JP4810737B2 - トリミング屑の切断方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャーラインやスリッティングライン等のようにサイドトリマーを有するラインで、金属板の側端部をトリミングすることによって発生するトリミング屑の切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属板の幅方向の端部(以下、側端部という)をトリミングする装置(以下、サイドトリマーという)は、シャーラインやスリッティングライン等に設置され、金属板の側端部を片側5〜15mm切断除去して、側端部の形状を整えるものである。サイドトリマーの機構は、丸刃回転方式が広く採用されている。
【0003】
サイドトリマーによって金属板の側端部のトリミングを行なうと、切断除去された屑(以下、トリミング屑という)が発生する。トリミング屑は、スクラップバックに回収された後、定期的に搬出される。このときトリミング屑には捩れが生じているので、サイドトリマーから発生したトリミング屑をそのままスクラップバックに回収すると、スクラップバックの収容効率が低下する。そのためスクラップバックの搬出頻度が増大するばかりでなく、トリミング屑が周辺設備に絡み付いて設備故障の原因になる。
【0004】
そこでサイドトリマーの出側に、トリミング屑の切断装置(以下、チョッパーという)を配設して、トリミング屑を所定の長さに切断してスクラップバックに回収する。チョッパーの機構は、回転平行刃方式が広く採用されており、サイドトリマーに送給される金属板の前工程における厚さのデータ(たとえば前工程における平均厚さあるいは目標厚さ等)に応じて、チョッパーの上刃と下刃のクリアランスやオーバーラップを調整してトリミング屑を切断する。
【0005】
この場合、チョッパーの上刃と下刃のクリアランスやオーバーラップは、コイル状に巻かれた金属板を1個ずつ巻き戻してチョッパーでトリミング屑を切断しながらサイドトリマーで金属板の側端部をトリミングする場合を例にとると、コイル1個を処理する間は同一設定となる。そのためコイル内の金属板の厚さ変動に対応するのが困難で、厚さ変動が大きいときはトリミング屑の切断不良が発生する。金属板の厚さ変動に応じて作業者がチョッパーの自動運転を中断して、手動操作で介入することも可能であるが、作業者の個人差は解消できないので、トリミング屑の切断不良を十分に防止できない。
【0006】
そこで金属板の厚さ変動に起因するトリミング屑の切断不良を防止する技術が種々提案されている。たとえば特開昭60-39012号公報には、ストリップのトリム方法が開示されている。この技術は、サイドトリマーの下丸刃と同軸にチョッパを設けて、金属板の厚さに応じてサイドトリマー上丸刃とチョッパ刃との間隔を調整して、金属板の側端部のトリミングとトリム屑の切断とを同時に行なうことによって、トリム屑によるトラブルを防止しようとするものである。しかしこの技術では、前記したような金属板の厚さ変動への対応が十分に行なえないことに変わりはなく、トリム屑の切断が不安定になるという問題が残されたままになっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題を解消し、金属板のトリミング屑を切断するにあたって、金属板の厚さが変動した場合でも切断不良の発生を防止し、トリミング屑を確実に切断できる方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、サイドトリマーを用いて金属板の側端部をトリミングすることによって発生するトリミング屑の切断方法において、サイドトリマーの入側で測定した金属板の厚さt(mm)に応じて、トリミング屑を切断するチョッパーの上刃と下刃のクリアランスG(mm)とオーバーラップL(mm)とを
t≦2mmの場合は、
0.1t≦G≦ 0.2t
0mm≦L≦1mm
の範囲内を満足するように調整し、
t>2mmの場合は、
0.1t≦G≦ 0.5t
−1mm≦L≦1mm
の範囲内を満足するように調整するトリミング屑の切断方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用する装置の例を模式的に示す配置図であり、チョッパー6の上刃7と下刃8の制御系統のブロック図とともに示す。図1中の矢印は、金属板1の進行方向を示す。
前工程でコイルに巻き取られた金属板1は、アンコイラー2に装填され、次いで巻き戻されてデフレクターロール3によって進行方向を変えられてサイドトリマー4に送給される。サイドトリマー4で金属板1の側端部が切断除去されてトリミング屑5が発生する。トリミング屑5は、サイドトリマー4出側で金属板1と分離してチョッパー6に送給される。チョッパー6の上刃7(以下、チョッパー上刃という)と下刃8(以下、チョッパー下刃という)が回転することによってトリミング屑5を切断し、スクラップバック9に回収する。
【0011】
図2は、チョッパー上刃7とチョッパー下刃8の位置関係を示す部分拡大図であり、チョッパー上刃7先端とチョッパー下刃8先端との距離L(mm)をオーバーラップと称し、チョッパー上刃7側面とチョッパー下刃8側面との間隔G(mm)をクリアランスと称する。なお、図2(a) はオーバーラップLがプラスの状態、(b) はオーバーラップLがマイナスの状態を示し、図2中の矢印はチョッパー上刃7とチョッパー下刃8の回転方向を示す。
【0012】
サイドトリマー4の入側には板厚測定器10が設置され、金属板1の厚さt(mm)を測定する。板厚測定器10で測定した金属板1の厚さt(mm)のデータを入力信号として演算装置11で処理して、得られた出力信号を上刃位置調整装置12および下刃位置調整装置13に伝送する。上刃位置調整装置12,下刃位置調整装置13は、それぞれトリミング屑5の進行方向に対して平行な方向と垂直な方向に位置を調整するものであり、演算装置11からの出力信号によってクリアランスG(mm)およびオーバーラップL(mm)を調整できる。
【0013】
なお、図1には、チョッパー上刃7を上刃位置調整装置12でトリミング屑5の進行方向に対して平行な方向に調整し、チョッパー下刃8を下刃位置調整装置13でトリミング屑5の進行方向に対して垂直な方向に調整する例を示したが、チョッパー上刃7をトリミング屑5の進行方向に対して垂直な方向に調整し、チョッパー下刃8をトリミング屑5の進行方向に対して平行な方向に調整しても問題はない。
【0014】
また図1には、上刃位置調整装置12,下刃位置調整装置13としてシリンダーを用いる例を示したが、本発明においてはチョッパー上刃7,チョッパー下刃8の位置を調整できるものを使用すれば良いのであるから、上刃位置調整装置12,下刃位置調整装置13の構成は特に限定しない。シリンダーの他にも、たとえば、モーターやギア等の従来から知られているものが使用できる。
【0015】
このようにして本発明では、サイドトリマー4入側で測定した金属板1の厚さtの実測値に基づいてチョッパー上刃7とチョッパー下刃8のクリアランスGとオーバーラップLとを調整するので、厚さtが変動した場合でも、トリミング屑5の切断不良の発生を防止し、トリミング屑5を確実に切断できる。その結果、クリアランスG,オーバーラップLの設定調整やトリミング屑5の絡み付き等による設備故障等に起因する操業停止が減少して生産性が向上する。
【0016】
本発明を鋼板コイルのように大量に生産される品種に適用すると、多大な経済的効果が期待できる。厚さtが2mm以下の鋼板のトリミング屑5を切断する場合は、クリアランスG,オーバーラップLがそれぞれ
0.1t≦G≦ 0.2t
0mm≦L≦1mm
の範囲内を満足する必要がある。クリアランスG,オーバーラップLがこの範囲を外れると、トリミング屑5の切断不良が発生する可能性が増大する。
【0017】
厚さtが2mmを超える鋼板のトリミング屑5を切断する場合は、クリアランスG,オーバーラップLがそれぞれ
0.1t≦G≦ 0.5t
−1mm≦L≦1mm
の範囲内を満足する必要がある。鋼板の厚さtが大きくなると、クリアランスG,オーバーラップLの好適範囲は拡大する。しかしクリアランスG,オーバーラップLがこの範囲を外れると、トリミング屑5の切断不良が発生する可能性が増大する。
【0018】
なお、クリアランスGは鋼板の厚さtの測定値に応じて設定される値であり、オーバーラップLは鋼板の特性(たとえば材質等)と厚さtの測定値に応じて設定される値である。
【0019】
【実施例】
図1に示す装置を使用して、熱延鋼板コイルを5個連続してトリミングを行なった。その際、サイドトリマー4入側で測定した鋼板1の厚さtの実測値(t= 1.0〜6.0 mm)に基づいてクリアランスG,オーバーラップLが、
t≦2mmの場合は、
0.1t≦G≦ 0.2t , 0mm≦L≦1mm
の範囲内を満足し、
t>2mmの場合は、
0.1t≦G≦ 0.5t , −1mm≦L≦1mm
の範囲内を満足するように調整した。これを発明例とする。
【0020】
また比較例として、板厚測定器10を使用せず、熱間圧延工程の目標板厚の値に基づいて各コイル毎にクリアランスG,オーバーラップLを調整して、熱延鋼板コイルを5個連続してトリミングを行なった。
発明例と比較例について、トリミング屑5切断不良の発生率を調査した。なおトリミング屑5切断不良の発生率は、下記の式で算出される値である。
【0021】
トリミング屑切断不良の発生率= 100×N1 /N0
N0 :1組のチョツパー上刃と下刃がトリミング屑の切断を試みた回数
N1 :トリミング屑がつながってスクラップバックに回収された回数
トリミング屑切断不良の発生率は、発明例が 0.1%であったのに対して、比較例は20%であった。その結果、発明例では、チョッパー上刃7とチョッパー下刃8のクリアランスGとオーバーラップLとの設定調整やトリミング屑5の絡み付きによる設備故障等に起因する操業停止が大幅に減少して、生産性が著しく向上した。
【0022】
【発明の効果】
本発明では、金属板のトリミング屑を切断するにあたって、金属板の厚さが変動した場合でも切断不良の発生を防止し、チョッパーの上刃と下刃の設定調整やトリミング屑の絡み付きによる設備故障等に起因する操業停止が減少して、生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する装置の例を模式的に示す配置図であり、チョッパーの上刃と下刃の制御系統のブロック図とともに示す。
【図2】チョッパーの上刃と下刃の位置関係を示す部分拡大図であり、(a) はオーバーラップがプラスの状態、(b) はオーバーラップがマイナスの状態を示す。
【符号の説明】
1 金属板(鋼板)
2 アンコイラー
3 デフレクターロール
4 サイドトリマー
5 トリミング屑
6 チョッパー
7 チョッパー上刃
8 チョッパー下刃
9 スクラップバック
10 板厚測定器
11 演算装置
12 上刃位置調整装置
13 下刃位置調整装置
Claims (1)
- サイドトリマーを用いて金属板の側端部をトリミングすることによって発生するトリミング屑の切断方法において、前記サイドトリマーの入側で測定した前記金属板の厚さt(mm)に応じて、前記トリミング屑を切断するチョッパーの上刃と下刃のクリアランスG(mm)とオーバーラップL(mm)とを
t≦2mmの場合は、
0.1t≦G≦ 0.2t
0mm≦L≦1mm
の範囲内を満足するように調整し、
t>2mmの場合は、
0.1t≦G≦ 0.5t
−1mm≦L≦1mm
の範囲内を満足するように調整することを特徴とするトリミング屑の切断方法。
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