JPH05334749A - 光磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 円筒状の基板１０の外側円筒面に垂直磁気異
方性を有する磁性膜からなる記録層１１を形成した光磁
気記録媒体１８を使用し、情報に応じて光変調されたレ
ーザー光を光学ヘッド１６から光磁気記録媒体１８に照
射し、レーザー光が照射されている領域に電磁石１５よ
り垂直磁界を印加することにより情報を記録する光磁気
記録再生装置において、上記の光学ヘッド１６および電
磁石１５が光磁気記録媒体１８の円筒部外側に配置され
ている。 【効果】 高密度・大容量の情報の記録・再生が可能で
あり、しかも、簡単な構成の光磁気記録再生装置を実現
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、円筒状の光磁気記録媒
体を用い、文書ファイル、画像、コードデータなどの情
報の記録再生を行う光磁気記録再生装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来の光磁気ディスク装置の一例を図２
に示す。

【０００３】２枚の円盤状基板１ａ・１ｂには、それぞ
れトラッキング用の案内溝２ａ・２ｂが形成されてお
り、その上に反射膜、誘電体膜、磁性膜等からなる記録
膜層３ａ・３ｂがそれぞれ形成されている。これらを接
着材４で貼り合わすことにより、円盤状の光磁気ディス
ク９が得られる。

【０００４】光磁気ディスク９の中心には、センターハ
ブ６・６が両側から取り付けられており、スピンドルモ
ーター５により回転駆動できるようになっている。

【０００５】情報の書き込みは、光ピックアップ７から
高強度のレーザー光を光磁気ディスク９に照射し、記録
膜層３ａまたは３ｂを昇温することにより行われる。一
方、情報の再生は、光ピックアップ７から低強度のレー
ザー光を照射し、反射光の偏光面の回転を検出すること
により行われる。

【０００６】磁石８は、光磁気ディスク９を挟んで、光
ピックアップ７と対向する位置に設置されており、情報
の書き込み／消去時に、記録膜層３ａまたは３ｂの磁化
の向きを反転させるための磁界を印加できるようになっ
ている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
構成では、光磁気ディスク９が円盤状であるため、面振
れや偏心が起こりやすく、これによって、高密度・大容
量の情報の記録・再生が困難であるという問題点を有し
ている。

【０００８】そこで、この問題を解決するため、特願平
２−２４４９５６号公報では、面振れや偏心の起こりに
くい円筒状の光磁気記録媒体を用いるようにした光磁気
記録装置が提案されている。

【０００９】ところが、この光磁気記録装置の場合、磁
石または光ピックアップのいずれか一方を円筒状の光磁
気記録媒体の内側に配置する構成であるため、光磁気記
録媒体の径をあまり小さくできない。しかも、光磁気記
録媒体の回転保持機構などが複雑化するという新たな問
題も招来する。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明に係る光磁気記録
再生装置は、上記の課題を解決するために、円筒状の基
板の外側円筒面に垂直磁気異方性を有する磁性膜からな
る記録層を形成した光磁気記録媒体を使用し、情報に応
じて光変調されたレーザー光を光学ヘッドから光磁気記
録媒体に照射し、レーザー光が照射されている領域に磁
界発生手段より垂直磁界を印加することにより情報を記
録する光磁気記録再生装置において、上記の光学ヘッド
および磁界発生手段が光磁気記録媒体の円筒部外側に配
置されていることを特徴としている。

【００１１】

【作用】上記の構成により、円筒状の基板の外側円筒面
に垂直磁気異方性を有する磁性膜からなる記録層を形成
した光磁気記録媒体を使用し、情報に応じて光変調され
たレーザー光を光学ヘッドから光磁気記録媒体に照射
し、レーザー光が照射されている領域に磁界発生手段よ
り垂直磁界を印加することにより情報を記録する光磁気
記録再生装置において、上記の光学ヘッドおよび磁界発
生手段が光磁気記録媒体の円筒部外側に配置されている
ので、高密度・大容量の情報の記録・再生が可能であ
り、しかも、簡単な構成の光磁気記録再生装置を実現で
きる。

【００１２】

【実施例】本発明の一実施例について図１に基づいて説
明すれば、以下の通りである。

【００１３】本実施例の光磁気記録再生装置は、円筒状
の光磁気記録媒体１８をその円筒軸の回りに回転駆動さ
せるスピンドルモーター１３と、光磁気記録媒体１８の
円筒の外側に配置された電磁石１５（磁界発生手段）お
よび光学ヘッド１６を備えている。

【００１４】上記の光磁気記録媒体１８は、円筒状の基
板１０の外側円筒面に記録層１１と保護膜１２を順次形
成した構成になっている。

【００１５】基板１０の外側円筒面には、リング状また
はらせん状の案内溝１７…が、例えばフォトプロセスに
よって予め設けられている。

【００１６】記録層１１は、基板側から順に反射膜、誘
電体膜、垂直磁気異方性を有する磁性膜を積層した構成
になっている。反射膜の材料には、アルミニウムやタン
タル等の高反射率を有する金属が使用される。誘電体膜
の材料には、シリコンやアルミの酸化物または窒化物が
使用される。磁性膜の材料には、Ｇｄ、Ｔｂ等の希土類
金属とＦｅ、Ｃｏ等の遷移金属の合金が使用される。

【００１７】保護膜１２の材料には、上記の誘電体膜と
同一の材料または、アクリル樹脂やエポキシ樹脂等から
なる熱硬化性樹脂が使用される。

【００１８】光磁気記録媒体１８の両側面にはセンタリ
ングハブ１４・１４が取り付けられており、スピンドル
モーター１３によって光磁気記録媒体１８をその円筒軸
の回りに回転できるようになっている。

【００１９】上記の光学ヘッド１６は、レーザー光を光
磁気記録媒体１８上に光スポットとして収斂する対物レ
ンズ１６ａを備えており、光磁気記録媒体１８の円筒軸
に平行に設置されたガイド軸１６ｂに沿って移動できる
ようになっている。移動のための駆動装置としては、例
えば、リニアモーターが使用される。

【００２０】電磁石１５は、光磁気記録媒体１８の円筒
軸に平行に延びた棒状の磁気コア１５ａと、磁気コア１
５ａの端部に巻回されたコイル１５ｂから構成されてお
り、上記光スポット（直径が１μｍ程度）内の記録層１
１に垂直磁界を印加できるようになっている。

【００２１】上記の構成において、スピンドルモーター
１３により光磁気記録媒体１８が回転駆動され、光学ヘ
ッド１６からのレーザー光が案内溝１７に沿って配置さ
れた記録トラックに照射される。

【００２２】情報の記録時、情報に応じて光変調された
レーザー光を光学ヘッド１６から記録層１１に照射しな
がら、電磁石１５のコイル１５ｂに直流電流を供給し、
記録層１１に垂直磁界を印加する。高強度のレーザー光
が照射された記録層１１の領域は、キュリー点以上に昇
温する。このため、その領域の磁化が電磁石１５からの
垂直磁界の方向に向く。これにより、情報を磁化の方向
として記録できる。

【００２３】情報の再生時、低強度のレーザー光を光学
ヘッド１６から記録層１１に照射し、その反射光を対物
レンズ１６ａで集光し、反射光の偏光面の回転方向を検
出する。磁気カー効果として知られているように、偏光
面の回転方向は磁化の方向に依存する。したがって、こ
れを利用して元の情報を再生できる。

【００２４】情報の消去時、高強度のレーザー光を光学
ヘッド１６から記録層１１に照射しながら、電磁石１５
のコイル１５ｂに記録時とは逆向きの直流電流を供給す
る。これにより、レーザー光が照射された記録層１１の
領域の磁化が記録時とは逆向きの垂直磁界の方向に揃
う。

【００２５】以上のように、本実施例の光磁気記録再生
装置では、電磁石１５と光学ヘッド１６を円筒状の光磁
気記録媒体１８の外側に配置したので、光磁気記録媒体
１８の回転保持機構が単純になる。すなわち、円筒内は
中空になるので、光磁気記録媒体１８の両側面にセンタ
リングハブ１４・１４を単に取り付けるだけで、光磁気
記録媒体１８の回転保持を行える。また、電磁石１５を
光磁気記録媒体１８の内側に配置した場合と比較して、
コイル１５ｂの電流入力端子の取り出しが容易になる。
したがって、光磁気記録再生装置の構成を簡素化でき、
コストダウンを図れる。

【００２６】また、光磁気記録媒体１８の径を小さくで
きるので、光磁気記録媒体１８および光磁気記録再生装
置の小型化が可能になる。

【００２７】さらに、従来の光磁気ディスクと同様にラ
ンダムアクセスが可能であり、しかも、スピンドルモー
ター１３の回転数を一定にするだけで、光磁気記録媒体
１８の線速度を一定にできる。したがって、光磁気ディ
スク装置のような複雑な回転速度可変回転機構や書き込
み周波数の可変回路を用いなくても、高密度の情報記録
が可能となる。

【００２８】なお、以上の実施例では、電磁石１５で垂
直磁界を印加したが、電磁石１５の代わりに、永久磁石
（磁界発生手段）を使用してもよい。

【００２９】

【発明の効果】本発明に係る光磁気記録再生装置は、以
上のように、光学ヘッドおよび磁界発生手段が光磁気記
録媒体の円筒部外側に配置されているので、高密度・大
容量の情報の記録・再生が可能であり、しかも、簡単な
構成の光磁気記録再生装置を実現できるという効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の円筒状の光磁気記録媒体を使用する光
磁気記録再生装置の概略の構成を示す部分破断斜視図で
ある。

【図２】従来の光磁気ディスク装置の概略の構成を示す
部分破断斜視図である。

【符号の説明】

１０ 基板 １１ 記録層 １３ スピンドルモーター １５ 電磁石（磁界発生手段） １５ａ 磁気コア １５ｂ コイル １６ 光学ヘッド １８ 光磁気記録媒体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】円筒状の基板の外側円筒面に垂直磁気異方
   性を有する磁性膜からなる記録層を形成した光磁気記録
   媒体を使用し、情報に応じて光変調されたレーザー光を
   光学ヘッドから光磁気記録媒体に照射し、レーザー光が
   照射されている領域に磁界発生手段より垂直磁界を印加
   することにより情報を記録する光磁気記録再生装置にお
   いて、 上記の光学ヘッドおよび磁界発生手段が光磁気記録媒体
   の円筒部外側に配置されていることを特徴とする光磁気
   記録再生装置。