JP2014198911A - アルミニウム合金板、これを用いた接合体および自動車用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温湿潤環境にさらされても、接着剤の接合界面での界面剥離が発生し難く、したがって接着強度が低下し難い、接着耐久性に優れたアルミニウム合金板、これを用いた接合体および自動車用部材を提供する。
【解決手段】アルミニウム合金板10は、アルミニウム合金基板1と、アルミニウム合金基板1の表面に形成された表面酸化皮膜2とを備え、表面酸化皮膜2は、ジルコニウム量が0.01〜10原子%、マグネシウム量が0.1原子%以上10原子%未満、窒素量が17原子%未満であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム合金板に係り、自動車、船舶、航空機等の車両用、特に自動車パネルに好適に使用することができるアルミニウム合金板、これを用いた接合体および自動車用部材に関する。
従来から、自動車、船舶、航空機等の輸送機の部材として、各種アルミニウム合金板が、合金毎の各特性に応じて汎用されている。特に、近年のCO排出等の地球環境問題を意識して、部材の軽量化による燃費の向上が求められており、比重が鉄の約1/3であり、かつ優れたエネルギ吸収性を有するアルミニウム合金板の使用が増加している。
例えば、自動車用部材として用いられているアルミニウム合金板としては、JIS5000系のAl−Mg系合金板、JIS6000系のAl−Mg−Si系合金板等のMg含有アルミニウム合金板が挙げられる。これらのアルミニウム合金板の接合方法としては、溶接や接着剤による接着またはその両者が併用されている。溶接が点や線で接合するのに対し、接着剤による接着は面全体で接合するので、接合強度がより高くなって、自動車の衝突安全性等の面で有利なため、近年、接着剤による接着が増加傾向である。
一方で、接着剤で接合したアルミニウム合金製自動車用部材は、使用中に水分、酸素、塩化物イオン等がその接合部に浸入することで、次第に、接着剤層とアルミニウム合金板との界面が劣化し、界面剥離が生じ、接着強度が低下するとういう問題があった。
接着剤層を有するアルミニウム合金製自動車用部材の接着耐久性を向上させる方法としては、アルミニウム合金板の表面近傍に存在して界面剥離の原因となる力学的に弱い酸化皮膜を、接着剤を塗布する前に酸洗で事前に除去する方法(例えば、特許文献1参照)、アルミニウム合金板の表面近傍を陽極酸化して、酸化皮膜にアンカー効果をもたらすような表面形態を付与する方法、アルミニウム合金板の表面を温水処理して、酸化皮膜のMg量およびOH量を調整する方法(例えば、特許文献2、3参照)が当業者間で一般的に知られている。
特開平6−256881号公報 特開2006−200007号公報 特開2007−217750号公報
特許文献1に記載された酸洗を行う方法では、合金成分であるMgを多く含有する力学的に弱い酸化皮膜が除去されるため、初期の界面剥離が防止され、接着強度が改善される。しかしながら、水分、酸素、塩化物イオン等が浸透してくる高温湿潤環境(劣化環境)にさらされると、酸化皮膜除去面に合金成分であるCuが濃縮し、そのCuによって接着剤層の劣化が加速する銅害と呼ばれる現象が発生する。その結果、アルミニウム合金板の素地(基板)に水分等が浸透してくることがあり、界面が劣化して、界面剥離を起こして接着強度が低下するという問題がある。
また、陽極酸化を行う方法では、界面の劣化、剥離を防止するためには、接着耐久性を十分に向上させるための表面形態が付与される酸化皮膜を厚く形成する必要があるため、皮膜形成に長時間を要し、生産効率が悪くなるという問題がある。
また、特許文献2、3に記載された温水処理を行う方法では、初期の接着強度、湿潤後の二次密着性は改善されるものの、高温湿潤環境にさらされると界面の水和、基材の溶解により、界面の劣化が進み、界面剥離が発生し、接着強度が低下するという問題がある。
本発明は、前記課題を解決するためのものであり、高温湿潤環境にさらされても、接着剤の接合界面での界面剥離が発生し難く、したがって接着強度が低下し難い、接着耐久性に優れたアルミニウム合金板、これを用いた接合体および自動車用部材を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係るアルミニウム合金板は、アルミニウム合金基板と、前記アルミニウム合金基板の表面に形成された表面酸化皮膜とを備え、前記表面酸化皮膜は、ジルコニウム量が0.01〜10原子%、マグネシウム量が0.1原子%以上10原子%未満、窒素量が17原子%未満であることを特徴とする。
このような構成によれば、所定量のジルコニウムおよびマグネシウムを含有する表面酸化皮膜を備えるため、アルミニウム合金板を接着部材で接合した際、高温湿潤環境にさらされても、接着部材と表面酸化皮膜との界面における水和が抑制できると共に、アルミニウム合金基板の溶出を抑制できる。その結果、界面剥離が抑制でき、接着強度の低下が抑制できる。また、ジルコニウムとマグネシウムの両者の含有量を制御するため、接着部材を構成する接着剤の種類に影響されず、従来からアルミニウム合金板を接合する際に用いられてきた接着剤全般において、界面剥離が抑制でき、接着強度の低下が抑制できる。また、表面酸化皮膜の窒素量が所定範囲であるため、表面酸化皮膜の窒素と接着剤に含まれている成分との反応が抑制され、アルミニウム合金板の接合の際、接着強度の低下がさらに抑制できる。
本発明に係るアルミニウム合金板は、前記表面酸化皮膜の表面に、接着剤からなる接着剤層をさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、アルミニウム合金板が接着剤層をあらかじめ備えるため、アルミニウム合金板を用いて接合体または自動車用部材を作製する際、アルミニウム合金板の表面での接着部材の形成作業を省略できる。
本発明に係るアルミニウム合金板は、前記表面酸化皮膜のジルコニウム量(Zr量)とマグネシウム量(Mg量)との比率(Zr量/Mg量)が0.0025〜80であることが好ましい。
このような構成によれば、表面酸化皮膜がジルコニウム量とマグネシウム量との比率が所定範囲であるため、接着部材(接着剤層)と表面酸化皮膜との界面における水和がさらに抑制できると共に、アルミニウム合金基板の溶出をさらに抑制できる。その結果、界面剥離がさらに抑制でき、接着強度の低下がさらに抑制できる。
本発明に係るアルミニウム合金板は、前記アルミニウム合金基板が、Al−Mg系合金、Al−Cu−Mg系合金、Al−Mg−Si系合金またはAl−Zn−Mg系合金からなることが好ましい。
このような構成によれば、アルミニウム合金基板をマグネシウム含有量が比較的多い合金種から構成した場合には、基板表面にマグネシウムが濃化して接着界面に弱境界層が発生し易いが、基板表面に形成された表面酸化皮膜のマグネシウム量を所定範囲に制御、具体的には濃化したマグネシウムを除去して所定範囲に制御されるため、基板をマグネシウム含有量が比較的多い合金種で構成しても、界面剥離が抑制でき、接着強度の低下を抑制できる。
本発明に係る接合体は、接着剤層を備えていない前記アルミニウム合金同士が、接着剤からなる接着部材を介して、接合された接合体であって、前記接着部材は、2つの前記アルミニウム合金板の表面酸化皮膜側に接合され、2つの前記アルミニウム合金板の表面酸化皮膜のそれぞれは、前記接着部材を介して互いに対向するように配置されていることを特徴とする。
また、本発明に係る接合体は、接着剤層を備えていない前記アルミニウム合金板からなる第1アルミニウム合金板に、接着剤からなる接着部材を介して、アルミニウム合金からなる第2アルミニウム合金板が接合された接合体であって、前記接着部材は、前記第1アルミニウム合金板の表面酸化皮膜側に接合されていることを特徴とする。
また、本発明に係る接合体は、接着剤層を備えた前記アルミニウム合金板の接着剤層側に、接着剤層を備えていない前記アルミニウム合金板が接合された接合体であって、2つの前記アルミニウム合金板の表面酸化皮膜のそれぞれは、前記接着剤層を介して互いに対向するように配置されていることを特徴とする。
さらに、本発明に係る接合体は、接着剤層を備えた前記アルミニウム合金板からなる第1アルミニウム合金板に、アルミニウム合金からなる第2アルミニウム合金板が接合された接合体であって、前記第2アルミニウム合金板は、前記第1アルミニウム合金板の接着剤層側に接合されていることを特徴とする。
このような構成によれば、所定量のジルコニウムおよびマグネシウムを含有する表面酸化皮膜を備えたアルミニウム合金板で構成され、そのアルミニウム合金板(第1アルミニウム合金板)の表面酸化皮膜側に接着部材または接着剤層が接合されているため、接合体を自動車用部材に用いた際、高温湿潤環境にさらされても、接着部材または接着剤層と、表面酸化皮膜との界面における水和が抑制できると共に、アルミニウム合金基板の溶出を抑制できる。その結果、界面剥離が抑制でき、接着強度の低下が抑制できる。また、ジルコニウム量とマグネシウム量の両者の含有量を制御するため、接着部材または接着剤層を構成する接着剤の種類に影響されず、従来からアルミニウム合金板を接合する際に用いられてきた接着剤全般において、界面剥離が抑制でき、接着強度の低下が抑制できる。
本発明に係る自動車用部材は、前記接合体から製造されることを特徴とする。
このような構成によれば、前記のような接合体から製造されるため、自動車用部材が高温湿潤環境にさらされても、自動車用部材を構成する接合体において、接着部材または接着剤層と、表面酸化皮膜との界面における水和が抑制できると共に、アルミニウム合金基板の溶出を抑制できる。その結果、界面剥離が抑制でき、接着強度の低下が抑制できる。
本発明によれば、高温湿潤環境にさらされても、接着剤の接合界面での界面剥離が発生し難く、したがって接着強度が低下し難い、接着耐久性に優れた、かつ、その接着耐久性が接着剤の種類に影響されないアルミニウム合金板、これを用いた接合体を提供できる。また、接着耐久性に優れた自動車用部材を提供できる。
(a)、(b)は、本発明に係るアルミニウム合金板の構成を模式的に示す断面図である。 図1(a)、(b)のアルミニウム合金板の製造方法を示す工程フローである。 (a)〜(d)は、本発明に係る接合体の構成を模式的に示す断面図である。 実施例で作製した接着試験体の形状を示し、(a)は側面図、(b)は平面図である。
≪アルミニウム合金板≫
以下、本発明に係るアルミニウム合金板について、図1(a)を参照して具体的に説明する。図1(a)に示すように、アルミニウム合金板10は、アルミニウム合金基板1(以下、基板と称す)と、この基板1の表面に形成された表面酸化皮膜2とを備えている。なお、表面酸化皮膜2は、後記するように、製造方法においては、初めに酸化皮膜を形成し、その後、形成した酸化皮膜をジルコニウム塩水溶液で表面処理することにより、酸化皮膜に二酸化ジルコニウムが付着あるいは入り込み、かつ、酸化皮膜のマグネシウム量が制御された皮膜として形成するようにしている。
なお、ここで、基板1の表面とは、基板1の表面の少なくとも一面を意味し、いわゆる片面、両面が含まれる。
以下、アルミニウム合金板10の各構成について説明する。
<基板>
基板1は、アルミニウム合金からなり、アルミニウム合金板10の用途に応じて、JISに規定される、またはJISに近似する種々の非熱処理型アルミニウム合金または熱処理型アルミニウム合金から適宜選択される。なお、非熱処理型アルミニウム合金は、純アルミニウム(1000系)、Al−Mn系合金(3000系)、Al−Si系合金(4000系)およびAl−Mg系合金(5000系)であり、熱処理型アルミニウム合金は、Al−Cu−Mg系合金(2000系)、Al−Mg−Si系合金(6000系)およびAl−Zn−Mg系合金(7000系)である。
具体例を挙げると、アルミニウム合金板10を自動車用に用いる場合では、0.2%耐力が100MPa以上の高強度の基板であることが好ましい。このような特性を満足する基板を構成するアルミニウム合金としては、通常、この種の構造部材用途に汎用される、2000系、5000系、6000系、7000系等のマグネシウムを比較的多く含有し、耐力が比較的高い汎用合金であって、必要により調質されたアルミニウム合金が好適に用いられる。優れた時効硬化能や合金元素量が比較的少なくスクラップのリサイクル性や成形性にも優れている点では、6000系アルミニウム合金を用いることが好ましい。
<表面酸化皮膜>
表面酸化皮膜2は、高温湿潤環境にさらされた場合でも接着耐久性の向上を図るために、基板1の表面に、所定量のジルコニウム、マグネシウムおよび窒素を含有する皮膜として形成されるものである。なお、表面酸化皮膜2の形成は、ここでは、後記する表面酸化皮膜形成工程S2(図2参照)において、加熱処理により基板1の表面に酸化皮膜を形成した後に、酸化皮膜の表面をジルコニウム塩水溶液で表面処理を行った酸化皮膜の全体で表面酸化皮膜2を形成している。
(ジルコニウム量)
表面酸化皮膜2は、ジルコニウム量が0.01〜10原子%の範囲として有している。表面酸化皮膜2のジルコニウム量が0.01〜10原子%となるようにジルコニウムを含有させることで、表面酸化皮膜2の水、酸素、塩化物イオンなどの劣化因子に対する安定性が増し、接着剤と表面酸化皮膜2の界面における水和が抑制されると共に、基板1の溶出が抑制される。その結果、アルミニウム合金板10の接着耐久性が向上する。表面酸化皮膜2のジルコニウム量が0.01原子%未満であると、効果がなく、10原子%を超えると効果が飽和する。ジルコニウム量は、0.02〜8原子%が好ましく、0.04〜6原子%がより好ましい。ジルコニウムを表面酸化皮膜2へ含有させる方法としては、例えば、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウムのようなジルコニウム塩の水溶液で表面酸化皮膜2を表面処理することが挙げられる。また、表面酸化皮膜2のジルコニウム量を調整するためには、表面処理の処理時間、温度、表面処理液の濃度、pHを調整することで所望のジルコニウム量にすることができる。
(マグネシウム量)
表面酸化皮膜2は、マグネシウム量が0.1原子%以上10原子%未満の範囲として有している。
基板1を構成するアルミニウム合金は、通常、合金成分としてマグネシウムを含有している。そして、基板1の表面に形成された表面酸化皮膜2においては、その表面にマグネシウムが濃化した状態で存在し、そのマグネシウムが接着界面の弱境界層となり初期の接着耐久性が低下する。また、水分、酸素、塩化物イオンなどが浸透してくる高温湿潤環境においては、接着剤との界面の水和、基板1の溶解の原因となり、アルミニウム合金板10の接着耐久性を低下させる。したがって、表面酸化皮膜2の表面処理により、マグネシウム量を10原子%未満に調整して接着耐久性を向上させる。マグネシウム量は、8原子%未満が好ましく、6原子%未満がより好ましい。マグネシウム量の下限値は、経済性の観点から0.1原子%以上である。表面酸化皮膜2のマグネシウム量を調整する調整方法としては、例えば、硝酸、硫酸などの酸や、ジルコニウム塩など水溶液で表面酸化皮膜2を表面処理し、表面処理の処理時間、温度、表面処理液の濃度やpHを調整することで所望のマグネシウム量にすることができる。すなわち、表面酸化皮膜2のマグネシウムが酸やジルコニウム塩水溶液に溶解することによって、表面酸化皮膜2のマグネシウム量が調整される。
また、表面酸化皮膜2のジルコニウム量とマグネシウム量をそれぞれ単独で制御することでも、制御しないよりは接着耐久性の向上効果はみられる。しかし、表面酸化皮膜2のジルコニウム量とマグネシウム量のどちらか一方の制御であると、接着剤の種類によって改善効果が見られない場合もあり、安定した接着耐久性を発現しない。接着剤の種類によっては、接着耐久性がマグネシウム量に敏感に影響する接着剤もあり、また、ジルコニウム量に敏感に影響する接着剤もあるので、全般的な熱硬化系の接着剤における接着耐久性の向上のためにはジルコニウム量とマグネシウム量を両方制御することが重要である。
また、表面酸化皮膜2は、ジルコニウム量(Zr量)とマグネシウム量(Mg量)との比率(Zr量/Mg量)が0.0025〜80であることが好ましい。比率(Zr量/Mg量)が所定範囲であることによって、接着剤と表面酸化皮膜2との界面における水和がさらに抑制できると共に、基板1の溶出をさらに抑制できる。その結果、界面剥離がさらに抑制でき、アルミニウム合金板10の接着強度の低下がさらに抑制でき、接着耐久性がさらに向上する。
(窒素量)
表面酸化皮膜2は、ジルコニウム量、マグネシウム量と合わせて、窒素量が17原子%未満の範囲である。表面酸化皮膜2の窒素量が17原子%未満であることによって、アルミニウム合金板10の接着耐久性が安定的にさらに向上する。表面酸化皮膜2の窒素量が17原子%以上であっても、ある程度の接着耐久性は得られるが、17原子%未満のものに比べ安定的な接着耐久性を得ることができない。表面酸化皮膜2中の窒素は、表面処理液中のコンタミ成分(例えばアミノ酸のような窒素含有化合物やアンモニウム塩)、表面処理液としてのジルコニウム硝酸塩、表面処理液のpH調整のために添加した硝酸に由来する成分である。表面酸化皮膜2の窒素量が17原子%以上である場合、具体的には、表面処理液中のコンタミ成分や硝酸イオンが多い場合には、表面酸化皮膜2中の窒素と接着剤に含まれている成分とが反応し、硬化時に接着剤が変質し、アルミニウム合金板10の接着耐久性が低下しやすくなる。表面酸化皮膜2の窒素量は、16原子%未満が好ましく、15原子%未満がさらに好ましい。
また、表面酸化皮膜2は、前記した所定量のジルコニウムと、前記した所定量のマグネシウムと、前記した所定量の窒素とを含有し、合わせて、ハロゲンおよびリンを実質的に含有しないものであることが好ましい。ハロゲンおよびリンを実質的に含有しないとは、例えば、ハロゲンおよびリンを測定した際、フッ素:0.1原子%未満、塩素:0.1原子%未満、臭素:0.1原子%未満、ヨウ素:0.1原子%未満、アスタチン:0.1原子%未満、リン:0.1原子%未満であることを意味する。そして、表面酸化皮膜2がハロゲンを含有する場合には、ハロゲンに対応する製造設備に負荷がかかる。また、表面酸化皮膜2がリンを含有する場合には、表面処理液を排液する際に沈殿が生じ易く、環境を汚染し易い。
さらに、表面酸化皮膜2は、前記の元素(ジルコニウム、マグネシウム、窒素、ハロゲンおよびリン)のほかに、残部が酸素、アルミニウムおよび不純物からなる。酸素、アルミニウムの好ましい含有量はそれぞれ、15〜80原子%である。不純物としてはC、Si、Ca、Fe、Cu、Mn、Ti、Zn、Ni等が挙げられ、Cであれば10原子%未満、その他の不純物であれば7原子%未満の含有量は許容される。
(膜厚)
この表面酸化皮膜2は、その膜厚が1〜30nmであることが好ましい。膜厚が1nm未満では、基板1を作製する際に使用される防錆油、および、アルミニウム合金板10から接合体(図3(a)〜(d)参照)および自動車用部材(図示せず)を作製する際に使用されるプレス油中のエステル成分の吸着が抑制される。そのため、表面酸化皮膜2が無くても、アルミニウム合金板10の脱脂性、化成処理性、接着耐久性が確保されるが、表面酸化皮膜2の膜厚を1nm未満に制御するには過度の酸洗浄等が必要となり、生産性に劣り、実用性が低下し易い。一方、表面酸化皮膜2の膜厚が30nmを超える場合には、皮膜量が過剰のために表面に凹凸ができ易く、結果的に化成ムラが生じ易く、化成性が低下し易い。なお、膜厚のさらに好ましい範囲は10〜20nmである。
なお、表面酸化皮膜2の膜厚は、後記する表面酸化皮膜形成工程S2(図2参照)における加熱処理により形成される酸化皮膜によって決定される要因が大きい。そして、後記するジルコニウム塩水溶液による表面処理では、酸化皮膜に二酸化ジルコニウムが付着あるいは入り込み、かつ、酸化皮膜に含有されるマグネシウム量が制御されるため、大部分は加熱処理で形成された酸化皮膜の膜厚で決められる。なお、酸化皮膜の膜厚は加熱温度によって制御される。また、加熱処理により形成される酸化皮膜は、基板1の表面に形成される凸凹状の多孔質皮膜であり、酸化マグネシウムを主成分とする皮膜である。
(表面酸化皮膜中の元素量および膜厚測定法)
基板1の表面に形成された表面酸化皮膜2中の元素量(ジルコニウム量、マグネシウム量、窒素量、ハロゲン量、リン量等)は、GD−OES(グロー放電発光分析装置(Glow Discharge Optical Emission Spectroscopy))によって測定され、表面酸化皮膜2の深さ方向プロファイルにおいて酸素量の測定値が15原子%以下となる深さまで測定した際の所定元素の測定最大値を元素量とした。また、GD−OESは、表面酸化皮膜2の膜厚についても測定することが可能である。すなわち、GD−OESにより測定した、深さ方向プロファイルにおいて酸素量の測定値が15原子%以下となる深さを表面酸化皮膜2の膜厚とすることができる。なお、元素量および膜厚は、表面酸化皮膜2の表面における数箇所の測定結果の平均値とすることができるのはいうまでもない。なお、ジルコニウム量は、表面酸化皮膜2の二酸化ジルコニウム量から求めることもできる。つまり、二酸化ジルコニウム量を求め、その求めた二酸化ジルコニウム量から所定の演算によりジルコニウム量を算出する。
また、元素量および膜厚の測定法は、GD−OESと同精度を持つ測定法であれば、特にGD−OESに限定されず、AES(オージェ電子分光法)、XPS(X線光電子分光法)等でもよい。
図1(b)に示すように、本発明に係るアルミニウム合金板10Aは、表面酸化皮膜2の表面に、接着剤からなる接着剤層3をさらに備えることが好ましい。
<接着剤層>
この接着剤層3を構成する接着剤としては、特に限定されるものではなく、従来からアルミニウム合金板を接合する際に用いられてきた接着剤を用いることができる。例えば、熱硬化型のエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。接着剤層3の厚さは、特に限定されるものではないが、10〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。接着剤層3の厚さが10μm未満の場合には、アルミニウム合金板10Aと、他の接着剤層を備えていないアルミニウム合金板10(図1(a)参照)とを接着剤層3を介して高い接着耐久性で接合できない場合がある。すなわち、後記する図3(c)の接合体20Bの接着耐久性が低下する場合がある。接着剤層3の厚さが500μmを超える場合には、凝集破壊強度が小さくなる場合がある。
≪アルミニウム合金板の製造方法≫
次に、前記したアルミニウム合金板の製造方法について、図2を参照して説明する。なお、アルミニウム合金板の構成については、図1(a)、(b)を参照する。
アルミニウム合金板10の製造方法は、基板作製工程S1と、表面酸化皮膜形成工程S2とを含むものである。以下、各工程について説明する。
<基板作製工程>
基板作製工程S1は、圧延によって基板1を作製する工程である。具体的には、以下のような手順で基板1を作製することが好ましい。
所定の組成を有するアルミニウム合金を連続鋳造により溶解、鋳造して鋳塊を製造し(溶解鋳造工程)、前記製造された鋳塊に均質化熱処理を施す(均質化熱処理工程)。次に、前記均質化熱処理された鋳塊に、熱間圧延を施して熱延板を製造する(熱間圧延工程)。次いで、熱延板に300〜580℃で荒焼鈍または中間焼鈍を行い、最終冷間圧延率5%以上の冷間圧延を少なくとも1回施して、所定の板厚の冷延板(基板1)を製造する(冷間圧延工程)。荒焼鈍または中間焼鈍の温度を300℃以上とすることで、成形性向上の効果がより発揮され、580℃以下とすることで、バーニングの発生による成形性の低下を抑制しやすくなる。最終冷間圧延率を5%以上とすることで、成形性向上の効果がより発揮される。なお、均質化熱処理、熱間圧延の条件は、特に限定されるものではなく、熱延板を通常得る場合の条件でよい。また、中間焼鈍は行わなくてもよい。
<表面酸化皮膜形成工程>
表面酸化皮膜形成工程S2は、前工程S1で作製された基板1の表面に表面酸化皮膜2を形成させる工程である。そして、例えば、基板1を加熱処理し、それに続いて表面処理を行うことによって、表面酸化皮膜2のジルコニウム量、マグネシウム量および窒素量を所定範囲に調整する工程である。
(加熱処理)
加熱処理は、基板1を400〜580℃に加熱して、基板1の表面に、表面酸化皮膜2を構成する酸化皮膜を形成するものである。また、加熱処理は、アルミニウム合金板10の強度を調整するものでもある。なお、加熱処理は、加熱速度100℃/分以上の急速加熱とすることが好ましい。
そして、加熱処理は、基板1が熱処理型アルミニウム合金からなる場合には溶体化処理であって、基板1が非熱処理型アルミニウム合金からなる場合には、焼鈍(最終焼鈍)における加熱処理である。
加熱温度400℃以上に急速加熱することで、アルミニウム合金板10の強度、および、そのアルミニウム合金板10の塗装後加熱(ベーキング)した後の強度がより高くなる。加熱温度580℃以下に急速加熱することで、バーニングの発生による成形性の低下が抑制される。また、加熱温度400〜580℃で加熱することで、基板1の表面に、表面酸化皮膜2を構成する膜厚:1〜30nmの酸化皮膜が形成される。なお、強度を向上させる観点から、保持時間は、3〜30秒が好ましい。
(表面処理)
表面処理は、酸化皮膜が形成された基板1の表面に表面処理を行うもので、この表面処理によって、前記加熱処理で形成された酸化皮膜、すなわち、酸化皮膜が表面処理された表面酸化皮膜2のジルコニウム量、マグネシウム量および窒素量が所定範囲に調整される。
表面処理では、表面処理液として、濃度が0.01〜15質量%、pHが5未満のジルコニウム塩水溶液を用いる。また、表面処理では、pHを調整するために硝酸、硫酸などの酸を添加してもよい。さらに、表面処理では、処理温度が10〜90℃、処理時間が1〜200秒である。この表面処理では、例えば、酸化皮膜が形成された基板1に対して、シャワーや噴霧することでジルコニウム塩水溶液を吹き付けること、ジルコニウム塩水溶液中を通過させること、または、ジルコニウム塩水溶液に浸漬することにより、基板1の表面処理を行うようにしている。また、表面処理液としては、含有する窒素量が17原子%未満である。または、ハロゲンおよびリンを含有しないものを用いることが好ましい。
表面処理液として、0.01〜15質量%のジルコニウム塩水溶液を用いることで、表面酸化皮膜2のジルコニウム量が0.01〜10原子%、かつ、マグネシウム量が0.1原子%以上10原子%未満となる。ジルコニウム塩水溶液の濃度が0.01質量%未満では、表面酸化皮膜2のジルコニウム量が少なく(0.01原子%未満)、かつ、マグネシウム量が多くなり(10原子%以上)、アルミニウム合金板10の接着耐久性が確保できない。一方、ジルコニウム塩水溶液の濃度が15質量%を超えると、表面酸化皮膜2のジルコニウム量が多く(10原子%を超える)、または、マグネシウム量が少なくなり(0.1原子%未満)、接着耐久性の向上効果が飽和する。ジルコニウム塩水溶液の濃度は、0.01〜15質量%が好ましい。
表面処理液としてのジルコニウム塩水溶液のpHが5を超えると、表面処理液の安定性が低下し、表面処理液中に沈殿が発生し易くなる。表面処理液中に沈殿が発生すると、アルミニウム合金板10の板表面に沈殿が異物として押し込まれ、外観不良となるため、好ましくない。表面処理液としてのジルコニウム塩水溶液のpHは5未満が好ましい。
表面処理液としてのジルコニウム塩水溶液の処理温度が10℃未満または処理時間が1秒未満では、表面酸化皮膜2のジルコニウム量が0.01原子%未満、かつ、マグネシウム量が10原子%以上となり、アルミニウム合金板10の接着耐久性が確保できない。一方、ジルコニウム塩水溶液の処理温度が90℃を超えると、または、処理時間が200秒を超えると、表面酸化皮膜2のジルコニウム量が10原子%を超え、または、マグネシウム量が0.1原子%未満となり、接着耐久性の向上効果が飽和する。ジルコニウム塩水溶液の処理温度は10〜90℃、処理時間は1〜200秒が好ましい。
表面処理液としてのジルコニウム塩水溶液の窒素量が17原子%以上であっても、本発明のアルミニウム合金板10の接着耐久性は達成できるが、窒素量が17原子%未満の場合と比べると、安定的な接着耐久性の向上を得ることができない。また、表面処理液としてのジルコニウム塩水溶液がハロゲンおよびリンを含有しないとは、前記したように、GD−OES等でハロゲンおよびリンを測定した際、測定できないこと、すなわち、測定限界未満であることを意味する。そして、表面処理液がハロゲンを含有する場合には、製造設備に負荷がかかる。また、表面処理液がリンを含有する場合には、表面処理液を排液する際に沈殿が生じ易く、環境を汚染し易い。なお、表面処理液における窒素量、ハロゲン量およびリン量の制御は、表面処理液のジルコニウム量およびマグネシウム量を濃度や処理条件により制御する際に同時に行う。
また、前記したジルコニウム塩水溶液での表面処理に先立って、表面酸化皮膜2からのマグネシウム除去を目的として、すなわち、表面酸化皮膜2のマグネシウム量を0.1原子%以上10原子%未満とするために、表面処理液として硝酸、硫酸等の酸を用いた表面処理、いわゆる酸洗浄を行ってもよい。そして、酸洗浄の条件としては、酸濃度が0.5〜6N、pHが1未満、洗浄温度が20〜80℃、洗浄時間が1〜100秒が好ましい。
次に、接着剤層3を備えたアルミニウム合金板10Aの製造方法について説明する。アルミニウム合金板10Aの製造方法は、基板作製工程S1と、表面酸化皮膜形成工程S2と、接着剤層形成工程S3とを含むものである。基板作製工程S1、表面酸化皮膜形成工程S2は前記のとおりであるので、説明を省略する。
<接着剤層形成工程>
接着剤層形成工程S3は、前記工程S2で形成された表面酸化皮膜2の表面に、接着剤からなる接着剤層3を形成させる工程である。接着剤層3の形成方法については、特に限定されるものではないが、例えば、接着剤が固体である場合には、これを溶剤に溶解させて溶液とした後に、また、接着剤が液状である場合にはそのまま、表面酸化皮膜2の表面に噴霧したり塗布する方法が挙げられる。
アルミニウム合金板10、10Aの製造方法は、以上説明したとおりであるが、アルミニウム合金板10、10Aの製造を行うにあたり、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間あるいは前後に、他の工程を含めてもよい。例えば、前記表面酸化皮膜形成工程S2または接着剤層形成工程S3の後に予備時効処理を施す予備時効処理工程を設けてもよい。予備時効処理は、72時間以内に40〜120℃で8〜36時間の低温加熱することにより行うのが好ましい。この条件で予備時効処理することにより、成形性、および、ベーキング後の強度向上を図ることができる。
その他、例えばアルミニウム合金板10、10Aの板表面の異物を除去する異物除去工程や、各工程で発生した不良品を除去する不良品除去工程等を含めてもよい。
そして、製造されたアルミニウム合金板10、10Aは、接合体の作製前または自動車用部材への成形前、その表面にプレス油が塗布される。プレス油は、エステル成分を含有するものが主に使用される。
次に、本発明に係るアルミニウム合金板10、10Aにプレス油を塗布する方法について説明する。
プレス油の塗布の方法としては、例えば、エステル成分としてオレイン酸エチルを含有するプレス油に、アルミニウム合金板10、10Aを浸漬させるだけでよい。エステル成分を含有するプレス油を塗布する方法や条件は、特に限定されるものではなく、通常のプレス油を塗布する方法や条件が広く適用できる。また、エステル成分もオレイン酸エチルに限定されるものではなく、ステアリン酸ブチルやソルビタンモノステアレート等、様々なものを利用することができる。
≪接合体≫
次に、本発明に係る接合体について説明する。なお、以下では、アルミニウム合金板10、10Aは、片面に表面酸化皮膜2を備えるもの(図1(a)、(b)参照)で説明する。
図3(a)に示すように、接合体20は、2つのアルミニウム合金板10、10と、接着部材11とを備える。具体的には、接合体20は、アルミニウム合金板同士10、10が、接着部材11を介して接合されている。そして、接着部材11は、その一面は一方のアルミニウム合金板10の表面酸化皮膜2側に接合され、その他面は他方のアルミニウム合金板10の表面酸化皮膜2側に接合されている。その結果、2つのアルミニウム合金板10、10の表面酸化皮膜2、2のそれぞれは、接着部材11を介して互いに対向するように配置されることとなる。
<アルミニウム合金板>
アルミニウム合金板10については、前記したとおりであるので説明を省略する。
<接着部材>
接着部材11は、接着剤からなるもので、前記した接着剤層3と同様なものである。具体的には、接着部材11は、熱硬化型のエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の接着剤からなる。また、接着部材11の厚さは、特に限定されるものではないが、好ましくは10〜500μm、より好ましくは50〜200μmである。
接合体20では、前記したように、接着部材11の両面が、所定量のジルコニウムおよびマグネシウムを含有する表面酸化皮膜2に接合されているため、接合体20を自動車用部材に用いた際、高温湿潤環境にさらされても、接着部材11と表面酸化皮膜2との界面の接着強度の低下が抑制され、接着耐久性が向上する。加えて、接着部材11を構成する接着剤の種類に影響されず、従来からアルミニウム合金板の接合に用いられている接着剤全般において界面での接着耐久性が向上する。
図3(b)に示すように、接合体20Aは、前記した接合体20の2つのアルミニウム合金板10、10(図3(a)参照)の一方に第2アルミニウム合金板12を用いたものである。具体的には、アルミニウム合金板10からなる第1アルミニウム合金板10aに、接着部材11を介して、アルミニウム合金からなる第2アルミニウム合金板12が接合され、接着部材11は、第1アルミニウム合金板10aの表面酸化皮膜2側に接合されている。なお、第1アルミニウム合金板10aはアルミニウム合金板10からなり、アルミニウム合金板10は前記したとおりであるので、説明を省略する。
<第2アルミニウム合金板>
第2アルミニウム合金板12は、前記した基板1と同様なもので、具体的には、JISに規定される、またはJISに近似する種々の非熱処理型アルミニウム合金または熱処理型アルミニウム合金からなる。
接合体20Aでは、接着部材11の片面が表面酸化皮膜2側に接合されているため、前記した接合体20と同様に、接合体20Aを自動車用部材に用いた際、高温湿潤環境にさらされても、界面での接着耐久性が向上し、加えて、接着耐久性は接着剤の種類に影響されない。
図3(c)に示すように、接合体20Bは、接着剤層3を備えたアルミニウム合金板10A(図1(b)参照)と、接着剤層3を備えていないアルミニウム合金板10とを備える。具体的には、アルミニウム合金板10Aの接着剤層3側に、アルミニウム合金板10の表面酸化皮膜2が接合されたものである。その結果、2つのアルミニウム合金板10A、10の表面酸化皮膜2、2のそれぞれは、アルミニウム合金板10Aの接着剤層3を介して互いに対向するように配置されることとなる。なお、2つのアルミニウム合金板10A、10については、前記したとおりであるので説明を省略する。
接合体20Bでは、接着剤層3の両面が表面酸化皮膜2側に接合されているため、前記した接合体20と同様に、接合体20Bを自動車用部材に用いた際、高温湿潤環境にさらされても、界面での接着耐久性が向上し、加えて、接着耐久性は接着剤の種類に影響されない。
図3(d)に示すように、接合体20Cは、前記した接合体20Bの接着剤層3を備えていないアルミニウム合金板10(図3(c)参照)の代わりに第2アルミニウム合金板12を用いたものである。具体的には、接着剤層3を備えたアルミニウム合金板10Aからなる第1アルミニウム合金板10Aaに、アルミニウム合金からなる第2アルミニウム合金板12が接合されたものであって、第2アルミニウム合金板12は、第1アルミニウム合金板10Aaの接着剤層3側に接合されている。なお、第1アルミニウム合金板10Aaはアルミニウム合金板10Aからなり、アルミニウム合金板10Aは前記したとおりであるので、説明を省略する。また、第2アルミニウム合金板12は、前記したとおりであるので説明を省略する。
接合体20Cでは、接着剤層3の片面が表面酸化皮膜2側に接合されているため、前記した接合体20と同様に、接合体20Cを自動車用部材に用いた際、高温湿潤環境にさらされても、界面での接着耐久性が向上し、加えて、接着耐久性は接着剤の種類に影響されない。
接合体20、20A〜20Cの製造方法、具体的には接合方法は、従来公知の接合方法が用いられる。そして、接着部材11の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えば、予め接着剤によって作製した接着部材11を用いてもよいし、接着剤を表面酸化皮膜2の表面に噴霧または塗布することによって形成してもよい。なお、接合体20、20A〜20Cは、アルミニウム合金板10、10Aと同様に、自動車用部材への成形前、その表面にプレス油を塗布してもよい。
接合体20、20A〜20Cにおいて、図示しないが、アルミニウム合金板10、10A(第1アルミニウム合金板10a、10Aa)として両面に表面酸化皮膜2を備えるものを用いた場合には、接着部材11または接着剤層3を介して、アルミニウム合金板10、10A(第1アルミニウム合金板10a、10Aa)または第2アルミニウム合金板12をさらに接合することが可能となる。
≪自動車用部材≫
次に、本発明に係る自動車用部材について説明する。
図示しないが、自動車用部材は、前記した接合体20、20A〜20Cから製造されるものである。そして、自動車用部材は、例えば、自動車用パネル等である。また、自動車用部材の製造方法は、特に限定されるものではないが、従来公知の製造方法を用いる。例えば、前記した接合体20、20A〜20Cに切断加工、プレス加工等を施して所定形状の自動車用部材を製造する。
なお、自動車用部材は、前記した接合体20、20A〜20Cから製造されるため、高温湿潤環境にさらされても、界面での接着耐久性が向上する。
次に、本発明のアルミニウム合金板について、本発明の要件を満たす実施例と、本発明の要件を満たさない比較例と、を対比させて具体的に説明する。
JIS規定の6022規格(Mg:0.55質量%、Si:0.95質量%)の6000系アルミニウム合金を用いて、前記した製造方法により、アルミニウム合金冷延板(板厚1mm)を作製した。この冷延板の0.2%耐力は230MPaであった。そして、この冷延板を長さ100mm×幅25mmに切断して基板とした。この基板をアルカリ脱脂し、基板を実体到達温度550℃まで加熱処理し、冷却した後、硝酸を添加してpHを4未満に調整した硝酸ジルコニウムを0.01〜15質量%含有する水溶液に10〜80℃で2〜20秒浸漬することによって、基板の両面にジルコニウム量、マグネシウム量および窒素量が制御された表面酸化皮膜が形成されたアルミニウム合金板を作製した。次いで、水洗・乾燥して、供試材(No.1〜13)とした。ただし、供試材(No.1)は、硝酸ジルコニウム水溶液への浸漬を行わなかった。
前記の供試材(No.1〜13)について、表面酸化皮膜のジルコニウム(Zr)、マグネシウム(Mg)、窒素(N)、ハロゲン、リンの含有量を高周波グロー放電発光分光分析(GD−OES(ホリバ・ジョバンイボン社製、型式JY−5000RF))によって測定した。その結果を表1に示す。
なお、供試材(No.1〜13)の全てにおいてハロゲン、リンは検出されず、Mg、Zr、Nの含有量の合計が100原子%にならない場合には、OやAl、微量不純物を含んでいる。
次に、供試材(No.1〜13)を用いて、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
<凝集破壊率(接着耐久性)>
図4(a)、(b)に示すように、構成が同じ2枚の供試材(25mm幅)の端部を、熱硬化型エポキシ樹脂系接着剤によりラップ長13mm(接着面積:25mm×13mm)となるように重ね合わせ貼り付けた。ここで用いた接着剤Aは熱硬化型エポキシ樹脂系接着剤(ビスフェノールA型エポキシ樹脂量30〜40%、バリウムフェライト添加あり)、接着剤Bは熱硬化型エポキシ樹脂系接着剤(ビスフェノールA型エポキシ樹脂量40〜50%、バリウムフェライト添加なし)である。そして、接着剤層の膜厚が150μmとなるように微量のガラスビーズ(粒径150μm)を接着剤に添加して調節した。重ね合わせてから30分間、室温で乾燥させて、その後、170℃で20分間加熱し、熱硬化処理を実施した。その後、室温で24時間静置して接着試験体を作製した。
作製した接着試験体を、初期と、50℃、相対湿度95%の高温湿潤環境に10日間保持後との2つの試験条件で、引張試験機にて50mm/分の速度で引張り、接着部分の接着剤の凝集破壊率を評価した。凝集破壊率は下記の式(1)の様に求めた。式(1)において、接着試験体の引張後の片側を試験片A、もう片方を試験片Bとした。
凝集破壊率(%)=100−{(試験片Aの界面剥離面積/試験片Aの接着面積)×1
00}+{(試験片Bの界面剥離面積/試験片Bの接着面積)×100}・・・(1)
なお、各試験条件とも3本ずつ作製し、凝集破壊率は3本の平均値とした。また、評価基準は、凝集破壊率が60%未満を不良「×」、60%以上80%未満をやや不良「△」、80%以上90%未満を良好「○」、90%以上を優れている「◎」とした。
Figure 2014198911
表1に示すように、比較例である硝酸ジルコニウム水溶液への浸漬を行わなかった供試材(No.1)は、初期および高温湿潤後の両者において、凝集破壊率が不良であった。また、比較例であるMg量、N量を制御した供試材(No.2)、Zr量、N量を制御した供試材(No.3)は、凝集破壊率の若干の改善が見られるものの、接着剤の種類によっては高温湿潤後の改善効果が見られなかった。
一方、実施例である供試材(No.4〜11、13)は、Zr量、Mg量およびN量を適切に制御することで、初期および高温湿潤後の両者において、凝集破壊率が良好「○」以上の評価であった。また、Zr量およびMg量を好ましい範囲に制御することで(供試材(No.6〜9))、高温湿潤後でも優れた凝集破壊率(「◎」)を示した。なお、Zr量およびMg量が好ましい範囲である場合でも、N量が所定の範囲を超える場合(参考例である供試材(No.12))には、高温湿潤後の凝集破壊率が良好「○」にとどまった。したがって、N量を制御することで、接着耐久性が安定的にさらに向上することが確認された。
以上、本発明に係るアルミニウム合金板について実施の形態および実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されることなく、その権利範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて解釈しなければならない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて改変・変更等することができることはいうまでもない。
1 アルミニウム合金基板(基板)
2 表面酸化皮膜
3 接着剤層
10、10A アルミニウム合金板
10a、10Aa 第1アルミニウム合金板
11 接着部材
12 第2アルミニウム合金板
20、20A、20B、20C 接合体

Claims (9)

  1. アルミニウム合金基板と、前記アルミニウム合金基板の表面に形成された表面酸化皮膜とを備え、前記表面酸化皮膜は、ジルコニウム量が0.01〜10原子%、マグネシウム量が0.1原子%以上10原子%未満、窒素量が17原子%未満であることを特徴とするアルミニウム合金板。
  2. 前記表面酸化皮膜の表面に、接着剤からなる接着剤層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金板。
  3. 前記表面酸化皮膜は、ジルコニウム量(Zr量)とマグネシウム量(Mg量)との比率(Zr量/Mg量)が0.0025〜80であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアルミニウム合金板。
  4. 前記アルミニウム合金基板が、Al−Mg系合金、Al−Cu−Mg系合金、Al−Mg−Si系合金またはAl−Zn−Mg系合金からなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のアルミニウム合金板。
  5. 請求項1に記載のアルミニウム合金板同士が、接着剤からなる接着部材を介して、接合された接合体であって、
    前記接着部材は、2つの前記アルミニウム合金板の表面酸化皮膜側に接合され、2つの前記アルミニウム合金板の表面酸化皮膜のそれぞれは、前記接着部材を介して互いに対向するように配置されていることを特徴とする接合体。
  6. 請求項1に記載のアルミニウム合金板からなる第1アルミニウム合金板に、接着剤からなる接着部材を介して、アルミニウム合金からなる第2アルミニウム合金板が接合された接合体であって、
    前記接着部材は、前記第1アルミニウム合金板の表面酸化皮膜側に接合されていることを特徴とする接合体。
  7. 請求項2に記載のアルミニウム合金板の接着剤層側に、請求項1に記載のアルミニウム合金板が接合された接合体であって、
    2つの前記アルミニウム合金板の表面酸化皮膜のそれぞれは、前記接着剤層を介して互いに対向するように配置されていることを特徴とする接合体。
  8. 請求項2に記載のアルミニウム合金板からなる第1アルミニウム合金板に、アルミニウム合金からなる第2アルミニウム合金板が接合された接合体であって、
    前記第2アルミニウム合金板は、前記第1アルミニウム合金板の接着剤層側に接合されていることを特徴とする接合体。
  9. 請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載の接合体から製造されることを特徴とする自動車用部材。
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