JPH05338428A - 自動車の車体断熱システム - Google Patents

自動車の車体断熱システム

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JPH05338428A
JPH05338428A JP14928692A JP14928692A JPH05338428A JP H05338428 A JPH05338428 A JP H05338428A JP 14928692 A JP14928692 A JP 14928692A JP 14928692 A JP14928692 A JP 14928692A JP H05338428 A JPH05338428 A JP H05338428A
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JP
Japan
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vehicle
air
ventilation
air flow
door
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Application number
JP14928692A
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English (en)
Inventor
Masahiko Ibamoto
正彦 射場本
Yasuo Kanehata
庸雄 鹿子幡
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 断熱効率を高めると共に輻射まで遮ることに
より、車室内の温度環境を快適にする。また、炎天下に
駐車していても車室内を高温にしない換気断熱システム
も提供する。 【構成】 自動車のドア及び/又は側面ボディの外板1
・内張り2間、二重窓ガラス4・5間、屋根の外板6・
内張り7間とに一連の空気流通路aを形成する。また
は、外板1・内張り2間、二重窓ガラス4・5間で空気
流通路aを形成する。 一方、自動車のフロントガラス
やリヤガラスも空気が流通可能な二重構造として屋根の
外板6・内張り7間に一連の空気流通路bを形成する。
この空気流通路a,bにより車室内の空気を取り入れて
屋根或いは二重窓ガラスから車外に排出することで、換
気断熱を行なう。駐車中は、太陽電池で空気流通路a,
bのファン3等を駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の車室内の温度環
境改善を図る自動車の車体断熱システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な乗用自動車の車体構造
は、いわゆるモノコックボディがほとんどであり、補強
部材を兼ねたフレームが外板と一体になっており、それ
に内張りが施されている。外板の内側には制振材を兼ね
た断熱材がもうけられている。窓は厚目の強化ガラス一
枚で構成されているのが普通である。
【0003】その他の従来技術としては、例えば特開昭
55−4240号公報に開示されるように、フロントガ
ラスやリヤガラスを二重構造にして曇り止めを図った
り、実開昭59−102421号公報に開示されるよう
に、窓ガラスを、日射を遮るブラインドガラスと透明の
窓ガラスの二重構造にし、これらのガラスを単独に開閉
する機構を設けて上記のガラスを使い分けできるように
したり、実開昭61−61218号公報に開示されるよ
うに、ドアガラスをそれぞれ個別に上げ下げできる二重
構造にすると共に、ドア本体の内部にガラスが収納され
るとドアを通してガラスに付着した曇り等の湿気を逃す
構造のものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、窓ガラ
スを二重にして曇り止めや日射を遮る技術等が提案され
ているものの、従来の車体構造は、断熱性能はあまり良
くなく、特に窓面積の割合が建物に比べて大きいため、
輻射熱の影響を受けやすい。例えば夏の直射日光を受け
れば、充分に冷房が効いていたとしても窓側は焼けるよ
うな暑さを感じる。
【0005】また、夏期炎天下で駐車すると、冷房が止
まるうえ直射日光の熱線がシート等を加熱するので、車
室温度が80〜100℃にも達することもある。
【0006】一方冬期にはエンジンの廃熱で比較的大き
な暖房容量は得やすいが、窓際は冷輻射と賊風(冷たい
窓際に生じる下降気流)で体感温度にアンバランスが生
じる。
【0007】このため二重窓ガラスを用いて断熱効果を
高める試みがなされており、市販の乗用車に実用化され
ている(モーターファン,1991.5月号)。
【0008】これは二枚のガラスの間に一定の隙間を持
たせて周辺を接着し、内部に乾燥空気又は窒素ガスを密
封したいわゆるペアグラスを用いたもので、一枚ガラス
よりは断熱効果が大きく曇ったりはしないが、それでも
輻射熱を透過させるので直射日光に対しては車内が熱く
なることを防ぎきれない。さらに、車体のガラス以外の
ボディからも輻射熱の影響を受けることになる。
【0009】本発明は以上の点に鑑みてなされ、その目
的は、車体の断熱効率を高めると共に輻射熱まで遮るこ
とにより、車室内の温度環境を快適にすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、(1)自動車のドア及び/又は側面ボデ
ィの外板と内張りの間と、前記ドア及び/又は側面ボデ
ィの二重構造にした窓ガラスの内側,外側ガラス間と、
屋根の外板と内張りの間とに一連の空気流通路を形成し
て、この一連の空気流通路により、前記ドア及び/又は
側面ボデから車室内の空気を取り入れて前記屋根より車
外に排出させたり、(2)または、(1)に代わり、自
動車のドア及び/又は側面ボディの外板と内張りの間
と、前記ドア及び/又は側面ボディの二重構造にした窓
ガラスの内側,外側ガラス間とに一連の空気流通路を形
成して、この一連の空気流通路により、前記ドア及び/
又は側面ボデから車室内の空気を取り入れて前記二重窓
ガラスの上端から車外に排出させたり、(3)自動車の
フロントガラス及び/又はリヤガラスを空気が流通可能
な二重構造とすると共に、その屋根の外板と内張りの間
を空気流通可能な構造として前記フロントガラス及び/
又はリヤガラスの内側,外側ガラス間と一連の空気流通
路を形成して、この一連の空気流通路により、フロント
ガラス及び/又はリヤガラス側から車室内の空気を取り
入れて前記屋根より車外に排出させたりして、これらの
(1),(2),(3)の一連の空気流通路が換気断熱
路として機能するよう設定する。
【0011】なお、上記(1),(2),(3)に記載
した課題解決手段は、いずれか1つを採用したり、任意
に組み合わせて構成してもよい。
【0012】
【作用】上記構成よりなれば、(1)の一連の空気流通
路では、この通路に車室内からの空気が流れて車外に排
気されることで、自動車のドア及び/又は側面ボディの
外板と内張りの間と、ドア及び/又は側面ボディの二重
窓ガラスの内側,外側ガラス間と、屋根の外板と内張り
の間が換気断熱される。ここで、換気断熱とは、二重構
造をなす内側の壁(ここでいう、内張り又は内ガラスに
相当する)の温度を常に室温付近に保つ作用をいう。す
なわち、二重の壁(内張り・外板或いは二重ガラス)の
うち外側の方は、外気および直射日光に曝され室温と大
きな温度差があるが、壁間に室内空気を流して外に排気
すると、外壁から内壁への対流による空気伝熱が防げる
と共に、外壁の温度を室温に近づけて輻射熱も弱めるこ
とで、上記の換気断熱作用がなされる。
【0013】(2)の一連の空気通路では、自動車のド
ア及び/又は側面ボディの外板,内張り間と、ドア及び
/又は側面ボディの二重窓ガラスの内側,外側ガラス間
が換気断熱される。
【0014】(3)の一連の空気通路では、フロントガ
ラス及び/又はリヤガラスの内側,外側ガラス間と、屋
根の外板・内張り間とが換気断熱される。
【0015】これらの換気断熱は、いくらかのエネルギ
ー損失が生じるが、それ以上に断熱効果の方が大きく最
近ビルなどで実用化され効果を上げているが、本発明
は、これを自動車の適用できるよう上記の如く構造的に
創意工夫をしたものである。
【0016】自動車の場合室内容積に対して人間の占め
る割合が大きく空気が汚れるので、もともと換気量を大
きくする必要があり、この換気断熱法は自動車に適した
方式である。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を図面により説明する。
【0018】図1,図2は本発明の第1実施例に係る車
体断熱システムの説明図である。
【0019】このうち、図1は車体を正面からみて縦断
面したもので、特にドアと屋根の構造を示す。図1に示
すように、ドアの外板1と内張り2の間と、二重構造に
したドア窓ガラスの内側ガラス5,外側ガラス4間と、
屋根の外板6と内張り(天井)7の間とに、点線矢印で
示すような一連の空気流通路aが形成してある。
【0020】空気流通路aは換気口3a,3bを備え、
入口側の換気口3aには換気ファン3が設けてあり、フ
ァン3により車室内の空気が空気流通路aに押し込まれ
るようにしてある。換気ファン3は細長いシロッコファ
ンが適している。
【0021】二重構造の窓ガラス4,5は、ドア内部に
引き込み可能で、この外側ガラス4と内側ガラス5とが
閉まると、前記の一連の空気流通路aが確保される。
【0022】屋根8にはベンチレータ8が設けてあり、
ベンチレータ8は雨が入らないようにするとともに、走
行風圧に対して負圧となってベンチュリ効果が生じる領
域が確保してあり、この領域に空気流通路aの出口側と
なる換気口3bが配設してあり、この換気口3bを通し
て空気流通路aに導入された室内空気を吸い出すように
してある。
【0023】図2は車体を側面からみて縦断面した図
で、前後の窓ガラスと屋根の構造を示す。図2に示すよ
うに、フロントガラスは、外側フロントガラス9と内側
フロントガラス10とで二重構造としそのガラス9,1
0間を空気流通可能とし、また、リヤガラスも、外側リ
ヤガラス12と内側リヤガラス13とで二重構造としそ
のガラス12,13間を空気流通可能としてある。そし
て、フロントガラス9,10間及びリヤガラス12,1
3間がそれぞれ、空気流通可能な屋根(ベンチレータ8
付き)の外板6・内張り7間の通路と連通させて、点線
矢印に示すような一連の空気流通路bが形成される。
【0024】内側フロントガラス10,外側フロントガ
ラス9間の下端は開口されてこの開口部に車室内の空気
を導入する入口側の換気口11´が設けてあり、一方、
内側リヤガラス13,外側リヤがラス12間の下端も開
口されてこの開口部に車室内の空気を導入するための入
口側の換気口14´が設けてあり、これらの換気口11
´,14´に空気流通路bに車室内空気を押し込むため
の換気ファン11,14が設けてある。空気流通路bを
通る車室内の空気は、屋根に設けたベンチレータ8の出
口側換気口3から車外に排出される。
【0025】このような構成よりなれば、空気流通路
a,bが換気断熱路として機能するので、車体が前後及
び側面の窓ガラス及びそのボディ側面と屋根が換気断熱
される。
【0026】以上のように、乗用車の場合、前後の下部
はエンジンルームとトランクルームで覆われているの
で、4ドアセダンではドアと窓と屋根だけ換気断熱すれ
ば充分である。2ドア車では後部側面も必要に応じて二
重壁にして換気ファンを設けることになる。
【0027】なお底部は直射日光は受けないが、エンジ
ン廃熱気流と路面からの照り返し輻射で加熱されるの
で、床も二重構造にして換気流を流せば良いことは言う
までもない。
【0028】図3は換気断熱の原理を示すものである。
隔壁15の一部に二重窓がある場合を考える。外側窓ガ
ラス16のB面には熱線吸収膜17が貼ってある。熱線
吸収膜を貼る代りにガラス自体を熱線吸収ガラスとして
も良い。内側窓ガラス18は普通のガラスである。
【0029】直射日光を受けると可視光線は二枚のガラ
スを通して室内に入るが、赤外領域の成分は熱線吸収膜
にさえぎられてそこで熱になる。するとそこから新たに
遠赤外線が発生し、輻射熱として内側窓ガラス18に向
かうが、ガラスは遠赤外線に対して不透明であるので中
には入れず表面で発熱する。このように二枚のガラスの
B面とC面で主に発熱するが、この間に車室内の空気を
流して排気するとB面を冷却して遠赤外線の発生を抑制
するとともに、C面の温度をほぼ室温に保つ。
【0030】すなわち内側窓ガラスはC面,D面とも室
温になるので、この窓を通して熱が出入りすることはな
く、あたかも熱抵抗が無限大の完全断熱材になったよう
に見えるのである。以上は窓ガラスの場合について説明
したが、ドアや屋根のように鉄板で出来ている場合に
は、輻射熱を完全に遮断してより以上の断熱効果が得ら
れる。外板自体が不透明なので直射日光を吸収して発熱
するが、その内側には断熱材が張ってあるので、換気流
を流すと完全に内張りの温度を室温に保つことができ
る。
【0031】以上は夏の場合を想定しているが、冬の場
合にも同様に考えれば良い。外気温が低く外板または外
側窓ガラス16が冷たい状態にあると、マイナスの輻射
熱いわゆる冷輻射が内張りまたは内側窓ガラス18に向
かうが、換気流によりB面を温めて冷輻射を押さえると
ともに、C面を温めてC面の温度を室温に保つので、や
はり完全断熱材になったように見える。この時二重窓の
場合B面には結露が生じる筈であるが連続して換気して
いれば、換気流が湿気を取り去るのでガラスが曇ること
はない。
【0032】このように換気断熱法を用いれば、わずか
の換気を行うだけで輻射,伝導,対流による熱の伝達を
遮断できるので、自動車に用いれば従来得られなかった
快適な環境を達成できる。すなわち、夏季に冷房が効い
ていても窓側は焼けるような暑さを感じたり、冬に窓際
の冷輻射と賊風で体感温度にアンバランスが生じたりす
ることがなく、空調効果を高めることが出来る。
【0033】次に本発明の第2実施例を図4により説明
する。図4はドア部の断面を示す。図1に用いた符号と
同じものは同一または共通する要素である(図4以降の
図面も同様とする)。
【0034】本実施例では、二重窓ガラス4,5は互い
に一定の隙間を保って連結されたものでも良いが、図4
は二枚のガラスが別々に動けるようにしたものである。
二つの窓ガラス4,5用に並行な二本のガラスランが設
けられ、パワーウィンドレギュレーター19,20によ
り別々に駆動する。
【0035】また、図4では、サッシ30付きドアの例
を示しており、窓ガラス4の上部のサッシには既述の空
気流通路aに導入された車室内の空気を外部に排気させ
るための隙間(換気口31)が設けられている。ドア内
を通った排気流を図4のようにガラス4,5上端のサッ
シから直接外部に排出するか、図1のように屋根に通す
かは車体デザイン上の問題から決定される。
【0036】また、本実施例によればガラスの間にゴミ
が入った場合でも片側のガラスだけ開閉すれば容易に清
掃が出来る。また窓ガラス4は熱線吸収のため光線透過
率が多少低くなっているので、窓ガラス4だけを開けて
車室内の明るさを好みに応じて加減することもできる。
【0037】次に本発明の第3実施例を図5により説明
する。
【0038】本実施例は、二重構造をなす外側フロント
ガラス9・内側フロントガラス10間と屋根の外板6・
内張り7間に空気流通路bを確保した例で、さらに、こ
の空気流通路bとエアコンとを結合したものである。
【0039】すなわち、フロントがラス9,10間の下
端開口部は、換気ファン11付きの車室内空気取入口1
1´とエアコンユニット21のデフロスタ吹き出し口3
3とにダンパ32を介して切換可能に接続してある。
【0040】本実施例によれば、空気流通路bは車室内
空気取入口11´とデフロスタ33とを任意に選択で
き、デフロスタモードを選択した場合には次のような利
点がある。
【0041】すなわち、従来のデフロスタ風はフロント
ガラスに下から吹き付けるだけであったため、フロント
ガラス上部まで充分に温めるには相当の時間を要してい
た。本発明によれば空気流通路bとなる二重窓ガラスの
間にデフロスタ風を通すので、無駄なく隅々まで行き渡
り短時間で氷雪を溶かすことが出来る。
【0042】エアコンユニット21の吹き出し風を換気
断熱の目的で直接フロントガラス間に送風するのは得策
ではないが、暖房の場合はエンジンの廃熱を利用するの
で室温調整の能力が不足しない限りデフロスタ吹き出し
口から送風してもよい。ただし冷房の場合は室温より低
い空気を送ることになるので内側フロントガラスが結露
する恐れがあり、別の換気ファン11で車室内の空気を
送風するのがよい。
【0043】後部換気ファンおよびドアの換気ファンに
ついては図1,図2と同じ方法を用いている。
【0044】次に本発明の第4実施例を図6により説明
する。本実施例では、既述した各実施例同様の空気流通
路a,b及びこれらの換気ファン3,11,14を備え
るシステムに加えて、屋根,トランクリッド,ボンネッ
ト等に設けられた太陽電池23、この電力を制御して換
気ファン3,11,14を駆動するコントローラ24を
設ける。換気ファン11の代りに図5で示したエアコン
ユニット21のブロアを用いてもよいことは言うまでも
ない。その場合エアコンユニット21の制御装置にコン
トローラ24の機能を兼ねさせることによりシステムを
安価に構築できる。
【0045】本実施例は、走行中のほかに炎天下で駐車
中に車室内が高温になるのを防ぐためのシステムであ
る。
【0046】すなわち、従来は炎天下で窓を閉めきり空
調を止めて駐車しておけば、窓ガラスを通して差し込む
直射日光でシートやハンドルが非常に高温になり、乗り
込んだ時の不快感が大きかった。本実施例によれば、駐
車中は、太陽電池で各ファン3,11,14を駆動させ
るので、空気流通路a,bが換気断熱機能を駐車時にも
発揮でき、その結果、輻射熱を遮断するのでシートが熱
くなることはなく、また見かけ上断熱効果が無限大にな
るので炎天下に駐車後であっても車室内の温度はほぼ外
気温と同じに保たれ不快感が無くなる。
【0047】本実施例の制御ロジックのフローチャート
を図7に示す。
【0048】図7について説明すると、まずステップ7
01でキースイッチがONかどうか判断する。キースイ
ッチONの時には車両が運転中と考えられ、ステップ7
02に進む。ステップ702で入力信号である外気温度
Ta、車内温度Tr、設定温度Ts、日射量Zm等を読
み取る。次にステップ703でエアコンユニットにおけ
る吹き出し温度、吹き出し口、吹き出し風量の各目標値
を演算する。ステップ704ではエアコンユニットの風
路を室内吹き出し側に切り替える。
【0049】次にステップ705では、上記703で得
られた目標値に従い、吹き出し温度、吹き出し口、吹き
出し風量を制御する。さらにステップ706ではエアコ
ンユニット運転中であっても断熱効果を上げるためにス
テップ703で得られた目標値に応じて、換気風量も加
味して制御する。ここで換気風量の目標値は、ステップ
702で読み取った入力信号に応じた最適値とすること
により換気のための風音も最小に維持でき、又消費電力
も最少限とすることができる。
【0050】一方、ステップ701でキースイッチがO
FFの時には車両が駐車中と考えられ、ステップ707
に進む。ステップ707では、エアコンユニットのブロ
ワを換気ファンの代わりに用いるためにエアコンユニッ
トの風路を換気断熱風路側に切り替える。次にステップ
708で太陽電池からの電力を利用し、エアコンユニッ
トのブロワ及び換気用ファンを動作させ換気風量の制御
をおこなう。
【0051】一般に日射が強いほど十分な断熱効果を必
要とするが、日射が強いほど太陽電池からの供給電力も
増加し、本方式により非常に効率的な断熱効果が得られ
る。以上の制御が行われたのち、キースイッチのON/
OFFにかかわらずステップ709に進み、太陽電池の
電力が余剰状態かどうか判断する。電力が余剰の場合に
はステップ710に進み余剰電力をバッテリに充電す
る。以上の各ステップを実行することによりエアコンユ
ニットの制御装置にコントローラ24の機能を兼ねさせ
ることができる。
【0052】ところで、今まで述べてきた実施例では、
空気流通路a,bに換気流をファンにより押し込む方式
となっているが、走行中は走行風圧の取り込み側の正圧
と空気流通路a,bの出口側の負圧の差を利用すること
により自然換気できるので、換気ファンは必ずしも必要
ではない。この場合には、安価なシステムとして換気フ
ァン3,11,14の代わりに単に換気孔を設けただけ
のものを使用すればよく実用的である。その場合ベンチ
レータ8の換気口3bは、屋根の後端で負圧発生領域
(気圧の低い領域)に配置し、エアコンの外気取り入れ
口はボンネットのフロントガラス直前部で正圧の高い
(気圧の高い)領域に配置する。
【0053】ただし、換気ファン3,11,14を省略
した場合には、駐,停車中の換気断熱は期待できない。
【0054】以上を配慮し、省電力で停車の換気断熱を
実現させるには、空気流通路a,bに換気ファン3,1
1,14を設けると共に、この換気ファンを自動車の車
速が設定速度以下になる時だけ駆動させ、設定の車速以
上になると、換気ファンを停止させて走行風圧により生
じる正圧,負圧差を利用した自然換気モードに切り換わ
るように設定すればよく、また、この方式に前述の太陽
電池によるファン駆動方式を採用すれば、省電力で駐,
停車の換気断熱も可能にする。
【0055】次に本発明の第5実施例を図8により説明
する。本実施例は、上記各実施例同様の換気断熱システ
ムを採用するほかに、二重窓の内側ガラスをヒンジで開
閉自在にしたものであり、時々開けて内部を拭くことに
より視界が確保される。前後の窓ガラスは彎曲した台形
をしており、下部両端にヒンジを設ければ開閉可能とな
る。閉じるときは周辺を気密パッドに押し当てて換気流
が漏れないような構造とする。
【0056】なお二重窓の内面に静電防止コーティング
を施しておけば埃が付きにくく、長期間拭かなくてもよ
い。フロントガラスを開ける場合ハンドル26が邪魔に
なるが、チルトハンドルにすることで解決できる。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明は、自動車の窓ガラ
ス,屋根,ドア,車体壁等に換気断熱路を構成すること
で、僅かの量の車室内の換気を行うだけで、自動車の窓
ガラスや車体に受ける日射の対流・輻射熱共に遮断で
き、空調効率を高めることができる。
【0058】さらに、太陽電池等で換気断熱路のファン
を駆動可能にすれば、炎天下に駐車中であっても室温が
外気温より大幅に高くならない上、シート等が輻射熱に
より熱くならないので乗ったときに不快に感じることが
なく、エアコンを動作させれば短時間で快適な環境にす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る車体断熱システムを
車体正面からみた断面図
【図2】第1実施例の車体側面からみた断面図
【図3】換気断熱法の原理説明図
【図4】本発明の第2の実施例を示す説明図
【図5】本発明の第3の実施例を示す説明図
【図6】本発明の第4実施例を示すシステム構成図
【図7】第4実施例の動作を示すフローチャート
【図8】本発明の第5実施例を示す説明図
【符号の説明】
1…外板、2…内張り、3…換気ファン、3a…入口側
換気口、3b…出口側換気口、4…外側窓ガラス、5…
内側窓ガラス、6…外板、7…内張り、8…ベンチレー
タ、9…外側フロントがラス、10…内側フロントガラ
ス、11…換気ファン、11´,14´…入口側換気
口、12…外側リヤガラス、13…内側リヤガラス、1
4…換気ファン、23…太陽電池、24…コントロー
ラ、33…デフロスタ吹出口、a,b…空気流通路(換
気断熱路)。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のドア及び/又は側面ボディの外
    板と内張りの間と、前記ドア及び/又は側面ボディの二
    重構造にした窓ガラスの内側,外側ガラス間と、屋根の
    外板と内張りの間とに一連の空気流通路が形成され、こ
    の一連の空気流通路は、前記ドア及び/又は側面ボデか
    ら車室内の空気を取り入れて前記屋根より車外に排出さ
    せる換気口を有し、 一方、自動車のフロントガラス及び/又はリヤガラスも
    空気が流通可能な二重構造として前記屋根の外板と内張
    りの間とに一連の空気流通路が形成され、この一連の空
    気流通路は、フロントガラス及び/又はリヤガラス側か
    ら車室内の空気を取り入れて前記屋根より車外に排出す
    る換気口を有して、 前記各空気流通路が換気断熱路として機能するよう設定
    して成ることを特徴とする自動車の車体断熱システム。
  2. 【請求項2】 自動車のドア及び/又は側面ボディの外
    板と内張りの間と、前記ドア及び/又は側面ボディの二
    重構造にした窓ガラスの内側,外側ガラス間とに一連の
    空気流通路が形成され、この一連の空気流通路は、前記
    ドア及び/又は側面ボデから車室内の空気を取り入れて
    前記二重窓ガラスの上端から車外に排出させる換気口を
    有し、 一方、自動車のフロントガラス及び/又はリヤガラスも
    空気が流通可能な二重構造とすると共に、その屋根の外
    板と内張りの間を空気流通可能な構造として前記フロン
    トガラス及び/又はリヤガラスの内側,外側ガラス間と
    一連の空気流通路が形成され、この一連の空気流通路
    は、フロントガラス及び/又はリヤガラス側から車室内
    の空気を取り入れて前記屋根より車外に排出する換気口
    を有して、 前記各空気流通路が換気断熱路として機能するよう設定
    して成ることを特徴とする自動車の車体断熱システム。
  3. 【請求項3】 自動車のドア及び/又は側面ボディの外
    板と内張りの間を空気が流通可能な構造とすると共に、
    前記ドア及び/又は側面ボディのガラス窓を二重構造と
    してこの内側,外側ガラス間と前記外板・内張り間とに
    一連の空気流通路が形成され、この一連の空気流通路
    は、前記ドア及び/又は側面ボデから車室内の空気を取
    り入れて前記二重窓ガラスの上端から車外に排出させる
    換気口を有して、この空気流通路が換気断熱路として機
    能するよう設定して成ることを特徴とする自動車の車体
    断熱システム。
  4. 【請求項4】 自動車のドア及び/又は側面ボディの外
    板と内張りの間と、前記ドア及び/又は側面ボディの二
    重構造としたガラス窓の内側,外側ガラス間と、屋根の
    外板と内張りの間とに一連の空気流通路が形成され、こ
    の一連の空気流通路は、前記ドア及び/又は側面ボデか
    ら車室内の空気を取り入れて前記屋根より車外に排出さ
    せる換気口を有して、この空気流通路が換気断熱路とし
    て機能するよう設定して成ることを特徴とする自動車の
    車体断熱システム。
  5. 【請求項5】 自動車のフロントガラス及び/又はリヤ
    ガラスを空気が流通可能な二重構造とすると共に、その
    屋根の外板と内張りの間を空気流通可能な構造として前
    記フロントガラス及び/又はリヤガラスの内側,外側ガ
    ラス間と一連の空気流通路が形成され、この一連の空気
    流通路は、フロントガラス及び/又はリヤガラス側から
    車室内の空気を取り入れて前記屋根より車外に排出する
    換気口を有して、この空気流通路が換気断熱路として機
    能するよう設定して成ることを特徴とする自動車の車体
    断熱システム。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    において、前記換気口の排気側は、自動車の走行風圧に
    対し負圧が発生する領域に設けてあることを特徴とする
    自動車の車体断熱システム。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項
    において、前記換気口の車室内空気取入れ側には、換気
    ファンが設けてあることを特徴とする自動車の車体断熱
    システム。
  8. 【請求項8】 請求項7において、自動車の車速が設定
    速度以下になると前記換気ファンを駆動させ、設定の車
    速以上になると前記換気ファンを停止させて走行風圧に
    より生じる正圧,負圧差による自然換気モードに切り換
    わるよう設定して成ることを特徴とする自動車の車体断
    熱システム。
  9. 【請求項9】 請求項7又は請求項8において、自動車
    に太陽電池を備え、エンジンが停止中である場合には、
    この太陽電池により前記換気ファンを駆動するよう設定
    して成ることを特徴とする自動車の車体断熱システム。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9のいずれか1
    項において、前記二重構造の側面ボディの窓ガラス,ド
    ア窓ガラス,フロントガラス,リヤガラスのうち少なく
    とも一つは、外側ガラスの内面に熱線吸収膜が施されて
    いることを特徴とする自動車の車体断熱システム。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし請求項9のいずれか1
    項において、前記二重構造の側面ボディの窓ガラス,ド
    ア窓ガラス,フロントガラス,リヤガラスのうち少なく
    とも一つは、外側ガラスが熱線吸収ガラスであることを
    特徴とする自動車の車体断熱システム。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項4又は請求項6
    ないし請求項11のいずれか1項において、前記ドア及
    び/又は側面ボディの二重窓ガラスは、隙間を保って一
    体に連結されたものであることを特徴とする自動車の車
    体断熱システム。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし請求項4又は請求項6
    ないし請求項11のいずれか1項において、前記ドア及
    び/又は側面ボディの二重窓ガラスは、互いに独立して
    開閉可能なものであることを特徴とする自動車の車体断
    熱システム。
  14. 【請求項14】 請求項1、請求項2又は請求項5ない
    し請求項13のいずれか1項において、暖房冷房を行う
    エアーコンディショナーを備え、前記二重構造のフロン
    トガラス及び/又はリヤガラスの下端開口部に前記エア
    ーコンディショナーのデフロスタが車室内空気取入口と
    切換可能に接続されていることを特徴とする自動車の車
    体断熱システム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004330930A (ja) * 2003-05-09 2004-11-25 Nissan Motor Co Ltd 自動車用遮熱放熱構造
JP2012057827A (ja) * 2010-09-06 2012-03-22 Mitsubishi Electric Building Techno Service Co Ltd 熱交換システム
JP2019515838A (ja) * 2016-05-03 2019-06-13 キャリア コーポレイションCarrier Corporation 乗り物のカーゴスペースのための空気管理システム
JP2020040619A (ja) * 2018-09-13 2020-03-19 しげる工業株式会社 車両ルーフの温度制御構造

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