JPH0533562Y2 - - Google Patents
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- JPH0533562Y2 JPH0533562Y2 JP1986007178U JP717886U JPH0533562Y2 JP H0533562 Y2 JPH0533562 Y2 JP H0533562Y2 JP 1986007178 U JP1986007178 U JP 1986007178U JP 717886 U JP717886 U JP 717886U JP H0533562 Y2 JPH0533562 Y2 JP H0533562Y2
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Landscapes
- Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
- Connection Of Plates (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本考案は、土木構築現場において用いられる山
留用の仮設材に関し、特に現場での組立てを要し
ないように、予め三又状に一体化された火打材に
係る。 [従来の技術] 周知のように土木構築現場における山留作業に
おいては、矢板を打ち込んだ後、該矢板に対し水
平方向に腹起に添わせると共に、腹起に直交する
状態で切梁を架設し、土砂の崩壊を防ぐようにし
ている。そして前記腹起と切梁の連結部には、強
大な土圧に耐えるようにするため、切梁の両側面
から腹起に対し斜めに火打材を装着することが多
い。最近においては、この火打材を現場でその都
度組立てることをせずに、予め第20〜21図に
示すように前記火打材を切梁の一部と一体化させ
て一種のユニツト(ブロツク)となし、これを現
場において必要箇所に取り付けた上で、このもの
に長尺状の切梁を接続して固定するという手法が
とられるようになつてきた。 まず前記従来型について説明する。第20図は
実公昭59−7404号公報に所載の火打ブロツクであ
つて腹起1に対して直角方向に配設されるべきブ
ロツク主材2を対称軸として、この主材の左右両
翼に一対の斜材3,3を結合させた上で、前記主
材端面とハの字型に開いた斜材の端面とを一枚の
取付面板4で一体に固定した構造である。第21
図に示したものは、実公昭59−12280号公報に開
示されている切梁・火打兼用プレートであつて、
概略構成は前記とほぼ同様であるが、後者にあつ
ては、腹起に当接する部材5がH型鋼で構成さ
れ、かつこの部材の開口面に多数の補強板6が垂
直方向に挟みこまれると共に、前記当接部材5の
端面並びに斜材3の側面にも補強プレート7,8
を溶接した構成で、これらの点が第20図のもの
と異なつている。なお第20〜21図の符号9は
長尺状の切梁、10は矢板を示す。 [考案が解決しようとする問題点] 従来の一体化火打は、現場での組立工数を省く
という観点でのみ試行錯誤的に製作されてきたの
で、このものを種々設計の異なつた現場に持ち込
んで使用するとなると、どこにでも適用可能であ
るという訳には行かず、汎用性に乏しかつた。例
えば第16〜17図に示すような現場、すなわち
腹起を設けられない現場にあつては第20のよう
な火打ブロツクを使用することが出来なかつた。
このことについては後に詳しく述べる。 一方、この種の一体化火打は、組立てられた状
態で(嵩張つた状態で)工事現場に搬入、搬出し
なければならない関係からトラツク輸送の可否と
いう側面もゆるがせに出来ない。この点で、製品
の小型化及び計量化という要請をも満たす必要が
あると同時に、以下述べるような一体化火打その
ものの使用勝手という側面での課題をも解決する
必要に迫られている。 まずトラツク輸送の側面からこの種一体化火打
材(以下単に火打という場合がある)が有する問
題点を指摘する。第22図に示すように、この種
の火打はトラツクイの荷台上に載置して輸送する
ものであるが、この場合、火打の長さPすなわち
切梁連結用主材21の長さは、前記荷台幅(通常
2.0〜2.3m)よりも短くなければならないという
制約を受ける。一方前記主材に対する斜材の取付
角θは強度的に見て45°以上にすることは不可能
であり、更に前記主材の先端部には火打を切梁主
材に接続するための連結代P′を必要とするから、
これらの要素を考慮すると火打の当接幅Qは、主
材の幅をBとして、Q−B=2(P−P′)以上に
はなし得ない。ところで、前記の当接幅Qが広け
れば広いほど、火打の効果が高くなるが、前記第
21図に示す従来型は後に詳しく説明するよう
に、当接幅を広くするとそれに伴つて主材の長さ
も大きくせざるを得ないから、トラツク輸送とい
う制約を考えると、当接幅を大きくすることがで
きないという難点がある。 一方、山留工事において切梁を架設する場合、
切梁相互の間隔(切梁スパン)はこれを出来るだ
け広くとることが望ましい。スパンが広ければ広
いほど、土砂堀削のための作業スペースが広くな
るので、作業効率の向上に役立つ。しかし、前記
スパンが広いほど土圧が大きくなるので火打ブロ
ツクもこれを大型化する必要があり、それに伴つ
て重量も重くなり、輸送に当つての荷扱いに不便
を来たすのである。 前記の各問題点につき具体的に説明すると、通
常は第19〜21図に示すように、山留に際し
て、まず矢板10またはH型鋼等の土留抗11を
土中に打ち込んでから、その壁面に腹起1を切れ
目なく連続的に配設した上で、この腹起の側面に
対し直角に一体化火打を固定するものであるが、
必ずしも腹起が切れ目なく架設される現場ばかり
が存在するわけではない。例えば第16〜17図
に示すように、H型鋼からなる抗11に対して腹
起が連続して架設されず、堀削面からの立上り工
作物12の存在などによつて、腹起の不連続部1
3が生ずる場合がある。また腹起を用いない山留
壁14とする場合(第19図参照)もあるが、か
かる場合には同図に示されるような火打ちブロツ
クでは腹起への当接面が一枚の単板4で構成され
ているために切梁主材からくる軸力荷重を受ける
に足る充分な強度を有せず、現場によつては使用
に制限を受ける。特に、第17図に符号11′で
示すように、土留抗が単板で構成される取付板4
のみに接する位置にきたときは、この部分の単板
が荷重で曲つてしまい使用に耐えない結果とな
る。因みに符号17はキヤンバーである。この様
な場合において、第21図のように当接面にH型
鋼を取付ければ前記のような場合でも使用に耐え
るが、今度はブロツク全体が前示の如く大型化す
るばかりでなく重量も増加してトラツク輸送その
他の荷扱いが実用に適さず、現実の運用にはなじ
まないといつた欠点があつた。 かかる実情から、本出願人は、特開昭59−
31316号公報に開示したように、火打ちブロツク
全体をトラツク搬送可能なように2部材に分か
ち、かつ該ブロツクの腹起に対する当接面には、
断面T型部材を取り付けて当接幅を大きくしよう
と試みた。しかし、現実の運用に当つては前記2
部材を現場で一体に組み付ける作業が面倒で、さ
ほど省力化に寄与せず、その上前記T型部材では
強度不足で使える現場が限られてしまうという難
点があつて、未だ商業的に使用し得るに至つてい
ない。今、前記従来型に火打ちブロツクの当接面
に用いられている前記T型部材であるCT形鋼と
第20図示のような単なるプレート形状の鋼板
(単板)とを、本考案におけるH形鋼と比較する
と、下記第1表に示すとおり、強度的に格段の差
が存在するのである。
留用の仮設材に関し、特に現場での組立てを要し
ないように、予め三又状に一体化された火打材に
係る。 [従来の技術] 周知のように土木構築現場における山留作業に
おいては、矢板を打ち込んだ後、該矢板に対し水
平方向に腹起に添わせると共に、腹起に直交する
状態で切梁を架設し、土砂の崩壊を防ぐようにし
ている。そして前記腹起と切梁の連結部には、強
大な土圧に耐えるようにするため、切梁の両側面
から腹起に対し斜めに火打材を装着することが多
い。最近においては、この火打材を現場でその都
度組立てることをせずに、予め第20〜21図に
示すように前記火打材を切梁の一部と一体化させ
て一種のユニツト(ブロツク)となし、これを現
場において必要箇所に取り付けた上で、このもの
に長尺状の切梁を接続して固定するという手法が
とられるようになつてきた。 まず前記従来型について説明する。第20図は
実公昭59−7404号公報に所載の火打ブロツクであ
つて腹起1に対して直角方向に配設されるべきブ
ロツク主材2を対称軸として、この主材の左右両
翼に一対の斜材3,3を結合させた上で、前記主
材端面とハの字型に開いた斜材の端面とを一枚の
取付面板4で一体に固定した構造である。第21
図に示したものは、実公昭59−12280号公報に開
示されている切梁・火打兼用プレートであつて、
概略構成は前記とほぼ同様であるが、後者にあつ
ては、腹起に当接する部材5がH型鋼で構成さ
れ、かつこの部材の開口面に多数の補強板6が垂
直方向に挟みこまれると共に、前記当接部材5の
端面並びに斜材3の側面にも補強プレート7,8
を溶接した構成で、これらの点が第20図のもの
と異なつている。なお第20〜21図の符号9は
長尺状の切梁、10は矢板を示す。 [考案が解決しようとする問題点] 従来の一体化火打は、現場での組立工数を省く
という観点でのみ試行錯誤的に製作されてきたの
で、このものを種々設計の異なつた現場に持ち込
んで使用するとなると、どこにでも適用可能であ
るという訳には行かず、汎用性に乏しかつた。例
えば第16〜17図に示すような現場、すなわち
腹起を設けられない現場にあつては第20のよう
な火打ブロツクを使用することが出来なかつた。
このことについては後に詳しく述べる。 一方、この種の一体化火打は、組立てられた状
態で(嵩張つた状態で)工事現場に搬入、搬出し
なければならない関係からトラツク輸送の可否と
いう側面もゆるがせに出来ない。この点で、製品
の小型化及び計量化という要請をも満たす必要が
あると同時に、以下述べるような一体化火打その
ものの使用勝手という側面での課題をも解決する
必要に迫られている。 まずトラツク輸送の側面からこの種一体化火打
材(以下単に火打という場合がある)が有する問
題点を指摘する。第22図に示すように、この種
の火打はトラツクイの荷台上に載置して輸送する
ものであるが、この場合、火打の長さPすなわち
切梁連結用主材21の長さは、前記荷台幅(通常
2.0〜2.3m)よりも短くなければならないという
制約を受ける。一方前記主材に対する斜材の取付
角θは強度的に見て45°以上にすることは不可能
であり、更に前記主材の先端部には火打を切梁主
材に接続するための連結代P′を必要とするから、
これらの要素を考慮すると火打の当接幅Qは、主
材の幅をBとして、Q−B=2(P−P′)以上に
はなし得ない。ところで、前記の当接幅Qが広け
れば広いほど、火打の効果が高くなるが、前記第
21図に示す従来型は後に詳しく説明するよう
に、当接幅を広くするとそれに伴つて主材の長さ
も大きくせざるを得ないから、トラツク輸送とい
う制約を考えると、当接幅を大きくすることがで
きないという難点がある。 一方、山留工事において切梁を架設する場合、
切梁相互の間隔(切梁スパン)はこれを出来るだ
け広くとることが望ましい。スパンが広ければ広
いほど、土砂堀削のための作業スペースが広くな
るので、作業効率の向上に役立つ。しかし、前記
スパンが広いほど土圧が大きくなるので火打ブロ
ツクもこれを大型化する必要があり、それに伴つ
て重量も重くなり、輸送に当つての荷扱いに不便
を来たすのである。 前記の各問題点につき具体的に説明すると、通
常は第19〜21図に示すように、山留に際し
て、まず矢板10またはH型鋼等の土留抗11を
土中に打ち込んでから、その壁面に腹起1を切れ
目なく連続的に配設した上で、この腹起の側面に
対し直角に一体化火打を固定するものであるが、
必ずしも腹起が切れ目なく架設される現場ばかり
が存在するわけではない。例えば第16〜17図
に示すように、H型鋼からなる抗11に対して腹
起が連続して架設されず、堀削面からの立上り工
作物12の存在などによつて、腹起の不連続部1
3が生ずる場合がある。また腹起を用いない山留
壁14とする場合(第19図参照)もあるが、か
かる場合には同図に示されるような火打ちブロツ
クでは腹起への当接面が一枚の単板4で構成され
ているために切梁主材からくる軸力荷重を受ける
に足る充分な強度を有せず、現場によつては使用
に制限を受ける。特に、第17図に符号11′で
示すように、土留抗が単板で構成される取付板4
のみに接する位置にきたときは、この部分の単板
が荷重で曲つてしまい使用に耐えない結果とな
る。因みに符号17はキヤンバーである。この様
な場合において、第21図のように当接面にH型
鋼を取付ければ前記のような場合でも使用に耐え
るが、今度はブロツク全体が前示の如く大型化す
るばかりでなく重量も増加してトラツク輸送その
他の荷扱いが実用に適さず、現実の運用にはなじ
まないといつた欠点があつた。 かかる実情から、本出願人は、特開昭59−
31316号公報に開示したように、火打ちブロツク
全体をトラツク搬送可能なように2部材に分か
ち、かつ該ブロツクの腹起に対する当接面には、
断面T型部材を取り付けて当接幅を大きくしよう
と試みた。しかし、現実の運用に当つては前記2
部材を現場で一体に組み付ける作業が面倒で、さ
ほど省力化に寄与せず、その上前記T型部材では
強度不足で使える現場が限られてしまうという難
点があつて、未だ商業的に使用し得るに至つてい
ない。今、前記従来型に火打ちブロツクの当接面
に用いられている前記T型部材であるCT形鋼と
第20図示のような単なるプレート形状の鋼板
(単板)とを、本考案におけるH形鋼と比較する
と、下記第1表に示すとおり、強度的に格段の差
が存在するのである。
【表】
前記第1表からも明らかなように、腹起への当
接面を形成する部材としてCT形鋼を使用しても、
それは単板と大差なく、同表中の強度対比の欄の
数値からも知られるようにH形鋼に比較して20分
の1以下の強度しないのである。 しかし単に前記取付部材をH形鋼を置き換えた
だけでは、火打ちブロツクそれ自体が大形化して
しまい種々の問題が生じることが既に述べたとお
りである。そこで本考案は、あらゆる現場に適用
可能で、しかも軽量かつ小型の一体化火打を得る
ことができれるように意図したものである。 更にまた、前記従来型には次のような問題点も
あつた。この点を第18図に基いて説明すると、
この種の火打ちを架設する場合には、図示の如く
当該火打ちを平面的に見て左右一対となるように
取付けることになる。しかして、その何れか先に
取付ける方は腹起1のボルト孔ピツチに合せてボ
ルト締めが可能であるが(符号15参照)、その
切梁を延長させて反対側の火打ちを取付けるに当
つては、火打ちに穿設された取付孔16と、腹起
側のボルト孔26とが合致しないことが多く、こ
こにおいて改めてガス孔を穿設しなければならな
いといつた不便があつた。 [問題点を解決するための手段] 本考案は、上記従来型火打ちブロツクに免れ難
い種々の欠点をすべて解消させ、所謂一体化火打
材をして、あらゆる現場に使用できる新規な製品
したものである。すなわち本考案は、腹起材に当
接させる取付部材の中央部に、該取付部材と直角
に切梁連結用主材を固定し、かつ該主材の接続端
側と前記取付部材の両端部とを左右一対の斜材を
介して斜めに連結すると共に、前記取付部材と斜
材のいずれもH型鋼で構成させ、かつ前記取付部
材の両端部を前記斜材の外側線に沿つた斜め形状
にカツトし、更に少くとも該斜材の取付端面と前
記主材の取付端面とに位置する取付部材のH型鋼
の開口面において、該H型鋼を構成するフランジ
の間に補強プレートを溶接し、しかも前記切梁連
結用主材の先端部には、切梁主材と締結するため
の連結代を保持させ、さらに、前記取付部部材に
おける腹起への当接面には、腹起のボルト孔の直
径をd、ボルト孔ピツチをAとしたとき、少くと
もその長径をA+d、短径をd、取付孔ピツチを
2Aとした長孔から成る複数個の取付孔を穿設
し、それによつて、前記の各問題点の解決を図つ
たものである。 [実施例] 以下、本考案の一体化火打材について、図示の
実施例に基づき具体的に説明する。 第1図は本考案の一実施例を示すもので、符号
20は腹起1にボルト締めされる取付部材、21
は前記取付部材20に対し直角に配設された切梁
連結用主材、22は前記取付部材20の両端部と
切梁連結用主材21の接続端側とを斜めに固定す
る斜材にして、何れもH型鋼で構成させると共
に、これら各部材相互を溶接により固着する。し
かして前記取付部材20の左右両端部は、これを
図示のごとく前記斜材22の外側線に沿つた斜め
形状にカツトすることにより、火打材全体の重量
をさほど増さずに、しかも切梁連結用主材21の
長さが比較的短くて済むようになし、後に詳しく
述べるとおり、いわば製品全体を小型化しながら
腹起に対する当接幅を広くすることができるよう
に図つたものである。 なお前記主材21と斜材22とを互いに溶接す
る場合において、第2図に示すように斜材側H型
鋼のウエブ部分22aのみを若干突出させておい
て、この部分を主材21のウエブ21aに当接さ
せた上で、ウエブ相互を含め、全体に溶接しても
よい。ただし火打材全体の重量を若干でも軽減さ
せたいときには、前記斜材の端面を垂直に切り落
とした上で、これを主材21の側面にあてがい溶
接する方がよい(第6,8図参照)。 また本考案においては、少くとも前記取付部材
20と斜材22並びに取付部材20と切梁連結用
主材21とが相接する部分における当該取付部材
の開口面、すなわち該取付部材を構成するH型鋼
のフランジ間に補強プレート23および24を溶
接する事を要件とする。以下この点を図面に即し
て説明すると、第5図に示すように取付部材20
を構成するH型鋼は、水平方向のウエブ20aと
垂直方向のフランジ20bとを有するが、同図の
事例にあつては前記フランジ20b,20bの間
を塞ぐようにして補強プレート23を溶接する。
同様にして切梁連結用主材21の取付端面部にも
補強プレート24を溶接して前記斜材22並びに
切梁連結用主材21の軸方向に加わる荷重を支持
させるようになす。第6〜8図に示す実施例は、
前記補強プレートを垂直方向に挿入した事例であ
つて、図示のように縦方向に矩形状の補強プレー
ト23b及び24bを挿入してからこれを溶接し
てもよい。垂直方向に補強プレートを取付けた場
合の方が、第2図の場合に比べ鋼材の使用量が少
くなる。しかし同図のプレート23bは斜材を構
成するH鋼のフランジからの加重を受けることが
でき、またその荷重を補強プレート23の幅全体
で分散させることが可能となるので、荷重が集中
する垂直プレートに較べ何れかといえば第2図の
方が望ましい。なお、第6〜7図に符号25で示
す部材は、切梁連結用主材21の連結端面を強化
するために設けた補強リブである。 第8〜10図の実施例は、前記補強プレートと
して断面T型の鋼材を使用し、これを取付部材2
0におけるH型鋼の開口面に装着溶接した事例で
あつて、符号23c,24cで示すプレートを上
下から各別に前記H型鋼の開口面に嵌め込んで溶
接してもよい。 次に前記一体化火打材を腹起1にセツトするた
めのに取付孔の具体的態様について述べる。第4
図に示すように、腹起1には、通常100mmまたは
150mmの定ピツチAで、火打材を取付けるための
ボルト孔26が穿設されている。通常はこのボル
ト孔に対応した位置並びに孔径を有する取付孔を
取付け部材の側にも穿設しておくものであるが、
本考案においては、前記ボルト孔に対応する取付
孔を次の様な構成からなる長孔としたものであ
る。すなわち、第3図に示すように、取付部材2
0に対しボルト孔のピツチAを基準に、その2倍
または3倍(2A以上の倍数)のピツチを保ち、
かつ少くとも「A+d」なる長径を有する長孔2
7bを穿設する。ちなみに前記長孔の短径がボル
ト孔26の直径dに等しいことはいうまでもな
い。 第18図に基づいて先に説明したように、往々
にして架設すべき箇所の腹起1に設けられたボル
ト孔26と、火打材における取付孔27とが不一
致となる場合が生じ、この不一致を従来のような
取付孔では、吸収することができなかつたが、本
考案にあつては、その取付孔を前示のようなピツ
チを有する長孔27bとしたから、たとえ切梁の
軸線が若干捩れるような事態となつたり、或いは
取付孔とボルト孔とで相互に孔ピツチがズレるよ
うなことがあつても、改めてガス孔を設ける(孔
を開けなおす)必要なく、常時、腹起のボルト孔
26と取付孔27とを何れかの位置で貫通するよ
うに保持できるので取り付けに当つての作業性が
大幅に向上する。 本考案の一体化火打材は、上記のような構成を
有し、使用に当つては第1〜2図に示すように、
まず腹起1の側面の取り付け位置に、前記火打材
における取付部材20を当てがい、前記ボルト孔
26並びに取付孔27b等を介してボルトナツト
でこれを固定する。次いで、切梁連結用主材21
の接続端面に設けた固定用プレート28に切梁9
の端面をボルト接合させ、更に当該当接部分に連
結板29を添えた上で当該連結部をボルトナツト
で固定し、次いで、このようにして取付けた反対
側の腹起1に対しても、前記と同様にして本考案
の一体化火打材をセツトすることにより、これら
一体化火打材を、腹起1間に切梁9を介して架設
するのである。 [作用効果] 本考案の一体化火打材は、以上のような構成を
有するので、次のような作用効果を発揮する。 前述のように従来型の一体化火打は土留壁に腹
起が取付けられていない場合には、使用できなか
つたり、或いは使用し得るような構成のものは取
付部材の当接幅に較べて全体の重量が甚だしく重
く、しかも大型化するので、トラツク輸送ができ
ないだけでなく、現場での搬入、搬出等の荷扱い
にも不便を来していた。これに反し本考案の一体
化火打材は、腹起に当接する部分にH型鋼を使用
し、かつこのH型鋼の両端部を斜材の外側線に沿
つて斜めにカツトした形状となし、更に前記H型
鋼の開口面において連結用主材と斜材の接続端面
部のみに補強プレートを溶接して構成させるよう
にしたから、軽量化を図りながら、切梁に加わる
圧縮力を平均に分散して支持できるだけの強度、
換言すれば前記圧縮力に抗するに十分な耐圧力を
発揮させることができる。その上、後記のように
従来型と同じ耐圧力を持たせたときには、従来型
に比べ約1〜1.5割減の軽量化、小型化を達成さ
せ得ると共に、この種山留に最も肝心な切梁スパ
ンを広くとることができるという効果を発揮す
る。以下これらの点につき、第11A〜第11B
図および第12図を用いて具体的に説明する。第
11A図は前記取付部材20′の両端部を直角に
切り落した形状の火打を、第11B図は前記両端
部を斜めにカツトした形状の火打(本考案の実施
品)を架設した場合の対比図で、同図に基づき、
まずその寸法について述べる。 切梁連結用主材、斜材並びに取付部材の各々を
同一サイズのH型鋼(その場合のフランジの幅を
Bとする)を用いて構成させ、かつ腹起1に対す
る曲げスパンDを同一の値としたとすると、前記
両者の取付部材の当接幅Q及びQ′の関係は、Q
<Q′=Q+2Bとなる。その結果、前記両火打を
架設した場合の切梁スパンL1と同L2は、L1<L2
となり、該スパンで囲まれる面積の具体的数値は
下記第2表のとおりとなつて、面積比で概ね20%
も土砂堀削のための作業面積(第12図のハツチ
ング部分参照)を増大させることが可能となる。
その上、先に第22図について説明したように、
この種の火打材は、切梁主材との連結代P′を必ず
必要とする(労働安全衛生規則によれば、切梁の
接続部に当て板をあててボルトにより締結するこ
とが義務づけられている)から、前記当接幅Q
は、この連結代を無視しては設定できない。この
点をも考慮すると、前記従来例と本考案とでは火
打の小型化に重大な影響を及ぼす切梁連結用主材
の長さPに次のような有意差をもたらす。すなわ
ち、両者とも同じ長さの連結代P′を必要とする訳
であるから、主材全体の長さPを一定とすると、
本考案の方が2Bだけその当接幅を拡げることが
できるのである。換言すれば同じ当接幅であれ
ば、前記主材の長さを短くすることができる。こ
の点を火打全体の嵩(大きさ)で考えると、第1
3A図に示すように本考案にしたがえば、同図に
点線の斜線で示す部分Rを省略できることを意味
するから、それだけ小型化、軽量化に寄与するこ
とになる。 一方、第13B図に示すように腹起に当接させ
る取付部材をH形鋼で構成させるに当り、その両
端部を、従来型のように斜め形状にカツトしない
場合と、本考案のようにカツトした場合とで、そ
の間に有意差のあることは、次の事実によつても
これを知ることができる。すなわち、同図の符号
Q1〜Q3は従来型H形鋼の取付面幅(当接幅)で、
当該H形鋼のサイズが大形化するのに伴つて前記
の取付面幅はそれとは逆に狭まつてくるという関
係にある。これに対し、本考案のように前記取付
部材として斜め形状にカツトしたH形鋼を使用し
た場合において、該H形鋼のサイズを大形化させ
たときには、それに伴つて当接幅も次第に広くな
つてくる(符号Q11〜Q13で示す)という関係が
生ずる。一体化火打において腹起に対する当接幅
が広くなるということは、それによつて腹起の曲
げスパンが小さくすることができることを意味す
るので、一体化火打としては絶対的に有利な結果
が得られることになる。 以下、前記の関係を具体的数値で示すと、次の
とおりである。ただし、一体化火打の長さPは、
これをトラツク搬送上の制約を考慮して、2000mm
とした。なお、下記数値の単位も、すべてmmで表
示した。 H形鋼のサイズ 従来型 本考案 H−400 3600(Q3) 4400(Q13) H−350 3650(Q2) 4350(Q12) H−300 3700(Q1) 4300(Q11) [数字の単位は、mm]
接面を形成する部材としてCT形鋼を使用しても、
それは単板と大差なく、同表中の強度対比の欄の
数値からも知られるようにH形鋼に比較して20分
の1以下の強度しないのである。 しかし単に前記取付部材をH形鋼を置き換えた
だけでは、火打ちブロツクそれ自体が大形化して
しまい種々の問題が生じることが既に述べたとお
りである。そこで本考案は、あらゆる現場に適用
可能で、しかも軽量かつ小型の一体化火打を得る
ことができれるように意図したものである。 更にまた、前記従来型には次のような問題点も
あつた。この点を第18図に基いて説明すると、
この種の火打ちを架設する場合には、図示の如く
当該火打ちを平面的に見て左右一対となるように
取付けることになる。しかして、その何れか先に
取付ける方は腹起1のボルト孔ピツチに合せてボ
ルト締めが可能であるが(符号15参照)、その
切梁を延長させて反対側の火打ちを取付けるに当
つては、火打ちに穿設された取付孔16と、腹起
側のボルト孔26とが合致しないことが多く、こ
こにおいて改めてガス孔を穿設しなければならな
いといつた不便があつた。 [問題点を解決するための手段] 本考案は、上記従来型火打ちブロツクに免れ難
い種々の欠点をすべて解消させ、所謂一体化火打
材をして、あらゆる現場に使用できる新規な製品
したものである。すなわち本考案は、腹起材に当
接させる取付部材の中央部に、該取付部材と直角
に切梁連結用主材を固定し、かつ該主材の接続端
側と前記取付部材の両端部とを左右一対の斜材を
介して斜めに連結すると共に、前記取付部材と斜
材のいずれもH型鋼で構成させ、かつ前記取付部
材の両端部を前記斜材の外側線に沿つた斜め形状
にカツトし、更に少くとも該斜材の取付端面と前
記主材の取付端面とに位置する取付部材のH型鋼
の開口面において、該H型鋼を構成するフランジ
の間に補強プレートを溶接し、しかも前記切梁連
結用主材の先端部には、切梁主材と締結するため
の連結代を保持させ、さらに、前記取付部部材に
おける腹起への当接面には、腹起のボルト孔の直
径をd、ボルト孔ピツチをAとしたとき、少くと
もその長径をA+d、短径をd、取付孔ピツチを
2Aとした長孔から成る複数個の取付孔を穿設
し、それによつて、前記の各問題点の解決を図つ
たものである。 [実施例] 以下、本考案の一体化火打材について、図示の
実施例に基づき具体的に説明する。 第1図は本考案の一実施例を示すもので、符号
20は腹起1にボルト締めされる取付部材、21
は前記取付部材20に対し直角に配設された切梁
連結用主材、22は前記取付部材20の両端部と
切梁連結用主材21の接続端側とを斜めに固定す
る斜材にして、何れもH型鋼で構成させると共
に、これら各部材相互を溶接により固着する。し
かして前記取付部材20の左右両端部は、これを
図示のごとく前記斜材22の外側線に沿つた斜め
形状にカツトすることにより、火打材全体の重量
をさほど増さずに、しかも切梁連結用主材21の
長さが比較的短くて済むようになし、後に詳しく
述べるとおり、いわば製品全体を小型化しながら
腹起に対する当接幅を広くすることができるよう
に図つたものである。 なお前記主材21と斜材22とを互いに溶接す
る場合において、第2図に示すように斜材側H型
鋼のウエブ部分22aのみを若干突出させておい
て、この部分を主材21のウエブ21aに当接さ
せた上で、ウエブ相互を含め、全体に溶接しても
よい。ただし火打材全体の重量を若干でも軽減さ
せたいときには、前記斜材の端面を垂直に切り落
とした上で、これを主材21の側面にあてがい溶
接する方がよい(第6,8図参照)。 また本考案においては、少くとも前記取付部材
20と斜材22並びに取付部材20と切梁連結用
主材21とが相接する部分における当該取付部材
の開口面、すなわち該取付部材を構成するH型鋼
のフランジ間に補強プレート23および24を溶
接する事を要件とする。以下この点を図面に即し
て説明すると、第5図に示すように取付部材20
を構成するH型鋼は、水平方向のウエブ20aと
垂直方向のフランジ20bとを有するが、同図の
事例にあつては前記フランジ20b,20bの間
を塞ぐようにして補強プレート23を溶接する。
同様にして切梁連結用主材21の取付端面部にも
補強プレート24を溶接して前記斜材22並びに
切梁連結用主材21の軸方向に加わる荷重を支持
させるようになす。第6〜8図に示す実施例は、
前記補強プレートを垂直方向に挿入した事例であ
つて、図示のように縦方向に矩形状の補強プレー
ト23b及び24bを挿入してからこれを溶接し
てもよい。垂直方向に補強プレートを取付けた場
合の方が、第2図の場合に比べ鋼材の使用量が少
くなる。しかし同図のプレート23bは斜材を構
成するH鋼のフランジからの加重を受けることが
でき、またその荷重を補強プレート23の幅全体
で分散させることが可能となるので、荷重が集中
する垂直プレートに較べ何れかといえば第2図の
方が望ましい。なお、第6〜7図に符号25で示
す部材は、切梁連結用主材21の連結端面を強化
するために設けた補強リブである。 第8〜10図の実施例は、前記補強プレートと
して断面T型の鋼材を使用し、これを取付部材2
0におけるH型鋼の開口面に装着溶接した事例で
あつて、符号23c,24cで示すプレートを上
下から各別に前記H型鋼の開口面に嵌め込んで溶
接してもよい。 次に前記一体化火打材を腹起1にセツトするた
めのに取付孔の具体的態様について述べる。第4
図に示すように、腹起1には、通常100mmまたは
150mmの定ピツチAで、火打材を取付けるための
ボルト孔26が穿設されている。通常はこのボル
ト孔に対応した位置並びに孔径を有する取付孔を
取付け部材の側にも穿設しておくものであるが、
本考案においては、前記ボルト孔に対応する取付
孔を次の様な構成からなる長孔としたものであ
る。すなわち、第3図に示すように、取付部材2
0に対しボルト孔のピツチAを基準に、その2倍
または3倍(2A以上の倍数)のピツチを保ち、
かつ少くとも「A+d」なる長径を有する長孔2
7bを穿設する。ちなみに前記長孔の短径がボル
ト孔26の直径dに等しいことはいうまでもな
い。 第18図に基づいて先に説明したように、往々
にして架設すべき箇所の腹起1に設けられたボル
ト孔26と、火打材における取付孔27とが不一
致となる場合が生じ、この不一致を従来のような
取付孔では、吸収することができなかつたが、本
考案にあつては、その取付孔を前示のようなピツ
チを有する長孔27bとしたから、たとえ切梁の
軸線が若干捩れるような事態となつたり、或いは
取付孔とボルト孔とで相互に孔ピツチがズレるよ
うなことがあつても、改めてガス孔を設ける(孔
を開けなおす)必要なく、常時、腹起のボルト孔
26と取付孔27とを何れかの位置で貫通するよ
うに保持できるので取り付けに当つての作業性が
大幅に向上する。 本考案の一体化火打材は、上記のような構成を
有し、使用に当つては第1〜2図に示すように、
まず腹起1の側面の取り付け位置に、前記火打材
における取付部材20を当てがい、前記ボルト孔
26並びに取付孔27b等を介してボルトナツト
でこれを固定する。次いで、切梁連結用主材21
の接続端面に設けた固定用プレート28に切梁9
の端面をボルト接合させ、更に当該当接部分に連
結板29を添えた上で当該連結部をボルトナツト
で固定し、次いで、このようにして取付けた反対
側の腹起1に対しても、前記と同様にして本考案
の一体化火打材をセツトすることにより、これら
一体化火打材を、腹起1間に切梁9を介して架設
するのである。 [作用効果] 本考案の一体化火打材は、以上のような構成を
有するので、次のような作用効果を発揮する。 前述のように従来型の一体化火打は土留壁に腹
起が取付けられていない場合には、使用できなか
つたり、或いは使用し得るような構成のものは取
付部材の当接幅に較べて全体の重量が甚だしく重
く、しかも大型化するので、トラツク輸送ができ
ないだけでなく、現場での搬入、搬出等の荷扱い
にも不便を来していた。これに反し本考案の一体
化火打材は、腹起に当接する部分にH型鋼を使用
し、かつこのH型鋼の両端部を斜材の外側線に沿
つて斜めにカツトした形状となし、更に前記H型
鋼の開口面において連結用主材と斜材の接続端面
部のみに補強プレートを溶接して構成させるよう
にしたから、軽量化を図りながら、切梁に加わる
圧縮力を平均に分散して支持できるだけの強度、
換言すれば前記圧縮力に抗するに十分な耐圧力を
発揮させることができる。その上、後記のように
従来型と同じ耐圧力を持たせたときには、従来型
に比べ約1〜1.5割減の軽量化、小型化を達成さ
せ得ると共に、この種山留に最も肝心な切梁スパ
ンを広くとることができるという効果を発揮す
る。以下これらの点につき、第11A〜第11B
図および第12図を用いて具体的に説明する。第
11A図は前記取付部材20′の両端部を直角に
切り落した形状の火打を、第11B図は前記両端
部を斜めにカツトした形状の火打(本考案の実施
品)を架設した場合の対比図で、同図に基づき、
まずその寸法について述べる。 切梁連結用主材、斜材並びに取付部材の各々を
同一サイズのH型鋼(その場合のフランジの幅を
Bとする)を用いて構成させ、かつ腹起1に対す
る曲げスパンDを同一の値としたとすると、前記
両者の取付部材の当接幅Q及びQ′の関係は、Q
<Q′=Q+2Bとなる。その結果、前記両火打を
架設した場合の切梁スパンL1と同L2は、L1<L2
となり、該スパンで囲まれる面積の具体的数値は
下記第2表のとおりとなつて、面積比で概ね20%
も土砂堀削のための作業面積(第12図のハツチ
ング部分参照)を増大させることが可能となる。
その上、先に第22図について説明したように、
この種の火打材は、切梁主材との連結代P′を必ず
必要とする(労働安全衛生規則によれば、切梁の
接続部に当て板をあててボルトにより締結するこ
とが義務づけられている)から、前記当接幅Q
は、この連結代を無視しては設定できない。この
点をも考慮すると、前記従来例と本考案とでは火
打の小型化に重大な影響を及ぼす切梁連結用主材
の長さPに次のような有意差をもたらす。すなわ
ち、両者とも同じ長さの連結代P′を必要とする訳
であるから、主材全体の長さPを一定とすると、
本考案の方が2Bだけその当接幅を拡げることが
できるのである。換言すれば同じ当接幅であれ
ば、前記主材の長さを短くすることができる。こ
の点を火打全体の嵩(大きさ)で考えると、第1
3A図に示すように本考案にしたがえば、同図に
点線の斜線で示す部分Rを省略できることを意味
するから、それだけ小型化、軽量化に寄与するこ
とになる。 一方、第13B図に示すように腹起に当接させ
る取付部材をH形鋼で構成させるに当り、その両
端部を、従来型のように斜め形状にカツトしない
場合と、本考案のようにカツトした場合とで、そ
の間に有意差のあることは、次の事実によつても
これを知ることができる。すなわち、同図の符号
Q1〜Q3は従来型H形鋼の取付面幅(当接幅)で、
当該H形鋼のサイズが大形化するのに伴つて前記
の取付面幅はそれとは逆に狭まつてくるという関
係にある。これに対し、本考案のように前記取付
部材として斜め形状にカツトしたH形鋼を使用し
た場合において、該H形鋼のサイズを大形化させ
たときには、それに伴つて当接幅も次第に広くな
つてくる(符号Q11〜Q13で示す)という関係が
生ずる。一体化火打において腹起に対する当接幅
が広くなるということは、それによつて腹起の曲
げスパンが小さくすることができることを意味す
るので、一体化火打としては絶対的に有利な結果
が得られることになる。 以下、前記の関係を具体的数値で示すと、次の
とおりである。ただし、一体化火打の長さPは、
これをトラツク搬送上の制約を考慮して、2000mm
とした。なお、下記数値の単位も、すべてmmで表
示した。 H形鋼のサイズ 従来型 本考案 H−400 3600(Q3) 4400(Q13) H−350 3650(Q2) 4350(Q12) H−300 3700(Q1) 4300(Q11) [数字の単位は、mm]
【表】
【表】
また、前記第3表並びに第14A図並びに第1
4B図に示すように、本考案の火打材は、従来例
に比べ取付部材の両端部に斜材の外側線に沿つた
斜め形状の付加部分Bが加えられた構成となつて
いるから、前記従来型に比べると腹起1への当接
面の長さが2Bだけ大きくなり、その結果切梁ス
パンをLを従来型と同じ値、例えばL=6.0mmと
したときには、従来型の腹起設計有効スパンは
3.0mmとなるのに対し、本考案のそれは、2.4mmと
なり、モーメント比でいえば64.0%となつて、そ
れだけ腹起に用いる材料を強度的にみて小さくす
ることができることになるのである。このよう
に、本考案によれば、火打全体の小型化、軽量化
に著しく寄与し、その結果トラツク輸送にも支障
を来さず、しかも、この種火打材を使用する場合
の本来の目的である切梁スパンを広く設定し得る
と共に現場での組み立てを必要とせず、その上前
述のようにあらゆる現場に使用し得る汎用品とし
ての機能をも発揮し得る点で画期的な効果を有す
る。 また、前述のよう小型化ならびに軽量化を達成
し得る結果、この種一体化火打に重要な要素であ
る搬入、搬出、貯蔵に当つての荷扱いが用意とな
り、更に保管スペースの節減につながる等のメリ
ツトも発揮する。 さらにまた、取付部材20の腹起への当接面に
は、請求範囲に規定したような関係を保つて、特
定の長孔が穿設されているので、腹起のどの位置
に前記取付部材を突き合わせたとしても、前記長
孔1個と腹起側のボルト孔1個が、必らず互いに
連通状態におかれ、したがつて改めてガス孔を形
成させないでも必然的にボルト締めを行うことが
可能となる。すなわち、第3〜4図からも明らか
なように、腹起のボルト孔ピツチはA、直径はd
であるのに対し、取付部材側の長孔の長径はA+
dか、またはそれより大きく、かつそのピツチも
2A以上の倍数関係にあるから、取付部材の腹起
への当接位置がどのうよに変化しても、必ずボル
ト孔と長孔とが合致してボルト締め作業が可能と
なる。ちなみに、単に一定のピツチで長孔を穿設
しただけでは、腹起に穿設されたボルト孔と長孔
とが常に合致するとは限らないので、従来行つて
きたように改めてガス孔を形成させなければなら
ないといつた不具合が生ずる。
4B図に示すように、本考案の火打材は、従来例
に比べ取付部材の両端部に斜材の外側線に沿つた
斜め形状の付加部分Bが加えられた構成となつて
いるから、前記従来型に比べると腹起1への当接
面の長さが2Bだけ大きくなり、その結果切梁ス
パンをLを従来型と同じ値、例えばL=6.0mmと
したときには、従来型の腹起設計有効スパンは
3.0mmとなるのに対し、本考案のそれは、2.4mmと
なり、モーメント比でいえば64.0%となつて、そ
れだけ腹起に用いる材料を強度的にみて小さくす
ることができることになるのである。このよう
に、本考案によれば、火打全体の小型化、軽量化
に著しく寄与し、その結果トラツク輸送にも支障
を来さず、しかも、この種火打材を使用する場合
の本来の目的である切梁スパンを広く設定し得る
と共に現場での組み立てを必要とせず、その上前
述のようにあらゆる現場に使用し得る汎用品とし
ての機能をも発揮し得る点で画期的な効果を有す
る。 また、前述のよう小型化ならびに軽量化を達成
し得る結果、この種一体化火打に重要な要素であ
る搬入、搬出、貯蔵に当つての荷扱いが用意とな
り、更に保管スペースの節減につながる等のメリ
ツトも発揮する。 さらにまた、取付部材20の腹起への当接面に
は、請求範囲に規定したような関係を保つて、特
定の長孔が穿設されているので、腹起のどの位置
に前記取付部材を突き合わせたとしても、前記長
孔1個と腹起側のボルト孔1個が、必らず互いに
連通状態におかれ、したがつて改めてガス孔を形
成させないでも必然的にボルト締めを行うことが
可能となる。すなわち、第3〜4図からも明らか
なように、腹起のボルト孔ピツチはA、直径はd
であるのに対し、取付部材側の長孔の長径はA+
dか、またはそれより大きく、かつそのピツチも
2A以上の倍数関係にあるから、取付部材の腹起
への当接位置がどのうよに変化しても、必ずボル
ト孔と長孔とが合致してボルト締め作業が可能と
なる。ちなみに、単に一定のピツチで長孔を穿設
しただけでは、腹起に穿設されたボルト孔と長孔
とが常に合致するとは限らないので、従来行つて
きたように改めてガス孔を形成させなければなら
ないといつた不具合が生ずる。
第1図は本考案たる一体化火打材の一実施例を
示す斜視図、第2図は同上平面図、第3図は別の
実施例を示す端面図にして取付孔の態様を示す
図、第4図は腹起の正面図にして、第3〜4図に
関しては、それぞれ一部の拡大図を付加した。第
5図は第2図の−線における断面図、第6図
は本考案における他の実施例を示す火打材の一部
の平面図、第7図は同上側面図、第8図は更に別
の実施例を示す火打材の平面図、第9図は同上正
面図にして一部を切り欠いて示す、第10図は前
記実施例における補強プレートを示す斜視図、第
11A図並びに第11Bは、本考案の火打と従来
例の火打を腹起に架設した場合を対比して示した
平面図、第12図は前記火打を架設した時の切梁
で囲まれる面積を示した平面図、第13A図は本
考案と従来型とを重ねて示した説明図、第13B
図は同じく本考案との比較図で、H形鋼のサイズ
変化に伴なう当接幅の変化を示した概念図、第1
4A図並びに第14B図は本考案の火打と従来例
の火打を腹起に架設した場合において、腹起に加
わる曲げスパンの関係を説明するための平面図、
第15図は本考案の火打を腹起を用いない山留に
使用した場合の平面図、第16図は本考案たる火
打材の施工例を示す平面図、第17図は従来型の
施工例を示す平面図、第18図はこの種火打材の
仮設状態を示す説明図、第19図は従来型の火打
材を腹起を用いない山留に使用した時の説明的平
面図、第20〜21図は、従来型の火打材を示す
斜視図、第22図は火打材をトラツクに積載した
状態を示す平面図である。 20……取付部材、21……切梁連結用主材、
22……斜材、23,23a,23b,23c,
24,24a,24b,24c……補強プレー
ト、25……補強リブ、26……ボルト孔、2
7,27b……取付孔(長孔)、28……切梁固
定用プレート。
示す斜視図、第2図は同上平面図、第3図は別の
実施例を示す端面図にして取付孔の態様を示す
図、第4図は腹起の正面図にして、第3〜4図に
関しては、それぞれ一部の拡大図を付加した。第
5図は第2図の−線における断面図、第6図
は本考案における他の実施例を示す火打材の一部
の平面図、第7図は同上側面図、第8図は更に別
の実施例を示す火打材の平面図、第9図は同上正
面図にして一部を切り欠いて示す、第10図は前
記実施例における補強プレートを示す斜視図、第
11A図並びに第11Bは、本考案の火打と従来
例の火打を腹起に架設した場合を対比して示した
平面図、第12図は前記火打を架設した時の切梁
で囲まれる面積を示した平面図、第13A図は本
考案と従来型とを重ねて示した説明図、第13B
図は同じく本考案との比較図で、H形鋼のサイズ
変化に伴なう当接幅の変化を示した概念図、第1
4A図並びに第14B図は本考案の火打と従来例
の火打を腹起に架設した場合において、腹起に加
わる曲げスパンの関係を説明するための平面図、
第15図は本考案の火打を腹起を用いない山留に
使用した場合の平面図、第16図は本考案たる火
打材の施工例を示す平面図、第17図は従来型の
施工例を示す平面図、第18図はこの種火打材の
仮設状態を示す説明図、第19図は従来型の火打
材を腹起を用いない山留に使用した時の説明的平
面図、第20〜21図は、従来型の火打材を示す
斜視図、第22図は火打材をトラツクに積載した
状態を示す平面図である。 20……取付部材、21……切梁連結用主材、
22……斜材、23,23a,23b,23c,
24,24a,24b,24c……補強プレー
ト、25……補強リブ、26……ボルト孔、2
7,27b……取付孔(長孔)、28……切梁固
定用プレート。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 1 腹起に当接させる取付部材の中央部に、該取
付部材と直角に切梁連結用主材を固定し、かつ
該主材の接続端側と前記取付部材の両端部とを
左右一対の斜材を介して斜めに連結すると共
に、前記取付部材、切梁連結用主材並びに斜材
のいずれをもH型鋼で構成させ、さらに前記取
付部材の両端部を前記斜材の外側線に沿つた斜
め形状にカツトし、少くとも該斜材の取付端面
部と前記切梁連結用主材の取付端面部とに位置
する取付部材のH型鋼の開口面において、該H
型鋼を構成するフランジの間に補強プレートを
溶接し、しかも前記切梁連結用主材の先端部に
は、切梁主材と締結するための連結代を保持さ
せ、さらに前記取付部材における腹起への当接
面には、腹起のボルト孔の直径をd、ボルト孔
ピツチをAとしたとき、少くともその長径をA
+d、短径をd、取付孔ピツチを2Aとした長
孔から成る複数個の取付孔を穿設したことを特
徴とする一体火打材。 2 前記取付部材の両端部と中央部とに、当該取
付部材を構成するH型鋼の開口面を塞ぐような
状態でそれぞれ水平に補強プレートを溶接し
て、前記斜材ならびに主材の軸方向に加わる荷
重を、それぞれ取付部材と前記補強プレートと
により断面箱形を呈する部材で支持させるよう
にした実用新案登録請求の範囲第1項記載の一
体化火打材。 3 H型鋼からなる取付部材の両端部と中央部と
に当該H型鋼の両フランジ間に挟まるように垂
直方向に補強プレートを溶接した実用新案登録
請求の範囲第1項記載の一体化火打材。 4 H型鋼からなる取付部材の両端部と中央部と
に当該H型鋼の両フランジ間に挟まるように断
面T型の補強プレートを溶接した実用新案登録
請求の範囲第1項記載の一体化火打材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1986007178U JPH0533562Y2 (ja) | 1986-01-23 | 1986-01-23 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1986007178U JPH0533562Y2 (ja) | 1986-01-23 | 1986-01-23 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62120533U JPS62120533U (ja) | 1987-07-31 |
JPH0533562Y2 true JPH0533562Y2 (ja) | 1993-08-26 |
Family
ID=30790393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1986007178U Expired - Lifetime JPH0533562Y2 (ja) | 1986-01-23 | 1986-01-23 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0533562Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6381939B2 (ja) * | 2014-03-18 | 2018-08-29 | ジェコス株式会社 | 切梁装置および山留め支保工 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5912280U (ja) * | 1982-07-15 | 1984-01-25 | エスエムケイ株式会社 | フレキシブルプリント配線板ロツク機構付コネクタ用コンタクト |
JPS5931316A (ja) * | 1982-08-13 | 1984-02-20 | Marufuji Shiitopairu Kk | 山止め用火打ち材 |
-
1986
- 1986-01-23 JP JP1986007178U patent/JPH0533562Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5912280U (ja) * | 1982-07-15 | 1984-01-25 | エスエムケイ株式会社 | フレキシブルプリント配線板ロツク機構付コネクタ用コンタクト |
JPS5931316A (ja) * | 1982-08-13 | 1984-02-20 | Marufuji Shiitopairu Kk | 山止め用火打ち材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62120533U (ja) | 1987-07-31 |
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