JP3861419B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内の空調エリアに射し込む日射情報の変化が大きい場合でも、乗員に違和感を与えることなく、吹出口から吹き出される空調風の吹出状態を日射情報に対応させることが可能な車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用オートエアコンにおいては、車両の車室内前方側のインストルメントパネル上に設置された日射センサの出力から日射強度および日射方向を算出し、この算出した日射強度および日射方向に応じて、空調ダクトの吹出口から車室内に吹き出す空気の吹出温度や吹出風量、および吹出口モードを変更するようにした日射補正が一般的に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、車両がトンネルの中や建物の影に入ったり、車両がトンネルの中や建物の影から出たりする等して、日射センサの出力が大きく変化した場合には、空調ダクトの吹出口から車室内に吹き出す空調風の吹出温度や吹出風量、および吹出口モードのハンチングを防止する必要がある。そこで、日射センサの出力に時定数(遅れ)を設けて、その時定数の値および算出された日射強度に応じて吹出温度や吹出風量、および吹出口モードを制御するようにしている。
【0004】
一方、空調ダクトの吹出口から車室内に吹き出す空調風の吹出方向、すなわち、スイングルーバ(可変ルーバ)やスインググリル(可変グリル)の向きを日射方向に応じて制御する場合には、日射センサの出力から日射方向を算出し、この算出した日射方向が空調エリア内の乗員に当たる方向であるか否かを判定して、可変ルーバや可変グリルの向きを変更するようにしている。
【0005】
ところが、上記の日射補正のように日射センサの出力に時定数が設けられていると、太陽の位置に対して車両の進行方向が頻繁に変化する場合、すなわち、空調エリア内に射し込む日射方向が頻繁に変化する場合には、可変ルーバや可変グリルの向きを実際に向けなければいけない方向とは全く異なる方向に向けてしまうことが考えられ、空調エリア内の乗員に違和感を与えたり、システムへの信頼性を低下させたりするという問題が生じている。
【0006】
【発明の目的】
本発明の目的は、吹出温度の日射補正よりも、空調ダクトの吹出口から吹き出される空調風の吹出状態、例えば吹出方向または吹出風量を、日射強度、日射方位角または日射仰角等の日射情報に速やかに対応させることのできる車両用空調装置を提供することにある。また、空調エリア内の乗員に違和感を与えず、システムへの信頼性の低下を防止することのできる車両用空調装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、日射情報検出手段にて検出した日射情報のうち、吹出温度可変手段を制御するのに必要な日射情報に設けられる時定数の値を、吹出状態可変手段を制御するのに必要な日射情報に設けられる時定数の値よりも大きくする。それによって、吹出温度可変手段を制御するのに必要な日射情報に設けられる時定数の値に応じて第1アクチュエータを制御する場合と、吹出状態可変手段を制御するのに必要な日射情報に設けられる時定数の値に応じて第2アクチュエータを制御する場合とで時間に長短ができる。
【0008】
したがって、吹出温度の日射補正よりも、空調ダクトの吹出口から吹き出される空調風の吹出状態を日射情報に速やかに対応させることができるので、空調エリア内の乗員に違和感を与えず、システムへの信頼性の低下を防止することができる。あるいは、吹出状態の日射補正よりも、空調ダクトの吹出口から吹き出される空調風の吹出温度を日射情報に速やかに対応させることができる。
【0009】
請求項に記載の発明によれば、吹出温度可変手段、風量可変手段またはモード切替手段を制御するのに必要な日射情報に設けられる時定数の値を、吹出状態可変手段を制御するのに必要な日射情報に設けられる時定数の値よりも大きくすることができる。これにより、空調エリア内の乗員に違和感を与えず、システムへの信頼性の低下を防止することができる。
【0010】
請求項に記載の発明によれば、吹出温度制御は、冷却度合検出手段にて検出した空気冷却度合、加熱度合検出手段にて検出した空気加熱度合および目標吹出温度決定手段にて決定した目標吹出温度からエアミックスドアの目標開度を決定し、このドア開度決定手段にて決定したエアミックスドアの目標開度に応じて、第1アクチュエータを制御することにより行われる。
【0011】
請求項に記載の発明によれば、日射方向決定手段にて決定した日射方向が空調エリア内の乗員に当たる方向の場合には、第2アクチュエータを制御することにより、吹出方向可変手段を乗員方向に向けるか、乗員への空調風の配風量を増やすか、空調ダクトの吹出口から空調エリア内に吹き出す空調風の吹出範囲を狭くするか、吹出方向可変手段の揺動範囲を狭くするか、あるいは吹出方向可変手段の揺動速度を乗員方向では遅く、乗員を外す方向では速くする。
【0012】
請求項に記載の発明によれば、日射方向決定手段にて決定した日射方向が空調エリア内の乗員に当たらない方向の場合には、第2アクチュエータを制御することにより、吹出方向可変手段を乗員を外す方向に向けるか、乗員への空調風の配風量を減らすか、空調ダクトの吹出口から空調エリア内に吹き出す空調風の吹出範囲を広くするか、吹出方向可変手段の揺動範囲を広くするか、あるいは吹出方向可変手段の揺動速度を乗員方向では速く、乗員を外す方向では遅くする。
【0013】
請求項に記載の発明によれば、日射方向決定手段にて決定した日射方向が空調エリア内の乗員に当たる方向の場合には、第2アクチュエータを制御することにより、乗員への空調風の配風量を増やすか、あるいは空調ダクトの吹出口から空調エリア内に吹き出す空調風の吹出風量を増やす。また、請求項に記載の発明によれば、日射方向決定手段にて決定した日射方向が空調エリア内の乗員に当たらない方向の場合には、第2アクチュエータを制御することにより、乗員への空調風の配風量を減らすか、あるいは空調ダクトの吹出口から空調エリア内に吹き出す空調風の吹出風量を減らす。
【0014】
請求項に記載の発明によれば、日射方向決定手段にて決定した日射方向が一方側空調エリアまたは他方側空調エリアのどちらかに偏っている場合には、一方側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態の制御パターンの変更と他方側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態の制御パターンの変更とを互いに独立して行うように、一方側吹出状態可変手段および他方側吹出状態可変手段を制御するようにしている。それによって、一方側空調エリア内に日射が有り、他方側空調エリア内に日射が無い場合に、一方側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態の制御パターンの変更のみ行い、他方側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態の制御パターンの変更を行わないようにする。これにより、一方側空調エリア内の乗員の空調感を向上でき、且つ他方側空調エリア内の乗員の空調感の低下を防止できる。
【0015】
請求項に記載の発明によれば、日射方向決定手段にて決定した日射方向が空調エリア内の乗員の身体のセンタ側またはサイド側のどちらかに偏っている場合には、センタ側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態の制御パターンの変更とサイド側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態の制御パターンの変更とを互いに独立して行うように、センタ側吹出状態可変手段およびサイド側吹出状態可変手段を制御するようにしている。それによって、空調エリア内の乗員の身体のサイド側に日射が有り、乗員のセンタ側に日射が無い場合に、センタ側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態の制御パターンを変更せず、サイド側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態の制御パターンの変更のみを行うようにする。これにより、空調エリア内の乗員の身体のサイド側の不快感を解消でき、且つ乗員の身体のセンタ側の快適感を維持できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態の構成〕
図1ないし図13は本発明の第1実施形態を示したもので、図1は日射方向と可変ルーバの揺動範囲との関係を示した図で、図2は車両用空気調和装置の全体構成を示した図で、図3は車両のインストルメントパネルを示した図である。
【0017】
本実施形態の車両用空気調和装置は、エンジンを搭載する自動車等の車両の車室内を空調する空調ユニット1における各空調手段(ブロワモータ、サーボモータやルーバモータ等のアクチュエータ)を、空調制御装置(以下エアコンECUと言う)50によって制御するように構成されている。
【0018】
その空調ユニット1は、ドライバー側(以下Drと言う)空調エリアとパッセンジャー側(以下Paと言う)空調エリアとの温度調節、オートルーバ制御およびマニュアルルーバ制御等を互いに独立して行うことが可能なエアコンユニットである。なお、Dr側空調エリアとは、車両の車室内の一方側空調エリアおよび右前部座席側空調エリアである。また、Pa側空調エリアとは、車両の車室内の他方側空調エリアおよび左前部座席側空調エリアである。
【0019】
空調ユニット1は、車両の車室内の前方に配置された空調ダクト2を備えている。この空調ダクト2の上流側には、内外気切替ドア3およびブロワ4とが設けられている。
内外気切替ドア3は、サーボモータ5により駆動されて車室内の空気(内気)を吸い込む内気吸込口6と、車室外の空気(外気)を吸い込む外気吸込口7との開度を変更する吸込口モード切替手段(吸込口モード切替ドア)である。
ブロワ4は、本発明の風量可変手段に相当するもので、ブロワ駆動回路8により制御されるブロワモータ9により回転駆動されて空調ダクト2内において車室内に向かう空気流を発生させる送風機(送風手段)である。
【0020】
空調ダクト2の中央部には、空調ダクト2内を通過する空気を冷却する冷凍サイクルのエバポレータ(冷却用熱交換器)10が、空調ダクト2の全面に渡って設けられている。また、そのエバポレータ10の下流側には、第1空気通路11および第2空気通路12を通過する空気を加熱するエンジンの冷却水を熱源としたヒータコア(加熱用熱交換器)13が設けられている。なお、第1空気通路11および第2空気通路12は仕切り板14により区画されており、ヒータコア13は仕切り板14を貫通して設けられている。そして、ヒータコア13の下流側には、車室内のDr側空調エリアとPa側空調エリアとの温度調節を互いに独立して行うためのDr側、Pa側エアミックス(A/M)ドア15、16が設けられている。
【0021】
そして、Dr側、Pa側A/Mドア15、16は、サーボモータ(本発明の第1アクチュエータに相当する)17、18により駆動されてヒータコア13を通過する空気量とヒータコア13を迂回する空気量とを調節する空気量調節手段である。ここで、本実施形態では、エバポレータ10、ヒータコア13およびDr側、Pa側A/Mドア15、16により、Dr側、Pa側空調エリア内に吹き出す空調風の吹出温度を変更することが可能な吹出温度可変手段が構成される。
【0022】
第1空気通路11の下流側では、フロントウインドガラスの内面に向けて空調風(主に温風)を吹き出すためのデフロスタ(DEF)吹出口20、Dr側の乗員の上半身(頭胸部)に向けて空調風(主に冷風)を吹き出すためのDr側センタフェイス(FACE)吹出口(センタ側吹出口)21、Dr側の乗員の上半身またはDr側のサイドウインドガラスの内面に向けて空調風(冷風または温風)を吹き出すためのDr側サイドフェイス(FACE)吹出口(サイド側吹出口)22、およびDr側の乗員の足元部に向けて空調風(主に温風)を吹き出すためのDr側フット(FOOT)吹出口23が開口している。なお、DEF吹出口20からは、Dr側空調エリアのフロントウインドガラスの内面だけでなく、Pa側空調エリアのフロントウインドガラスの内面に向けても空調風(主に温風)が吹き出される。
【0023】
また、第2空気通路12の下流側では、Pa側の乗員の上半身(頭胸部)に向けて空気流(主に冷風)を吹き出すためのPa側センタフェイス(FACE)吹出口(センタ側吹出口)31、Pa側の乗員の上半身またはPa側のサイドウインドガラスの内面に向けて空気流(冷風または温風)を吹き出すためのPa側サイドフェイス(FACE)吹出口(サイド側吹出口)32、およびPa側の乗員の足元部に向けて空気流(主に温風)を吹き出すためのPa側フット(FOOT)吹出口33が開口している。
【0024】
そして、第1、第2空気通路11、12内には、車室内のDr側とPa側との吹出口モードの設定を互いに独立して行うDr側吹出口切替ドア24〜26、Pa側吹出口切替ドア35、36が設けられている。そして、Dr側、Pa側吹出口切替ドア24〜26、35、36は、本発明のモード切替手段に相当するもので、サーボモータ27、28、38により駆動されてDr側、Pa側の吹出口モードをそれぞれ切り替える吹出口モード切替手段(吹出口モード切替ドア)である。ここで、Dr側、Pa側の吹出口モードとしては、フェイス(FACE)モード、バイレベル(B/L)モード、フット(FOOT)モード、フットデフ(F/D)モード、デフロスタ(DEF)モード等がある。
【0025】
そして、Dr側センタFACE吹出口21、Dr側サイドFACE吹出口22、Pa側センタFACE吹出口31およびPa側サイドFACE吹出口32には、インストルメントパネル(格納部材)40にスイングルーバ装置がそれぞれ取り付けられている。なお、Dr側サイドFACE吹出口22およびPa側サイドFACE吹出口32を車両の前側ドアまたは側面ボディのインナパネルにそれぞれ取り付けていても良い。
【0026】
次に、各FACE吹出口21、22、31、32に設置されるスイングルーバ装置を図4ないし図6に基づいて簡単に説明する。ここで、図4はDr側の各FACE吹出口21、22にそれぞれ設置されるスイングルーバ装置の全体構成を示した図である。なお、Pa側の各FACE吹出口31、32にそれぞれ設置されるスイングルーバ装置は、Dr側の各FACE吹出口21、22に設置されるスイングルーバ装置と同一の構成のため図示しない。
【0027】
各スイングルーバ装置は、インストルメントパネル40の中央部に設置されたDr側、Pa側可変グリル(センタグリル)41、およびインストルメントパネル40の左右の側方部に設置されたDr側、Pa側可変グリル(サイドグリル)42内にそれぞれ設けられている。なお、これらの各Dr側、Pa側可変グリル41、42内の空気通路は、上記のDr側センタFACE吹出口21、Dr側サイドFACE吹出口22、Pa側センタFACE吹出口31およびPa側サイドFACE吹出口32として利用される。そして、それらの各Dr側、Pa側可変グリル41、42内には、ルーバ左右方向揺動機構(図5参照)およびルーバ上下方向揺動機構(図6参照)がそれぞれ設けられている。
【0028】
ルーバ左右方向揺動機構は、本発明の吹出状態可変手段に相当するもので、各Dr側、Pa側可変グリル41、42内において車両の進行方向に対して左右方向(車両の幅方向)に複数列設されたルーバフィン(以下可変ルーバと言う)43と、可変ルーバ43を支点を中心にして左右方向に所定の揺動範囲(スイング範囲)にて揺動運動(スイング)させるリンクレバー44と、アームプレート44aを介してリンクレバー44を左右方向に往復運動させるルーバ駆動手段としてのルーバモータ(本発明の第2アクチュエータに相当する)45とから構成されている。ここで、本実施形態では、可変ルーバ43が本発明の吹出方向可変手段に相当し、また、リンクレバー44、アームプレート44aおよびルーバモータ45によって可変ルーバ43に揺動運動を与えるルーバアクチュエータが構成される。
【0029】
ルーバ上下方向揺動機構は、本発明の吹出状態可変手段に相当するもので、各Dr側、Pa側可変グリル41、42内において車両の進行方向に対して上下方向(車両の高さ方向)に複数列設されたルーバフィン(以下可変ルーバと言う)46と、これらの可変ルーバ46を支点を中心にして上下方向に所定の揺動範囲(スイング範囲)にて揺動運動(スイング)させるリンクレバー47と、アームプレート47aを介してリンクレバー47を上下方向に往復運動させるルーバ駆動手段としてのルーバモータ(本発明の第2アクチュエータに相当する)48とから構成されている。ここで、本実施形態では、可変ルーバ46が本発明の吹出方向可変手段に相当し、また、リンクレバー47、アームプレート47aおよびルーバモータ48によって可変ルーバ46に揺動運動を与えるルーバアクチュエータが構成される。
【0030】
エアコンECU50は、本発明の空調制御装置に相当するもので、内部にCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータが設けられ、各センサからのセンサ信号が図示しない入力回路によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。そして、エアコンECU50には、図2に示したように、Dr側空調エリアを所望の温度に設定するためのDr側温度設定スイッチ(Dr側温度設定手段)51、Pa側空調エリアを所望の温度に設定するためのPa側温度設定スイッチ(Pa側温度設定手段)52、およびスイングスイッチ53等が接続されている。これらの各スイッチは、インストルメントパネル40の中央部前面に一体的に設けられたエアコン操作パネル(図示せず)に設置されている。
【0031】
なお、スイングスイッチ53は、各Dr側、Pa側可変グリル41、42(各FACE吹出口21、31、22、32)のスイングルーバ装置の可変ルーバ43、46の揺動作動(スイング)および停止を指令するルーバ作動指令手段である。さらに、エアコンECU50には、車室内の空気温度(以下内気温度と言う)を検出する内気温度検出手段としての内気温度センサ54、車室外の空気温度(以下外気温度と言う)を検出する外気温度検出手段としての外気温度センサ55、および日射センサ56が接続されている。
【0032】
また、エバポレータ10による実際の空気冷却度合を検出する冷却度合検出手段としてのエバ後温度センサ57、ヒータコア13による実際の空気加熱度合を検出する加熱度合検出手段としての冷却水温度センサ58、および各スイングルーバ装置の可変ルーバ43、46の現在位置(空調風の吹出方向)を検出するポテンショメータ59、60が接続されている。ここで、エバ後温度センサ57は、具体的にはエバポレータ10を通過した直後の空気温度(以下エバ後温度と言う)を検出するエバ後温度検出手段である。また、冷却水温度センサ58は、ヒータコア13内に供給される冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段である。
【0033】
そして、日射センサ56は、本発明の日射情報検出手段に相当するもので、車室内の最前方側のフロントウインドガラス近傍のインストルメントパネル40上に設置されている。なお、日射センサ56は、Dr側空調エリア内に照射される日射量(日射強度)を検知し、その日射強度に対応した出力信号TS’(Dr)を発生するDr側日射強度検知手段(例えばフォトダイオード)と、Pa側空調エリア内に照射される日射量(日射強度)を検知し、その日射強度に対応した出力信号TS’(Pa)を発生するPa側日射強度検知手段(例えばフォトダイオード)とを有している。
【0034】
複数個(本例では4個)のポテンショメータ59は、図5に示したように、リンクレバー44と一体的に左右方向に往復移動する可動接点59a、およびこの可動接点59aの移動により分圧比を変える抵抗素子59b等よりなる。複数個(本例では4個)のポテンショメータ60は、図6に示したように、リンクレバー47と一体的に上下方向に往復移動する可動接点60a、およびこの可動接点60aの移動により分圧比を変える抵抗素子60b等よりなる。
【0035】
〔第1実施形態の空調制御方法〕
次に、本実施形態のエアコンECU50による空調制御方法を、図1ないし図13に基づいて説明する。ここで、図7はエアコンECU50の制御プログラムの一例を示したフローチャートである。
【0036】
先ず、イグニッションスイッチがONされてエアコンECU50に直流電源が供給されると、制御プログラム(図7のルーチン)の実行が開始される。このとき、先ず、データ処理用メモリ(RAM)の記憶内容等を初期化する(ステップS1)。
次に、各種データをデータ処理用メモリに読み込む。すなわち、各スイッチからのスイッチ信号や各センサからのセンサ信号を入力する(日射情報検出手段、冷却度合検出手段、加熱度合検出手段:ステップS2)。
【0037】
具体的には、Dr側、Pa側温度設定スイッチ51、52にて設定されたDr側、Pa側の設定温度と、スイングスイッチ53の操作状態を入力してデータ処理用メモリに記憶する。また、内気温度センサ54にて検出した内気温度、外気温度センサ55にて検出した外気温度、エバ後温度センサ57にて検出したエバ後温度、冷却水温度センサ58にて検出した冷却水温度、ポテンショメータ59にて検出した左右方向の現在位置、およびポテンショメータ60にて検出した上下方向の現在位置を入力してデータ処理用メモリに記憶する。さらに、日射センサ56にて検出した日射強度に対応した出力信号(以下日射センサ信号と言う)を入力してデータ処理用メモリに記憶する。
【0038】
次に、上記のステップS2で記憶した日射センサ信号TS’(Dr)、TS’(Pa)に対してT1 (sec)の時定数(遅れ)によって算出される日射強度TS(Dr)、TS(Pa)を決定する。すなわち、日射センサ信号TS’(Dr)、TS’(Pa)および下記の数1の式、数2の式に基づいて、Dr側空調エリアの日射強度TS(Dr)、Pa側空調エリアの日射強度TS(Pa)および時定数T1 を演算する(ステップS3)。
【0039】
【数1】
Figure 0003861419
【数2】
Figure 0003861419
【0040】
但し、Tは制御周期(例えば1秒間〜4秒間)で、TSn-1(Dr)はTS(Dr)の1周期前の値で、TSn-1(Pa)はTS(Pa)の1周期前の値である。また、T1 はブロワ4のブロワモータ9に印加されるブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)、Dr側、Pa側吹出口切替ドア25、26、35、36およびDr側、Pa側A/Mドア15、16を制御するのに必要な日射強度TS(Dr)、TS(Pa)に設けられる時定数の値で、例えば30秒間〜120秒間である。
【0041】
次に、上記のような記憶データおよび下記の数3の式、数4の式に基づいて、Dr側の目標吹出温度TAO(Dr)、およびPa側の目標吹出温度TAO(Pa)を演算する(ステップS4)。ここで、ステップS4の制御処理は、本発明の目標吹出温度決定手段に相当する。
【数3】
Figure 0003861419
【数4】
Figure 0003861419
【0042】
但し、Tset(Dr)およびTset(Pa)は、それぞれDr側空調エリアの設定温度、Pa側空調エリアの設定温度を表し、TR、TAMは、それぞれ内気温度、外気温度を表す。Kset、KR、KAM、KS、Kd(Dr)およびKd(Pa)は、それぞれ温度設定ゲイン、内気温度ゲイン、外気温度ゲイン、日射量ゲイン、第1、第2空調ゾーンの温度差補正ゲインを表す。
【0043】
なお、Ka(Dr)、Ka(Pa)は、それぞれ外気温度TAMがDr側空調エリアおよびPa側空調エリアの各空調温度に及ぼす影響度合を補正するゲインを表し、CD(Dr)、CD(Pa)は上記影響度合に応じた定数、Cは補正定数を表す。ここで、Ka(Dr)、Ka(Pa)、CD(Dr)、CD(Pa)といった値は、車両の形や大きさ、空調ユニット1の吹出風向等様々なパラメータで変化する。
【0044】
次に、上記のステップS4で求めた目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に基づいてブロワ4に印加するブロワ制御電圧VAを演算する(ステップS5)。具体的には、上記のブロワ制御電圧VAは、目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)にそれぞれ適合したブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を図8の特性図に基づいて求めると共に、それらのブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を平均化処理することにより得ている。
【0045】
次に、上記のステップS4で求めた目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)と、図9の特性図に示した目標吹出温度に対する吹出口モード特性とに基づいてDr側空調エリアおよびPa側空調エリアの各吹出口モードを決定する(ステップS6)。具体的には、吹出口モードの決定においては、上記の目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)が低い温度から高い温度にかけて、FACEモード、B/Lモード、FOOTモードおよびF/Dモードとなるように決定されている。
【0046】
なお、上記のFACEモードとは、空調風を乗員の上半身(頭胸部)に向けて吹き出す吹出口モードである。また、B/Lモードとは、空調風を乗員の上半身(頭胸部)および足元部に向けて吹き出す吹出口モードである。そして、FOOTモードとは、空調風を乗員の足元部に向けて吹き出す吹出口モードである。さらに、F/Dモードとは、空調風を乗員の足元部および車両のフロントウインドガラスの内面に向けて吹き出す吹出口モードである。そして、本実施形態では、エアコン操作パネルに設けられたデフロスタスイッチを操作すると、空調風を車両のフロントウインドガラスの内面に向けて吹き出すDEFモードが設定される。
【0047】
次に、Dr側A/Mドア15の目標A/M開度SW(Dr)(%)およびPa側A/Mドア16の目標A/M開度SW(Pa)(%)を演算する(目標開度決定手段:ステップS7)。ここで、ステップS7の制御処理は、本発明の目標(A/M)開度決定手段に相当する。また、このような目標A/M開度SW(Dr)および目標A/M開度SW(Pa)の演算は、目標吹出温度TAO(Dr)および目標吹出温度TAO(Pa)と、エバ後温度センサ57にて検出したエバ後温度(TE)と、冷却水温度センサ58にて検出した冷却水温度(TW)と、下記の数5の式および数6の式とに基づいて行われる。
【0048】
【数5】
SW(Dr)={TAO(Dr)−TE}×100/(TW−TE)
【数6】
SW(Pa)={TAO(Pa)−TE}×100/(TW−TE)
【0049】
次に、図10のサブルーチンが起動して、ルーバ制御(オートルーバ制御またはマニュアルルーバ制御)を行う。すなわち、オートルーバ制御では、Dr側センタ、サイドFACE吹出口21、22からDr側空調エリア内に向けて吹き出す空調風の吹出状態(特に吹出方向、風向)を決定すると共に、Pa側センタ、サイドFACE吹出口31、32からPa側空調エリア内に向けて吹き出す空調風の吹出状態(特に吹出方向、風向)を決定する。具体的には、Dr側、Pa側可変グリル41、42の可変ルーバ43、46の揺動範囲(スイング範囲)およびルーバ方向を決定する(吹出状態決定手段、揺動範囲決定手段:ステップS8)。
【0050】
次に、決定されたブロワ制御電圧VAとなるようにブロワ駆動回路8に出力信号を送る。また、決定された吹出口モードとなるようにサーボモータ27、28、38を通電制御する。さらに、決定された目標A/M開度SW(Dr)および目標A/M開度SW(Pa)となるようにサーボモータ17、18を通電制御する。そして、決定されたスイング範囲およびルーバ方向となるようにルーバモータ45、48に制御信号を送る(ステップS9)。その後に、ステップS2の処理に戻る。
【0051】
次に、エアコンECU50による揺動範囲決定制御を図10ないし図13に基づいて説明する。ここで、図10はエアコンECU50による揺動範囲決定を示したフローチャートである。
【0052】
先ず、図10のサブルーチンが起動すると、スイングスイッチ53が投入(ON)されているか否かを判定する(ステップS11)。この判定結果がNOの場合には、図10のサブルーチンを抜ける。
また、ステップS11の判定結果がYESの場合には、吹出口モードがFACEモードまたはB/Lモードであるか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果がNOの場合には、図10のサブルーチンを抜ける。
【0053】
また、ステップS12の判定結果がYESの場合には、上記の図7のステップS2で記憶した日射センサ信号TS’(Dr)、TS’(Pa)および下記の数7の式、数8の式に基づいて、Dr側空調エリアの日射強度TSg(Dr)、Pa側空調エリアの日射強度TSg(Pa)および時定数T2 を演算する(日射強度演算手段:ステップS13)。
【0054】
【数7】
Figure 0003861419
【数8】
Figure 0003861419
【0055】
但し、Tは制御周期(例えば1秒間〜4秒間)で、TSn-1(Dr)はTS(Dr)の1周期前の値で、TSn-1(Pa)はTS(Pa)の1周期前の値である。また、T2 は、図7のステップS3で使用したT1 よりも小さい時定数の値で、且つ可変ルーバ43、46を制御するのに必要な日射強度TSg(Dr)、TSg(Pa)に設けられる時定数の値で、例えば制御周期と同一、または1秒間〜10秒間である。
【0056】
次に、上記のステップS13で求めた日射強度TSg(Dr)、TSg(Pa)および下記の数9の式に基づいて、日射光が車両に射し込む日射方向(日射方位角)を演算する(日射方向決定手段:ステップS14)。
【数9】
TSRL=−Tsg(Dr)/{TSg(Dr)+TSg(Pa)}
【0057】
次に、ステップS13、S14で求めたDr側空調エリアの日射方向、日射強度およびPa側空調エリアの日射方向、日射強度と、図11の特性図とに基づいて、各Dr側、Pa側可変グリル41、42の可変ルーバ43、46のスイング範囲θ(Dr)、θ(Pa)を演算(決定)する(揺動範囲演算手段:ステップS15)。その後に、図10のサブルーチンを抜ける。
【0058】
ここで、可変ルーバ43のスイング範囲θ(Dr)、θ(Pa)とは、図12(a)および図13(a)に示したように、可変ルーバ43のルーバ方向を乗員に向けて、その乗員方向を中心にした(左右方向のルーバ角度×2)のことを言う。また、可変ルーバ46のスイング範囲θ(Dr)とは、図12(b)および図13(b)に示したように、可変ルーバ46のルーバ方向を乗員に向けて、その乗員方向を中心にした(左右方向のルーバ角度×2)および(上下方向のルーバ角度×2)のことを言う。なお、可変ルーバ46のスイング範囲θ(Pa)も同様である。
【0059】
〔第1実施形態の作用〕
次に、本実施形態の車両用空気調和装置の作用を図1ないし図13に基づいて説明する。ここで、図12(a)、(b)はDr側、Pa側可変グリル41、42の各可変ルーバ43、46のスイング範囲(ルーバ角度×2)を広くした状態を示した図であり、図12中の二点鎖線は可変ルーバ43、46のルーバ方向をDr側空調エリア内の乗員方向に固定した(向けた)状態を示している。
【0060】
また、図13(a)、(b)はDr側、Pa側可変グリル41、42の各可変ルーバ43、46のスイング範囲(ルーバ角度×2)を狭くした状態を示した図であり、図12中の二点鎖線は可変ルーバ43、46のルーバ方向をDr側空調エリア内の乗員方向に固定した(向けた)状態を示している。
【0061】
スイングスイッチ53が投入(ON)されている時に、吹出口モードがFACEモード(B/Lモードでも良い)の場合には、ブロワ4の作用によって外気吸込口7から吸い込まれた外気がエバポレータ10で例えば4℃程度まで冷やされた後に、第1、第2空気通路11、12に入り、Dr側、Pa側A/Mドア15、16の開度に応じてヒータコア13を通過する量が調節されてそれぞれ最適な温度の空調風となる。
【0062】
その後に、空調風(冷風)は、第1、第2空気通路11、12の最下流端で開口したDr側センタFACE吹出口21、Dr側サイドFACE吹出口22、Pa側センタFACE吹出口31およびPa側サイドFACE吹出口32からDr側空調エリアおよびPa側空調エリアに吹き出される。特に冷風は、Dr側センタ、サイドFACE吹出口21、22から運転席の乗員の上半身(頭胸部)に向けて吹き出され、Pa側センタ、サイドFACE吹出口31、32から助手席の上半身(頭胸部)に吹き出される。
【0063】
このとき、日射センサ信号および(T1 )に基づいて、Dr側空調エリアの日射強度TS(Dr)およびPa側空調エリアの日射強度TS(Pa)が演算される。なお、上述したように、T1 は、ブロワ4のブロワ制御電圧(VA)、Dr側、Pa側吹出口切替ドア25、26、35、36およびDr側、Pa側A/Mドア15、16を制御するのに必要な日射強度TS(Dr)、TS(Pa)に設けられる時定数の値(例えば30秒間〜120秒間)である。
【0064】
そして、上記のDr側空調エリアの日射強度TS(Dr)およびPa側空調エリアの日射強度TS(Pa)を基にして、空調ダクト2からDr側空調エリア内に吹き出す空気の目標吹出温度TAO(Dr)、および空調ダクト2からPa側空調エリア内に吹き出す空気の目標吹出温度TAO(Pa)が演算される。これにより、車両がトンネルに入ったり、トンネルから出たりした場合、あるいは建物の影に入ったり、建物の影から出たりした場合などして日射センサ信号が急変しても、目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)の急変を防止できる。
【0065】
その上、目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)の急変を防止できるので、そのTAO(Dr)、TAO(Pa)を基にして演算される、ブロワ4のブロワモータ9に印加されるブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)、およびDr側、Pa側A/Mドア15、16の目標A/M開度SW(Dr)、SW(Pa)の急変も防止できる。さらに、TAO(Dr)、TAO(Pa)を基にして演算される吹出口モード、すなわち、Dr側吹出口切替ドア25、26およびPa側吹出口切替ドア35、36の開閉状態の急変も防止できる。
【0066】
一方、日射センサ信号および(T2 )に基づいて、Dr側空調エリアの日射強度TSg(Dr)、Pa側空調エリアの日射強度TSg(Pa)および日射方向(TSRL)が演算される。なお、上述したように、T2 は、各可変グリル41、42に設置された可変ルーバ43、46を制御するのに必要な日射強度TSg(Dr)、TSg(Pa)に設けられる時定数の値(例えば1秒間〜10秒間)である。
【0067】
そして、日射強度の演算値TSg(Dr)、TSg(Pa)と、日射方向の演算値(TSRL)と、図11の特性図とに基づいて、各FACE吹出口21、31、22、32における可変ルーバ43、46のスイング範囲θ(Dr)、θ(Pa)が演算される。
【0068】
例えばDr側センタ、サイドFACE吹出口21、22の可変ルーバ43のスイング範囲θ(Dr)は、図1および図11の特性図に示したように、日射方向の演算値(TSRL)が0.6で、日射強度の演算値TSg(Dr)が100W/m2 以上の時は40°、日射強度の演算値TSg(Dr)が500W/m2 の時は30°、日射強度の演算値TSg(Dr)が1000W/m2 以下の時は25°となる。
【0069】
したがって、可変ルーバ43の左右方向のスイング範囲θ(Dr)は、図12(a)および図13(a)に示したように、同じ日射方向の演算値(TSRL)でも、日射強度の演算値TSg(Dr)が大きければ大きい程、可変ルーバ43の左右方向のスイング範囲θ(Dr)が狭くなるように設定される。なお、図12(b)および図13(b)に示したように、可変ルーバ46の上下方向のスイング範囲θ(Dr)も同様である。
【0070】
また、例えばDr側センタ、サイドFACE吹出口21、22の可変ルーバ43のスイング範囲θ(Dr)は、図1および図11の特性図に示したように、日射強度が500W/m2 の時に日射方向が0.4の時は50°、日射方向が0.5の時は40°、日射強度が500W/m2 の時に日射方向が0.6の時は30°となる。なお、可変ルーバ46のスイング範囲θ(Dr)も同様である。
【0071】
そして、Pa側センタ、サイドFACE吹出口31、32の可変ルーバ43のスイング範囲θ(Pa)は、図1および図11の特性図に示したように、日射方向が0.4で、日射強度が100W/m2 以上の時は40°、日射強度が500W/m2 の時は30°、日射強度が1000W/m2 以下の時は25°となる。したがって、可変ルーバ43のスイング範囲θ(Pa)は、同じ日射方向でも、日射強度が大きければ大きい程、可変ルーバ43のスイング範囲θ(Pa)が狭くなるように設定される。なお、可変ルーバ46のスイング範囲θ(Pa)も同様である。
【0072】
また、例えばPa側センタ、サイドFACE吹出口31、32の可変ルーバ43のスイング範囲θ(Pa)は、図1および図11の特性図に示したように、日射強度が500W/m2 の時に日射方向が0.4の時は30°、日射方向が0.5の時は40°、日射強度が500W/m2 の時に日射方向が0.6の時は50°となる。なお、可変ルーバ46のスイング範囲θ(Pa)も同様である。
【0073】
上記の作動により、車両が旋回する等して、日射方向がPa側空調エリア内の乗員の身体の左側(サイドウインドガラス側)に当たる方向から、日射方向がDr側空調エリア内の乗員の身体の右側(サイドウインドガラス側)に当たる方向に変わった場合には、Pa側センタ、サイドFACE吹出口31、32の各可変ルーバ43、46のスイング範囲が広くなるように制御される。また、図13(a)、(b)に示したように、Dr側センタ、サイドFACE吹出口21、22の各可変ルーバ43、46のスイング範囲が狭くなるように制御される。
【0074】
逆に、車両が旋回する等して、日射方向がDr側空調エリア内の乗員の身体の右側に当たる方向から、日射方向がPa側空調エリア内の乗員の身体の左側に当たる方向に変わった場合には、図12(a)、(b)に示したように、Dr側センタ、サイドFACE吹出口21、22の各可変ルーバ43、46のスイング範囲が広くなるように制御される。また、Pa側センタ、サイドFACE吹出口31、32の各可変ルーバ43、46のスイング範囲が狭くなるように制御される。
【0075】
なお、上記のように、日射方向がDr側空調エリア内の乗員の身体の右側に当たる方向の場合や、日射方向がPa側空調エリア内の乗員の身体の左側に当たる方向の場合には、Dr側、Pa側センタFACE吹出口21、31の各可変ルーバ43、46のスイング範囲を広くしておき、Dr側、Pa側サイドFACE吹出口22、32の各可変ルーバ43、46のスイング範囲のみを狭くするように制御しても良い。
【0076】
ここで、本実施形態では、日射センサ信号等の冷房熱負荷だけでなく、可変ルーバ43のスイング範囲θ(Dr)、θ(Pa)を、Dr側、Pa側空調エリアの他の冷房熱負荷に応じても補正している。例えばDr側、Pa側温度設定スイッチ51、52にて設定されたDr側、Pa側の設定温度Tset(Dr)、Tset(Pa)が低ければ低い程、可変ルーバ43のスイング範囲θ(Dr)、θ(Pa)を狭くなるように補正する。また、Dr側、Pa側の設定温度Tset(Dr)、Tset(Pa)と内気温度センサ54にて検出した内気温度(TR)との温度偏差が大きければ大きい程、可変ルーバ43のスイング範囲θ(Dr)、θ(Pa)を狭くなるように補正する。なお、可変ルーバ46のスイング範囲θ(Dr)、θ(Pa)も同様である。
【0077】
〔第1実施形態の効果〕
以上のように、本実施形態の空調ユニット1は、ブロワ4のブロワモータ9に印加するブロワ制御電圧(VA)、Dr側、Pa側吹出口切替ドア25、26、35、36(吹出口モード)およびDr側、Pa側A/Mドア15、16を制御するのに必要な日射強度TS(Dr)、TS(Pa)に設けられる時定数(T1 )の値(例えば30秒間〜120秒間)よりも、可変ルーバ43、46を制御するのに必要な日射強度TSg(Dr)、TSg(Pa)および日射方向(TSRL)に設けられる時定数(T2 )の値(例えば1秒間〜10秒間)を小さくしている。
【0078】
これにより、乗員にとって変化が分かり難いブロワ4の風量制御、吹出口モード制御および吹出温度制御の日射補正に比べて、乗員が目で見て容易に分かる可変ルーバ43、46の制御状態(オートルーバ制御)を日射強度や日射方向に合わせて速やかに対応させる(日射補正する)ことができる。したがって、Dr側空調エリア内の乗員およびPa側空調エリア内の乗員に違和感を与えることはなく、日射センサ信号等の冷房熱負荷に対応してスイング範囲を可変する可変ルーバ43、46を備えた空調ユニット1への信頼性を向上することができる。
【0079】
また、日射方向がDr側空調エリアまたはPa側空調エリアのどちらかに偏っている場合、例えばDr側空調エリア内の乗員に日射光が当たり、Pa側空調エリア内の乗員に日射光が当たらない場合には、Dr側センタ、サイドFACE吹出口21、22の各可変ルーバ43、46のスイング範囲の変更(縮小)のみ行い、Pa側センタ、サイドFACE吹出口31、32の各可変ルーバ43、46のスイング範囲の変更を行わないようにする。これにより、日射光が当たって暑いと感じているDr側空調エリア内の乗員の冷房感を向上することができ、且つ日射光が当たらず、現在の冷房状態でも暑いと感じないPa側空調エリア内の乗員の冷房感の低下(寒いと感じる等)を防止することができる。なお、Pa側空調エリア内の乗員に日射光が当たり、Dr側空調エリア内の乗員に日射光が当たらない場合でも、同様に可変ルーバ43、46を制御することにより同様な効果を達成できる。
【0080】
さらに、日射方向がDr側空調エリア(Pa側空調エリア)のセンタ側またはサイド側のどちらかに偏っている場合、例えばDr側空調エリア内の乗員の身体の右側(サイド側)に日射光が当たり、その乗員の身体の左側(センタ側)に日射光が当たらない場合には、Dr側サイドFACE吹出口22の各可変ルーバ43、46のスイング範囲の変更(縮小)のみ行い、Dr側センタFACE吹出口21の各可変ルーバ43、46のスイング範囲の変更を行わないようにしても良い。この場合には、日射光が当たって暑いと感じているDr側空調エリア内の乗員の身体の左側のみの不快感を解消することができ、且つ日射光が当たらず、現在の冷房状態でも暑いと感じないDr側空調エリア内の乗員の身体の左側の快適感を損なわない。なお、Pa側空調エリア内の乗員の身体の左側(サイド側)に日射光が当たり、その乗員の身体の右側(センタ側)に日射光が当たらない場合でも、同様に可変ルーバ43、46を制御することにより同様な効果を達成できる。
【0081】
〔第2実施形態〕
図14および図15は本発明の第2実施形態を示したもので、図14は車両のインストルメントパネルを示した図で、図15は空調ユニット2のフェイスダクトを示した図である。
【0082】
本実施形態では、第1実施形態の空調ダクト2内の仕切り板14を廃止している。そして、前部座席側FACE吹出口として、空調ダクト2の空気下流側端部に連結されたフェイスダクト29の最空気下流側で開口するワイドフローFACE吹出口61が設けられている。ワイドフローFACE吹出口61は、インストルメントパネル40の前面中央で開口するDr側、Pa側センタFACE吹出口62、63と、インストルメントパネル40の車両幅方向両側、すなわち、車両のサイドウインドガラス近傍で開口するDr側、Pa側サイドFACE吹出口64、65と、これらのFACE吹出口の間で開口するDr側、Pa側ミドルFACE吹出口66、67とから構成されている。なお、各FACE吹出口62〜67には、乗員の手動操作により空調風の吹出方向を変更するための複数のルーバがそれぞれ設けられている。
【0083】
そして、フェイスダクト29には、各FACE吹出口62〜67を開閉するためのFACEドア71が回動自在に取り付けられており、Dr側サイド、ミドルFACE吹出口64、66を開閉するためのDr側ミドルFACEドア72が回動自在に取り付けられており、Pa側サイド、ミドルFACE吹出口65、67を開閉するためのPa側ミドルFACEドア73が回動自在に取り付けられている。なお、Dr側、Pa側ミドルFACEドア72、73は、本発明の吹出状態変更手段に相当するもので、開度に応じてDr、Pa側サイドFACE吹出口64、65およびDr、Pa側ミドルFACE吹出口66、67から各空調エリア内に吹き出す空調風の吹出状態(例えばワイド吹出モードとスポット吹出モード)を変更する吹出風量可変手段である。
【0084】
本実施形態では、図示しないサーボモータ(本発明の第2アクチュエータに相当する)によりFACEドア71を開放側に動かし、図示しないサーボモータ(本発明の第2アクチュエータに相当する)によりDr側、Pa側ミドルFACEドア72、73を閉塞側に動かす。それによって、Dr側、Pa側センタFACE吹出口62、63およびDr側、Pa側サイドFACE吹出口64、65を開放し、Dr側、Pa側ミドルFACE吹出口66、67を閉塞することにより、ワイドフローFACE吹出口61の開口面積を小さくすることで、ワイドフローFACE吹出口61から吹き出される空調風の吹出範囲を小さくする(スポット吹出モード)。
【0085】
また、FACEドア71を開放側に動かし、Dr側、Pa側ミドルFACEドア72、73を中間位置に動かす。それによって、Dr側、Pa側センタFACE吹出口62、63、Dr側、Pa側サイドFACE吹出口64、65およびDr側、Pa側ミドルFACE吹出口66、67を開放することにより、ワイドフローFACE吹出口61の開口面積を大きくすることで、ワイドフローFACE吹出口61から吹き出される空調風の吹出範囲を大きくする(ワイド吹出モード)。
【0086】
ここで、本実施形態では、日射方向がDr側空調エリア内の乗員に照射される方向に変わった場合には、Dr側ミドルFACEドア72を中間位置に動かして、Pa側空調エリア内の乗員に向けてに吹き出す空調風の配風量よりも、Dr側空調エリア内の乗員に向けて吹き出す空調風の配風量を多くする。また、日射方向がDr側空調エリア内の乗員に照射されない方向に変わった場合には、Dr側ミドルFACEドア72を閉塞側に動かして、Dr側ミドルFACE吹出口66を閉塞することにより、Dr側空調エリア内の乗員を外す方向に吹き出す空調風の配風量を、Dr側空調エリア内の乗員方向の空調風の配風量よりも多くする。
【0087】
したがって、本実施形態では、閉塞側、中間位置、開放側(Dr側、Pa側サイドFACE吹出口64、65の閉塞側)のようにDr側、Pa側ミドルFACEドア72、73の開度を変えることによって、Dr側空調エリア内の乗員に向けて吹き出す場合とPa側空調エリア内の乗員に向けて吹き出す場合との間の配風量とを変更したり、空調風の吹出状態が乗員方向の場合と空調風の吹出状態が乗員を外す方向の場合との間の配風量を変更したりすることができる。
【0088】
なお、フェイスダクト29内にFACEドアを追加して更に細やかな配風量の変更制御を行うようにしても良いし、空調ダクト2およびフェイスダクト29内に仕切り板を1個または2個以上入れて、それぞれの空気通路毎に送風機を配置して、各送風機の風量を変更することで、上記のように配風量を変更しても良い。
【0089】
〔第3実施形態〕
図16および図17は本発明の第3実施形態を示したもので、図16はリヤクーラユニットを搭載した車両を示した図で、図17はリヤクーラユニットを示した図である。
【0090】
本実施形態の車両用空気調和装置は、車両の後部座席側空調エリアを空調するリヤクーラユニット90における各空調手段(ブロワモータやサーボモータ等のアクチュエータ)を、図示しない空調制御装置(以下エアコンECUと言う)によって制御するように構成されている。そのリヤクーラユニット90は、後部右座席側空調エリアと後部左座席側空調エリアとの温度調節および風量調節等を独立して行うことが可能なエアコンユニットである。
【0091】
リヤクーラユニット90は、リヤブロワモータ(本発明の第1アクチュエータに相当する)91により回転駆動されるリヤブロワ92と、図示しない流量調節弁またはコンプレッサ(本発明の第1アクチュエータに相当する)により冷媒の流量が調節されるリヤエバポレータ93と、リヤブロワ92およびリヤエバポレータ93を収容した空調ダクト94を備えている。
【0092】
空調ダクト94の最空気下流側には、右側天井ダクト95および左側天井ダクト96が連結されている。右側天井ダクト95の最空気下流側には、後部右座席側空調エリア内の乗員の頭胸部に向けて空調風(主に冷風)を吹き出すための後部右座席側FACE吹出口97が開口している。
【0093】
また、左側天井ダクト96の最空気下流側には、後部左座席側空調エリア内の乗員の頭胸部に向けて空調風(主に冷風)を吹き出すための後部左座席側FACE吹出口98が開口している。なお、後部右座席側FACE吹出口97および後部左座席側FACE吹出口98には、乗員の手動操作によりルーバ方向を変更することが可能な複数枚のルーバフィンが設置されている。
【0094】
そして、空調ダクト94内には、後部右座席側FACE吹出口97から後部右座席側空調エリア内に吹き出す配風量と後部左座席側FACE吹出口98から後部左座席側空調エリア内に吹き出す配風量とを調節するためのリヤ左右配風量調節ドア99が回動自在に取り付けられている。このリヤ左右配風量調節ドア99は、図示しないサーボモータ(本発明の第2アクチュエータに相当する)により駆動される吹出風量可変手段である。
【0095】
本実施形態では、第1実施形態と同様にして、リヤブロワ92のブロワ制御電圧およびリヤエバポレータ93の空気冷却度合(例えばリヤエバポレータ93内に流入する冷媒の流量調節)を制御するのに必要な日射情報(特に日射強度)に設けられる時定数(T1 )の値よりも、リヤ左右配風量調節ドア99による左右の配風量を制御するのに必要な日射情報(特に日射強度および日射方向)に設けられる時定数(T2 )の値を小さくしている。
【0096】
なお、本実施形態において、リヤ左右配風量調節ドア99の代わりに、右側天井ダクト95および左側天井ダクト96毎に送風機を配置して、各送風機の風量を変更することで、後部右座席側FACE吹出口97から後部右座席側空調エリア内に吹き出す配風量と後部左座席側FACE吹出口98から後部左座席側空調エリア内に吹き出す配風量とを調節するようにしても良い。
【0097】
〔他の実施形態〕
第1実施形態では、吹出口モードがFACEモードまたはB/Lモードの時のみDr側サイドFACE吹出口22およびPa側サイドFACE吹出口32から空気流(主に冷風)を吹き出すようにしたが、吹出口モードがFOOTモード、F/DモードまたはDEFモードの時もDr側サイドFACE吹出口22およびPa側サイドFACE吹出口32から空気流(主に温風)を吹き出すようにしても良い。すなわち、いずれの吹出口モードにおいても、Dr側サイドFACE吹出口22およびPa側サイドFACE吹出口32が開口するように空調ダクト2の形状やDr側、Pa側吹出口切替ドア25、35の設置位置を変更しても良い。
【0098】
第1実施形態では、各可変グリル41、42をインストルメントパネル40に固定したが、各可変グリルを左右方向に回動自在に支持された状態で格納部材に取り付けても良く、各可変グリルを上下方向に回動自在に支持された状態で格納部材に取り付けても良い。この場合には、グリル本体を吹出状態変更手段として揺動させるようにしても良い。
【0099】
第1実施形態では、可変ルーバまたは可変グリル等の吹出方向可変手段を各FACE吹出口21、22、31、32に設けたが、車室内の車両側面(例えばドアの内側面)、車室内の中央部(例えばコンソールボックス付近)または車両の車幅方向の中央部の天井付近に設けた吹出口に可変ルーバまたは可変グリル等の吹出方向可変手段を設けても良い。
【0100】
第1実施形態では、ルーバフィンとして、各FACE吹出口に左右方向に揺動運動する可変ルーバ43および上下方向に揺動運動する可変ルーバ46の両方を設けたが、ルーバフィンとして、各FACE吹出口に水平方向に揺動運動する可変ルーバ43または上下方向に揺動運動する可変ルーバ46のいずれか一方のみを設けても良い。
【0101】
第1実施形態では、1個のブロワ4を回転させることにより空調ダクト2の各FACE吹出口21、22、31、32から車室内に空調風を吹き出すように構成したが、2個の送風機を回転させることにより空調ダクト2のDr側、Pa側FACE吹出口から車室内に空調風を吹き出す配風量を変更可能なように構成しても良く、FACE吹出口の数に対応した個数の送風機を回転させることにより空調ダクト2の各FACE吹出口から車室内に空調風を吹き出す配風量を変更可能なように構成しても良い。
【0102】
第1実施形態では、本発明をDr側空調エリア(一方側空調エリア)とPa側空調エリア(他方側空調エリア)との左右の温度調節を互いに独立して行うことが可能な車両用空調装置に適用したが、本発明を車室内の前部座席側空調エリア(一方側空調エリア)と後部座席側空調エリア(他方側空調エリア)との温度調節を互いに独立して行うことが可能な車両用空調装置に適用しても良い。また、本発明を車室内の温度調節を1つの吹出温度可変手段により行う車両用空調装置に適用しても良い。
【0103】
第1実施形態では、Dr側センタ、サイドFACE吹出口21、22の可変ルーバ43、46のスイング範囲を同一にしているが、異ならせても良い。また、Pa側センタ、サイドFACE吹出口31、32の可変ルーバ43、46のスイング範囲を同一にしているが、異ならせても良い。そして、Dr側とPa側との可変ルーバ43、46の揺動開始の方向を、空調風の吹出方向が互いに近づく方向となるようにしても良く、Dr側とPa側との可変ルーバ43、46の揺動開始の方向を、空調風の吹出方向が互いに遠ざかる方向となるようにしても良い。また、Dr側センタFACE吹出口21とDr側サイドFACE吹出口22の可変ルーバ43、46の揺動開始の方向を、空調風の吹出方向が互いに近づく方向となるようにしても良く、センタ側とサイド側との可変ルーバ43、46の揺動開始の方向を、空調風の吹出方向が互いに遠ざかる方向となるようにしても良い。Pa側も同様である。
【0104】
第1、第2実施形態では、日射強度が増加した場合、または日射方向が乗員に照射される方向に変わった場合には、可変ルーバ43、46のスイング範囲を狭く(スポット吹出)した。しかし、上記の条件の場合には、可変ルーバ43、46のルーバ方向を乗員方向に向けたり(図12および図13の二点鎖線参照)、Dr側、Pa側センタグリル41およびDr側、Pa側サイドグリル42から吹き出す空調風の吹出範囲を狭くしても良い。また、可変ルーバまたは可変グリル等の吹出方向可変手段の速度を変更(乗員方向では遅く、乗員を外す方向では速く)しても良い。さらに、変化しなかった側の空調エリア内に吹き出す空調風の配風量よりも、変化した側の空調エリア内に吹き出す空調風の配風量を多くしても良い。
【0105】
第1、第2実施形態では、日射強度が低下した場合、または日射方向が乗員に照射されない方向に変わった場合には、可変ルーバ43、46のスイング範囲を広く(ワイド吹出)した。しかし、上記の条件の場合には、ルーバ43、46を乗員を外す方向に向けたり、Dr側、Pa側センタグリル41およびDr側、Pa側サイドグリル42から吹き出す空調風の吹出範囲を広くしても良い。また、可変ルーバまたは可変グリル等の吹出方向可変手段の速度を変更(乗員方向では速く、乗員を外す方向では遅く)しても良い。さらに、変化しなかった側の空調エリア内に吹き出す空調風の配風量よりも、変化した側の空調エリア内に吹き出す空調風の配風量を少なくしても良い。
【0106】
本実施形態では、日射センサとしてDr側、Pa側日射強度検知手段を有する日射センサ56を設けたが、日射センサとして日射強度検知手段および日射方向検知手段を有する日射センサを設けても良く、日射強度検知手段、日射方向検知手段および日射高度検知手段を有する日射センサを設けても良い。また、マイクロコンピュータで日射センサ信号を入力して日射強度、日射方向(日射方位角)および日射高度(太陽仰角)を演算するようにしても良い。さらに、日射センサとして、カーナビゲーションシステムのマイクロコンピュータにその日時の太陽高度や車両の現在位置に対する日射方向を記憶させている場合には、そのカーナビゲーションシステムの出力信号を日射センサ信号としてエアコンECUに読み込むようにしても良い。
【0107】
第1実施形態では、ブロワ4のブロワモータ9に印加するブロワ制御電圧(VA)、Dr側、Pa側吹出口切替ドア25、26、35、36(吹出口モード)およびDr側、Pa側A/Mドア15、16を制御するのに必要な日射強度に設けられる時定数(T1 )の値よりも、可変ルーバ43、46を制御するのに必要な日射強度および日射方向に設けられる時定数(T2 )の値を小さくしたが、吹出口から吹き出される空調風の吹出温度を制御するのに必要な日射強度に設けられる時定数(T1 )の値よりも、ブロワ4のブロワモータ9に印加するブロワ制御電圧(VA)または吹出口モードを制御するのに必要な日射強度に設けられる時定数(T3 )の値を小さくしても良い。但し、T1 >T2 >T3 、あるいはT1 >T3 >T2 である。また、時定数(T1 )の値によって制御される空調機器として、内外気切替ドア3およびサーボモータ5を追加しても良い。
【0108】
第1、第2実施形態では、Dr側、Pa側A/Mドア15、16の目標A/M開度を制御する(エアミックス式温度コントロール方式)ことで、吹出口から吹き出される空調風の吹出温度を制御したが、第3実施形態のようにエバポレータ10内に流入する冷媒の流量を調節したり、また、ヒータコア13内に流入する冷却水の流量を調節したりする(リヒート式温度コントロール方式)ことで、吹出口から吹き出される空調風の吹出温度を制御しても良い。この場合には、冷却水流量調節弁、冷媒流量調節弁、ウォータポンプまたはコンプレッサが本発明の第2アクチュエータとして機能する。また、電動式のコンプレッサまたは容量可変式のコンプレッサを用いて、エバポレータ10内に流入する冷媒の流量を調節して、吹出口から吹き出される空調風の吹出温度を制御しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】日射方向と可変ルーバの揺動範囲との関係を示した説明図である(第1実施形態)。
【図2】車両用空気調和装置の全体構成を示した構成図である(第1実施形態)。
【図3】車両のインストルメントパネルを示した正面図である(第1実施形態)。
【図4】スイングルーバ装置の全体構成を示した概略図である(第1実施形態)。
【図5】Dr側のルーバ左右方向揺動機構の構成を示した概略図である(第1実施形態)。
【図6】Dr側のルーバ上下方向揺動機構の構成を示した概略図である(第1実施形態)。
【図7】エアコンECUの制御プログラムの一例を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図8】目標吹出温度に対するブロワ制御電圧を示した特性図である(第1実施形態)。
【図9】目標吹出温度に対する吹出口モードを示した特性図である(第1実施形態)。
【図10】エアコンECUによる揺動範囲決定を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図11】Dr側、Pa側の日射方向、日射強度に対する可変ルーバの揺動範囲を示した特性図である(第1実施形態)。
【図12】(a)は左右方向のスイング範囲を広くした状態を示した模式図で、(b)は上下方向のスイング範囲を広くした状態を示した模式図である(第1実施形態)。
【図13】(a)は左右方向のスイング範囲を狭くした状態を示した模式図で、(b)は上下方向のスイング範囲を狭くした状態を示した模式図である(第1実施形態)。
【図14】車両のインストルメントパネルを示した正面図である(第2実施形態)。
【図15】空調ユニットのフェイスダクトを示した概略図である(第2実施形態)。
【図16】リヤクーラユニットを搭載した車両を示した透視図である(第3実施形態)。
【図17】リヤクーラユニットを示した断面図である(第3実施形態)。
【符号の説明】
1 空調ユニット
2 空調ダクト
3 内外気切替ドア
4 ブロワ(送風機)
5 サーボモータ
9 ブロワモータ
10 エバポレータ(冷却用熱交換器)
13 ヒータコア(加熱用熱交換器)
15 Dr側A/Mドア(吹出温度可変手段)
16 Pa側A/Mドア(吹出温度可変手段)
17 サーボモータ(第1アクチュエータ)
18 サーボモータ(第1アクチュエータ)
21 Dr側センタFACE吹出口
22 Dr側サイドFACE吹出口
24 Dr側吹出口切替ドア(モード切替手段)
25 Dr側吹出口切替ドア(モード切替手段)
26 Dr側吹出口切替ドア(モード切替手段)
31 Pa側センタFACE吹出口
32 Pa側サイドFACE吹出口
35 Pa側吹出口切替ドア(モード切替手段)
36 Pa側吹出口切替ドア(モード切替手段)
41 Dr側、Pa側可変グリル
42 Dr側、Pa側可変グリル
43 可変ルーバ(吹出方向可変手段)
45 ルーバモータ(第2アクチュエータ)
46 可変ルーバ(吹出方向可変手段)
48 ルーバモータ(第2アクチュエータ)
50 エアコンECU(空調制御装置)
56 日射センサ(日射情報検出手段)
57 エバ後温度センサ(冷却度合検出手段)
58 冷却水温度センサ(加熱度合検出手段)
72 Dr側ミドルFACEドア(吹出風量可変手段)
73 Pa側ミドルFACEドア(吹出風量可変手段)
99 リヤ左右配風量調節ドア(吹出風量可変手段)

Claims (9)

  1. (a)車室内の空調エリアに向けて空調風を吹き出すための吹出口を有する空調ダクトと、
    (b)前記吹出口から吹き出す空調風の吹出温度を変更することが可能な吹出温度可変手段と、
    (c)前記吹出口から吹き出す空調風の吹出状態を変更することが可能な吹出状態可変手段と、
    (d)前記吹出温度可変手段を駆動する第1アクチュエータと、
    (e)前記吹出状態可変手段を駆動する第2アクチュエータと、
    (f)前記空調エリア内に設置された日射センサと、
    (g)この日射センサの出力に応じて、前記空調エリア内に射し込む日射情報を検出する日射情報検出手段を有し、
    この日射情報検出手段にて検出した日射情報のうち、前記吹出温度可変手段を制御するのに必要な日射情報に設けられる時定数の値を、前記吹出状態可変手段を制御するのに必要な日射情報に設けられる時定数の値よりも大きくすると共に、
    前記吹出温度可変手段を制御するのに必要な日射情報に設けられる時定数の値に応じて前記第1アクチュエータを制御し、且つ前記吹出状態可変手段を制御するのに必要な日射情報に設けられる時定数の値に応じて前記第2アクチュエータを制御する空調制御装置と
    を備えた車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    前記吹出温度可変手段を制御するのに必要な日射情報に設けられる時定数の値に応じて制御するのは、前記吹出温度可変手段の他に、前記空調ダクト内において前記空調エリア内に向かう空気流を発生させる送風機の風量を可変する風量可変手段、あるいは吹出口モードを、少なくともフェイスモード、バイレベルモードまたはフットモードのいずれかに切り替えるモード切替手段であることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置において、
    前記吹出温度可変手段は、前記空調ダクト内を流れる空気を冷却する冷却用熱交換器、前記空調ダクト内を流れる空気を加熱する加熱用熱交換器、および開度に応じて前記加熱用熱交換器を通過する空気量を調節するエアミックスドアよりなり、
    前記第1アクチュエータは、前記エアミックスドアを駆動するもので、
    前記空調制御装置は、前記冷却用熱交換器の空気冷却度合を検出する冷却度合検出手段、前記加熱用熱交換器の空気加熱度合を検出する加熱度合検出手段、少なくとも設定温度と内気温度と日射強度に基づいて目標吹出温度を決定する目標吹出温度決定手段、および前記冷却度合検出手段にて検出した空気冷却度合、前記加熱度合検出手段にて検出した空気加熱度合および前記目標吹出温度決定手段にて決定した目標吹出温度から前記エアミックスドアの目標開度を決定する目標開度決定手段を有し、
    この目標開度決定手段にて決定した前記エアミックスドアの目標開度に応じて、前記第1アクチュエータを制御することを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    前記吹出状態可変手段は、前記吹出口から前記空調エリア内に吹き出す空調風の吹出方向を可変する吹出方向可変手段であり、
    前記空調制御装置は、前記日射情報検出手段にて検出した日射情報から日射方向を決定する日射方向決定手段を有し、この日射方向決定手段にて決定した日射方向が前記空調エリア内の乗員に当たる方向の場合に、前記吹出方向可変手段を乗員方向に向けるか、乗員への空調風の配風量を増やすか、前記吹出口から前記空調エリア内に吹き出す空調風の吹出範囲を狭くするか、前記吹出方向可変手段の揺動範囲を狭くするか、あるいは前記吹出 方向可変手段の揺動速度を乗員方向では遅く、乗員を外す方向では速くするように前記第2アクチュエータを制御することを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項4に記載の車両用空調装置において、
    前記空調制御装置は、前記日射方向決定手段にて決定した日射方向が前記空調エリア内の乗員に当たらない方向の場合に、前記吹出方向可変手段を乗員を外す方向に向けるか、乗員への空調風の配風量を減らすか、前記吹出口から前記空調エリア内に吹き出す空調風の吹出範囲を広くするか、前記吹出方向可変手段の揺動範囲を広くするか、あるいは前記吹出方向可変手段の揺動速度を乗員方向では速く、乗員を外す方向では遅くするように前記第2アクチュエータを制御することを特徴とする車両用空調装置。
  6. 請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    前記吹出状態可変手段は、前記吹出口から前記空調エリア内に吹き出す空調風の吹出風量を可変する吹出風量可変手段であり、
    前記空調制御装置は、前記日射情報検出手段にて検出した日射情報から日射方向を決定する日射方向決定手段を有し、この日射方向決定手段にて決定した日射方向が前記空調エリア内の乗員に当たる方向の場合に、乗員への空調風の配風量を増やすか、あるいは前記吹出口から前記空調エリア内に吹き出す空調風の吹出風量を増やすように前記第2アクチュエータを制御することを特徴とする車両用空調装置。
  7. 請求項6に記載の車両用空調装置において、
    前記空調制御装置は、前記日射方向決定手段にて決定した日射方向が前記空調エリア内の乗員に当たらない方向の場合に、乗員への空調風の配風量を減らすか、あるいは前記吹出口から前記空調エリア内に吹き出す空調風の吹出風量を減らすように前記第2アクチュエータを制御することを特徴とする車両用空調装置。
  8. 請求項4ないし請求項7のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    前記吹出口は、車室内の一方側空調エリアに向けて空調風を吹き出すための一方側吹出口、および前記一方側空調エリアと異なる車室内の他方側空調エリアに向けて空調風を吹き出すための他方側吹出口を有し、
    前記吹出状態可変手段は、前記一方側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態を変更することが可能な一方側吹出状態可変手段、および前記他方側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態を変更することが可能な他方側吹出状態可変手段を有し、
    前記空調制御装置は、前記日射方向決定手段にて決定した日射方向が前記一方側空調エリアまたは前記他方側空調エリアのどちらかに偏っている場合に、前記一方側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態の制御パターンの変更と前記他方側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態の制御パターンの変更とを互いに独立して行うように、前記一方側吹出状態可変手段および前記他方側吹出状態可変手段を制御することを特徴とする車両用空調装置。
  9. 請求項ないし請求項8のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    前記吹出口は、車室内の幅方向の中央部から前記空調エリア内の乗員に向けて空調風を吹き出すためのセンタ側吹出口、および車室内の側方部から前記空調エリア内の乗員に向けて空調風を吹き出すためのサイド側吹出口を有し、
    前記吹出状態可変手段は、前記センタ側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態を変更することが可能なセンタ側吹出状態可変手段、および前記サイド側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態を変更することが可能なサイド側吹出状態可変手段を有し、
    前記空調制御装置は、前記日射方向決定手段にて決定した日射方向が前記空調エリア内の乗員の身体のセンタ側またはサイド側のどちらかに偏っている場合に、前記センタ側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態の制御パターンの変更と前記サイド側吹出口から吹き出す空調風の吹出状態の制御パターンの変更とを互いに独立して行うように、前記センタ 側吹出状態可変手段および前記サイド側吹出状態可変手段を制御することを特徴とする車両用空調装置。
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