JPH11105542A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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Publication number
JPH11105542A
JPH11105542A JP1096598A JP1096598A JPH11105542A JP H11105542 A JPH11105542 A JP H11105542A JP 1096598 A JP1096598 A JP 1096598A JP 1096598 A JP1096598 A JP 1096598A JP H11105542 A JPH11105542 A JP H11105542A
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JP
Japan
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air
blowing
outlet
vehicle
blow
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Pending
Application number
JP1096598A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Isshi
好則 一志
Yuji Ito
裕司 伊藤
Takamasa Kawai
孝昌 河合
Katsuhiko Sagawa
克彦 寒川
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 煩わしいスイッチ操作を必要とすることな
く、窓ガラスの曇りを除去でき、且つ窓ガラスからの冷
輻射を遮断できる車両用空調装置を提供すること。 【解決手段】 ドライバー側サイドFACE吹出口32
とパッセンジャー側サイドFACE吹出口には、空調風
の方向を変更できる風向可変装置が具備されている。こ
の風向可変装置は、DEFモードまたはF/Dモードま
たはFOOTモードが選択されると、サイドFACE吹
出口32より吹き出される空調風が近傍のサイドウイン
ドウ81に当たるようにルーバをサイドウインドウ81
側へ向ける。特に、DEFモードかF/Dモードが選択
された時は、空調風が近傍のサイドウインドウ81に当
たる範囲内でスイングさせることにより、サイドウイン
ドウ81内面の曇りを広範囲に渡って除去することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイドフェイス吹
出口より吹き出される空調風をサイドウインドウに当て
てサイドウインドウの曇りを防止する車両用空調装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、例えば実公平5−13
611号公報に記載された風向調節装置(以下、従来技
術と呼ぶ)は、サイドフェイス吹出口に回動自在に設
けられたサイドグリルを具備し、このサイドグリルをマ
ニュアルスイッチの操作によってサイドウインドウ側へ
回動させることができる。これにより、サイドフェイス
吹出口より吹き出される空調風(例えば温風)をサイド
ウインドウに当ててサイドウインドウの曇りを除去しよ
うとするものである。また、実開平1−98715号公
報に記載された車両用空気吹出装置(以下、従来技術
と呼ぶ)では、デフロスタの使用時にサイドグリルを近
傍のサイドウイドウへ向けることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
技術では、サイドウインドウの曇りを除去する時に、
乗員によるマニュアルスイッチの操作が必要となるた
め、スイッチ操作が煩わしいという問題が生じる。ま
た、サイドグリルをサイドウインドウ側へ向けて任意の
方向で固定すると、サイドウインドウの広範囲に渡って
曇りを除去することができないという問題があった。ま
た、従来技術の場合は、デフロスタの使用時であるD
EFモードとF/Dモードの時しかサイドグリルがサイ
ドウインドウへ向かないため、DEFモード及びF/D
モード以外の吹出口モード(つまりサイドグリルがサイ
ドウインドウへ向いていない時)が選択されている時に
以下の問題が生じる。 イ)外気が冷たく窓ガラスが冷えている時に発生する窓
ガラスからの冷輻射を防止できない。 ロ)サイドグリルから吹き出される温風による顔の火照
りを防止できない。 ハ)サイドウインドウ内側の曇りを防止できない。 本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その第
1の目的は、煩わしいスイッチ操作を必要とすることな
く、サイドグリルを近傍のサイドウインドウへ向けるこ
とのできる車両用空調装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の手段)吹出口より吹き出される空調風の吹
出方向を変更できる吹出状態変更手段は、空調風の温度
が所定温度より高い時に、空調風の吹出方向を近傍の窓
ガラスへ向けることができる。これにより、所定温度よ
り高い空調風が乗員に送風されることがないため、温風
による顔の火照りを防止できる。また、所定温度より高
い空調風を窓ガラスへ向けることにより、窓ガラス(特
にサイドウインドウ)からの冷輻射を遮断できるため、
冷輻射による暖房フィーリングの悪化を抑制できる。更
に、本発明では、乗員のマニュアル操作によって吹出状
態変更手段を操作する必要がないため、従来のような煩
わしいスイッチ操作を無くすことができる。
【0005】(請求項2の手段)吹出口より吹き出され
る空調風の吹出方向を変更できる吹出状態変更手段は、
外気温が所定温度より低い時に、空調風の吹出方向を近
傍の窓ガラスへ向けることができる。この場合、窓ガラ
スが曇りやすい条件の時に空調風を窓ガラスへ送風する
ことにより、窓ガラス内面の曇りを防止または除去でき
る。
【0006】(請求項3の手段)吹出状態変更手段は、
窓側フェイス吹出口より空調風を吹き出す吹出口モード
が選択された時に、その窓側フェイス吹出口より吹き出
される空調風の吹出方向を近傍の窓ガラス(例えばサイ
ドウインドウ)へ向けることができる。この場合、サイ
ドウインドウからの冷輻射を効果的に遮断できる。ま
た、サイドウインドウ内面の曇りを防止または除去でき
る。
【0007】(請求項4の手段)吹出状態変更手段は、
空調風の温度が所定温度より高い時、または外気温が所
定温度より低い時に、吹出口より窓ガラスに向かって吹
き出される空調風の風量を増加することができる。これ
により、窓ガラスからの冷輻射を遮断できる効果を高め
ることができ、且つ窓ガラス内面の防曇性を向上でき
る。
【0008】(請求項5の手段)吹出口より吹き出され
る空調風の吹出方向または吹出範囲または吹出位置また
は風量を変更できる吹出状態変更手段は、窓側フェイス
吹出口より空調風を吹き出す吹出口モードが選択された
時に、その窓側フェイス吹出口より吹き出される空調風
が近傍の窓ガラスに当たる範囲内で、空調風の吹出方向
または吹出範囲または吹出位置または風量を変更するこ
とができる。このように、空調風の吹出方向のみなら
ず、吹出範囲または吹出位置または風量も変更すること
により、窓ガラス(特にサイドウインドウ)からの冷輻
射を遮断できる効果が得られる上に、窓ガラス内面の曇
りを広範囲に渡って除去することが可能である。
【0009】(請求項6の手段)吹出状態変更手段は、
吹出口より吹き出される空調風が近傍の窓ガラスに当た
る範囲内で、左右方向または上下方向または左右と上下
の両方向に往復させることができる。この場合、窓ガラ
スからの冷輻射を遮断できる効果が得られる上に、空調
風が窓ガラスに対して左右方向または上下方向または左
右と上下の両方向に往復しながら当たるため、窓ガラス
内面の曇りを広範囲に渡って除去することができる。
【0010】(請求項7の手段)吹出状態変更手段は、
車室内の少なくとも2つの空調ゾーンで独立に空調風の
吹出状態を制御できる。これにより、車室内の各空調ゾ
ーンでそれぞれ独立に本発明の効果(顔の火照りを防
止できる、窓ガラスからの冷輻射を遮断できる、窓
ガラス内面の曇りを防止できる)を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の車両用空調装置を
図面に基づいて説明する。 (第1実施形態)図1は車両用空調装置の全体構成図で
ある。本実施形態の車両用空調装置1は、図1に示す様
に、車室内へ空気を送るための送風ダクト2を備え、こ
の送風ダクト2の上流端に内外気切替手段(下述する)
を備えたブロワ3が接続されている。
【0012】内外気切替手段は、車室内空気(内気)を
導入するための内気導入口4と車室外空気(外気)を導
入するための外気導入口5とを有する内外気切替箱6
と、この内外気切替箱6に回転自在に支持されて、内気
導入口4と外気導入口5とを選択的に切り替える内外気
切替ドア7を備える。この内外気切替ドア7は、サーボ
モータ等のアクチュエータ8により駆動され、そのアク
チュエータ8は後述のエアコン制御装置(以下ECU9
と言う)により通電制御される。ブロワ3は、内外気切
替箱6と一体に形成されたファンケース10と、このフ
ァンケース10に収容されるファン11と、このファン
11を回転駆動するファンモータ12から成り、このフ
ァンモータ12への印加電圧(制御電圧VA)に応じて
ファンモータ12の回転速度(送風量)が決定される。
なお、ファンモータ12は、印加電圧を可変するモータ
駆動回路13を通じてECU9により通電制御される。
【0013】送風ダクト2内には、ブロワ3より送られ
た空気(以下送風空気と言う)を冷却する冷却用熱交換
器14が配され、この冷却用熱交換器14より空気下流
側に送風空気を加熱する加熱用熱交換器15が配されて
いる。冷却用熱交換器14は、例えば冷凍サイクルのエ
バポレータであり、そのエバポレータ内部を流れる低温
冷媒との熱交換によって送風空気を冷却する。加熱用熱
交換器15は、例えばエンジン冷却水を熱源とする温水
式ヒータコアであり、そのヒータコア内部を流れるエン
ジン冷却水(温水)との熱交換によって送風空気を加熱
する。送風ダクト2内は、冷却用熱交換器14より下流
側が仕切り板16によって運転席の乗員(以下ドライバ
ーと言う)へ送風空気を供給するための第1空気通路1
7と、助手席の乗員(以下パッセンジャーと言う)へ送
風空気を供給するための第2空気通路18とに分けられ
ている。なお、冷却用熱交換器14は、送風ダクト2内
の全面に渡って配され、加熱用熱交換器15は、仕切り
板16を貫通して第1空気通路17内と第2空気通路1
8内とに配されている。
【0014】第1空気通路17には、加熱用熱交換器1
5を迂回する第1バイパス通路19と、第1空気通路1
7を流れてドライバーへ供給される送風空気の温度を調
節する第1エアミックスドア20が設けられている。こ
の第1エアミックスドア20は、第1バイパス通路19
を通過する空気量と第1空気通路17に配された加熱用
熱交換器15を通過する空気量との割合を調節するもの
で、サーボモータ等のアクチュエータ21により駆動さ
れ、そのアクチュエータ21はECU9により通電制御
される。
【0015】第2空気通路18には、加熱用熱交換器1
5を迂回する第2バイパス通路22と、第2空気通路1
8を流れてパッセンジャーへ供給される送風空気の温度
を調節する第2エアミックスドア23が設けられてい
る。この第2エアミックスドア23は、第2バイパス通
路22を通過する空気量と第2空気通路18に配された
加熱用熱交換器15を通過する空気量との割合を調節す
るもので、サーボモータ等のアクチュエータ24により
駆動され、そのアクチュエータ24はECU9により通
電制御される。
【0016】送風ダクト2の下流側には、第1空気通路
17に通じるドライバー側フェイスダクト25とデフロ
スタダクト26とドライバー側フットダクト27、及び
第2空気通路18に通じるパッセンジャー側フェイスダ
クト28とパッセンジャー側フットダクト29が接続さ
れている。ドライバー側フェイスダクト25は、ドライ
バーの上半身へ向けて主に冷風を供給するための通路
で、通路途中から二間に分岐して設けられ、一方が車室
内前面に配されたダッシュボード30(図2参照)の略
中央部に開口するドライバー側センタFACE吹出口3
1(図2参照)に接続され、他方がダッシュボード30
の運転席側端部に開口するドライバー側サイドFACE
吹出口32(図2参照)に接続されている。デフロスタ
ダクト26は、車両のフロントガラス(図示しない)へ
向けて主に温風を供給するための通路で、ダッシュボー
ド30の上面に開口するDEF吹出口33に接続されて
いる。ドライバー側フットダクト27は、ドライバーの
足元へ向けて主に温風を供給するための通路で、ドライ
バーの足元近傍に開口するドライバー側FOOT吹出口
34に接続されている。
【0017】また、ドライバー側フェイスダクト25に
は、ドライバー側センタFACE吹出口31とドライバ
ー側サイドFACE吹出口32とを選択的に開閉できる
モード切替ドア35が設けられ、デフロスタダクト26
とドライバー側フットダクト27の上流側開口部には、
それぞれの開口部を開閉するモード切替ドア36、37
が設けられている。これら各モード切替ドア35、3
6、37の開閉状態に応じて、FOOTモード、B/L
モード(バイレベルモード)、FACEモード、DEF
モード、F/Dモード(フット/デフモード)等の周知
の各吹出口モードが得られる。モード切替ドア35、3
6、37は、サーボモータ等のアクチュエータ38、3
9により駆動され、そのアクチュエータ38、39はE
CU9により通電制御される(図1参照)。
【0018】一方、パッセンジャー側フェイスダクト2
8は、パッセンジャーの上半身へ向けて主に冷風を供給
するための通路で、通路途中から二間に分岐して設けら
れ、一方がダッシュボード30の略中央部に開口するパ
ッセンジャー側センタFACE吹出口40(図2参照)
に接続され、他方がダッシュボード30の助手席側端部
に開口するパッセンジャー側サイドFACE吹出口41
(図2参照)に接続されている。パッセンジャー側フッ
トダクト29は、パッセンジャーの足元へ向けて主に温
風を供給するための通路で、パッセンジャーの足元近傍
に開口するパッセンジャー側FOOT吹出口42に接続
されている。
【0019】また、パッセンジャー側フェイスダクト2
8には、パッセンジャー側センタFACE吹出口40と
パッセンジャー側サイドFACE吹出口41とを選択的
に開閉できるモード切替ドア43が設けられ、パッセン
ジャー側フットダクト29の上流側開口部には、その開
口部を開閉するモード切替ドア44が設けられている。
これら各モード切替ドア43、44の開閉状態に応じ
て、FOOTモード、B/Lモード、FACEモード等
の周知の各吹出口モードが得られる。各モード切替ドア
43、44は、サーボモータ等のアクチュエータ45に
より駆動され、そのアクチュエータ45はECU9によ
り通電制御される(図1参照)。なお、ドライバー側フ
ェイスダクト25に設けられたモード切替ドア35とパ
ッセンジャー側フェイスダクト28に設けられたモード
切替ドア43は、FOOTモードかF/Dモードが選択
された時に、センタFACE吹出口31、40側を閉じ
てサイドFACE吹出口32、41側を開く様に作動す
る。
【0020】前記のドライバー側センタFACE吹出口
31とドライバー側サイドFACE吹出口32、及びパ
ッセンジャー側センタFACE吹出口40とパッセンジ
ャー側サイドFACE吹出口41には、図3に示す様
に、空調風の方向を変更できる風向可変装置46(本発
明の吹出状態変更手段)が具備されている。この風向可
変装置46は、空調風の方向を左右方向(車幅方向)に
変更するための左右方向変更装置47(図4参照)と、
空調風の方向を上下方向に変更するための上下方向変更
装置48(図5参照)とを備える。また、センタFAC
E吹出口31、40とサイドFACE吹出口32、41
には、それぞれシャッタ機構(図示しない)が設けら
れ、各吹出口31、40の近傍に設けられた操作レバー
49(図6参照)、および各吹出口32、41の近傍に
設けられた操作レバー(図示しない)により、それぞれ
のシャッタ機構を操作して各吹出口31、40、32、
41を開閉することができる。
【0021】左右方向変更装置47は、図4に示す様
に、左右方向の角度調節が可能な複数の左右ルーバ5
0、各左右ルーバ50を駆動するための回転力を発生す
るDCモータ51、このモータ51の回転力を各左右ル
ーバ50に伝達するアーム52とリンクレバー53、及
びモータ51に連結された状態で乗員が左右ルーバ50
を容易に(フィーリング良く)手動操作できるために設
けられた摩擦滑り機構54等より構成されている。モー
タ51は、ポテンショメータ55の検出値(抵抗比)に
基づいてECU9により通電制御される。ポテンショメ
ータ55は、アーム52に連動する可動接点55aと、
この可動接点55aの移動により分圧比を変える抵抗素
子55b等より構成され、左右ルーバ50の傾き角θ
(アーム52の位置)を抵抗比によって検出することが
できる。
【0022】上下方向変更装置48は、図5に示す様
に、上下方向の角度調節が可能な複数の上下ルーバ5
6、各上下ルーバ56を駆動するための回転力を発生す
るDCモータ57、このモータ57の回転力を各上下ル
ーバ56に伝達するアーム58とリンクレバー59、及
びモータ57に連結された状態で乗員が上下ルーバ56
を容易に(フィーリング良く)手動操作できるために設
けられた摩擦滑り機構60等より構成されている。モー
タ57は、ポテンショメータ61の検出値(抵抗比)に
基づいてECU9により通電制御される。ポテンショメ
ータ61は、アーム58に連動する可動接点61aと、
この可動接点61aの移動により分圧比を変える抵抗素
子61b等より構成され、上下ルーバ56の傾き角θ
(アーム58の位置)を抵抗比によって検出することが
できる。なお、左右ルーバ50と上下ルーバ56には、
両ルーバ50、56に共通の摘み具62(図6参照)が
取り付けられており、各モータ51、57による動作と
は別に、乗員が摘み具62を掴んで操作することによ
り、それぞれ左右方向及び上下方向に向きを変更するこ
とができる。
【0023】ECU9は、空調制御に係わる制御プログ
ラムや各種演算式等が記憶されたマイクロコンピュータ
を内蔵するもので、エアコン操作パネル63(図6参
照)での各種操作に基づいて出力される操作信号、およ
び空調制御に係わる各種検出手段(下述する)からの検
出信号を入力し、これらの入力信号を制御プログラムに
従って演算処理した後、その処理結果に基づいて前述の
各種アクチュエータ及びモータ駆動回路13を通電制御
する。各種検出手段としては、車室内空気の温度Trを
検出する内気センサ64、外気温度Tamを検出する外気
センサ65、日射量Tsを検出する日射センサ66、冷
却用熱交換器14(エバポレータ)を通過した空気の温
度Teを検出するエバ後温度センサ67、加熱用熱交換
器15(ヒータコア)に供給される冷却水温度Twを検
出する水温センサ68等が設けられている(図1参
照)。
【0024】エアコン操作パネル63は、車室内前面の
ダッシュボード30に組み込まれている(図2参照)。
そのエアコン操作パネル63には、図6に示す様に、ド
ライバー側の温度設定スイッチ69、パッセンジャー側
の温度設定スイッチ70、自動制御を指令するAUTO
スイッチ71、制御停止を指令するOFFスイッチ7
2、ブロワ3のON/OFF及び風量レベルを設定する
ブロワスイッチ73、ドライバー側とパッセンジャー側
の温度制御を独立に行わせるDUALスイッチ74、吹
出口モードを切り替えるMODEスイッチ75、冷凍サ
イクルの運転及び運転停止を指令するA/Cスイッチ7
6、吸込口モードを切り替えるR/Fスイッチ77、フ
ロントウインドウの曇りを防止するためのFrDEFス
イッチ78、リヤウインドウの曇りを防止するためのR
rDEFスイッチ79、及び風向可変装置46を作動さ
せるためのスイングスイッチ80(下述する)等が設け
られている。これらの各種スイッチ類は、遠隔操作を行
うリモートコントローラ(図示しない)に設定しても良
い。
【0025】スイングスイッチ80は、ドライバー側、
パッセンジャー側、及びドライバー側とパッセンジャー
側の両方で風向可変装置46の作動モード(下述する)
を切り換えることができる。ドライバー側を選択する
「Drモード」、パッセンジャー側を選択する「Paモ
ード」、及びドライバー側とパッセンジャー側の両方を
選択する「MATCHモード」は、スイングスイッチ8
0を押す毎に順次切り換えて選択することができ、選択
された各モード毎にそれぞれインジケータランプが点灯
する。また、風向可変装置46の作動モードには、風向
可変装置46の作動を停止する「STOP」、風向可変
装置46の作動を自動制御する「AUTO」、後席への
風量割合を大きくする「Rr」、上下方向変更装置48
のみを作動させる「U−D/SWING」、左右方向変
更装置47のみを作動させる「R−L/SWING」が
設定され、スイングスイッチ80を回すことにより各作
動モードを切り換えて選択することができ、選択された
各作動モード毎にそれぞれインジケータランプが点灯す
る。
【0026】次に、ECU9による空調制御の内容につ
いて説明する。図7はECU9の制御プログラムの一例
を示すフローチャートである。ECU9は、エアコン操
作パネル63でAUTOスイッチ71がオン操作される
と、以下の制御プログラムに従って空調制御を実行す
る。初めに、データ処理用メモリ(RAM)の記憶内容
等を初期化する(ステップ100)。続いて、エアコン
操作パネル63の温度設定スイッチ69、70で設定さ
れた設定温度(ドライバー側とパッセンジャー側)、及
び各種検出手段の検出信号を読み込んでデータ処理用メ
モリに記憶する(ステップ110)。続いて、読み込ん
だデータと下記の数式1、2に基づいて、ドライバー側
の目標吹出温度TAO(Dr)とパッセンジャー側の目標吹
出温度TAO(Pa)を演算する(ステップ120)。
【0027】
【数1】 TAO(Dr)=Kset ・Tset (Dr)−Kr・Tr−Kam・Tam−Ks・Ts +Kd(Dr)・{Cd(Dr)+Ka(Dr)・(10−Tam)} ×{Tset (Dr)−Tset (Pa)}+C……………………………
【数2】 TAO(Pa)=Kset ・Tset (Pa)−Kr・Tr−Kam・Tam−Ks・Ts +Kd(Pa)・{Cd(Pa)+Ka(Pa)・(10−Tam)} ×{Tset (Pa)−Tset (Dr)}+C……………………………
【0028】なお、Tset (Dr)とTset (Pa)は、それぞ
れドライバー側とパッセンジャー側の温度設定スイッチ
69、70で設定された設定温度であり、Kset 、K
r、Kam、Ks、Kd(Dr)、Kd(Pa)は、それぞれ温度
設定ゲイン、内気温度ゲイン、外気温度ゲイン、日射量
ゲイン、ドライバー側の温度差補正ゲイン、パッセンジ
ャー側の温度差補正ゲインを表す。また、Ka(Dr)、K
a(Pa)は、それぞれ外気温度Tamがドライバー側とパッ
センジャー側の各空調温度に及ぼす影響度合いを補正す
るゲイン、Cd(Dr)、Cd(Pa)は、上記影響度合いに応
じた定数、Cは補正定数を表す。但し、Ka(Dr)、Ka
(Pa)、Cd(Dr)、Cd(Pa)の各値は、車両の形状や大き
さ、各吹出口より吹き出される空調風の風向等、様々な
パラメータで変化する。
【0029】続いて、ステップ120で演算されたTA
O(Dr)及びTAO(Pa)に基づいて、ブロワ3の制御電圧
VA(ファンモータ12への印加電圧)を演算する(ス
テップ130)。なお、この制御電圧VAは、ステップ
120で演算されたTAO(Dr)及びTAO(Pa)にそれぞ
れ適合した制御電圧VA(Dr)及びVA(Pa)を図8に示す
ブロワ特性図より求めた後、それらの制御電圧VA(Dr)
及びVA(Pa)を平均することにより得ている。続いて、
ステップ120で演算されたTAO(Dr)及びTAO(Pa)
に基づいて、図9に示す吹出口モード特性図より、それ
ぞれドライバー側の吹出口モードとパッセンジャー側の
吹出口モードを決定する(ステップ140)。
【0030】続いて、風向可変装置46を作動させる場
合(つまり、スイングスイッチ80を「AUTO」、
「Rr」、「U−D/SWING」、「R−L/SWI
NG」の何れかの位置にセットした時)の作動パターン
を決定する(ステップ150)。このステップ150の
処理は後述する。続いて、ドライバー側の目標吹出温度
TAO(Dr)及びパッセンジャー側の目標吹出温度TAO
(Pa)をそれぞれ実現するために、下記の数式3、4に基
づいて第1エアミックスドア20の開度SW(Dr)(%)
と第2エアミックスドア23の開度SW(Pa)(%)を演
算する(ステップ160)。
【数3】 SW(Dr)=(TAO(Dr)−Te)×100/(Tw−Te)………………
【数4】 SW(Pa)=(TAO(Pa)−Te)×100/(Tw−Te)………………
【0031】続いて、ステップ130で求めた制御電圧
VAがブロワ3(ファンモータ12)に印加される様に
モータ駆動回路13へ制御信号を出力する(ステップ1
70)。続いて、ステップ160で演算した目標開度S
W(Dr)及びSW(Pa)が得られる様に、各エアミックスド
ア20、23を駆動するアクチュエータ21、24へ制
御信号を出力する(ステップ180)。続いて、ステッ
プ140で決定したドライバー側の吹出口モード及びパ
ッセンジャー側の吹出口モードが得られる様に、各アク
チュエータ38、39へ制御信号を出力する(ステップ
190)。続いて、ステップ150で演算された風向可
変装置46の作動パターンが得られる様に、各モータ5
1、57へ制御信号を出力する(ステップ200)。
【0032】次に、上記ステップ150の処理について
詳述する。ステップ150の処理、即ち風向可変装置4
6の作動パターンは、図10に示すフローチャートに基
づいて決定される。まず、スイングスイッチ80が「A
UTO」にセットされているか否かを判定する(ステッ
プ210)。この判定結果がNOの場合、つまり「AU
TO」以外にセットされている場合は図7に記載したメ
インルーチンへ戻る。続いて、空調風を乗員に当てるか
近傍の窓ガラスに当てるかを判断するために、上記ステ
ップ140で決定された吹出口モードを判定する(ステ
ップ220)。吹出口モードがF/DモードかDEFモ
ードの時(ステップ230)は、各サイドFACE吹出
口32、41より吹き出される空調風が近傍のサイドウ
インドウ81(図12参照)に当たる様に、各サイドF
ACE吹出口32、41に具備された風向可変装置46
のルーバ50、56の向きとスイング範囲を決定する
(ステップ240)。この制御は、サイドウインドウ8
1の曇りを除去または防止するため、及びサイドウイン
ドウ81からの冷輻射を遮断するために行われるもの
で、各サイドFACE吹出口32、41より吹き出され
る温風がサイドウインドウ81の略全面に渡って送風さ
れる様に所定の範囲でスイングさせている。
【0033】ここで、各ルーバ50、56をサイドウイ
ンドウ81側へ向けてスイングさせる時の一例を図11
に示す。なお、図中の上下角とは、上下ルーバ56が水
平方向を向いた位置(吹出口32、41からの風を真正
面に吹き出させる位置)を基準(0度)として、上下ル
ーバ56の上下方向の角度を示すものであり、図中の左
右角とは、左右ルーバ50が車両の前後方向を向いた位
置(吹出口32、41からの風を真正面に吹き出させる
位置)を基準(0度)として、左右ルーバ50の左右方
向の角度を示すものである。但し、図11に示す作動パ
ターンは、ドライバー側サイドFACE吹出口32に具
備された風向可変装置46の作動パターンであり、パッ
センジャー側では、左右角の縦軸に取った値が大きくな
る方向を左側とする。
【0034】上下ルーバ56は、図12(a)に示す様
に、基準位置より上方へ10〜70度の範囲内でスイン
グさせる。但し、最小角度は10度に固定し、最大角度
は70〜45度の範囲で段階的に変化させる。これによ
り、ドライバー側サイドFACE吹出口32より吹き出
される空調風をサイドウインドウ81の上下方向にて略
全面に渡って当てることができる。一方、左右ルーバ5
0は、図12(b)に示す様に、基準位置より右側(パ
ッセンジャー側では左側)へ20〜70度の範囲内でス
イングさせる。これにより、ドライバー側サイドFAC
E吹出口32より吹き出される空調風をサイドウインド
ウ81の前後方向(図12(b)の左右方向)にて略全
面に渡って当てることができる。
【0035】なお、上述の説明では、TAOに基づいて
決定される吹出口モード(図9参照)にF/Dモードが
含まれていないが、TAOに基づいてF/Dモードを選
択できる様に構成しても良い。この場合、F/Dモード
が選択された時もFOOTモードの時と同様の制御を行
うことにより、サイドウインドウ81の曇りを防止でき
る。このF/Dモードが選択された時も、FOOTモー
ド時と同様にモード切替ドア35、43がセンタFAC
E吹出口31、40側を閉じてサイドFACE吹出口3
2、41側を開くため、サイドFACE吹出口32、4
1から送風空気(温風)が吹き出される。また、乗員が
エアコン操作パネル63のMODEスイッチ75でFO
OTモードまたはF/Dモードを選択した場合も同様の
ルーバ制御を行う。
【0036】ステップ220で判定された吹出口モード
がFOOTモードの時(ステップ250)は、各サイド
FACE吹出口32、41より吹き出される空調風が近
傍のサイドウインドウ81に当たる様に、各サイドFA
CE吹出口32、41に具備された風向可変装置46の
ルーバ50、56の向きを決定する(ステップ26
0)。ステップ220で判定された吹出口モードがFA
CEモードかB/Lモードの時(ステップ270)は、
車室内温度と設定温度との差が所定値(例えば10℃)
以上か否かを判定する(ステップ280)。この判定結
果がYESの場合、つまり車室内温度と設定温度との差
が10℃以上の時は、各FACE吹出口31、32、4
0、41より吹き出される空調風が乗員に当たる様に、
各FACE吹出口31、32、40、41に具備された
風向可変装置46のルーバ50、56の向きを決定する
(ステップ290)。この制御では、車室内温度が設定
温度より10℃以上高い時、または10℃以上低い時
に、冷風または温風を集中的に乗員に当てることによ
り、冷房感または暖房感を乗員に与えることができる。
図13にドライバー側の吹出口31、32より吹き出さ
れる空調風P、Qの吹出方向を示す。
【0037】ステップ280の判定結果がNOの時、つ
まり車室内温度と設定温度との差が10℃未満の時(定
常状態)は、各FACE吹出口31、32、40、41
より吹き出される空調風が乗員に当たる範囲内で、図1
4および図15に示すように、ブロワ電圧(風量)に基
づいて各ルーバ50、56のスイング位置を決定する
(ステップ290)。なお、図14は、左右ルーバ50
をスイングさせる時の乗員に当たる空調風のスイング位
置(高さ位置)を示すもので、そのスイング位置を上下
ルーバ56の傾き角によって決定している。また、図1
5は、上下ルーバ56をスイングさせる時の乗員に当た
る空調風のスイング位置(横位置)を示すもので、その
スイング位置を左右ルーバ50の傾き角によって決定し
ている。続いて、各ルーバ50、56のスイング幅を演
算する(ステップ300)。このスイング幅は、日射強
度および日射方向により決定されるスイング幅(図1
6、図18参照)と、内気温度により決定されるスイン
グ幅(図17、図19参照)とを合計して得られる。但
し、冷房時(車室内温度の方が設定温度より高い時)
は、図16と図17に示す特性図に基づいて決定され、
暖房時(車室内温度の方が設定温度より低い時)は、図
18と図19に示す特性図に基づいて決定される。
【0038】(本実施例の効果)本実施例では、サイド
FACE吹出口32、41より温風が吹き出される吹出
口モード、つまりDEFモードまたはF/Dモードまた
はFOOTモードが選択された時に、そのサイドFAC
E吹出口32、41に具備された風向可変装置46を作
動させて、サイドFACE吹出口32、41より吹き出
される空調風(温風)をサイドウインドウ81に当てる
ことができる。この結果、サイドウインドウ81の曇り
を除去または防止することができる。また、サイドウイ
ンドウ81からの冷輻射を効果的に遮断できるため、暖
房時におけるサイドウインドウ81からの冷輻射による
暖房フィーリングの悪化を低減できる。更に、サイドF
ACE吹出口32、41より吹き出される温風が乗員の
顔面に当たることを防止できるため、顔の火照りを防止
できる効果もある。また、予め設定された作動パターン
に従って自動的に風向可変装置46を作動させることが
できるため、乗員がマニュアルスイッチ等を操作する必
要がなく、従来のようなスイッチ操作の煩わしさを解消
できる。
【0039】(他の実施形態)空調風の吹出状態を変更
するための吹出状態変更手段として、上記実施形態では
風向可変装置46を用いたが、以下に記載する種々の吹
出状態変更手段を用いることもできる。 1)図20に示す風向可変装置82は、複数のルーバ8
3、モータ84、リンクプレート85、及びリンクレバ
ー86等より構成されている。ルーバ83は、FACE
吹出口31、32、40、41の上壁87と下壁88と
に回転自在に支持された回転軸89を中心として回動可
能に設けられ、回転軸89と反対側の上端部に上方へ突
出するピン90を具備している。モータ84は、出力軸
(図示しない)の先端にギヤ91が固定されている。リ
ンクプレート85は、FACE吹出口31、32、4
0、41の上部に配されて、その一端部にモータ84の
ギヤ91と噛み合うリンクギヤ92を具備し、出力軸の
回転に伴ってFACE吹出口31、32、40、41の
前後にスライド可能に設けられている。また、リンクプ
レート85には、複数本(ルーバ83の数と同じ)のリ
ンク溝93が形成されている。リンクレバー86は、リ
ンクプレート85の動きをルーバ83に伝達するもの
で、ルーバ83と同じ数だけ設けられ、リンクプレート
85のリンク溝93に嵌合するピン94と、ルーバ83
に具備されたピン90が嵌合するガイド溝95とが形成
されている。
【0040】次に、風向可変装置82の作動を説明す
る。モータ84の出力軸が回転してリンクプレート85
がFACE吹出口31、32、40、41に対し前方へ
移動すると、図21(a)に示す様に、各リンクレバー
86を介して各ルーバ83がそれぞれ乗員方向を向いた
位置に駆動される。これにより、センタFACE吹出口
31、40とサイドFACE吹出口32、41より空調
風が乗員方向へ集中的に吹き出される(集中モード)。
一方、モータ84の出力軸が逆転してリンクプレート8
5がFACE吹出口31、32、40、41に対し後方
へ移動すると、図21(b)に示す様に、各リンクレバ
ー86を介して各ルーバ83の向きが外側へ拡がる様に
駆動される。これにより、センタFACE吹出口31、
40及びサイドFACE吹出口32、41より吹き出さ
れる空調風がそれぞれ拡散される(拡散モード)。この
風向可変装置82によれば、集中モードを選択すること
で空調風を集中的に乗員に向けることができる。また、
拡散モードを選択すれば、サイドウインドウ81に広く
空調風(温風)を当てることができると共に、乗員への
温風の配風量が減ることにより、顔の火照りを抑えるこ
とができる。
【0041】2)図22に示す風向可変装置96は、ケ
ース97と、このケース97に対し回動自在に組み付け
られたドラム98と、このドラム98に取り付けられた
ルーバ99等より構成されている。この場合、ケース9
7に対してドラム98を回動させることにより、ドラム
98と一体にルーバ99の向きが変化して空調風の吹出
方向を変えることができる。
【0042】3)図23および図24に示す風向可変装
置100は、細長い円筒状に設けられたルーバ本体10
1と、このルーバ本体101を回転駆動するモータ10
2とを備える。ルーバ本体101には、図25に示すよ
うに、回転中心より偏心した位置に一定幅の円弧状を成
す空気通路101aが形成されている。この風向可変装
置100は、例えば図26に示すように、ワンボックス
カー103の空気吹出口104(図24参照)に取り付
けて使用することができる。ルーバ本体101は、モー
タ102により回転駆動されることで、空気吹出口10
4より吹き出される空気の風向を上下方向の任意の方向
に選択できる。例えば、図27(a)に示す位置では、
主に乗員の上半身に向けて空気を吹き出すことができ
る。図27(b)に示す位置では、主に乗員の下半身に
向けて空気を吹き出すことができる。図27(c)に示
す位置では、車両の天井方向に向けて空気を吹き出すこ
とができる。図27(d)に示す位置では、空気吹出口
104を閉塞することができる。
【0043】また、ルーバ本体101をスイングさせる
と、図28(a〜c)に示すように、ルーバ本体101
のスイング幅に応じて、空気吹出口104より吹き出さ
れる空気を所定の範囲で吹き出すことができる。特に、
図28(c)に示すように、ルーバ本体101の空気通
路101aを車両のフロントウインドウに向けてスイン
グさせることで、DEFモードに対応することが可能と
なる。従って、この風向可変装置100を用いることに
より、近傍の窓ガラスをサイドウインドウに限る必要が
なく、フロントウインドウにも適用することができる。
なお、ルーバ本体101をモータ102で回転駆動する
代わりに、図29に示すように、ルーバ本体101に設
けられたシャフト105に操作ツマミ106を設けて、
この操作ツマミ106を乗員が手動により回転操作する
ことでルーバ本体101の空気通路101aの向きを変
更することもできる。
【0044】4)図30に示す風向可変装置107は、
空気の吹出領域を車幅方向で変更できるもので、吹出口
108に対し回転自在に取り付けられた回転バルブ10
9を備える。吹出口108には、背面に接続された2本
の送風ダクト110より空調風が供給される。吹出口1
08の前面には、格子状のグリル111が取り付けられ
ている。回転バルブ109は、両端に取り付けられた調
整ダイヤル112によって回転位置を調整することがで
き、例えば図31または図32に示すように、回転バル
ブ109の回転位置により吹出口108の開口状態を変
更することにより、空気の吹出領域を車幅方向で変更す
ることができる。また、図33に示すように、回転バル
ブ109の形状を変更することで多様な吹出状態を得る
ことが可能である。なお、この回転バルブ109を上記
3)に記載したルーバ本体101として使用することも
できる。
【0045】(変形例)上記のステップ220では、吹
出口モードを判定する代わりに、図10(a)に示すよ
うに吹出温度で空調風を近傍の窓ガラスに当てるかどう
かを判定しても良い。つまり、吹出温度が高い時は、空
調風(温風)を直接乗員に当てると顔の火照りが生じや
すくなるため、乗員からは外した方が良い。また、空調
風を窓ガラスに当てた場合、吹出温度が高い程、窓ガラ
スからの冷輻射を遮断できる効果、及び窓ガラスの防曇
効果を高めることができる。これにより、例えば吹出温
度が35℃以上ある時は空調風を窓ガラスに当てて、3
5℃未満の時は乗員に当てる様に制御しても良い。吹出
温度は、吹出口に温度センサを取り付けて吹出口より吹
き出される空調風の温度を直接検出しても良いし、目標
吹出温度TAO、エバ後温度Te、A/M開度SW、冷
却水温度Tw等の吹出温度に関するパラメータを用いて
求めても良い。なお、B/Lモードの時は、目標吹出温
度TAOに比べてFACE吹出口31、40の吹出温度
が低く、FOOT吹出口33、42の吹出温度が高くな
る場合が多い。
【0046】また、ステップ220では、図10(b)
に示すように外気温によって判定しても良い。つまり、
外気温が低いと窓ガラスの温度が下がるため、窓ガラス
からの冷輻射が強くなるとともに、窓ガラスが曇り易く
なる。従って、例えば外気温が10℃以下の時は、空調
風(温風)を窓ガラスに当てて、10℃を超える時は乗
員に当てるように制御しても良い。ステップ260で
は、FOOTモードが選択された時に各ルーバ50、5
6をスイングさせていないが、F/DモードまたはDE
Fモードが選択された場合と同様に、所定の範囲で各ル
ーバ50、56をスイングさせても良い。
【0047】上述の実施形態では、エアコン操作パネル
63にスイングスイッチ80を組み込んで、センタFA
CE吹出口31、40の風向可変装置46とサイドFA
CE吹出口32、41の風向可変装置46とを同一に制
御する例を説明したが、図34に示す様に、ドライバー
側とパッセンジャー側とにそれぞれスイングスイッチ8
0を設け、且つセンタFACE吹出口31、40の風向
可変装置46とサイドFACE吹出口32、41の風向
可変装置46と独立に制御できる様に構成しても良い。
なお、この場合、ドライバー側とパッセンジャー側とで
風向可変装置46の作動モードが異なっている時に、
「MATCH」モードが選択されても、それぞれの作動
モードは変わらず、1目盛でも回した時に両側の作動モ
ードが等しくなる。この時、ドライバー側の作動モード
に合わせても良いし、パッセンジャー側の作動モードに
合わせても良い。
【0048】上述の実施形態では、サイドFACE吹出
口32、41に具備された風向可変装置46を上下方向
と左右方向とにスイング作動させることができるが、上
下方向のみ、あるいは左右方向のみでもサイドウインド
ウ81の曇りを除去できる効果はある。また、送風ダク
ト2内に第1空気通路17と第2空気通路18とを設け
てドライバー側とパッセンジャー側とを独立に空調制御
できる例について説明したが、ドライバー側とパッセン
ジャー側とを分けることなく、一様に空調制御する構成
でも本発明を適用できることは言うまでもない。更に、
ルーバ50、56を作動させるためのアクチュエータと
してDCモータ51、57を用い、各ルーバ50、56
の向きをポテンショメータ55、61によって検出する
例を記載したが、アクチュエータとしてステッピングモ
ータを使用しても良い。この場合、ステッピングモータ
に与えられる駆動パルス数をカウントすることで各ルー
バ50、56の向きを検出できるため、ポテンショメー
タは不要である。
【0049】上述の実施形態では、ドライバー側とパッ
センジャー側とで吹出口モードを変更していないが、ド
ライバー側とパッセンジャー側とで吹出口モードが異な
る場合には、全てのFACE吹出口(31、32、4
0、41)に具備された風向可変装置46をそれぞれ独
立に制御できる。例えば、ドライバー側サイドFACE
吹出口32から温風が吹き出され、パッセンジャー側サ
イドFACE吹出口41が閉じている場合には、ドライ
バー側サイドFACE吹出口32に具備された風向可変
装置46のみを制御して、ドライバー側サイドFACE
吹出口32より吹き出される温風をドライバー側のサイ
ドウインドウ81へ向けて任意の範囲でスイングさせる
ことができる。また、パッセンジャー側サイドFACE
吹出口41から温風が吹き出され、ドライバー側サイド
FACE吹出口32が閉じている場合には、パッセンジ
ャー側サイドFACE吹出口41に具備された風向可変
装置46のみを制御して、パッセンジャー側サイドFA
CE吹出口41より吹き出される温風をパッセンジャー
側のサイドウインドウ81へ向けて任意の範囲でスイン
グさせることができる。勿論、各センタFACE吹出口
31、40に具備された風向可変装置46を独立に制御
できることは言うまでもない。
【0050】上述の実施形態では、数式1、2を用いた
目標吹出温度TAO(Dr)及びTAO(Pa)の演算時におい
て、ドライバー側とパッセンジャー側との差に対応した
各演算項の補正を外気温度Tamにより行う構成とした
が、これに代えて、数式1、2における各演算項の補正
を、それぞれに対応した目標吹出温度TAO(Dr)及びT
AO(Pa)の高低に応じて行う構成としても同等の効果が
得られる。また、吹出口モードは、目標吹出温度TAO
(Dr)及びTAO(Pa)により決定されるものであり、しか
も、実際に車室内の空気の流れを考慮した場合、ドライ
バー側とパッセンジャー側への吹出温度や各乗員での気
流干渉状態が吹出口モード毎に相違していることも十分
考えられるため、数式1、2における設定温度Tset (D
r)及びTset (Pa)の差に対応した各演算項の補正を、そ
れぞれに対応した吹出口モードにより行う構成とした場
合でも相応の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空調装置の全体構成図である。
【図2】ダッシュボードを示す正面図である。
【図3】風向可変装置の全体図である。
【図4】左右方向変更装置の構成図である。
【図5】上下方向変更装置の構成図である。
【図6】FACE吹出口とエアコン操作パネルの正面図
である。
【図7】ECUの制御プログラムを示すフローチャート
である。
【図8】ブロワの制御電圧を決定するブロワ特性図であ
る。
【図9】吹出口モードを決定する吹出口モード特性図で
ある。
【図10】ルーバの制御プログラムを示すフローチャー
トである。
【図11】ルーバの作動パターンを示すタイムチャート
である。
【図12】(a)はサイドFACE吹出口より吹き出さ
れる空調風の上下スイング範囲を示す模式図、(b)は
空調風の左右スイング範囲を示す模式図である。
【図13】空調風の吹出方向を示す模式図である。
【図14】左右スイングを行う時のスイング位置を示す
模式図である。
【図15】上下スイングを行う時のスイング位置を示す
模式図である。
【図16】冷房時の日射とスイング範囲との関係を示す
特性図である。
【図17】冷房時の内気温度とスイング範囲との関係を
示す特性図である。
【図18】暖房時の日射とスイング範囲との関係を示す
特性図である。
【図19】暖房時の内気温度とスイング範囲との関係を
示す特性図である。
【図20】風向可変装置の斜視図である(他の実施形態
1)。
【図21】風向可変装置の作動説明図である(他の実施
形態1)。
【図22】風向可変装置の断面図である(他の実施形態
2)。
【図23】風向可変装置の分解斜視図である(他の実施
形態3)。
【図24】風向可変装置の断面図である(他の実施形態
3)。
【図25】回転バルブの断面図である(他の実施形態
3)。
【図26】風向可変装置の取り付け位置を示す車両の模
式図である(他の実施形態3)。
【図27】風向可変装置の作動説明図である(他の実施
形態3)。
【図28】空調風のスイング範囲を示す模式図である
(他の実施形態3)。
【図29】風向可変装置の斜視図である(他の実施形態
3)。
【図30】風向可変装置の分解斜視図である(他の実施
形態4)。
【図31】風向可変装置の作動説明図である(他の実施
形態4)。
【図32】風向可変装置の作動説明図である(他の実施
形態4)。
【図33】回転バルブの斜視図である(他の実施形態
4)。
【図34】吹出口とスイングスイッチを示す正面図であ
る。
【符号の説明】
1 車両用空調装置 9 ECU(制御手段) 32 ドライバー側サイドFACE吹出口(窓側フェイ
ス吹出口) 41 パッセンジャー側サイドFACE吹出口(窓側フ
ェイス吹出口) 46 風向可変装置(吹出状態変更手段/第1実施形
態) 81 サイドウインドウ(窓ガラス) 82 風向可変装置(吹出状態変更手段/他の実施形態
1) 96 風向可変装置(吹出状態変更手段/他の実施形態
2) 100 風向可変装置(吹出状態変更手段/他の実施形
態3) 107 風向可変装置(吹出状態変更手段/他の実施形
態4)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寒川 克彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両乗員または窓ガラスに向けて空気を吹
    き出すことのできる吹出口と、 少なくとも前記吹出口より吹き出される空調風の吹出方
    向を変更できる吹出状態変更手段とを備えた車両用空調
    装置において、 前記吹出状態変更手段は、前記吹出口より吹き出される
    空調風の温度が所定温度より高い時に、前記空調風の吹
    出方向を近傍の窓ガラスへ向けることを特徴とする車両
    用空調装置。
  2. 【請求項2】車両乗員または窓ガラスに向けて空気を吹
    き出すことのできる吹出口と、 少なくとも前記吹出口より吹き出される空調風の吹出方
    向を変更できる吹出状態変更手段とを備えた車両用空調
    装置において、 前記吹出状態変更手段は、外気温が所定温度より低い時
    に、前記空調風の吹出方向を近傍の窓ガラスへ向けるこ
    とを特徴とする車両用空調装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載した車両用空調装
    置において、 前記吹出状態変更手段は、窓側フェイス吹出口より空調
    風を吹き出す吹出口モードが選択された時に、その窓側
    フェイス吹出口より吹き出される空調風の吹出方向を近
    傍の窓ガラスへ向けることを特徴とする車両用空調装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3に記載した車両用空調装置に
    おいて、 前記吹出状態変更手段は、前記吹出口より吹き出される
    空調風の風量を変更可能に設けられ、前記近傍の窓ガラ
    スに向かって吹き出される空調風の風量を増加すること
    を特徴とする車両用空調装置。
  5. 【請求項5】車両乗員または窓ガラスに向けて空気を吹
    き出すことのできる吹出口と、 この吹出口より吹き出される空調風の吹出方向または吹
    出範囲または吹出位置または風量を変更できる吹出状態
    変更手段とを備えた車両用空調装置において、 前記吹出状態変更手段は、窓側フェイス吹出口より空調
    風を吹き出す吹出口モードが選択された時に、その窓側
    フェイス吹出口より吹き出される空調風が近傍の窓ガラ
    スに当たる範囲内で、前記空調風の吹出方向または吹出
    範囲または吹出位置または風量を変更することを特徴と
    する車両用空調装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5に記載した車両用空調装置に
    おいて、 前記吹出状態変更手段は、前記吹出口より吹き出される
    空調風が近傍の窓ガラスに当たる範囲内で、左右方向ま
    たは上下方向または左右と上下の両方向に往復させるこ
    とを特徴とする車両用空調装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6に記載した車両用空調装置に
    おいて、 前記吹出状態変更手段は、車室内の少なくとも2つの空
    調ゾーンで独立に空調風の吹出状態を制御できることを
    特徴とする車両用空調装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014076682A (ja) * 2012-10-09 2014-05-01 Denso Corp 車両用防曇装置
JP2017178275A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 株式会社Subaru 車両用空調装置
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