JPH05320860A - 溶射用ジルコニア粉末 - Google Patents
溶射用ジルコニア粉末Info
- Publication number
- JPH05320860A JPH05320860A JP4149007A JP14900792A JPH05320860A JP H05320860 A JPH05320860 A JP H05320860A JP 4149007 A JP4149007 A JP 4149007A JP 14900792 A JP14900792 A JP 14900792A JP H05320860 A JPH05320860 A JP H05320860A
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- JP
- Japan
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- powder
- thermal spraying
- zirconia
- resistance
- zirconia powder
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- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【構成】軽装嵩密度が粉末の理論密度の1/6〜1/4
であり、かつ、顆粒径25μm以下のものが50wt%
以上含まれていることを特徴とする、溶射用ジルコニア
粉末。 【効果】熱源の温度が低い溶射法に使用しても、溶射時
に未溶融部分が生ぜず、搬送ガスによって壊されにく
く、しかも流動性にすぐれており、そのため、内径2m
m以下のパウダ−チュ−ブ内でも閉塞することなく、単
位時間当たりの供給量を安定させることができる。
であり、かつ、顆粒径25μm以下のものが50wt%
以上含まれていることを特徴とする、溶射用ジルコニア
粉末。 【効果】熱源の温度が低い溶射法に使用しても、溶射時
に未溶融部分が生ぜず、搬送ガスによって壊されにく
く、しかも流動性にすぐれており、そのため、内径2m
m以下のパウダ−チュ−ブ内でも閉塞することなく、単
位時間当たりの供給量を安定させることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶射用ジルコニア粉末
に関するものである。
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、溶射用ジルコニア粉末は、1
0〜100μmの大きさに造粒されたものが窒素、アル
ゴン、水素、ヘリウムなどのプラズマ炎を熱源とするプ
ラズマ溶射に使用されている。酸素、アセチレンなどの
燃焼炎を熱源とするガスフレ−ム溶射、ア−ク溶射、爆
発溶射などに使用されないのは、それらの燃焼炎の温度
が約3000℃であって融点2500〜2700℃のジ
ルコニアを溶融するのに低すぎるからである。
0〜100μmの大きさに造粒されたものが窒素、アル
ゴン、水素、ヘリウムなどのプラズマ炎を熱源とするプ
ラズマ溶射に使用されている。酸素、アセチレンなどの
燃焼炎を熱源とするガスフレ−ム溶射、ア−ク溶射、爆
発溶射などに使用されないのは、それらの燃焼炎の温度
が約3000℃であって融点2500〜2700℃のジ
ルコニアを溶融するのに低すぎるからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、プラズマ溶射
には、有害ガスを発生させやすい、プラズマからの紫外
線が強い、粉塵が発生しやすい、溶射設備を手軽に持ち
運びできないなどの問題がある。また、理由は明らかで
ないが、一般に、得られた皮膜の耐食性は、プラズマ溶
射によるものよりもガスフレーム溶射によるもののほう
が優れている。とは言え、ジルコニアは上記のとおり融
点が高いので、その粉末をフレーム溶射などに適用する
と、充分に溶融せず、一部未溶融状態で被覆されるべき
素材に吹き付けられ、それによって気孔、特に貫通気孔
を持つ皮膜となり、あるいは皮膜自体の粒子間の結合力
や素材との結合力が弱いものとなって、耐食性、耐摩耗
性、耐熱性などに問題を生じる。もっとも、ジルコニア
粉末をサブミクロンの大きさにすれば、このように熱源
温度が低くても充分に溶融させ、均質な気孔の少ない皮
膜をうることができるが、その場合は、そのような粒度
であっても供給設備によって経路を閉塞させずに安定し
て供給されるように、噴霧乾燥、転動造粒、流動造粒、
攪拌造粒などによって造粒したものを分級調整する必要
がある。
には、有害ガスを発生させやすい、プラズマからの紫外
線が強い、粉塵が発生しやすい、溶射設備を手軽に持ち
運びできないなどの問題がある。また、理由は明らかで
ないが、一般に、得られた皮膜の耐食性は、プラズマ溶
射によるものよりもガスフレーム溶射によるもののほう
が優れている。とは言え、ジルコニアは上記のとおり融
点が高いので、その粉末をフレーム溶射などに適用する
と、充分に溶融せず、一部未溶融状態で被覆されるべき
素材に吹き付けられ、それによって気孔、特に貫通気孔
を持つ皮膜となり、あるいは皮膜自体の粒子間の結合力
や素材との結合力が弱いものとなって、耐食性、耐摩耗
性、耐熱性などに問題を生じる。もっとも、ジルコニア
粉末をサブミクロンの大きさにすれば、このように熱源
温度が低くても充分に溶融させ、均質な気孔の少ない皮
膜をうることができるが、その場合は、そのような粒度
であっても供給設備によって経路を閉塞させずに安定し
て供給されるように、噴霧乾燥、転動造粒、流動造粒、
攪拌造粒などによって造粒したものを分級調整する必要
がある。
【0004】しかし、造粒したものを分級調整するだけ
で閉塞や供給不良を避けることは不可能である。この供
給がスム−ズに行われないと、溶射層における粒界、結
晶粒および気孔によって構成されている積層が不均質に
なったり、溶射1回ごとの皮膜の厚みが不均一になり、
耐熱性、硬度、耐摩耗性、強度、耐食性などの点で劣っ
た製品が得られることになる。
で閉塞や供給不良を避けることは不可能である。この供
給がスム−ズに行われないと、溶射層における粒界、結
晶粒および気孔によって構成されている積層が不均質に
なったり、溶射1回ごとの皮膜の厚みが不均一になり、
耐熱性、硬度、耐摩耗性、強度、耐食性などの点で劣っ
た製品が得られることになる。
【0005】本発明は、これらの問題の解決された、す
なわち、プラズマ溶射法はもとよりガスフレーム溶射法
に適用しても顆粒が溶融しやすく、しかも、流動性がよ
く、供給チューブ内で閉塞したり供給不良を起こすこと
のない溶射用ジルコニア粉末の提供を目的とするもので
ある。
なわち、プラズマ溶射法はもとよりガスフレーム溶射法
に適用しても顆粒が溶融しやすく、しかも、流動性がよ
く、供給チューブ内で閉塞したり供給不良を起こすこと
のない溶射用ジルコニア粉末の提供を目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、軽装嵩密度が
粉末の理論密度の1/6〜1/4であり、かつ、顆粒径
25μm以下のものが50wt%以上含まれている、溶
射用ジルコニア粉末を要旨とするものである。
粉末の理論密度の1/6〜1/4であり、かつ、顆粒径
25μm以下のものが50wt%以上含まれている、溶
射用ジルコニア粉末を要旨とするものである。
【0007】この軽装嵩密度が低いほど、顆粒は壊れや
すい構造をもつので、粉末供給中に搬送ガスにより顆粒
が壊れて発生する微粉末が増加し、それが顆粒表面に付
着し、装置との摩擦により静電気が発生し、パウダ−チ
ュ−ブ内で微粉末が滞積し、閉塞現象や供給不良を生じ
やすくなる。一方、軽装嵩密度が高いほど、顆粒が締ま
った構造をとり、溶融されにくい。また、当然、粒径の
大きいものが多いほど溶融しにくい。ジルコニア粉末で
は、上記のように、軽装嵩密度を粉末の理論密度の1/
6〜1/4とし、かつ、顆粒径25μm以下のものを5
0wt%以上含ませたものとすることによって、顆粒が
こわれにくくしたがって閉塞や供給不良を起こさず、か
つ、ガスフレーム溶射法のように熱源の温度が低くても
充分溶融するものとなるのである。
すい構造をもつので、粉末供給中に搬送ガスにより顆粒
が壊れて発生する微粉末が増加し、それが顆粒表面に付
着し、装置との摩擦により静電気が発生し、パウダ−チ
ュ−ブ内で微粉末が滞積し、閉塞現象や供給不良を生じ
やすくなる。一方、軽装嵩密度が高いほど、顆粒が締ま
った構造をとり、溶融されにくい。また、当然、粒径の
大きいものが多いほど溶融しにくい。ジルコニア粉末で
は、上記のように、軽装嵩密度を粉末の理論密度の1/
6〜1/4とし、かつ、顆粒径25μm以下のものを5
0wt%以上含ませたものとすることによって、顆粒が
こわれにくくしたがって閉塞や供給不良を起こさず、か
つ、ガスフレーム溶射法のように熱源の温度が低くても
充分溶融するものとなるのである。
【0008】この本発明の溶射用ジルコニア粉末は、噴
霧乾燥法によって製造することができる。例えば、焼成
によって安定化剤となるMg、Caなどのアルカリ土類
金属、Y、Ceなどの希土類元素などの化合物を含むジ
ルコニア水和ゾルを噴霧乾燥して顆粒状のゲルを得、6
00〜1200℃で仮焼し、平均粒径1μm以下に粉砕
し、スラリーにし、500〜2500cpに粘度調整
し、100〜1200℃で仮焼するまたは乾燥すること
によって製造することができる。粘度調整ののち帯電防
止剤を含んだ有機系バインダーを添加し、バインダーの
ガラス転移温度以下で乾燥すれば、溶射時バインダーが
燃焼するのでいっそう溶融しやすいものとなる。
霧乾燥法によって製造することができる。例えば、焼成
によって安定化剤となるMg、Caなどのアルカリ土類
金属、Y、Ceなどの希土類元素などの化合物を含むジ
ルコニア水和ゾルを噴霧乾燥して顆粒状のゲルを得、6
00〜1200℃で仮焼し、平均粒径1μm以下に粉砕
し、スラリーにし、500〜2500cpに粘度調整
し、100〜1200℃で仮焼するまたは乾燥すること
によって製造することができる。粘度調整ののち帯電防
止剤を含んだ有機系バインダーを添加し、バインダーの
ガラス転移温度以下で乾燥すれば、溶射時バインダーが
燃焼するのでいっそう溶融しやすいものとなる。
【0009】
【発明の効果】以上の如く、本発明の溶射用ジルコニア
粉末は、熱源の温度が低い溶射法に使用しても、溶射時
に未溶融部分が生ぜず、搬送ガスによって壊されにく
く、しかも流動性にすぐれており、そのため、内径2m
m以下のパウダ−チュ−ブ内でも閉塞することなく、単
位時間当たりの供給量を安定させることができる。それ
によって、均質な、付着効率の高い、耐熱性、硬度、耐
磨耗性、強度、耐食性などに優れた溶射皮膜をうること
ができる。
粉末は、熱源の温度が低い溶射法に使用しても、溶射時
に未溶融部分が生ぜず、搬送ガスによって壊されにく
く、しかも流動性にすぐれており、そのため、内径2m
m以下のパウダ−チュ−ブ内でも閉塞することなく、単
位時間当たりの供給量を安定させることができる。それ
によって、均質な、付着効率の高い、耐熱性、硬度、耐
磨耗性、強度、耐食性などに優れた溶射皮膜をうること
ができる。
【0010】この粉末を耐食性などを必要とする箇所に
溶射することによって、熱源の温度の低い溶射法ではジ
ルコニアの皮膜を形成させることのできなかった素材の
寿命の延長を期待することができる。
溶射することによって、熱源の温度の低い溶射法ではジ
ルコニアの皮膜を形成させることのできなかった素材の
寿命の延長を期待することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明する。本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
的に説明する。本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0012】噴霧乾燥は、ディスク55mm、乾燥室直
径1200mmの噴霧乾燥装置を用い、スラリーをロー
ラーチューブポンプによって約1.5kg/hの流量で
供給して行なった。
径1200mmの噴霧乾燥装置を用い、スラリーをロー
ラーチューブポンプによって約1.5kg/hの流量で
供給して行なった。
【0013】実施例1 ZrO2換算濃度50g/lのオキシ塩化ジルコニウム
水溶液に酸化イットリウムをZrO2とY2O3との合
計に対して5wt%となるように添加し、還流下に加水
分解率が90%になるまで加水分解し、ZrO2換算濃
度300g/lになるまで濃縮して水和ジルコニアゾル
を得た。このゾルを乾燥してゲル粉末を得、大気雰囲気
下で電気炉で850℃、保持時間2時間の条件で仮焼し
てジルコニア粉末をえ、振動ボールミルにより湿式粉砕
して平均粒径0.7μmのスラリーとし、アクリル系バ
インダー(第一工業製薬製セラモPB72)を3wt%
加え、増粘剤(サンノプコ製A−818)により150
0cpに粘度を調整し、190℃の熱風中にアトマイザ
ー回転数25000rpmで噴霧乾燥してY2O3/Z
rO2wt比 5/95、BET比表面積 14m2/
g、結晶子径 270A、平均顆粒径 26μm(25
μm以下 48wt%)、軽装嵩密度 1.15g/c
m3(理論密度 6.1g/cm3、)の部分安定化ジ
ルコニアからなる球状造粒粉末を得た。
水溶液に酸化イットリウムをZrO2とY2O3との合
計に対して5wt%となるように添加し、還流下に加水
分解率が90%になるまで加水分解し、ZrO2換算濃
度300g/lになるまで濃縮して水和ジルコニアゾル
を得た。このゾルを乾燥してゲル粉末を得、大気雰囲気
下で電気炉で850℃、保持時間2時間の条件で仮焼し
てジルコニア粉末をえ、振動ボールミルにより湿式粉砕
して平均粒径0.7μmのスラリーとし、アクリル系バ
インダー(第一工業製薬製セラモPB72)を3wt%
加え、増粘剤(サンノプコ製A−818)により150
0cpに粘度を調整し、190℃の熱風中にアトマイザ
ー回転数25000rpmで噴霧乾燥してY2O3/Z
rO2wt比 5/95、BET比表面積 14m2/
g、結晶子径 270A、平均顆粒径 26μm(25
μm以下 48wt%)、軽装嵩密度 1.15g/c
m3(理論密度 6.1g/cm3、)の部分安定化ジ
ルコニアからなる球状造粒粉末を得た。
【0014】この粉末を更に大気雰囲気下で1200
℃、保持2時間の条件により電気炉による熱処理によっ
て溶射用粉末を得、溶射に供した。
℃、保持2時間の条件により電気炉による熱処理によっ
て溶射用粉末を得、溶射に供した。
【0015】実施例2 球状造粒粉末の熱処理温度を1000℃とするほかは実
施例1と同じ条件にして溶射粉末を得、溶射に供した。
施例1と同じ条件にして溶射粉末を得、溶射に供した。
【0016】実施例3 酸化イットリウムの使用量をZrO2とY2O3との合
計に対して13.5wt%とし、バインダーを使用せ
ず、粘度調整を濃度2wt%のアンモニア水によって行
うほかは実施例1と同じ条件にして溶射粉末を得、溶射
に供した。中間体の球状造粒粉末は、Y2O3/ZrO
2wt比 13.5/86.5、BET比表面積値 2
2m2/g、結晶子径 219A、平均顆粒径 29μ
m(25μm以下 45wt%)、軽装嵩密度 1.2
5g/cm3(理論密度 6.0g/cm3であった。
計に対して13.5wt%とし、バインダーを使用せ
ず、粘度調整を濃度2wt%のアンモニア水によって行
うほかは実施例1と同じ条件にして溶射粉末を得、溶射
に供した。中間体の球状造粒粉末は、Y2O3/ZrO
2wt比 13.5/86.5、BET比表面積値 2
2m2/g、結晶子径 219A、平均顆粒径 29μ
m(25μm以下 45wt%)、軽装嵩密度 1.2
5g/cm3(理論密度 6.0g/cm3であった。
【0017】実施例4 実施例3と同じ条件で得られたジルコニアスラリーに帯
電防止剤を1wt%含んだポリビニルアルコールをバイ
ンダーとして5wt%添加し、増粘剤(サンノプコ製A
−818)により1500cpに粘度を調整し、実施例
1と同じ条件で噴霧乾燥して部分安定化ジルコニアから
なる球状造粒粉末を得、これを溶射粉末として溶射に供
した。
電防止剤を1wt%含んだポリビニルアルコールをバイ
ンダーとして5wt%添加し、増粘剤(サンノプコ製A
−818)により1500cpに粘度を調整し、実施例
1と同じ条件で噴霧乾燥して部分安定化ジルコニアから
なる球状造粒粉末を得、これを溶射粉末として溶射に供
した。
【0018】比較例1 実施例1と同じ条件で得られたジルコニアスラリーを濃
度2wt%のアンモニア水によって2500cpに粘度
調整し、実施例1に対してアトマイザー回転数1000
0rpmで噴霧乾燥して球状造粒粉末を得、これを溶射
粉末として溶射に供した。
度2wt%のアンモニア水によって2500cpに粘度
調整し、実施例1に対してアトマイザー回転数1000
0rpmで噴霧乾燥して球状造粒粉末を得、これを溶射
粉末として溶射に供した。
【0019】溶射開始後2〜3分で波打ち現象を生じ、
粉末の供給流量が変動し、試験片にごく薄い皮膜が形成
されたが、物性が評価できるほどの厚みの皮膜が得られ
なかった。
粉末の供給流量が変動し、試験片にごく薄い皮膜が形成
されたが、物性が評価できるほどの厚みの皮膜が得られ
なかった。
【0020】比較例2 比較例1と同様の方法により得た球状造粒粉末を実施例
1と同じ条件で熱処理して溶射粉末をえ、溶射に供し
た。
1と同じ条件で熱処理して溶射粉末をえ、溶射に供し
た。
【0021】比較例1と同じく、溶射開始後2〜3分で
波打ち現象を生じ、粉末の供給流量が変動し、試験片に
ごく薄い皮膜が形成されたが、物性が評価できるほどの
厚みの皮膜が得られなかった。
波打ち現象を生じ、粉末の供給流量が変動し、試験片に
ごく薄い皮膜が形成されたが、物性が評価できるほどの
厚みの皮膜が得られなかった。
【0022】比較例3 実施例1と同じ条件でジルコニアスラリーを得、該スラ
リーを実施例4と同じ条件で粘度調整し、比較例1と同
じ条件で噴霧乾燥して球状造粒粉末を得、これを溶射粉
末として溶射に供した。
リーを実施例4と同じ条件で粘度調整し、比較例1と同
じ条件で噴霧乾燥して球状造粒粉末を得、これを溶射粉
末として溶射に供した。
【0023】比較例1と同じく、溶射開始後2〜3分で
波打ち現象を生じ、粉末の供給流量が変動し、試験片に
ごく薄い皮膜が形成されたが、物性が評価できるほどの
厚みの皮膜が得られなかった。
波打ち現象を生じ、粉末の供給流量が変動し、試験片に
ごく薄い皮膜が形成されたが、物性が評価できるほどの
厚みの皮膜が得られなかった。
【0024】比較例4 球状造粒粉末の熱処理温度を1300℃とするほかは実
施例3と同じ条件にして溶射用粉末を得、溶射に供し
た。
施例3と同じ条件にして溶射用粉末を得、溶射に供し
た。
【0025】パウダ−チュ−ブ内での閉塞現象は全く見
られなく、粉末も安定供給された。しかし、顆粒が溶融
されず、試験片には、ほとんど皮膜が形成されなかっ
た。
られなく、粉末も安定供給された。しかし、顆粒が溶融
されず、試験片には、ほとんど皮膜が形成されなかっ
た。
【0026】以上の例で得られた溶射粉末の特性を表1
に、その粉末の流れ性を表2に、およびその粉末の溶射
皮膜の特性を表3に示す。
に、その粉末の流れ性を表2に、およびその粉末の溶射
皮膜の特性を表3に示す。
【0027】例中、溶射は、ガスフレーム溶射により5
0mm×60mm×5mm厚さのブラスト処理されたS
US304試験片に行なった(溶射機METCO社、熱
源O2/C2H2)。粉末の流れ性は、内径2mmのガ
ラスロートに粉末100ccを繰り返し流し、各回の流
れ切る時間によって判定した。皮膜の評価は、溶射皮膜
断面を顕微鏡で観察して行なった(○:気孔の少ない皮
膜が形成された、×:皮膜が形成されなかった)。肉眼
による試験片上の皮膜の形成の観察もおこなった(○:
皮膜が形成された、×:皮膜が形成されなかった)。皮
膜の硬度は、マイクロビッカ−ス硬度計により、試験荷
重200g、負荷時間10秒の条件で行なった。耐熱衝
撃性は、JIS H 8666のセラミック溶射試験方
法およびJIS H 8304の品質規格による熱衝撃
試験に基いて、試験片を電気炉で900℃に加熱し、水
中に投じて冷却するという操作を10回繰り返すことに
よって行なった(○:まったく剥離しない、×:測定し
ていない)。
0mm×60mm×5mm厚さのブラスト処理されたS
US304試験片に行なった(溶射機METCO社、熱
源O2/C2H2)。粉末の流れ性は、内径2mmのガ
ラスロートに粉末100ccを繰り返し流し、各回の流
れ切る時間によって判定した。皮膜の評価は、溶射皮膜
断面を顕微鏡で観察して行なった(○:気孔の少ない皮
膜が形成された、×:皮膜が形成されなかった)。肉眼
による試験片上の皮膜の形成の観察もおこなった(○:
皮膜が形成された、×:皮膜が形成されなかった)。皮
膜の硬度は、マイクロビッカ−ス硬度計により、試験荷
重200g、負荷時間10秒の条件で行なった。耐熱衝
撃性は、JIS H 8666のセラミック溶射試験方
法およびJIS H 8304の品質規格による熱衝撃
試験に基いて、試験片を電気炉で900℃に加熱し、水
中に投じて冷却するという操作を10回繰り返すことに
よって行なった(○:まったく剥離しない、×:測定し
ていない)。
【0028】 表1 溶射粉末の特性 番号 平均顆粒径 25μm以下のものの割合 軽装嵩密度/理論密度 μm wt% wt比 実施例 1 21 59 1/4.10 2 25 50 1/5.45 3 27 50 1/4.85 4 27 52 1/4.80 比較例 1 58 3 1/6.00 2 52 5 1/3.80 3 55 4 1/5.10 4 21 59 1/3.95
【0029】
Claims (1)
- 【請求項1】軽装嵩密度が粉末の理論密度の1/6〜1
/4であり、かつ、顆粒径25μm以下のものが50w
t%以上含まれていることを特徴とする、溶射用ジルコ
ニア粉末。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4149007A JPH05320860A (ja) | 1992-05-18 | 1992-05-18 | 溶射用ジルコニア粉末 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4149007A JPH05320860A (ja) | 1992-05-18 | 1992-05-18 | 溶射用ジルコニア粉末 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05320860A true JPH05320860A (ja) | 1993-12-07 |
Family
ID=15465635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4149007A Pending JPH05320860A (ja) | 1992-05-18 | 1992-05-18 | 溶射用ジルコニア粉末 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05320860A (ja) |
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2002348653A (ja) * | 2001-03-21 | 2002-12-04 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 希土類酸化物溶射用粒子、溶射部材および耐食性部材 |
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