JPH05337682A - 真空ろう付け用アルミニウム合金ブレージングシート - Google Patents

真空ろう付け用アルミニウム合金ブレージングシート

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JPH05337682A
JPH05337682A JP17182092A JP17182092A JPH05337682A JP H05337682 A JPH05337682 A JP H05337682A JP 17182092 A JP17182092 A JP 17182092A JP 17182092 A JP17182092 A JP 17182092A JP H05337682 A JPH05337682 A JP H05337682A
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JP
Japan
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brazing
alloy
vacuum
aluminum alloy
sheet
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Application number
JP17182092A
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English (en)
Inventor
Yoshito Inabayashi
芳人 稲林
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Furukawa Aluminum Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Aluminum Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム製熱交換器の真空ブレージング
に適した、ろう付け性、耐食性に優れた真空ろう付け用
アルミニウム合金ブレージングシートを提供する。 【構成】 AlまたはAl合金からなる芯材の片面また
は両面Al−Mg−Si系合金またはAl−Mg−Si
−Bi系合金からなるろう材をクラッドした真空ろう付
け用アルミニウム合金ブレージングシートにおいて、ろ
う材中のZn含有量が0.04wt%以下であることを特
徴とする真空ろう付け用アルミニウム合金ブレージング
シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドロンカップタイプの
オイルクーラー、エバポレータ、インタークーラー及び
ラジエターのような中空構造を有するアルミニウム製熱
交換器の真空ブレージングに適した真空ろう付け用アル
ミニウム合金ブレージングシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、アルミニウム合金製構造体のろう
付けに、フラックスを必要としない真空ブレージング法
が開発され、公害上の心配がない事から盛んに行われる
ようになってきた。真空ブレージングはAlまたはAl
合金を芯材とし、その片面あるいは両面にアルミニウム
合金ろう材をクラッドしたブレージングシートを用いて
真空中でろう付け加熱を行う方法で、アルミニウム合金
製の熱交換器を始め各種構造体のろう付けに用いられ
る。
【0003】この真空ろう付け用ブレージングシートに
は各種の芯材用アルミニウム合金とろう材用アルミニウ
ム合金が開発され、現在ではJIS Z 3263によ
り規格化されている。熱交換器に使用される真空ろう付
け用ブレージングシートとしては、芯材としてJIS
A 3003(Al−0.15wt%Cu−1.1wt%M
n)、JIS A 3005(Al−1.1wt%Mn−
0.4wt%Mg)、JIS A 3105(Al−0.
6wt%Mn−0.6wt%Mg)合金を用い、ろう材とし
てJIS BA 4004(Al−10wt%Si−1.
5wt%Mg)、JIS AA 4104(Al−10wt
%Si−1.5wt%Mg−0.1wt%Bi)合金を通常
用いる。またブレージングシートの板厚は0.5〜1.
2mmであり、ろう材は5〜15%のクラッド率で片面あ
るいは両面にクラッドされる。
【0004】こうした真空ろう付け用ブレージングシー
トを用いた中空構造を有するアルミニウム合金製熱交換
器としてはドロンカップタイプのエバポレータ、オイル
クーラー、ラジエターなどが製造されている。例えばド
ロンカップタイプのエバポレータは、ブレージングシー
トより図2、図3に示す部材(1) を作製し、この部材
(1) を図4に示すように積層し、積層した部材(1) 間に
コルゲートフィン(2) を配置して真空ろう付けしたもの
で、ろう付けは10-5〜10-4Torr台の真空中で約60
0℃に加熱して行われる。
【0005】この真空ろう付けではブレージングシート
のろう材中に添加されたMgが400℃付近から徐々に
蒸発し始め、炉内酸化性ガスをH2 O+Mg→MgO+
2、O2 +2Mg→2MgOの反応に従うゲッター作
用で除去するとともに蒸発時にろう材表面の酸化皮膜の
破壊作用を行いろう付けを可能にする。またろう材中の
Siはろう材の融点を下げ、ろう付け温度を低めてろう
付け性を良好にする作用を有する。さらにろう材にBi
を添加する場合があるのは、Biはろうの流動性を向上
させると共に、Mgの蒸発を促進し、皮膜を破壊され易
くする働きを有しているからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年自動車の軽量化に
対する要求が強くなり、自動車の構成部品である熱交換
器の軽量化も強く望まれており、その部材としてのブレ
ージングシートの薄肉化が進んでいる。ブレージングシ
ートの薄肉化に伴い、ろう材の量も少なくなっており、
従来よりも更に良好なろう付け性および耐食性が要求さ
れている。そして真空ろう付けの場合、ろう材中に蒸気
圧の高い不純物が存在すると、従来よりさらにろう付け
性を良好なものとしようとする場合の障害となって来て
いる。例えば、通常のろう材中に0.15wt%程度含有
されているZnは、蒸気圧が高いためろう付け炉を汚染
する傾向があり、またZnの電位は低いため多量にある
と腐食の進行が早く耐食性も悪くなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる状況に鑑
み、ろう材中のZn含有量とろう付け性、耐食性との関
係を検討した結果得られたもので、その一つは、Alま
たはAl合金からなる芯材の片面または両面にAl−M
g−Si系合金からなるろう材をクラッドした真空ろう
付け用アルミニウム合金ブレージングシートにおいて、
ろう材中のZn含有量が0.04wt%以下であることを
特徴とする真空ろう付け用アルミニウム合金ブレージン
グシートであり、他の1つは、AlまたはAl合金から
なる芯材の片面または両面にAl−Mg−Si−Bi系
合金からなるろう材をクラッドした真空ろう付け用アル
ミニウム合金ブレージングシートにおいて、ろう材中の
Zn含有量が0.04wt%以下であることを特徴とする
真空ろう付け用アルミニウム合金ブレージングシートで
ある。
【0008】
【作用】まず、本発明のブレージングシートの構成につ
いて説明する。ブレージングシートの芯材の合金の種類
およびその調質については特に制限はない。部材の種類
によって、例えばJIS A3003合金やそれにM
g、Cu、Zn、Sn、In等を添加した合金や熱伝導
性を考慮した純アルミニウム系を適宜用いればよい。
【0009】ろう材としてはAl−Mg−Si系合金ま
たはAl−Mg−Si−Bi系合金であれば特に問題は
ないが、好ましくは、0.6〜1.8wt%のMgおよび
6.0〜20.0wt%のSiを含有し、必要に応じてさ
らに0.01〜0.2wt%Biを含有し残部Alと不可
避的不純物からなるAl合金を用いる。
【0010】ろう材のMgは、ろう付け中に蒸発し、ゲ
ッター作用により真空度を向上させる効果と蒸発により
酸化皮膜の破壊作用を有する。しかしてその量が0.6
wt%未満では上記作用が十分に生じずろう付け性が低下
し、1.8wt%を超えた場合ろう付け加熱途中にMg系
の酸化皮膜が増加してろう付け性を低下させる。ろう材
のSiは合金の融点を低下させ、ろう付けを可能にする
添加元素である。しかして添加量が6.0wt%未満や2
0.0wt%を超えた場合、ろうの融点が上昇しろう付け
性が低下する。ろう材中のZnはほとんどがAl合金中
に固溶しているが、ろう付け加熱後はろう材の粒界近傍
に多く分布している。腐食は主にろう材の粒界から開始
し、Zn量が多いと腐食の進行が早くなり耐食性が低下
する。また、Znはろう付け加熱中に蒸発しやすく炉内
を汚染する傾向がある。従って、その量を0.04wt%
以下に限定することにより耐食性およびろう付け性が格
段に向上する。Zn量は使用する純Al地金の純度によ
り調整する。上記のろう材合金組成にBiを0.01〜
0.2wt%含有させる場合があるが、この場合、Biは
ろうの流動性を向上させると共に、Mgの蒸発を促進
し、皮膜を破壊されやすくする働きを有する。しかして
Biの添加量が0.01wt%未満の場合上記作用が十分
でなく、0.2wt%を超えるとろう材の圧延性が低下
し、ブレージングシートの製造が困難である。
【0011】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。JIS A3003合金からなる芯材の両面に表
1に示すAl−Mg−Si系合金またはAl−Mg−S
i−Bi系合金のZn量を変化させたろう材を片面あた
り15%で両面にクラッドし、ソーキング、熱間圧延、
中間焼鈍および冷間圧延を施して厚さ0.6mmのブレー
ジングシートを製造した。これらブレージングシート材
を洗浄後、仕上焼鈍を施し供試材とした。この供試材を
用い、すきま充填試験によりろう付け性の評価を行っ
た。試験方法は図1に示すようにJIS A3003合
金母材(3) 上にブレージングシート(4) を逆Tに組みS
US等の丸棒(5) で片側にすきまを作り、5×10-5To
rrの真空中で595℃×3分間真空ろう付けを行った
後、フィレット(6) の長さ(1)を測定した。表1にこれ
らの結果を示す。また、これらの供試材を600℃で3
分間のろう付け加熱を行った後に、片面を樹脂で覆い、
JIS H8681に基づくCASS腐食試験を300
時間行い、表面に発生した最大ピット深さを光学顕微鏡
による焦点深度法により測定した。これらの結果を表1
に合わせて示す。
【0012】
【表1】
【0013】表1から明らかなように本発明例No.1〜
4は、従来例No.8、9と比較してフィレット長さが長
く、フィレット形成能が良好でろう付け性に優れ、また
最大ピット深さも浅く、耐食性が良好である。これに対
し、ろう材中のZn量が本発明の範囲より多い比較例N
o.5はろう付け性が悪く、Bi量が多い比較例No.6
は圧延割れとなり供試材が製造できず、Mg量が少な
く、Zn量が多い比較例No.7はろう付け性が悪いこと
が判る。
【0014】
【効果】以上述べたように本発明真空ろう付け用アルミ
ニウム合金ブレージングシートは真空ろう付け性が良好
であり、また耐食性にも優れ、薄肉化によるアルミニウ
ム製熱交換器の軽量化に寄与できる等工業上顕著な効果
を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】すきま充填試験の要領を示す説明図。
【図2】ドロンカップエバポレータ用部材の平面図。
【図3】図2のB−B′線での断面図。
【図4】ドロンカップエバポレータの斜視図。
【符号の説明】
1 部材 2 コルゲートフィン 3 母材 4 ブレージングシート 5 丸棒 6 フィレット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlまたはAl合金からなる芯材の片面
    または両面にAl−Mg−Si系合金からなるろう材を
    クラッドした真空ろう付け用アルミニウム合金ブレージ
    ングシートにおいて、ろう材中のZn含有量が0.04
    wt%以下であることを特徴とする真空ろう付け用アルミ
    ニウム合金ブレージングシート。
  2. 【請求項2】 AlまたはAl合金からなる芯材の片面
    または両面にAl−Mg−Si−Bi系合金からなるろ
    う材をクラッドした真空ろう付け用アルミニウム合金ブ
    レージングシートにおいて、ろう材中のZn含有量が
    0.04wt%以下であることを特徴とする真空ろう付け
    用アルミニウム合金ブレージングシート。
JP17182092A 1992-06-04 1992-06-04 真空ろう付け用アルミニウム合金ブレージングシート Pending JPH05337682A (ja)

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