JPH0532119A - 自動車用空調装置 - Google Patents

自動車用空調装置

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JPH0532119A
JPH0532119A JP18845491A JP18845491A JPH0532119A JP H0532119 A JPH0532119 A JP H0532119A JP 18845491 A JP18845491 A JP 18845491A JP 18845491 A JP18845491 A JP 18845491A JP H0532119 A JPH0532119 A JP H0532119A
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JP
Japan
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air
mode
blowout
blowing
occupant
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JP18845491A
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English (en)
Inventor
Yuji Ishihara
裕二 石原
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車室内の空調快適性を向上する。 【構成】 空調風の吹出モードを切換えるモード切換部
36と、空調風の吹出方向を車室内の上下方向に揺動可
能な上下風切換部38と、これら2つの切換部36,3
8をつなぐ配風ダクト部39とよりなる上部吹出口装置
34、及び同じくモード切換部42、上下風向切換部4
4、配風ダクト部45よりなる下部吹出口装置40で構
成される吹出装置5がインストルメントパネル33に複
数設けられている。そして、クールダウン初期から定常
状態までの空調状態に応じて、吹出モード、吹出方向、
吹出口モードが制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車室内の環境を快適に
するための、自動車用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車用空調装置としては、例え
ば、車両のインストルメントパネル下部の、ほぼ乗員の
膝部高さに空調風の吹出口を設け、空調風を吹き出すも
のとして、特開昭61−139808号公報、特開昭6
2−23813号公報、特開昭63−59718号公報
に開示されているものがある。また車両のインストルメ
ントパネル下部の、ほぼ乗員膝部の高さに吹出口を設
け、該吹出口から吹き出す吹出空気の方向を冷房時と暖
房時とで車室の上下方向に大きく変更する自動車用空調
装置が特開昭52−154851号公報に開示されてい
る。またインストルメントパネルの上下に設けた吹出口
を車室内の熱負荷に応じて制御するものとして実開昭6
3−132239号公報に開示されたものがあり、縦横
比の大きい横長の吹出口を有する自動車用空調装置が例
えば特開昭59−171710号公報に開示されてい
る。更に、これらの自動車用空調装置では、空調風の細
かい温度制御ができなかったので、本願出願人はこれを
改良し、車室内の空調状態を3段階に判別し、この3段
階の空調状態に応じて吹出手段を制御する自動車用空調
装置を特願平1−285417号として提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の自動車用空調装置においては、車室内の空調
状態を3段階に判別し、この3段階の空調状態に応じて
吹出手段を制御しているが、空調風の吹き出し方向が変
動しないので、身体の局部的な部分しか制御できない。
このため、胸,首など乗員の局部的な部分は冷えすぎて
いるにもかかわらず、下半身は依然として暑い等の問題
点があった。
【0004】また、空調快適性に対する実験の結果、つ
ぎのようなことが明らかとなった。すなわち、炎天下に
長時間駐車していた車両に乗り込み空調装置を作動させ
るクールダウン時の空調快適性と、クールダウンを終え
車室内が熱的に安定した、定常状態時の空調快適性とで
は、乗員に快適感を与える空調気流や温度分布などに違
いがあるが、従来の自動車用空調装置では、これに十分
対応することはできない。
【0005】また、従来の自動車用空調装置にあって
は、時々刻々と変化する車室内の熱環境に応じて乗員の
全身にわたった空調制御をすることは困難であり、車室
内の熱環境に応じた快適性を十分に得られないという問
題点があった。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたものであり、その目的とするところは、時
々刻々と変化する車室内の熱環境に応じて乗員の全身に
わたった空調制御をすることにより、あらゆる状態下に
おいて乗員に快適感を与えることができる自動車用空調
装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明は図1に
示す如く、空調風の吹出モードを切換えるモード切換部
1と、空調風の吹出方向を車室内の上下方向に揺動可能
な上下風切換部2と、これら2つの切換部をつなぐ配風
ダクト部3とよりなる吹出口装置4を、複数相対的に上
下に位置するように配設した吹出装置5をインストルメ
ントパネルに複数設置するとともに、モード切換部1の
吹出モードを決定し、また吹出モードを時間的に変更す
るモード決定及びモード切換時間決定手段6と、上下風
向切換部2の吹出方向を決定し、また上下風向切換部2
の揺動を時間的に変更する吹出方向決定及び切換時間決
定手段7と、空調風を吹き出す吹出口装置4を決定する
吹出口モード決定手段8と、センサー群9の出力を基
に、車室内の空調状態をクールダウン初期,クールダウ
ン中期,クールダウン後期,過渡状態,定常状態等少な
くとも複数段階に判別する空調状態判別手段10とを設
けた。
【0008】
【作用】クールダウン初期からクールダウン中期,クー
ルダウン後期、さらに過渡状態を経て定常状態に至る過
程で、車室内の空調状態に応じて、空調風の吹出モー
ド、吹出方向、吹出口モードを制御する。
【0009】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
2〜図5は、本発明の第1実施例の構成を示す図であ
る。
【0010】まず構成を説明する。図2に全体構成を示
す。空調装置本体11は、ブロアユニット12、クーリ
ングユニット13、ヒータユニット14を連結して構成
されている。前記ブロアユニット12には、外気吸入口
15と内気吸入口16とを開閉するインテークドア1
7、および、ブロワファンモータ18を駆動源とする送
風手段たるブロアファン19が設けられており、前記イ
ンテークドア17にはインテークドア・アクチュエータ
20が連係されている。前記クーリングユニット13内
にはエバポレータ21が、また、前記ヒータユニット1
4内にはエンジン冷却水を熱源とするヒータコア22が
置設されており、該ヒータコア22の前面にはエアミッ
クスドア・アクチュエータ23に連係されたエアミック
スドア24が枢設されている。さらにヒータユニット1
4には、従来のベンチレータ吹出口に相当する上部吹出
口25、デフロスタ吹出口26、従来の足元吹出口に相
当する下部吹出口27が形成されており、各吹出口2
5,26,27の基端部には、上部ドアアクチュエータ
28に連係された上部ドア29およびデフロスタ・下部
切換ドアアクチュエータ30に連係されたデフロスタ・
下部切換ドア31が枢支されている。
【0011】上部吹出口25は前席32に着座する図示
しない乗員の前方に配設されるインストルメントパネル
33(図においては説明を分かり易くするために計器類
等は全て除いて描いてある)の上部に複数車幅方向に細
長いスリット状に形成されている。また下部吹出口27
はインストルメントパネル33の下部に複数スリット状
に形成されている。
【0012】上部吹出口25を有する上方に位置する吹
出口装置4である上部吹出口装置34は、アクチュエー
タ35で駆動されるモード切換部36、アクチュエータ
37で駆動される上下風向切換部38、及び両切換部3
6,38をつなぐ配風ダクト部39で構成されている。
また同様に下部吹出口27を有する下方に位置する吹出
口装置4である下部吹出口装置40はアクチュエータ4
1で駆動されるモード切換部42、アクチュエータ43
で駆動される上下風向切換部44、及び両切換部42,
44をつなぐ配風ダクト部45で構成されている。
【0013】そして、上部吹出口装置34と下部吹出口
装置40とは相対位置が上下にあるように設けられて吹
出装置5を構成し、該吹出装置5がインストルメントパ
ネル33に複数設けられている。
【0014】一方、制御装置たるコントローラ46の入
力部には、外気温センサ47、室温センサ48、室温設
定器49、日射量センサ50からの検出信号が入力され
るようになっている。また、コントローラ46の出力部
からは、前記空調装置本体11のアクチュエータ20,
23,28,30、ブロワファンモータ18、及び吹出
口装置34,40のアクチュエータ35,37,41,
43に制御信号を出力するように構成されている。
【0015】図3には、上部吹出口装置34を示す(な
お下部吹出装置40も同様の構造をしている)。36は
モード切換部、38は上下風向切換部、39は配風ダク
ト部、51,52,53はダンパ、54はモード切換部
36の内壁に固定された仕切板、55はガイドベーン、
56は空調風導入部、57は上下風向切換プーリで図示
しない上下風向切換ダンパを回動する、58はダンパ回
転軸である。
【0016】図4にはモード切換部を拡大して、また図
5にはダンパ51,52,53を拡大して示す。ダンパ
51,52,53はダンパ回転軸58に角度を変えて
(図3においては90°)取り付けられ、互いに交差状
に組み合わされている。ダンパ51は、51a,51
b,51cと異なる面積に形成され、ダンパ52及びダ
ンパ53も同様に異なる面積52a,52b及び53
a,53bに形成されている。また、ダンパ51,5
2,53の回転軸面の空調風流通断面積は、仕切板54
により変えられている。
【0017】アクチュエータ35でダンパ回転軸58を
中心としてダンパ51,52,53を回転させ空調風の
吹出モードを切換える。図2において矢印59及び矢印
60は集中吹出モードにした場合の空調風の流れを示
す。
【0018】同様に、上下風向切換プーリ57をアクチ
ュエータ43で回転することによって上下吹出方向を制
御する。
【0019】図6には、吹出装置の吹出モードと回転ダ
ンパの動きの関係を示す。中央のダンパ51のみを開
き、ダンパ52,53を閉じることによって、対象乗員
に集中して空調風を吹き出す集中吹出モードとする。
【0020】ダンパ51〜53を傾斜させ、全てのダン
パ51〜53を半開き状態として、対象乗員を含みなが
ら車室内の広い領域に空調風を吹き出す拡散吹出モード
とする。また、端部のダンパ52,53を開き対象乗員
を含まずに車室内に空調風を吹き出す回避モードとす
る。
【0021】以上の構成からなる本実施例の動作を図7
〜図8に示すフローチャートにより説明する。
【0022】ステップ101では、この制御フローチャ
ートで用いている定数の初期値セットを行う。すなわち
目標吹出温Tofの計算式に用いる定数A〜Eとエアミッ
クスドアの開度Xの計算式に用いるF,G,Hのセット
である。
【0023】ステップ102では、外気温センサ47、
室温センサ48、室温設定気49、日射量センサ50よ
りデータを入力する。すなわち外気温Ta、室温TiC
室温設定値TSet、日射量Sである。
【0024】ステップ103では、ブロワファンの風量
を印加電圧により制御するために室温と室温設定値の
差、すなわち(Tic−TSet)により決める。具体的に
は、この偏差が大きいほど印加電圧を増加し、風量を大
きくすることで室温設定値に早急に近づける。ステップ
104では、目標吹出温Tofを外気温、室温、室温設定
値、日射量から算出する。
【0025】ステップ105では、この目標吹出温に基
づいてエアミックスドアの開度Xを決定する。
【0026】ステップ106では、この目標吹出温に基
づいて、吹出口モードを決定する。すなわち目標吹出温
が高ければ、ヒータモード、中程度であれば、バイレベ
ルモード、低ければベントモードである。
【0027】ステップ107では、吹出口がベントモー
ドかどうかを判別し、ベントモードであれば、ステップ
108へ進み、そうでなければステップ129へ進む。
【0028】ステップ108,109で、室温Ticと室
温設定値Tsetとの差ΔT=Tic−Tsetを予め決められ
た切替温度T1,T2,T3およびT4と比較し、それぞれ
の温度範囲に応じてΔT>T1ならステップ110へ、
1≧ΔT≧T2ならステップ113へ、T2>ΔT>T3
ならステップ116へ、T3≧ΔT≧T4ならステップ1
19へ、T4>ΔTならステップ122へ進み、車室内
の熱環に応じた制御を行う。
【0029】ステップ110では下部吹出口装置40の
上下風向切換部44の上下風向切換ダンパ44aを開い
て空調風が吹き出されるようにする。
【0030】ステップ111では下部吹出口装置40の
モード切換部42を集中吹出モードとする。
【0031】ステップ112では上下風向切換部44の
吹出方向を胸(胸〜首に向けて吹き出されるが図におい
ては胸と表す)とする。
【0032】次いで、ステップ125では上部吹出口装
置34のモード切換部36を集中モードとする。
【0033】ステップ128では上下風向切換部44か
ら吹き出される風の方向を胸とする。
【0034】以上説明したステップ110〜112,1
25,128による空調風の吹出し状況を図9に示す。
【0035】ΔT>T1(クールダウン初期)ならば上
部吹出口25は乗員60の胸〜首61に向けて集中風を
吹き出すと共に、下部吹出口27からも乗員60の胸〜
首61に向けて集中風を吹き出す。したがって、クール
ダウン初期には上下の吹出口25,27より流速の速い
集中モードにより、効率的に空調風を乗員60の胸〜首
61に吹き付けることができ、これによって前席32に
着座する乗員60は、急速に涼感を得ることができる。
【0036】ステップ113では下部吹出口装置40の
上下風向切換部44の上下風向切換ダンパを開いて空調
風が吹き出されるようにする。
【0037】ステップ114ではモード切換部42を拡
散モードとする。
【0038】ステップ115では上下風向切換部44の
吹出方向を胸とする。
【0039】次いで、ステップ125では上部吹出口装
置34のモード切換装置36を集中モードとする。
【0040】ステップ128では上下風向切換部38の
吹出方向を胸とする。
【0041】以上説明したステップ113〜115,1
25,128による空調風の吹出し状況を図10に示
す。
【0042】T1≧ΔT≧T2(クールダウン中期)なら
ば上部吹出口25からは乗員60の胸〜首61に向けて
集中吹出し、下部吹出口27からは乗員60の胸〜首6
1に向けて拡散風を吹き出す。クールダウン中期、すな
わち、クールダウン初期の制御により乗員60がとりあ
えず涼感を得た後に、下部吹出口27を拡散モードに変
えることにより乗員60の胸〜首61付近の広い範囲に
も空調風を送ることにより肩、腕等に涼風を吹き付ける
と共に、上部吹出口25からは集中吹出しを胸〜首61
に吹き付けることにより乗員60の快適感を向上させる
ことができる。特に、ドアの窓からの日射の影響を下部
吹出口27からの拡散風により軽減できる。
【0043】ステップ116では下部吹出口装置40の
上下風向切換部44の上下風向切換ダンパを開いて空調
風が吹き出されるようにする。
【0044】ステップ117ではモード切換部42を拡
散吹出モードとする。
【0045】ステップ118では上下風向切換部44の
吹出方向を胸方向と足元方向とを揺動させる。
【0046】ステップ125では上部吹出口装置34の
吹出モード切換部36を集中吹出モードとする。
【0047】ステップ128では上下風向切換部38の
吹出方向を胸とする。
【0048】ステップ116〜118,125,128
による空調風の吹出し状況を図11に示す。
【0049】T2>ΔT>T3(クールダウン後期)なら
ば上部吹出口25からは乗員60の胸〜首61に向けて
集中吹出し、下部吹出口27からは拡散モードで胸〜首
61から足62の間を上下に揺動させる。
【0050】クールダウン後期、すなわち、乗員上半身
への涼感を確保した後に乗員60の下半身にも空調風を
供給することにより、乗員全身を望ましい温度分布、に
することにより乗員60の快適感を向上させる。従来例
ではこの例のように乗員全身に空調風を送風していない
ために、乗員60の胸〜首61などの一部のみが冷えす
ぎているにもかかわらず、下半身や腕などに空調風が供
給できず不快感になるなどの問題点があった。この例で
は、上述のように上部吹出口25からは乗員胸〜首部6
1に集中吹出し、下部吹出口27から拡散モードで胸〜
首部61から足62にかけて空調風を揺動させて乗員全
身に空調風を送風すると共に乗員回りの温度分布を望ま
しいものにすることができる。このとき、下部吹出口2
7からの乗員各部への吹出時間割合を、 胸〜首:足:膝=3:2:1 とすることにより乗員全身に空調風を送り乗員60に快
適感を与える温度分布が達成できる。
【0051】ステップ119では下部吹出口装置40の
上下風向切換部44の上下風向切換ダンパを開いて空調
風が吹き出されるようにする。
【0052】ステップ120では吹出モード切換部42
を拡散モードとする。
【0053】ステップ121では上下風向切換部44の
吹出方向を胸から足の間を上下に揺動させる。
【0054】次いで、ステップ126では上部吹出口装
置34のモード切換部36を拡散モードとする。
【0055】ステップ128では上下風向切換部38の
吹出風の方向を胸とする。
【0056】ステップ119〜121,126,128
による空調風の吹出し状況を図12に示す。
【0057】クールダウン時と定常状態との中間状態で
ある過渡状態T3≦ΔT≦T4においては、上部吹出口2
5からは拡散モードで乗員60の胸〜首61に向けて吹
出し、下部吹出口27からは拡散モードで胸〜首61か
ら足元62の間を揺動させることにより、乗員60の局
所的な冷え過ぎを防止すると共に乗員60の全身へ空調
風を送風することにより乗員回りの温度分布を良好にす
る事ができる。このとき、下部吹出口27からの乗員各
部への吹出時間割合を、 胸〜首:足:膝=3:2:1 とすることにより乗員全身に空調風を送り乗員60に快
適感を与える温度分布が達成できる。
【0058】ステップ122では下部吹出口装置40の
上下風向切換部44の上下風向切換ダンパを必要に応じ
て開閉して吹出風の吹出しを制御する。
【0059】ステップ122では吹出モード切換部42
を拡散モードとする。
【0060】ステップ123では、上下風向切換部44
を胸から足元の間を上下に揺動させるとともに所定時間
停止させる。
【0061】ステップ127では上部吹出口装置34の
モード切換部を集中モードと拡散モードとの変動モード
とする。
【0062】ステップ122〜124,127,128
による空調風の吹出しの状況を図13に示す。
【0063】T4>ΔT(定常状態)ならば上部吹出口
25から乗員60の胸〜首61に向けて集中/拡散の変
動吹出しを行い、下部吹出口27からは拡散吹出で乗員
60の全身への空調風吹き付け停止をある時間間隔で繰
り返す。
【0064】すなわち、定常状態となった時点からは下
部吹出口27からの送風は拡散吹出で全身へ吹き出した
後ある時間停止させる。そして、この操作を繰り返す。
上部吹出口25からは乗員60の胸〜首61に向けて集
中吹出しモードと拡散吹出モードとをランダムに組み合
わせた変動吹出しを実行することにより、乗員60に適
宜の風速感を与えつつ車室内の快適性維持を図ることが
できる。
【0065】図14に以上説明した空調開始より時間経
過にともなう制御内容変化の状態をまとめて示す、熱環
境の状態に応じて最適制御が行われる状態が分かる。
【0066】ステップ129では、ステップ103で決
定したブロワファンの風量設定電圧をブロワファンモー
タ18へ出力する。
【0067】ステップ130では各ドアのアクチュエー
タ20,23,28,30に出力しドアを設定する。
【0068】ステップ131では各吹出装置34,40
のモード切換部アクチュエータ35,41、上下風向切
換部アクチュエータ37,43へ出力する。
【0069】こうして1回の制御ループを終了する。そ
してステップ102へ戻り、制御ループを再度繰り返
す。
【0070】図15〜図24には、クールダウンから定
常時までの乗員回りの温度分布と、乗員に対する上下吹
出口装置34,40からの吹出風の状況を示す。表1に
示したようにクールダウン時には乗員の胸〜首部に向け
速い気流を吹き付け、定常状態時には全身へおそい気流
を吹き付けている。また、前記したようにクールダウン
を3つの領域に分けると共に過渡状態吹出モードを加え
ることにより、クールダウン時に快適感を得られる温度
分布と吹出方法から、定常時に快適感を得られる温度分
布と吹出方法へ徐々に移行させている。
【0071】
【表1】
【0072】3つのクールダウンでは、上部吹出装置3
4からは乗員の胸へ首部に集中モード吹出しを基本に
し、下部吹出装置40からは集中から肩や腕部さらに全
身へと空調風を変化させて吹き付ける。
【0073】すなわち、クールダウン初期には、図15
に示すように上部吹出口25及び下部吹出口27から、
乗員60の胸〜首61へ集中モードで空調風を吹き付
け、図16に示す如く、胸〜首を集中的に冷却する。
【0074】クールダウン中期には、図17に示すよう
に、上部吹出口25からは、乗員60の胸へ首61へ集
中モードで空調風を吹き付け、下部吹出口27からは、
拡散モードで胸〜首61を中心に肩、腕部に向けて空調
風を吹き付ける。図18に示す如く、人体上部(胸〜首
で計測)の周囲温度はもとより、吹き出された冷風によ
って、人体各部が冷却されている。
【0075】クールダウン後期には、図19に示すよう
に、上部吹出口25からは集中モードで胸〜首に空調風
を付け、下部吹出口27からは拡散モードで全身に向け
て空調風を吹き掛ける。図20に示すように、人体周囲
温度は、人体の部位によって大きな差がなくなってい
る。
【0076】次いで、クールダウンから定常状態へスム
ースに移行させるために、過渡状態では、図21に示す
ように、上部吹出口25から拡散モードで空調風を上半
身へ吹き付け、下部吹出口27からは拡散モードで全身
に空調風を吹き付ける。このようにすることにより、ク
ールダウン時から定常時の間の状態は細かく制御される
ので、ある一部分が冷えすぎているにもかかわらず、他
の部分が暑いなどの状態の発生を防止して、良好な快適
感が得られる。
【0077】図23に定常時の状態を示す。吹出風の吹
出方向は過渡状態時と同じであるが、下部吹出口27か
らの空調風は必要に応じて停止する。かくして、図24
に示すように、極めて快適な冷房状態が保たれる。
【0078】つぎに、第2実施例について説明する。こ
の実施例では、クールダウン初期,中期,後期,過渡状
態などに吹出方を変える温度T1、T2、T3を日射量に
り修正する。外気温が同じ温度であっても日射がある場
合と無い場合では物理的にも体感的にも、暑さに体する
人間の感覚には大きな差がある。そこで、夏期晴天の日
中時などの日射量が大きい場合にはクールダウン時間を
大きくなるように修正し、夜間や曇日などの日射量が少
ない場合にはクールダウン時間が少なくなるように修正
する。第2実施例の制御をフローチャートで説明する。
前記した第1実施例と、制御内容は略同じであるので第
1実施例と違う部分のみを図25〜図26に示す。
【0079】ステップ201でSm=0と初期設定され
る。Smは以下のステップで述べる日射量の最大値を表
す変数である。ステップ201は図7〜図8に示す第1
実施例のフローチャートのステップ101の前に書き加
えられる。
【0080】またステップ202〜204までは第1実
施例のステップ107とステップ108の間に挿入され
る。
【0081】ステップ202では、ステップ102で得
られた日射量SとSmを比較し、YESであればステッ
プ203へ、NOであればステップ204へ進む。
【0082】ステップ203では、SmをSに置き換え
る。すなわち、以上説明したステップでSの最大値Sm
を求めている。
【0083】ステップ204では、第1実施例で述べた
i(i=1,2,3)を日射量Smの関数として修正し
ている。ここで、αi,βi,(i=1,2,3)、およ
び、S0は予め与えられた定数である。αiはTiの最大
最小補正値を決める定数であり、βiは日射量の補正温
度量Ti’に関する定数で、βiが大きければ少ない日射
量変化に対しても補正温度絶対量は大きくなる。また、
0は基準日射量であり、Sm=S0の時に温度はTiとな
る。またここで、T1’>T2,T2’>T3,T3’>T4
となるように上述の定数は選ばれている。このように修
正してステップ108へ進む。
【0084】以上のように制御することにより、日射量
が多い場合には予め決められた値Tiを小さくなるよう
に補正されるので、クールダウン制御吹出は長く行わ
れ、よりいっそうの快適感を得られることになる。
【0085】つぎに、第3実施例について説明する。こ
の実施例では、クールダウン初期,中期,後期,過渡状
態などに吹出方を変える温度T1、T2、T3を車室内湿
度により修正する。外気温が同じ温度であっても湿度が
多い場合と少ない場合では物理的にも体感的にも、暑さ
に対する人間の感覚には大きな差がある。特にクールダ
ウン時においては、乗員の胸から首部に空調風を吹き付
けることにより、肌の露出している部分の汗を蒸発させ
ることにより冷感を得るため車室内の湿度が高い場合は
十分な令感を得るまでの時間が長くなる。そこで、夏期
で車室内の湿度が大きい場合にはクールダウン時間を大
きくなるように修正する。第3実施例の制御をフローチ
ャートで説明する。
【0086】なお、制御内容は第1実施例とほぼ同じで
あるので第1実施例のフローチャートと違う部分のみを
図27〜図28に示す。
【0087】ステップ301で湿度検出装置より得られ
た湿度Mをコントローラ46に入力する。ステップ30
1は第1実施例のステップ102の後に書き加えられ
る。
【0088】ステップ302は第1実施例のステップ1
07とステップ108の間に挿入される。
【0089】ステップ302では、第1実施例で述べた
i(i=1,2,3)を湿度Mの関数として修正して
いる。ここで、γi,δi,(i=1,2,3)、およ
び、M0は予め与えられた定数である。γiはTiの最大
最小補正値を決める定数であり、δiは湿度の補正温度
量Ti”に関する定数で、δiが大きければ少ない湿度変
化に対しても補正温度絶対量は大きくなる。また、M0
は基準湿度であり、M=M0の時に温度はTiとなる。ま
たここで、T1”>T2,T2”>T3,T3”>T4となる
ように上述の定数は選ばれている。このように修正して
ステップ108へ進む。
【0090】以上のように制御することにより、湿度が
多い場合には予め決められた値Tiは小さくなるように
補正され、クールダウン制御吹出は長く行われるので、
よりいっそうの快適感を得られることになる。
【0091】さらに、クールダウン初期,中期,後期,
過渡状態などに吹出方を変える温度T1、T2、T3を日
射量および車室内湿度の両方で修正できることはいうま
でもない。
【0092】図29は、クールダウン時において乗員に
吹き付ける吹付部位による温冷感の影響をしらべた実験
結果である。吹付部位を上半身全体、胸から首に向けて
のスポット吹出の2種類に変えてクールダウン中の評価
を行った。総吹出流量は6m3/minで、被験者一人
当たりへは3m3/minとした。冷風を上半身全体に
吹き付けるよりも、胸から首に集中的に吹き付けた場合
の方が、全身の温冷感に関し最も早く冷えた感覚を得ら
れることが分かった。
【0093】図30は、定常時における車室内の乗員の
上半身、下半身の温度、風速をそれぞれコントロールで
きるユニットを搭載し、冷房時および暖房時の乗員のフ
ィーリングが快適になるようにして得られた温度および
流速の結果図である。冬季の結果から、温度分布は頭寒
足熱型が快適感を与え速度に関しては足元部に上半身や
膝部よりも早い流速が良いことが分かる。また、夏期に
おいての快適感を与える温度分布は全身に渡りほぼ均一
であるが胸〜首部の温度を低めに、膝部を高めにした温
度分布となっている。流速に関しては上半身の風速に比
べて膝、足元に遅い流速が良いことが分かる。また、夏
期、冬季にかかわらず、定常時の流速は1m/s未満の
低い流速が快適感を与えることが分かる。
【0094】図31は、空気調和された室内において被
験者に吹出気流の流速および温度を変化させた場合の快
適範囲を示したものである。室温の設定温度を横軸にと
り、設定吹出温度を縦軸にとりそれぞれの設定温度を変
化させた場合の快適感を求めた結果である。図の実線で
囲まれた領域が吹出風速が0.5m/sの場合の快適領
域であり、波線領域が風速2m/sの場合の快適領域で
ある。また、吹出部位は着座した被験者の胸部へ吹き出
した。実験は50〜60分の暴露後に官能評価を求め
た。この図より、風速が0.5m/sの快適領域に比べ
風速2m/sの場合の快適領域が狭くなっているのが分
かる。すなわち、定常状態においては乗員は風速が低い
方が広い車室内温でより快適感が得られることが分か
る。
【0095】図29〜図31の結果より乗員の快適性を
向上させるには、クールダウン時には吹付流速を大きく
し乗員の胸〜首に吹き付けることにより急速に温冷感を
下げ、定常状態においては、乗員全身に渡り定速気流を
吹き付けるのが望ましい。このことを表1に示す。
【0096】以上説明してきたように制御されているの
で、車室内において、クールダウン初期からクールダウ
ン後期、さらに過渡状態を経て定常状態に至る過程で、
吹出温度および室温の低下にともなって、時々刻々と変
化する車室内の熱環境に応じたきめ細かい制御がなさ
れ、前記熱環境に応じた快適性を充分に得ることが可能
となるのである。さらに、日射量や湿度に応じてクール
ダウン吹出を可変にしたため最適な温冷感制御を行うこ
とができる。また、吹出部位が変わることにより乗員が
違和感を覚え、不快感を訴えることがおおいが、この問
題も解決できる。
【0097】
【発明の効果】以上説明してきたように構成されている
ので、本発明によれば、時々刻々と変化する車室内の熱
環境に応じた木目細かい制御が行われるので、熱環境に
応じた充分な快適性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機能を説明するブロック図。
【図2】本発明の第1実施例の構成を示す概略全体構成
図。
【図3】同じく第1実施例の吹出口装置を示す斜視図。
【図4】同じく第1実施例のモード切換部を示す斜視
図。
【図5】同じく第1実施例のダンパ部を示す斜視図。
【図6】同じく第1実施例の吹出モードとダンパの動き
の関係を示す図。
【図7】同じく第1実施例の制御動作を説明するフロー
チャートのステップ101からステップ107迄を示す
図。
【図8】同じく第1実施例の制御動作を説明するフロー
チャートのステップ108からステップ131迄を示す
図。
【図9】同じく第1実施例の空調状態クールダウン初期
の空調風吹出状態を示す側面図。
【図10】同じく第1実施例の空調状態クールダウン中
期の空調風吹出状態を示す側面図。
【図11】同じく第1実施例の空調状態クールダウン後
期の空調風吹出状態を示す側面図。
【図12】同じく第1実施例の空調状態過渡状態の空調
風吹出状態を示す側面図。
【図13】同じく第1実施例の空調状態定常状態の空調
風吹出状態を示す側面図。
【図14】同じく第1実施例の制御動作の時間経過を示
すタイムチャート。
【図15】同じく第1実施例の空調状態クールダウン初
期における乗員に対する空調風の吹き掛け状態を示す正
面図。
【図16】同じく第1実施例の空調状態クールダウン初
期における乗員周囲温度を示す図。
【図17】同じく第1実施例の空調状態クールダウン中
期における乗員に対する空調風の吹き掛け状態を示す正
面図。
【図18】同じく第1実施例の空調状態クールダウン中
期における乗員周囲温度を示す図。
【図19】同じく第1実施例の空調状態クールダウン後
期における乗員に対する空調風の吹き掛け状態を示す
図。
【図20】同じく第1実施例の空調状態クールダウン後
期における乗員周囲温度を示す図。
【図21】同じく第1実施例の空調状態過渡状態におけ
る乗員に対する空調風の吹き掛け状態を示す図。
【図22】同じく第1実施例の空調状態過渡状態におけ
る乗員周囲温度を示す図。
【図23】同じく第1実施例の空調状態定常状態におけ
る乗員に対する空調風の吹き掛け状態を示す図。
【図24】同じく第1実施例の空調状態定常状態におけ
る乗員周囲温度を示す図。
【図25】本発明の第2実施例の制御動作を説明するフ
ローチャートのステップ201を示す図。
【図26】同じく第2実施例の制御動作を説明するフロ
ーチャートのステップ202からステップ204迄を示
す図。
【図27】本発明の第3実施例の制御動作を説明するフ
ローチャートのステップ301を示す図。
【図28】同じく第3実施例の制御動作を説明するフロ
ーチャートのステップ302を示す図。
【図29】クールダウン時において乗員に吹き付ける吹
付部位による温冷感の違いを説明する図。
【図30】冷房時および暖房時における人体各部位の快
適温度を流速との関係を示す図。
【図31】吹出気流の流速および温度と快適温度範囲の
関係を示す図。
【符号の説明】
25…上部吹出口 27…下部吹出口 34…上部吹出口装置 36,42…モード切換部 38,44…上下風向切換部 39,45…配風ダクト部 40…下部吹出口装置 46…コントローラ 51,52,53…ダンパ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 空調風の吹出モードを切換えるモード切
    換部と、空調風の吹出方向を車室内の上下方向に揺動可
    能な上下風切換部と、これら2つの切換部をつなぐ配風
    ダクト部とからなる吹出口装置を、複数相対的に上下に
    位置するように配置した吹出装置を、インストルメント
    パネルに複数設置するとともに、モード切換部の吹出モ
    ードを決定し、また吹出モードを時間的に変更するモー
    ド決定及びモード切換時間決定手段と、上下風向切換部
    の吹出方向を決定し、また上下風向切換部の揺動を時間
    的に変更する吹出方向決定及び切換時間決定手段と、空
    調風を吹出す吹出口装置を決定する吹出口モード決定手
    段と、車室内の空調状態をクールダウン初期,クールダ
    ウン中期,クールダウン後期,過渡状態,定常状態等少
    なくとも複数段階に判別する空調状態判別手段とを設
    け、空調状態に応じて吹出モード、吹出方向、吹出口モ
    ードを制御することを特徴とする自動車用空調装置。
JP18845491A 1991-07-29 1991-07-29 自動車用空調装置 Pending JPH0532119A (ja)

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