JP4265064B2 - 車両用シート空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート空調の有るシートに着座している乗員が希望するシート面温熱感となるように、シート表面に向かう空調風の風量、あるいはシート表面から吹き出す空調風のシート空調吹出温度を制御することが可能な例えば自動車等の車両用シート空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特開平10−297243号公報においては、車両のシートに設けられた複数のエア吹出孔から温風、冷風または送風を吹き出すためのシート空調用加熱冷却装置を、車室内を空調する車両空調装置に連動させるようにした車両用シート空調装置(従来の技術)が提案されている。
【0003】
この車両用シート空調装置は、車両空調装置の空調能力の増減、設定温度の上昇または低下に対し、シート空調用加熱冷却装置の空調能力を車両空調装置の空調能力に合わせて増減するものである。そして、車両空調装置の空調に対する空調熱負荷が大きくて車両空調装置の空調能力が高い場合には、シート空調用加熱冷却装置の空調能力も高く設定される。また、車両空調装置の空調に対する空調熱負荷が小さくて車両空調装置の空調能力が低い場合には、シート空調用加熱冷却装置の空調能力も低く設定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の車両用シート空調装置においては、車両空調装置の空調能力が高い場合に、シートのエア吹出孔へ過剰の空調能力が送られることになり、夏期は過冷房、冬期は過暖房となり、乗員が希望するシート面温熱感から大きく外れてしまい、乗員に不快感を与えてしまうという不具合が生じる。また、車両空調装置内で空調された空調風をシートのエア吹出孔に送り込んでシート表面を空調する車両用シート空調装置においては、上記の不具合がより顕著となる。
【0005】
また、特開平10−297243号公報においては、シート空調用加熱冷却装置側のシート吹出温度の設定値の変更に応じて車両空調装置による車室内の空調状態を変更することが示されているが、車両空調装置による車室内の空調状態が所望の空調状態にならないため、シート空調を有しないシートに着座する他の乗員に不快感を与えるという問題が生じる。
【0006】
【発明の目的】
本発明の目的は、車室内の空調状態が変更された場合でも、シート空調を有するシートに着座する乗員が希望するシート面温熱感を維持することのできる車両用シート空調装置を提供することにある。また、シート空調を有するシートに着座する乗員が希望のシート面温熱感を変更した場合でも、シート空調を有しない他の乗員が所望する車室内の空調状態を維持することのできる車両用シート空調装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、車両空調装置の空調能力が高くても、あるいは車室内の空調状態が初期状態とは変更された場合でも、シート空調用温調設定手段で設定された希望のシート面温熱感となるように吹出温度可変手段およびシート空調用送風機が制御される。すなわち、車両のシート表面から吹き出される空調風のシート空調吹出温度および空調風の風量が希望するシート面温熱感となるように制御されるので、シート空調を有するシートに着座する乗員が希望するシート面温熱感に維持することができる。これにより、シート空調を有するシートに着座する乗員に不快感を与えることはない。
【0008】
また、シート空調を有するシートに着座する乗員が希望のシート面温熱感を変更した場合でも、それに伴って車両空調装置の空調能力が変更されることはないので、シート空調を有しない他の乗員が所望する車室内の空調状態を維持することができる。これにより、シート空調を有しない他の乗員に不快感を与えることはない。
また、請求項1によれば、空調状態検出手段は、車室内の温度を希望の温度に設定するため温度設定手段、内気温検出手段、外気温検出手段および日射検出手段であり、シート空調制御手段は、温度設定手段からの車両空調設定温度、内気温検出手段の検出信号、外気温検出手段の検出信号、および日射検出手段の検出信号から算出される車室内に吹き出す空調風の目標吹出温度に基いて、シート空調吹出温度を推定し、
この推定したシート空調吹出温度に対して、シート空調用温調設定手段で設定された希望のシート面温熱感となるように、吹出温度可変手段およびシート空調用送風機を制御する。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、空調状態検出手段にて検出した車室内の空調状態から車両空調装置の冷暖房モードを判定し、この判定した冷暖房モードにおいて、希望のシート面温熱感となるように、車両のシート表面から吹き出される空調風のシート空調吹出温度および空調風の風量が制御される。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、シート空調制御手段は、目標吹出温度から、シートまでの空調熱負荷による温度上昇分を加味して、シート空調吹出温度を推定する。
【0011】
請求項4に記載の発明によれば、シート空調制御手段は、目標吹出温度から、シートまでの空調熱負荷による温度下降分を加味して、シート空調吹出温度を推定する。
【0012】
請求項5に記載の発明によれば、シート表面から吹き出す空調風のシート空調吹出温度、シート表面に向かう空調風の風量または風速の少なくとも1つと温調感との関係を用いて希望のシート面温熱感となるように、車両のシート表面から吹き出される空調風のシート空調吹出温度および空調風の風量が制御される。
【0013】
請求項6に記載の発明によれば、吹出温度可変手段として、車両空調装置から送風される空調風を吸い込むための空調風吸込口、車室内から室内風を吸い込むための室内風吸込口、および空調風吸込口と前記室内風吸込口との開口度合を変更する室内風切替ドアを設けている。それによって、例えば希望のシート面温熱感となるように室内風切替ドアの開度を変更することで、車両空調装置から送風される空調風と車室内から吸い込まれる室内風との混合割合を変化させることにより、車両のシート表面から吹き出される空調風のシート空調吹出温度が快適な吹出温度となる。
【0014】
請求項7に記載の発明によれば、補助加熱冷却手段をシート空調用通風路内に配設することにより、例えば希望のシート面温熱感となるようにシート表面に送り込む空気を加熱または冷却することで、車両のシート表面から吹き出される空調風のシート空調吹出温度が快適な吹出温度となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態の構成〕
図1ないし図10は本発明の第1実施形態を示したもので、図1は車両用シート空調装置の概略構造を示した図で、図2は車両空調制御装置およびシート空調制御装置を示した図である。
【0016】
本実施形態の車両用空調装置は、例えば走行用エンジンや走行用モータを搭載する自動車等の車両の車室内を空調する車両空調装置1の各空調手段を、車両空調制御装置(以下車両空調ECUと言う)2によって制御することにより、車室内の温度を常に設定温度に保つよう自動コントロールするように構成されている。
【0017】
また、本実施形態の車両用シート空調装置は、車両空調装置1から空調風が導かれ、例えばフロントシート(前部座席)3の下方に配置されるシート空調ユニット4の各空調手段を、シート空調制御装置(以下シート空調ECU)5によって制御することにより、フロントシート3のシート表面の温熱感(シート面温熱感)を常に前席側乗員が希望するシート面温熱感に維持するように自動コントロールするように構成されている。
【0018】
車両空調装置1は、車両の車室内を冷暖房(空調)する車室内空調手段に相当するもので、内部に例えばフェイス(FACE)吹出口側に連通する冷風通路11と例えばフット(FOOT)吹出口側に連通する温風通路12とが形成されたエアコンケース13を有している。
【0019】
そして、エアコンケース13内には、車室内に向かう空気流を発生させる車両空調用送風機14、この車両空調用送風機14によって送風される空気を冷却するための冷却用熱交換器(図示せず)、および車両空調用送風機14によって送風される空気を加熱するための加熱用熱交換器(図示せず)が設けられている。なお、冷却用熱交換器としては、例えば走行用エンジンの回転動力を利用して車室内の冷房を行うエバポレータが使用される。また、加熱用熱交換器としては、走行用エンジンの冷却水を利用して車室内の暖房を行うヒータコアが使用される。
【0020】
また、車両空調用送風機14は、図2に示したように、エアコンケース13内において車室内に向かう空気流を発生させるための遠心式ファン15、およびこの遠心式ファン15を回転駆動するブロワモータ16等からなり、外気吸込口または内気吸込口(いずれも図示せず)から吸い込んだ空気を車室内へ強制送風するものである。
【0021】
このブロワモータ16は、例えばブロワ駆動回路(図示せず)を介して印加されるブロワ制御電圧(以下ブロワレベルと言う)に基づいて、送風量(遠心式ファン15の回転速度)が制御される。ここで、車両空調風(エアコン風)の風量は、ブロワレベルがHiレベルの時に例えば560m3 /hで、ブロワレベルがLoレベルの時に例えば250m3 /hである。
【0022】
さらに、車両空調装置1のエアコンケース13の空気下流部には、車室内に空調風を吹き出すためのデフロスタ(DEF)吹出口、フェイス(FACE)吹出口およびフット(FOOT)吹出口(いずれも図示せず)を開閉することで、吹出口モードを切り替えるモード切替ドア17が設けられている。このモード切替ドア17は、図2に示したように、サーボモータ等のアクチュエータ18により駆動される。
【0023】
ここで、吹出口モードとしては、モード切替ドア17によってDEF吹出口、FACE吹出口およびFOOT吹出口を選択的に開口させることによって、FACE吹出口のみを開口させるFACEモード、FACE吹出口とFOOT吹出口を開口させるB/Lモード、FOOT吹出口のみを開口させるFOOTモード、DEF吹出口とFOOT吹出口を開口させるD/Fモード、およびDEF吹出口のみを開口させるDEFモードが一般的に使用される。
【0024】
フロントシート3は、車両の進行方向の前方側に配設されて、前席側乗員である運転手(ドライバー)が着座するドライバー側シート、および前席側乗員である助手(パッセンジャー)が着座するパッセンジャー側シートであり、それぞれシートクッション6とシートバック7とにより構成されている。これらのシートクッション6とシートバック7は、それぞれ通気性を有するシート表面材8、9により覆われている。
【0025】
そして、シートクッション6の内部には、シート空調ユニット4の空気下流側に接続されるシート内通風路21と、このシート内通風路21より分岐してシートクッション6の表面へ伸びる複数のエア吹出孔22が設けられている。また、シートバック7の内部には、シート内通風路21の空気下流側に接続されるシート内通風路23と、このシート内通風路23より分岐してシートバック7の表面へ伸びる複数のエア吹出孔24が設けられている。
【0026】
これにより、シート空調ユニット4より供給された空調風は、シート内通風路21、23を通って各エア吹出孔22、24へ分配されて、各エア吹出孔22、24よりシート表面材8、9を通過してフロントシート3に着座する前席側乗員の臀部および背中部へ吹き付けられる。
【0027】
そして、シート内通風路21の空気上流側には、シート空調ユニット4の空気下流側に連通する連通路25が設けられている。また、シート内通風路23の空気上流側には、シート内通風路21の空気下流側に連通する連通路26が設けられている。なお、本実施形態の車両用シート空調装置においては、車両の進行方向の後方側に配設されるリヤシート(図示せず)には、シート空調ユニットは設けられていない。
【0028】
シート空調ユニット4は、車両空調装置1のエアコンケース13の空気下流側に連結するシート送風用ダクト31と、このシート送風用ダクト31の空気下流側に連結するシート空調ケース32と、このシート空調ケース32内に収容されるシート空調用送風機34とを備えている。
【0029】
シート送風用ダクト31は、例えば車両の床面に沿って配置されて、車両空調装置1の冷風通路11に連通する冷風通風路41と、温風通路12に連通する温風通風路42と、冷風通風路41と温風通風路42との開口割合を調整する冷温風切替ドア43とを有している。なお、冷温風切替ドア43は、サーボモータ等のアクチュエータ44により駆動される。
【0030】
シート空調ケース32は、車両空調装置1からの空調風を吸い込むための空調風吸込口45と、車両の車室内風を吸い込むための室内風吸込口46と、空調風吸込口45と室内風吸込口46との開口割合を調整する室内風切替ドア47とを有している。なお、室内風切替ドア47は、サーボモータ等のアクチュエータ48により駆動される。また、49はシート空調ケース32内に形成されるシート空調用通風路である。そして、シート内通風路21、23、連通路25、26、冷風通風路41、温風通風路42およびシート空調用通風路49によって本発明のシート空調用通風路が構成される。
【0031】
シート空調用送風機34は、シート空調ケース32内においてフロントシート3に向かう空気流を発生させる遠心式ファン35、およびこの遠心式ファン35を回転駆動するブロワモータ36等からなり、空調風吸込口45または室内風吸込口46から吸い込んだ空気をフロントシート3へ強制送風するものである。
【0032】
このブロワモータ36は、例えばブロワ駆動回路(図示せず)を介して印加されるブロワ制御電圧(以下ブロワレベルと言う)に基づいて、送風量(遠心式ファン35の回転速度)が制御される。ここで、シート空調風の風量は、ブロワレベルがHiレベルの時に例えば50m3 /hで、ブロワレベルがLoレベルの時に例えば10m3 /hである。
【0033】
シート空調ECU5は、本発明のシート空調制御手段に相当するもので、車両空調ECU2と同様にして、CPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを有し、各種センサからセンサ信号が入力回路(図示せず)によってA/D変換された後にマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
【0034】
車両空調ECU2は、温度設定スイッチ51、オート(AUTO)スイッチ52等の各種スイッチからのスイッチ信号や、車室内空気温度(室内温度)を検出する内気温センサ53、車室外空気温度(室外温度)を検出する外気温センサ54、車室内に入射する日射量を検出する日射センサ55等の各種センサ(空調状態検出手段)等のセンサ信号に基づいて、車室内に吹き出す空調風の目標吹出温度(車両空調TAO)を演算する。そして、この車両空調TAOの演算結果に基づいて、車両空調用送風機14のブロワモータ16に印加するブロワレベルおよびモード切替ドア17のアクチュエータ18を制御する。
【0035】
なお、温度設定スイッチ51は、車室内の温度を希望の温度に設定するための温度設定手段である。また、AUTOスイッチ52は、車室内の温度やエアコン風の風量の自動コントロールを指令するためのスイッチである。そして、内気温センサ(内気温度検出手段)53および日射センサ(日射量検出手段)55は、内部環境の空調熱負荷を検出する熱負荷検出手段である。また、外気温センサ(外気温度検出手段)54は、外部環境の空調熱負荷を検出する熱負荷検出手段である。
【0036】
シート空調ECU5は、車両空調ECU2からの車両空調装置1の吹出口モードの判定結果または吹出口モード信号、目標吹出温度(車両空調TAO)信号、車両空調用送風機14(エアコン風)の風量信号、シート面温熱感設定ダイアル56、シート空調作動ON−OFFスイッチ57等の各種スイッチからのスイッチ信号に基づいて、シート空調用送風機34のブロワモータ36に印加するブロワレベル、冷温風切替ドア43のアクチュエータ44および室内風切替ドア47のアクチュエータ48等を制御する。
【0037】
このうちシート面温熱感設定ダイアル56は、本発明のシート空調用温調設定手段に相当するもので、フロントシート3のシート面温熱感を設定するシート温調設定器で、運転席側と助手席側とにそれぞれ設けられている。また、シート空調作動ON−OFFスイッチ57は、シート空調ユニット4の各空調手段の作動指令または停止指令を行うシート空調用メインスイッチである。
【0038】
〔第1実施形態の制御方法〕
次に、本実施形態の車両用シート空調装置の制御方法を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。ここで、図3はシート空調ECU5の基本的な制御プログラムの一例を示したフローチャートである。
【0039】
先ず、車両空調ECU2において、温度設定スイッチ51、内気温センサ53、外気温センサ54および日射センサ55に基づいて、車室内に吹き出す空調風の目標吹出温度(車両空調TAO)が演算される。この演算された車両空調TAOをシート空調ECU5に読み込む(ステップS1)。
【0040】
次に、車両熱負荷データを読み込む。具体的には、車両空調ECU2を介して、温度設定スイッチ51からの車両空調設定温度信号、内気温センサ53からの内気温(車室内温度)信号、および日射センサ55からの日射量信号を読み込む(ステップS2)。
【0041】
次に、車両空調冷暖房モードを判定する。具体的には、車両空調ECU2による車両空調TAOに基づく吹出口モードの判定結果によって車両空調冷暖房モードを判定する(ステップS3)。例えばFACEモードであれば冷房モード、B/Lモードであれば冷房・暖房モード(中間モード)、FOOT、F/D、DEFモードであれば暖房モードと判定する。
【0042】
次に、シート空調温調設定データを読み込む。具体的には、シート面温熱感設定ダイアル56により設定されたフロントシート3のシート面温熱感レベルを読み込む(ステップS4)。例えばシート面温熱感レベルとしては、図4のグラフに示したように、「寒い」〜「涼しい」〜「中立(無感)」〜「暖かい」〜「暑い」がある。
【0043】
次に、シート空調温調設定データに基づいて、シート面目標温熱感を設定する(ステップS5)。次に、シート空調の冷房暖房モードを判定する。具体的には、シート面温熱感設定ダイアル56により「中立」状態から冷房側なのか、暖房側なのかを判定する(ステップS6)。
【0044】
次に、シート空調風量Hi(50m3 /h)時の目標シート空調吹出温度(THi)を設定する(ステップS7)。次に、シート空調風量Lo(10m3 /h)時の目標シート空調吹出温度(TLo)を設定する(ステップS8)。次に、ステップS1で読み込んだ車両空調TAOから車両空調の実際の吹出温度を推定する(ステップS9)。例えばMAX・COOL時の車両空調の実際の吹出温度は、約7℃となり、MAX・HOT時の車両空調の実際の吹出温度は、約55℃となる。
【0045】
次に、ステップS9で推定した車両空調の実際の吹出温度からフロントシート3までの冷房熱負荷による温度上昇分または暖房熱負荷による温度下降分を加味して、シート空調吹出温度(To)を推定する(ステップS10)。次に、ステップS10で推定したシート空調吹出温度(To)に基づいて、シート空調ブロワレベルを設定する(ステップS11)。次に、車両空調風とシート空調室内風との混合割合を調整することで、シート空調吹出温度を変更する(ステップS12)。
【0046】
次に、シート空調ECU5による冷房モード時のシート空調吹出温度制御を簡単に説明する。ここで、図5は冷房モード時のシート空調吹出温度制御プログラムを示したフローチャートである。
【0047】
ここで、ステップS3の判定結果が車両空調冷房モードで、且つステップS6の判定結果がシート空調冷房モードと判定した場合には、冷温風切替ドア43がシート送風用ダクト31の冷風通風路41を全開し、温風通風路42を全閉するように駆動される。先ず、ステップS10で推定したシート空調吹出温度(To)がシート空調風量Hi時の目標シート空調吹出温度(THi)よりも高温であるか否かを判定する(ステップS21)。
【0048】
このステップS21の判定結果がYESの場合には、シート空調用送風機34のシートブロワ風量を「Hi」に固定する。すなわち、シート空調用送風機34のブロワモータ36に印加するブロワレベルを「Hi」に固定する(ステップS22)。
【0049】
次に、アクチュエータ48を制御して、室内風切替ドア47を車両空調風側に設定して、シート空調吹出温度を制御する。すなわち、空調風吸込口45を全開にし、室内風吸込口46を全閉にする(ステップS23)。
【0050】
また、ステップS21の判定結果がNOの場合には、ステップS10で推定したシート空調吹出温度(To)がシート空調風量Lo時の目標シート空調吹出温度(TLo)よりも高温で、且つシート空調吹出温度(To)がシート空調風量Hi時の目標シート空調吹出温度(THi)以下の低温であるか否かを判定する(ステップS24)。
【0051】
このステップS24の判定結果がYESの場合には、シート空調用送風機34のシートブロワ風量を「Hi」から「Lo」に連続的または段階的に減少させる。すなわち、シート空調用送風機34のブロワモータ36に印加するブロワレベルを「Hi」から「Lo」に連続的または段階的に減少させる(ステップS25)。次に、ステップS23の制御処理に進む。
【0052】
また、ステップS24の判定結果がNOの場合には、シート空調用送風機34のシートブロワ風量を「Lo」に固定する。すなわち、シート空調用送風機34のブロワモータ36に印加するブロワレベルを「Lo」に固定する(ステップS26)。
【0053】
次に、アクチュエータ48を制御して、室内風切替ドア47を室内風側に設定する。すなわち、空調風吸込口45および室内風吸込口46を開く(ステップS27)。次に、室内風と車両空調風との混合割合を制御して、シート空調吹出温度を制御する(ステップS28)。
【0054】
次に、シート空調ECU5による暖房モード時のシート空調吹出温度制御を簡単に説明する。ここで、図6は暖房モード時のシート空調吹出温度制御プログラムを示したフローチャートである。
【0055】
ここで、ステップS3の判定結果が車両空調暖房モードで、且つステップS6の判定結果がシート空調暖房モードと判定した場合には、冷温風切替ドア43がシート送風用ダクト31の温風通風路42を全開し、冷風通風路41を全閉するように駆動される。先ず、ステップS10で推定したシート空調吹出温度(To)がシート空調風量Hi時の目標シート空調吹出温度(THi)よりも低温であるか否かを判定する(ステップS31)。
【0056】
このステップS31の判定結果がYESの場合には、シート空調用送風機34のシートブロワ風量を「Hi」に固定する。すなわち、シート空調用送風機34のブロワモータ36に印加するブロワレベルを「Hi」に固定する(ステップS32)。
【0057】
次に、アクチュエータ48を制御して、室内風切替ドア47を車両空調風側に設定して、シート空調吹出温度を制御する。すなわち、空調風吸込口45を全開にし、室内風吸込口46を全閉にする(ステップS33)。
【0058】
また、ステップS31の判定結果がNOの場合には、ステップS10で推定したシート空調吹出温度(To)がシート空調風量Hi時の目標シート空調吹出温度(THi)以上の高温で、且つシート空調吹出温度(To)がシート空調風量Lo時の目標シート空調吹出温度(TLo)よりも低温であるか否かを判定する(ステップS34)。
【0059】
このステップS34の判定結果がYESの場合には、シート空調用送風機34のシートブロワ風量を「Hi」から「Lo」に連続的または段階的に減少させる。すなわち、シート空調用送風機34のブロワモータ36に印加するブロワレベルを「Hi」から「Lo」に連続的または段階的に減少させる(ステップS35)。次に、ステップS33の制御処理に進む。
【0060】
また、ステップS34の判定結果がNOの場合には、シート空調用送風機34のシートブロワ風量を「Lo」に固定する。すなわち、シート空調用送風機34のブロワモータ36に印加するブロワレベルを「Lo」に固定する(ステップS36)。
【0061】
次に、アクチュエータ48を制御して、室内風切替ドア47を室内風側に設定する。すなわち、空調風吸込口45および室内風吸込口46を開く(ステップS37)。次に、室内風と車両空調風との混合割合を制御して、シート空調吹出温度を制御する(ステップS38)。
【0062】
〔第1実施形態の作用〕
次に、本実施形態の車両用シート空調装置の作用を図1ないし図10に基づいて簡単に説明する。
【0063】
イ)車両空調冷房モードの場合
車両空調装置1のクールダウン制御の場合を以下に示す。
このとき、シート面温熱感設定ダイアル56またはシート空調作動ON−OFFスイッチ57によりシート空調の作動がONになっていると、フロントシート3の冷房暖房モードを判定する。ここで、例えば車両空調装置1の初期車両空調TAOが低い値の場合には、車室内の空調状態が車両空調冷房モードと判定され、以下のようにシート空調ユニット4が作動する。
【0064】
したがって、車両空調装置1の冷風通路11から冷風の一部が配風されて、冷風通風路41を通ってフロントシート3のシート内通風路21、23側に流れる。このとき、アクチュエータ44は、冷風通風路41を開ける位置(温風通風路42を閉じる位置)に冷温風切替ドア43を駆動している。また、アクチュエータ48は、空調風吸込口45を開く側(室内風吸込口46を閉じる側)に室内風切替ドア47を駆動しており、車両空調装置1からの冷風は、シート空調ケース32内のシート空調用送風機34の遠心式ファン35に到達する。
【0065】
これにより、シート空調用送風機34の遠心式ファン35に到達した冷風は、そのまま連通路25、26およびシート内通風路21、23へ送風され、その冷風が各エア吹出孔22、24へ分配されて、各エア吹出孔22、24よりシート表面材8、9を通過して吹き出し、フロントシート3に着座する前席側乗員が冷やされる。
【0066】
ここで、車両空調装置1のFACE吹出口から吹き出される車両空調風の吹出温度は、クールダウン制御時の初期には高い温度を示すが、時間と共に低下し車室内温度(内気温)も低下する。それと共に、車両空調装置1の車両空調用送風機14のブロワモータ16のブロワレベルも低下し風量が減少していく。しかし、車両の車室内の空調熱負荷(冷房熱負荷)が高いと、車両空調風の吹出温度は、MAX・COOLとなり、フロントシート3のシート内通風路21、23への送風温度は低いままとなる。これが続くと、フロントシート3のシート面は冷え過ぎ、前席側乗員は冷たさで不快となる。
【0067】
なお、本実施形態では、シート空調風量、シート空調吹出温度とシート面温熱感が空調安定時に図4のグラフのごとくになるという実験結果を得ている。
【0068】
このとき、車両空調TAO信号から車両空調装置1の実際の吹出温度を推定し、この推定した吹出温度信号からフロントシート3までの空調熱負荷による温度上昇分を加味したシート空調吹出温度(To)を推定する。その推定したシート空調吹出温度(To)に基づいて、シート空調用送風機34のブロワモータ36に印加するブロワレベル、冷温風切替ドア43のアクチュエータ44、室内風切替ドア47のアクチュエータ48を制御する。
【0069】
推定したシート空調吹出温度がある値よりもまだ高い場合には、シート空調用送風機34のブロワモータ36のブロワレベル、すなわち、風量を高くしてフロントシート3の熱を早く軽減する。
そして、車室内温度が低下し、車両空調装置1の例えばFACE吹出口から吹き出す車両空調風の実際の吹出温度が低下すると、それに伴って車両空調装置1の冷風通路11から送り込まれるシート空調吹出温度も低下していく。
【0070】
そして、シート空調吹出温度が低下し、シート空調用送風機34のブロワモータ36のブロワレベルが高い状態で温熱感が「涼しい」レベルになる点Aを図7のグラフより判定し、その温度よりも低下すればシート空調ブロワレベルを低下させて温熱感を維持する(図7のグラフの点B)。
【0071】
なお、図7のグラフおよび図8のタイムチャートにおいては、2点のシート空調吹出温度とシート空調ブロワレベルとの関係を示すが、更に複数のシート空調吹出温度とシート空調ブロワレベルとの関係を用いても良い。
【0072】
さらに、シート空調吹出温度が低下し、ブロワレベルを低下して最小レベルにしても「寒い」状態になる場合には、シート空調の室内風切替ドア47を駆動し、車両空調装置1の車両空調風よりも温度の高い室内風を一部吸い込み、車両空調風と混合してシート空調吹出温度を図7のグラフの点Bに維持する。
【0073】
さらに、室内風の割合を増し、最終的に室内風のみにすれば約25℃の風となるので、前席側乗員に不快感を与えることはない。また、冷風、あるいは冷風と室内風とでフロントシート3のシート面温熱感を安定して制御している場合に、外部環境の熱負荷増加等で車両空調の吹出温度が更に低下した場合には、先程と同様に風量の低下や室内風の風量割合を増やしてシート空調吹出温度を一定に保ち、シート面温熱感を維持する。
【0074】
また、前席側乗員がシート面温熱感設定ダイアル56を手動操作して中立状態から冷房側に設定した場合には、そのシート面温熱感の設定値変更に応じて、図7のグラフのシート面温熱感レベルの目標値を「寒い」側にシフトする。それに応じて、前述のようにシート空調ブロワレベルを低下し、車両空調装置1からの冷風と室内風とを混合してシート空調吹出温度を制御する。
【0075】
逆に、前席側乗員がシート面温熱感設定ダイアル56を手動操作して中立状態から暖房側に設定した場合には、そのシート面温熱感の設定値変更に応じて、図7のグラフのシート面温熱感レベルの目標値を「中立」〜「暖かい」側にシフトする。それに応じて、シート空調ブロワレベルおよびシート空調吹出温度を制御する。
【0076】
なお、「暖かい」側は、高いシート空調吹出温度が必要なため、車両空調風のみから室内風混合への切り替えをクールダウン制御開始後、早い時間で行い、シート空調吹出温度を制御する。さらに、車室内温度が低下するため、シート空調ブロワレベルを低下してシート面温熱感を維持する。
【0077】
その後、シート空調用ブロワレベルが最小レベルでも車室内温度が低下すると、前席側乗員が涼しさを感じるため、シート空調用送風機34のブロワモータ36をOFFして遠心式ファン35の回転を止めることで、フロントシート3のシート内通風路21、23への送風を停止し、フロントシート3が冷え過ぎないようにする。あるいは、通風路内にPTCヒータ等の空気加熱手段を設けて、目標吹出温度となるように、空気加熱手段の熱量やシート空調用送風機34の送風量を制御しても良い。
【0078】
ロ)車両空調暖房モードの場合
車両空調装置1のウォームアップ制御の場合を以下に示す。
このとき、シート面温熱感設定ダイアル56またはシート空調作動ON−OFFスイッチ57によりシート空調の作動がONになっていると、フロントシート3の冷房暖房モードを判定する。ここで、例えば車両空調装置1の初期車両空調TAOが高い値の場合には、車両空調暖房モードと判定され、以下のようにシート空調ユニット4が作動する。
【0079】
車両空調装置1の温風通路12から温風の一部が配風されて、温風通風路42を通ってフロントシート3のシート内通風路21、23側に流れる。そして、アクチュエータ44は、温風通風路42を開ける位置(冷風通風路41を閉じる位置)に冷温風切替ドア43を駆動している。また、アクチュエータ48は、空調風吸込口45を開く側(室内風吸込口46を閉じる側)に室内風切替ドア47を駆動しており、車両空調装置1からの温風は、シート空調ケース32内のシート空調用送風機34の遠心式ファン35に到達する。
【0080】
これにより、シート空調用送風機34の遠心式ファン35に到達した温風は、そのまま連通路25、26およびシート内通風路21、23へ送風され、その温風が各エア吹出孔22、24へ分配されて、各エア吹出孔22、24よりシート表面材8、9を通過して吹き出し、フロントシート3に着座する前席側乗員が暖められる。
【0081】
ここで、車両空調装置1のFACE吹出口から吹き出される車両空調風の吹出温度は、ウォームアップ制御時の初期には低い温度を示すが、時間と共に上昇し車室内温度(内気温)も上昇する。それと共に、車両空調用送風機14のブロワモータ16のブロワレベルは低下し風量が減少していく。
【0082】
しかし、車両の車室内の空調熱負荷(暖房熱負荷、環境温度が低い場合等)が高いと、車両空調風の吹出温度は、MAX・HOTとなり、フロントシート3への送風温度は高いままとなる。これが続くと、フロントシート3のシート面は温まり過ぎ、前席側乗員は暑さで不快となる。
【0083】
このとき、車両空調TAO信号から車両空調装置1の実際の吹出温度を推定し、この推定した吹出温度信号からフロントシート3までの空調熱負荷による温度低下分を加味しシート空調吹出温度を推定する。その推定したシート空調吹出温度(To)に基づいて、シート空調用送風機34のブロワモータ36に印加するブロワレベル、冷温風切替ドア43のアクチュエータ44、室内風切替ドア47のアクチュエータ48を制御する。
【0084】
推定したシート空調吹出温度がある値よりもまだ低い場合には、シート空調用送風機34のブロワモータ36のブロワレベル、すなわち、風量を高くしてフロントシート3の冷えを早く軽減する。
そして、車室内温度が上昇し、車両空調装置1の例えばFOOT吹出口から吹き出す車両空調風の実際の吹出温度が上昇すると、それに伴って車両空調装置1の温風通路12から送り込まれるシート空調吹出温度が上昇していく。
【0085】
そして、シート空調吹出温度が上昇し、シート空調用送風機34のブロワモータ36のブロワレベルが高い状態でシート面温熱感が「暖かい」レベルになる点Cを図9より判定し、その温度よりも上昇すればシート空調ブロワレベルを低下させてシート面温熱感を維持する(図9のグラフの点D)。
【0086】
なお、図9のグラフおよび図10のタイムチャートにおいては、2点のシート空調吹出温度とシート空調ブロワレベルとの関係を示すが、更に複数のシート空調吹出温度とシート空調ブロワレベルとの関係を用いても良い。
【0087】
さらに、シート空調吹出温度が上昇し、シート空調ブロワレベルを低下して最小レベルにしても「暑い」状態になる場合には、室内風切替ドア47を駆動し、車両空調装置1の車両空調風よりも温度の低い室内風を一部吸い込み、車両空調風と混合してシート空調吹出温度を図9のグラフの点Dに維持する。
【0088】
さらに、室内風の割合を増し、最終的に室内風のみにすれば約30℃の風となるので、前席側乗員に不快感を与えることはない。また、温風、あるいは温風と室内風とでフロントシート3のシート面温熱感を安定して制御している場合に、外部環境の熱負荷増加等で車両空調の吹出温度が更に上昇した場合には、先程と同様に風量の低下や室内風の風量割合を増やしてシート空調吹出温度を一定に保ち、シート面温熱感を維持する。
【0089】
また、前席側乗員がシート面温熱感設定ダイアル56を手動操作して中立状態から暖房側に設定した場合には、そのシート面温熱感の設定値変更に応じて、図9のグラフの温熱感レベルの目標値を「暑い」側にシフトする。それに応じて、前述のようにシート空調ブロワレベルを低下し、車両空調装置1からの温風と室内風とを混合してシート空調吹出温度を制御する。
【0090】
逆に、前席側乗員がシート面温熱感設定ダイアル56を手動操作して中立状態から冷房側に設定した場合には、そのシート面温熱感の設定値変更に応じて、設定変更値に応じて図9のグラフの温熱感レベルの目標値を「中立」〜「涼しい」側にシフトする。それに応じて、シート空調ブロワレベルおよびシート空調吹出温度を制御する。
【0091】
なお、「涼しい」側は、低いシート空調吹出温度が必要なため、車両空調風のみから室内風混合への切り替えをウォームアップ制御開始後、早い時間で行い、シート空調吹出温度を制御する。さらに、車室内温度が上昇するため、シート空調ブロワレベルを低下してシート面温熱感を維持する。
【0092】
その後、シート空調ブロワレベルが最小レベルでも車室内温度が上昇すると、前席側乗員が暖かさを感じるため、シート空調用送風機34のブロワモータ36をOFFして遠心式ファン35の回転を止めることで、フロントシート3のシート内通風路21、23への送風を停止し、フロントシート3が暖まり過ぎないようにする。あるいは、通風路内にペルチェ素子等の空気冷却手段を設けて、目標吹出温度となるように、空気冷却手段の熱量やシート空調用送風機34の送風量を制御しても良い。
【0093】
ハ)車両空調中間モードの場合
車両空調装置1からは、FACE吹出口側の冷風通路11内を流れる冷風、FOOT吹出口側の温風通路12内を流れる温風の一部がフロントシート3のシート内通風路21、23側に配風されて、冷風通風路41および温風通風路42を経て冷温風切替ドア43の空気上流側にまで到達する。
【0094】
車両空調装置1の車両空調TAOが運転開始時に中間レベル(バイレベル)モードにあり、シート空調のシート面温熱感設定が冷房側または中立位置にある場合には、冷温風切替ドア43が冷風通風路41を開く側に駆動されて、冷風通路11および冷風通風路41を経てきた冷風がフロントシート3のシート内通風路21、23へ送り込まれる。
【0095】
そして、夏期の冷房モードと同じく、推定したシート空調吹出温度(To)が低下していくと、シート空調ブロワレベルを低下し、更に室内風切替ドア47を駆動して車両空調風である冷風と室内風との混合割合を調整して、目標のシート空調吹出温度となるように制御する。
【0096】
この場合には、冷温風切替ドア43によって冷風通風路41と温風通風路42との開口割合を調節することで目標のシート空調吹出温度を作っても良い。あるいは、室内風切替ドア47を駆動して室内風吸込口46のみを開口することでフロントシート3に送風する空調風を室内風のみとしても良い。
【0097】
車両空調装置1の車両空調TAOが運転開始時に中間レベルモードにあり、シート空調のシート面温熱感設定が暖房側にある場合には、冷温風切替ドア43が温風通風路42を開く側に駆動されて、温風通路12および温風通風路42を経てきた冷風がフロントシート3のシート内通風路21、23へ送り込まれる。
【0098】
そして、車両空調の吹出温度の上昇に伴い、室内風切替ドア47を駆動して車両空調風である冷風と室内風との混合割合を調整して、目標のシート空調吹出温度となるように制御する。
【0099】
この場合には、冷温風切替ドア43によって冷風通風路41と温風通風路42との開口割合を調節することで目標のシート空調吹出温度を作っても良い。あるいは、室内風切替ドア47を駆動して室内風吸込口46のみを開口することでフロントシート3に送風する空調風を室内風のみとしても良い。
【0100】
〔第1実施形態の効果〕
以上のように、本実施形態では、車両空調TAOに基づいて車両空調装置1から吹き出す空調風の実際の吹出温度を推定し、この推定した車両空調吹出温度から車両空調装置1からフロントシート3までの空調熱負荷による温度上昇分または温度下降分を加味(考慮)したシート空調吹出温度(To)を推定している。
【0101】
そして、その推定したシート空調吹出温度(To)に基づいてシート空調ブロワレベル(シート空調風量)、および車両空調風と室内風との混合割合を調整することで、前席側乗員が設定したシート面温熱感となるようにシート空調ブロワレベル(シート空調風量)およびシート空調吹出温度を選定することができる。それによって、シート空調が可能なフロントシート3に着座する前席側乗員に過冷房または過暖房の不快感を与えることなく、前席側乗員のシート面を快適に空調することができる。
【0102】
また、前席側乗員がシート面温熱感の設定値を変更した場合でも、車両空調装置1による車両空調能力を変更することなく、前席側乗員の希望するシート面温熱感に対応したシート空調ブロワレベルおよびシート空調吹出温度を選定することができる。それによって、シート空調ユニット4が設けられていないシート(例えばリヤシート)に着座している他の乗員(例えば後席側乗員)においては、前席側乗員がシート面温熱感の設定値を変更した場合でも、車両空調装置1の空調能力が変化しないので、快適な空調状態を維持することができる。
【0103】
参考例
図11および図12は本発明の参考例を示したもので、図11は車両用シート空調装置の概略構造を示した図で、図12はシート空調制御装置を示した図である。
【0104】
第1実施形態では、シート空調吹出温度を車両空調TAOから推定したが、フロントシート3のシート内通風路21、23内にシート空調吹出温度センサ59を配設して、シート空調吹出温度センサ(シート空調用吹出温度検出手段)59により実際のシート空調吹出温度を検出することで、第1実施形態と同様な制御を行うことができ、またシート空調吹出温度の検出精度を向上することができる。
【0105】
〔他の実施形態〕
本実施形態では、車両空調装置1からの車両空調風をフロントシート3のシート内通風路21、23に送風する構造を備えた車両用シート空調装置であったが、室内風を吸い込み、空気冷却加熱装置によって空調したシート空調風をフロントシート3のシート内通風路21、23に送風する構造を備えた車両用シート空調装置であっても良い。この場合でも、室内風温度を推定(例えば内気温センサの検出値から推定)、あるいは室内風温度を検出してフロントシートのシート空調吹出温度を推定すれば、第1実施形態と同様な制御を行うことができる。
【0106】
本実施形態では、車両空調TAOに基づく吹出口モードの判定結果によって車両空調冷暖房モードを判定したが、吹出口モード切替スイッチ等の吹出口モード切替手段(図示せず)により設定された吹出口モード信号そのもので車両空調冷暖房モードを判定しても良い。あるいは、車両空調装置1のクールダウン判定結果、ウォームアップ判定結果または出力信号から車両空調冷暖房モードを判定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用シート空調装置の概略構造を示した概略図である(第1実施形態)。
【図2】車両空調ECUおよびシート空調ECUを示したブロック図である(第1実施形態)。
【図3】シート空調ECUの制御プログラムの一例を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図4】シート空調吹出温度とシート面温熱感との関係を示したグラフである(第1実施形態)。
【図5】冷房モード時のシート空調吹出温度制御プログラムを示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図6】暖房モード時のシート空調吹出温度制御プログラムを示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図7】シート空調吹出温度とシート面温熱感との関係を示したグラフである(第1実施形態)。
【図8】シート空調吹出温度、シート空調ブロワレベルの変化を示したタイムチャートである(第1実施形態)。
【図9】シート空調吹出温度とシート面温熱感との関係を示したグラフである(第1実施形態)。
【図10】シート空調吹出温度、シート空調ブロワレベルの変化を示したタイムチャートである(第1実施形態)。
【図11】 車両用シート空調装置の概略構造を示した概略図である(参考例)。
【図12】 車両空調ECUおよびシート空調ECUを示したブロック図である(参考例)。
【符号の説明】
1 車両空調装置
2 車両空調ECU
3 フロントシート
4 シート空調ユニット
5 シート空調ECU(シート空調制御手段)
21 シート内通風路(シート空調用通風路)
23 シート内通風路(シート空調用通風路)
25 連通路(シート空調用通風路)
26 連通路(シート空調用通風路)
34 シート空調用送風機
41 冷風通風路(シート空調用通風路)
42 温風通風路(シート空調用通風路)
45 空調風吸込口
46 室内風吸込口
47 室内風切替ドア
49 シート空調用通風路
51 温度設定スイッチ(空調状態検出手段)
53 内気温センサ(空調状態検出手段)
54 外気温センサ(空調状態検出手段)
55 日射センサ(空調状態検出手段)
56 シート面温熱感設定ダイアル(シート空調用温調設定手段)

Claims (7)

  1. (a)車両のシート表面(以下、シート表面)に空調風を送るためのシート空調用通風路と、
    (b)このシート空調用通風路から前記シート表面に吹き出す空調風のシート空調吹出温度を変更する吹出温度可変手段と、
    (c)前記シート空調用通風路内において、前記シート表面に向かう空調風を発生させるシート空調用送風機と、
    (d)車両空調装置による車室内の空調状態を検出する空調状態検出手段と、
    (e)車両のシート表面温熱感を希望のシート面温熱感に設定するシート空調用温調設定手段と、
    (f)前記空調状態検出手段にて検出した車室内の空調状態において、前記シート空調用温調設定手段で設定された希望のシート面温熱感となるように、前記吹出温度可変手段および前記シート空調用送風機を制御するシート空調制御手段とを備えた車両用シート空調装置であって、
    前記空調状態検出手段は、車室内の温度を希望の温度に設定するため温度設定手段、内気温検出手段、外気温検出手段および日射検出手段であり、
    前記シート空調制御手段は、前記温度設定手段からの車両空調設定温度、前記内気温検出手段の検出信号、前記外気温検出手段の検出信号、および前記日射検出手段の検出信号から算出される車室内に吹き出す空調風の目標吹出温度に基いて、シート空調吹出温度を推定し、
    この推定したシート空調吹出温度に対して、前記シート空調用温調設定手段で設定された希望のシート面温熱感となるように、前記吹出温度可変手段および前記シート空調用送風機を制御することを特徴とする車両用シート空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用シート空調装置において、
    前記シート空調制御手段は、前記空調状態検出手段にて検出した車室内の空調状態から前記車両空調装置の冷暖房モードを判定し、
    この判定した冷暖房モードにおいて、前記シート空調用温調設定手段で設定された希望のシート面温熱感となるように、前記吹出温度可変手段および前記シート空調用送風機を制御することを特徴とする車両用シート空調装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用シート空調装置において、
    前記シート空調制御手段は、前記目標吹出温度から、前記シートまでの空調熱負荷による温度上昇分を加味して、前記シート空調吹出温度を推定することを特徴とする車両用シート空調装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の車両用シート空調装置において、
    前記シート空調制御手段は、前記目標吹出温度から、前記シートまでの空調熱負荷による温度下降分を加味して、前記シート空調吹出温度を推定することを特徴とする車両用シート空調装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の車両用シート空調装置において、
    前記シート空調制御手段は、前記シート表面から吹き出す空調風のシート空調吹出温度、前記シート表面に向かう空調風の風量または風速の少なくとも1つと温調感との関係を用いて、前記シート空調用温調設定手段で設定された希望のシート面温熱感となるように、前記吹出温度可変手段および前記シート空調用送風機を制御することを特徴とする車両用シート空調装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれかに記載の車両用シート空調装置において、
    前記吹出温度可変手段は、前記車両空調装置から送風される空調風を吸い込むための空調風吸込口、車室内から室内風を吸い込むための室内風吸込口、および前記空調風吸込口と前記室内風吸込口との開口度合を変更する室内風切替ドアを有することを特徴とする車両用シート空調装置。
  7. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれかに記載の車両用シート空調装置において、
    前記吹出温度可変手段は、前記シート空調用通風路内に配設されて、前記シート表面に送り込む空気を加熱または冷却する補助加熱冷却手段を有することを特徴とする車両用シート空調装置。
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