JPH05335154A - 磁心及びその製造方法 - Google Patents

磁心及びその製造方法

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JPH05335154A
JPH05335154A JP4139391A JP13939192A JPH05335154A JP H05335154 A JPH05335154 A JP H05335154A JP 4139391 A JP4139391 A JP 4139391A JP 13939192 A JP13939192 A JP 13939192A JP H05335154 A JPH05335154 A JP H05335154A
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JP
Japan
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magnetic core
magnetic
alloy
heat treatment
iron loss
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JP4139391A
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English (en)
Inventor
Takashi Matsuoka
孝 松岡
Hiroshi Watanabe
洋 渡辺
Jun Saito
準 斉藤
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/14Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/147Alloys characterised by their composition
    • H01F1/153Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals
    • H01F1/15308Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals based on Fe/Ni

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高飽和磁束密度、低鉄損、高透磁率でこれら
の周波数特性が良好であり、経時安定性に優れた磁心を
得る。 【構成】 Fe−Si−B系合金に所定量のAlを添加
する。好適には更にNb等の元素を所定量添加する。こ
のような組成の非晶質合金を急冷法により薄帯、粉末、
薄膜等の形状に形成した後、積層、巻回等して所望の磁
心形状に成型し、これをキュリー点以上ないしは近傍の
温度で熱処理することにより、組織の少なくとも30%
が平均粒径1000オングストローム以下の微細結晶粒
から成り、残部が非晶質である合金から成る磁心を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁石用ヨークや柱上
トランス等の低周波用途から、スイッチング電源を初め
とする高周波用途まで幅広い用途に使用するのに好適な
磁心に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、磁心の低周波用途には、珪素
鋼が使われているが、例えば柱上トランスでは、鉄損が
大きいため伝送効率の低さが問題であり、また、磁歪に
よるうなりが発生する。このため近年、鉄系アモルファ
スによる柱上トランスが低損失として注目されてはいる
が、磁歪が大きいため加工による磁気特性の劣化を生じ
材料ベースでの差ほど効果が出ていない。さらに、この
鉄系アモルファスを使用してトランスを構成した場合に
は磁歪によるうなりも大きい。
【0003】また、磁心の高周波用途では、ダストコ
ア、パーマロイ、フェライトが使用されている。しかし
ながら、ダストコアは透磁率が500以上にならない
し、パーマロイは機械的信頼性が低く衝撃や振動で磁気
特性が劣化する。フェライトは比較的多く使用されては
いるが、飽和磁束密度が小さく小形化に限界がある。ま
た、透磁率を高くすると周波数特性が劣化し、高周波の
透磁率は高くすることができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の難点を
解消するためになされたもので、その目的は、高飽和磁
束密度、低鉄損、高透磁率でこれらの周波数特性が良好
であり、磁歪が小さく、経時安定性に優れた磁心および
その製造方法を提供することである。さらに、本発明の
第2の目的は、高周波数特性が良好であり、高周波数領
域で鉄損が小さく、透磁率が高い磁心およびその製造方
法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明の磁心は、一般式(Fe1-xx100-a-b-c- d
SiaAlbcM'd(式中、MはCo及び/又はNi、
M'はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、
Cr、Mn、Y、Pd、Ru、Ga、Ge、C、Pから
選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、
a、b、c、dはそれぞれ原子%を示し、それぞれ0≦
x≦0.15、0≦a≦24、2<b≦15、4≦c≦
20、0≦d≦10を満たすものとする)で表わされ、
組織の少なくとも30%以上が平均粒径1000オング
ストローム以下の微細な結晶粒である合金から成るもの
である。ここで結晶質は鉄を主体としたbcc固溶体か
ら成るものである。
【0006】まず本発明の磁心に用いられる上記合金の
組成について説明する。この合金においては磁性特性の
面から銅(Cu)は0.5原子%以下、好適には0.1
原子%以下であり、更に好ましくはCuは全く混入しな
いほうがよい。上記合金において、Feは原子比xが0
から0.15の範囲でCo及び/又はNiで置換するこ
とができる。Co及びNiは、Feと負の相互作用パラ
メータを示すので、この合金を熱処理する際に生成する
Feを主体としたbcc固溶体に固溶し、bcc構造格
子に置換されるものと考えられる。これにより、bcc
固溶体が持つ、磁歪定数、結晶磁気異方性定数を低減で
きると考えられる。本発明の合金においてxが0≦x<
0.02、特にx=0、即ちNi(及び/又はCo)を
全く含まない場合には高透磁率が得られるため、高透磁
率が要求される用途、例えばコモンモードチョークコイ
ル、フィルタ用インダクタ、信号用変成器等の磁心に好
適である。
【0007】一方、Ni(及び又はCo)の含有量xが
0.02≦x≦0.15を満たすときは、高透磁率が得
られるだけでなく上述した磁歪定数、結晶磁気異方性定
数の低減という効果及び磁場熱処理により誘導異方性の
付与が大きいという効果が得られ、主としてコモンモー
ドチョークコイル、フィルタ用インダクタ、信号用変成
器、高周波トランス、マグアンプ等の磁心に好適であ
る。なお、Ni(及び又はCo)の含有量xは好ましく
は0.02≦x≦0.15、更に好ましくは0.03≦
x≦0.1である。
【0008】Alは本発明の磁心用の合金の必須元素で
あり、Alを特定量(2原子%を超え15原子%以下)
添加することにより、結晶磁気異方性の小さい軟磁性を
示す結晶(Fe基bcc固溶体)の結晶化温度(TX1
と軟磁性を阻害する結晶(例えばFe−B系結晶)の結
晶化温度(TX2)との温度差(△T)を大きくすること
ができ、熱処理時のFe−B系結晶等の生成を抑制する
と共に、比較的低い温度の熱処理で軟磁気特性を導出す
ることができる。
【0009】Alの含有量bは、2原子%を超え15原
子%以下、好ましくは2.5〜15原子%、更に好まし
くは3〜12原子%である。3〜12原子%の範囲にお
いて、特に透磁率が高く、鉄損の小さい磁心を得ること
ができる。なお、合金においてxが0≦x<0.02、
特にx=0の場合には、Alの含有量bは好ましくは6
〜12原子%、更に好ましくは6〜10原子%、最も好
ましくは7〜10原子%とする。
【0010】AlはNi(Co)と同様にFeとの相互
パラメータが負であるため、Alを添加することにより
Feを主体とした固溶体中に固溶され、即ちα−Fe結
晶構造のFe原子の位置に置換される形で固溶されbc
c結晶を安定化するため、熱処置に結晶化されやすい環
境を作るものと推定される。従って、上述のようにAl
添加によって結晶磁気異方性の小さい結晶粒が選択的に
作成されるので、これによって優れた軟磁気特性が発現
すると思われる。
【0011】Si、Bは上記合金を初期状態(熱処理
前)で非晶質化させる元素である。Siの含有量aは0
〜24原子%、好ましくは6〜18原子%、更に好まし
くは10〜16原子%である。Siの含有量をこの範囲
とすることにより、初期状態(熱処理前)における非晶
質形成能を高めることができるので好ましい。Bの含有
量cは4〜20原子%、好ましくは6〜15原子%、更
に好ましくは10〜14原子%である。この範囲であれ
ば充分な結晶化温度の温度差が得られ、かつ非晶質化さ
せやすいので好ましい。なお、Bの含有量9原子%を境
にしてアモルファス形成能が異なり、Bが9.5〜15
原子%、特に10〜14原子%の範囲ではAlを入れた
場合の上記組成のアモルファス合金のアモルファス形成
能に優れ、熱処理後均一な結晶粒が得られる。
【0012】上記合金の基本的組成は上述のFe
(M)、B、Si、Alであるが、更に耐食性、磁気特
性を向上させるために他の元素M'を加えることができ
る。M'としては、Nb、Mo、Zr、W、Ta、H
f、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ru、Ga、G
e、C、Pから選ばれる1種以上が挙げられる。さらに
M'の添加は、基本組成のFe−Si−Al−B合金の
非晶質形成能を向上させる働きがある。
【0013】Nb、W、Ta、Zr、Hf及びMoは特
に軟磁気特性を阻害するFe−B系結晶の析出を抑制
し、又はFe−B系結晶の析出温度を高い温度に移動さ
せる効果があり、合金の軟磁気特性を改善する。また上
記元素(金属)の添加は結晶粒の微細化に寄与する。
V、Cr、Mn、Y及びRuは特に合金の耐腐食性を改
善するのに効果的である。C、Ge、P及びGaは特に
アモルファスを形成するのに効果がある。上記元素の1
以上を添加することができる。これら元素のうち特にN
b、Ta、W、Mn、Mo、Vが好ましい。このうち、
Nbを加えた場合には軟磁気特性、特に抗磁力、透磁
率、鉄損が著しく改善される。これらの元素の添加量d
は、1〜10原子%、好ましくは1〜8原子%、更に好
ましくは1〜6原子%である。この範囲とすることによ
り、非晶質形成能および磁気特性が劣化することを防止
することができる。
【0014】また、上記合金においてはN、S、Oなど
の不可避的不純物を、目的とする特性が劣化しない程度
に含有している合金も本発明に含むものである。以上の
ような組成の非晶質合金は後述する熱処理により組織全
体の少なくとも30%以上(30%〜100%)が結晶
質(微細な結晶粒)と成るようにする。磁気特性の面か
ら、組織全体の少なくとも60%以上が微細な結晶粒か
ら成ることが特に好ましく、80%以上が微細な結晶粒
から成ることが最も好ましい。結晶粒の割合が上記範囲
にあるとき優れた(軟)磁気特性を示す。微結晶粒組織
以外の部分はアモルファス状態でもよいが、組織のほと
んどが微結晶粒構造になっていても構わない。微細結晶
粒の割合が実質的に100%であっても優れた(軟)磁
気特性を示す。
【0015】この結晶粒はbcc構造を有しており、F
eを主体としてSi、B、Al(場合により更にNi及
び/又はCo)が固溶していると考えられる。結晶粒の
平均粒径は1000オングストローム以下、好ましくは
500オングストローム以下、更に好ましくは50〜3
00オングストロームである。本発明では平均粒径が1
000オングストローム以下であることにより、優れた
磁気特性が得られる。
【0016】なお、上記合金において結晶粒の全体に占
める割合は、実験的にX線回折法等により評価すること
ができる。即ち、完全に結晶化した状態(X線回折強度
が飽和した状態)のX線回折強度を基準とし、これに対
する測定すべき磁性合金材料のX線回折強度の割合をも
って実験的に評価することができる。また、結晶化に伴
い生じるX線回折線のX線回折強度と、結晶化に伴い減
少する非晶質特有のハローによるX線回折強度との比か
ら評価することもできる。また、本発明において平均粒
径はX線回折図形のbccピーク反射(110)を用
い、シェラーの式(t=0.9λ/βcosθ)によっ
て導出したものである(カリティ著、新版X線回折要論
(Element of X-ray Diffraction (Second Edition)、
B.D. Cullity)、 91〜94頁)。
【0017】以上述べた合金から本発明の磁心を製造す
るには、まず上記の合金組成の溶湯から一般にアモルフ
ァス金属を形成する液体急冷法、例えば単ロール法、双
ロール法、キャビテーション法、スパッタ法または蒸着
法等により上記組成の非晶質合金をリボン(薄帯)状、
粉末状、繊維状又は薄膜状等に形成する。このように形
成される非晶質合金は結晶相を含んでいてもよいが、後
述する熱処理により微細な結晶粒を均一に生成するため
には非晶質であることが望ましい。
【0018】このように形成される非晶質合金は熱処理
前或いは後に、磁心形状に加工する。磁心形状に加工す
るには、薄帯或いは薄膜を巻回ないし積層した後、必要
に応じ切断、打抜き、エッチング等を施し、トロイダル
状、E型、I型、C型等の所定の形状にする。或いは合
金の粉末を所望磁心形状に成型する。巻回或いは積層す
るための薄帯の厚さは、薄い方が高周波の磁気特性が良
好となるので好ましくは100μm以下、更に好ましく
は20μm以下とする。粉体は液体急冷法により合金を
作成する際、直接粉体状としてもよいが薄帯状、繊維状
又は薄膜状にしたものを粉砕して粉体としてもよい。粉
体の粒径は、最大直径200μm未満が好ましい。粉体
を成型する場合は、好適には無機系では水ガラス、変成
アルコレート等、有機系ではフェノール樹脂、エポキシ
樹脂等の接着剤を含浸して成型する。
【0019】また得られる磁心のコア損失を低減するた
めに、薄帯、粒体の表面には絶縁層が形成されているこ
とが好ましい。絶縁層は薄帯、薄膜の少なくとも片面に
設けられていればよい。絶縁層を設けるには、無機酸化
物、窒化物、炭化物等、例えばSiO2、Al23、S
25等の絶縁粉体をコロイド、スラリー状の水系又は
有機溶剤系分散液とし、コールコート法、スプレー法、
ディッピング法等により塗布し、溶媒を乾燥除去して付
着させたり、SiO2、Al23等を蒸着等する。
【0020】このように所望の磁心形状に加工した後、
上述のように組織の30%以上を結晶化する温度で熱処
理する。なお、熱処理は巻回、積層等の成型の前に行な
ってもよい。熱処理は真空中あるいはアルゴンガスもし
くは窒素ガスなど不活性ガス、H2等の還元性ガスもし
くは空気等の酸化性ガス雰囲気中で行なう。好ましくは
真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で行なう。熱処理温
度は約200〜800℃程度、好ましくは400〜70
0℃程度、更に好ましくは520〜680℃程度とす
る。熱処理時間は0.1〜10時間程度、好ましくは1
〜5時間程度とすることが好ましい。また、熱処理は無
磁場中でも、また磁場を印加して行なってもよいが、熱
処理中磁場を印可した場合には、得られる磁心に磁気異
方性を誘導することができる。従って、磁気異方性をも
つことが要求される用途、例えば送配電用電力トラン
ス、高周波電力変換装置用の高周波トランスや高周波リ
ップル平滑用コイルの磁心、ノイズフィルタに用いられ
るコモンモードチョークコイル用磁心等は磁場中で熱処
理する。なお、熱処理中磁場を印可した場合には、磁気
異方性を誘導するという材料としての効果の他に、用途
によって部品レベルで他の効果を得ることができる。例
えばトランス等では鉄損の低減、またコモンモード、セ
ンサ等の用途では透磁率の向上等が得られる。
【0021】磁界の強度及び磁界が印加される方向はこ
れら目的とする用途(効果)により異なり、低周波での
鉄損低減を図るためには、磁路方向と平行に磁界を8
[A/m]以上印加することが好ましい。また高周波で
の低鉄損、高透磁率を発現させるためには、磁路方向と
角度をもたせて磁界を800[A/m]以上印加するこ
とが好ましい。更に好ましくは80000[A/m]以
上とする。なお磁路方向との角度は通常直角とするが、
直角でなくてもよい。また薄帯の場合、磁路方向がリボ
ンの長手方向であるとするとそれと角度をもつ磁界の印
加方向としては薄帯の面内でもあっても面直(90度)
を含む面内であってもよい。
【0022】磁界は直流、交流のいずれでもよいが、交
流磁界で磁心を励磁すると磁心内部に渦電流損失等の内
部損失が発生するため発熱する。これにより、大型の磁
心の熱処理の場合、磁心内部と表面の温度差が低減され
均一な熱処理を行なうことができ大型磁心でも小型磁心
の場合と同様の効果が得られる。本発明の磁心は、開磁
路、閉磁路のいずれの磁心にも適用できる。成型した磁
心の形状の具体例を図1〜図5に示した。図1(a)は
薄帯を巻回した閉磁路磁心を、図1(b)、(c)は
(a)に示す閉磁路磁心の磁路の途中を1または2箇所
以上切断したもので、切り離してC型コアとすることが
できる。またスペーサを介して、或いはスペーサなしで
突き合わせて組合せコアとしてもよい。図2〜図4は薄
帯を積層したもので、図2(a)及び図3(a)はそれ
ぞれ閉磁路磁心を、図2(b)及び図3(b)はそれぞ
れ磁路の途中を1または2箇所以上切断したコの字型及
びE型のものを示し、図4は棒状磁心を示す。また図5
は粉体成型したものを示す。
【0023】磁路の途中を切断する場合、切断面は必要
に応じ研削或いは研磨し、表面が平滑で対向する切断面
が平行となるようにする。これにより積層体或いは巻回
したもの場合、薄帯の各層の切断面同士が接触し、各層
間の絶縁が壊れることを防止できる。また、トランスや
センサ用の磁心のように切断後の切断面をスペーサなし
に突き合わせものでは、突き合わせ面に余分な隙間を生
じることなく磁心を構成することができる。
【0024】更に本発明の磁心は、以上述べたような積
層体、巻回したもの、粉体成型したもの、或いはこれら
に切断面を設けたものに絶縁、保護の目的でフェノール
樹脂、PBT、エポキシ樹脂等の耐熱性樹脂から成る樹
脂製ケースの外装、樹脂塗装の外装等の外装を設けるこ
とができる。本発明の磁心がコモンモードチョークコイ
ルやトランスなどの場合には、磁心の周囲に巻かれる複
数のコイル間の電気的な絶縁距離を取るため、樹脂製ケ
ース外装にコイルを仕切る構造体を備えることが好まし
い。図6に円形の磁心の外装10にそのような構造体と
して仕切部10aと仕切板11とを設けた構成を示し
た。
【0025】本発明の磁心は、コモンモードチョークコ
イル、フィルタ用インダクタ、信号用変成器、高周波ト
ランス、マグアンプ等の磁心に適用でき、合金の組成を
適当に変えることによりそれぞれの用途に応じた周波数
に好適な磁気特性を有する磁心を得ることができる。以
下、本発明の磁心の実施例を更に説明する。 実施例1〜9 単ロール法を用いて、Fe、Si、Al、B、(Nb)
を含有する溶湯からアルゴンガス1気圧雰囲気中で幅
1.0〜5mm程度、板厚約14〜20μmの急冷薄帯を
作成した。この薄帯を用いて内径15mm、外径19mm、
高さ2.8mmの巻磁心を作成し、窒素ガスの存在下で、
約1時間無磁場で熱処理した。
【0026】表1に示すようにFe、Si、Al、B、
Nbの組成を変えて同様の巻磁心を作成し最適温度で約
1時間熱処理した後、窒素気流中で冷却した。熱処理後
の各巻磁心の飽和磁歪定数λs(×10-6)をストレイ
ンゲージ法により決定した。なお組成はICP分析によ
って決定した。また熱処理後の巻磁芯の鉄損を、周波数
100kHz、最大磁束密度0.1Tにて、デジタルオ
シロスコープを用いて測定した交流ヒステリシスループ
の囲む面積から決定した。また、透磁率μは周波数10
0kHz、励磁磁界5mOeにてLCRメータを用いて
インダクタンスLを測定することにより決定した。結果
を併せて表1に示した。
【0027】また比較例としてFe78Si913(比較
例1、市販品)及びFeCuSiBNb(比較例2、特
開昭64−79342号公報に記載されるCu含有する
Fe基軟磁性合金)の磁心の飽和磁歪、鉄損、透磁率を
併せて表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】表1からも明らかなように、実施例3、4
では、透磁率及び飽和磁化を除いてFeSiB系アモル
ファス合金磁心と同等あるいはそれ以上の磁気特性を示
した。更に実施例9の磁心では、透磁率、鉄損、磁歪の
値において、すべて比較例1、比較例2よりも優れた磁
気特性が得られた。
【0030】なお、実施例9の磁心の合金(窒素ガス雰
囲気中で1時間熱処理したもの)のbcc結晶の結晶粒
径は熱処理温度の上昇によらずほぼ140オングストロ
ーム程度であった。実施例9の磁心について更に印加磁
場100eでの磁束密度B10(T)及び抗磁力Hc(mO
e)の熱処理温度依存性を図7に示した。図から明らか
なように磁束密度B10は550℃〜670℃の熱処理温
度の範囲で0.7T程度の値が得られる。また抗磁力H
cは580℃で12mOeの最小値をとった後、熱処理温
度の上昇とともに増加する。
【0031】この巻磁心について、各測定周波数での実
効透磁率μeの熱処理温度依存性及び鉄損(100KH
z、0.1T)の熱処理温度依存性をそれぞれ図8及び
図9に示した。図8にみるように、実効透磁率μeは低
周波領域(10KHz以下)では、580℃で最大値を
とった後、熱処理温度の上昇とともに徐々に減少するこ
とがわかる。一方、高周波領域(100KHz以上)に
なると、周波数が高くなるに従い最大値をとる温度も高
温側に移動することがわかった。また、図9にみるよう
に、鉄損は580℃〜670℃の熱処理温度の範囲でほ
ぼ10W/kg程度の良好な値を示すことがわかった。
【0032】窒素ガス雰囲気中で1時間熱処理した実施
例9の磁心の飽和磁歪定数λs(×10-6)の熱処理温
度依存性を図10に示した。図10から明らかなよう
に、飽和磁歪定数は、熱処理温度の上昇に伴い、徐々に
減少する。特に600℃以上の温度範囲において、ほぼ
零磁歪が得られることがわかった。実施例9の巻磁心
(窒素ガス雰囲気中で1時間、580℃及び600℃で
それぞれ熱処理したもの)について、実効透磁率μeの
周波数特性を図11に示した。比較例1及び比較例2の
合金及び代表的なMn−Znフェライトの実効透磁率の
周波数特性も併せて図11に示した。図にみるように、
本発明の磁心は従来の非晶質合金(比較例1)及びMn
−Znフェライトを用いた磁心よりも大きな透磁率を示
すことがわかった。また、良好な周波数特性を示す微結
晶質軟磁性合金(比較例2)と比べて、100KHz以
上の周波数領域において高い実効透磁率が得られること
がわかった。これらの結果から明らかなように、本発明
の磁心は、高周波領域において優れた磁気特性を示す。
【0033】更に実施例9の巻磁心(熱処理580℃)
について、鉄損(W/kg)の周波数依存性及び磁束密度依
存性をそれぞれ図12及び図13に示した。比較例1及
び比較例2の合金及び代表的なMn−Znフェライトを
用いた磁心の鉄損の周波数特性及び磁束密度依存性も併
せて図11及び図12に示した。鉄損の周波数特性につ
いては図11にみるように、10KHz〜700KHz
の周波数範囲において、従来の非晶質合金、Mn−Zn
フェライト及び微結晶質軟磁性合金よりも小さな鉄損を
示すことがわかった。また、鉄損の磁束密度依存性につ
いては、図12に示すように磁束密度0.1T〜0.5
Tの範囲において、従来の非晶質合金、Mn−Znフェ
ライト及び微結晶質軟磁性合金より成る磁心よりも小さ
な鉄損を示すことがわかった。これらの結果から本発明
の磁心が従来の磁心に比べ、優れた磁気特性を有するこ
とがわかる。 実施例10〜25 単ロール法を用いて、Fe、Si、Al、B、Nbを含
有する溶湯からアルゴンガス1気圧雰囲気中で幅1.3
mm、厚さ18μmの非晶質薄帯を作成した。この薄帯を
さらに内径15mm、外径19mm、高さ1.3mmの巻磁心
にし無磁場中で最適熱処理を行なった後、抗磁力Hc
(mOe)、飽和磁歪λs(×10-6)、実効透磁率μ(周
波数100kHz、励磁磁界5mOe)及び鉄損(周波
数100kHz、最大磁束密度0.1T)を求めた。各
磁心の合金組成及び結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】実施例10 Fe69Si12Al7Nb3B9 実施例11 Fe68Si12Al8Nb3B9 実施例12 Fe67Si12Al9Nb3B9 実施例13 Fe66Si12Al10Nb3B9 実施例14 Fe68Si13Al7Nb3B9 実施例15 Fe67Si13Al8Nb3B9 実施例16 Fe66Si13Al9Nb3B9 実施例17 Fe65Si13Al10Nb3B9 実施例18 Fe67Si14Al7Nb3B9 実施例19 Fe65Si14Al9Nb3B9 実施例20 Fe64Si14Al10Nb3B9 実施例21 Fe66Si15Al7Nb3B9 実施例22 Fe65Si15Al8Nb3B9 実施例23 Fe64Si15Al9Nb3B9 実施例24 Fe65Si16Al7Nb3B9 実施例25 Fe64Si16Al8Nb3B9 表2からも明らかなように、Niを含まない合金を用い
た実施例10〜25の磁心では非晶質合金中のAlが7
〜10原子%の間で、極めて小さい磁歪を示した。 実施例26〜39、比較例3 実施例10と同様の方法で幅2.8mm、厚さ18μmの
非晶質薄帯(Fe-Si-Al-B-Nb)を作成し、この薄帯をさ
らに内径15mm、外径19mm、高さ2.8mmの巻磁心に
し無磁場中で最適熱処理を行なった後、実効透磁率μ
(周波数100kHz、励磁磁界5mOe)及び鉄損
(周波数100kHz、最大磁束密度0.1T)を求め
た。各試料の組成及び結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】表3からも明らかなようにBの含有量が9
原子%を超えた非晶質合金を用いた磁心では、鉄損が小
さく、透磁率が高くなった。 実施例40〜59 単ロール法を用いて、Fe、Si、Al、B、M’を含
有する溶湯からアルゴンガス1気圧雰囲気中で幅1.3
mm、厚さ18μmの非晶質薄帯を作成した。この薄帯を
さらに内径15mm、外径19mm、高さ1.3mmの巻磁心
にし無磁場中で最適熱処理を行なった後、抗磁力Hc
(mOe)、実効透磁率μ(周波数100kHz、励磁磁
界5mOe)及び鉄損(周波数100kHz、最大磁束
密度0.1T)を求めた。各試料の組成及び結果を表4
に示す。
【0038】
【表4】
【0039】実施例40 Fe66Si14Al8Mo3B9 41 Fe66Si14Al8Ta3B9 42 Fe66Si14Al8Cr3B9 43 Fe66Si14Al8V3B9 44 Fe66Si14Al8Ti3B9 45 Fe66Si14Al8W3B9 46 Fe66Si14Al8Mn3B9 47 Fe66Si14Al8Hf3B9 48 Fe66Si14Al8Zr3B9 49 Fe66Si14Al8Y3B9 50 Fe64Si14Al8Nb2Mo2B10 51 Fe62Si13Al8Nb3Ta2B12 52 Fe63Si13Al8Nb3Zr1B12 53 Fe65Si13Al8Mo2W2B10 54 Fe63Si13Al7Nb4Pd3B10 55 Fe63Si13Al6Nb4Ru4B10 56 Fe66Si14Al4Ga4Nb4B10 57 Fe66Si14Al6Ge3Nb4B10 58 Fe61Si14Al8Zr4B9C4 59 Fe63Si14Al6Zr4B10P3 表4からもわかるようにM’としてNb以外の元素を用
いた非晶質合金を用いた磁心(実施例40〜49及び実
施例53、58及び59)においても、またNbとそれ
以外の元素を併用した磁心の場合にもいずれも優れた磁
気特性を示した。 実施例60〜66 実施例10と同様の方法で幅1.3mm、厚さ18μmの
非晶質薄帯(Fe-Si-Al-B-Nb)を作成し、この薄帯をさ
らに内径15mm、外径19mm、高さ1.3mmの巻磁心に
し無磁場中で最適熱処理を行なった後、実効透磁率μ
(周波数100kHz、励磁磁界5mOe)及び鉄損
(周波数100kHz、最大磁束密度0.1T)を求め
た。各試料の組成及び結果を表5に示す。
【0040】
【表5】
【0041】実施例67〜81 実施例10と同様の方法で幅2.8mm、厚さ18μmの
非晶質薄帯(Fe-Ni-Si-Al-Nb-B)の試料を作成し、この
薄帯をさらに内径15mm、外径19mm、高さ2.8mmの
巻磁心にし無磁場中で最適熱処理を行なった後、さらに
この巻磁心を磁場中熱処理を行なった。磁場中熱処理前
後の実効透磁率μ(周波数100kHz、励磁磁界5m
Oe)及び鉄損(周波数100kHz、最大磁束密度
0.1T)を求めた。各試料の組成及び結果を表6に示
す。
【0042】
【表6】
【0043】実施例67 Fe66Ni1.6Si14Al6.4Nb3B9 68 Fe66Ni3.2Si14Al4.8Nb3B9 69 Fe66Ni4Si14Al4Nb3B9 70 Fe66Ni4.8Si14Al3.2Nb3B9 71 Fe66Ni5.5Si14Al2.5Nb3B9 72 Fe69.4Ni2.4Si9.6Al6.6Nb3B9 73 Fe66Ni2.8Si11.2Al8Nb3B9 74 Fe65Ni4Si14Al4Nb3.5B9.5 75 Fe65Ni4.8Si14Al3.2Nb3.5B9.5 76 Fe64Ni4Si14Al4Nb4B10 77 Fe64.5Ni4.8Si13.5Al3.2Nb4B10 78 Fe64Ni4Si13Al4Nb4B11 79 Fe63Ni4.8Si13Al3.2Nb4B12 80 Fe62Ni4.5Si13Al4Nb4.5B12 81 Fe59Ni4Si13Al4Nb6B14 表6からも明らかなように透磁率、鉄損ともに極めて優
れた値を示した。
【0044】更に実施例69の無磁場熱処理後(○)と
磁場中で熱処理後(●)の磁心について、実効透磁率
(μ)及び鉄損の周波数依存性を測定した。その結果を
図14及び図15に示した。また励磁磁界Hm10O
e、1Oe及び0.1OeにおけるB−H曲線を図16
及び図17に示した。図14からも明らかなように、本
発明の磁心は磁場中熱処理を行なうことにより、100
kHz以上の高周波数領域で大きな透磁率を得ることがで
きた。特に200kHz以上の領域においては、良好な周
波数特性を示す微結晶質軟磁性合金(比較例2)の幅5
mm、厚さ18μmの薄帯を磁場熱処理して得られた値
(△)よりも大きな透磁率が得られた。
【0045】また図15からも明らかなように、本発明
の磁心は磁場中熱処理を行なうことにより、鉄損値を大
幅に低減することができる。この値は、比較例2の幅5
mm、厚さ18μmの薄帯を磁場熱処理して得られた鉄損
値(△)よりも低かった。更に熱処理前のB−H曲線
(図16)と磁場中熱処理のB−H曲線(図17)との
比較からも明らかなように、本発明の磁心は磁場中熱処
理することにより、優れた軟磁性特性を示した。また実
施例69の窒素ガス雰囲気中で1時間熱処理した後のX
線回折図形を図18に示した。 実施例82〜86 実施例10と同様の方法で幅2.8mm、厚さ18μmの
非晶質薄帯(Fe-Co-Si-Al-Nb-B)を作成し、この薄帯を
さらに内径15mm、外径19mm、高さ2.8mmの巻磁心
にし無磁場中で最適熱処理を行なった後、さらにこの巻
磁心を磁場中熱処理を行なった。磁場中熱処理前後の実
効透磁率μ(周波数100kHz、励磁磁界5mOe)
及び鉄損(周波数100kHz、最大磁束密度0.1
T)を求めた。各試料の組成及び結果を表7に示す。
【0046】
【表7】
【0047】実施例82 Fe66Co1.6Si14Al6.4Nb3B9 83 Fe66Co3.2Si14Al4.8Nb3B9 84 Fe66Co4Si14Al4Nb3B9 85 Fe66Co2.8Si11.2Al8Nb3B9 86 Fe66Co5.6Si8.4Al8Nb3B9 表7からも明らかなようにNiの代りにCoを用いた非
晶質合金を用いた磁心では、透磁率はNiを含むものに
比べ低いものもあるが、鉄損はNiを含むものと同様に
小さかった。
【0048】なお、全ての実施例において結晶質(微細
な結晶粒)の含有割合は60%以上であった。
【0049】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明の磁心によれば、Fe−Si−B系合金にAlを添
加した新規なFe基軟磁性合金を用いることにより、磁
気特性の優れた磁心を得ることができる。また本発明の
磁心によれば、用いるFe基軟磁性合金としてAlを加
えるとともにFeの一部をNi(Co)で置換すること
により、極めて低磁歪となり、低鉄損の磁心を得ること
ができる。
【0050】更に本発明によれば、Fe−Si−Al−
B系合金にNb等の元素を添加した合金を用いることに
より、優れた磁気特性、特に極めて低抗磁力、低鉄損、
低磁歪でかつ高周波領域で高い透磁率を有する磁心を得
ることができる。本発明の磁心は上記のように優れた磁
気特性を有するため、例えば高周波トランス、コモンモ
ードチョークコイル、マグアンプ、フィルタ用インダク
タ、信号用変成器、磁気ヘッド等の磁心材料に好適に用
いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明による磁心の一実施例を示す斜視
図、(b)及び(c)はそれぞれ磁路の一部を切断した
磁心を示す図。
【図2】(a)本発明による磁心の他の実施例を示す斜
視図、(b)は磁路の一部を切断した磁心を示す図。
【図3】(a)本発明による磁心の他の実施例を示す斜
視図、(b)は磁路の一部を切断した磁心を示す図。
【図4】本発明による棒状磁心の一実施例を示す図。
【図5】(a)本発明による粉体成型磁心の一実施例を
示す図、(b)は粉体成型磁心の他の実施例を示す図。
【図6】本発明による円形磁心とその外装の一実施例を
示す図。
【図7】本発明による磁心の磁束密度及び抗磁力の温度
依存性を示す図である。
【図8】本発明による磁心の実効透磁率の温度依存性を
示す図である。
【図9】本発明による磁心の鉄損の温度依存性を示す図
である。
【図10】本発明係る合金の飽和磁歪の温度依存性を示
す図である。
【図11】本発明による磁心の実効透磁率の周波数特性
を示す図である。
【図12】本発明による磁心の鉄損の周波数特性を示す
図である。
【図13】本発明による磁心の鉄損の磁束密度依存性を
示す図である。
【図14】本発明による磁心の実効透磁率の周波数特性
を示す図である。
【図15】本発明による磁心の鉄損の周波数特性を示す
図である。
【図16】本発明に係る合金の熱処理前B−H曲線を示
す図である。
【図17】本発明に係る合金の磁場中熱処理後B−H曲
線を示す図である。
【図18】本発明に係る非晶質合金及び結晶合金の各X
線回折図形を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/02 A 8019−5E

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(Fe1-xx100-a-b-c-dSia
    bcM'd(式中、MはCo及び/又はNi、M'はN
    b、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、M
    n、Y、Pd、Ru、Ga、Ge、C、Pから選ばれる
    1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、
    c、dはそれぞれ原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.
    15、0≦a≦24、2<b≦15、4≦c≦20、0
    ≦d≦10を満たすものとする)で表わされ、組織の少
    なくとも30%以上が平均粒径1000オングストロー
    ム以下の微細な結晶粒である合金からなることを特徴と
    する磁心。
  2. 【請求項2】請求項1記載の合金の薄帯を巻回又は積層
    してなることを特徴とする閉磁路磁心。
  3. 【請求項3】請求項2記載の閉磁路の途中が1または2
    箇所以上切断されていることを特徴とする開磁路又は閉
    磁路の磁心。
  4. 【請求項4】前記切断面を研削または研磨したことを特
    徴とする請求項3記載の磁心。
  5. 【請求項5】前記薄帯の厚さが100μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の磁心。
  6. 【請求項6】前記薄帯の厚さが20μm以下であること
    を特徴とする請求項6記載の磁心好
  7. 【請求項7】前記磁心は樹脂製ケースの外装により囲繞
    されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6何れ
    か1項記載の磁心。
  8. 【請求項8】前記外装は前記磁心の周囲に巻かれるコイ
    ルを仕切る構造体を備えたことを特徴とする請求項7記
    載の磁心。
  9. 【請求項9】前記磁心は樹脂塗装の外装により囲繞され
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項6何れか1
    項記載の磁心。
  10. 【請求項10】請求項1記載の磁心を製造するにあた
    り、一般式(Fe1-xx100-a-b-c-dSiaAlb
    cM'd(式中、MはCo及び/又はNi、M'はNb、M
    o、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、
    Y、Pd、Ru、Ga、Ge、C、Pから選ばれる1種
    類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、c、d
    はそれぞれ原子%を占めし、それぞれ0≦x≦0.1
    5、0≦a≦24、2<b≦15、4≦c≦20、0≦
    d≦10を満たすものとする)で表わされる合金の薄帯
    を巻回又は積層し、キュリー点以上ないしは近傍の温度
    で熱処理することを特徴とする磁心の製造方法。
  11. 【請求項11】前記熱処理を磁界中で行うことを特徴と
    する請求項10記載の磁心の製造方法。
  12. 【請求項12】前記磁界が直流及び/または交流である
    ことを特徴とする請求項11記載の磁心の製造方法。
  13. 【請求項13】前記交流の周波数が磁心の発熱を促す程
    度の高周波であることを特徴とする請求項12記載の磁
    心の製造方法。
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