JPH0533717U

JPH0533717U - 紙おしめ

Info

Publication number: JPH0533717U
Application number: JP8313191U
Authority: JP
Inventors: 代昌彦藤; 塚健一戸
Original assignee: ピジヨン株式会社
Priority date: 1991-10-14
Filing date: 1991-10-14
Publication date: 1993-05-07
Anticipated expiration: 2006-10-14
Also published as: JP2565651Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】大便排泄時の処理を容易とし、使い棄ておし
めカバーとしての機能を有する紙おしめを提供する。【構成】吸水層２の上面側を不織布等の通水性シート
３で覆い、同下面をビニールフイルム等の不透水性シー
ト４で覆ってこれらの四周を固定した紙おしめ本体１の
上面に、水解性資材からなる水解シート７を重ねて剥離
可能に固定した紙おしめ、およびこの紙おしめを薄く形
成し、尿排泄位置に紙おしめ本体１と同構造で所要の大
きさを有する補助パッド１０を付帯するようにしたもの
である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は紙おしめにかゝり、特に尿の吸収と大便の排棄処理とを分離して行なうことができる紙おしめに関する。

【０００２】

【従来の技術】

近時、寝たきりの病人や老人向けとして大人用の紙おしめが普及し、種々の改良が試みられている。

【０００３】従来の紙おしめは、クラッシュパルプ等を圧搾してシート状に形成された吸水層の上面側を不織布等の通水性シートで覆い、同下面側をビニールフイルム等の不透水性シートで覆い、両者を四周で接着して吸水層をくるみ、通水性シート側を人体に当てゝ臀部下から股間を通して腹部上に当てがうようになされている。

【０００４】このような構造による紙おしめでは、排尿による水分は吸水層に吸水されるが、大便の排泄時には紙おしめから大便のみを便器内に排棄し、紙おしめ自体はごみとして別な箇所に投棄するようにしているため、大便排泄後の処理が容易でなかった。

【０００５】そこで大便の処理を容易にするため、従来から紙おしめを当てがう際に紙おしめの上面に別の不織布製のシート（ライナー）を置いて人体に当てがうようにし、大便排泄時にはこのライナーから大便を棄てるようにしたものがある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに従来のライナーは、紙おしめとは別に用意され、人体に当てがう際に紙おしめの上面にライナーを敷いて当てがうことになるため、その作業が面倒であるうえ、当てがったのちにおいて身体の動きによりずれてしまうことが多い。また排便後これを剥してもそのまゝ水洗便所に流すこことができず、単に紙おしめから大便を取りやすくするに留まるものであり、多人数の患者を取扱う病院や施設などでは必ずしも十分な機能を有するものではなかった。

【０００７】本考案はこれに鑑み、当てがう際や当てがったのちに紙おしめからずれることがなく、大便排泄後は剥離して大便をくるみ、そのまゝ水洗便所に投棄し得るようにしてその処理を容易とし、使い棄てのおしめカバーとしての機能を持つ紙おしめを提供することを目的としてなされたものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記従来の技術が有する問題点を解決するため本考案は、吸水層の上面側を不織布等の通水性シートで覆い、同下面をビニールフィルム等の不透水性シートで覆ってこれらの四周を固定した紙おしめ本体の上面に、水解性資材からなる水解シートを重ねて剥離可能に固定したことを特徴とする紙おしめを請求項１とするものであり、請求項２は、前記紙おしめを薄く形成し、尿排泄位置に紙おしめ本体と同構造で所要の大きさを有する補助パッドを付帯することを特徴とするものである。

【０００９】

【作用】

通常の紙おしめと同様にして身体に当てがったのち、大便の排泄があったときは、紙おしめ本体の上面から水解シートを剥離して大便ごと丸め、そのまゝ水洗便所に流すことにより大便の排棄処理ができる。この水解シートは下水道を流れる間に水解し、残留物とはならない。また水解シートは紙おしめ本体の上面に固定されて紙おしめの表面材を構成しているので、当てがう際や当てがったのちにずれてしまうことがなく、大便を水解シート上に確実に受けることができる。請求項２のように補助パッドを組合わせることにより、尿は主として補助パッドにより吸収されるので、紙おしめ本体ごと排棄することなく補助パッドのみの交換で足り、大便の排泄時には請求項１の場合と同様に水解シートを剥離して水洗便所へ投棄すればよい。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例を参照して説明する。

【００１１】紙おしめ本体１は、図１に半部を断面とした斜視図を示すように、クラッシュパルプ等の吸水性に富む資材を圧搾してシート状とされた吸水層２の上面が不織布等の通水性シート３で覆われ、下面はビニールフイルム等の不透水性シート４で覆われてその四周が熱接着等により水分の漏出がないよう固着されている。そして平面形状は、図２に示すように長手方向両側がえぐられて股ぐり５，５が形成され、この股ぐり５，５部分にギャザが設けられていて、当てがいやすくかつ当てがったのちに水分の漏出がないようにされている。また紙おしめ本体１の一端部両側には止着用のテープ６，６が突設されている。

【００１２】上記紙おしめ本体１の上面、すなわち不織布等の通水性シート３上には、水解性資材例えばレーヨン、ポリエステル等を主体とするシート材からなる水解シート７が重ねられ、この水解シート７と通水性シート３とは常温固体のホットメルト、ヒートシール、超音波シール、圧搾等の剥離可能な接着手段８によりその四周乃至少なくとも２辺を線状、点状に固定されている。この水解シート７は紙おしめ本体１の長手方向の長さとほゞ等しい長さを有し、かつ股ぐり５，５間の幅にほゞ等しい幅を有する矩形状とされている。

【００１３】したがって上記紙おしめを通常の紙おしめと同様にして身体に当てがったのち図３（Ａ）のように大便９の排泄があったときは、紙おしめ本体１の上面から水解シート７を剥し（図３（Ｂ）〜（Ｃ））、大便９ごと丸めて（図３（Ｄ））そのまゝ水洗便所へ投棄することにより大便の処理を行なうことができる。また水解シート７は紙おしめ本体１の上面に固定されているので、当てがう際や当てがったのちにずれてしまうことがない。

【００１４】補助パッド１０は、紙おしめ本体１と同様な構造を有するもので、図４に半部を断面とした斜視図を示すように、吸水層１１の上面が不織布等の通水性シート１２で覆われ、下面はビニールフイルム等の不透水性シート１３で覆われてその四周が熱接着等により水分の漏出がないよう固着された構造であり、その大きさは排尿箇所に部分的に当てがう関係上、図５に示すように水解シート７のほゞ半分程度とされている。この補助パッド１０を組合わせる場合の紙おしめ本体１の厚さは、通常の紙おしめの1/2 〜1/4 程度とされ、いわば使い棄てのおしめカバーとしての機能を持つものとなる。

【００１５】この実施例によれば、紙おしめを当てがうとき、尿排泄位置に補助パッド１０を当てがうようにすることにより、排尿時の尿はその殆んどが補助パッド１０の吸水層１１に吸収され、紙おしめ本体１の吸水層２を大量に濡らすことがなく、補助パッド１０のみを交換するだけで再使用ができ、いちいち身体から紙おしめ全体を外さずともよく、それだけ看護作業が容易になる。また大便の排泄時には、前記の場合と同様に紙おしめ本体１から水解シート７のみを剥ぎ取り、大便をくるんで水洗便所に流せばよい。

【００１６】なお紙おしめ本体１の形状は股ぐり５，５のないフラットタイプであってもよいことはもちろんである。また水解シート７の大きさは、紙おしめ本体１の全長にわたって設けず、図６のように大便を受ける位置のみに設ける大きさとしてもよく、さらに図７のように紙おしめ本体１の上面全域にわたる形状および大きさとしてもよい。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、大便の排泄時に水解シートのみを剥離して丸め、そのまゝ水洗便所に流すことができるので、大便排泄時の処理が容易となり、紙おしめ本体に大便が付着しないのでこれをごみとして処理するにも不都合がない。また紙おしめの上面が実質的にこれと一体の水解シートで構成されるので、当てがう際や当てがったのちに水解シートがずれてしまうことがなく、大便を確実に捕捉し、かつ肌ざわりがよく、患者に不快感を与えることがない。また請求項２によれば、排尿時の水分はその殆んどを補助パッドが吸収するので、紙おしめ本体が長時間の使用に耐え、経済的であるとともに看護作業を容易とすることができ、加えて紙おしめ本体は薄くてよいので当てがいやすく、身体にフィットして漏出もないなどの効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による紙おしめの一実施例を示す半部を
断面とした斜視図。

【図２】同外観を示す斜視図。

【図３】（Ａ）〜（Ｄ）大便排泄時の処理状況を示す説
明図。

【図４】補助パッドの一実施例を示す半部を断面とした
斜視図。

【図５】紙おしめ本体と補助パッドとを組合わせた状態
を示す斜視図。

【図６】本考案の変形例を示す斜視図。

【図７】同他の変形例を示す斜視図。

【符号の説明】

１紙おしめ本体２吸水層３通水性シート４不透水性シート５股ぐり６止着用テープ７水解シート８接着手段１０補助パッド１１吸水層１２通水性シート１３不透水性シート

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】吸水層の上面側を不織布等の通水性シート
で覆い、同下面をビニールフイルム等の不透水性シート
で覆ってこれらの四周を固定した紙おしめ本体の上面
に、水解性資材からなる水解シートを重ねて剥離可能に
固定したことを特徴とする紙おしめ。
【請求項２】前記紙おしめを薄く形成し、尿排泄位置に
紙おしめ本体と同構造で所要の大きさを有する補助パッ
ドを付帯することを特徴とする請求項１記載の紙おし
め。