JPH05331334A - 熱可塑性成形材料 - Google Patents

熱可塑性成形材料

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JPH05331334A
JPH05331334A JP3024557A JP2455791A JPH05331334A JP H05331334 A JPH05331334 A JP H05331334A JP 3024557 A JP3024557 A JP 3024557A JP 2455791 A JP2455791 A JP 2455791A JP H05331334 A JPH05331334 A JP H05331334A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形材料の耐候性および耐老化性、剛性およ
び強度といった有利な性質とともに明らかに改善された
衝撃強さを有し、かつ容易に製造できる、ASA重合体
をベースとする生成物の取得。 【構成】 グラフト共重合体のグラフト分枝鎖中へのア
ルキル基中に炭素原子7〜20個を有するアルキルアク
リレートの導入。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高い靭性を有する熱可塑
性アクリレート−スチロール−アクリルニトリル−(A
SA−)−成形材料に関する。
【0002】
【従来の技術】耐候性および耐老化性のASA重合体の
製造は、特に米国特許第3055859号明細書および
英国特許第1124911号(西ドイツ国特許出願公開
第1260135号)明細書に記載されている。この場
合には、差当り炭素原子4〜8個を有するアクリル酸エ
ステルを乳化重合することによって、グラフト主鎖とし
て使用されるゴム弾性重合体が製造される。生じたラテ
ックスは一般に100nm未満の平均粒子直径を有し;
このラテックスにはスチロールとアクリルニトリルとの
混合物がグラフトされ、この場合グラフト共重合は、同
様に有利に乳濁液中で実施される。良好な機械的性質を
有するASA重合体を得るために、グラフト主鎖として
使用されるポリアクリル酸エステル−ゴムが架橋してい
ること、即ち製造の際にアクリル酸エステルを、架橋作
用する二官能性のモノマーの少量と共重合させること
は、必要なことであることが判明した。
【0003】西ドイツ国特許出願公開第12 60 1
35号明細書に記載の公知方法を更に発展させたもの
は、米国特許第3 691 260号(西ドイツ国特許
出願公開第19 11 882号)明細書に記載されて
いる。この刊行物における記載によれば、グラフト重合
の場合のグラフト主鎖として、平均粒子直径150nm
〜800nmおよび狭い粒度分布を有する架橋性アクリ
ル酸エステル重合体の“大きい粒子の”ラテックスが使
用される。小さい粒子のアクリル酸エステル重合体−ラ
テックスを使用して製造された生成物と比べて、製造の
際に大きい粒子のアクリル酸エステル重合体−ラテック
スが使用されたASA重合体は、改善されたノッチ衝撃
強度、高い硬度および減少された収縮を示す。小さい粒
子のグラフト共重合体を有するASA重合体と比べて、
大きい粒子のグラフト共重合体を有するASA重合体は
呈色しにくい。パステル風の特性を有した鈍い色調は得
られるが、所望の、華麗で明るい色合いは得られない。
【0004】西ドイツ国特許出願公開第19 11 8
82号明細書に記載の公知方法を更に発展させたもの
は、米国特許第4 634 734号(西ドイツ国特許
出願公開第31 49 358号)明細書に記載されて
いる。この場合には、平均粒度200nm〜500nm
を有する架橋性アルキルアクリレートゴムがグラフト主
鎖として使用される。グラフトは2段階で行なわれ、こ
の場合第1段階ではビニル芳香族モノマーだけ、第2段
階ではビニル芳香族モノマーとエチレン性不飽和モノマ
ーとの混合物がグラフトされる。この方法の主要な利点
は、このグラフト共重合体を用いて製造された成形材料
が、グラフト共重合体の比較的高い平均粒度にもかかわ
らず大変良好な呈色性を有することである。
【0005】米国特許第4 224 419号(西ドイ
ツ国特許出願公開第28 26 925号)明細書に
は、高い衝撃強度および良好な呈色挙動を有するASA
重合体が記載されている。この性質は、異った粒度を有
する2つのグラフトゴムを混合することによって得られ
る。
【0006】上記の改善にもかかわらず、大きい粒子の
グラフト共重合体を用いて製造された成形体の表面光沢
は、殊に不利な処理条件下では、依然として問題を提示
している。大きい粒子のグラフト主鎖の製造は、その上
小さい粒子のグラフト主鎖の場合よりも費用がかかり、
コスト高である。2つのグラフトゴムの混合には複雑な
理論および付加的な作業工程が要求される。一般的に多
くの使用のためには更に靭性を向上させることが重要で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、公知の成形材
料の耐候性および耐老化性、剛性および強度といった有
利な性質とともに明らかに改善された衝撃強さを有し、
かつ容易に製造できる、ASA重合体をベースとする生
成物を取得するという課題が課された。
【0008】
【課題を解決するための手段】この課題は、本発明によ
り、アルキル基中に炭素原子7〜20個を有するアルキ
ルアクリレートをグラフト共重合体のグラフト分子鎖中
に導入することにって解決される。
【0009】ジエンゴムのグラフト分子鎖中へのアルキ
ルアクリレートの導入は、既に米国特許第4 308
355号および同第4 351 923号明細書に記載
されている。しかし予期されていなかったことである
が、ジエンゴムとは全く異った構造および組成を有する
アルキルアクリレートゴムのグラフト分枝鎖中にアルキ
ルアクリレートを導入することは、衝撃強さの改善を惹
起し、および特に欧州特許第270948号明細書の記
載から公知なように、グラフト共重合体のグラフト分枝
鎖中へ、(アルキル基中に炭素原子6個までを有する)
比較的短い鎖状のアルキルアクリレートを導入すること
は、確かに濾過性、脱水および乾燥の点からグラフト共
重合体の処理を簡易化し、改善された性質、例えば流動
性、粒度分布、嵩密度および貯蔵安定性を有する粉末を
生じるが、しかしアルキルアクリレートを使用せずに製
造したグラフト共重合体と比較すると靭性の改善はわず
かだけである。
【0010】従って、直接的な本発明の対象は、 A:Aに対して、 A1:アルキル基中に炭素原子1〜8個を有する、少な
くとも1つのアルキルアクリレートA1 50重量%〜
99.9重量%、 A2:少なくとも1つの多官能性の架橋性モノマーA2
0.1重量%〜5重量%、および A3:少なくとも1つのモノエチレン性不飽和モノマー
A3 50重量%からなるグラフト主鎖としての30〜
1000nmの平均粒径を有する少なくとも1つのエラ
ストマー性重合体A 1〜30重量%、 B:Bに対して B1:少なくとも1つのビニル芳香族モノマーB1 3
0重量%〜90重量%、 B2:少なくとも1つの極性の共重合可能なエチレン性
不飽和モノマーB2 5重量%〜40重量%、および B3:アルキル基中に炭素原子7〜20個を有する少な
くとも1つのアルキルアクリレートB3 5重量%〜3
0重量%および C:C1:少なくとも1つのビニル芳香族モノマーC1
および C2:少なくとも1つの極性の共重合可能なエチレン性
不飽和モノマーC2、からなる共重合体C 30重量%
〜94重量%を(A+B+Cの総和に対して)含有する
熱可塑性成形材料である。
【0011】この成形材料の組成は、成分および製造に
関しては次に詳説する: グラフト主鎖A:グラフト主鎖(ゴム)Aおよびグラフ
ト分枝鎖Bからなるエラストマー性重合体は、自体公知
の方法で得られる。ゴムAとしては、0℃を下廻るガラ
ス転移温度、有利に−20℃を下廻る、特に有利には−
30℃を下廻るガラス転移温度を有する架橋性アクリル
酸エステル重合体が使用される(ガラス転移温度は、例
えばDSC法により測定される;K.H.Iller
s,Makromol.Chemie127(196
9)1頁参照)。ゴム製造のためのモノマーA1として
は、アルキル基中に炭素原子1〜8個を有するアクリル
酸アルキルエステル、少なくとも部分的に炭素原子4〜
8個を有するものがこれに該当する。好適なものとして
は、特にアクリル酸−n−ブチルエステルおよびアクリ
ル酸エチルヘキシルエステルが挙げられる。アクリル酸
エステルは、各々単独でもまた互いに混合しても使用す
ることができる。
【0012】良好な機械的性質を達成するためには、グ
ラフト主鎖として使用されるアクリル酸エステル重合体
が架橋していることが、不可欠であると判明した。この
ために、グラフト主鎖を製造する際に使用されるモノマ
ーの全重量に対して、共重合可能な多官能性で架橋作用
するモノマーA2 0.1重量%〜5重量%、有利に1
重量%〜4重量%の存在下に、アクリル酸エステルの重
合が実施される。好適なモノマーは、1、3位で共役し
ていない、共重合可能なエチレン性二重結合を少なくと
も2個含有する。例は、ジビニルベンゾール、ジアリル
マレエート、ジアリルフマレート、ジアリルフタレー
ト、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレートま
たはトリアリルイソシアヌレートである。特に有利な架
橋モノマーとしては、トリシクロデセニルアルコールの
アクリル酸エステルが明らかになった(西ドイツ国特許
出願公開第12 60 135号明細書参照)。
【0013】必要な場合には、重合体Aは、更に共重合
可能なモノマーA3、例えばブタジェン、イソプレン、
スチロール、アクリルニトリル、メチルメタクリレート
および/またはビニルメチルエーテルをも50重量%ま
で、一般には30重量%まで含有していてよい。
【0014】グラフト共重合体の製造は、西ドイツ国特
許出願公開第12 60 135号明細書に記載の方法
により行なうことができる。このために差当りグラフト
主鎖Aは、1つ又は2つ以上のアクリル酸エステルA1
および多官能性モノマーA2、場合によっては更にコモ
ノマーA3を一緒に水性乳剤中で20℃〜100℃の温
度、有利に50℃〜80℃の温度で重合させることによ
り製造される。通常の乳化剤、例えばアルキルスルホン
酸またはアルキルアリールスルホン酸のアルカリ金属
塩、硫酸アルキル、脂肪族アルコールスルホネート、炭
素原子10個〜30個を有する高い脂肪酸の塩、または
樹脂石けんを使用することができる。有利には、炭素原
子10個〜18個をアルキルスルホネートまたは有する
脂肪酸のナトリウム塩を用いる。使用したモノマーの全
重量に対して、乳化剤は0.5重量%〜5重量%、特に
1重量%〜2重量%の量で使用するのが好ましい。一般
には、水/モノマー比が2:1〜0.7:1の場合に作
業を行なう。重合開始剤としては、特に常用の過硫酸
塩、例えばカリウムペルオキソ二硫酸塩が用いられる
が、しかしレドックス系も適当である。開始剤の量(例
えば、モノマーの全重量に対して0.1重量%〜1重量
%)は公知のように所望のモル重量によって左右され
る。
【0015】重合助剤としては、pH値を有利に6〜9
に調節するための通常の緩衝剤、例えば重炭酸ナトリウ
ムおよびピロリン酸ナトリウム、ならびに3重量%まで
の分子量調節剤、例えばメルカプタン、テルピノールま
たは二量体のα−メチルスチロールを重合の際に使用す
ることができる。
【0016】正確な重合の条件、特に乳化剤の種類、調
合および量は、上記の範囲内で詳細には、架橋したアク
リル酸エステル重合体の得られたラテックスがd50値を
約30nm〜1000nmの範囲内、有利に50nm〜
800nmの範囲内で有するように決定される。
【0017】また、原理的には、グラフト主鎖を乳化重
合の方法とは異った方法、例えば塊状重合または溶液重
合によって製造すること、および得られた重合体をあと
から乳化することも可能である。このための方法は公知
である。
【0018】グラフト分枝鎖B:中心およびグラフト分
枝鎖からなるグラフト共重合体を製造するためには、得
られたラテックスAの存在下に少なくとも1つのビニル
芳香族モノマーB1および少なくとも1つの共重合可能
な極性モノマーB2からなるモノマー混合物を、90:
10〜60:40、有利に80:20〜65:35の割
合で重合する。ビニル芳香族モノマーの例は、スチロー
ル、α−メチルスチロールおよび核アルキル化されたス
チロール、例えばp−メチルスチロールおよびt−ブチ
ルスチロールである。特に有利にスチロール、α−メチ
ルスチロールおよびp−メチルスチロールが使用され
る。極性で共重合可能なエチレン性不飽和モノマーB
2)の例は、アクリルニトリル、アルキル基中に炭素原
子1個〜4個を有するメタクリル酸アルキルエステル、
アクリル酸、無水マレイン酸、アクリルアミドおよび/
またはビニルメチルエーテルである。アクリルニトリ
ル、メチルメタクリレートおよびそれらの混合物が有利
である。アクリル酸塩B3は、アルキル基中に炭素原子
7〜20個、有利に8個〜12個を有し、例えばエチル
ヘキシルアクリレートおよびデシルアクリレートがこれ
に該当する。特に好適なモノマー混合物は、スチロール
またはα−メチルスチロールを45重量%〜80重量
%、アクリルニトリルを10重量%〜30重量%および
エチルヘキシルアクリレートを10重量%〜25重量%
含有する。
【0019】グラフト主鎖として使用される重合体に再
び水性乳剤中でグラフト共重合を実施することは有利で
ある。これは有利にグラフト主鎖の重合と同一の系中で
行なわれるが、その場合に更に乳化剤および開始剤を添
加することができる。グラフトされるモノマー混合物は
反応混合物に一度に、バッチ法で数段階に、または有利
に連続的に重合中に添加することができる。グラフト共
重合は、グラフト度が10重量%〜45重量%、有利に
15重量%〜40重量%になるように行なわれる。
【0020】硬質成分C:AとBとからなるグラフト共
重合体に加えて、本発明による混合物は、ビニル芳香族
モノマーC1および極性で共重合可能なエチレン性不飽
和モノマーC2の1つまたは2つ以上の共重合体で、A
+B+Cに対して30重量%〜94重量%の含量を占め
るものからなる硬質成分Cを含有する。有利なビニル芳
香族モノマーC1はスチロールおよびα−メチルスチロ
ールであり、エチレン性不飽和モノマーC2としてはア
クリルニトリルが有利である。エチレン性不飽和モノマ
ーC2の含量は、硬質成分Cに対して20重量%〜40
重量%となる。
【0021】この(一般に別々に製造される)硬質成分
Cの場合には、例えばスチロール/アクリルニトリル−
共重合体、α−メチルスチロール/アクリルニトリル−
共重合体、スチロール/無水マレイン酸−共重合体、α
−メチルスチロール/スチロール/アクリルニトリル−
三元共重合体、スチロール/アクリルニトリル/メチル
メタクリレート−三元共重合体、スチロール/アクリル
ニトリル/無水マレイン酸−三元共重合体、スチロール
/アクリルニトリル/アクリル酸−三元共重合体または
α−メチルスチロール/スチロール/アクリルニトリル
−三元共重合体が適当である。
【0022】硬質成分Cを製造するために、特に有利な
共重合体は、スチロールおよび/またはα−メチルスチ
ロール60重量%〜80重量%およびアクリルニトリル
20重量%〜40重量%を含有する。この共重合体は、
個々にまたは互いに混合して硬質成分のために使用され
ることができる。
【0023】硬質成分Cは、従来の方法により得られ
る。このようにスチロールおよび/またはα−メチルス
チロールとアクリルニトリルとの共重合は、塊状、溶
液、懸濁液または水性乳濁液の形で行なうことができ
る。硬質成分Cは、有利に粘度数40〜100、特に有
利に50〜80を有する。
【0024】硬質成分Cとグラフト共重合体A+Bとを
本発明による材料に混合することは、まず第一に硬質成
分Cの一部をグラフト共重合体A+Bと混合し、次には
じめて硬質成分Cの残分を添加して行なうことができ
る。しかし、混合は、1工程で行なうこともできる。
【0025】有利には、成形材料を製造するために、硬
質の重合体Cの溶融液は、グラフト共重合体A+Bと2
00℃を上廻る温度で、強力に混合される。
【0026】有利な成形材料はブチルアクリレートおよ
びトリシクロデセニルアクリレートからなるエラストマ
ー相を有し、スチロール60重量%、アクリルニトリル
20重量%およびエチルヘキシルアクリレート20重量
%からなるモノマー混合物を用いてグラフトされ、かつ
アクリルニトリル含量35重量%を有するスチロール/
アクリルニトリル−硬質成分と混合されている。
【0027】混合は、いずれかの公知方法で行なうこと
ができる。成分が乳化重合によって製造された場合に
は、例えば得られた重合体分散液を互いに混合し、引続
き重合体を一緒に沈殿させ、かつ重合体混合物を一緒に
後処理することが可能である。しかし、有利には、混合
は、成分を一緒に押出し、混練または圧延することによ
って行なわれ、この場合に成分は、場合により先に重合
の際に得られた溶液または水性分散液から分離してお
く。水性分散液中で得られたグラフト共重合の生成物A
+Bは、部分的には脱水することもでき、湿った粉くず
の形で硬質成分Cと混合することができ、この場合に
は、さらに混合中にグラフト共重合体を完全に乾燥させ
る。
【0028】本発明による熱可塑性成形材料は、他の成
分として、ASA重合体には一般には常用されているよ
うに、添加剤を含有することができる。例として次のも
のが挙げられる:充填剤、他の相溶性のプラスチック、
帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、滑剤、染料および顔
料。添加剤は、常用の量、有利に熱可塑性成形材料の全
重量に対して0.1重量%〜30重量%の量で使用され
る。相溶性のプラスチックは高い含量を有することもで
きる。
【0029】本発明による材料は、熱可塑性物質の加工
にとって常用の方法、例えば押出しおよび射出成形によ
り、成形体、例えば窓用異形材、屋外用家具、ボート、
スクリーン、電灯カバー、車両部材および子供用玩具に
加工することができる。本発明による材料は、特に、耐
候性および耐老化性において高い衝撃強さを要求される
成形体の製造に好適である。
【0030】下記に特性決定のために使用した大きさ
は、次のようにして決定された: 1.平均粒度の記載は、全ての場合に粒度の重量平均が
重要であり、例えばこれは超遠心分離器を使用してW.
ScholtanおよびH.Lange、Kolloi
d−Z.およびZ.−Polymere250(197
2)782〜796頁による方法に応じて測定した。超
遠心分離器による測定からは試料の粒子直径の集積され
た質量分布が得られる。これにより、何重量パーセント
の粒子が一定の大きさと同じかまたは一定の大きさより
も小さい直径を有するのかがわかる。この場合に、集積
された質量分布のd50値として表わされる平均粒子直径
は、粒子の50重量%がd50値より小さく、粒子の50
重量%がd50値よりも大きい直径を有する値であると定
義づけられている。[KJ/m2]で表わすノッチ衝撃
強度は、DIN53453により220℃もしくは25
0℃Cで射出成形された標準試験小棒で23℃で測定し
た。例のために実測された結果は第1表にまとめた。
【0031】3.[cm3/g]で表わす粘度数は、メ
チルエチルケトン中の0.5%の溶液で測定した。不溶
性成分またはゲル成分は測定の前に遠心分離によって除
去し、秤量した量に相応して修正した。
【0032】例中に使用された量の記載は、別記しない
限りは重量に対するものである。
【0033】
【実施例】
1.基礎ゴム(成分A)の製造 ブチルアクリレート16kgおよびトリシクロデセニル
アクリレート0.4kgを水150kg中でC12−〜C
18−パラフィンスルホン酸のナトリウム塩0.5kg、
カリウムペルオキソジスルフェート0.3kg、炭酸水
素ナトリウム0.3kgおよびピロリン酸ナトリウム
0.15kg添加下に撹拌しながら60℃に加熱した。
重合反応開始の10分後に、ブチルアクリレート82k
gおよびトリシクロデセニルアクリレート1.6kgか
らの混合物を3時間で添加した。モノマー添加終了後に
乳濁液をなお1時間60℃に保った。架橋したブチルア
クリレート重合体の得られた乳濁液は固体含量40%お
よび平均粒度76nmを有していた。
【0034】2.グラフトゴムの製造 (1)により得られた乳濁液4200gに水2300g
およびカリウムペルオキシジスルフェート5.4gを加
え、撹拌下に65℃に加熱した。次に3時間に亙って第
1表に記載のモノマー混合物を添加した。添加終了後、
乳濁液をなお2時間65℃に保った。グラフト重合体を
塩化カルシウム溶液を用いて95℃で乳濁液から沈殿さ
せ、水で洗浄し、かつ熱い空気流中で乾燥させた。
【0035】3.混合物の製造 混合物を製造するために、硬質成分としてアクリルニト
リル含量35%および粘度数80ml/gを有するスチ
ロール/アクリルニトリル共重合体を使用した。(2)
により沈殿しかつ乾燥したグラフト共重合体を押出機上
で260℃で同量の硬質成分Cと混合した。これから射
出成形により標準試験小棒を製造した。
【0036】結果が示しているように、グラフト分枝鎖
中にアルキルアクリレートを有しない標準試験と比較し
てノッチ衝撃強度の著しい上昇が観察される。ノッチ衝
撃強度の上昇は、射出温度が低い場合には特に強く顕著
である。これに反して短鎖状のアルキルアクリレート、
例えばブチルアクリレートは僅かな改善を生じるのみで
あり、もしくはむしろ比較試験が示しているようにノッ
チ衝撃強度の劣悪化をまねく。
【0037】 表 成 分 B 1) 射出温度 2) ノッチ衝撃強度 S NA EHA BA [KJ/m2] 1 60 25 15 − 220℃ 8.9 250℃ 11.9 2 65 20 15 220℃ 9.9 250℃ 10.1 3 60 20 20 − 220℃ 18.0 250℃ 12.7 4 55 20 25 − 220℃ 13.6 250℃ 11.7 比較 60 25 − 15 220℃ 6.6 250℃ 5.1 標準 75 25 − − 220℃ 6.2 250℃ 8.5 1) 成分Bの製造のために使用されたモノマー混合物
の組成 重量%で 2) 射出成形の場合の熱可塑性成形材料の質量温度 S =スチロール AN=アクリルニトリル EHA=エチルヘキシルアクリレート BA=ブチルアクリレート
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年4月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】従って、直接的な本発明の対象は、 A:Aに対して、 A1:アルキル基中に炭素原子1〜8個を有する、少な
くとも1つのアルキルアクリレートA1 50重量%〜
99.9重量%、 A2:少なくとも1つの多官能性の架橋性モノマーA2
0.1重量%〜5重量%、および A3:少なくとも1つのモノエチレン性不飽和モノマー
A3 50重量%までからなるグラフト主鎖としての3
0〜1000nmの平均粒径を有する少なくとも1つの
エラストマー性重合体A 1〜30重量%、 B:Bに対して B1:少なくとも1つのビニル芳香族モノマーB1 3
0重量%〜90重量%、 B2:少なくとも1つの極性の共重合可能なエチレン性
不飽和モノマーB2 5重量%〜40重量%、および B3:アルキル基中に炭素原子7〜20個を有する少な
くとも1つのアルキルアクリレートB3 5重量%〜3
0重量%からなる、エラストマー性重合体Aにグラフト
される分枝鎖B 5〜40重量%、および C:C1:少なくとも1つのビニル芳香族モノマーC1
および C2:少なくとも1つの極性の共重合可能なエチレン性
不飽和モノマーC2、からなる共重合体C 30重量%
〜94重量%を(A+B+Cの総和に対して)含有する
熱可塑性成形材料である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A:Aに対して、 A1:アルキル基中に炭素原子1〜8個を有する、少く
    とも1つのアルキルアクリレートA1 50重量%〜9
    9.9重量%、 A2:少なくとも1つの多官能性の架橋性モノマーA2
    0.1重量%〜5重量%、および A3:少なくとも1つのモノエチレン性不飽和モノマー
    A3 50重量%からなるグラフト主鎖としての30〜
    1000nmの平均粒径を有する少なくとも1つのエラ
    ストマー性重合体A 1〜30重量%、 B:Bに対して B1:少なくとも1つのビニル芳香族モノマーB1 3
    0重量%〜90重量%、 B2:少なくとも1つの極性の共重合可能なエチレン性
    不飽和モノマーB2 5重量%〜40重量%、および B3:アルキル基中に炭素原子7〜20個を有する少な
    くとも1つのアルキルアクリレートB3 5重量%〜3
    0重量%および C:C1:少なくとも1つのビニル芳香族モノマーC1
    および C2:少なくとも1つの極性の共重合可能なエチレン性
    不飽和モノマーC2、からなる共重合体C 30重量%
    〜94重量%を(A+B+Cの総和に対して)含有する
    熱可塑性成形材料。
  2. 【請求項2】 グラフト分子鎖Bが モノマーB1 45重量%〜80重量%、 モノマーB2 10重量%〜30重量%およびアルキル
    アクリレートB3 10重量%〜25重量%から構成さ
    れている、請求項1記載の熱可塑性成形材料。
  3. 【請求項3】 アルキル基中に炭素原子8〜12個を有
    するアルキルアクリレートB3を含有する、請求項1記
    載の熱可塑性成形材料。
  4. 【請求項4】 モノマーC2としてアクリルニトリルを
    含有する、請求項1記載の熱可塑性成形材料。
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