JPH0532291Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はスクリーン印刷機に係り、特に作動
フレームに対するスキージの支持構造に関するも
のである。

（従来の技術） 一般にスクリーン印刷機においては、作動フレ
ームの下部にスキージ及び返し刃が並設支持さ
れ、作動フレームが被印刷物上のスクリーン版に
沿つて移動されながら、スキージがスクリーン版
に押付けられてスクリーン版上のインキがスクリ
ーン版を通して被印刷物に印刷されると共に、返
し刃によりスクリーン版上の残余のインキがかき
取られるようになつている。

そして、前記スキージ及び返し刃は作動フレー
ムに対し着脱可能に支持され、印刷の終了後等に
おいて、スキージ及び返し刃を作動フレームから
取外して別の作業台上でスキージおよび返し刃に
付着しているインキを清掃除去していた。

（考案が解決しようとする課題） ところが、前記スキージ及び返し刃を取外して
清掃する際、そのスキージ及び返し刃にはインキ
が付着した状態にあるため、そのインキが印刷機
の他の部分に接触したりたれたりして、その部分
を汚すおそれがあると共に、インキが作業者の手
にも付着しやすくて、スキージ及び返し刃のイン
キ清掃作業が非常に面倒であるという問題点があ
つた。

この考案は、このような従来の技術に存在する
問題点に着目してなされたものであつて、その目
的とするところは、スキージ及び返し刃に付着し
たインキの清掃除去を、印刷機の他の部分や作業
者の手等を汚すことなく容易に行うことができる
スクリーン印刷機におけるスキージの支持構造を
提供することにある。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、この考案のスク
リーン印刷機においては、作動フレームの下部に
スキージ及び返し刃を並設支持し、作動フレーム
を印刷テーブルに載置した被印刷物上のスクリー
ン版に沿つて移動させながら、スキージをスクリ
ーン版に押付けてスクリーン版上のインキを被印
刷物に印刷すると共に、返し刃によりスクリーン
版上の残余のインキをかき取るようにしたスクリ
ーン印刷機において、前記作動フレームに印刷テ
ーブルの上面と平行な軸線を中心として作動フレ
ームの移動方向に回動可能に支持された取付部材
と、その取付部材に前記取付部材の回転軸線と平
行な軸線を中心として回動可能に支持され、前記
スキージを着脱可能に保持する保持部材と、前記
作動フレームと取付部材との間に設けられ、取付
部材を回動調節してスキージがスクリーン版に所
定角度で対応した状態にて、取付部材を作動フレ
ームに固定する第１の固定部材と、前記取付部材
と保持部材との間に設けられ、スキージを保持部
材と共に、スクリーン版と対応した作用位置とそ
の作用位置から前記返し刃と反対側に退避した不
作用位置とに回動させた状態で、保持部材を取付
部材に固定する第２の固定手段とを設けたもので
ある。

（作用） 上記のように構成されたスクリーン印刷機にお
いて、印刷の終了後等にスキージ及び返し刃に付
着しているインキを清掃除去する場合には、スキ
ージを保持部材と共に作用位置から不作用位置に
回動させることにより、スキージがスクリーン版
上から離間されると共に返し刃と反対側に配置さ
れ、この状態で、スキージ及び返し刃のインキ清
掃を容易に行うことができる。

又、このとき、作動フレームに対する取付部材
の固定角度位置は変化しないため、前記インキ清
掃後にスキージを保持部材と共に不作用位置から
作用位置に回動させれば、スキージがスクリーン
版と所定角度で対応した状態に戻り、その対応角
度を角度調節する必要は全くない。

（実施例） 以下、この考案を具体化したスクリーン印刷機
の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

第１図に示すように、印刷機は印刷テーブル１
を備え、その上面には被印刷物２及びスクリーン
版３が配置される。作動フレーム４は印刷テーブ
ル１の上方において横方向（第１図の左右方向）
へ移動可能に配設され、その内部には一対の昇降
体５，６が昇降可能に支持されている。返し刃７
はロツクレバー８により一方の昇降体５の下部に
取付けられ、スクリーン版３の上面に沿つてフレ
ーム４の移動方向に直交する方向に延びている。

一対の取付部材９は印刷テーブル１と平行に水
平に延びる支軸１０により、前記他方の昇降体６
の下部両側に作動フレーム４の移動方向と同方向
に回転可能に支持され、その上部には円弧状の長
孔１１が形成されている。第１の固定手段として
の固定ねじ１２は取付部材９の外側から長孔１１
を介して昇降体６に螺合され、この固定ねじ１２
によつて取付部材９が昇降体６に対し所定の回動
調節位置に固定される。

一対の保持部材１３は前記支軸１０と平行に延
びる支軸１４により、前記両取付部材９に作動フ
レーム４の移動方向と同方向に回転可能に支持さ
れ、その下部には断面形ほぼ逆Ｌ字状の保持部１
５が設けられている。垂下片１６は保持部１５の
一側に垂設され、その下端には締付体１７が回動
可能に螺合されている。スキージ１８は締付体１
７により保持部材１３の保持部１５に着脱可能に
取付けられ、前記スクリーン版３上で返し刃７に
近接して平行に延びている。

円弧状の長孔１９は前記保持部材１３に形成さ
れ、この長孔１９を介して保持部材１３の外側か
ら取付部材９に第２の固定手段としての固定レバ
ー２０が基端のねじ部２１において螺合されてい
る。そして、この固定レバー２０を緩めた状態で
保持部材１３を支軸１４を中心に回動させること
により、長孔１９の両端とねじ部材２１との係合
にてスキージ１８を、第１図に示すようにスクリ
ーン版３と対応した作用位置と、第２図に示すよ
うにその作用位置から返し刃７と反対側に退避し
た不作用位置とに選択的に切替配置することがで
きる。又、スキージ１８が作用位置に配置された
状態において、前記第１の固定手段としての固定
ねじ１２を緩めて、取付部材９を支軸１０を中心
に回動させることにより、第１図に実線および鎖
線で示すように、スクリーン版３に対するスキー
ジ１８の対応角度を任意に変更調節することがで
きる。

次に、前記のように構成されたスクリーン印刷
機について作用を説明する。

さて、この印刷機を使用して印刷を行う場合に
は、まず前記のように固定ねじ１２を緩めた状態
で取付部材９を回動させ、スクリーン版３上に塗
布するインキ２２の性質、その他の条件に応じ
て、スクリーン版３に対するスキージ１８の対応
角度を調節し、その調節状態で固定ねじ１２を締
付けて取付部材９を昇降体６に固定する。その
後、スクリーン版３上にインキ２２を配置し、昇
降体５を下降させてスキージ１８をスクリーン版
３に対接させ、この状態で作動フレーム４が第１
図の右方に移動されると、スキージ１８がスクリ
ーン版３に押付けられながら移動されてインキ２
２がスクリーン版３を通して被印刷物２に印刷さ
れたのち、スクリーン版３上に残つたインキ２２
が返し刃７によつてかき取られる。

このように印刷が行われ、所定枚数の被印刷物
２に対する印刷が終了して、スキージ１８及び返
し刃７に付着したインキ２２を清掃除去する必要
がある場合には、固定レバー２０を緩めた後、締
付体１７等にどり保持部材１３を第１図の時計方
向に回動させると、第２図に示すようにスキージ
１８がスクリーン版３上の作用位置から返し刃７
と反対側に退避したほぼ水平な不作用位置に配置
される。従つて、この状態で固定レバー２０を締
付けて保持部材１３を取付部材９に固定すれば、
スキージ１８が保持部材１３に取付けられたまま
の状態で、スキージ１８に付着してるインキを容
易に清掃除去することができる。

又、締付体１７を緩めれば、保持部材１３の保
持部１５上からスキージ１８を取外して別のスキ
ージと交換することができる。このスキージ１８
の取外し作業時には、スキージ１８のインキが清
掃除去されているため、インキが印刷機の他の部
分に接触したり、たれたりして、その部分を汚す
おそれがないと共に、作業者の手等を汚す心配も
ない。そして、スキージ１８を保持部材１３から
取外した状態で返し刃７の前方が開放されるた
め、この状態には返し刃７に付着しているインキ
を容易に清掃除去することができる。

このようにスキージ１８及び返し刃７の清掃等
を行つた後、固定レバー２０を緩めてスキージ１
８を保持部材１３と共に第２図の不作用位置から
反時計方向に回動させれば、長孔１９の一端が固
定レバー２０のねじ部２１に係合して、スキージ
１８が第１図に示す作用位置に規制配置される。
従つて、この状態で固定レバー２０を締付けて保
持部材１３を取付部材９に固定すれば、スキージ
１８は不作用位置に回動される前に調節設定され
ていたスクリーン版３と所定角度で対応する使用
位置に正確に位置決めされ、その対応角度を再調
節する必要は全くない。

（考案の効果） この考案は、以上説明したように構成されてい
るので、印刷の終了時等において、スキージ及び
返し刃が作動フレームに取付けられたままの状態
で、そのスキージ及び返し刃に付着しているイン
キの清掃除去を、印刷機の他の部分や作業者の手
等を汚すことなく、容易かつ清潔に行うことがで
きるという優れた効果を奏する。

又、この考案では、スキージ及び返し刃の清掃
を行つた後、スキージを作用位置に戻して次の印
刷を再開する場合、スクリーン版に対するスキー
ジの対応角度を再調節する必要がなく、取扱いを
簡単に行うことができるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化したスクリーン印刷
機の一実施例を示す要部断面図、第２図はスキー
ジが第１図の作用位置から不作用位置に回動配置
された状態を示す断面図である。 ２……被印刷物、３……スクリーン版、４……
作動フレーム、７……返し刃、９……取付部材、
１２……第１の固定手段としての固定ねじ、１３
……保持部材、１８……スキージ、２０……第２
の固定手段としての固定レバー、２２……イン
キ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 作動フレーム４の下部にスキージ１８及び返し
   刃７を並設支持し、作動フレーム４を印刷テーブ
   ル１に載置した被印刷物２上のスクリーン版３に
   沿つて移動させながら、スキージ１８をスクリー
   ン版３に押付けてスクリーン版３上のインキ２２
   を被印刷物２に印刷すると共に、返し刃７により
   スクリーン版３上の残余のインキ２２をかき取る
   ようにしたスクリーン印刷機において、 前記作動フレーム４に印刷テーブル１の上面と
   平行な軸線を中心として作動フレーム４の移動方
   向に回動可能に支持された取付部材９と、 その取付部材９に前記取付部材９の回転軸線と
   平行な軸線を中心として回動可能に支持され、前
   記スキージ１８を着脱可能に保持する保持部材１
   ３と、 前記作動フレーム４と取付部材９との間に設け
   られ、取付部材９を回動調節してスキージ１８が
   スクリーン版３に所定角度で対応した状態にて、
   取付部材９を作動フレーム４に固定する第１の固
   定部材１２と、 前記取付部材９と保持部材１３との間に設けら
   れ、スキージ１８を保持部材１３と共に、スクリ
   ーン版３と対応した作用位置とその作用位置から
   前記返し刃７と反対側に退避した不作用位置とに
   回動させた状態で、保持部材１３を取付部材９に
   固定する第２の固定手段２０と を設けたことを特徴とするスキージの支持構造。