JPH05331062A - 抗潰瘍剤 - Google Patents

抗潰瘍剤

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JPH05331062A
JPH05331062A JP16041092A JP16041092A JPH05331062A JP H05331062 A JPH05331062 A JP H05331062A JP 16041092 A JP16041092 A JP 16041092A JP 16041092 A JP16041092 A JP 16041092A JP H05331062 A JPH05331062 A JP H05331062A
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JP
Japan
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ulcer
lactone
dehydrocostus lactone
dehydrocostus
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JP16041092A
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Joji Yamahara
條二 山原
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 デヒドロコスタスラクトンを有効成分として
含有する抗潰瘍剤。 【効果】 強い抗潰瘍作用を有し、しかも毒性や副作用
が少なくて長期の連用に付することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はデヒドロコスタスラクト
ン(Dehydro costuslactone) を有効成分として含有する
抗潰瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】デヒドロコスタスラクトンはモッコウ
(サウスレアラッパ Saussurea LappaClarke キク
科)の根油に含まれる成分として知られている。モッコ
ウは芳香性健胃薬に分類され、胃腸薬の成分として六神
丸、奇応丸、実母散などの生薬製剤に配合使用されてい
る。モッコウの成分としては、既に精油成分としてデヒ
ドロコスタスラクトン以外に、コスツノラクトン(Costu
nolactone)、サウスウレアラクトン(Saussurealacton
e)、コスツノライド(Costunolide)等が知られており、
他に、サウスリン、タンニン等が含有されていることも
知られている。モッコウのアセトン抽出物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィに付して得られた分画のいずれ
もが多少の利胆作用を有しており、その中のコスツノラ
イドの分画が最も強い利胆作用を有すること、またコス
ツノライドの分画が潰瘍の形成を抑制する作用を有する
ことが報告されている(ケミカル ファーマシューテイ
カル ブリテン(Chem. Pharm. Bull.)、33(3) 、1285
-1288 (1985)および特開昭61-27919号公報参照)。しか
しながら、モッコウに含まれる各成分そのものの作用に
ついての報告は皆無である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】消化性潰瘍は種々の原
因によって発生するが、一般には、過酸、ストレス、胃
血流循環の阻害、薬物その他の原因によりもたらされた
酸、ペプシン、胃液などの攻撃因子と消化管粘膜の防禦
力などの防禦因子との不均衡によって発生するとされて
いる。抗消化性潰瘍剤としては、臨床的には、攻撃因子
を減弱させる薬剤または防禦因子を増強させる薬剤が用
いられているが、一つの薬剤で攻撃因子を減弱させると
ともに防禦因子を増強させるものは殆ど存在していな
い。しかも、攻撃因子を減弱させる薬剤には副作用を有
するものが多く、例えば抗コリン剤は、副交感神経遮断
作用を有するので胃液分泌の抑制が過度になり、胃の活
動を鈍化させて消化力を減退させることがあり、また制
酸剤は一時的に胃酸を中和させるので、その反作用とし
て胃酸分泌を亢進させることがある。従って、現在臨床
に供せられている抗潰瘍剤よりも効力が強く、かつ攻撃
因子を減弱させるとともに防禦因子を増強させる作用を
有し、しかも毒性や副作用が少なくて長期の連用に付す
ることができる抗潰瘍剤が望まれているのが現状であ
る。
【0004】本発明の目的は、強い抗潰瘍作用を有し、
しかも毒性や副作用が少なくて長期の連用に付すること
ができる抗潰瘍剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、デヒドロコスタスラクトンを有効成分として含
有する抗潰瘍剤を提供することによって達成される。
【0006】本発明の有効成分であるデヒドロコスタス
ラクトンは、後述の試験例から明らかなとおり、ストレ
ス潰瘍、壊死性物質による潰瘍およびShay潰瘍の形
成を有意に抑制し、また酢酸潰瘍の治癒を有意に促進
し、しかも基礎胃酸分泌に対して抑制作用を示す。ま
た、デヒドロコスタスラクトンはカラゲニン足蹠浮腫に
対して浮腫抑制作用を示す。さらに、デヒドロコスタス
ラクトンは低毒性であり、副作用がないことが確認され
ている。
【0007】以上の結果から、デヒドロコスタスラクト
ンは長期連用に適する抗潰瘍剤、特に抗消化性潰瘍剤と
して使用することができる。
【0008】デヒドロコスタスラクトンの投与量は疾
病、患者の重篤度、薬物に対する忍容性などにより異な
るが、通常成人1日当たり5〜300mg、好ましくは1
0〜50mgの量であり、これを1回または分割して投与
するのがよい。投与に際しては投与ル−トに適した任意
の形態をとることができる。
【0009】デヒドロコスタスラクトンは任意慣用の製
剤方法を用いて投与用に調製することができる。従っ
て、本発明はデヒドロコスタスラクトンを含有する医薬
組成物をも包合するものである。このような組成物は任
意所要の製薬用担体、賦形剤などの医薬上許容される添
加剤などを使用して慣用の手段によって調製される。
【0010】この組成物が経口用製剤である場合には、
該製剤は消化管からの吸収に好適な形態で提供されるの
が望ましい。経口投与の錠剤およびカプセルは単位量投
与形態であり、結合剤、例えばシロップ、アラビアゴ
ム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、ポリビニル
ピロリドンなど;賦形薬、例えば乳糖、とうもろこし澱
粉、リン酸カルシウム、ソルビット、グリシンなど;潤
滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリ
エチレングリコ−ル、シリカなど;崩壊剤、例えば馬鈴
薯澱粉など;または許容し得る湿潤剤、例えばラウリル
硫酸ナトリウムなどのような慣用の賦形剤を含有してい
てもよい。錠剤は当業界において周知の方法でコ−ティ
ングしてもよい。経口用液体製剤は水性または油性懸濁
剤、溶液、シロップ、エリキシル剤、その他であっても
よく、あるいは使用する前に水または他の適当なビヒク
ルで再溶解させる乾燥生成物であってもよい。このよう
な液体製剤は普通に用いられる添加剤、例えば懸濁化
剤、例えばソルビットシロップ、メチルセルロ−ス、グ
ルコ−ス/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセ
ルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、ステアリン酸
アルミニウムゲル、水素化食用脂など;乳化剤、例えば
レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、アラビアゴムな
ど;非水性ビヒクル、例えばア−モンド油、分別ココナ
ツト油、油性エステル、プロピレングリコ−ル、エチル
アルコ−ルなど;防腐剤、例えばp−ヒドロキシ安息香
酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン
酸などを含有してもよい。
【0011】また注射剤を調製する場合には、デヒドロ
コスタスラクトンに必要によりpH調整剤、緩衝剤、安定
化剤、保存剤、可溶化剤などを添加し、常法により皮
下、筋肉内、静脈内注射剤とする。
【0012】本発明の有効成分であるデヒドロコスタス
ラクトンは、後述の参考例に示すとおり、モッコウのヘ
キサン抽出液エキスをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィに付することにより取得することができる。
【0013】
【作用】デヒドロコスタスラクトンの抗潰瘍作用機序と
しては、壊死性物質による潰瘍に対して低用量で有効で
あることから、主として胃粘膜防禦因子増強作用による
ものが考えられる。また、デヒドロコスタスラクトンは
高用量では胃酸分泌抑制作用をも発現し抗潰瘍作用の一
助を担っていると考えられる。したがって、デヒドロコ
スタスラクトンは胃粘膜防禦因子を増強させる作用を有
するとともに、胃酸分泌抑制の攻撃因子を減弱させる作
用をも有しており、この二つの作用により抗潰瘍作用が
発現されると推定される。デヒドロコスタスラクトンは
カラゲニン足蹠浮腫抑制作用を有しており、この抗炎症
作用がアラキドン酸カスケ−ド全体に影響を及ぼして発
現しているのであれば、デヒドロコスタスラクトンは抗
潰瘍作用を併せ持つ新しい機序の抗炎症薬になり得る。
【0014】
【実施例】以下に、実施例および参考例により本発明を
具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によ
り限定されるものではない。
【0015】参考例 モッコウの市販品を粉末にし、モッコウ粉末に約5〜1
0倍量のヘキサンを加えて抽出し、抽出液を濾過した。
この操作を3回繰返し行った。濾液を合わせ、40℃以
下で減圧濃縮し、抽出溶媒を完全に除去した。得られた
ヘキサン抽出エキスをカラムクロマトグラフィ−(吸着
剤:シリカゲル、溶出溶媒:アセトンと酢酸エチルとの
容量比5対1の混合液)にかけた。流出順に分画1(収
率16%)、分画2(収率47%)および分画3(収率
23%)を得た。分画2をカラムクロマトグラフィ−
(吸着剤:5%硝酸銀を含むシリカゲル、溶出溶媒:ア
セトンと酢酸エチルとの容量比3対1の混合液)にかけ
て精製した。分画2の精製物の融点、IRスペクトル、
NMRスペクトルおよびMSスペクトルをデヒドロコス
タスラクトンの標準品のそれらと照合することにより、
該精製物がデヒドロコスタスラクトンであることを確認
した。得られたデヒドロコスタスラクトンを用いて、後
述の試験例において各種実験潰瘍モデルに対する抗潰瘍
作用を調べた。
【0016】試験例1 水浸拘束ストレス潰瘍に対する作用 (方法)体重約200gのウイスタ−(Wistar)系雄性
ラットを一群7匹とし、24時間絶食後、ラットにデヒ
ドロコスタスラクトンの3mg/kg、10mg/kg、30mg
/kgおよび100mg/kgをそれぞれ経口投与した。コン
トロ−ル群には水を投与した。投与後、直ちにラットを
ストレスケ−ジに収容し、その頚部から下を23℃の水
に浸し、7時間後にラットを引上げ屠殺した。胃を摘出
して10%ホルマリンで固定後、大湾側に沿って胃を切
開し、腺胃部に見られる潰瘍の長さを測定し、コントロ
−ル群に対する抑制率を求めた。 (結果)結果を第1表に示した。デヒドロコスタスラク
トンは10mg/kgから用量依存的に潰瘍形成を抑制し、
30mg/kgおよび100mg/kgで有意に潰瘍形成を抑制
した。なお、ED↓50値は47.4mg/kgであった。
【0017】
【表1】
【0018】上記表中、*印はコントロ−ル群に対して
5%の危険率で有意差があることを示し、**印は1%
の危険率で有意差があることを示す。なお、第2表〜第
10表においても*印および**印は同様の意味を示
す。
【0019】試験例2 壊死性物質による潰瘍に対する作用 1.エタノ−ル潰瘍 (方法)体重約200gのウイスタ−(Wistar)系雄性
ラットを一群7〜8匹とし、24時間絶食後、ラットに
デヒドロコスタスラクトンの0.1mg/kg、1mg/kg、
3mg/kg、10mg/kgおよび30mg/kgをそれぞれ経口
投与し、また0.1mg/kg、1mg/kgおよび10mg/kg
をそれぞれ腹腔内投与した。コントロ−ル群には水を投
与した。30分後に99.5%エタノ−ル1mlを経口投
与し、エタノ−ル投与から1時間後にラットを屠殺し
た。胃を摘出して2%ホルマリンで固定し、胃粘膜に見
られる潰瘍の長さを求め、コントロ−ル群に対する抑制
率を求めた。 (結果)結果を第2表に示した。デヒドロコスタスラク
トンは経口投与において3mg/kgから潰瘍形成を有意に
抑制した。腹腔内投与において10mg/kgで潰瘍形成を
有意に抑制したが、その作用は経口投与した場合より弱
かった。なお、経口投与でのED↓50値は1.4mg/kg
であった。
【0020】
【表2】
【0021】2.塩酸潰瘍 (方法)体重約200gのウイスタ−(Wistar)系雄性
ラットを一群7〜9匹とし、24時間絶食後、ラットに
デヒドロコスタスラクトンの0.1mg/kg、1mg/kg、
3mg/kg、10mg/kg、30mg/kgおよびアセグルタミ
ド・Alの30mg/kgをそれぞれ経口投与した。コント
ロ−ル群には水を投与した。30分後に0.6N塩酸1
mlを経口投与し、塩酸投与から1時間後にラットを屠殺
した。胃を摘出して2%ホルマリンで固定し、胃粘膜に
見られる潰瘍の長さを求め、コントロ−ル群に対する抑
制率を求めた。 (結果)結果を第3表に示した。デヒドロコスタスラク
トンは3mg/kgから潰瘍形成を有意に抑制した。なお、
ED↓50値は1.4mg/kgであった。アセグルタミド・
Alの30mg/kgは潰瘍形成を有意に抑制した。
【0022】
【表3】
【0023】試験例1および2の結果より、デヒドロコ
スタスラクトンはストレス潰瘍および壊死性物質による
潰瘍を有意に抑制した。
【0024】試験例3 インドメタシン前処置エタノ−ル潰瘍に対する作用 (方法)体重約200gのウイスタ−(Wistar)系雄性
ラットを一群6匹とし、24時間絶食後、ラットにイン
ドメタシン5mg/kgを経口投与した。1時間後にデヒド
ロコスタスラクトン30mg/kgを腹腔内投与した。コン
トロ−ル群には水を投与した。デヒドロコスタスラクト
ン投与から30分後に99.5%エタノ−ル1mlを経口
投与し、1時間後にラットを屠殺した。胃を摘出して2
%ホルマリンで固定し、胃粘膜に見られる潰瘍の長さを
求め、コントロ−ル群に対する抑制率を求めた。 (結果)結果を第4表に示した。デヒドロコスタスラク
トンはインドメタシン前処置エタノ−ル潰瘍を有意に抑
制した。この抑制程度は、インドメタシンで前処置しな
いエタノ−ル潰瘍に対するものと同程度であった。
【0025】
【表4】
【0026】試験例4 Shay潰瘍に対する作用 1.幽門結紮潰瘍 (方法)体重約200gのウイスタ−(Wistar)系雄性
ラットを一群8〜13匹とし、48時間絶食後、エ−テ
ル麻酔下に開腹して胃幽門部を結紮し、直ちにデヒドロ
コスタスラクトンの30mg/kg、100mg/kgおよび3
00mg/kg、シメチジンの100mg/kgおよび300mg
/kgをそれぞれ十二指腸内投与した。コントロ−ル群に
は水を投与した。投与から14時間後にラットを屠殺し
た。胃を摘出して2%ホルマリンで固定し、胃粘膜に見
られる潰瘍の程度を6段階(0:正常、1:糜爛形成、
2:小程度の出血と粘膜の損傷、3:中程度の出血と粘
膜の損傷、4:大程度の出血と粘膜の損傷、5:穿孔)
に分けて判定し、スコアを求めた。さらに、コントロ−
ル群に対する抑制率を求めた。 (結果)結果を第5表に示した。デヒドロコスタスラク
トンは100mg/kgおよび300mg/kgで潰瘍形成を有
意に抑制した。なお、ED↓50値は375.1mg/kgで
あった。シメチジンは100mg/kgおよび300mg/kg
で抑制傾向を示した。
【0027】
【表5】
【0028】2.幽門結紮アスピリン潰瘍 (方法)体重約200gのウイスタ−(Wistar)系雄性
ラットを一群7〜8匹とし、48時間絶食後、エ−テル
麻酔下に開腹して胃幽門部を結紮し、直ちにデヒドロコ
スタスラクトン30mg/kg、100mg/kg、300mg/
kgおよびシメチジン100mg/kgを十二指腸内投与し
た。コントロ−ル群には水を投与した。開腹部を縫合し
たのち、アスピリン200mg/kgを経口投与し、アスピ
リン投与から7時間後にラットを屠殺した。胃を摘出し
て2%ホルマリンで固定し、胃粘膜に見られる潰瘍の長
さを求め、コントロ−ル群に対する抑制率を求めた。 (結果)結果を第6表に示した。デヒドロコスタスラク
トンは30mg/kgおよび300mg/kgで潰瘍形成を有意
に抑制した。なお、ED↓50値は75.3mg/kgであっ
た。シメチジンは100mg/kgで潰瘍形成を有意に抑制
した。
【0029】
【表6】
【0030】試験例5 酢酸潰瘍に対する作用 (方法)体重約200gのウイスタ−(Wistar)系雄性
ラットを一群8〜9匹とし、エ−テル麻酔下に開腹し、
胃体部または十二指腸部に円形枠を当て、その中に10
0%酢酸100μlを注入した。60秒後に酢酸を除去
し、開腹部を縫合した。潰瘍モデル作成2日後から15
日間、デヒドロコスタスラクトンの10mg/kg、30mg
/kg、100mg/kgおよびシメチジンの400mg/kgを
1日1回経口投与した。コントロ−ル群には水を投与し
た。最終投与後18時間絶食し、ラットを屠殺した。胃
を摘出し、画像処理により潰瘍部位の面積を求めた。 (結果)結果を第7表および第8表に示した。デヒドロ
コスタスラクトンは、酢酸胃潰瘍に対して10mg/kgお
よび100mg/kgで潰瘍治癒を有意に促進し、また酢酸
十二指腸潰瘍に対して30mg/kgで潰瘍治癒を有意に促
進した。シメチジンは400mg/kgで酢酸胃潰瘍および
酢酸十二指腸潰瘍の治癒を有意に促進した。これらの結
果より明らかなように、デヒドロコスタスラクトンは慢
性潰瘍に対して有効である。
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】
【0033】試験例6 基礎胃酸分泌抑制作用 (方法)体重約200gのウイスタ−(Wistar)系雄性
ラットを一群7〜8匹とし、24時間絶食後(ただし、
水は自由に与えた)、エ−テル麻酔下に開腹して胃幽門
部を結紮し、直ちにデヒドロコスタスラクトンの30mg
/kg、100mg/kg、300mg/kgおよびシメチジンの
100mg/kgを十二指腸内投与した。4時間後、胃を摘
出し、胃液量、酸排出量およびペプシン排出量を測定し
た。 (結果)結果を第9表に示した。デヒドロコスタスラク
トンは100mg/kgから胃液量、酸排出量およびペプシ
ン排出量を有意に抑制した。なお、胃液量および酸排出
量のED↓50値はそれぞれ173.2mg/kgおよび15
7.6mg/kgであった。シメチジンは100mg/kgで酸
排出量およびペプシン排出量を有意に減少させた。これ
らの結果より、デヒドロコスタスラクトンは基礎胃酸分
泌抑制作用を有することが判明した。
【0034】
【表9】
【0035】試験例7 カラゲニン足蹠浮腫に対する作用 (方法)体重約200gのウイスタ−(Wistar)系雄性
ラットを一群8〜9匹とし、右後肢容積を測定した。デ
ヒドロコスタスラクトン100mg/kgを腹腔内投与し、
10分後にインドメタシン5mg/kgを経口投与した。そ
の2時間後に1%カラゲニン生理食塩液0.1mlを右後
肢足蹠皮下投与し、カラゲニン投与5時間後まで1時間
毎に右後肢容積を測定した。 (結果)結果を第10表に示した。デヒドロコスタスラ
クトンはカラゲニン投与2〜5時間後まで浮腫を有意に
抑制した。インドメタシンの作用に対しては影響を及ぼ
さなかった。
【0036】
【表10】
【0037】以上の結果より、デヒドロコスタスラクト
ンはストレス潰瘍、壊死性物質による潰瘍およびSha
y潰瘍の形成を有意に抑制し、酢酸潰瘍の治癒を有意に
促進した。また、基礎胃酸分泌に対して抑制作用を示し
た。また、デヒドロコスタスラクトンはカラゲニン足蹠
浮腫に対して浮腫抑制作用を示した。
【0038】実施例1 腸溶性カプセル剤 ポリビニルフタレート65部とゼラチン35部の水溶液
から調製した腸溶性カプセルに、デヒドロコスタスラク
トン10mg、ブドウ糖250mgおよび結晶セルロース1
gを混合したものを充填して腸溶性カプセル剤を得た。
【0039】実施例2 注射剤 デヒドロコスタスラクトンを10mg/1mlの割合で溶解
した5%ブドウ糖溶液を、ポアサイズ0.22μmのフ
ィルターを通じて濾過滅菌したのち、加熱滅菌したバイ
アル瓶に5mlずつ無菌的に分注して注射剤とした。
【0040】
【発明の効果】本発明の抗潰瘍剤は、上記の試験例から
明らかなように、強い抗潰瘍作用を有し、しかも毒性や
副作用が少なくて長期の連用に付することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デヒドロコスタスラクトンを有効成分と
    して含有する抗潰瘍剤。
JP16041092A 1992-05-26 1992-05-26 抗潰瘍剤 Pending JPH05331062A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1111527C (zh) * 1998-09-08 2003-06-18 中国科学院昆明植物研究所 抗消化道溃疡的倍半萜内酯类化合物
JP2012020964A (ja) * 2010-07-14 2012-02-02 Arsoa Honsya Corp グルタチオン産生促進剤及びグルタチオン産生促進作用を有する医薬品、食品又は化粧料
CN106943418A (zh) * 2017-05-05 2017-07-14 昆明生达制药有限公司 一种治疗胃肠道疾病的组合物及制备方法与用途

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