JPH0794314A - パルストランス用磁心ならびにパルストランス - Google Patents
パルストランス用磁心ならびにパルストランスInfo
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- JPH0794314A JPH0794314A JP5198057A JP19805793A JPH0794314A JP H0794314 A JPH0794314 A JP H0794314A JP 5198057 A JP5198057 A JP 5198057A JP 19805793 A JP19805793 A JP 19805793A JP H0794314 A JPH0794314 A JP H0794314A
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
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- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/12—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
- H01F1/14—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
- H01F1/147—Alloys characterised by their composition
- H01F1/153—Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals
- H01F1/15333—Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals containing nanocrystallites, e.g. obtained by annealing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 小型で高性能かつ信頼性特に温度特性に優れ
たデジタル信号伝送システムに用いられるナノ結晶軟磁
性合金からなるパルストランス用磁心ならびにパルスト
ランスを提供する。 【構成】 磁心材料として-20゜Cおよび50゜Cにおいて比
初透磁率が50000以上であるナノ結晶軟磁性合金を用い
たパルストランス用磁心。本発明によれば、従来のパル
ストランス用磁心より小型で高性能かつ信頼性特に温度
特性に優れたデジタル信号伝送システムに用いられるナ
ノ結晶軟磁性合金からなるパルストランス用磁心ならび
にパルストランスを提供することができるためその効果
は著しいものがある。
たデジタル信号伝送システムに用いられるナノ結晶軟磁
性合金からなるパルストランス用磁心ならびにパルスト
ランスを提供する。 【構成】 磁心材料として-20゜Cおよび50゜Cにおいて比
初透磁率が50000以上であるナノ結晶軟磁性合金を用い
たパルストランス用磁心。本発明によれば、従来のパル
ストランス用磁心より小型で高性能かつ信頼性特に温度
特性に優れたデジタル信号伝送システムに用いられるナ
ノ結晶軟磁性合金からなるパルストランス用磁心ならび
にパルストランスを提供することができるためその効果
は著しいものがある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタル信号伝送シス
テム等に用いられるナノ結晶軟磁性合金からなるパルス
トランス用磁心ならびにパルストランスに関する。
テム等に用いられるナノ結晶軟磁性合金からなるパルス
トランス用磁心ならびにパルストランスに関する。
【0002】
【従来の技術】電子回路の分野では、電子計算機、パル
ス通信・測定器のディジタル化等のパルス技術の発展に
伴い、回路素子自体もその波形伝送の観点から高性能の
素子が要求されている。ISDN等のパルス状のディジタル
信号を伝送するシステムに用いられるパルストランス
は、波形伝送に主眼が置かれた広帯域トランスである。
従来、これらのパルストランスには、大別して金属磁性
材料とフェライト材料が用いられている。金属材料とし
ては、パ−マロイ材(Ni-Fe合金)と珪素鋼(Fe-Si合金)が
用いられている。金属材料は低周波特性に優れ飽和磁束
密度が大きいために、パルス幅の広い、印加レベルの高
い用途に使用される。しかし、珪素鋼は透磁率が低く十
分なインダクタンスがとれない問題がある。またパ−マ
ロイも低周波の透磁率は高いものが得られるが周波数特
性が悪くパルス幅が狭い用途には適さず、また、衝撃に
より特性が劣化することや価格が高い問題があるためIS
DNのインタ−フェイス用のパルストランス等には問題が
ある。一方、フェライト磁性材料は、金属系材料に比べ
て飽和磁束密度が低く、印加レベルの高い場合に問題は
あるものの、高周波特性に優れ価格的にも安価であるた
め現在パルス幅の狭い前述の用途に最も用いられてい
る。しかし、これらの用途に用いられる高透磁率タイプ
のフェライト磁性材料の飽和磁束密度は0.5T以下であ
り、透磁率も10000程度しか得られない。このため、パ
ルストランスの動作磁束密度を大きくできず磁心が大き
くなる問題や、十分なインダクタンスを得るために断面
積を大きくしたり巻線を多くしなければならない問題が
ある。巻き線が多いことは工数を増大するとともに結合
キャパシタンスを増加させ伝送特性を劣化させる。ま
た、フェライト磁性材料は温度特性が悪い問題点があ
る。高透磁率のCo基アモルファス合金は材料価格が高い
点や経時変化が大きく信頼性の点で問題がある。また、
特開平2-295101に微結晶鉄ベ−ス合金からなるインタ−
フェ−ス変成器用磁心が記載されている。0.2未満の残
留磁気比Br/Bsと20000から50000の範囲の比初透磁率と
を有する微結晶鉄ベ−ス合金からなることを特徴として
おり、小さい体積でかつ少ない巻数のインタ−フェ−ス
用変成器が実現できることが記載されている。
ス通信・測定器のディジタル化等のパルス技術の発展に
伴い、回路素子自体もその波形伝送の観点から高性能の
素子が要求されている。ISDN等のパルス状のディジタル
信号を伝送するシステムに用いられるパルストランス
は、波形伝送に主眼が置かれた広帯域トランスである。
従来、これらのパルストランスには、大別して金属磁性
材料とフェライト材料が用いられている。金属材料とし
ては、パ−マロイ材(Ni-Fe合金)と珪素鋼(Fe-Si合金)が
用いられている。金属材料は低周波特性に優れ飽和磁束
密度が大きいために、パルス幅の広い、印加レベルの高
い用途に使用される。しかし、珪素鋼は透磁率が低く十
分なインダクタンスがとれない問題がある。またパ−マ
ロイも低周波の透磁率は高いものが得られるが周波数特
性が悪くパルス幅が狭い用途には適さず、また、衝撃に
より特性が劣化することや価格が高い問題があるためIS
DNのインタ−フェイス用のパルストランス等には問題が
ある。一方、フェライト磁性材料は、金属系材料に比べ
て飽和磁束密度が低く、印加レベルの高い場合に問題は
あるものの、高周波特性に優れ価格的にも安価であるた
め現在パルス幅の狭い前述の用途に最も用いられてい
る。しかし、これらの用途に用いられる高透磁率タイプ
のフェライト磁性材料の飽和磁束密度は0.5T以下であ
り、透磁率も10000程度しか得られない。このため、パ
ルストランスの動作磁束密度を大きくできず磁心が大き
くなる問題や、十分なインダクタンスを得るために断面
積を大きくしたり巻線を多くしなければならない問題が
ある。巻き線が多いことは工数を増大するとともに結合
キャパシタンスを増加させ伝送特性を劣化させる。ま
た、フェライト磁性材料は温度特性が悪い問題点があ
る。高透磁率のCo基アモルファス合金は材料価格が高い
点や経時変化が大きく信頼性の点で問題がある。また、
特開平2-295101に微結晶鉄ベ−ス合金からなるインタ−
フェ−ス変成器用磁心が記載されている。0.2未満の残
留磁気比Br/Bsと20000から50000の範囲の比初透磁率と
を有する微結晶鉄ベ−ス合金からなることを特徴として
おり、小さい体積でかつ少ない巻数のインタ−フェ−ス
用変成器が実現できることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年小
型化、薄型化、高性能化、高信頼性の要求が益々増加し
ている。使用する環境も多岐に渡るようになってきてお
り周囲の環境がきびし条件でも安定に動作する必要が生
じてきている。このような要求に対しては前記磁心では
対応が困難な状況になってきている。本発明の課題は従
来のパルストランス用磁心より小型高性能でかつ信頼性
特に温度特性に優れたデジタル信号伝送システムに用い
られるナノ結晶軟磁性合金からなるパルストランス用磁
心ならびにパルストランスを提供することである。
型化、薄型化、高性能化、高信頼性の要求が益々増加し
ている。使用する環境も多岐に渡るようになってきてお
り周囲の環境がきびし条件でも安定に動作する必要が生
じてきている。このような要求に対しては前記磁心では
対応が困難な状況になってきている。本発明の課題は従
来のパルストランス用磁心より小型高性能でかつ信頼性
特に温度特性に優れたデジタル信号伝送システムに用い
られるナノ結晶軟磁性合金からなるパルストランス用磁
心ならびにパルストランスを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明者らは鋭意検討の結果、磁心材料として-20゜
Cおよび50゜Cにおいて比初透磁率が50000以上であるナノ
結晶軟磁性合金を用いた磁心がデジタル信号伝送システ
ムに用いられるパルストランス用磁心として最適である
ことを見い出し本発明に想到した。ナノ結晶合金として
は特公平4-4393に記載されている鉄を主体とした0.1か
ら3at%のCu、0.1at%から30at%のNb,W,Ta,Zr,Hf,Ti及びM
o、30at%以下のSiおよび25at%以下のBを含む合金であ
り、かつSiとBの合計が5から25at%の範囲にある合金が
挙げられる。これらの合金の結晶粒径は100nm以下であ
る。特に粒径が2nm以上30nm以下の場合にパルストラン
スとして波形伝送がより忠実な高性能なものが得られ
る。
めに本発明者らは鋭意検討の結果、磁心材料として-20゜
Cおよび50゜Cにおいて比初透磁率が50000以上であるナノ
結晶軟磁性合金を用いた磁心がデジタル信号伝送システ
ムに用いられるパルストランス用磁心として最適である
ことを見い出し本発明に想到した。ナノ結晶合金として
は特公平4-4393に記載されている鉄を主体とした0.1か
ら3at%のCu、0.1at%から30at%のNb,W,Ta,Zr,Hf,Ti及びM
o、30at%以下のSiおよび25at%以下のBを含む合金であ
り、かつSiとBの合計が5から25at%の範囲にある合金が
挙げられる。これらの合金の結晶粒径は100nm以下であ
る。特に粒径が2nm以上30nm以下の場合にパルストラン
スとして波形伝送がより忠実な高性能なものが得られ
る。
【0005】また、特にFeを主体とする合金であって、
Cu,Auから選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が0.1
以上3at%以下、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれる少
なくとも一種の元素の含有量が1以上10at%以下、Siの含
有量が12at%以上16.5at%未満、B含有量が5at%以上9at%
未満の組成である合金において-20゜Cおよび50゜Cにおい
て比初透磁率が50000以上が容易に得られ、透磁率のレ
ベル特性が良好で、かつパルストランスとして波形伝送
がより忠実な高性能なものが得られる。前記合金中の結
晶は主にbcc相である。bcc相の一部に規則相が含まれて
も良い。また前記合金の一部にアモルファス相が含まれ
ても良い。また、前記合金には必要に応じてCr,Mn,Al,S
n,Zn,Ag,Sc,Y,白金族元素,Re,希土類元素,C,Ge,P,Ga,S
b,In,Be,As,Mg,Ba,Srからなる群から選ばれる少なくと
も1つの元素を含んでも良い。また、不可避不純物とし
て酸素、窒素、水素等を含む場合がある。
Cu,Auから選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が0.1
以上3at%以下、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれる少
なくとも一種の元素の含有量が1以上10at%以下、Siの含
有量が12at%以上16.5at%未満、B含有量が5at%以上9at%
未満の組成である合金において-20゜Cおよび50゜Cにおい
て比初透磁率が50000以上が容易に得られ、透磁率のレ
ベル特性が良好で、かつパルストランスとして波形伝送
がより忠実な高性能なものが得られる。前記合金中の結
晶は主にbcc相である。bcc相の一部に規則相が含まれて
も良い。また前記合金の一部にアモルファス相が含まれ
ても良い。また、前記合金には必要に応じてCr,Mn,Al,S
n,Zn,Ag,Sc,Y,白金族元素,Re,希土類元素,C,Ge,P,Ga,S
b,In,Be,As,Mg,Ba,Srからなる群から選ばれる少なくと
も1つの元素を含んでも良い。また、不可避不純物とし
て酸素、窒素、水素等を含む場合がある。
【0006】磁心材料の角形比が30%以下の場合には動
作磁束密度を大きくでき、高い動作磁束密度まで高パル
ス透磁率を維持できるためより一層の磁心の小型化が実
現され、より好ましい結果を得ることができる。前記本
発明からなる磁心を用いたパルストランスは従来のパル
ストランスに比べ小型の磁心で10kHzにおいて20mHを越
えるインダクタンスを有する温度特性に優れたパルスト
ランスを実現できる。このようなパルストランスはISDN
用として好適な性能を示す。
作磁束密度を大きくでき、高い動作磁束密度まで高パル
ス透磁率を維持できるためより一層の磁心の小型化が実
現され、より好ましい結果を得ることができる。前記本
発明からなる磁心を用いたパルストランスは従来のパル
ストランスに比べ小型の磁心で10kHzにおいて20mHを越
えるインダクタンスを有する温度特性に優れたパルスト
ランスを実現できる。このようなパルストランスはISDN
用として好適な性能を示す。
【0007】本発明に係わる磁心は次の工程で製造され
る。液体急冷法によりアモルファス合金薄帯を製造した
後これを巻き回す、あるいは積層しトロイダル状にする
工程と、微結晶化のための熱処理を行い-20゜Cおよび50゜
Cにおいて比初透磁率が50000以上になるように調整する
熱処理工程、あるいは、液体急冷法によりアモルファス
合金薄帯を製造した後これを巻き回す、あるいは積層し
トロイダル状にする工程と、微結晶化のための熱処理を
行い更に磁場を磁心の磁路と垂直方向に印加し-20゜Cお
よび50゜Cにおいて比初透磁率が50000以上になるように
調整する熱処理工程である。特に磁場中熱処理を併用す
ることにより角形比が低くなりより一層の磁心の小型化
や波形伝送が忠実な高性能なパルストランスを実現する
ことができる。磁心の磁路と垂直方向に磁界を印加する
場合は磁心の高さ方向に印加する場合と径方向に印加す
る場合がある。
る。液体急冷法によりアモルファス合金薄帯を製造した
後これを巻き回す、あるいは積層しトロイダル状にする
工程と、微結晶化のための熱処理を行い-20゜Cおよび50゜
Cにおいて比初透磁率が50000以上になるように調整する
熱処理工程、あるいは、液体急冷法によりアモルファス
合金薄帯を製造した後これを巻き回す、あるいは積層し
トロイダル状にする工程と、微結晶化のための熱処理を
行い更に磁場を磁心の磁路と垂直方向に印加し-20゜Cお
よび50゜Cにおいて比初透磁率が50000以上になるように
調整する熱処理工程である。特に磁場中熱処理を併用す
ることにより角形比が低くなりより一層の磁心の小型化
や波形伝送が忠実な高性能なパルストランスを実現する
ことができる。磁心の磁路と垂直方向に磁界を印加する
場合は磁心の高さ方向に印加する場合と径方向に印加す
る場合がある。
【0008】液体急冷法は公知の単ロ−ル法や双ロ−ル
法等である。製造する雰囲気は通常大気中であるが、活
性な金属を含む場合は雰囲気中で製造する。板厚が10μ
m未満の場合は減圧下で作製した方が表面状態の良好な
薄帯が得られ好ましい結果が得られる。作製されるアモ
ルファス合金薄帯は板厚1μmから100μm程度のもので、
通常作製されるのは2μmから30μm程度の板厚である。
また、薄帯の幅は0.5mmから500mm程度であるが本用途に
は25mm以下の幅の薄帯が用いられる場合が多い。薄帯を
積層する場合はあらかじめ薄帯の打ち抜きあるいはフォ
トエッチ等を行い閉磁路となるような形に成形してお
く。合金薄帯表面の少なくとも片面はSiO2、Al2O3、MgO
等の絶縁物により被覆し層間絶縁を行うことができる。
層間絶縁を行うことにより、より周波数特性の良好なパ
ルストランスが得られる。
法等である。製造する雰囲気は通常大気中であるが、活
性な金属を含む場合は雰囲気中で製造する。板厚が10μ
m未満の場合は減圧下で作製した方が表面状態の良好な
薄帯が得られ好ましい結果が得られる。作製されるアモ
ルファス合金薄帯は板厚1μmから100μm程度のもので、
通常作製されるのは2μmから30μm程度の板厚である。
また、薄帯の幅は0.5mmから500mm程度であるが本用途に
は25mm以下の幅の薄帯が用いられる場合が多い。薄帯を
積層する場合はあらかじめ薄帯の打ち抜きあるいはフォ
トエッチ等を行い閉磁路となるような形に成形してお
く。合金薄帯表面の少なくとも片面はSiO2、Al2O3、MgO
等の絶縁物により被覆し層間絶縁を行うことができる。
層間絶縁を行うことにより、より周波数特性の良好なパ
ルストランスが得られる。
【0009】熱処理雰囲気はArや窒素等の不活性ガス中
が好ましい。酸素濃度は5%以下がより好ましい結果が得
られる。結晶化のための熱処理は通常結晶化温度以上の
温度に昇温することにより行われる。この熱処理は通常
は一定温度に保持する期間があるが、場合によっては一
定に保持する期間がなくても良い。熱処理の際に磁場を
印加する場合は、結晶化の熱処理よりも低い温度で印加
することが50000以上の比初透磁率を得る上で望まし
い。結晶化の熱処理は通常は500゜Cから580゜Cで2時間以
内、磁場中熱処理の温度は300゜C以上で前記結晶化の熱
処理より低くかつ結晶化により形成するbcc相のキュリ
−温度より低い温度で行われる。このような熱処理が特
に有効なのは合金がFeを主体とする合金であって、Cu,A
uから選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が0.1以上3
at%以下、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれる少なくと
も一種の元素の含有量が1以上10at%以下、Siの含有量が
12at%以上16.5at%未満、B含有量が4at%以上9at%未満の
組成である場合である。磁心は絶縁および耐環境性を改
善するためにコアケ−スに入れたり、周囲をコ−ティン
グする。コアケ−スに入れる場合は必要に応じてグリ−
スや緩衝材を入れる場合がある。また、コアケ−スに入
れる前やコ−ティング前の磁心はできるだけ占積率が高
い方が望ましく、75%以上が望ましい。より好ましくは8
0%以上である。
が好ましい。酸素濃度は5%以下がより好ましい結果が得
られる。結晶化のための熱処理は通常結晶化温度以上の
温度に昇温することにより行われる。この熱処理は通常
は一定温度に保持する期間があるが、場合によっては一
定に保持する期間がなくても良い。熱処理の際に磁場を
印加する場合は、結晶化の熱処理よりも低い温度で印加
することが50000以上の比初透磁率を得る上で望まし
い。結晶化の熱処理は通常は500゜Cから580゜Cで2時間以
内、磁場中熱処理の温度は300゜C以上で前記結晶化の熱
処理より低くかつ結晶化により形成するbcc相のキュリ
−温度より低い温度で行われる。このような熱処理が特
に有効なのは合金がFeを主体とする合金であって、Cu,A
uから選ばれる少なくとも1種の元素の含有量が0.1以上3
at%以下、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれる少なくと
も一種の元素の含有量が1以上10at%以下、Siの含有量が
12at%以上16.5at%未満、B含有量が4at%以上9at%未満の
組成である場合である。磁心は絶縁および耐環境性を改
善するためにコアケ−スに入れたり、周囲をコ−ティン
グする。コアケ−スに入れる場合は必要に応じてグリ−
スや緩衝材を入れる場合がある。また、コアケ−スに入
れる前やコ−ティング前の磁心はできるだけ占積率が高
い方が望ましく、75%以上が望ましい。より好ましくは8
0%以上である。
【0010】
【実施例】以下本発明を実施例にしたがって説明するが
本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)単ロ−ル法により幅2mm厚さ18μmのFebal.
Cu1Nb2.9Si15.3B6.6(at%)の組成のアモルファス合金薄
帯を作製した。次に、この合金薄帯を外径14mm内径7mm
に巻き回しトロイダル磁心を作製し、図1に示す熱処理
パタ−ンで熱処理を行った。X線回折および透過電子顕
微鏡による組織観察の結果、合金は粒径約12nmのbcc構
造の結晶粒を主体とする合金であることが確認された。
次にこの磁心を樹脂製のケ−スに入れ-20゜Cおよび50゜C
の初比透磁率を直流初磁化曲線より求めた。-20゜C初比
透磁率は89600、50゜Cの初比透磁率は88900であった。ま
た、直流B-Hル−プは比較的フラットな傾斜した形を示
していた。1kHzにおける実効透磁率μeは-20゜Cで8100
0、50゜Cで80000であった。次にこの磁心に12タ−ンの巻
線を2つ行いパルストランスを作製した。10kHzのインダ
クタンスは測定電流が12mAの場合-20゜Cで32mH、50゜Cで3
1mHであった。一方、Mn-Znフェライトからなるパルスト
ランスは測定電流が12mAの場合、-20゜Cで2mH、50゜Cで3m
Hであり、本発明磁心より著しく劣っていた。
本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)単ロ−ル法により幅2mm厚さ18μmのFebal.
Cu1Nb2.9Si15.3B6.6(at%)の組成のアモルファス合金薄
帯を作製した。次に、この合金薄帯を外径14mm内径7mm
に巻き回しトロイダル磁心を作製し、図1に示す熱処理
パタ−ンで熱処理を行った。X線回折および透過電子顕
微鏡による組織観察の結果、合金は粒径約12nmのbcc構
造の結晶粒を主体とする合金であることが確認された。
次にこの磁心を樹脂製のケ−スに入れ-20゜Cおよび50゜C
の初比透磁率を直流初磁化曲線より求めた。-20゜C初比
透磁率は89600、50゜Cの初比透磁率は88900であった。ま
た、直流B-Hル−プは比較的フラットな傾斜した形を示
していた。1kHzにおける実効透磁率μeは-20゜Cで8100
0、50゜Cで80000であった。次にこの磁心に12タ−ンの巻
線を2つ行いパルストランスを作製した。10kHzのインダ
クタンスは測定電流が12mAの場合-20゜Cで32mH、50゜Cで3
1mHであった。一方、Mn-Znフェライトからなるパルスト
ランスは測定電流が12mAの場合、-20゜Cで2mH、50゜Cで3m
Hであり、本発明磁心より著しく劣っていた。
【0011】(実施例2)表1に示す組成の合金溶湯を
単ロ−ル法により急冷し、幅6.5mm厚さ14μmのアモルフ
ァス合金薄帯を作製した。次に、この合金薄帯を外径14
mm内径7mmに巻き回しトロイダル磁心を作製し、図1に
示す熱処理パタ−ンで熱処理を行った。透過電子顕微鏡
およびX線回折の結果粒径2から30nmの微細結晶粒から
なることが確認された。次にこの磁心を樹脂製のケ−ス
に入れ-20゜Cおよび50゜Cの初比透磁率を直流初磁化曲線
より求めた。また、角形比Br・Bs -1を測定した。次にこ
の磁心に21タ−ンの巻線を2つ行いパルストランスを作
製した。-20゜C初比透磁率μi(-20)、50゜Cの初比透磁率
μi(50)、角形比Br・Bs -1、ー20゜Cの10kHzのインダクタン
スL(-20)、50゜Cの10kHzのインダクタンスL(50)を表1に
示す。本発明磁心は従来の磁心よりも同じ巻数で高イン
ダクタンスを実現できる。すなわち少ない巻数や小形状
で従来の磁心と同等のインダクタンスを実現できる。さ
らに温度特性にも優れており高性能なパルストランスを
実現できることが分かる。
単ロ−ル法により急冷し、幅6.5mm厚さ14μmのアモルフ
ァス合金薄帯を作製した。次に、この合金薄帯を外径14
mm内径7mmに巻き回しトロイダル磁心を作製し、図1に
示す熱処理パタ−ンで熱処理を行った。透過電子顕微鏡
およびX線回折の結果粒径2から30nmの微細結晶粒から
なることが確認された。次にこの磁心を樹脂製のケ−ス
に入れ-20゜Cおよび50゜Cの初比透磁率を直流初磁化曲線
より求めた。また、角形比Br・Bs -1を測定した。次にこ
の磁心に21タ−ンの巻線を2つ行いパルストランスを作
製した。-20゜C初比透磁率μi(-20)、50゜Cの初比透磁率
μi(50)、角形比Br・Bs -1、ー20゜Cの10kHzのインダクタン
スL(-20)、50゜Cの10kHzのインダクタンスL(50)を表1に
示す。本発明磁心は従来の磁心よりも同じ巻数で高イン
ダクタンスを実現できる。すなわち少ない巻数や小形状
で従来の磁心と同等のインダクタンスを実現できる。さ
らに温度特性にも優れており高性能なパルストランスを
実現できることが分かる。
【0012】
【表1】
【0013】(実施例3)次に実施例2に記載の磁心に
15タ−ンの巻線を2つ行いパルストランスを作製し、パ
ルス幅10μs、動作磁束密度△Bが1Tにおける実効パルス
透磁率μPを測定した。得られた結果を表2に示す。特
に角形比が30%以下の本発明磁心が高いμPが得られ優れ
ている。
15タ−ンの巻線を2つ行いパルストランスを作製し、パ
ルス幅10μs、動作磁束密度△Bが1Tにおける実効パルス
透磁率μPを測定した。得られた結果を表2に示す。特
に角形比が30%以下の本発明磁心が高いμPが得られ優れ
ている。
【0014】
【表2】
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、従来のパルストランス
用磁心より小型で高性能かつ信頼性特に温度特性に優れ
たデジタル信号伝送システムに用いられるナノ結晶軟磁
性合金からなるパルストランス用磁心ならびにパルスト
ランスを提供することができるためその効果は著しいも
のがある。
用磁心より小型で高性能かつ信頼性特に温度特性に優れ
たデジタル信号伝送システムに用いられるナノ結晶軟磁
性合金からなるパルストランス用磁心ならびにパルスト
ランスを提供することができるためその効果は著しいも
のがある。
【図1】本発明に係わる熱処理パタ−ンを示した図であ
る。
る。
【図2】本発明に係わる熱処理パタ−ンを示した図であ
る。
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒川 俊介 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地日立金属株式 会社磁性材料研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】 磁心材料として-20゜Cおよび50゜Cにおい
て比初透磁率が50000以上であるナノ結晶軟磁性合金を
用いたことを特徴とするパルストランス用磁心。 - 【請求項2】 磁心材料の角形比が30%以下であること
を特徴とする請求項1に記載のパルストランス用磁心。 - 【請求項3】 ナノ結晶軟磁性合金の平均結晶粒径が2
から30nmであることを特徴とする請求項1または請求項
2に記載のパルストランス用磁心。 - 【請求項4】 ナノ結晶軟磁性合金がFeを主体とする合
金であって、Cu,Auから選ばれる少なくとも1種の元素の
含有量が0.1以上3at%以下、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから
選ばれる少なくとも一種の元素の含有量が1以上10at%以
下、Siの含有量が12at%以上16.5at%未満、B含有量が4at
%以上9at%未満の組成であることを特徴とする請求項1
乃至請求項3のいずれかに記載のパルストランス用磁
心。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
のパルストランス用磁心から構成されー20゜Cおよび50゜C
において20mHを越える10kHzのインダクタンスを有する
ことを特徴とするパルストランス。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5198057A JPH0794314A (ja) | 1993-08-10 | 1993-08-10 | パルストランス用磁心ならびにパルストランス |
DE69408916T DE69408916T2 (de) | 1993-07-30 | 1994-07-19 | Magnetkern für Impulsübertrager und Impulsübertrager |
EP94111261A EP0637038B1 (en) | 1993-07-30 | 1994-07-19 | Magnetic core for pulse transformer and pulse transformer made thereof |
US08/277,583 US5725686A (en) | 1993-07-30 | 1994-07-20 | Magnetic core for pulse transformer and pulse transformer made thereof |
CN94114912A CN1076854C (zh) | 1993-07-30 | 1994-07-30 | 用于脉冲变压器的磁芯及其脉冲变压器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5198057A JPH0794314A (ja) | 1993-08-10 | 1993-08-10 | パルストランス用磁心ならびにパルストランス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0794314A true JPH0794314A (ja) | 1995-04-07 |
Family
ID=16384819
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5198057A Pending JPH0794314A (ja) | 1993-07-30 | 1993-08-10 | パルストランス用磁心ならびにパルストランス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0794314A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000119825A (ja) * | 1998-10-15 | 2000-04-25 | Hitachi Metals Ltd | Fe基アモルファス合金薄帯およびそれを用いたFe基ナノ結晶軟磁性合金薄帯ならびに磁心 |
US6773619B2 (en) | 2001-07-17 | 2004-08-10 | Tdk Corporation | Magnetic core for transformer, Mn-Zn based ferrite composition and methods of producing the same |
WO2018062310A1 (ja) | 2016-09-29 | 2018-04-05 | 日立金属株式会社 | ナノ結晶合金磁心、磁心ユニットおよびナノ結晶合金磁心の製造方法 |
-
1993
- 1993-08-10 JP JP5198057A patent/JPH0794314A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000119825A (ja) * | 1998-10-15 | 2000-04-25 | Hitachi Metals Ltd | Fe基アモルファス合金薄帯およびそれを用いたFe基ナノ結晶軟磁性合金薄帯ならびに磁心 |
US6773619B2 (en) | 2001-07-17 | 2004-08-10 | Tdk Corporation | Magnetic core for transformer, Mn-Zn based ferrite composition and methods of producing the same |
WO2018062310A1 (ja) | 2016-09-29 | 2018-04-05 | 日立金属株式会社 | ナノ結晶合金磁心、磁心ユニットおよびナノ結晶合金磁心の製造方法 |
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