JPH05320935A - 成形性、溶接性、耐食性に優れたアルミニウム材 - Google Patents
成形性、溶接性、耐食性に優れたアルミニウム材Info
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- JPH05320935A JPH05320935A JP15760392A JP15760392A JPH05320935A JP H05320935 A JPH05320935 A JP H05320935A JP 15760392 A JP15760392 A JP 15760392A JP 15760392 A JP15760392 A JP 15760392A JP H05320935 A JPH05320935 A JP H05320935A
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- JP
- Japan
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- corrosion resistance
- aluminum
- weldability
- oxide
- aluminum material
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 自動車構造部材として優れた成形性、溶接性
及び耐食性を有するアルミニウム材の開発。。 【構成】 アルミニウム材表面に、マグネシウム酸化物
の割合が20%以下で且つ膜厚が10〜200オングス
トロームの酸化膜を形成し、さらにその上にアルカリ金
属の含水ほう酸塩からなる潤滑性無機化合物の層を10
〜1000mg/m2の付着量で形成したアルミニウム材。
及び耐食性を有するアルミニウム材の開発。。 【構成】 アルミニウム材表面に、マグネシウム酸化物
の割合が20%以下で且つ膜厚が10〜200オングス
トロームの酸化膜を形成し、さらにその上にアルカリ金
属の含水ほう酸塩からなる潤滑性無機化合物の層を10
〜1000mg/m2の付着量で形成したアルミニウム材。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車構造用部材、特
にボディー用として用いられるアルミニウム合金板に関
するものである。
にボディー用として用いられるアルミニウム合金板に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の燃費向上、高性能化を目的とし
た車体重量の低減が叫ばれる中、従来使用されていた鉄
鋼材料に代えて比重が鉄の1/3であるアルミニウム材
料の使用が増えつつある。アルミニウムは軽量であるば
かりではなく、耐食性、加工性、表面処理性等に優れ、
また再生が容易であることから自動車用材料として最も
注目されており、現在ボディー、ホイール、バンパー、
熱交換器、エンジン等に用いられているが、更に応用範
囲も増えつつある。
た車体重量の低減が叫ばれる中、従来使用されていた鉄
鋼材料に代えて比重が鉄の1/3であるアルミニウム材
料の使用が増えつつある。アルミニウムは軽量であるば
かりではなく、耐食性、加工性、表面処理性等に優れ、
また再生が容易であることから自動車用材料として最も
注目されており、現在ボディー、ホイール、バンパー、
熱交換器、エンジン等に用いられているが、更に応用範
囲も増えつつある。
【0003】アルミニウム材料を自動車ボディーとして
用いる場合、その製造方法、工程は従来の鉄及び鉄鋼材
料を用いた場合と基本的には同じであり、成形性、溶接
性、接着性、塗装後の耐食性、美観等が要求される。
用いる場合、その製造方法、工程は従来の鉄及び鉄鋼材
料を用いた場合と基本的には同じであり、成形性、溶接
性、接着性、塗装後の耐食性、美観等が要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来よりこのような自
動車ボディー用として供されるアルミニウム材料には、
以下に示すような問題点を抱えている。
動車ボディー用として供されるアルミニウム材料には、
以下に示すような問題点を抱えている。
【0005】成形性不良 自動車ボディー用として現在主流の鉄鋼材と比較する
と、アルミ材は軟質、且つ伸びが小さいため型かじりを
起こしやすく、割れ、肌荒れ等が生じやすい。
と、アルミ材は軟質、且つ伸びが小さいため型かじりを
起こしやすく、割れ、肌荒れ等が生じやすい。
【0006】溶接性不良 スポット溶接時、アルミニウム材は電極寿命が鋼板に比
べて極端に劣るため、車体の生産効率が著しく低下す
る。即ち、アルミニウム材のスポット溶接では溶着現象
が起こりやすく、同一の電極で適切なナゲットを得るこ
とができる溶接打点数が著しく短いため、溶着が起こる
前や適切なナゲットができなくなる前に電極形状をドレ
ッシングにより整えたり、あるいは新品電極と交換する
頻度が多くなる。このことが、溶接効率ひいては自動車
車体全体の生産効率に多大な影響を及ぼしている。
べて極端に劣るため、車体の生産効率が著しく低下す
る。即ち、アルミニウム材のスポット溶接では溶着現象
が起こりやすく、同一の電極で適切なナゲットを得るこ
とができる溶接打点数が著しく短いため、溶着が起こる
前や適切なナゲットができなくなる前に電極形状をドレ
ッシングにより整えたり、あるいは新品電極と交換する
頻度が多くなる。このことが、溶接効率ひいては自動車
車体全体の生産効率に多大な影響を及ぼしている。
【0007】塗装後耐食性不良 塗装後に過酷な環境により促進耐久試験を行うと、糸状
腐食(FiliformCorrosion)が生じやすく、外観上美観を
損うばかりでなく、さらに腐食が進行すると機能上問題
を生じる。
腐食(FiliformCorrosion)が生じやすく、外観上美観を
損うばかりでなく、さらに腐食が進行すると機能上問題
を生じる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこれに鑑み鋭意
検討の結果、アルミニウム材表面の酸化膜中に含まれる
マグネシウム酸化物の割合、及び、アルミニウム酸化物
の膜厚を調整し、その後、該表面に潤滑性無機化合物か
らなる層を付与することを特徴とする成形性、溶接性、
耐食性に優れたアルミニウム材を開発したものである。
検討の結果、アルミニウム材表面の酸化膜中に含まれる
マグネシウム酸化物の割合、及び、アルミニウム酸化物
の膜厚を調整し、その後、該表面に潤滑性無機化合物か
らなる層を付与することを特徴とする成形性、溶接性、
耐食性に優れたアルミニウム材を開発したものである。
【0009】即ち本発明は、アルミニウム表面酸化膜中
のマグネシウム酸化物の割合が20%以下であり、且
つ、該酸化膜厚が10〜200オングストロームの範囲
に調整され、その上にアルカリ金属の含水ほう酸塩から
なる潤滑性無機化合物層を10〜1000mg/m2 付与し
たことを特徴とするものである。
のマグネシウム酸化物の割合が20%以下であり、且
つ、該酸化膜厚が10〜200オングストロームの範囲
に調整され、その上にアルカリ金属の含水ほう酸塩から
なる潤滑性無機化合物層を10〜1000mg/m2 付与し
たことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】次に本発明を詳細に説明する。
【0011】成形性 アルミニウム材の表面を化学的にエッチングすると、未
処理の素板に比べて摩擦係数が大きくなり成形性が低下
する現象が知られている。これを改善するためにはエッ
チング処理後の表面に潤滑性を付与する処理が有効であ
る。従って潤滑性無機化合物からなる層を表面に設ける
ことで摩擦係数を減少させ、成形性を向上させることが
可能となる。
処理の素板に比べて摩擦係数が大きくなり成形性が低下
する現象が知られている。これを改善するためにはエッ
チング処理後の表面に潤滑性を付与する処理が有効であ
る。従って潤滑性無機化合物からなる層を表面に設ける
ことで摩擦係数を減少させ、成形性を向上させることが
可能となる。
【0012】溶接性 アルミニウム材を鋼板の場合と同一の銅系電極を用いて
連続的にスポット溶接を繰り返すと、電極先端の通電径
が打点と共に拡大し、これにともなう板中の電流密度の
低下によってナゲット径も減少しついには電極寿命とな
るが、アルミニウム材の場合は鋼板と比べてその電極先
端径の拡大速度が著しく大きいことに特徴がある。
連続的にスポット溶接を繰り返すと、電極先端の通電径
が打点と共に拡大し、これにともなう板中の電流密度の
低下によってナゲット径も減少しついには電極寿命とな
るが、アルミニウム材の場合は鋼板と比べてその電極先
端径の拡大速度が著しく大きいことに特徴がある。
【0013】従ってこのような現象に着目しその原因に
ついて検討した結果、アルミニウム材の連続打点溶接の
場合には、電極先端の通電部に溶融アルミニウムが付着
しその酸化物が打点と共に堆積したり、アルミニウム表
面のマグネシウム酸化物が溶着したりして、これらが絶
縁層を形成し、ついには電極とこの絶縁層の間でスパー
クを起こし、その際に電極が虫食い状に欠損していくこ
とを見出した。そしてこのようなアルミニウム材の特有
現象が電極先端径の拡大を促進し、電極寿命が極端に劣
化するとの知見を得た。
ついて検討した結果、アルミニウム材の連続打点溶接の
場合には、電極先端の通電部に溶融アルミニウムが付着
しその酸化物が打点と共に堆積したり、アルミニウム表
面のマグネシウム酸化物が溶着したりして、これらが絶
縁層を形成し、ついには電極とこの絶縁層の間でスパー
クを起こし、その際に電極が虫食い状に欠損していくこ
とを見出した。そしてこのようなアルミニウム材の特有
現象が電極先端径の拡大を促進し、電極寿命が極端に劣
化するとの知見を得た。
【0014】そこでアルミニウム材表面の酸化膜コント
ロールが重要となり、表面酸化膜中に含まれるマグネシ
ウム酸化物の割合、及びアルミニウ酸化膜厚を調整する
ことで良好な溶接性を確保することが可能となる。
ロールが重要となり、表面酸化膜中に含まれるマグネシ
ウム酸化物の割合、及びアルミニウ酸化膜厚を調整する
ことで良好な溶接性を確保することが可能となる。
【0015】塗装後耐食性 通常アルミニウム製ボディーの塗装材に発生する糸錆
は、表面の傷等塗膜の欠陥部を起点としたものであり、
塩素等が存在する腐食環境下にて腐食性物質がアルミニ
ウム素地に達し、アルミニウム素地を腐食することが主
な原因である。よってアルミニウム素地に対して強力な
防食効果が得られるような皮膜を形成させることが重要
であり、表面酸化膜中に含まれるマグネシウム酸化物の
割合、及びアルミニウム酸化膜厚を調整することで十分
な耐食性を得ることが可能となる。
は、表面の傷等塗膜の欠陥部を起点としたものであり、
塩素等が存在する腐食環境下にて腐食性物質がアルミニ
ウム素地に達し、アルミニウム素地を腐食することが主
な原因である。よってアルミニウム素地に対して強力な
防食効果が得られるような皮膜を形成させることが重要
であり、表面酸化膜中に含まれるマグネシウム酸化物の
割合、及びアルミニウム酸化膜厚を調整することで十分
な耐食性を得ることが可能となる。
【0016】以上の知見のもとに本発明者は成形性、溶
接性、耐食性を改善するアルミニウム材として本発明の
ような材料を開発するに至った。以下に、本発明を更に
詳細に説明する。
接性、耐食性を改善するアルミニウム材として本発明の
ような材料を開発するに至った。以下に、本発明を更に
詳細に説明する。
【0017】表面酸化皮膜中に含まれるマグネシウム酸
化物の割合やアルミニウム酸化膜の厚さを調整する方法
としては、酸やアルカリの溶液による化学的エッチング
方法が簡便で効果的である。エッチング液としては、酸
系では硝酸や硫酸等が、またアルカリ系では水酸化ナト
リウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等が考えら
れ、そのエッチング処理方法としては、浸漬処理やスプ
レー処理等が考えられるが、もちろんこれらの溶液、方
法等に特に限定されるものではない。また、アルカリ溶
液にてエッチングを行った場合には、表面アルカリ不溶
解性残渣が残ることがあるので、酸系溶液における不溶
解性残渣除去を適時実施することが望ましい。
化物の割合やアルミニウム酸化膜の厚さを調整する方法
としては、酸やアルカリの溶液による化学的エッチング
方法が簡便で効果的である。エッチング液としては、酸
系では硝酸や硫酸等が、またアルカリ系では水酸化ナト
リウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等が考えら
れ、そのエッチング処理方法としては、浸漬処理やスプ
レー処理等が考えられるが、もちろんこれらの溶液、方
法等に特に限定されるものではない。また、アルカリ溶
液にてエッチングを行った場合には、表面アルカリ不溶
解性残渣が残ることがあるので、酸系溶液における不溶
解性残渣除去を適時実施することが望ましい。
【0018】表面皮膜中のマグネシウム酸化物の含有量
を上記のように調整してこれを20%以下とするのは、
スポット溶接時の電極への溶着を防止し、且つ塗装後の
耐食性を向上させるためである。またマグネシウム酸化
物除去後の酸化膜厚を10〜200オングストロームと
したのは、10オングストローム未満では所望の電気抵
抗が得られず溶接性を低下させると共に、アルミニウム
素地に対する防食効果が不十分となり耐食性に乏しいも
のとなってしまうためである。他方、200オングスト
ロームを越えると電気抵抗が大きくなりすぎ、やはり溶
接性が低下するためである。
を上記のように調整してこれを20%以下とするのは、
スポット溶接時の電極への溶着を防止し、且つ塗装後の
耐食性を向上させるためである。またマグネシウム酸化
物除去後の酸化膜厚を10〜200オングストロームと
したのは、10オングストローム未満では所望の電気抵
抗が得られず溶接性を低下させると共に、アルミニウム
素地に対する防食効果が不十分となり耐食性に乏しいも
のとなってしまうためである。他方、200オングスト
ロームを越えると電気抵抗が大きくなりすぎ、やはり溶
接性が低下するためである。
【0019】一方、潤滑性無機化合物層のアルカリ金属
のほう酸塩としては、メタほう酸、四ほう酸、五ほう酸
等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が実用可
能なものである。このようなアルカリ金属のほう酸塩
は、含水するものと無水のものとが存在するが、水洗あ
るいはアルカリ脱脂時の溶解性は含水結晶構造のほうが
優れており、本発明では含水ほう酸塩を用いることが好
ましい。この無機化合物層の形成方法としは、上記化合
物の水溶液と接触させ、これを乾燥することで容易に得
ることができる。
のほう酸塩としては、メタほう酸、四ほう酸、五ほう酸
等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が実用可
能なものである。このようなアルカリ金属のほう酸塩
は、含水するものと無水のものとが存在するが、水洗あ
るいはアルカリ脱脂時の溶解性は含水結晶構造のほうが
優れており、本発明では含水ほう酸塩を用いることが好
ましい。この無機化合物層の形成方法としは、上記化合
物の水溶液と接触させ、これを乾燥することで容易に得
ることができる。
【0020】含水ほう酸塩の付着量を10〜1000mg
/m2 としたのは、10mg/m2 未満では成形性改善の十分
な効果が得られず、1000mg/m2 を越えると成形性改
善効果が飽和し、且つ溶接性を低下させてしまうためで
ある。さらに成形工程後の水洗あるいはアルカリ脱脂工
程での溶解残渣が1mg/m2 を越えると化成処理工程に悪
影響を及ぼすが、上記ほう酸塩の付着量が1000mg/m
2 を越えると溶解残渣が1mg/m2 を越える危険性がでて
くるためである。
/m2 としたのは、10mg/m2 未満では成形性改善の十分
な効果が得られず、1000mg/m2 を越えると成形性改
善効果が飽和し、且つ溶接性を低下させてしまうためで
ある。さらに成形工程後の水洗あるいはアルカリ脱脂工
程での溶解残渣が1mg/m2 を越えると化成処理工程に悪
影響を及ぼすが、上記ほう酸塩の付着量が1000mg/m
2 を越えると溶解残渣が1mg/m2 を越える危険性がでて
くるためである。
【0021】本発明はコイルより所定の寸法に切り出し
た板にて処理を行ってもよいが、コイルにて連続的に実
施したほうが効率も良く、生産性に寄与することは言う
までもない。
た板にて処理を行ってもよいが、コイルにて連続的に実
施したほうが効率も良く、生産性に寄与することは言う
までもない。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明がこ
のような実施例の記載によって何等制約を受けるもので
はないことは言うまでもない。また、本発明には以下の
実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも本発
明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基
づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであ
ることが理解されるべきである。
のような実施例の記載によって何等制約を受けるもので
はないことは言うまでもない。また、本発明には以下の
実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも本発
明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基
づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであ
ることが理解されるべきである。
【0023】JIS A5182(Al−0.3wt%M
n−4.5wt%Mg)を溶解、鋳造、均質化処理、熱間
圧延、冷間圧延、仕上げ焼鈍により1.0mmの板厚にコ
イル連続処理にて仕上げた。この材料を表1に示すよう
な方法で酸化膜調整、ほう酸塩処理を行い、その後以下
に示す試験を行った。その結果を表1に示す。
n−4.5wt%Mg)を溶解、鋳造、均質化処理、熱間
圧延、冷間圧延、仕上げ焼鈍により1.0mmの板厚にコ
イル連続処理にて仕上げた。この材料を表1に示すよう
な方法で酸化膜調整、ほう酸塩処理を行い、その後以下
に示す試験を行った。その結果を表1に示す。
【0024】成形性試験 表面に0.5g/m2 の洗浄防錆油を塗布した後、70
mmφに打ち抜いたサンプルを径33mmφの高速円筒絞り
加工(加工速度500mm/sec)を行い、円筒側面にかじ
りや割れが発生したものを不良(×)、これら欠陥が発
生しなかったものを良(○)とした。
mmφに打ち抜いたサンプルを径33mmφの高速円筒絞り
加工(加工速度500mm/sec)を行い、円筒側面にかじ
りや割れが発生したものを不良(×)、これら欠陥が発
生しなかったものを良(○)とした。
【0025】溶接性試験 電極寿命を下記に示す条件にて評価した。評価は電極が
溶着するまでの打点数、またはナゲット径が4t
1/2 (t:板厚)を下回るまでの打点数のいずれか少な
い打点数でその効果を判定した。判定基準としては、打
点数が500未満を不良(×)、500〜1000点を
普通(△)、1000〜2000点を良好(○)、20
00点以上を最良(◎)とした。 溶接機 :インバーター式直流溶接機 電 極 :円錐台頭(CF)型、先端径 5mm、材質
クロム銅 溶接条件:加 圧 150kgf 初期加圧時間 20/50秒 通電時間:6/50秒 保持時間:5/50秒 溶接電流:15kA
溶着するまでの打点数、またはナゲット径が4t
1/2 (t:板厚)を下回るまでの打点数のいずれか少な
い打点数でその効果を判定した。判定基準としては、打
点数が500未満を不良(×)、500〜1000点を
普通(△)、1000〜2000点を良好(○)、20
00点以上を最良(◎)とした。 溶接機 :インバーター式直流溶接機 電 極 :円錐台頭(CF)型、先端径 5mm、材質
クロム銅 溶接条件:加 圧 150kgf 初期加圧時間 20/50秒 通電時間:6/50秒 保持時間:5/50秒 溶接電流:15kA
【0026】塗装後耐食性試験 処理後のコイルから70×150mmのテストピースを切
り出し、弱アルカリ系脱脂剤を用いて43℃×2分の脱
脂を行い水洗を行った後、コロイダルチタン系の液にて
室温×30秒の表面調整を行い、そのままの状態で市販
のリン酸亜鉛処理液にて43℃×2分の化成処理を行っ
た。その後、水洗、乾燥を行った後、カチオン電着塗装
による下塗り、さらに吹きつけによる中塗り、上塗りを
行ってサンプルを作製した。この時のトータルの塗膜厚
さは約100μmである。
り出し、弱アルカリ系脱脂剤を用いて43℃×2分の脱
脂を行い水洗を行った後、コロイダルチタン系の液にて
室温×30秒の表面調整を行い、そのままの状態で市販
のリン酸亜鉛処理液にて43℃×2分の化成処理を行っ
た。その後、水洗、乾燥を行った後、カチオン電着塗装
による下塗り、さらに吹きつけによる中塗り、上塗りを
行ってサンプルを作製した。この時のトータルの塗膜厚
さは約100μmである。
【0027】このサンプル表面にアルミニウム素地まで
達するクロスカットを入れ、JIS−Z−2371によ
る塩水噴霧試験を24時間行い、その後50℃×95%
RHの湿潤雰囲気にて2000時間放置した後に、クロ
スカット部から発生した糸錆(糸状腐食)の最大長さを
測定した。判定は、糸錆長さ4mm以上を不良(×)、2
〜4mmを普通(○)、2mm以下を良好(◎)とした。
達するクロスカットを入れ、JIS−Z−2371によ
る塩水噴霧試験を24時間行い、その後50℃×95%
RHの湿潤雰囲気にて2000時間放置した後に、クロ
スカット部から発生した糸錆(糸状腐食)の最大長さを
測定した。判定は、糸錆長さ4mm以上を不良(×)、2
〜4mmを普通(○)、2mm以下を良好(◎)とした。
【0028】
【表1】
【0029】表1から明らかなように、本発明ではいず
れも良好な成形性、溶接性、塗装後耐食性を示すことが
わかる。これに対して、マグネシウム酸化物の割合が2
0%を越えるNo.7や、酸化膜厚が所定の範囲に無いN
o.8,9、及び無機化合物の付着量が多いNo.10のサ
ンプルでは溶接性が低下している。また、酸化膜厚が薄
すぎるNo.9や無機化合物の付着量が多いNo.10では
耐食性が低下している。一方、無機化合物の付着量が少
ないNo.11では成形性の改善効果が見られない。
れも良好な成形性、溶接性、塗装後耐食性を示すことが
わかる。これに対して、マグネシウム酸化物の割合が2
0%を越えるNo.7や、酸化膜厚が所定の範囲に無いN
o.8,9、及び無機化合物の付着量が多いNo.10のサ
ンプルでは溶接性が低下している。また、酸化膜厚が薄
すぎるNo.9や無機化合物の付着量が多いNo.10では
耐食性が低下している。一方、無機化合物の付着量が少
ないNo.11では成形性の改善効果が見られない。
【0030】
【発明の効果】このように、本発明によれば成形性、溶
接性、耐食性に優れた自動車ボディー用アルミニウム材
を安価に且つ安定して供給することが可能となり、工業
上顕著な効果を奏するものである。
接性、耐食性に優れた自動車ボディー用アルミニウム材
を安価に且つ安定して供給することが可能となり、工業
上顕著な効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 洋治 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河アルミニウム工業株式会社内 (72)発明者 難波江 元広 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河アルミニウム工業株式会社内 (72)発明者 谷 俊夫 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河アルミニウム工業株式会社内 (72)発明者 加藤 治 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河アルミニウム工業株式会社内 (72)発明者 上杉 康治 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミニウム材表面に、マグネシウム酸
化物を20%以下含有するアルミニウム酸化膜を10〜
200オングストロームの膜厚で形成し、さらにその上
にアルカリ金属の含水ほう酸塩からなる潤滑性無機化合
物の層を10〜1000mg/m2 の付着量で形成したこと
を特徴とする成形性、溶接性、耐食性に優れたアルミニ
ウム材。 - 【請求項2】 潤滑性無機化合物からなる層の水洗ある
いはアルカリ脱脂による溶解残渣が1mg/m2 未満である
請求項1記載のアルミニウム材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15760392A JPH05320935A (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 成形性、溶接性、耐食性に優れたアルミニウム材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15760392A JPH05320935A (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 成形性、溶接性、耐食性に優れたアルミニウム材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05320935A true JPH05320935A (ja) | 1993-12-07 |
Family
ID=15653337
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15760392A Pending JPH05320935A (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 成形性、溶接性、耐食性に優れたアルミニウム材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05320935A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014198911A (ja) * | 2010-10-18 | 2014-10-23 | 株式会社神戸製鋼所 | アルミニウム合金板、これを用いた接合体および自動車用部材 |
JP2015206117A (ja) * | 2015-05-07 | 2015-11-19 | 株式会社神戸製鋼所 | 表面処理アルミニウム合金板 |
-
1992
- 1992-05-25 JP JP15760392A patent/JPH05320935A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014198911A (ja) * | 2010-10-18 | 2014-10-23 | 株式会社神戸製鋼所 | アルミニウム合金板、これを用いた接合体および自動車用部材 |
JP2015206117A (ja) * | 2015-05-07 | 2015-11-19 | 株式会社神戸製鋼所 | 表面処理アルミニウム合金板 |
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