JPH05321907A - 慣性体反転防止弁 - Google Patents

慣性体反転防止弁

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JPH05321907A
JPH05321907A JP14854292A JP14854292A JPH05321907A JP H05321907 A JPH05321907 A JP H05321907A JP 14854292 A JP14854292 A JP 14854292A JP 14854292 A JP14854292 A JP 14854292A JP H05321907 A JPH05321907 A JP H05321907A
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spool
valve
spring
oil
hydraulic motor
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JP14854292A
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Hitoshi Sato
均 佐藤
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧モータの慣性回転が停止した後に油圧モ
ータが反転するのを防止する。 【構成】 2ポート3位置の反転防止弁21を主管路4
A,4B間に管路24A,24B等を介して接続し、ば
ね29により反転防止弁21を初期閉弁位置(a)に常
時付勢する。油圧モータ1の慣性回転時にはシャトル弁
35を介した高圧でピストン31を押動することによ
り、反転防止弁21を他の閉弁位置(c)に切換えさ
せ、慣性回転の停止時に反転防止弁21を開弁位置
(b)に絞り34Aにより一定時間保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば油圧ショベル等
の建設機械に設けられる慣性体駆動回路等に用いて好適
な慣性体反転防止弁に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の建設機械で
は、下部走行体上に上部旋回体を旋回可能に設け、該上
部旋回体を慣性体駆動回路としての旋回用油圧回路によ
り旋回駆動するようにしている。
【0003】そこで、図8にこの種の従来技術による旋
回用油圧回路を示す。
【0004】図において、1は旋回用の油圧モータを示
し、該油圧モータ1は油圧ポンプ2、タンク3に一対の
主管路4A,4Bを介して接続され、油圧ポンプ2から
の圧油により、慣性体となる上部旋回体を下部走行体
(いずれも図示せず)上で旋回駆動する。
【0005】5は主管路4A,4Bの途中に設けられた
方向切換弁を示し、該方向切換弁5は操作レバー5Aに
より中立位置(イ)から左,右の切換位置(ロ),
(ハ)に切換えられ、油圧ポンプ2から油圧モータ1に
給排する圧油の方向等を切換えるようになっている。
【0006】6A,6Bは油圧モータ1と方向切換弁5
との間に位置して主管路4A,4Bの途中に接続された
一対のチャージ用チェック弁を示し、該チェック弁6
A,6Bは補助管路7およびタンク管路8を介してタン
ク3に接続され、油圧モータ1の慣性回転時等に主管路
4Aまたは4B内が負圧になると、タンク3内の作動油
をこの主管路4A,4B内に補給させる。
【0007】9A,9Bは油圧モータ1と方向切換弁5
との間に位置して主管路4A,4Bの途中に接続された
一対のオーバロードリリーフ弁を示し、該オーバロード
リリーフ弁9A,9Bは補助管路7等を介してタンク3
と接続されると共に、チェック弁6A,6Bの流入側に
も接続されている。そして、該オーバロードリリーフ弁
9A(9B)は油圧モータ1の慣性回転時に主管路4A
(4B)内に過剰圧が発生すると、この過剰圧を相手方
の主管路4B(4A)等にチェック弁6B(6A)を介
してリリーフすべく開弁する。ここで、該オーバロード
リリーフ弁9A,9Bはばね10A,10Bにより前記
過剰圧に対応した所定の開弁圧PC (図9参照)に設定
されている。
【0008】11は油圧モータ1のドレン管路を示し、
該ドレン管路11は油圧モータ1に供給した圧油の一部
がドレンとなってリークすると、このリークした油液を
タンク3内へと排出させる。
【0009】このように構成される従来技術では、方向
切換弁5を中立位置(イ)から切換位置(ロ)に切換え
ると、油圧ポンプ2からの圧油が主管路4Aを介して油
圧モータ1に供給され、該油圧モータ1はこの圧油によ
り慣性体としての上部旋回体を、例えば右方向に旋回駆
動する。そして、該油圧モータ1からの戻り油は主管路
4Bを介してタンク3内へと順次排出される。
【0010】また、この状態で上部旋回体を停止すべ
く、方向切換弁5を切換位置(ロ)から中立位置(イ)
に急激に戻すと、油圧モータ1は油圧ポンプ2からの圧
油の供給が中断され、上部旋回体に対する駆動力が解除
される。
【0011】しかし、慣性体としての上部旋回体はその
慣性力により油圧モータ1を慣性回転させるので、油圧
モータ1はポンピング作用を行い、主管路4A内の圧油
を主管路4B側に吐出させ、主管路4A側が負圧となる
と、タンク3内の作動油をチェック弁6Aを介して主管
路4A側に補給させる。
【0012】これにより、主管路4B内には油圧モータ
1と方向切換弁5との間に比較的多量の圧油が封じ込め
られるので、主管路4B内には油圧モータ1の慣性回転
を停止させるようにブレーキ圧が発生する。そして、こ
のブレーキ圧が図9に示す特性線12の如くオーバロー
ドリリーフ弁9Bの開弁圧PC を越えると、該オーバロ
ードリリーフ弁9Bがばね10Bに抗して開弁し、主管
路4B内のブレーキ圧を補助管路7、チェック弁6Aを
介して主管路4A内にリリーフさせることにより、油圧
モータ1の慣性回転を制動し、その後にオーバロードリ
リーフ弁9Bがばね10Bにより閉弁する時点t1 (図
9参照)で、油圧モータ1は上部旋回体と共に停止す
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、油圧モータ1の慣性回転により、主管路4
B内にブレーキ圧が発生してオーバロードリリーフ弁9
Bが開弁し、油圧モータ1の慣性回転を制動した後に、
図9に示す如く時点t1 でオーバロードリリーフ弁9B
が閉弁して油圧モータ1が一旦停止したときに、主管路
4B内の圧力は特性線12の如く比較的高い圧力状態に
ある。一方、主管路4A内の圧力は図9に示す特性線1
3の如く時点t1 まで低い圧力状態にある。
【0014】このため従来技術では、図9に示す時点t
1 で油圧モータ1が一旦停止したとしても、特性線1
2,13の如く主管路4B,4A間には比較的大きな差
圧ΔPが生じ、この差圧ΔPにより油圧モータ1は慣性
回転時の回転方向とは逆向きに反転して回転し始め、主
管路4B側から主管路4A側に向けて圧油が流通するこ
とにより、差圧ΔPは漸次小さくなる。
【0015】しかし、このときに油圧モータ1は上部旋
回体の慣性力で回転を続けるから、図9に示す時点t2
で特性線13の如く主管路4A側が主管路4B側よりも
高圧となり、油圧モータ1は前,後の圧力差が増大して
一時的に停止するものの、その後再び逆向きに反転して
回転し、慣性体である上部旋回体と共にこの反転動作を
繰返すという問題がある。
【0016】また、上記問題を解決するために、例えば
特開昭57−25570号公報等では、油圧モータに接
続した一対の主管路にそれぞれ慣性体揺戻り防止弁を設
けることが提案されている。しかし、この場合には各主
管路にそれぞれ慣性体揺戻り防止弁を設ける必要があ
り、配管作業が複雑になる上に、油圧回路全体が大型化
するという問題がある。また、この慣性体揺戻り防止弁
はポペット型の弁体を用い、該弁体は弁座に実質的に線
接触状態で閉弁するので、僅かな圧力変動で弁体が不用
意に開弁してしまうという問題がある。
【0017】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は油圧モータの慣性回転が停止し
た後に油圧モータが反転動作を繰返すのを効果的に防止
できる上に、全体をコンパクトに形成して小型化を図る
ことができるようにした慣性体反転防止弁を提供するこ
とを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明が採用する構成は、慣性体駆動用の油圧モ
ータに接続される一対の主管路間に配設され、スプ−ル
摺動穴の軸方向に離間して前記各主管路に連通する一対
のポートが形成された弁ケーシングと、該弁ケーシング
のスプ−ル摺動穴に挿嵌され、前記各ポート間を絞り通
路を介して連通、遮断するスプ−ルと、該スプ−ルの一
端側と前記弁ケーシングとの間に形成される油室と、前
記スプ−ルの他端側と弁ケーシングとの間に形成された
ばね室と、該ばね室内に設けられ、前記スプ−ルを初期
閉弁位置に復帰させるべく、前記スプ−ルを油室側に向
けて常時付勢したばねと、前記油室側に配設され、前記
各主管路のうち、高圧側の圧油がパイロット圧として供
給されることにより、前記スプ−ルを該ばねに抗して他
の閉弁位置となるストロークエンドまで摺動変位させる
ピストンと、前記油室内をタンクに接続し、前記ばねに
よりスプ−ルがストロークエンドから初期閉弁位置に復
帰するときに、前記油室からタンクに流出する油液を絞
ることにより、前記ストロークエンドと初期閉弁位置と
の間で前記スプ−ルの開弁時間を延ばす絞り管路とから
なる。
【0019】
【作用】上記構成により、油圧モータの慣性回転時には
ピストンに高圧のパイロット圧が供給されるので、該ピ
ストンによってスプ−ルは他の閉弁位置となるストロー
クエンドまで摺動変位すると共に、油室内にはタンク内
の油液が絞り管路を介して補給される。そして、油圧モ
ータの慣性回転が停止したときには、前記パイロット圧
が慣性回転時よりも低下し、スプ−ルはストロークエン
ドから初期閉弁位置に向けてばねにより付勢され、スプ
−ルの絞り通路を介して各ポート間を連通させる開弁状
態となり、このときに前記油室からタンクに流出する油
液は絞り管路によって絞られるので、前記スプ−ルが初
期閉弁位置に復帰するのを遅らせることができ、該スプ
−ルを比較的長い時間に亘って開弁状態に保つことが可
能となる。また、スプールを用いることにより、閉弁位
置と開弁位置との間に不感帯を設けることができ、僅か
な圧力変動で不用意に開弁してしまうのを防止できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図7に基
づき説明する。なお、実施例では前述した図8に示す従
来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明
を省略するものとする。
【0021】図1ないし図4は本発明の第1の実施例を
示している。
【0022】図中、21は油圧モータ1の主管路4A,
4B間に配設される2ポート3位置の慣性体反転防止弁
を示し、該反転防止弁21の弁ケーシング22は図2等
に示す如く軸方向に伸びるスプール摺動穴22Aが形成
され、該スプール摺動穴22Aの外周側には軸方向に所
定寸法離間してポート23A,23Bの一部をなす環状
の油溝22B,22Cが形成されている。そして、該弁
ケーシング22は油圧モータ1のケーシング(図示せ
ず)にチャージ用チェック弁6A,6Bおよびオーバロ
ードリリーフ弁9A,9B等と共に一体に形成されてい
る。また、該弁ケーシング22のポート23A,23B
は管路24A,24Bを介して主管路4A,4Bに油圧
モータ1と方向切換弁5との間で接続されている。
【0023】25はスプール摺動穴22A内に挿嵌され
たスプールを示し、該スプール25はスプール摺動穴2
2Aの穴径に対応する外形寸法を有した左,右のランド
25A,25Bと、該ランド25A,25B間に位置
し、スプール25の外周側に形成された環状溝25Cと
を備え、該環状溝25Cは図4に示す如くポート23
A,23B間を油溝22B,22Cを介して連通させる
絞り通路を構成している。また、該スプール25にはラ
ンド25B側の端面から後述のばね室27内に向けて小
径のストッパ部25Dが軸方向に延設され、該ストッパ
部25Dは図3に示す如くばね室27の端面に当接する
ことにより、スプール25のストロークエンドを規制し
ている。
【0024】26はスプール25のランド25A側端面
と弁ケーシング22との間に形成された油室、27はス
プール25のランド25B側端面と弁ケーシング22と
の間に形成されたばね室を示し、該ばね室27は管路2
8を介してタンク3と接続され、作動油によって満され
ている。
【0025】29はストッパ部25Dの周囲に位置して
ばね室27内に配設されたばねを示し、該ばね29はス
プール25を油室26側に向けて常時付勢し、スプール
25を図2に示す初期閉弁位置に復帰させる。そして、
該ばね29はオーバロードリリーフ弁9A,9Bの開弁
圧PC に対して75〜85%程度のばね荷重に設定さ
れ、油室26内の圧力が、例えば0.85×PC 以上と
なったときに、スプール25が図3に示す他の閉弁位置
となるストロークエンドまで摺動変位するのを許すよう
になっている。
【0026】ここで、スプール25の初期閉弁位置、他
の閉弁位置は図1に示す反転防止弁21の初期閉弁位置
(a)、他の閉弁位置(c)に該当している。そして、
該反転防止弁21は閉弁位置(a),(c)間が開弁位
置(b)となり、このときスプール25は図4に示す如
くポート23A,23B間を環状溝25Cを介して連通
させる。
【0027】30は油室26と連通するように弁ケーシ
ング22に形成された小径のピストン摺動穴、31は該
ピストン摺動穴30内に挿嵌され、先端側が油室26内
に向けて突出した小径のピストンを示し、該ピストン3
1はピストン摺動穴30の端面との間にパイロット油室
32を画成し、該パイロット油室32はパイロット管路
33および後述のシャトル弁35を介して主管路4A,
4Bのうち、高圧側の主管路4A(4B)に接続されて
いる。そして、該ピストン31はパイロット油室32内
に主管路4Aまたは4Bから高圧の圧油がパイロット圧
として供給されることにより、スプ−ル25の端面を押
動し、該スプ−ル25をばね29に抗して図3に示すス
トロークエンドまで摺動変位させる。
【0028】34は油室26をタンク3に接続した絞り
管路としてのタンク管路を示し、該タンク管路34の途
中には絞り34Aが形成され、該絞り34Aは油室26
内の油液(作動油)がタンク3に向けて流出するとき
に、この油液に絞り作用を与え、スプ−ル25がストロ
ークエンドから初期閉弁位置に復帰するまでの時間を延
ばすようになっている。また、スプ−ル25が初期閉弁
位置からストロークエンドに向けて摺動変位するときに
は、油室26内が負圧傾向となるので、タンク管路34
はタンク3内の作動油を油室26内に補給させ、このと
きに、絞り34Aはタンク圧程度の圧力の低い作動油を
油室26内に向けて比較的スムーズに流入させる。
【0029】この結果、スプ−ル25はピストン31に
よりばね室27側に向けて押動されるときには、油室2
6内にタンク3から油液(作動油)がスムーズに補給さ
れて、図2に示す初期閉弁位置から図3に示す他の閉弁
位置に速やかに摺動変位するものの、逆向きにばね29
により押動されるときには、絞り34Aにより摺動速度
が抑えられ、図4に示す開弁位置を比較的長い時間に亘
り保つようになる。
【0030】さらに、35は油圧モータ1と方向切換弁
5との間で主管路4A,4B間に配設された高圧選択弁
としてのシャトル弁を示し、該シャトル弁35は主管路
4A,4Bのうち、高圧側の主管路4Aまたは4Bをパ
イロット管路33に接続させる。
【0031】本実施例による慣性体反転防止弁21は上
述の如き構成を有するもので、次にその反転防止動作に
ついて説明する。
【0032】まず、油圧モータ1が慣性体となる上部旋
回体により慣性回転され、例えば主管路4B内にブレー
キ圧が発生し、オーバロードリリーフ弁9Bがこのとき
のブレーキ圧により開弁されているときには、主管路4
B内の圧力がオーバロードリリーフ弁9Bの開弁圧PC
まで上昇しているので、反転防止弁21はばね29に抗
して初期閉弁位置(a)から他の閉弁位置(c)に切換
えられ、スプール25は図3に示す如くストロークエン
ドまで摺動変位している。なお、反転防止弁21は油圧
モータ1の通常の作動時に、例えば主管路4A内の駆動
圧がシャトル弁35等を介してパイロット油室32内に
供給されることにより、図1に示す初期閉弁位置(a)
から開弁位置(b)を介して他の閉弁位置(c)に瞬間
的に切換えられている。
【0033】そして、油圧モータ1の慣性回転がオーバ
ロードリリーフ弁9Bの開弁により制動された後、該リ
リーフ弁9Bが閉弁されると、油圧モータ1の慣性回転
は停止されるが、このときには主管路4B内の圧力が油
圧モータ1からリークし、ドレン管路11を介してタン
ク3側に排出されるので、主管路4B内の圧力はオーバ
ロードリリーフ弁9Bの開弁圧PC よりも、例えば75
〜85%程度低い圧力状態となる。
【0034】この結果、油室26内の圧力も同様に低下
するので、反転防止弁21のスプール25はばね29に
より図3に示すストロークエンドから油室26側に向け
て押動される。しかし、油室26内を満たした油液はタ
ンク管路34を介してタンク3へと流出するときに、絞
り34Aによって絞り作用が与えられ、油室26から流
出する油液の流量が制限されるので、スプール25はス
トロークエンドから油室26側に向けて摺動変位すると
きの速度が遅くなり、該スプール25は図4に示す如く
ポート23A,23B間を流路面積の小さい環状溝25
Cを介して連通させる開弁時間が長くなる。
【0035】かくして、本実施例によれば、油圧モータ
1の慣性回転が停止したときに、反転防止弁21のスプ
ール25が他の閉弁位置(c)から初期閉弁位置(a)
に切換わるまでに、比較的長い時間に亘ってスプール2
5を開弁位置(b)に保持することができるので、例え
ば主管路4B内の高圧を反転防止弁21によりスプール
25の環状溝25C等を介して絞り作用を与えつつ、主
管路4A側に逃がすことができ、従来技術で述べた如く
主管路4A,4B間に発生する差圧ΔP(図9参照)を
確実に低減させ、油圧モータ1が反転動作を繰返すのを
効果的に防止できる。
【0036】そして、スプール25がばね29により油
室26側に徐々に押動され、図2に示す初期閉弁位置に
達したときには、ポート23A,23B間がスプール2
5のランド25Bにより閉塞されるので、反転防止弁2
1による主管路4A,4B間の連通は断たれ、油圧モー
タ1を停止状態に保持できる。
【0037】また、油圧モータ1の慣性回転が停止した
ときに、油圧モータ1からの圧油のリーク量が少ない場
合には、油圧モータ1が主管路4A,4B間の差圧ΔP
により反転することがある。しかし、この場合には油圧
モータ1が僅かに反転するだけで、例えば主管路4B内
の圧力がばね29の設定圧まで低下し、スプール25に
より主管路4A,4B間を連通させるようになるので、
油圧モータ1がこれ以上反転するのを即座に防止でき
る。
【0038】従って、本実施例によれば、油圧モータ1
の慣性回転が停止した後に、油圧モータ1が反転動作す
るのを効果的に防止でき、油圧モータ1を上部旋回体等
の慣性体と共に速やかに停止させることができる。
【0039】また、反転防止弁21は2ポート3位置の
スプール弁によって構成され、主管路4A,4B間にシ
ャトル弁35等を介して1個のみ設ければよいので、例
えば油圧モータ1のケーシング等に反転防止弁21を簡
単に組込むことができ、油圧回路全体を簡略化できる上
に、弁ケーシング22内に単一のスプール25を配設す
るだけで、反転防止弁21をコンパクトに形成でき、小
型化を図ることができる。
【0040】そして、スプール25は図3に示す他の閉
弁位置から図4に示す開弁位置に摺動変位するまでが一
定のストローク量をもった不感帯として設定されるの
で、油圧モータ1の駆動圧やブレーキ圧が変動した場合
でも、当該反転防止弁21が不用意に開弁したりするの
を防止できる。
【0041】さらに、弁ケーシング22に形成したピス
トン摺動穴30はスプ−ル摺動穴22Aに比較して小径
に形成され、パイロット油室32内に供給されるパイロ
ット圧に対するピストン31の受圧面積は小さくなって
いるから、該ピストン31の受圧面積に対応させてばね
29のばね荷重を小さく設定でき、スプ−ル25を初期
閉弁位置にばね29によって確実に戻すことができる。
そして、パイロット油室32に比較して油室26の容積
を大きくすることができるから、スプ−ル25がストロ
ークエンドに達したときに油室26内に比較的多量の油
液を収容させ、スプ−ル25がばね29により初期閉弁
位置に戻されるまでの開弁時間を有効に延ばすことがで
きる。
【0042】次に、図5ないし図7は本発明の第2の実
施例を示し、本実施例の特徴は、スプ−ルの一端側にピ
ストンを摺動可能に挿嵌し、該ピストンの他端側とスプ
−ルとの間に外部からパイロット圧が供給されるパイロ
ット油室を形成したことにある。なお、本実施例では前
記第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、
その説明を省略するものとする。
【0043】図中、41は2ポート3位置の慣性体反転
防止弁、42は該反転防止弁41の弁ケーシングを示
し、該弁ケーシング42は前記第1の実施例で述べた弁
ケーシング22とほぼ同様に、スプ−ル摺動穴42A,
環状の油溝42B,42Cを有するものの、該弁ケーシ
ング42はスプ−ル摺動穴42Aが軸方向に比較的長く
形成されている。また、該弁ケーシング42には油溝4
2Cとの間で油溝42Bを挟むようにスプ−ル摺動穴4
2Aの軸方向に離間して他の油溝42Dが環状に形成さ
れ、該油溝42Dはパイロット管路33、シャトル弁3
5(図1参照)を介して主管路4A,4Bの高圧側に接
続されている。一方、油溝42B,42Cはポート23
A,23Bの一部をなし、管路24A,24Bを介して
主管路4A,4Bに接続されている。
【0044】43はスプ−ル摺動穴42A内に挿嵌され
たスプ−ルを示し、該スプ−ル43は前記第1の実施例
で述べたスプ−ル25とほぼ同様に、ランド43A,4
3B、絞り通路を構成する環状溝43Cおよび小径のス
トッパ部43Dを有するものの、該スプ−ル43は図5
に示す如くランド43Aの左側にそれぞれ所定長さをも
って他の環状溝43E、ランド43Fおよび環状の切欠
溝43Gが形成されている。また、該スプ−ル43内に
は切欠溝43G側の端面から軸方向に所定長さをもって
ピストン摺動穴44が形成され、該ピストン摺動穴44
はスプ−ル43の環状溝43Eと径方向の油穴45を介
して連通している。
【0045】46はスプ−ル43の切欠溝43G側と弁
ケーシング42との間に形成された油室を示し、該油室
46は前記第1の実施例で述べた油室26と同様に絞り
34Aを有するタンク管路34を介してタンク3に接続
され、該油室46内はタンク3内の作動油が補給されて
油液により満たされている。
【0046】47はスプ−ル43のランド43B側端面
と弁ケーシング42との間に形成されたばね室を示し、
該ばね室47は前記第1の実施例で述べたばね室27と
同様に管路28を介してタンク3と接続され、作動油に
よって満たされている。そして、該ばね室47内にはス
プ−ル43を図5に示す初期閉弁位置に向けて常時付勢
するばね48が配設され、該ばね48は前記第1の実施
例で述べたばね29と同様に構成されている。
【0047】49はスプ−ル43のピストン摺動穴44
内に摺動可能に挿嵌された段付円柱状のピストンを示
し、該ピストン49は先端側に小径突出部49Aを有
し、ピストン摺動穴44の底部との間にパイロット油室
50を画成している。ここで、該パイロット油室50は
スプ−ル43の油穴45、環状溝43Eおよび油溝42
Dを介してパイロット管路33と常時連通し、該パイロ
ット管路33から供給される圧油をパイロット圧として
ピストン49の端面に作用させる。そして、該ピストン
49は高圧のパイロット圧で押動されることにより、油
室46内に向けて図6に示す如く突出し、スプ−ル43
をばね48に抗して他の閉弁位置となるストロークエン
ドまで摺動変位させる。
【0048】かくして、このように構成される本実施例
でも、油圧モータ1の慣性回転時にはパイロット油室5
0内が高圧となってピストン49により、スプ−ル43
がストロークエンドまで摺動変位し、慣性回転の停止時
にはパイロット油室50内の圧力がばね48の設定圧よ
り低くなり、このときに油室46の油液が絞り34Aを
介してタンク3内に徐々に排出されるので、前記第1の
実施例とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0049】なお、前記各実施例では、スプ−ル25
(43)の外周側に絞り通路としての環状溝25C(4
3C)を形成するものとして述べたが、これに替えて、
スプ−ル25(43)に図4(図7)に例示した開弁位
置で油溝22B,22C(42B,42C)間を連通さ
せる絞り通路としての油穴等を、例えばコ字形状の通路
として形成してもよい。
【0050】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、弁ケ
ーシング内に設けたスプールが初期閉弁位置と他の閉弁
位置となるストロークエンドとの間を摺動変位するとき
に、各主管路間をスプールの絞り通路を介して連通させ
ると共に、スプールの一端側に形成した油室から油液が
タンクに流出するときに、この油液に絞り作用を与えて
スプールの開弁時間を延ばすようにしたから、油圧モー
タの慣性回転が停止したときに、スプールを比較的長い
時間に亘って開弁状態に保持でき、油圧モータが反転動
作を繰返すのを効果的に防止できる上に、全体をコンパ
クトに形成でき、油圧回路を簡略化することができる。
また、スプールを用いることにより、当該反転防止弁が
僅かな圧力変動で不用意に開弁するのを防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による慣性体反転防止弁
を設けた旋回用油圧回路図である。
【図2】スプールが初期閉弁位置に復帰した状態を示す
慣性体反転防止弁の縦断面図である。
【図3】スプールがストロークエンドに達した状態を示
す図2とほぼ同様の縦断面図である。
【図4】スプールの開弁状態を示す図2とほぼ同様の縦
断面図である。
【図5】第2の実施例による慣性体反転防止弁のスプー
ルが初期閉弁位置に復帰した状態を示す縦断面図であ
る。
【図6】スプールがストロークエンドに達した状態を示
す図5とほぼ同様の縦断面図である。
【図7】スプールの開弁状態を示す図5とほぼ同様の縦
断面図である。
【図8】従来技術による旋回用油圧回路図である。
【図9】油圧モータが反転動作を繰返す状態を示す各主
管路の圧力特性線図である。
【符号の説明】
1 油圧モータ 2 油圧ポンプ 3 タンク 4A,4B 主管路 5 方向切換弁 9A,9B オーバロードリリーフ弁 21,41 慣性体反転防止弁 22,42 弁ケーシング 22A,42A スプール摺動穴 23A,23B ポート 25 スプール 25C 環状溝(絞り通路) 26,46 油室 27,47 ばね室 29,48 ばね 31,49ピストン 32,50 パイロット油室 33 パイロット管路 34A 絞り(絞り管路) 35 シャトル弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 慣性体駆動用の油圧モータに接続される
    一対の主管路間に配設され、スプ−ル摺動穴の軸方向に
    離間して前記各主管路に連通する一対のポートが形成さ
    れた弁ケーシングと、該弁ケーシングのスプ−ル摺動穴
    に挿嵌され、前記各ポート間を絞り通路を介して連通、
    遮断するスプ−ルと、該スプ−ルの一端側と前記弁ケー
    シングとの間に形成される油室と、前記スプ−ルの他端
    側と弁ケーシングとの間に形成されたばね室と、該ばね
    室内に設けられ、前記スプ−ルを初期閉弁位置に復帰さ
    せるべく、前記スプ−ルを油室側に向けて常時付勢した
    ばねと、前記油室側に配設され、前記各主管路のうち、
    高圧側の圧油がパイロット圧として供給されることによ
    り、前記スプ−ルを該ばねに抗して他の閉弁位置となる
    ストロークエンドまで摺動変位させるピストンと、前記
    油室内をタンクに接続し、前記ばねによりスプ−ルがス
    トロークエンドから初期閉弁位置に復帰するときに、前
    記油室からタンクに流出する油液を絞ることにより、前
    記ストロークエンドと初期閉弁位置との間で前記スプ−
    ルの開弁時間を延ばす絞り管路とから構成してなる慣性
    体反転防止弁。
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