JPH05329077A - 電気掃除機の吸込口体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被清掃面上の塵埃を吸込口へと吸い込む邪魔
をすることなく、シール性が極端に低下するのを防止す
ることができる電気掃除機の吸込口体を提供する。 【構成】 底面１３の前端部に設置された前輪１５と後
端部に設置された後輪１６とを介して、載置された被清
掃面Ｆ上を自在に移動させることができると共に、被清
掃面Ｆに対向して底面１３に開口する吸込口１４を有す
る電気掃除機の吸込口体において、吸込口１４の周囲
に、先端２０ａ（２２ａ，２３ａ）を被清掃面Ｆに近接
させた薄板により形成された前後壁２２，２３を有する
シールリップを設置した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、電気掃除機の吸込口
体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、底面の前端部両側に設置された一
対の前輪と後端部両側に設置された一対の後輪とを介し
て、載置された被清掃面上を自在に移動させることがで
きると共に、被清掃面に対向して底面に開口する吸込口
を有する電気掃除機の吸込口体が知られている。

【０００３】この電気掃除機の吸込口体（吸込口体）
は、吸込口の真空度の低下を防止するために、吸込口の
前方である底面の前端縁に突設されたシールリップを有
している。

【０００４】シールリップは、吸込口体に埋設される基
部と、基部に下方に向けて突設された厚さ１ｍｍ程の壁
部とを有しており、基部は、埋設固定されるために硬質
部材により、壁部は、柔軟性を得るために軟質部材によ
りそれぞれ形成されている。

【０００５】このシールリップは、被清掃面に載置され
た状態で被清掃面と底面との間に形成される離間間隙を
可能なかぎり塞いでいる。つまり、壁部先端が被清掃面
に接していると、被清掃面上の塵埃を吸込口へと吸い込
む邪魔をしてしまい、壁部先端と被清掃面との間隙が大
きければ大きい程、吸込口における真空度が低下してし
まう。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シール
をするための壁部が１ｍｍ程の厚さを有するにすぎない
ため、被清掃面と底面との間に形成される離間間隙は僅
かな幅を有する線状となり、掃除中にシール性が極端に
低下してしまうという問題点があった。

【０００７】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、被清掃面上の塵
埃を吸込口へと吸い込む邪魔をすることなく、シール性
が極端に低下するのを防止することができる電気掃除機
の吸込口体を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る電気掃除機の吸込口体は、底面の前
端部に設置された前輪と後端部に設置された後輪とを介
して、載置された被清掃面上を自在に移動させることが
できると共に、前記被清掃面に対向して前記底面に開口
する吸込口を有する電気掃除機の吸込口体において、前
記吸込口の周囲に、先端を前記被清掃面に近接させた薄
板により形成された前後壁を有するシールリップを設置
したことを特徴としている。

【０００９】

【作用】この発明に係る電気掃除機の吸込口体は、底面
と被清掃面とが略等間隔離間している通常の走行におい
ては、シールリップが、被清掃面上の塵埃を吸込口へと
吸い込む邪魔をすることなく吸込口における真空度を高
めることができ、掃除中においても、前後壁を有し柔軟
性を備えた広い幅のシールリップが、被清掃面との間の
離間間隙を拡大することなく維持し、吸込口における真
空度の極端な低下を防止することができる。

【００１０】

【実施例】以下、この発明に係る電気掃除機の吸込口体
の実施例を図面を参照しつつ説明する。

【００１１】図１及び図２に示すように、電気掃除機の
吸込口体（吸込口体）１０は、横長矩形状に形成された
本体１１と、本体１１の後端部に回動自在に突設された
連結管１２を有しており、載置された被清掃面Ｆ上を自
在に移動して、被清掃面Ｆを掃除する。

【００１２】本体１１は、被清掃面Ｆに対向して底面１
３に開口し、本体１１内部空間を通って連結管１２に連
通する吸込口１４を有すると共に、底面１３の前後方向
略中央に位置する前輪１５、及び後端部両側に設置され
た一対の後輪１６，１６を有している。

【００１３】この前輪１５及び両後輪１６，１６によ
り、吸込口体１０は、被清掃面Ｆ上に底面１３と被清掃
面Ｆを略等間隔離間させて載置されると共に、被清掃面
Ｆ上を容易に移動させることができる。また、本体１１
の前端及び両側端には、バンパ１７が突設されている。

【００１４】吸込口１４は、底面１３の横幅略全域に及
び、前縁１４ａが底面１３の前端縁１３ａに近接すると
共に後縁１４ｂが前輪１５の前端前方に位置する横長矩
形状に形成されている。吸込口１４内部には、横幅方向
に沿って回転ブラシ１８が設置されており、回転ブラシ
１８は、本体１１に内蔵されたモータ１９により駆動さ
れる。

【００１５】この吸込口１４の周囲には、一方の側縁１
４ｃから前縁１４ａを経て他方の側縁１４ｃに達する帯
状の弾性体により形成されたシールリップ２０が装着さ
れている（図１破線参照）。

【００１６】シールリップ２０は、図３に示すように、
本体１１に埋設される基部２１と、基部２１に下方に向
けて突設された前壁２２及び後壁２３とを有しており、
基部２１は埋設固定されるために硬質部材により、前壁
２２び後壁２３は柔軟性を得るために軟質部材によりそ
れぞれ形成されている。この基部２１を底面１３に形成
された溝部２４に押し込み接着することにより、シール
リップ２０は本体１１に装着される。

【００１７】また、前壁２２と後壁２３は、基部２１の
前後端に位置する薄板により形成されると共に、前後壁
２２，２３の両先端が連結されている。即ち、シールリ
ップ２０は、断面形状が中央に空洞を有する筒体状に形
成されており、吸込口体１０を被清掃面Ｆ上に載置した
状態で、前後壁２２，２３の各先端により形成されるシ
ールリップ２０の下端部２０ａが、被清掃面Ｆとの間に
若干の間隙を有する被清掃面Ｆに近接した状態に装着さ
れている。

【００１８】このシールリップ２０は、吸込口１４の前
縁１４ａ側に位置する前面部が、底面１３の前端縁１３
ａと吸込口１４の前縁１４ａとの間の底面前端部２５に
位置しており（図２，３参照）、前後壁２２，２３によ
り形成される前面部の前後幅厚みは、底面前端部２５の
前後幅と略同一に形成されている。

【００１９】なお、シールリップ２０は、吸込口１４の
全周に設ける必要はなく、例えば吸込口１４の側縁１４
ｃを除く前縁１４ａ側のみに設けてもよい。

【００２０】次に、上記構成を有する電気掃除機の吸込
口体の作用を説明する。

【００２１】先ず、吸込口体１０を被清掃面Ｆに載置
し、任意の方向に移動させる。被清掃面Ｆ上を移動する
吸込口体１０は、図示しない掃除機本体内の電動送風機
の作動により、連結管１２を介して掃除機本体に連通さ
れた吸込口１４から被清掃面Ｆ上の塵埃等が吸い込ま
れ、掃除される。

【００２２】この際、シールリップ２０を装着した吸込
口体１０は、被清掃面Ｆに載置された状態で被清掃面Ｆ
と底面１３との間に形成される離間間隙を可能なかぎり
塞いでいることから（図２参照）、底面１３と被清掃面
Ｆとが略等間隔離間している通常の走行においては、シ
ールリップ２０が、被清掃面上の塵埃を吸込口１４へと
吸い込む邪魔をすることなく、吸込口１４における真空
度を高めている。

【００２３】一方、掃除中においても、シールリップ２
０が、前壁２２と後壁２３を有する筒体状に形成されて
前面部２０ｂの前後方向幅が底面前端部２５と略同一の
広い幅を有しており、被清掃面Ｆに対してシールリップ
２０が面状に対向することから、シールリップ２０と被
清掃面Ｆとの間の離間間隙は拡大することなく維持さ
れ、吸込口１４における真空度の極端な低下を防止する
ことができる。

【００２４】更に、吸込口体１０の前端部に押し下げる
力が加わった状態にあっても、シールリップ２０が、前
壁２２と後壁２３を有する筒体状に形成されており、幅
を広げることにより得難くなる柔軟性を中空にすること
により確保することができることから、下端部２０ａが
容易に変形してシールリップ２０と被清掃面Ｆとの間に
異物が挟まっても被清掃面Ｆを傷付けることがない。

【００２５】なお、図４に示すように、シールリップ２
０の前後壁２２，２３の両先端２２ａ，２３ａが連結さ
れず、各先端２２ａ，２３ａをそれぞれ被清掃面Ｆに近
接させて前壁２２及び後壁２３を前後に並設した、断面
形状が下向きＵ字状のシールリップ２６としてもよい。

【００２６】このシールリップ２６にあっては、前後方
向幅を底面前端部２５と略同一の広い幅とすることがで
きると共に、吸込口体１０の前端部に押し下げる力が加
わった状態にあっては、前壁２２及び後壁２３がそれぞ
れ容易に変形し、シールリップ２６全体としてより柔軟
に対応することができる。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る電
気掃除機の吸込口体は、上記構成を有することから、被
清掃面上の塵埃を吸込口へと吸い込む邪魔をすることな
く、シール性が極端に低下するのを防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る電気掃除機の吸込口体の上方か
ら見た説明図である。

【図２】図１に示す電気掃除機の吸込口体の縦断説明図
である。

【図３】シールリップの拡大断面図である。

【図４】他のシールリップの拡大断面図である。

【符号の説明】

１０ 電気掃除機の吸込口体 １３ 底面 １４ 吸込口 １５ 前輪 １６ 後輪 ２０ シールリップ ２０ａ，２２ａ，２３ａ 先端 ２２，２３ 前後壁 Ｆ 被清掃面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底面の前端部に設置された前輪と後端部
   に設置された後輪とを介して、載置された被清掃面上を
   自在に移動させることができると共に、前記被清掃面に
   対向して前記底面に開口する吸込口を有する電気掃除機
   の吸込口体において、 前記吸込口の周囲に、先端を前記被清掃面に近接させた
   薄板により形成された前後壁を有するシールリップを設
   置したことを特徴とする電気掃除機の吸込口体。