JPH0532870U - 圧力容器の補強構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外形を大型化したり、内部構造物の収納スペ
ースを犠牲にすることなく、角形の圧力容器の耐圧性を
高める。 【構成】 内部に構造物２を収納する角形の圧力容器の
補強構造であって、容器本体１の壁板１ａの内面にフッ
ク４が設けられ、内部構造物２のビーム状の取付部材３
には、前記フック４に対応する係合部５が形成され、フ
ック４は、係合部５に係合して取付部材３を壁板１ａに
引き寄せ固定するようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ガス開閉器の容器のように、内部に構造物を収納する比較的低圧の 圧力容器の補強構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ガス開閉器に使用される圧力容器としては、円筒形のものと、角形のも のとがある。角形の圧力容器では、通常、図４に示すように、容器本体２１の外 面に補強リブ２２が取り付けられる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記の円筒形の圧力容器では、応力が全周に均等に分散するので、薄板材でも 高圧力に耐えるものを製作しうるという利点があるが、内部構造物との間に大き な隙間ができやすく、内部容積を最大限に利用することが難しい。また、設置個 所では、円筒の周りにデッドスペースができ、全体として大きな設置スペースを 必要とする。

【０００４】 一方、角形の圧力容器では、外圧や内圧により壁板が変形しやすい。そのため 、図４に示したような補強リブ２２が必要となり、この補強リブ２２の分だけ、 外形が大型化する。もちろん、このような補強リブは、容器の内部に設けること もできるが、その場合は、容器自体が大型化する。

【０００５】 このように、従来の圧力容器では、外形を大型化せずに、耐圧性を高めること は難しい。

【０００６】 本考案は、かかる従来の問題に鑑みてなされたものであって、内部構造物が通 常有する部材を利用することにより、外形を大型化したり、内部構造物の収納ス ペースを犠牲にすることなく、角形の圧力容器の耐圧性を高めることを課題とす る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の課題を達成するために、内部に構造物を収納する角形の圧力 容器の補強構造であって、容器本体の壁板の内面にフックが設けられ、内部構造 物のビーム状の取付部材には、前記フックに対応する係合部が形成され、フック は、係合部に係合して取付部材を壁板に引き寄せ固定するようにした。

【０００８】

【作用】

上記構成によれば、フックと係合部との係合により、ビーム状の取付部材が壁 板の内面に張り付けられたように固定される。そのため、取付部材は、壁板の補 強リブとして作用することになり、外圧に対しても内圧に対しても、壁板の変形 を阻止する。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の詳細を図１ないし図３に示す一実施例に基づいて説明する。図 １は、本考案の一実施例に係る補強構造を備えた圧力容器の縦断面図、図２はそ の横断面図、図３は要部の分解斜視図である。

【００１０】 これらの図において、符号１は容器本体、１ａは、容器本体１を構成する壁板 、２は、容器本体１の内部に収納される構造物である。構造物２は、通常、ビー ム状の取付部材３を備えており、この取付部材３を介して容器本体１の内部に固 定される。

【００１１】 容器本体１の少なくともひとつの壁板１ａの内面には、ほぼＬ字形のフック４ が固着されている。フック４は複数あって、その先端を同一の向きにして、前記 取付部材３の取付個所に沿って２列に並列している。

【００１２】 一方、内部構造物２の取付部材３は、この例では断面コ字形であり、そのコ字 形両辺には、前記フック４に対応して同数の係合孔５，…が形成されている。そ して、取付部材３を壁板１ａ内面の所定位置に当てがった状態では、各係合孔５ にフック４の先端が嵌入係合するようになっている。

【００１３】 上記構成において、取付部材３の係合孔５にフック４を引掛けることで、内部 構造物２が容器本体１内に固定されるとともに、取付部材３は、壁板１ａ内面に 引き寄せられて、壁板１ａに接触した状態で固定される。そのため、取付部材３ は、壁板１ａと一体化して壁板１ａの補強リブのように作用する。

【００１４】 すなわち、外圧で壁板１ａが凹入変形しようとするときは、取付部材３が壁板 １ａを受け止めて、それ以上の変形を阻止する。また、内圧により壁板１ａが外 側に膨出しようとするときは、取付部材３は、フック４を介して壁板１ａの膨出 変形を阻止する。

【００１５】 なお、図示例では、容器本体１の各壁板のうち、ひとつの壁板１ａについての みフック４を設けたが、他の壁板にもフックを設けて、該壁板に、内部構造物２ の一部であるビーム状の部材を引き寄せ固定するようにしてもよい。

【００１６】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、内部構造物の一部である取付部材が、容 器本体の内部で壁板の補強リブとして作用することになるから、耐圧性が向上す る。この場合、内部構造物の一部を利用するから、収納スペースを犠牲にするこ とがなく、また、外形を大型化することもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る圧力容器の縦断面図。

【図２】上記圧力容器の横断面図。

【図３】上記圧力容器の要部の分解斜視図。

【図４】従来の圧力容器の外観斜視図。

【符号の説明】

１ 容器本体 １ａ 壁板 ２ 内部構造物 ３ 取付部材 ４ フック ５ 係合孔（係合部）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に構造物（２）を収納する角形の圧
   力容器の補強構造であって、 容器本体（１）の壁板（１ａ）の内面にフック（４）が
   設けられ、 内部構造物（２）のビーム状の取付部材（３）には、前
   記フック（４）に対応する係合部（５）が形成され、 フック（４）は、係合部（５）に係合して取付部材
   （３）を壁板（１ａ）に引き寄せ固定するものである、 ことを特徴とする圧力容器の補強構造。