JPH0532206U - 油圧倍力装置用リザーバ - Google Patents

油圧倍力装置用リザーバ

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JPH0532206U
JPH0532206U JP7970991U JP7970991U JPH0532206U JP H0532206 U JPH0532206 U JP H0532206U JP 7970991 U JP7970991 U JP 7970991U JP 7970991 U JP7970991 U JP 7970991U JP H0532206 U JPH0532206 U JP H0532206U
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誠 堀内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧ブースタからリザーバの流路に還流する
作動油をフィルタにより濾過すると共に、気泡によるフ
ィルタの目詰りを防止し、油圧ポンプの吸入抵抗を軽減
させる。 【構成】 リザーバR内の流路31の上流側に板状の第
1フィルタ43を設置して戻り管5に連なる濾過室33
を画成すると共に、この第1フィルタ43の上方に、給
油口キャップ25のブリーザ通路に通じる通気路47を
残存させ、また流路31の下流側に送出管4の開口部を
覆う第2フィルタ42を設置し、この第2フィルタ42
の網目を第1フィルタ43よりも粗くする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、油圧ブースタ及びマスタシリンダの組合せからなる油圧倍力装置の 作動油を貯留するリザーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧倍力装置用リザーバとして、油圧ブースタの流入口に油圧ポンプを 介して連なる送出管と、油圧ブースタの流出口に連なる戻り管と、これら送出管 及び戻り管の間を連通する流路と、送出管の流路への開口部に設置される筒状の フィルタとを備えたものが知られている(例えば実開平3−37071号公報参 照)。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上記のようなリザーバでは、油圧ブースタからリザーバに還流する作動油をフ ィルタにより濾過し、油圧ブースタから運ばれたゴミを取除いて清浄な作動油を 送出管へ送ることができるが、筒状のフィルタを使用しているため、作動油が戻 り管を通して該フィルタ内に吐出されるとき、減圧により比較的多量の気泡が発 生し、この気泡によるフィルタの目詰りが生じて流路抵抗が著しく増加すること がある。このような流路抵抗の増加は、油圧ポンプの負荷を増加させるという不 都合を招く。また、フィルタを通過した作動油が送出管に到達する間に気泡を発 生することもあるので、この気泡が油圧ポンプに吸入されて、その作動効率を低 下させる惧れもある。
【0004】 本考案は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、油圧ブースタから還流する作 動油をフィルタにより濾過すると共に、気泡によるフィルタの目詰りを防止して 流路抵抗を増加させず、しかも送出管への流入直前でも作動油から気泡を除去し て、油圧ポンプの作動効率を向上させ得る前記リザーバを提供することを目的と する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案は、油圧ブースタの流入口に油圧ポンプを 介して連なる送出管と、油圧ブースタの流出口に連なる戻り管と、これら送出管 及び戻り管の間を連通する流路とを備え、流路の一端側にこれを横断する板状の 第1フィルタを設置して戻り管に連なる濾過室を画成すると共に、該フィルタの 上方に外部に通じる通気路を残存させ、また流路の他端側に送出管の開口部を覆 う第2フィルタを設置したことを第1の特徴とする。
【0006】 また本考案は、上記特徴に加えて、第2フィルタの網目を第1フィルタの網目 より粗くしたことを第2の特徴とする。
【0007】
【実施例】
以下、図面により本考案の一実施例について説明する。
【0008】 まず図1において、ブレーキペダル1により操作される油圧ブースタBは、自 動車のエンジンルームにおいてダッシュボード前面にスタッドボルト2を介して 取付けられ、その前端には油圧ブースタBの出力により作動されるブレーキ用の タンデム型マスタシリンダMが連結される。これら油圧ブースタB及びマスタシ リンダMは、エンジンルームへの水平方向突出長さを短くし、且つメンテナンス 性を良くするために、前方上向きに配置される。
【0009】 マスタシリンダMの上側には、このマスタシリンダM及び油圧ブースタBに共 通の作動油を貯留するリザーバRが設置される。
【0010】 このリザーバRの下面には送出管4及び戻り管5が突設され、送出管4は、電 動モータその他の駆動手段6により駆動される油圧ポンプ7の吸入ポートに第1 ホース81 を介して接続され、この油圧ポンプ7の吐出ポートは油圧ブースタB の入口弁に連なる流入口9に第2ホース82 を介して接続され、この第2ホース 82 の中間部にアキュムレータ10が接続される。戻り管5は油圧ブースタBの 出口弁に連なる流出口11に第3ホース83 を介して接続される。
【0011】 図2及び図3において、リザーバRは平面視で略方形の箱形をなす単一の合成 樹脂製リザーバ本体12を備えており、このリザーバ本体12は成形上の都合か ら水平面で分割された上部及び下部半体13,14から構成される。これら上部 及び下部半体13,14の対向端にはフランジ13a,14aが形成されており 、この両フランジ13a,14aを互いに接着若しくは溶着により接合して両半 体13,14は結合される。
【0012】 リザーバRの底壁には、その下面の略中心部から突出する短い接続筒15が一 体に形成され、この接続筒15に取付板16が埋設されている。
【0013】 一方、マスタシリンダMのシリンダ本体17上側には、筒状の油溜18と、そ の内部を第1及び第2油溜室18a,18bに仕切る隔壁19とが突設され、第 1及び第2油溜室18a,18bからシリンダ本体17内の前,後一対の油圧室 に作動油をそれぞれ補給するようになっている。
【0014】 油溜18には前記接続筒15がOリング等のシール部材20を介して油密に嵌 合され、そして前記取付板16がビス21により隔壁19に固着される。この取 付板16は通孔22を有しており、作動油の流通を妨げない。
【0015】 上部半体13の上壁には、前記接続筒15と同軸上に給油口24が設けられ、 これにキャップ25が施される。
【0016】 下部半体14の底壁には、その上面から起立して前記接続筒15の上方開口部 を囲繞する案内筒23が一体に形成され、その上端は前記給油口24の直下で開 口する。この案内筒23には、その内外を連通する複数の縦スリット26が周方 向に間隔を置いて切られている。
【0017】 案内筒23内には、上端が前記給油口24に嵌合する円筒状のフィルタ27が 配設され、さらにこのフィルタ27内には、キャップ25に付設されたレベルセ ンサ28が配設される。このレベルセンサ28はリザーバR内の貯留油面が規定 レベル以下に低下したとき図示しない警報器に電気信号を出力する公知のフロー ト式のものである。フィルタ27は、接続筒15の取付板16上に支承される複 数の脚片27aを備えている。
【0018】 リザーバ本体12には、その上壁及び底壁間を連結して前記案内筒23を囲繞 する角筒状の隔壁29が一体に形成される。この隔壁29は、その内側に中央室 30を画成し、またリザーバ本体12の周壁との間に中央室30を囲繞する流路 としての外側室31を画成する。
【0019】 さらに外側室31は、その周方向に沿って送出室32、濾過室33及び脱泡室 34の三室に区画される。
【0020】 即ち、先ず送出室32は仕切壁35及び堰板36により外側室31の一隅に画 成され、そして隔壁29の一隅に設けられた切欠状の連通部37(図6参照)を 介して中央室30と連通する。この中央室30の上部は、前記キャップ25に設 けられた公知のブリーザ通路(図示せず)を介して大気と連通する。
【0021】 前記仕切壁35は、外側室31を横断するようにリザーバ本体12に一体に形 成される。また前記堰板36は、隔壁29及びリザーバ本体12周壁の相対向面 に形成された一対の案内溝38,38に嵌込まれる。その際、図2に明示するよ うに、この堰板36の上,下部には、送出室32及び脱泡室34間を連通する通 気路39及び通油路40が残存される。
【0022】 図5に示すように、送出室32の底壁には、その上面から突出する取付筒41 と、その下面から突出して取付筒41に連なる前記送出管4とが一体に形成され 、取付筒41にはフィルタ筒42が嵌装される。
【0023】 図3及び図5において、濾過室33は、前記仕切壁35と、これに対向するフ ィルタ板43とにより画成される。この濾過室33の底壁には、これを貫通して 上下に延びる前記戻り管5が一体に形成され、この戻り管5の上端には、濾過室 33の底壁より高い位置で仕切壁35に向って開口する吐出口5aが設けられる 。また濾過室33の底壁上面には、戻り管5を囲繞する環状のゴミ溜り51がフ ィルタ板43の下端より低く凹設される。以上において、フィルタ板43が本考 案の第1フィルタに対応し、フィルタ筒42が第2フィルタに対応する。
【0024】 前記フィルタ板43は、隔壁29及びリザーバ本体12の相対向面に形成され た一対の案内溝44,44に嵌込まれる。その際、フィルタ板43の上方には、 濾過室33及び脱泡室34間を連通する通気路47が残存される。
【0025】 フィルタ板43は、格子45aを有する長方形の合成樹脂製枠体45と、その 一側面にモールド結合された網46とからなっている。このフィルタ板43の案 内溝44,44への嵌込みに際しては、網46側の面を濾過室33に向けて配置 される。このような配置によれば、濾過室33の作動油が網46で濾過されたと き、残ったゴミが格子45a上に堆積することを防止できる。
【0026】 而して、案内筒23内のフィルタ27の網目は、上記フィルタ板43のそれと 同等若しくはそれより細かく設定され、また送出室32のフィルタ筒42の網目 は、上記フィルタ板43のそれより粗く設定される。
【0027】 脱泡室34は、外側室31から送出室32及び濾過室33を除いた残り部分と なる。即ち、フィルタ板43から始まり、隔壁29の三つの角を回って堰板36 に達する長い通路状に形成される。
【0028】 前記隔壁29及び仕切壁35も、成形上の都合から、上部及び下部半体13, 14と同様に上下に分割され、これらの分割面は接着、溶着等により接合される 。
【0029】 図2及び図4に示すように、外側室31の容積を極力大きく取るために、マス タシリンダMの油溜18の後側半周を囲むコ字状の膨出部48がリザーバ本体1 2の底壁に形成される。この膨出部48は、マスタシリンダMが前上り傾斜に配 置されることから油溜18周りに生じたデッドスペースに配置される。
【0030】 またリザーバ本体12の外周面には、その内部の貯留油面の上限及び下限レベ ルをそれぞれ示す上限及び下限マーク49,50がリブ状に形成される。図示例 では、上限マーク49は接合された前記フランジ13a,14aから構成される 。而して、前記通気路39,47は、上限マーク49よりも高い位置に設けられ 、また前記通油路40は下限マーク50よりも低い位置に設けられる。
【0031】 次にこの実施例の作用について説明する。
【0032】 リザーバRへの作動油の注入に際しては、キャップ25を外して給油口24か らフィルタ27内に注入する。注入された作動油はフィルタ27で濾過されてか ら案内筒23の縦スリット26を通って中央室30全体を満すと共に、通孔22 ,22を通って第1及び第2油溜室18a,18bをも満す。また中央室30の 作動油は、連通部37を通って送出室32へ、さらに通油路40を通って脱泡室 34へ、さらにフィルタ板43を通って濾過室33へと順次流入して、それらを も満す。
【0033】 而して、油圧ポンプ7を作動すれば、送出室32の作動油がフィルタ筒42で 濾過された後、送出管4及び第1ホース81 を通って油圧ポンプ7に吸入され、 圧油となって第2ホース82 へ吐出され、アキュムレータ10に蓄えられる。
【0034】 そこで、油圧ブースタBの作動及び解放が繰返されると、アキュムレータ10 の圧油が油圧ブースタBのブースト室に供給されたり、該ブースト室の圧油が第 3ホース83 へ流出し、戻り管5を経てその吐出口5aから濾過室33に吐出さ れる。
【0035】 その際、上記吐出口5aは、フィルタ板43とは反対側の仕切壁35に向って 開口しているので、吐出口5aから勢いよく吐出された圧油は仕切壁35に衝突 して減衰するので、フィルタ板43に大なる圧力を及ぼすことはない。また、濾 過室33に吐出された圧油は直ちに大気圧まで急減圧するので、比較的多量の気 泡を発生するが、これら気泡の多くはゴミと共にフィルタ板43により脱泡室3 4への流入を阻止される。作動油から分離したゴミは濾過室33の底壁上、特に ゴミ溜り51に溜り、高所の吐出口5aへ逆流することはない。
【0036】 しかしながら、未発達の細かな気泡は作動油と共にフィルタ板43を通って脱 泡室34へ流入するが、脱泡室34は隔壁29の三つの角を回る程長く形成され ているので、該室34を送出室32に向って進むうちに未発達の気泡は大きく発 達しながら油面上に浮上していく。したがって、脱泡室34の作動油は送出室3 2に近づくにつれて気泡が減少し、特に底部では気泡が激減する。
【0037】 こうして気泡を排除した作動油は、堰板36下方の通油路40を通って送出室 32に戻る。このとき若し脱泡室34から送出室32へ気泡が侵入しても、その 気泡はフィルタ筒42により阻止されるので、送出室32から送出管4へ気泡を 殆ど含まない正常な作動油を送り出すことができ、したがって油圧ポンプ7の気 泡による作動効率の低下を防ぐことができる。以後、同様の循環を繰返す。
【0038】 而して、作動油は送出室32に戻るまで前述のようにフィルタ板43により濾 過されるので、送出室32から送り出す作動油を濾過するフィルタ筒42は上記 フィルタ板43よりも大きい網目のもので足り、これにより送出抵抗を減じ、油 圧ポンプ7の負荷の軽減を図ることができる。
【0039】 また、送出室32、濾過室33及び脱泡室34の各上部は、通気路39,47 を介して互いに連通すると共に、連通部37を介して中央室30とも連通し、ま た中央室30はキャップ25のブリーザ通路を介して大気と連通しているので、 各室30,32,33,34は支障なく呼吸することができ、また各室の油面上 に浮上した気泡を滞留させることなく外部へ速やかに排出することができる。
【0040】 尚、上記実施例は、油圧ブースタB及びマスタシリンダMを同軸上で連結した 油圧倍力装置に本考案を適用したものであるが、油圧ブースタB及びマスタシリ ンダMを分離配置して両者間を油圧導管を介して接続したものにも適用可能であ る。
【0041】
【考案の効果】
以上のように本考案の第1の特徴によれば、油圧ブースタの流入口に油圧ポン プを介して連なる送出管と、油圧ブースタの流出口に連なる戻り管と、これら送 出管及び戻り管の間を連通する流路とを備え、流路の一端側にこれを横断する板 状の第1フィルタを設置して戻り管に連なる濾過室を画成すると共に、該フィル タの上方に外部に通じる通気路を残存させ、また流路の他端側に送出管の開口部 を覆う第2フィルタを設置したので、油圧ブースタからの還流作動油を第1フィ ルタにより濾過すると共に、濾過室で発生した気泡を通気路を通して外部に逃す ことができ、したがって気泡による第1フィルタの目詰りを防止することができ る。しかも、送出管に吸入されようとする作動油に未だ気泡が残留していても、 第2フィルタによりその気泡を除去することができ、以上により清浄で気泡の無 い作動油を油圧ポンプへ送出することができ、したがって油圧ポンプの作動効率 の向上に寄与し得る。
【0042】 また本考案の第2の特徴によれば、第2フィルタの網目を第1フィルタの網目 より粗くしたので、送出管への気泡の侵入を防止しつゝ油圧ポンプの吸入抵抗を 極力軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例による油圧倍力装置の側面図
【図2】図1のリザーバ部の拡大縦断面図(図3の2−
2線断面図)
【図3】上記リザーバの分解斜視図
【図4】上記リザーバの下部半体を下方から見た斜視図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6線断面図
【符号の説明】
4 送出管 5 戻り管 7 油圧ポンプ 9 流入口 11 流出口 31 流路としての外側室 33 濾過室 42 第2フィルタとしてのフィルタ筒 43 第1フィルタとしてのフィルタ板 47 通気路 B 油圧ブースタ M マスタシリンダ R リザーバ

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ブースタ(B)の流入口(9)に油
    圧ポンプ(7)を介して連なる送出管(4)と、油圧ブ
    ースタ(B)の流出口(11)に連なる戻り管(5)
    と、これら送出管(4)及び戻り管(5)の間を連通す
    る流路(31)とを備え、流路(31)の一端側にこれ
    を横断する板状の第1フィルタ(43)を設置して戻り
    管(5)に連なる濾過室(33)を画成すると共に、該
    フィルタ(43)の上方に外部に通じる通気路(47)
    を残存させ、また流路(31)の他端側に送出管(4)
    の開口部を覆う第2フィルタ(42)を設置したことを
    特徴とする、油圧倍力装置用リザーバ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のものにおいて、 第2フィルタ(42)の網目を第1フィルタ(43)の
    網目より粗くしたことを特徴とする、油圧倍力装置用リ
    ザーバ。
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