JPH05331426A - 軟質ポリ塩化ビニルを基材とする粘着テープ - Google Patents

軟質ポリ塩化ビニルを基材とする粘着テープ

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JPH05331426A
JPH05331426A JP14261292A JP14261292A JPH05331426A JP H05331426 A JPH05331426 A JP H05331426A JP 14261292 A JP14261292 A JP 14261292A JP 14261292 A JP14261292 A JP 14261292A JP H05331426 A JPH05331426 A JP H05331426A
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JP
Japan
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meth
adhesive tape
weight
pvc
acrylate
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Application number
JP14261292A
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English (en)
Inventor
Keisuke Miyake
啓介 三宅
Akira Nakasuga
章 中壽賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L58/00Protection of pipes or pipe fittings against corrosion or incrustation
    • F16L58/02Protection of pipes or pipe fittings against corrosion or incrustation by means of internal or external coatings
    • F16L58/16Protection of pipes or pipe fittings against corrosion or incrustation by means of internal or external coatings the coating being in the form of a bandage

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 巻き取りズレやサイドスティックといった所
望でない現象を生じさせることなく、効率よく生産し得
る軟質ポリ塩化ビニルを基材とする粘着テープを得る。 【構成】 軟質ポリ塩化ビニルよりなる基材の一面に粘
着剤層が形成されており、該粘着剤層が、炭素数1〜1
4のアルキル基を有する少なくとも一種の(メタ)アク
リル酸アルキルエステル60〜98重量部と、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルと共重合させるための不飽
和2重結合と、カルボキシル基とを有しかつ1気圧にお
ける沸点が180℃以上の(メタ)アクリレート系モノ
マー2〜40重量部と、上記モノマー成分の合計100
重量部に対して光重合開始剤を0.001〜5重量部と
を含む光重合性組成物を、紫外線照射により重合させて
なる粘着剤により構成されていることを特徴とする、粘
着テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気絶縁や防食用途に
用いられる軟質ポリ塩化ビニル(以下、PVCと略
す。)を支持体とする粘着テープ(以下、PVC粘着テ
ープと略す。)に関し、特に、PVCよりなる基材の変
形や粘着剤の側面への染みだし等が生じ難いPVC粘着
テープに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、PVC粘着テープは、電気的な絶
縁を果たすため、並びに腐食防止等のために種々の分野
で幅広く用いられている。従来のPVC粘着テープは、
PVCよりなる基材の一面に粘着剤層を形成した構造を
有する。この粘着剤としては、通常、スチレンブタジエ
ンゴムや天然ゴムを主成分とし、これにロジン系もしく
はテルペン系等の天然系もしくは石油系樹脂からなる粘
着付与樹脂を混合したものが使用されている。
【0003】製造に際しては、上記スチレンブタジエン
ゴムや天然ゴムからなる主成分に粘着剤付与樹脂等を混
合し、得られた混合物を有機溶媒に分散させあるいは溶
解させ、しかる後、PVCよりなる基材の一面に塗工
し、溶剤を乾燥させることにより上記PVC粘着テープ
が得られている。しかしながら、従来のPVC粘着テー
プでは、上記有機溶媒が基材であるPVCに染み込みや
すいため、溶媒の乾燥に長時間を要し、生産性が充分で
ないという問題があった。
【0004】また、従来のPVC粘着テープの製造方法
において生産性を高めるために、乾燥温度を高めたり、
乾燥に際しての風量を上げたりすると、PVCが収縮し
たり、PVCに歪みが残ったりし、得られた製品に悪影
響を与える。例えば、巻き取られて製品化されたPVC
粘着テープ製品の側面において粘着剤の染みだし(以
下、サイドスティックと呼ぶ)が発生したり、あるいは
巻き取られたPVC粘着テープ製品に竹の子状の変形
(以下、巻き取りズレと称する)が発生していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のPVC粘着テープの欠点を解消し、上記サイドスティ
ックや巻き取りズレが生じ難く、かつ高い生産性をもっ
て生産し得るPVC粘着テープを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成すべくなされたものであり、PVCからなる基材と、
前記基材の一面に形成された粘着剤層とを備え、該粘着
剤層が、下記の構成を備えることを特徴とする。すなわ
ち、本発明のPVC粘着テープは、粘着剤層が、炭素数
1〜14のアルキル基を有する少なくとも一種の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル60〜98重量部と、
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合させ
るための不飽和2重結合と、カルボキシル基とを有し、
かつ1気圧における沸点が180℃以上の(メタ)アク
リレート系モノマー2〜40重量部と、前記モノマー成
分の合計100重量部に対して光重合開始剤0.001
〜5重量部とを含む光重合性組成物を紫外線照射により
重合してなる粘着剤により構成されている。以下、本発
明のPVC粘着テープの構成の詳細につき説明する。
【0007】基材 本発明発明のPVC粘着テープでは、基材としてPVC
からなるものが用いられるが、使用し得るPVCとして
は、従来より電気絶縁用あるいは防食用粘着テープにお
いて用いられている適宜のPVCからなるものが挙げら
れる。この種のPVC粘着テープにおいて用いられるP
VCは、通常、粘着テープとしての柔軟性を発現させる
ために、少なくとも10重量%以上のジオクチルフタレ
ートなどの可塑剤を含有するものである。
【0008】粘着剤層 本発明のPVC粘着テープでは、粘着剤層が、上記特定
の光重合性組成物を紫外線照射により重合させることに
より構成されている。上記光重合性組成物に用いられる
モノマー成分は、炭素数1〜14のアルキル基を有する
少なくとも一種の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
と、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合
させるための不飽和2重結合と、カルボキシル基とを有
し、かつ1気圧における沸点が180℃以上の(メタ)
アクリレート系モノマーである。
【0009】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、アルキル基の炭素数が1〜14、好ましくは
4〜12のものが用いられる。このような(メタ)アク
リル酸アルキルエステルの例としては、(メタ)アクリ
ル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸イソオクチルまたは、(メタ)
アクリル酸イソノニルなどを挙げることができ、これら
の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用い
られてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いら
れてもよい。
【0010】また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルと共重合される上記(メタ)アクリレート系モノ
マーの例としては、カルボキシエチルアクリレート、ω
−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、コ
ハク酸モノヒドロキシエチルアクリレート、フタル酸モ
ノヒドロキシエチルアクリレート、β−アクリロイルオ
キシエチルハイドロジェンサクシネート、2−アクリロ
イルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などが挙げられ
る。中でも、カルボキシエチルアクリレートは、粘着性
能を高め得るだけでなく、イナート雰囲気下における光
照射工程において蒸発し難いため、廃棄処理装置への負
荷を低減することができる。のみならず、光照射工程に
おいて蒸発し難いため、原料ロスを低減することがで
き、粘着テープのコストを低減することができ、かつ安
定な性能の粘着剤層を構成し得る。
【0011】なお、1気圧における沸点が180℃以上
であるアクリレート系モノマーを用いるのは、該沸点が
180℃未満の場合には、これらのモノマー蒸発が起こ
り易く、表層の極性基密度が低下し、十分な粘着性能が
得られないからである。上記モノマーに加えて、ビニル
ピロリドン、アクリロイルモルフォリンなどの中極性の
モノマーを添加することにより凝集力を高めることもで
きる。
【0012】本発明の粘着テープを得るのに用いられる
光重合性組成物では、上記のように光重合開始剤が配合
されるが、用い得る光重合開始剤としては、例えば、4
−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキ
シ−2−プロピル)ケトン〔メルク社製、商品名:ダロ
キュア2959〕、α−ヒドロキシ−α,α´−ジメチ
ル−アセトフエノン〔メルク社製、商品名:ダロキュア
1173〕、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメト
キシ−2−フェニルアセトフェノンなどのアセトフエノ
ン系:ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロ
ピルエーテルなどのベンゾインエーテル系:ベンジルジ
メチルケタールなどのケタール系:その他、ハロゲン化
ケトン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナー
ト等を挙げることができる。
【0013】配合割合 上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)
アクリレート系モノマーは、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルモノマー60〜98重量部に対して、カルボ
キシル基を有する(メタ)アクリレート系モノマーを2
〜40重量部の割合で配合される。これは、粘着性と凝
集性とのバランスから選択される範囲であり、上記範囲
外の場合、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル
の配合割合が60重量部未満の場合には粘着剤としての
柔らかさが得られず、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルの配合割合が98重量部を超えると相対的にカルボ
キシル基を有するモノマーが少ないために粘着性能が低
下する。
【0014】また、上記光重合開始剤は、モノマー成分
の合計100重量部に対し0.001〜5重量部の割合
で配合される。0.001重量部未満では上記光重合性
組成物を充分に重合させることができず、所望の粘着剤
を構成することができないからであり、5重量部を超え
て配合しても重合度に影響せず、かつあまり多量に配合
した場合には粘着物性が低下するからである。なお、上
記光重合性組成物では、耐熱性及び高温における凝集力
を高めるために、多官能ビニル化合物を架橋剤として含
有させることが好ましい。
【0015】このような架橋剤としては、例えば、ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、その他エポキシアクリレート、
ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなど
がある。
【0016】上記架橋剤は、一般に、前記モノマー成分
合計100重量部に対し、5重量部以下の割合で配合す
ることが好ましく、それによって光重合反応の過程にお
いて重合体分子間に架橋結合を形成させることができ、
粘着剤層の耐熱性及び高温における凝集力を高めること
ができる。また、本発明においては、上記光重合性組成
物に、粘着付与樹脂と称されているタッキファイアーを
配合してもよい。使用し得るタッキファイアーとして
は、粘着剤組成物において慣用されている、ロジン系樹
脂、変成ロジン系樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノ
ール樹脂、芳香族変成テルペン樹脂、C5 及びC9 系石
油樹脂、またはクマロンインデン樹脂等があげられる。
【0017】さらに、本発明においては、本発明の目的
を阻害しない限り、上記光重合性組成物に、増粘剤、チ
キソトロープ剤、増量剤あるいは充填剤等の通常用いら
れる添加剤を配合してもよい。上記増粘剤としては、ア
クリルゴム、エピクロルヒドリンゴムなどがあげられ
る。また、チキソトロープ剤としては、コロイドシリ
カ、ポリビニルピロリドンなどがあげられる。前記増量
剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタンまたはクレー
等をあげることができる。上記充填剤としては、ガラス
バルン、アルミナバルン、もしくはセラミックバルンな
どの無機中空体、ナイロンビーズ、アクリルビーズもし
くはシリコンビーズなどの有機球状体、塩化ビニリデン
バルン、アクリルバルンなどの有機中空体またはポリエ
ステル、レーヨンもしくはナイロン等の単繊維があげら
れる。
【0018】本発明のPVC粘着テープは、上述したモ
ノマー成分および光重合開始剤ならびにその他の成分を
混合して得られた光重合性組成物を、PVCからなる基
材の一面に塗工し、その状態で光を照射することするこ
とにより光重合させることにより得られる。また、上記
光重合性組成物を光重合した後に、上記基材の一面に塗
工してもよい。上記光重合性組成物の厚みは、30μm
〜200μm程度とされるが、用途によって変わるため
一義的には定め得ない。
【0019】また、上記光重合性組成物からなる粘着剤
層を塗工した後に行われる光照射は、通常、波長400
nm以下に発光分布を有する光源を用いて行われる。使
用し得る光源の例としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、
高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラック
ライトランプ、マイクロフェーブ励起水銀灯、またはメ
タルハライドランプ等が挙げられる。これらのうちで
も、超高圧水銀灯は、光重合開始剤の活性波長領域の光
を効率よく発光し、かつ得られる高分子の粘弾性を架橋
により低下させるような短波長の光や、反応組成物を加
熱蒸発させるような長波長の光を多く発光しないため、
好ましい。超高圧水銀灯の上記利点は、超高圧水銀灯の
周囲に冷却用循環水ジャケットを付設した、いわゆる水
冷式の構造とした場合に効果的に発揮される。
【0020】もっとも、反応系における光重合開始剤の
光吸収スペクトルと、光源の発光スペクトルとは可能な
かぎり合致している方が反応効率が高いため、実際に
は、光重合開始剤の種類に応じて光源を選択することが
好ましい。光照射に対しての照射強度は、得られるポリ
マーの重合度を左右する重要な因子であり、目的とする
粘着性能に応じて適宜制御され得るものであるが、アセ
トフェノン基を有する開裂型の光重合開始剤を用いた場
合には、0.1〜100mw/cm2 程度とすることが
好ましく、それによって、目的とする分子量分布を得る
ことができる。
【0021】上記光重合反応は、空気中の酸素及び反応
性組成物中に溶解している酸素により阻害される。この
為、光照射は、酸素による反応阻害を回避し得る手法に
より実施することが必要である。このような方法として
は、反応性組成物をポリエチレンテレフタレート(PE
T)やふっ素樹脂フィルムによって覆い、このフィルム
を介して上記光重合性組成物へ光を照射する方法があ
る。また、窒素ガスや炭酸ガスのような不活性なガスに
より酸素が置換されており、かつ光透過性の窓を有する
イナートゾーンの中で反応させてもよい。後者の方法に
おいて光重合性組成物の重合が、転化率99.7%以上
となる程度まで充分に完結させるには、照射雰囲気の酸
素濃度を5000PPM以下とする必要がある。上記光
重合性組成物の光照射によって得られた高分子の分子量
は、雰囲気酸素濃度の増加とともに低下する。完全にイ
ナートな条件での重合の場合と同程度の分子量とするた
めには、雰囲気酸素濃度は1000PPM以下とする必
要がある。更に、上記光重合性組成物の表面部分は重合
体内部よりも酸素による重合阻害を受け易く、凝集力が
内部よりも低下する。この表層部の凝集性を内層部と同
程度にするには、雰囲気酸素濃度を300PPM以下と
することが望ましい。
【0022】イナートゾーンにおいて光照射を行う場
合、雰囲気酸素濃度を低レベルに保つためには、常に一
定の不活性ガスをゾーンに投入することが望ましい。投
入されたガスにより、光重合性組成物表面において気泡
が発生し、モノマーの蒸発が起こる。このモノマーの蒸
発レベルを抑制するには、このゾーン内を基材に載せて
流される光重合性組成物との上記気流の相対速度が1m
/秒以下であることが好ましく、更に好ましくは0.1
m/秒程度にすれば、気流による上記モノマーの蒸発が
実質的に抑えられる。
【0023】なお、必要に応じて、上記光重合性組成物
を塗工する前に軟質ポリ塩化ビニルよりなる基材に、P
VCと上記光重合性組成物からなる粘着剤の密着性を高
めるために、アンカー剤または可塑剤の移行防止剤を塗
工してもよく、それによって粘着剤層の基材に対する密
着性を効果的に高め得る。このようなアンカー剤として
は、例えば多官能イソシアネート類などを用いることが
でき、また上記可塑剤の移行防止剤としては、例えばポ
リメチルメタクリレート共重合物などを用いることがで
きる。
【0024】
【作用】本発明のPVC粘着テープでは、粘着剤層が上
記光重合性組成物を光重合させることにより構成されて
いる。この光重合性組成物を基材に塗工し光重合をさせ
た場合、並びに予め光重合性組成物を光重合させた後に
基材に塗工した場合、溶剤型粘着剤とは異なり、有機溶
媒の基材への染みこみが生じず、長時間の乾燥工程を実
施する必要がない。従って、生産工程を高め得るだけで
なく、高温の乾燥工程を実施する必要がないため、基材
である軟質ポリ塩化ビニルの変形等が生じがたい。ま
た、粘着剤層を構成するのに使用し得るモノマー成分と
して、上記のように広範囲のものを用いることができる
ため、様々な粘着性能を有するPVC粘着テープを得る
ことができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げる
ことにより、本発明を明らかにする。実施例 可塑剤として50重量%のジオクチルフタレートを含む
厚み300μmのPVCよりなる基材を用意した。他
方、2−エチルヘキシルアクリレート90g、カルボキ
シエチルアクリレート10g、ビニルピロリドン5g及
び光重合開始剤としてのダロキュア1173(メルク社
製商品名)0.1gを均一となるまで攪拌混合し、混合
液を得た。得られた混合液を、紫外線透過性のガラス容
器に入れ、溶存酸素を窒素置換して除去した。次に、上
記ガラス容器越しに紫外線放射蛍光ランプにより、紫外
線を照射し、部分的に重合させた。このときの反応液の
粘度は500cps(常温)、転化率4.1%であった
(転化率4.1%では温度上昇はなかった)。
【0026】得られた反応性組成物に、ヘキサンジオー
ルジアクリレートを0.03g添加した後、50μmの
厚みとなるようにコンマコーターで上記基材の一面に塗
工し、しかる後、酸素濃度300ppmのイナートゾー
ンで超高圧水銀灯を光源として、その照射面のランプ強
度が8mW/cm2 (365nmに最大感度を有する光
強度測定器UVR−1(東京光学機械社製)にて測定し
た強度値)となるようにランプ高さを調整し、2分間紫
外線を照射し、基材上の上記反応性組成物を重合させ、
粘着剤層を形成した。このようにして得られた粘着テー
プを、直径2.54cmの紙管に巻き取った後、切断
し、幅50mm及び長さ10mのPVC粘着テープを得
た。なお、上記方法において、紫外線照射ゾーンである
イナートゾーンの長さは全長30mであり、従ってPV
C粘着テープの生産速度は30m/分であった。
【0027】比較例1 天然ゴム50重量部、スチレンブタジエンゴム50重量
部、粘着付与樹脂としてのアルコンP−125(荒川化
学社製商品名)80重量部、及び老化防止剤(吉富製薬
社製、商品名:ヨシノックス425)3重量部をトルエ
ンを主体とする炭化水素系溶媒に分散し、溶解させ、固
型分濃度を30重量%の組成物を得た。得られた組成物
を最終的な粘着剤層の厚みが50μmとなるように、実
施例1で用いた基材に塗工し、しかる後120℃の温度
で生産速度8m/分となるようにして乾燥させ、PVC
粘着テープを得た。なお、用いた乾燥炉の炉長は30m
であった。
【0028】比較例2 天然ゴム50重量部、スチレンブタジエンゴム50重量
部、粘着付与樹脂としてのアルコンP−125(荒川化
学社製商品名)80重量部、及び比較例1で用いた老化
防止剤3重量部をトルエンを主体とする炭化水素系溶媒
に分散し、溶解させ、固型分濃度30重量%の組成物を
得た。得られた組成物を最終的な粘着剤層の厚みが50
μmとなるように、実施例1で用いた基材に塗工し、し
かる後120℃の温度で生産速度10m/分となるよう
にして乾燥させ、PVC粘着テープを得た。なお、用い
た乾燥炉の炉長は30mであった。
【0029】比較例3 天然ゴム50重量部、スチレンブタジエンゴム50重量
部、粘着付与樹脂としてのアルコンP−125(荒川化
学社製商品名)80重量部、及び比較例1で用いた老化
防止剤3重量部を、トルエンを主体とする炭化水素系溶
媒に分散し、溶解させ、固型分濃度30重量%の組成物
を得た。得られた組成物を最終的な粘着剤層の厚みが5
0μmとなるように、実施例1で用いた基材に塗工し、
しかる後140℃の温度で生産速度10m/分となるよ
うにして乾燥させ、PVC粘着テープを得た。なお、用
いた乾燥炉の炉長は30mであった。
【0030】評価 上記のようにして得た実施例及び比較例1〜3のPVC
粘着テープにつき、23℃及び相対湿度65%の環境下
で一ヵ月間放置し、しかる後性能評価を行った。結果を
下記の表1に示す。なお、表1における評価項目は、そ
れぞれ下記の方法で測定されたものである。 (1)SP粘着力(g/15mm)…ステンレス板に対
する粘着力をJISZ0237−8に準じて測定した。 (2)自背面粘着力(g/15mm)…同じテープの背
面に対する粘着力をJIS Z0237−8に準じて測
定した。
【0031】(3)巻取りズレ(mm)…巻き取られた
実施例及び比較例1〜3の各粘着テープについて、側面
における最大ズレ幅を測定した。 (4)サイドスティック…巻き取られたPVC粘着テー
プの側面における粘着剤の染みだしを目視により観察し
た。表1において評価記号は下記の内容を示す。 ○:粘着剤の染みだしが見られなかった状態 △:側面に粘着剤の染みだしが若干認められた状態 ×:側面における粘着剤の染みだしが多い状態。
【0032】
【表1】
【0033】表1から明らかなように、比較例1〜3で
は、120℃あるいは140℃といった高温で乾燥しな
ければならないためか、得られたPVC粘着テープにお
いて巻き取りズレやサイドスティックがかなり顕著に見
られた。これに対して、実施例のPVC粘着テープで
は、サイドスティック現象及び巻き取りズレが非常に小
さく、かつ比較例のPVC粘着テープに比べて粘着力に
おいてもかなり優れていることがわかる。また、生産速
度についても、比較例1〜3のPVC粘着テープに比べ
て実施例のPVC粘着テープは3倍以上の速度で生産し
得ることがわかる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、PVC
を基材とする粘着テープにおいて、粘着剤層が上記特定
の光重合性組成物を光重合することにより構成されてい
る。従って、従来のPVC粘着テープでは、溶剤型粘着
剤を用いていたため、有機溶剤の乾燥に高温かつ長時間
の乾燥工程を必要としていたのに対し、本発明のPVC
粘着テープではこのような乾燥工程を必要としないた
め、効率よく生産することができる。しかも、高温の乾
燥工程を経る必要がないため、PVCよりなる基材の変
形等が生じがたいため、得られたPVC粘着テープにお
ける巻き取りズレやサイドスティック現象といった所望
でない現象を抑制することができ、より優れた品質のP
VC粘着テープを提供することが可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟質ポリ塩化ビニルからなる基材と、 前記基材の一方面に形成された粘着剤層とを備え、 前記粘着剤層が、炭素数1〜14のアルキル基を有する
    少なくとも一種の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
    60〜98重量部と、前記(メタ)アクリル酸アルキル
    エステルと共重合させるための不飽和2重結合と、カル
    ボキシル基とを有し、かつ1気圧における沸点が180
    ℃以上の(メタ)アクリレート系モノマー2〜40重量
    部と、前記モノマー成分の合計100重量部に対し、光
    重合開始剤0.001〜5重量部とを含む光重合性組成
    物を、紫外線照射により重合してなる粘着剤により構成
    されていることを特徴とする、軟質ポリ塩化ビニルを基
    材とする粘着テープ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101270976B1 (ko) * 2010-12-02 2013-06-11 한국화학연구원 고분자 측쇄에 비닐기를 함유하는 아크릴계 점착제 조성물의 제조방법
JP2017511836A (ja) * 2014-03-05 2017-04-27 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェンHenkel AG & Co. KGaA 接着剤被覆感熱性ポリマー基材、その製造方法、及びその使用

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JP2017511836A (ja) * 2014-03-05 2017-04-27 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェンHenkel AG & Co. KGaA 接着剤被覆感熱性ポリマー基材、その製造方法、及びその使用
US11685842B2 (en) 2014-03-05 2023-06-27 Henkel Ag & Co., Kgaa Adhesive-coated thermally sensitive polymer substrate, process for its manufacture and use thereof

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