移送機構500の動作を説明する側面
図であり、ハンドラベラーが往路動作を完了した状態が
示されている。
【図15】ラベル移送機構500の動作を説明する側面
図であり、長さの異なるラベルを用いたときに、ハンド
ラベラーが静止状態にある状態が示されている。
【図16】ラベルストッパ220とラベルテープ10と
の位置関係を示す斜視図である。
【図17】ラベルストッパ220と、ラベルテープ10
と、中間部材150と、の相互位置関係を示す側面図で
ある。
【図18】ラベル受台230の開閉機構に関連した部品
を示す側面図である。
【図19】ラベル受台230の詳細な内部構造図であ
る。
【図20】ラベル受台230を開いたときの状態を示す
側面図である。
【図21】サブ印330の全体構成を示す斜視図であ
る。
【図22】サブ印330を取り付ける対象となるスタン
プケース305の斜視図である。
【図23】スタンプケース305にサブ印330を取り
付ける手順を示す側面図である。
【図24】スタンプケース305にサブ印330を取り
付けた状態を示す側面図である。
【符号の説明】
10…ラベルテープ 11…移送テープ 12…ラベル 13…抜き穴 100…駆動機構 105…ハウジング 110…手動レバー 111…手動レバー軸 112…手動レバー押部 114…レバー側衝撃ばね軸 120…手動レバー復帰ばね 130…手動レバーストッパ 140…主動アーム 141…主動アーム軸 142…ローラ 150…中間部材 151…作用部 152…部材側衝撃ばね軸 155…中間部材大歯車 158…回転止部 160…衝撃ばね 200…テープ供給機構 205…テープホルダー 210…ラベルガイド 212…ラベルガイド取付部 214…ラベル押付部 220…ラベルストッパ 221…ラベルストッパ軸 222…ストッパフック 224…ストッパつば 228…ラベル受台フック 230…ラベル受台 231…ラベル受台回転軸 232…ラベル折返部 233…長穴 234…ラベル受台突起部 236…ラベル受台フック 240…貼付ローラ 300…印字機構 305…スタンプケース 306…印受部 307…スライド溝 308…ビス穴 310…回転ゴム印 312…印字部 320…回転ゴム印 322…印字部 330…サブ印 330A…サブ印上部 330B…サブ印下部 332…印字部 334…サブ印回動軸 336…スライド突起 338…サブ印固定突起 400…インク供給機構 410…ヘッドアーム 411…ヘッドアーム軸 412…ヘッドアーム発条 420…インクアーム 421…インクアーム軸 422…インクアーム発条 430…インクローラ 500…ラベル移送機構 510…主移送ドラム 511…移送ドラム軸 512…ドラムラチェット 513…回動体 514…ラベル移送爪 515…爪軸 516…爪発条 520…補助移送ドラム 522…補助移送ドラム爪 524…逆転防止爪 526…逆転防止爪発条 528…ドラムラチェット 529…ドラム歯車 530…補助移送ドラム 534…逆転防止爪 539…ドラム歯車 540…ドラム小歯車 550…送出ローラ 552…Oリング 554…送出歯車 556…送出歯車 610…開閉アーム 611…開閉アーム軸 612…開閉アーム発条 614…開閉アーム脚 622…ボディ突起 624…ボディ突起

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後方へ把手を延出するとともに、長尺の
    移送テープ上に多数のラベルを順次仮貼着したラベルテ
    ープを巻装するためのテープホルダを備えたハウジング
    と、 このハウジングに枢着され、前記把手へ向かって回動す
    る往路動作と、前記把手から離隔する方向へ回動する復
    路動作と、を行う手動レバーと、 この手動レバーの往路動作により下降し、復路動作によ
    って上昇する印字機構と、 前記テープホルダから引き出されたラベルテープを、下
    降してきた前記印字機構の印字面に接触させるように支
    持するとともに、印字後のラベルを剥離しながら移送テ
    ープを折り返すための折り返し部を有するラベル受台
    と、 前記移送テープをラベル1枚分の長さだけ送る機能を有
    するラベル移送機構と、 を備えるハンドラベラーにおいて、 前記移送テープを送出することができる順方向の回動動
    作と、これとは逆方向の回動動作と、を行うことがで
    き、前記手動レバーの往路動作に駆動されて逆方向の回
    動動作を行い、前記手動レバーの復路動作に駆動されて
    順方向の回動動作を行う主移送ドラムと、 この主移送ドラムの外周面から外側に突出するように、
    かつ、前記順方向に関しては傾倒可能、前記逆方向に関
    しては傾倒不能、となるように取り付けられたラベル移
    送爪と、 前記移送テープの各ラベル間位置に形成された抜き穴
    に、前記ラベル移送爪を係合させることができるよう
    に、傾倒状態にあるラベル移送爪を起こそうとする方向
    に力を作用させる爪起立手段と、 によってラベル移送機構を構成したことを特徴とするハ
    ンドラベラー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のハンドラベラーにおい
    て、 主移送ドラム内の所定の枢軸に関して回動する回動体に
    ラベル移送爪を取り付け、前記枢軸のまわりに取り付け
    た爪発条によって爪起立手段を構成したことを特徴とす
    るハンドラベラー。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のハンドラベラーにおい
    て、 主移送ドラムの両側面に、それぞれ補助移送ドラムを更
    に設け、これら補助移送ドラムを手動レバーの復路動作
    によって順方向に駆動するようにし、これら補助移送ド
    ラムとその周囲に配置された送出ローラとによって移送
    テープを挟み、この移送テープの送出動作に対する補助
    作用を行うことができるようにしたことを特徴とするハ
    ンドラベラー。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のハンドラベラーにおい
    て、 主移送ドラムに回動動作を行わせるために、手動レバー
    の動作をギアにより主移送ドラムに伝達するような構造
    とし、前記ギアのギア比を切り替えることにより、主移
    送ドラムの回動角度を変えることができるようにしたこ
    とを特徴とするハンドラベラー。
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CN106004135A (zh) * 2016-07-07 2016-10-12 东莞市惠峰商业有限公司 一种标签印章机

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