JPH05320A - Icリードフレーム用帯板及びその製造方法と製造装置 - Google Patents

Icリードフレーム用帯板及びその製造方法と製造装置

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JPH05320A
JPH05320A JP18893691A JP18893691A JPH05320A JP H05320 A JPH05320 A JP H05320A JP 18893691 A JP18893691 A JP 18893691A JP 18893691 A JP18893691 A JP 18893691A JP H05320 A JPH05320 A JP H05320A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 打ち抜き加工等により最終製品に加工した場
合に端子部に反りが発生することのないICリードフレ
ーム用帯板を提供する。 【構成】 テンションローラ組120,122にて降伏
応力の60%以上の張力を付加した状態で、薄板材10
3を給送しつつ、板厚の20%の間隔で配置された上下
一対の剪断刃107−108,109−110にて薄板
103に段差を形成し、さらに、板厚の80%が塑性変
形を起こすような関係に配置されたローラレベラ130
を通過させることで、内部歪を相殺した剪断を行ない、
側縁部において、残留応力が絶対値で7kgf/mm2
以下かつビッカース硬さが180〜220とされたIC
リードフレーム用帯板111を製造する。 【効果】 歪取焼鈍が不要であり、かつ歪取焼鈍では硬
さ低下の問題から達成し得なかった極めて小さい残留応
力状態の製品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ICリードフレーム用
帯板及びその製造方法と製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ICリードフレーム用帯板
は、上下一対に配設された複数組の剪断刃の間に薄板材
を通過させつつ薄板材を複数に剪断して所定幅に成形す
る剪断装置によって製造されていた。
【0003】その装置においては、図6の(A)に示す
様に、給材手段Aに保持されたコイルから引き出した薄
板材Bを、所定の給送速度で集材手段Cに給送しつつ、
給材手段Aと集材手段Cとの間に配置され、給送中の薄
板材Bの端部所定位置に上下から剪断力を加える各一対
の剪断刃D−E,F−G,…,…間を通過させること
で、薄板材Bを複数に剪断して所定幅に成形する手法が
採用されていた。この装置の上下一対の剪断刃D−E,
F−G,…,…は、図示(B)の様に、それぞれの刃先
同士を所定量OLだけオーバーラップさせた位置となる
様に配設されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】こうして端部や所定位
置を剪断されたICリードフレーム用帯板Hの、剪断に
伴う内部歪の状態は、図示(C)の流線群Jの如くにな
る。即ち、帯板Hの幅方向中央と左右の端部とでは内部
歪が不均一となってしまうのである。この帯板HをIC
リードフレームとして打抜加工等する場合、こうした内
部歪の解放に伴う反りが発生する。
【0005】このため、従来は、薄板材Bから剪断され
て製造されたICリードフレーム用帯板Hに対して、こ
うした内部歪を除去するための歪取焼鈍を十分に行わな
ければならず、後処理に多大な時間がかかるという不具
合があった。また、歪取焼鈍を施し過ぎると、硬さが不
足することになり、ICリードフレームに加工した場合
の強度不足を生じるという不具合もあった。従って、従
来は焼鈍をするとしても製品として満足のできる硬さを
残すために十分に残留応力を除去することができなかっ
た。
【0006】例えば、図6に示す様な手法により、42
Ni−Fe製の板厚t=0.25mmの薄板材を用いて
幅Bo =40mmのICリードフレーム用帯板を製造し
た場合、焼鈍前においては絶対値にして20kgf/m
2 以上の残留応力があり、このままでは打ち抜き加工
等をした場合に大きな反りが発生する。そこで、従来焼
鈍が行われていた。しかし、硬さが落ち過ぎると製品と
しての強度が不足することになるから、歪取焼鈍を十分
に施すことができず、残留応力は10〜15kgf/m
2 が残ることになっていたのである。
【0007】このため、従来のICリードフレーム用帯
板では、スタンピングといった打ち抜き加工等により最
終製品に加工した場合に端子部の反りが発生することを
避けられなかった。そこで、打ち抜き加工等により最終
製品に加工した場合に端子部に反りが発生することのな
い新規なICリードフレーム用帯板の提供を目的として
本発明を完成した。
【0008】また、帯板として剪断された時点で既に、
内部の歪を残さず、歪取焼鈍に伴う後処理時間を軽減す
ることができるICリードフレーム用帯板の製造方法及
び製造装置を提供することも目的として本発明を完成し
た。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】かかる目的を達
成するため、本発明は、側縁部における残留応力の絶対
値が7kgf/mm2 以下でかつ、該側縁部のビッカー
ス硬さが180〜220とされたICリードフレーム用
帯板を完成した。
【0010】後述実施例の通り、残留応力が絶対値で7
kgf/mm2以下であれば、打ち抜き加工等によりI
Cリードフレームを製造した場合に、その端子に反りが
発生することがない。また、ビッカース硬さを180〜
220とすることにより、製品の強度も十分に満足され
る。
【0011】なお、単に残留応力の絶対値が7kgf/
mm2 以下となっているだけでは製品強度が不足するた
め、例えば焼き入れを行うなど他の処理が必要になる。
一方、ビッカース硬さを180〜220としただけで
は、製品における端子の反りを避けることができず、後
で反りを除去するための処理をしなければならなくな
る。
【0012】即ち、両者が共に備わった本発明のICリ
ードフレーム用帯板の構成により初めて、面倒な後処理
等をなくすことができるのである。この様な良好な性質
を有するICリードフレーム用帯板は、例えば、請求項
2に記載の如く、上下一対に配設された剪断刃の間に薄
板材を通過させ、該薄板材の所定位置を長手方向に剪断
して所定幅に成形するICリードフレーム用帯板の製造
方法において、前記剪断刃による剪断を前記薄板材の板
厚の途中までで止めることによって該薄板材の剪断予定
位置に板面が上下にシフトされた段違い部を形成し、そ
の後、該段違い部のシフトを解消させ剪断する押し戻し
工程を実行することを特徴とするICリードフレーム用
帯板の製造方法により製造することができる。
【0013】この方法においては、剪断刃によって薄板
材に加えられる内部歪と、押し戻し工程によって薄板材
に加えられる内部歪とは反対方向になるから、互いに打
ち消し合うように作用する。なお、段違い部におけるシ
フト量は、板厚の50%とするのが最もよいが、40〜
60%の範囲であれば、押し戻し工程によって確実に剪
断することができる。
【0014】この結果、本発明の方法によれば、端部を
剪断された時点で、製品としてのICリードフレーム用
帯板は、スリット加工において反りを発生させる様な内
部歪が存在しない状態で提供されることになる。従っ
て、後処理において歪取焼鈍の処理を軽減することがで
きる。しかも、熱処理によってかかる作用を奏する訳で
はないから、製品の硬さは十分にあり、強度面でも問題
がない。
【0015】この方法によれば、後述実施例の如く、側
縁の剪断部において、残留応力が絶対値で7kgf/m
2 以下でかつビッカース硬さが180〜220とされ
たICリードフレーム用帯板を製造することができるか
らである。また、前述の構成に加えて、前記上下一対の
剪断刃は、上下の刃が刃幅方向に前記薄板材の板厚の1
0〜20%の間隔を開けた一対として配設することとす
れば、支障なく段違い部を形成することができ、かつ剪
断面のコーナーにダレが発生しないから、さらに望まし
い。
【0016】一方、前記上下一対の剪断刃間を前記薄板
材が通過する速度を、2〜20m/min.とするなら
ば、薄板材を剪断刃間に通過させる際に横振れ等が発生
しなくなり、一層望ましい。こうした請求項2に記載の
本発明の製造方法を実現するにおいては、給材手段に保
持されたコイルから引き出した薄板材を、所定の給送速
度で集材手段に給送する薄板材給送手段と、前記給材手
段と前記集材手段との間に配置され、給送中の薄板材の
端部所定位置に上下から剪断力を加える上下一対の剪断
刃とを備え、前記薄板材の所定位置を長手方向に剪断し
て所定幅に成形するICリードフレーム用帯板の製造装
置において、前記上下一対の剪断刃は、上下の刃先の間
に前記薄板材の板厚の40〜60%の隙間を開けて配設
され、該上下一対の剪断刃と前記集材手段との間に、前
記薄板材の板厚とほぼ一致する隙間をもって配設された
上下一対の圧延ロールをも備え、前記薄板材を該圧延ロ
ール間も通過させ剪断してから集材することを特徴とす
る構成のICリードフレーム用帯板の製造装置を用いれ
ばよい。
【0017】また、この装置においても、前記上下一対
の剪断刃を、刃幅方向に前記薄板材の板厚の10〜20
%の間隔を開けた一対として配設すれば、剪断部のコー
ナーにダレが発生しないこととなり、一方、前記薄板材
の給送速度を、2〜20m/min.とすれば、薄板材
を剪断刃間に通過させる際に横振れ等が発生しなくな
り、一層望ましい。
【0018】一方、請求項1記載のICリードフレーム
用帯板は、例えば、請求項6に記載の方法によっても製
造することができる。その方法は、上下一対に配設され
た剪断刃の間に薄板材を通過させ、該薄板材の所定位置
を長手方向に剪断して所定幅に成形するICリードフレ
ーム用帯板の製造方法において、前記剪断刃による剪断
を前記薄板材の板厚の途中までで止めることによって該
薄板材の剪断予定位置に板面が上下にシフトされた段違
い部を形成し、その後、該段違い部のシフトを解消させ
剪断する押し戻し工程を実行することを特徴とし、さら
に、該押し戻し工程を前記段違い部を形成された薄板材
に張力を付加した状態で実行することを特徴とする。
【0019】この方法によれば、後述実施例の如く、さ
らに残留応力を低減することができる。段違い部におけ
るシフト量S、押し戻し工程において薄板材に付加する
張力Tは数1,数2の条件に合致させることが望まし
い。なお、シフト量Sとは、図11に示す量である。
【0020】
【数1】
【0021】
【数2】
【0022】また、押し戻し工程については、例えば図
12に示す様なローラレベラを用いる場合には、塑性変
形部分が板厚tの80%以上になることが望ましい。こ
こで、ローラレベラによる薄板材の表面歪εs は、数3
で示される。この数3の詳しい内容については、「塑性
と加工(日本塑性加工学会誌)」の第31巻第349号
(1990−2)に日比野文雄氏の研究ノート「ローラ
・レベラの与えるひずみの実用算式」として紹介されて
いる。
【0023】
【数3】
【0024】従って、薄板材の板厚tの80%以上の領
域が、降伏歪εy以上となる条件から薄板材の表面歪ε
s を逆算し、上記数3に代入し、これを満足するローラ
レベラの半ロールピッチlと噛込量δの関係を決定すれ
ばよい。こうした請求項6に記載の本発明の製造方法を
実現するにおいては、給材手段に保持されたコイルから
引き出した薄板材を、所定の給送速度で集材手段に給送
する薄板材給送手段と、前記給材手段と前記集材手段と
の間に配置され、給送中の薄板材の端部所定位置に上下
から剪断力を加える上下一対の剪断刃とを備え、前記薄
板材の所定位置を長手方向に剪断して所定幅に成形する
ICリードフレーム用帯板の製造装置において、前記上
下一対の剪断刃は、上下の刃先の間に前記薄板材の板厚
の0%を超え20%以下の隙間を開けて配設され、該上
下一対の剪断刃と前記集材手段との間に、前記薄板材に
対し、板厚方向の塑性変形部分が80%以上となる押し
込み量をもって配設されたローラレベラを備えると共
に、前記給送中の薄板材に降伏応力の60%以上の弾性
範囲の張力を付加する張力付加手段をも備え、前記薄板
材を該圧延ロール間も通過させ剪断してから集材するこ
とを特徴とするICリードフレーム用帯板の製造装置を
用いればよい。
【0025】
【実施例】次に、本発明を一層明らかにするために、好
適な実施例を図面と共に説明する。第1実施例として採
用したICリードフレーム用帯板の製造装置は、図1に
示す様に、給材手段1に保持されたコイルから引き出し
た薄板材3を、所定の給送速度vで集材手段5に給送し
つつ、給材手段1と集材手段5との間に配置され、給送
中の薄板材3の所定位置に上下から剪断力を加える上下
一対の剪断刃7−8,9−10を備え、薄板材3を複数
に剪断して所定幅のICリードフレーム用帯板11,1
1,…,…を製造する製造装置において、上下一対の剪
断刃7−8,9−10,…,…は、図中(B)に示す様
に、薄板材3の板厚tの50%(0.5t)の隙間を上
下方向に開けて配設され、この上下一対の剪断刃7−
8,9−10,…,…と集材手段5との間に、図中
(D)に示す様に、薄板材3の板厚tとほぼ一致する隙
間をもって配設された上下一対の圧延ロール13−14
をも備え、薄板材3を、剪断刃7−8,9−10,…,
…間を通過させた後で圧延ロール13−14間も通過さ
せてから集材することを特徴とする。なお、集材手段5
はそれ自身が駆動機構を有し、自動巻取り機能を備えて
いる。
【0026】この装置において、薄板材3を、剪断刃7
−8,9−10,…,…間を通過させている状態では、
図中(B),(C)に示す様に、薄板材3には板厚tの
50%(0.5t)のシフト量をもつ段差部15が形成
されるものの、端部3aおよび隣同士の剪断は完了して
いない。そして、流線群20にて模式化される如く、こ
のときの内部歪の状態は、各段差部15に歪が集中した
状態に表れる。
【0027】続いて、薄板材3を、圧延ロール13−1
4間を通過させている状態では、図中(D),(E)に
示す様に、薄板材3の各段差部15が押し戻された形で
解消されると共に、この部分で端部3aおよび隣接する
帯板11,11,…が折り取られた状態になる。そし
て、流線群20は、先ほどと異なり、段差部15に集中
していた内部歪が圧延ロール13−14による押し戻し
で相殺されて消滅していることが分かる。
【0028】次に、42Ni−Fe製の板厚t=0.2
5mmの薄板材3を用いて、上述の実施例の装置にて幅
Bo =50mmのICリードフレーム用帯板11を製造
し、図2に示す様に、これに幅b=1mm間隔で、深さ
d=120mmのスリット31を入れた後に発生する反
りの状態を、上に反った部分と下に反った部分との最大
ひらき量Δmを計測することで、内部歪が相殺されたか
否かを確認した結果について説明する。
【0029】この試験に当たっては、剪断刃7〜10と
しては、超硬合金製の直径80mm,刃の厚さ20mm
の円板状のものを用い、これを直径60mmの軸17,
19に取り付け、上下の刃先間に0.125mm(0.
5t)の隙間が開くようにセットした。また、一対の剪
断刃7−8,9−10のそれぞれについて、上の剪断刃
7,9と、下の剪断刃8,10とは幅方向に0.05m
m(0.2t)をおいて配設した。一方、圧延ロール1
3と圧延ロール14の間隔は、0.25mm(t)に調
整した。そして、薄板材3の給送速度vを、10m/m
in.に制御して薄板材3の剪断を実行した。
【0030】一方、従来例として既に説明した図6の装
置において、剪断刃D−E,F−Gのオーバーラップ量
OLを0.1mm,0.2mm,0.3mmの三種類に
変えたものを用いて、同じ材料にてICリードフレーム
用帯板Hを製造してスリット加工した場合の最大ひらき
量Δmについても計測した。
【0031】なお、このときの剪断刃D〜Gは、直径1
20mmのものを用い、これを直径60mmの軸M,N
に取り付け、上の剪断刃D,Eと、下の剪断刃F,Gと
が幅方向に0.1mmとなる様に配設した。そして、薄
板材Bの給送速度は、5m/min.に制御した。
【0032】まず、従来例について結果を説明する。従
来例においては、全て、図2に実線で示した様な形に反
りが発生し、幅方向中央部においても約2mmの下がり
Δが生じ、外側は上方へ反って中央部との間に大きな上
下方向へのひらき(最大ひらきΔm)が発生すると共に
約20゜のねじれθも見られた。さらに、上下方向だけ
でなく幅方向にも約2mmのひらきΔB=Bo −Bが発
生した。これらの内、特に最大ひらきΔmについて、オ
ーバーラップ量を横軸にとってプロットした結果を図3
に示す。図示の様に、オーバーラップ量が大きくなると
極めて大きなひらきが発生してしまうことが分かる。
【0033】次に、この従来例の中で最も成績のよかっ
たオーバーラップ量0.1mmの結果と、本実施例の結
果とを併せて図4に示した。図から分かる様に、実施例
の装置を用いて製造したICリードフレーム用帯板11
は、スリット加工しても上下方向へのひらきが発生する
ことがなく、後処理として歪取焼鈍を行う必要がないこ
とが確認できた。なお、実施例の帯板11は、幅方向の
ひらきΔBやねじれθ等の発生も見られなかったことは
いうまでもない。
【0034】また、実施例においては、剪断面のコーナ
ーにダレの発生はなく、かつ、給送中の薄板材の横振れ
等も表れなかった。さらに、実施例では、剪断刃として
直径の小さな物を用いることができたが、従来例の如
く、刃先同士がオーバーラップし、一度に剪断してしま
うタイプの装置では、剪断精度等の観点からこれほど小
さな直径の刃を用いることができないとされていた。即
ち、実施例によれば、より小さな剪断刃でよいことか
ら、設備コスト上も有利である。
【0035】次に、第2実施例について説明する。第2
実施例として採用したICリードフレーム用帯板の製造
装置を図7に示す。このICリードフレーム用帯板の製
造装置は、第1実施例と同様に、給材手段101から薄
板材103を給送速度vで集材手段105に給送しつ
つ、給材手段101と集材手段105との間に配置さ
れ、給送中の薄板材103の所定位置に上下から剪断力
を加える上下一対の剪断刃107−108,109−1
10により薄板材103を複数に剪断して所定幅のIC
リードフレーム用帯板111,111,…,…を製造す
る製造装置である。
【0036】しかしながら、第1実施例と異なり、給送
中の薄板材103には、数1に示した条件の段違い部が
形成される様に、上下の剪断刃107−108,109
−110,…,…は、図中(B)に示す様に、薄板材1
03の板厚tの20%(0.2t)の隙間を上下方向に
開けて配設される。
【0037】また、給送中の薄板材103に数2を満足
する張力が付加される様にテンションローラ組120,
122が配設されている。そして、圧延ロール13−1
4に代えて、ローラレベラ130が配置されている。こ
のローラレベラ130の半ロールピッチlと噛込量δの
関係は、数3により算出される薄板材103の表面歪ε
s が、薄板材103の板厚の80%までが塑性変形部分
となった場合の歪となる様に決定されている。
【0038】次に、42Ni−Fe製の板厚t=0.2
5mmの薄板材103を用いて、上述の第2実施例の装
置にて幅Bo =40mmのICリードフレーム用帯板1
11を製造し、図8に示す様に、両側にNo.1〜No.24 の
各24本のピンを有するICリードフレーム200を打
ち抜き加工により製造した。なお、図示矢印Xで示した
部分が剪断部である。なお、張力Tの条件としては、T
=0.6σyを採用した。また、剪断刃107〜110
の刃幅等は、幅Bo =40mmのICリードフレーム用
帯板が製造できるような寸法にし、刃の直径及び幅方向
の間隔は第1実施例同様にした。
【0039】また、第1実施例の装置において刃幅を換
えたものにより、同じく42Ni−Fe製の板厚t=
0.25mm,幅Bo =40mmのICリードフレーム
用帯板を製造し、両側にNo.1〜No.24 の各24本のピン
を有するICリードフレームを打ち抜き加工により製造
すると共に、図6に示した従来例の装置により製造した
42Ni−Fe製の板厚t=0.25mm,幅Bo =4
0mmのICリードフレーム用帯板からも同様のICリ
ードフレームを製造した。なお、従来例のICリードフ
レーム用帯板は焼鈍をしなかった。
【0040】これら三者について、No.1〜No.24 のピン
の反りの状態を比較した結果を図9に示す。図中、黒丸
が第2実施例に係るICリードフレームの結果であり、
白抜き丸が第1実施例に係るICリードフレームの結果
である。そして、白抜き三角が従来例に係るICリード
フレームの結果である。
【0041】図から明かな様に、第1,第2実施例によ
れば、ICリードフレームには殆ど反りがないのに対
し、従来例では大きな反りが発生した。この原因は、残
留応力の差によるものと考えられるから、ICリードフ
レームに加工する前のICリードフレーム用帯板から試
験片を切り出し、これらの表面を塩化第2鉄溶液で剪断
した側縁から2mmの範囲を所定深さまで溶かすことで
残留応力のバランスを崩して試料に反りを発生させ、レ
ーザ変位計を用いて反り量を測定し、当該深さでの残留
応力を求めるという手法により第1実施例,第2実施例
及び従来例についてそれぞれの剪断部に沿った位置にお
ける残留応力を測定した。
【0042】この結果は、図10に示す通りである。こ
の図においても、白抜き丸が第1実施例を、黒丸が第2
実施例を、白抜き三角が従来例を表している。図から分
かる様に、第1実施例では帯板側縁の表面においても−
7kgf/mm2 の残留応力しかなく、従来例の帯板側
縁の表面での残留応力−23kgf/mm2 の1/3以
下になっていることが分かる。また、第2実施例では帯
板側縁の表面において−2kgf/mm2 以下の残留応
力しかなく、帯板側縁の板厚中心で見ても+3kgf/
mm2 程度の残留応力しか存在しなかった。
【0043】これらのことから、ICリードフレーム用
帯板の剪断部での残留応力が絶対値で7kgf/mm2
以下(+7kgf/mm2〜−7Kgf/mm2 )にな
っているならば、打ち抜き加工を施した場合に反りが発
生しなくなるということが分かった。
【0044】なお、従来例によるICリードフレーム用
帯板についても同様の残留応力まで焼鈍することは可能
であるが、その場合には帯板のビッカース硬さが低下し
過ぎるため、ICリードフレームとしての強度が不足し
てしまう。ところが、第1,第2実施例によれば、この
様な硬さの低下は生じることがなく、いずれも剪断部近
傍の表面硬さでビッカース硬さ180〜220があるこ
とが確認できた。
【0045】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
はこれら実施例に限定されるものではなく、その要旨を
逸脱しない範囲内で種々なる態様にて実現することがで
きることはいうまでもない。例えば、上下の剪断刃の刃
幅方向の間隔を、実施例よりも広くしても薄板材の剪断
に支障がなく、薄板材の給送速度についても実施例より
も速くても構わない。なお、第1実施例の装置において
刃幅方向間隔を薄板材の板厚の20%よりも広くする
と、図5に示す様に、剪断面のコーナー部に若干のダレ
40が発生する。また、第1実施例の装置において、給
送速度vを20m/min.よりも速くすると薄板材に
若干の横振れが発生する。これらのことから、望ましく
は、上下の剪断刃の刃幅方向間隔は板厚の10〜20%
とし、薄板材の給送速度は2〜20m/min.の範囲
で実施するのがよい。
【0046】また、第1実施例のICリードフレーム用
帯板の製造装置によれば、給材手段1から集材手段5ま
で薄板材を給送する間に全ての処理が実行され、作業効
率が極めてよいが、装置として実現するにおいて、剪断
刃間を通過させる工程と圧延ロール間を通過させる工程
とを、完全に分離した工程として実現することも可能で
ある。
【0047】さらに、第2実施例における張力付与の手
法として、テンションローラではなく、例えば給送速度
と集材速度との間に差を設けて薄板材に張力が付加され
る構成とするなど種々の変形が可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のICリード
フレーム用帯板によれば、打ち抜き加工等による反りの
発生がなく、しかも十分な製品強度を維持することがで
きる。また、請求項2に記載のICリードフレーム用帯
板の製造方法によれば、確実に薄板材の所定位置を長手
方向に剪断することができ、そのまま打抜加工をしたと
しても反りが発生しないという請求項1記載のICリー
ドフレーム用帯板を直接製造することができる。従っ
て、ICリードフレーム用帯板の製造に当たっての歪取
焼鈍は必須ではなくなり、後処理が簡略化され、大幅な
工数削減を達成することができる。しかも、熱処理にお
いては硬さの関係から達成し得なかった低い残留応力し
か持たないICリードフレーム用帯板を簡単に製造する
ことができ、ICリードフレーム用帯板自体の性能も著
しく向上する。
【0049】また、この方法において、請求項3の如く
すれば、剪断面のコーナーにダレが発生することもな
く、請求項4の如くすれば、薄板材を剪断刃間に通過さ
せる際に横振れ等が発生しなくなり、一層望ましい。こ
の様に、顕著な作用・効果を奏する本発明方法は、請求
項5の如き本発明のICリードフレーム用帯板の製造装
置によって簡単に実現することができる。なお、この装
置では、給材手段から集材手段まで薄板材を給送する間
に全ての処理が実行され、作業効率が極めてよい。
【0050】一方、請求項6,7に記載のICリードフ
レーム用帯板の製造方法及び製造装置によれば、さらに
残留応力の小さいICリードフレーム用帯板を製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のICリードフレーム用帯板の製
造装置と、その装置によって製造されるICリードフレ
ーム用帯板について示した概略説明図である。
【図2】 ICリードフレーム用帯板の内部歪の残留状
況を確認するための試験の概要を示す説明図である。
【図3】 従来例において最大ひらき量を計測した結果
をプロットしたグラフである。
【図4】 従来例において最も成績の良かったものと第
1実施例とを比較したグラフである。
【図5】 剪断刃の刃幅方向間隔を薄板材の板厚の20
%を越えてとった場合のダレの発生状況を示す説明図で
ある。
【図6】 従来例のICリードフレーム用帯板の製造装
置と、その装置によって製造されるICリードフレーム
用帯板について示した概略説明図である。
【図7】 第2実施例のICリードフレーム用帯板の製
造装置について示した概略説明図である。
【図8】 ICリードフレーム用帯板を打ち抜き加工し
て製造した24ピンを有するICリードフレームの形状
を示す平面図である。
【図9】 実施例及び従来例について24ピンを有する
ICリードフレームの各ピンの反りの状況を計測した結
果をプロットしたグラフである。
【図10】 実施例及び従来例についてICリードフレ
ーム用帯板における剪断部の板厚方向の残留応力分布を
プロットしたグラフである。
【図11】 本発明の作用を説明するに当たっての薄板
材のシフト量Sの定義を示した説明図である。
【図12】 本発明の作用を説明するに当たってのロー
ラレベラの半ロールピッチlと噛込量δの関係等を示し
た説明図である。
【符号の説明】
1・・・給材手段、3・・・薄板材、3a・・・端部、
5・・・集材手段、7〜10・・・剪断刃、11・・・
ICリードフレーム用帯板、13,14・・・圧延ロー
ル、15・・・段差部、17,19・・・軸、20・・
・流線群、31・・・スリット、40・・・ダレ 101・・・給材手段、103・・・薄板材、105・
・・集材手段、107〜110・・・剪断刃、111・
・・ICリードフレーム用帯板、120,122・・・
テンションローラ組、130・・・ローラレベラ、20
0・・・ICリードフレーム。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側縁部における残留応力の絶対値が7k
    gf/mm2 以下でかつ、該側縁部のビッカース硬さが
    180〜220とされたICリードフレーム用帯板。
  2. 【請求項2】 上下一対に配設された剪断刃の間に薄板
    材を通過させ、該薄板材の所定位置を長手方向に剪断し
    て所定幅に成形するICリードフレーム用帯板の製造方
    法において、前記剪断刃による剪断を前記薄板材の板厚
    の途中までで止めることによって該薄板材の剪断予定位
    置に板面が上下にシフトされた段違い部を形成し、その
    後、該段違い部のシフトを解消させ剪断する押し戻し工
    程を実行することを特徴とするICリードフレーム用帯
    板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記上下一対の剪断刃は、上下の刃が刃
    幅方向に前記薄板材の板厚の10〜20%の間隔を開け
    た一対として配設されていることを特徴とする請求項1
    に記載のICリードフレーム用帯板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記上下一対の剪断刃間を前記薄板材が
    通過する速度を、2〜20m/min.としたことを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載のICリードフ
    レーム用帯板の製造方法。
  5. 【請求項5】 給材手段に保持されたコイルから引き出
    した薄板材を、所定の給送速度で集材手段に給送する薄
    板材給送手段と、前記給材手段と前記集材手段との間に
    配置され、給送中の薄板材の端部所定位置に上下から剪
    断力を加える上下一対の剪断刃とを備え、前記薄板材の
    所定位置を長手方向に剪断して所定幅に成形するICリ
    ードフレーム用帯板の製造装置において、前記上下一対
    の剪断刃は、上下の刃先の間に前記薄板材の板厚の40
    〜60%の隙間を開けて配設され、該上下一対の剪断刃
    と前記集材手段との間に、前記薄板材の板厚とほぼ一致
    する隙間をもって配設された上下一対の圧延ロールをも
    備え、前記薄板材を該圧延ロール間も通過させ剪断して
    から集材することを特徴とするICリードフレーム用帯
    板の製造装置。
  6. 【請求項6】 上下一対に配設された剪断刃の間に薄板
    材を通過させ、該薄板材の所定位置を長手方向に剪断し
    て所定幅に成形するICリードフレーム用帯板の製造方
    法において、前記剪断刃による剪断を前記薄板材の板厚
    の途中までで止めることによって該薄板材の剪断予定位
    置に板面が上下にシフトされた段違い部を形成し、その
    後、該段違い部のシフトを解消させ剪断する押し戻し工
    程を実行することを特徴とし、さらに、該押し戻し工程
    を前記段違い部を形成された薄板材に張力を付加した状
    態で実行することを特徴とするICリードフレーム用帯
    板の製造方法。
  7. 【請求項7】 給材手段に保持されたコイルから引き出
    した薄板材を、所定の給送速度で集材手段に給送する薄
    板材給送手段と、前記給材手段と前記集材手段との間に
    配置され、給送中の薄板材の端部所定位置に上下から剪
    断力を加える上下一対の剪断刃とを備え、前記薄板材の
    所定位置を長手方向に剪断して所定幅に成形するICリ
    ードフレーム用帯板の製造装置において、前記上下一対
    の剪断刃は、上下の刃先の間に前記薄板材の板厚の0%
    を超え20%以下の隙間を開けて配設され、該上下一対
    の剪断刃と前記集材手段との間に、前記薄板材に対し、
    板厚方向の組成変形部分が80%以上となる押し込み量
    をもって配設された上下一対の押し込み手段を備えると
    共に、前記給送中の薄板材に降伏応力の60%以上の弾
    性範囲の張力を付加する張力付加手段をも備え、前記薄
    板材を該圧延ロール間も通過させ剪断してから集材する
    ことを特徴とするICリードフレーム用帯板の製造装
    置。
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