JPH05328849A - 植物栽培構造及び該装置 - Google Patents

植物栽培構造及び該装置

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JPH05328849A
JPH05328849A JP4163924A JP16392492A JPH05328849A JP H05328849 A JPH05328849 A JP H05328849A JP 4163924 A JP4163924 A JP 4163924A JP 16392492 A JP16392492 A JP 16392492A JP H05328849 A JPH05328849 A JP H05328849A
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plant
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B80/00Architectural or constructional elements improving the thermal performance of buildings
    • Y02B80/32Roof garden systems

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビルやマンションなどのテラスや屋上などの
人工地盤上で植物を栽培するのに適した植物栽培構造と
その装置を提供することにある。 【構成】 発泡体板から成る排水基板14の上に、根張
り層16と、ヒノキの樹皮と杉の樹皮とを主原料にして
形成された固定培地18とを積層して植物栽培構造20
を構成した。また、かかる植物栽培構造20において、
固定培地18に水分検知器22と給水管24を埋設し、
また排水基板14に温水パイプ28を設けて植物栽培装
置10を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は植物栽培構造及びその装
置に関し、特にたとえばマンションのベランダなどの人
工地盤上で植物を栽培するための植物栽培構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
都市化が進む中で植物の生育面積が年々減少している。
植物の生育面積の減少は地球の温暖化現象などとも関係
し、人の居住空間における緑化の促進が望まれている。
また、居住空間の緑化は人間に潤いと安らぎを与え、精
神的,肉体的に健全なものとする重要な要素である。と
ころが、マンションやビルなどにおける緑化は鉢植えな
どが主流で、ベランダやテラスなどには緑化とは程遠い
樹脂製の人工芝生を敷くのが通例であった。
【0003】ところで、従来の一般的な植物栽培構造は
図5に示すように、最下層に砂礫などから成る排水層1
を設け、その上に砂などから成る準排水層2を設け、更
にその上に所定の厚さを成す土から成る固定培地3を積
層した構造を成している。この植物栽培構造において、
たとえば草木などの植物4を栽培するにはその植物の種
類に応じて固定培地3の層を厚くする必要があるが、か
かる植物栽培構造は嵩高く且つ重量が非常に重くなり、
しかも土や砂などの資材の供給が難しく、また工期が長
くなるためコストアップになるという問題があった。特
に、この植物栽培構造は重量が重いため、この植物栽培
構造をビルの屋上などに構築するには、それらの重量に
よってビルが倒壊しないように、ビルの強度を高める必
要がある。ところが、ビルの強度を高める場合、ビルの
建築コストも大幅に増加してしまうことになる。
【0004】一方、重量軽減のために固定培地3などの
層圧を薄くすると、土など固定培地3の保水力は大きく
ないため、日照により乾燥してしまい、植物4が枯れて
しまう。草花などの植物4が生育するにはある程度の層
の厚さを必要とし、この厚さは決して薄いと言えるもの
ではなかった。したがって、この植物栽培構造はビルの
屋上やベランダなどを緑化する工法としては不適合であ
った。
【0005】そこで、本発明者らはこれらの問題を解決
するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る植物栽培構
造の要旨とするところは、所定の厚さを有する発泡体板
の表面から裏面に水を通す透水孔を有し、該透水孔を通
った水を外部に排出する排水基板と、前記排水基板の表
面側に積層されるヒノキの皮と杉の皮を主原料とする固
定培地とを備えて成ることにある。
【0007】かかる本発明の植物栽培構造において、前
記排水基板が所定の厚さを有する発泡体板の表面に保水
用の凹陥部を有するとともに、該凹陥部内に流入した所
定量以上の水を裏面側に通す透水孔と、該透水孔を通っ
た排水を外部に導く溝を備えていることにある。
【0008】また、かかる植物栽培構造において、前記
固定培地がヒノキの皮と杉の皮を主原料とする繊維層を
バインダーで固定したものであることにある。
【0009】更に、かかる植物栽培構造において、前記
排水基板と固定培地との間に通気性及び通水性を有する
とともに植物の根を通さない根張り層を配設したことに
ある。
【0010】また、かかる植物栽培構造において、前記
排水基板と固定培地とを係止具により一体的に固定した
ことにある。
【0011】更に、かかる植物栽培構造において、前記
排水基板の下面に防水層を配設したことにある。
【0012】次に、本発明に係る植物栽培装置の要旨と
するところは、該固定培地に当該固定培地中の水分を検
知する水分検知器を埋設したことにある。
【0013】また、他の植物栽培装置の要旨とするとこ
ろは、該固定培地に表面が通水性を有する給水管を埋設
したことにある。
【0014】更に、他の植物栽培装置の要旨とするとこ
ろは、該固定培地に当該固定培地中の水分を検知する水
分検知器を埋設するとともに表面が通水性を有する給水
管を埋設し、該水分検知器からの信号に基づき給水管に
水又は肥料入りの水を給水し得るようにしたことにあ
る。
【0015】また、他の植物栽培装置の要旨とするとこ
ろは、該排水基板に加熱手段を配設したことにある。
【0016】かかる植物栽培装置において、温度センサ
を配設し、該温度センサの信号により前記加熱手段を作
動させるようにしたことにある。
【0017】
【作用】かかる本発明の植物栽培構造は、排水基板の上
に所定の固定培地を積層した構造をしていて、この固定
培地に芝生や草花などの植物が植えられる。このヒノキ
の皮と杉の皮を主原料とした固定培地は保水性に優れる
とともに主原料であるヒノキの皮と杉の皮が有する殺菌
作用により、植えられた植物が乾燥して枯れてしまうの
が防止され、また、病虫害から保護される。更に、植物
や固定培地に害虫などを発生させ難く且つ寄せ付け難い
ことから、殺虫剤の散布の必要が少なく、また、かかる
植物栽培構造が配設されたビルやマンションの室内に病
害虫を引き寄せることも少ない。次に、固定培地上に降
った雨水や散布された水は所定量、固定培地に保水さ
れ、その残りは排水基板上に流れる。排水基板上に流れ
た水は排水基板に設けられた透水孔を通ってその裏面側
に流れ、外部に排水される。したがって、植物が根腐れ
したり、固定培地自体が水に浸かって腐ることはない。
また、排水基板は発泡体板から構成されていて保温性に
優れているため、かかる植物栽培構造は外気温の変化に
対してほぼ一定に保たれる。
【0018】かかる本発明において、排水基板の表面側
に保水用の凹陥部を設けるとともに透水孔を配設して、
その凹陥部に所定量の水を貯える一方、それを越える水
は透水孔から裏面側に通し、溝に沿って排水するように
構成することにより、固定培地に撒水された水はその一
部が固定培地に保水され、その残りの一部が凹陥部に保
水され、更にその残りは外部に排水される。凹陥部に貯
水された水は固定培地の乾燥状態などに応じて蒸発し、
固定培地に水分を与え、固定培地が乾燥して植物が枯れ
るのを防止する。
【0019】また、かかる本発明において、固定培地を
ヒノキの樹皮と杉の樹皮から成る繊維層、あるいはこれ
らを主原料としてそれに他の樹皮やロックウール、ある
いは合成樹脂繊維などを適度に混在させて成る繊維層を
バインダーで固定して構成することができる。バインダ
ーとして合成樹脂などを用いて繊維層を固定しても良
く、あるいは織布や不織布などで包むなどによって固定
しても良い。これにより、固定培地の上を人が歩行して
も固定培地が崩れることはなく、また、古くなった固定
培地を新しいものと交換するのが容易となる。
【0020】更に、かかる本発明において、排水基板と
固定培地との間に根張り層を配設することにより、固定
培地に植えられた植物の根が排水基板に絡み付くのを防
ぐことができ、固定培地の取替えが容易になる。
【0021】また、排水基板と固定培地、あるいは排水
基板と根張り層及び固定培地の積層体を係止具により一
体的に固定することによって、組立てられた状態で搬送
し、設置することができる。したがって、固定培地に芝
生などが自生している状態で搬送し、設置することがで
き、また、係止具を外して固定培地のみを取り替えるこ
とができる。更に、係止具で排水基板と固定培地とを一
体的に固定することにより、たとえば樹木を植えた場
合、樹木は固定培地を持ち上げて根から横転することは
ない。
【0022】更に、かかる本発明において、排水基板の
下に防水層を配設することにより、排水基板の下部や外
周部から排出される水がビルやマンションの屋内に漏水
として流入するのが防止される。
【0023】次に、上述した各種の構造を備えた植物栽
培構造から成る植物栽培装置において、固定培地中に水
分検知器を埋設し、その水分検知器からの信号により撒
水時期などを知り得るように構成することができる。か
かる構成により、水分不足によって植物が枯れたり、逆
に水分の過剰による植物の根腐れを防止し、最適な状態
で植物の育成を図ることができる。
【0024】また、上述した各種の構造を備えた植物栽
培構造から成る植物栽培装置において、固定培地中の適
宜箇所に多孔質管など、表面が通水性を有する給水管を
埋設することにより、固定培地の中からその固定培地に
給水することができる。したがって、給水によって固定
培地に植えられた芝生などの植物自体が濡れることはな
く、安心して芝生の上などを歩くことができる。
【0025】更に、前述の植物栽培構造から成る植物栽
培装置において、固定培地中の適宜箇所に水分検知器と
給水管とを配設し、水分検知器からの信号に基づいて自
動的に又は半自動的に給水管に給水し得るように構成す
ることにより、最適の状態で植物の生育を図ることがで
き、更に省人化を図ることができる。
【0026】次に、前述の植物栽培構造から成る植物栽
培装置において、排水基板に加熱手段を配設することに
より、外気温あるいは固定培地などの温度がたとえば氷
点下以下に下がったとき、加熱手段によって排水基板及
びそれを介して固定培地を加熱し、凍結を防止して、排
水を確保するとともに植物の生育を助け、また促進する
ことができる。
【0027】また、かかる植物栽培装置において、温度
センサを固定培地中の温度、あるいは外気温、又は設置
部であるテラスやベランダなどの床温度などを測定し得
る箇所に配置し、その温度センサの信号に基づき加熱手
段を作動させるように構成することができる。かかる構
成により、外気温の影響を受けて凍結し易いテラスなど
に植物栽培装置を配設しても、凍結に伴う不具合を解消
することができる。
【0028】
【実施例】次に、本発明に係る植物栽培構造及びその装
置の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
【0029】図1は植物栽培装置10を示す図であり、
この植物栽培装置10は防水層12の上に排水基板14
と根張り層16と固定培地18を積層して構成される植
物栽培構造20に、水分検知器22と給水管24と給水
施肥タンク26と温水パイプ28が配設されて構成され
ている。かかる植物栽培装置10はビルやマンションの
テラスやベランダあるいは屋上の全面又は一部のコンク
リート面30の上に配置されて用いられる。
【0030】先ず排水基板14は所定の厚さを有する発
泡体板32から構成され、この発泡体板32の表面側に
保水用の凹陥部34が設けられるとともに、その凹陥部
34に流入した所定量以上の水を裏面側に通す透水孔3
6が設けられ、更に透水孔36を通って裏面側に排出さ
れた水を外部に導く溝38が設けられて構成されてい
る。排水基板14を構成する発泡体板32はたとえば発
泡ポリスチレン系樹脂、発泡ポリエチレンや発泡ポリプ
ロピレンなどの発泡ポリオレフィン系樹脂、スチレンと
エチレンやプロピレンとの共重合体を発泡させるように
した発泡樹脂などが用いられて、より好ましくはビーズ
成形法により形成され、更にこれら1種又は2種以上の
材料を組み合わせて一体的に形成されても良い。特に、
これらの中で耐圧性、耐久性、断熱性などに優れた材質
が好ましく、排水基板14の上に積層された固定培地1
8や人の体重などに長期間耐え、しかも冬期あるいは夏
期における低温あるいは高温から植物を保護するために
断熱性に優れているのが好ましい。
【0031】排水基板14の上面には根張り層16が積
層されていて、この根張り層16は固定培地18に植え
られた植物40の根が伸びて排水基板14に絡み付かな
いように、根の成長方向を変えるためのものであり、更
に、固定培地18から落下した破片などによって排水基
板14の透水孔36などが詰まらないようにするための
ものである。したがって、これらが問題とならない場合
は、必ずしも根張り層16を必要としない。根張り層1
6は固定培地18に散布された水を排水基板14に通
し、逆に排水基板14の保水用の凹陥部34から気化し
た水を通す材質によって構成されていて、たとえば樹脂
やセラミックなどから成る多孔質板や、織布あるいは不
織布などが用いられる。
【0032】上述の排水基板14の上面には根張り層1
6を介して固定培地18が積層されていて、この固定培
地18に芝生などの植物40が植えられている。固定培
地18はヒノキの樹皮と杉の樹皮をそれぞれ所定の割合
で混合して成る繊維層や、かかる繊維層を主原料にして
ロックウールや樹脂繊維などや他の樹木のチップや樹皮
の繊維を混在させたものなどが用いられる。特に、ヒノ
キの樹皮と杉の樹皮から成る繊維層はヒノキや杉が本来
有するヒノキチオールなどの有効成分を損なわないよう
に加工されていて、たとえばヒノキチオールの抗菌作用
などを利用して、固定培地18に植えられた植物40の
病気を防止すると同時に、植物40に付く害虫などを排
除するようにされている。したがって、排水基板14の
凹陥部34や固定培地18に虫が発生したり、植えられ
た植物40に虫がよってこないため、ビルやマンション
などの室内に虫が入ってくることはない。このヒノキの
樹皮と杉の樹皮を主原料にする固定培地18は樹脂など
によるバインダーや樹脂繊維などによって覆われて固定
されていて、分散しないようにされているのが好まし
い。かかる構成の固定培地18は通常の土やロックウー
ルなどの人工の固定培地と比較して、保水性、通気性、
貯水性、保温性に優れていて、固定培地18の厚さを薄
くしても芝生や草花などの植物の生育に支障を来すこと
はない。
【0033】この固定培地18には水分検知器22と給
水管24が埋設されていて、水分検知器22によって固
定培地18中の水分が検知され、固定培地18中の水分
濃度すなわち乾燥の程度を知らしめるように構成されて
いる。一方、給水管24は樹脂やセラミックなどから成
る多孔質管や、細孔が多数形成された鋼管など、表面が
通水性を有する管により形成されていて、給水施肥タン
ク26から供給された水、あるいは肥料が溶解された水
は給水管24の表面から外部に滲み出て、あるいは噴き
出て、固定培地18は給水又は施肥される。ここで、給
水管24による給水は水分検知器22の信号により、給
水施肥タンク26から予め設定された一定量が給水され
るか、あるいは固定培地18に浸透した水分を水分検知
器22が検知して、その水分検知器22の信号により給
水施肥タンク26からの給水を停止させるように構成さ
れる。このように、給水管24による給水・施肥は固定
培地18に植えられた植物40に直接、水が掛からない
ため、給水中に固定培地18の上を歩いていても足が濡
れることはない。
【0034】固定培地18に給水された水は、固定培地
18に保水(貯水)され、その残りは根張り層16を通
って排水基板14の上に流れ出る。排水基板14上に流
れ出た水はその表面側に形成された保水用の凹陥部34
内に溜まり、その凹陥部34から溢れ出た水は透水孔3
6を通って排水基板14の裏面側に導かれ、防水層12
の上を排水基板14に形成された溝38に沿って排水さ
れる。なお、凹陥部34に貯水された水は固定培地18
の乾燥の程度に応じて蒸発し、固定培地18に水分を補
給することになる。
【0035】排水基板14とそれが配設されるテラスな
どのコンクリート面30との間に敷設される防水層12
は、排水基板14の透水孔36を通って排出された水が
コンクリート面30に生じたひび割れなどから侵入し
て、屋内や階下に漏水事故を生じさせないようにするた
めのものである。したがって、排水基板14が配設され
るテラスなどのコンクリート面30に防水処理が施され
ている場合は、必ずしも防水層12を必要としない。こ
の防水層12は耐水性、耐久性を有する樹脂あるいはゴ
ムなどによって一体的に形成され、防水層12をコンク
リート面30に接着して用いても良い。
【0036】なお、排水基板14に温水パイプ28を配
設して、たとえば太陽熱温水器などによって得た温水を
導通させて、排水基板14やそれを介して固定培地18
を加熱するように構成しても良い。テラスやベランダな
どは冬期、放熱によって氷点下に下がり、固定培地18
や排水基板14は凍結し易くなる。そこで、温水パイプ
28に温水を流して排水基板14及び固定培地18を加
熱し、固定培地18に植えられた植物40を凍結から保
護するとともに、透水孔36などの凍結を防止して排水
を確保するように構成するのが好ましい。ここで、排水
基板14あるいは固定培地18、又はコンクリート面3
0などに温度センサを配設しておき、かかる温度センサ
からの信号により温水を流すように構成しても良い。
【0037】また、同図中に示す符号42は係止具であ
り、この係止具42は樹脂製のベルトなどから構成され
ていて、排水基板14、根張り層16及び固定培地18
を一体的に係止するためのものである。係止具42によ
り植物栽培構造20を一体的に固定し、あるいはこの植
物栽培構造20に給水管24や水分検知器22などを組
み付けた植物栽培装置10を一体的に固定し、所定の場
所への搬入、あるいは取替えなどに伴う搬出を容易にす
ることができる。また、固定培地18の上を人が歩行し
ているときに、積層されている排水基板14と固定培地
18とが滑らないようにする効果がある。
【0038】以上、本発明の一実施例を詳述したが、本
発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その他
の態様でも実施し得るものである。
【0039】たとえば、図2に示すように、排水基板4
4はその表面側に縦横に溝46,47が設けられてい
て、そのうち溝46の奥に透水孔48と保水用の凹陥部
50が形成されている。したがって、溝46に流れ込ん
だ水は一部が凹陥部50に貯水されるとともに、その残
りは透水孔48を通って排水基板44の裏面側に排水さ
れる。また、溝47に流れ込んだ水はその溝47に沿っ
て流れ、排出される。
【0040】本発明に用いられる排水基板は例示した実
施例に限定されるものではなく、種々の形態のものが用
いられる。排水基板は保水用の凹陥部を有するものが好
ましいが、凹陥部は必ずしも必要ではなく、排水基板は
固定培地に給水された水のうち余分な水を迅速に排水し
得るもので足りる。したがって、所定の面積をもった排
水基板において、少なくともその表面から裏面へ水を通
す透水孔を有し、その透水孔を通った水を外部に排出し
得るように構成されていれば足りる。
【0041】次に、図3に示すように、固定培地18の
上面にメッシュ状の押さえ部材52を配設し、この押さ
え部材52から延び出す係止部材54によって固定培地
18と排水基板56とを強固に係止し得るように係止具
58を構成しても良い。このような係止具58を用いて
固定培地18を排水基板56と固定し、押さえ部材52
によって覆われていない箇所に芝生や草花などを密に自
生させても良いが、特に押さえ部材52の棒部材60を
一部切除して所定の領域61を形成し、その領域61に
小型の樹木62を植えても良い。固定培地18の深さが
浅い場合などにおいては、根が固定培地18に張ってい
ても樹木62は固定培地18ごと持ち上げて横転してし
まうことになる。しかし、本例に示すように、メッシュ
状の押さえ部材52によって固定培地18の表面を押さ
えるとともに、係止部材54によって固定培地18と排
水基板56とを一体的に固定することにより、樹木62
は排水基板56を持ち上げない限り横転することはな
い。
【0042】本実施例に示すように、ヒノキの樹皮及び
杉の樹皮を主原料とする固定培地18は比較的圧縮強度
があるため、このような係止具58によって固定培地1
8と排水基板56とを強固に挾持することができる。ま
た、給水管24を固定培地18に埋設することによっ
て、固定培地18と排水基板56との固定がより一層強
固なものとなり、樹木の横転を防止することができる。
【0043】本実施例において、メッシュ状の押さえ部
材52は固定培地18の上面に露出させた状態で配置し
た場合、たとえば芝生などを植えて、その押さえ部材5
2を覆い隠すようにするのが好ましい。また、メッシュ
状の押さえ部材52を固定培地18の上面近傍部に埋設
し、外観上、押さえ部材52が見えないようにしておく
のがより好ましい。なお、押さえ部材の形状などは図示
に限定されるものではなく、任意に構成し得るものであ
る。
【0044】本発明に係る植物栽培構造又は植物栽培装
置はビルやマンションなどのテラスやベランダ、あるい
は屋上などのコンクリート面の上に設置することを主と
して意図しており、かかるコンクリート面の上に固定培
地に給水した水などが流れることになる。そこで、防水
のためにコンクリート面の上には防水層が敷設されるの
であるが、防水層上の水は円滑に外部へ排出されるのが
好ましい。このため、コンクリート面に予め傾斜が付い
ている場合は、防水層はシート状のものが用いられる。
一方、コンクリート面に傾斜が付いていない場合は、図
4に示すように、防水層64に傾斜面66を付けたもの
を用いるのが好ましい。また、この本実施例に示すよう
に、防水層64のコンクリート面68と接する面に端部
が外部に開放されたU溝70を設けておくのが好まし
い。防水層64にU溝70を設けることにより、コンク
リート中に含まれる水分を発散させることができ、特に
新築の建築物に好ましい。
【0045】以上、本発明の実施例を図面に基づいて説
明したが、本発明はこれらの図示した例示に限定される
ものではなく、本発明に係る植物栽培構造は少なくとも
排水基板とヒノキの樹皮と杉の樹皮を主原料とする固定
培地とを備えて構成されていれば良い。また、本発明に
係る植物栽培装置は上記植物栽培構造を備えて装置とし
て構成されていて、設置現場で施工し得るものであって
も、あるいはたとえば工場などでユニット化されてい
て、設置現場で組立てるものであっても良い。
【0046】また、本発明に係る植物栽培装置におい
て、固定培地に水分検知器のみを埋設しておき、その水
分検知器からの信号により固定培地中の水分濃度をレベ
ルで表示したり、あるいは給水時期をランプや音声など
によって知らせるように構成しても良い。本例において
は、芝生などの植えられた固定培地の上に撒水すること
によって給水することになる。更に、本発明に係る植物
栽培装置において、固定培地に給水管のみを埋設してお
いても良く、かかる場合、季節に応じて適切な時期に適
宜給水を行うことになる。
【0047】更に、前述の実施例では排水基板に温水パ
イプを設けておき、たとえば太陽熱温水器などによって
加熱された温水を流し、排水基板を介して固定培地を加
熱するように構成していたが、排水基板などに電気抵抗
体から成るヒータを配設し、そのヒータによって固定培
地を加熱し、あるいはほぼ一定の温度に保温するように
しても良い。固定培地を加熱,保温することにより、固
定培地の凍結による植物の枯死を防止したり、植物の発
芽,生育の促進を図ることができる。
【0048】その他、植物栽培装置において、温度セン
サを配設することにより、この温度センサからの信号に
基づいて固定培地を最適の温度に管理することができ
る。また、固定培地に植物を生育するのにあたり、植物
の種を紙シートなどに接着して成る植栽マットを用いて
も良いなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、
当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加え
た態様で実施し得るものである。
【0049】
【発明の効果】本発明に係る植物栽培構造及びその装置
は、ヒノキの樹皮と杉の樹皮を主原料とする固定培地
と、排水基板とから構成されているため、その固定培地
に給水された水や肥料のうち余分なものを迅速に排水す
ることができ、固定培地が水に漬かって腐敗してしまう
のを防止することができる。また、排水基板は保温性に
優れた発泡体板から構成されているため、温度変動が大
きいビルやマンションのテラスやベランダあるいは屋上
のコンクリート面の上であっても、ほぼ一定の温度を保
つことができる。更に、固定培地はヒノキの樹皮と杉の
樹皮とを主原料として構成されているため、それらの原
料が有する抗菌作用などによって植物の病気などを防ぐ
ことができ、しかも虫を寄せ付けないため、快適な生活
空間が得られるなどの効果がある。
【0050】また、排水基板に保水用の凹陥部を設ける
ことにより、固定培地の乾燥を防ぐことができ、長期間
にわたって給水をしなくとも、植物が枯死することはな
い。更に、給水管を固定培地に埋設して、その固定培地
の内部から給水を行うように構成することにより、固定
培地の上を歩行しているときでも給水を行うことができ
る。また、水分検知器を配設することにより、適切な時
期に給水を行うことができる。
【0051】更に、係止具により固定培地と排水基板と
を係止するように構成することによって、植物栽培構造
及び装置の搬送などが容易になるだけでなく、固定培地
と排水基板とが一体的に固定されることにより、樹木な
どを転倒しないように植えることも可能となる。
【0052】また、温水パイプなどの加熱手段を配設す
ることにより、固定培地の凍結を防止することができる
だけでなく、植物の発芽,生育の促進を図ることができ
るなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る植物栽培構造及びその装置の一実
施例を説明するための断面説明図である。
【図2】本発明に係る植物栽培構造及びその装置に用い
られる排水基板の他の実施例を示す一部破砕斜視図であ
る。
【図3】本発明に係る植物栽培構造及びその装置の他の
実施例を説明するための図であり、図(a) は要部平面
図、図(b) は断面説明図である。
【図4】本発明に係る植物栽培構造及びその装置に用い
られる防水層の他の実施例を示す側面断面図である。
【図5】従来の植物栽培構造の一例を示す断面説明図で
ある。
【符号の説明】
10;植物栽培装置 12,64;防水層 14,44,56;排水基板 16;根張り層 18;固定培地 20;植物栽培構造 22;水分検知器 24;給水管 26;給水施肥タンク 28;温水パイプ 30,68;コンクリート面 32;発泡体板 34,50;保水用の凹陥部 36,48;透水孔 40;植物 42,58;係止具 62;樹木

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の厚さを有する発泡体板の表面から
    裏面に水を通す透水孔を有し、該透水孔を通った水を外
    部に排出する排水基板と、 前記排水基板の表面側に積層されるヒノキの皮と杉の皮
    を主原料とする固定培地とを備えて成ることを特徴とす
    る植物栽培構造。
  2. 【請求項2】 前記排水基板が所定の厚さを有する発泡
    体板の表面に保水用の凹陥部を有するとともに、該凹陥
    部内に流入した所定量以上の水を裏面側に通す透水孔
    と、該透水孔を通った排水を外部に導く溝を備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載する植物栽培構造。
  3. 【請求項3】 前記固定培地がヒノキの皮と杉の皮を主
    原料とする繊維層をバインダーで固定したものであるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載する植物栽
    培構造。
  4. 【請求項4】 前記排水基板と固定培地との間に通気
    性,通水性を有するとともに植物の根を通さない根張り
    層を配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の
    いずれかに記載する植物栽培構造。
  5. 【請求項5】 前記排水基板と固定培地とを係止具によ
    り一体的に固定したことを特徴とする請求項1乃至請求
    項4のいずれかに記載する植物栽培構造。
  6. 【請求項6】 前記排水基板の下面に防水層を配設した
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記
    載する植物栽培構造。
  7. 【請求項7】 前記請求項1乃至請求項6のいずれかに
    記載する植物栽培構造から成る植物栽培装置であって、
    該固定培地に当該固定培地中の水分を検知する水分検知
    器を埋設したことを特徴とする植物栽培装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項1乃至請求項6のいずれかに
    記載する植物栽培構造から成る植物栽培装置であって、
    該固定培地に表面が通水性を有する給水管を埋設したこ
    とを特徴とする植物栽培装置。
  9. 【請求項9】 前記請求項1乃至請求項6のいずれかに
    記載する植物栽培構造から成る植物栽培装置であって、
    該固定培地に当該固定培地中の水分を検知する水分検知
    器を埋設するとともに表面が通水性を有する給水管を埋
    設し、該水分検知器からの信号に基づき給水管に水又は
    肥料入りの水を給水し得るようにしたことを特徴とする
    植物栽培装置。
  10. 【請求項10】 前記請求項1乃至請求項6のいずれか
    に記載する植物栽培構造から成る植物栽培装置であっ
    て、該排水基板に加熱手段を配設したことを特徴とする
    植物栽培装置。
  11. 【請求項11】 前記請求項10に記載する植物栽培装
    置において、温度センサを配設し、該温度センサの信号
    により前記加熱手段を作動させるようにしたことを特徴
    とする植物栽培装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0887A (ja) * 1994-06-23 1996-01-09 Eiichi Tajima 植栽装置
JP2005333801A (ja) * 2004-05-24 2005-12-08 Techno Works:Kk 人工土壌セット

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