JPH05330281A

JPH05330281A - 磁気記録媒体

Info

Publication number: JPH05330281A
Application number: JP4142967A
Authority: JP
Inventors: Yasuaki Yoshioka; 岡康明吉; Kenji Edori; 取研二江
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1992-06-03
Filing date: 1992-06-03
Publication date: 1993-12-14
Anticipated expiration: 2017-01-28
Also published as: JP3251325B2

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】帯電防止特性を付与することにより操作性にす
ぐれた磁気記録媒体を提供する。【構成】磁気記録媒体において、磁気記録層の表面電気
抵抗値を１０^３〜１０¹²Ωの低抵抗範囲に制御するが、
磁気記録層中に顔料や界面活性剤などの添加剤を含有さ
せるかあるいは、磁気記録層を構成するバインダーとし
て導電性樹脂を使用することによって上記低抵抗範囲に
制御することができる。磁気記録層にさらに放電破壊印
字記録層を積層して記録層を複合化した磁気記録媒体と
することができる。この場合、上記のように磁気記録層
が低抵抗範囲に制御されているので、放電破壊印字層に
おける印字感度の向上を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、情報記録媒体に関し、
特に帯電防止特性を付与することにより操作性にすぐれ
た磁気記録媒体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】プラスチック基材の表面に磁気記録層が
形成されてなる磁気記録媒体は、クレジットカード、Ｉ
Ｄカード、定期券、磁気テープなどとして広く普及して
いる。このような磁気記録媒体は、その記録密度が高
く、しかも外部から簡単には記録情報を読み出すことが
できないという利点がある。また、これら磁気情報とと
もに可視情報を記録媒体上に記録する必要が生じる場合
においては、従来、磁気記録媒体の基材表面の余白部ま
たは裏面に、文字、図形などの可視情報を印刷すること
が行われている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一般に従来の磁気記録
媒体は、磁気記録層が高抵抗の材料層からなるため、帯
電が生じやすく、したがって磁気カードないし磁気シー
トの形態として使用する場合においては帯電に起因して
フィードトラブルが生じやすくなり、さらには放電現象
による磁気ヘッドの破損やダストの付着などの問題が生
じる可能性が増大する。

【０００４】また、可視情報を印刷のみで行う従来の磁
気記録媒体においては、その情報内容が画一的で固定的
なものにならざるを得ず、したがって、たとえば氏名、
有効期限などの個別情報や記録媒体の使用状況に応じた
追加情報の記録を印刷によって行うことは製造上のコス
トアップにつながり実際的ではない。

【０００５】また、一般に磁気記録媒体はそのサイズが
小さいため、必要な文字情報を印刷するスペースには制
限があり、十分な情報量の可視情報を印刷できないとい
う問題がある。

【０００６】さらにまた、近年、磁気カードの普及に伴
い、その変造・偽造が社会問題となりつつあるが、従来
の磁気記録媒体は、この偽造防止の点においても十分有
効な防止手段を具備していないのが現状である。

【０００７】本発明は上述した従来技術の問題点を解決
しようとするものであって、本発明は以下のような目的
を有する。 (1) 帯電防止特性にすぐれ、帯電に起因するフィード
トラブル、磁気ヘッドの破損やダストの付着などの問題
が生じにくい磁気記録媒体を提供すること。 (2) 磁気記録情報と可視情報（放電破壊印字記録層）
の双方を複合的に記録することができ、さらに上記可視
情報の記録感度の向上が図られた磁気記録媒体を提供す
ること。 (3) 氏名、有効期限などの個別情報や記録媒体の使用
状況に応じた追加情報などの可視情報を簡易かつ迅速に
記録することができる情報記録媒体を提供すること。 (4) 磁気情報と可視情報とのダブルチェックが可能で
あり、偽造・変造の防止においても効果的な複合記録媒
体を提供すること。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明による磁気記録媒
体は、磁気記録層を具備してなる磁気記録媒体におい
て、前記磁気記録層の表面電気抵抗値を１０^３〜１０¹²
Ωの低抵抗範囲に制御してなることを特徴とするもので
ある。

【０００９】本発明においては、磁気記録層中に顔料や
界面活性剤などの添加剤を含有させるかあるいは、磁気
記録層を構成するバインダーとして導電性樹脂を使用す
ることによって上記低抵抗範囲に制御することができ
る。

【００１０】さらに本発明においては、上記磁気記録層
にさらに放電破壊印字記録層を積層することによって記
録層を複合化した磁気記録媒体とすることができる。こ
の場合、上記のように磁気記録層が低抵抗範囲に制御さ
れているので、放電破壊印字層における印字感度の向上
を図ることができる。

【００１１】以下、本発明を添付図面に示す好ましい具
体例に基づいて詳細に説明する。

【００１２】図１は、本発明による磁気記録媒体の基本
的構成を示す断面図である。本図に示すように、本発明
による磁気記録媒体は、基材１上に磁気記録層２が形成
されてなる。さらに図２は本発明の他の実施態様を示す
ものであり、この例においては、基材１上に磁気記録層
２と放電破壊印字記録層３がこの順序で積層形成されて
なる。

【００１３】基材１はシート状、フィルム状あるいは板
状の材質からなり、材料としては特に制限されるもので
はなく、ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）、ナイ
ロン、セルロースジアセテート、ポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、
ポリカーボネートなどのプラスチック、銅、アルミニウ
ムなどの金属、紙、含浸紙などを単独あるいは組み合わ
せて用いることができる。基材の厚さは、０．００５〜
５mm程度が適当である。

【００１４】磁気記録層２は、γ−Ｆｅ_２Ｏ_３、Ｆｅ_３
Ｏ_４、ＣｒＯ_２、Ｆｅ、Ｆｅ−Ｃｒ、Ｆｅ−Ｃｏ、Ｃｏ
−Ｃｒ、Ｃｏ−Ｎｉ、ＭｎＡｌ、Ｂａフェライト、Ｓｒ
フェライトなどの従来公知の磁性微粒子が適当な樹脂あ
るいはインキビヒクル中に分散されていなる分散物を、
グラビア法、ロール法、ナイフエッジ法などの従来公知
の塗布方法によって基材１上に形成することができる。
さらにまた、磁気記録層２は、Ｆｅ、Ｆｅ−Ｃｒ、Ｆｅ
−Ｃｏ、Ｃｏ−Ｃｒ、Ｃｏ−Ｎｉなどの金属あるいは合
金を、真空蒸着法、スパッタ法、メッキ法などの方法に
よって基材１上に形成することもできる。塗布方法によ
って磁気記録層を形成する場合には、その膜厚は１〜１
００μｍ、好ましくは５〜２０μｍ程度である。また真
空蒸着法、スパッタ法、メッキ法などの方法によって基
材上に形成する場合には、磁気記録層の膜厚は１００オ
ングストローム〜１μｍ、好ましくは５００〜２０００
オングストローム程度である。

【００１５】なお、γ−Ｆｅ_２Ｏ_３などの磁性微粒子が
分散される樹脂あるいはインキビヒクルとしては、ブチ
ラール樹脂、塩化ビニル／酢酸ビニル共重合体樹脂、ウ
レタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ア
クリル樹脂、スチレン／マレイン酸共重合体樹脂などが
用いられ、必要に応じて、ニトリルゴムなどのゴム系樹
脂あるいはウレタンエラストマーなどを添加することが
できる。また、必要に応じて、界面活性剤、シランカッ
プリング剤、可塑剤、ワックス、シリコーンオイル、カ
ーボンその他の添加剤を使用することができる。ただ
し、低抵抗化のための添加剤の使用については後述す
る。

【００１６】本発明においては、上記磁気記録層の表面
電気抵抗値を特定の低抵抗範囲に制限する。具体的に
は、表面電気抵抗値を、１０^３〜１０¹²Ωの範囲に制御
することが、帯電防止特性を向上させる上で好ましい。
また、放電破壊印字層を設けた場合には、放電印字性能
を向上させるのに十分な抵抗値として、特に１０^５〜１
０^９Ωであることが望ましい。本発明においては、磁気
記録層２上に低抵抗層を別途設けるのではなく、磁気記
録層２自体の表面電気抵抗を１０^３〜１０¹²Ωの範囲に
設定することによって、上記低抵抗層と同等の機能を実
現し、これによりスページングロスに起因する磁気特性
の劣化を防止し、また、放電破壊印字層を有するものに
おいては、良好な放電破壊印字と磁気記録特性の向上の
双方を発現させることができるという効果をも奏する。

【００１７】磁気記録層の表面電気抵抗値を上記低抵抗
範囲に制御するためには、磁気記録層中に顔料や界面活
性剤などの添加剤を含有させるかあるいは、磁気記録層
を構成するバインダーとして導電性樹脂を使用すること
によって上記低抵抗範囲に制御することができる。この
ような目的で添加する顔料などの添加剤としては、カー
ボン、酸化チタン系、酸化スズ系、酸化インジウム系な
どの金属酸化物、金、銀、ニッケル、アルミニウム、銅
などの金属が例示され得る。顔料の添加量はその材質に
応じて適宜選択され得るが、通常、０．１〜２０重量％
程度が適当である。

【００１８】低抵抗化の目的で添加され得る界面活性剤
としては、フェニルアニジン塩、ペンタアルキル三リン
酸、スルホン酸またはピリジニウム塩、アルキルアミド
エーテル等のポリエチレングリコール系イオン性活性剤
等が使用され得る。

【００１９】さらに、本発明においては、上記のように
磁気記録層を構成するバインダーに導電性樹脂を使用す
ることによって上記低抵抗範囲に制御することができ
る。この場合に使用し得る導電性樹脂としては、たとえ
ば、1)共役π電子系樹脂ポリエン型高分子化合物
ポリフェニレン型高分子化合物 2)不対電子系樹脂
ピクリルヒドラジル 3)イオン性高分子化合物ポリ
エチレンイミンハイドロクロライドポリビニルトリ
メチルアンモニウムクロライドポリアクリルトリメ
チルアンモニウムクロライドポリメタアクリル酸
ポリスチレンスルホネートポリビニルスルホネー
トポリビニルアルコールポリビニルピロリドン
が使用される。

【００２０】放電破壊印字記録層３は単体金属、合金あ
るいは化合物の薄膜からなり、放電現象を利用して記録
部位が破壊され得る層からなる。具体的には、Ａｌ、Ｎ
ｉ、Ｓｎ、Ｚｎ、Ｔｅ、Ｉｎ、Ｂｉ、Ｐｂなどの金属、
あるいはこれらの合金、化合物からなる。放電破壊印字
記録層３は、真空蒸着法、スパッタ法、メッキ法などの
方法によって磁気記録層２上に形成することができる。
放電破壊印字記録層３の膜厚は、１００オングストロー
ム〜１μｍ、さらに好ましくは３００〜１０００オング
ストローム程度である。

【００２１】この放電破壊印字記録層に情報記録を行う
場合には、図２に示すように媒体表面にアースローラ１
０を接触させて記録ピン１１によって記録情報に応じた
放電を生じさせて放電破壊印字記録層３に放電破壊部位
１２を形成することによって情報記録を行うことができ
る。

【００２２】上記態様の本発明においては、前記磁気記
録層に磁気記録情報を記録するとともに放電破壊印字記
録層に可視情報を重ねて記録することが可能である。こ
の放電破壊印字記録層には、たとえば氏名、有効期限な
どの個別情報や記録媒体の使用状況に応じた追加情報な
どの可視情報を簡易かつ迅速に記録することができる。
このように本発明においては２種類の記録手段の異な
る情報を複合的に記録することができるので、単一記録
媒体中において、磁気情報と可視情報とのダブルチェッ
クが可能であり、したがって偽造・変造を防止する上に
おいても効果的である。

【００２３】図３は磁気記録層２と放電破壊印字記録層
３との間にバリアー層４を形成し、さらに放電破壊印字
層３上にアンカー層５ならびに保護層６を形成した場合
の例である。

【００２４】バリアー層４は、磁気記録層の含有水分な
どの侵出に起因して放電破壊印字層３が劣化するのを防
止する上で効果的である。上述したように、磁気記録層
の表面電気抵抗値を特定範囲内に制御するために磁気記
録層中に顔料が添加された場合、添加する顔料および磁
性微粒子またはこれらに含まれる不純物が放電破壊印字
記録層の劣化を促進するが、これを防止するためには、
図３に示すように、磁気記録層２と放電破壊印字記録層
３との間に、バリアー層４を形成することが好ましい。
バリアー層は、アクリル樹脂などの硬化層によって構成
することができる。

【００２５】保護層６は、記録媒体の物理特性、耐久性
を確保するために、記録層の保護を目的として形成され
るものであり、一方、アンカー層５は放電破壊印字記録
層３と保護層６との接着性を向上させることを目的とし
て設けられるものである。保護層は薄くかつ表面強度の
大きな材料、たとえば紫外線硬化型の合成樹脂被膜によ
って構成することができる。アンカー層は接着性にすぐ
れた樹脂、たとえばポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、
塩化ビニル／酢酸ビニル共重合体、エチレン／酢酸ビニ
ル共重合体、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン系共重
合体などによって構成することができる。

【００２６】上記保護層６およびアンカー層５の厚さ
は、これら２層の膜厚の合計が２μｍ以下になるように
調整することが望ましい。放電破壊印字記録層３上に形
成されるこれらの膜厚の合計が２μｍを超えると放電破
壊印字記録層への印字特性はいきおい低下する。

【００２７】

【発明の効果】本発明における磁気記録媒体において
は、磁気記録層を低抵抗範囲に制御しているので、帯電
防止特性においてすぐれた効果を奏する。

【００２８】

【実施例】実施例１８８μｍ厚のポリエチレンテレフタレートフィルム
（ＰＥＴフィルム）上に下記組成の塗料をグラビアコー
ト法によって塗布し、磁気記録層を１０μｍの厚さに形
成した。

【００２９】バリウムフェライト３６重量部ウレタン樹脂１２重量部カーボン２重量部トルエン２０重量部メチルエチルケトン１５重量部メチルイソブチルケトン１５重量部イソシアネート系硬化剤２重量部上記のようにして形成された磁気記録層上に、バリアー
層として下記組成の塗料をグラビアコート法によって、
０．５μｍの厚さに塗布形成した。

【００３０】アクリル樹脂４０重量部トルエン３０重量部メチルエチルケトン３０重量部イソシアネート系硬化剤２重量部上記バリアー層上に、アルミニウムを真空蒸着法によっ
て４００オングストロームの厚さに形成し、これを放電
破壊印字記録層とした。

【００３１】さらに、上記放電破壊印字記録層上に、下
記組成の塗料をグラビアコート法によって形成し、厚さ
０．５μｍのアンカー層を形成した。

【００３２】ポリエステル樹脂１０重量部塩化ビニル／酢酸ビニル共重合体１０重量部トルエン５０重量部メチルエチルケトン５０重量部イソシアネート硬化剤５重量部最後に、上記アンカー層上に、下記組成の塗料をグラビ
アコート法によって形成し、厚さ１μｍの保護層を形成
した。

【００３３】ポリビニルブチラール樹脂１０重量部ウレタン樹脂１０重量部テトラフルオロエチレンパウダー１０重量部酢酸エチル３０重量部トルエン３０重量部メチルエチルケトン３０重量部このようにして得られた本発明の磁気記録媒体に対し
て、磁気記録と放電破壊印字記録を行ったところ、鮮明
な印字が行われ、また磁気記録のリードライトも問題な
く行われた。

【００３４】以下の方法て表面電気抵抗、帯電特性を測
定した。また上記磁気層の組成においてカーボンを除い
たものを比較例とした。

【００３５】表面電気抵抗はＲ８３４０Ａ（アドバンテ
スト社製）により、印加電圧：５５００ｖで測定し、ま
た帯電特性はＥＰＡ−８１００（川口電気社製）によ
り、印加電圧６．０ｋｖ、印加時間２３ｓｅｃ、測定時
間１２０ｓｅｃで測定した。その結果をそれぞれ表１、
図１〜図４に示す。

【００３６】磁気層に導電性カーボンを混入することに
より、磁気層の表面電気抵抗は低下し、帯電防止特性に
優れた結果が得られた。

【００３７】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による磁気記録媒体の基本的構成を示す
断面図。

【図２】本発明による磁気記録媒体の実施態様を示す断
面図。

【図３】本発明による磁気記録媒体の実施態様を示す断
面図。

【符号の説明】

１基材２磁気記録層３放電破壊印字記録層４バリアー層５アンカー層６保護層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】磁気記録層を具備してなる磁気記録媒体に
おいて、前記磁気記録層の表面電気抵抗値を１０^３〜１
０¹²Ωの低抵抗範囲に制御してなることを特徴とする、
磁気記録媒体。
【請求項２】前記磁気記録層中に顔料を含有させること
によって前記低抵抗範囲に制御したことを特徴とする、
請求項１に記載の磁気記録媒体。
【請求項３】前記磁気記録層中に界面活性剤を含有させ
ることによって前記低抵抗範囲に制御したことを特徴と
する、請求項１に記載の磁気記録媒体。
【請求項４】前記磁気記録層を構成するバインダーとし
て導電性樹脂を使用することによって前記低抵抗範囲に
制御したことを特徴とする、請求項１に記載の磁気記録
媒体。
【請求項５】前記磁気記録層にさらに放電破壊印字記録
層を積層してなることを特徴とする、請求項１に記載の
磁気記録媒体。
【請求項６】基材上に、磁気記録層と放電破壊印字記録
層とがこの順序で積層されてなることを特徴とする、請
求項５に記載の磁気記録媒体。
【請求項７】前記磁気記録層と放電破壊印字記録層との
間にバリアー層が設けられてなることを特徴とする、請
求項６に記載の複合記録媒体。
【請求項８】前記放電破壊印字記録層上に、アンカー層
および保護層がこの順序で形成されてなる、請求項６に
記載の複合記録媒体。