JPH05320177A - 有機ケイ素化合物 - Google Patents

有機ケイ素化合物

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JPH05320177A
JPH05320177A JP12701992A JP12701992A JPH05320177A JP H05320177 A JPH05320177 A JP H05320177A JP 12701992 A JP12701992 A JP 12701992A JP 12701992 A JP12701992 A JP 12701992A JP H05320177 A JPH05320177 A JP H05320177A
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compound
group
lower alkyl
irradiation
formula
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JP12701992A
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English (en)
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Hidenori Okamoto
秀則 岡本
Masao Yamaguchi
真男 山口
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式 【化1】 {式中、R1およびR2は低級アルキル基を示し、
X、Yは同種または異種の―NR3―基(R3は低級アル
キル基を示す)または硫黄原子を示し、R4、R6は低級
アルキル基を、R5、R7は低級アルキル基またはシアノ
基をそれぞれ示し、R4とR5、および/またはR6とR7
は相互に連結して置換もしくは非置換の芳香環を形成し
てもよく、nは1〜3、mは0または1の整数を示す}
で表される、分子内にジアリールエテン骨格および加水
分解可能なアルコキシシリル基を有する有機ケイ素化合
物。 【効果】 ガラス表面などと強固な結合が可能であり、
あるいは金属アルコキシドと共加水分解して膜や粒子の
生成が可能であり、且つ着色状態、消色状態双方の安定
性、繰り返し安定性に優れる新規なフォトクロミック性
有機ケイ素化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフォトクロミッ
ク性を有するケイ素化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、着色状態と消色状態の両方が熱的
に安定なフォトクロミック化合物としてジアリールエテ
ン類が知られ、有機記録材料として注目されている。し
かし、ジアリールエテン骨格を含み、しかも脱アルコー
ル反応により容易に反応性水酸基またはアミノ基と結合
し得る有機ケイ素化合物は知られておらず、従って該有
機ケイ素化合物を用いて製造した記録材料についても知
られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、着色状態、
消色状態双方の安定性、繰り返し耐久性に優れ、かつ、
ガラス表面などと強固な結合が可能な、あるいは金属ア
ルコキシド等と共加水分解して膜あるいは粒子の生成が
可能なジアリールエテン構造を持つ有機ケイ素化合物を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、長年種々
の官能性有機ケイ素化合物の合成並びに応用研究を行な
ってきた。その結果、新規で有用なフォトクロミック性
を有する有機ケイ化合物を合成し、その構造及び用途を
確認し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は一般式
【0006】
【化2】
【0007】{式中、R1およびR2は低級アルキル基を
示し、 X、Yは同種または異種の―NR3―(R3
低級アルキル基を示す)基または硫黄原子を示し、
4、R6は同種または異種の低級アルキル基を、R5
7は同種または異種の低級アルキル基もしくはシアノ
基を、またR4とR5、および/またはR6とR7は相互に
連結して置換もしくは非置換の芳香族環を形成してもよ
く、nは1〜3、mは0または1の整数を示す}で表さ
れる有機ケイ素化合物を提供する。
【0008】上記一般式中、R1、R2、R3、R4
5、R6、R7で示される低級アルキル基は、入手や取
扱の容易さからメチル基、エチル基、プロピル基などの
炭素数1〜3のアルキル基が好適に採用される。R5
7は低級アルキル基の他にシアノ基もとり得る。更
に、R4とR5、および/またはR6とR7は相互に連結し
て置換もしくは非置換のベンゼン環、ナフタレン環、ピ
リジン環等の芳香族環を形成してもよい。該芳香族環の
置換基としては、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキ
シ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等のハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0009】X、R4、R5の組合せを具体的に例示する
と、トリメチルチエニル基(X=S、R4=R5=メチ
ル)、ベンゾチエニル基(X=S、R45=ベンゾ)、
ジメチルインドリル基(X=―NCH3―、R45=ベ
ンゾ)、メトキシジメチルインドリル基(X=―NCH
3―、R45=メトキシベンゾ)などが挙げられ、Y、
6、R7の組合せの例としてはトリメチルチエニル基
(Y=S、R6=R7=メチル)、ベンゾチエニル基(Y
=S、R67=ベンゾ)、シアノジメチルチエニル基
(Y=S、R6=メチル、R7=シアノ)、ジメチルイン
ドリル基(Y=―NCH3―、R67=ベンゾ)などが
挙げられる。尚、合成の容易さから、X、R4、R5の組
合せとY、R6、R7の組合せが同じである化合物が好適
である。
【0010】吸収極大波長を調整するためには、Xが―
NCH3―、Yが硫黄原子である化合物が好適である。
また、ガラス表面との結合や金属アルコキシドとの共加
水分解に使用するためには、n=3のトリアルコキシシ
リル基を有する化合物が好適である。
【0011】本発明の有機ケイ素化合物を以下具体的に
例示する。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】本発明の有機ケイ素化合物は一般に次の
(イ)〜(ニ)の様な手段で前記一般式で示される化合
物であることが確認できる。
【0019】(イ)赤外吸収スペクトル(IR)を測定
することにより、本発明の有機ケイ素化合物に特有の構
造を知ることができる。すなわち、Si−O結合に基づ
く吸収が1100〜1060cm-1付近に、イミド結合
に基づく吸収が1700〜1650cm-1付近に観測さ
れる。
【0020】(ロ)プロトン核磁気共鳴スペクトル(1
H−NMR)を測定することにより、本発明の有機ケイ
素化合物中の水素原子の個数と結合様式を知ることがで
きる。前記一般式で示される本発明の有機ケイ素化合物
の代表的な1H−NMRについての解析結果を下に示
す。
【0021】
【化9】
【0022】 δ(ppm)=7.8−6.8(m.8H,a) 4.0−3.5(m.11H,b,c,d) 2.15 (s.e) 1.98 (s.f) 1.9−1.4(m.g) 1.35 (t.J=7.0Hz,h) 1.1−0.6(m.i) e〜iの合計が19H (ハ)質量スペクトルを測定することにより、試料の分
子量及び結合様式が推定できる。本発明の有機ケイ素化
合物については、分子イオンピーク(M+)の他に、M+
−CH3、M+−2CH3などのフラグメントピークが観
測される。
【0023】(ニ)元素分析により、炭素、水素、窒素
の組成比を知ることができ、これを期待する分子におけ
る組成比と比較することにより、化合物の同定及び純度
の確認ができる。
【0024】本発明の有機ケイ素化合物は、化合物や精
製の度合いによっても異なるが一般的に黄色から赤色の
粘稠な液体で、ヘキサン、エーテル、クロロホルム、エ
タノールなどの有機溶媒に可溶である。
【0025】本発明の有機ケイ素化合物の製造方法は特
に限定されず、如何なる方法を用いてもよい。一般に好
適に用いられる代表的な製造方法を示す。すなわち、下
記一般式で示されるマレイン酸無水物と
【0026】
【化10】
【0027】(但し、X、Y、R3、R4、R5、R6、R
7の定義は前述の通りである。) 下記一般式 H2N(CH2CH2NH)m(CH23Si(OR1n2 3-n (但し、R1、R2、m、nの定義は前述の通りであ
る。)で示されるアミノ基を持つケイ素化合物とを反応
させてアミドカルボン酸とし、次いでこれを単離するこ
となく脱水反応を行うことによって得ることができる。
該反応の仕込みモル比は特に限定されるものではない
が、通常等モルで行うのが望ましい。また、反応溶媒と
しては原料と反応するアルコール類、アミン類、水、エ
ステルなどのカルボン酸誘導体は使用できないが、クロ
ロホルム、塩化メチレンなどの塩素化炭化水素のほか、
ベンゼン、トルエンのような一般的な溶媒を使用するこ
とができる。
【0028】該反応を促進するために触媒を添加する手
段はしばしば好適に用いられる。該触媒としては三級ア
ミン類、特にピリジンが優れており、添加量としては酸
無水物に対して1〜500モル%、特に50〜120モ
ル%が望ましい。また、脱水反応は通常脱水剤を用いて
行われるが、該脱水剤としては特に限定されず、公知の
試剤を用いることができ、例えばジシクロヘキシルカル
ボジイミドに代表されるカルボジイミド類が好適に使用
される。反応は、通常0〜50℃で、3〜24時間行え
ばよい。
【0029】
【発明の効果】本発明の有機ケイ素化合物は分子中に加
水分解によって縮合しやすいアルコキシシリル基を含有
しているため、単独もしくは他の有機無機ケイ素化合物
と共に加水分解することにより、ジアリールエテン骨格
を有するポリシロキサン誘導体、シリカゲル等を得るこ
とができ、また、ガラスやポリビニルアルコールなどの
ように表面に水酸基を持つ無機及び有機物質と反応させ
ることにより、該表面に容易に強固に付着させることが
できる。また、該有機ケイ素化合物は、フォトクロミッ
ク活性を有しており、耐久性に富むフォトクロミック材
料として有用な原料となる。本発明の有機ケイ素化合物
を原料として得られるフォトクロミック材料は、記録材
料、ディスプレイ材料、塗料、繊維、玩具、光可変材料
などに利用できる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により、本発明の詳細を述べる
が、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0031】実施例1 2,3−ビス(2,4,5−トリメチル−3−チエニ
ル)マレイン酸無水物を公知の方法(例えばM.Iri
e,M.Mohri,J.Org.Chem.198
8,53,803)によって得た。この化合物0.1g
を塩化メチレン5mlに溶解し、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン0.07gを加え、触媒としてピリジ
ンを数滴加えて室温で2時間攪拌した。ここにジシクロ
ヘキシルカルボジイミド(DCC)を0.06g加え、
室温で一晩攪拌した。沈澱してくるジシクロヘキシル尿
素(DCU)を濾過で取り除き、溶媒を減圧留去して粗
生成物を得た。シリカゲル上のカラムクロマトグラフィ
ーにより精製し、目的とするN−トリエトキシシリルプ
ロピル−2,3−ビス(2,4,5−トリメチル−3−
チエニル)マレイミドを得た。構造は元素分析、1H−
NMR、IR、マススペクトルから確認した。この化合
物のベンゼン溶液は紫外線の照射によって橙色に発色
し、可視光の照射によって黄色になった。
【0032】 IR(KBr)νC=O=1686,νSi-O=1078c
-1 1 H−NMR(CDCl3、TMS) δ(ppm)=4.1−3.2(m.8H),2.1−
0.6{2.14(s),1.94(s),1.80
(s),1.63(s),1.19(t),1.0−
0.6(m),31H} 実施例2 2,3−ビス(2−メチルベンゾ[b]チオフェン−3
−イル)マレイン酸無水物を公知の方法(例えばK.U
chida,Y.Nakayama,M.Irie,B
ull.Chem.Soc.Jpn.1990,63,
1311)によって得た。この化合物0.17gと3−
アミノプロピルトリエトキシシラン0.1gを塩化メチ
レン3mlに溶解し、室温で2時間攪拌した。ここにD
CCを0.1g加え、室温で一晩攪拌を続けた。その
後、生じてきたDCUを濾別し、濾液をカラムクロマト
グラフィーで精製して目的物のN−トリエトキシシリル
プロピル−2,3−ビス(2−メチルベンゾ[b]チオ
フェン−3−イル)マレイミドを得た。この化合物のベ
ンゼン溶液は紫外線の照射によって赤色に発色し、可視
光の照射によって黄色になった。この時の電子スペクト
ルの変化を図1に示した。さらに、紫外線と可視光を交
互に照射を繰り返したが、100回以上繰り返した後で
も挙動に変化はみられなかった。また、この化合物のト
ルエン溶液に紫外線を照射した後のスペクトルは、暗条
件下80℃で30日放置した後も全く変化しなかった。
【0033】 IR(KBr)νC=O=1688,νSi-O=1078c
-1 1 H−NMR(CDCl3、TMS) δ(ppm)=7.8−6.8(m.8H),3.82
(2q.J=7.0Hz,8H),2.3−2.0
(m.6H),2.0−1.5(m.2H)1.22
(t.J=7.0Hz,9H)0.9−0.5(m.2
H) 実施例3 2−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−3−(2
−メチルべンゾ[b]チオフェン−3−イル)マレイン
酸無水物0.5gと3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン0.3gを塩化メチレン5mlに溶解し、室温で2
時間攪拌した。ここにDCCを0.2g加え、室温で一
晩攪拌を続けた。その後、生じてきたDCUを濾別し、
濾液をカラムクロマトグラフィーで精製して目的物のN
−トリエトキシシリルプロピル−2−(1,2−ジメチ
ル−3−インドリル)−3−(2−メチルべンゾ[b]
チオフェン−3−イル)マレイミドを得た。この化合物
のベンゼン溶液は紫外線の照射によって赤色に発色し、
可視光の照射によって黄色になった。さらに、紫外線と
可視光を交互に照射を繰り返したが、100回以上繰り
返した後でも挙動に変化はみられなかった。また、この
化合物のトルエン溶液に紫外線を照射した後のスペクト
ルは、暗条件下80℃で30日放置した後も全く変化し
なかった。
【0034】 IR(KBr)νC=O=1690,νSi-O=1080c
-1 1 H−NMR(CDC3、TMS) δ(ppm)=7.8−6.8(m.8H),4.0−
3.5(m.11H),2.2−0.6{2.15
(s),1.98(s),1.9−1.4(m),1.
35(t.),1.1−0.6(m),19H} 実施例4 2−(5−メトキシ−1,2−ジメチル−3−インドリ
ル)−3−(2−シアノ−3,5−ジメチル−4−チエ
ニル)マレイン酸無水物0.11gを塩化メチレン3m
lに溶解し、3−アミノプロピルトリエトキシシラン
0.06gとピリジン0.05gを加え、室温で1時間
攪拌した。さらにDCC0.06gを加え、室温で一晩
攪拌した。高速液体クロマトグラフ(以下HPLC)で
分取し、N−トリエトキシシリルプロピル−2−(5−
メトキシ−1,2−ジメチル−3−インドリル)−3−
(2−シアノ−3,5−ジメチル−4−チエニル)マレ
イミドを得た。この化合物のベンゼン溶液は紫外線の照
射によって紫色に発色し、可視光の照射によって黄色に
なった。さらに、紫外線と可視光を交互に照射を繰り返
したが、100回以上繰り返した後でも挙動に変化はみ
られなかった。
【0035】 IR(KBr)νC=O=1690,νSi-O=1078c
-1 1 H−NMR(CDC3、TMS) δ(ppm)=7.8−6.8(br.3H),4.0
−3.5(m.11H),2.2−0.6{2.15
(s),1.98(s),1.66(s),1.35
(t.),1.1−0.6(m),19H} 実施例5 2,3−ビス(2−メチルベンゾ[b]チオフェン−3
−イル)マレイン酸無水物0.50gを塩化メチレン5
mlに溶解し、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピ
ルトリエトキシシラン0.36gとピリジン0.1gを
加えて室温で1時間攪拌した。続いてDCCを0.3g
加え、室温で一晩攪拌した。HPLCで分取し、N−
(2−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミノ)エ
チル−2,3−ビス(2−メチルベンゾ[b]チオフェ
ン−3−イル)マレイミドを得た。この化合物のベンゼ
ン溶液は紫外線の照射によって赤色に発色し、可視光の
照射によって黄色になった。さらに、紫外線と可視光を
交互に照射を繰り返したが、100回以上繰り返した後
でも挙動に変化はみられなかった。また、この化合物の
トルエン溶液に紫外線を照射した後のスペクトルは、暗
条件下80℃で30日放置した後も全く変化しなかっ
た。
【0036】 IR(KBr)νC=O=1686,νSi-O=1078c
-1 1 H−NMR(CDC3、TMS) δ(ppm)=7.8−6.8(m.8H),4.0−
3.4(m.8H),2.3−2.0(m.11H),
2.0−1.5(m.2H),1.5−0.5(m.1
1H) 実施例6 2,3−ビス(2−メチルベンゾ[b]チオフェン−3
−イル)マレイン酸無水物0.50gを塩化メチレン5
mlに溶解し、3−アミノプロピルジエトキシメチルシ
ラン0.25gとピリジン0.1gを加えて室温で1時
間攪拌した。続いてDCCを0.3g加え、室温で一晩
攪拌した。HPLCで分取し、N−(3−ジエトキシメ
チルシリルプロピル)−2,3−ビス(2−メチルベン
ゾ[b]チオフェン−3−イル)マレイミドを得た。こ
の化合物のベンゼン溶液は紫外線の照射によって赤色に
発色し、可視光の照射によって黄色になった。さらに、
紫外線と可視光を交互に照射を繰り返したが、100回
以上繰り返した後でも挙動に変化はみられなかった。ま
た、この化合物のトルエン溶液に紫外線を照射した後の
スペクトルは、暗条件下80℃で30日放置した後も全
く変化しなかった。 IR(KBr)νC=O=1686,νSi-O=1078c
-1 1 H−NMR(CDC3、TMS) δ(ppm)=7.8−6.8(m.8H),4.0−
3.4(m.6H),2.3−2.0(m.6H),
2.0−1.5(m.2H),1.5−0.5(m.1
1H) 実施例7 実施例2で得たN−トリエトキシシリルプロピル−2,
3−ビス(2−メチルベンゾ[b]チオフェン−3−イ
ル)マレイミド1重量部を、3−(2−アミノエチル)
−プロピルトリエトキシシラン20重量部に溶解し、あ
らかじめアルコール性苛性カリで表面処理したカバーガ
ラス(18×18×0.15mm)上に薄く塗布し、約
100℃で2時間加熱処理した。その後、アセトンでよ
く洗浄し、透明で均一な淡黄色の薄膜を得た。この膜は
紫外線の照射によって橙色に発色し、可視光の照射によ
って元の淡黄色に戻った。
【0037】参考例1 実施例3で用いた2−(1,2−ジメチル−3−インド
リル)−3−(2−メチルべンゾ[b]チオフェン−3
−イル)マレイン酸無水物は次に示す方法で合成した。
【0038】1,2−ジメチルインドール1.4gを塩
化メチレン30mlに溶解し、氷冷下オキザリルクロリ
ドを1.34g滴下した。溶液は深い緑色となった。室
温で30分攪拌し、次に2−メチルベンゾ[b]チオフ
ェン−3−イル酢酸1.98gとトリエチルアミン3g
の塩化メチレン溶液をゆっくり滴下した。そのまま室温
で一晩攪拌した。クロロホルムを加え、塩酸、塩水の順
に洗浄し、乾燥、減圧留去して粗生成物を得た。カラム
クロマトグラフィーによって精製し、目的物を0.52
g得た。
【0039】上記反応で用いた2−メチルベンゾ[b]
チオフェン−3−イル酢酸は次に示す方法で合成した。
すなわち、金属マグネシウム0.44gとテトラヒドロ
フラン(以下THF)数mlを三ツ口フラスコにとり、
臭化エチレン数滴を加えてマグネシウムを活性化した。
その後2−メチル−3−クロロメチル−ベンゾ[b]チ
オフェン3gのTHF溶液をゆっくり滴下した。原料消
失を確認後、過剰量のドライアイスを少量ずつ投入し
た。二酸化炭素の発生が終了した後、苛性ソーダ水溶液
を加え、エーテルで洗浄した後、塩酸を加えて酸性と
し、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を硫酸マ
グネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗生成物を得
た。カラムクロマトグラフィーで精製し、目的物を1.
98g得た。また、2−メチル−3−クロロメチル−ベ
ンゾ[b]チオフェンは2−メチルベンゾ[b]チオフ
ェンをホルマリン/塩酸でクロロメチル化して得、2−
メチルベンゾ[b]チオフェンはベンゾ[b]チオフェ
ンのメチル化によって得た。
【0040】参考例2 実施例4で用いた2−(5−メトキシ−1,2−ジメチ
ル−3−インドリル)−3−(2−シアノ−3,5−ジ
メチル−4−チエニル)マレイン酸無水物は次の方法に
よって合成した。
【0041】5−メトキシ−1,2−ジメチルインドー
ル0.50gを塩化メチレン5mlに溶解し、氷冷下オ
キザリルクロリド0.36gを滴下した。室温で2時間
攪拌した後、2−シアノ−3,5−ジメチル−4−チエ
ニル酢酸0.57gとトリエチルアミン2mlの塩化メ
チレン溶液を滴下し、室温で一晩攪拌した。カラムクロ
マトグラフィーで精製し、目的物を得た。
【0042】上記反応で用いた5−メトキシ−1,2−
ジメチルインドールは5−メトキシ−2−メチルインド
ールのメチル化により得、2−シアノ−3,5−ジメチ
ル−4−チエニル酢酸は4−カルボキシメチル−3,5
−ジメチル−2−チオフェンカルボアルデヒドをオキシ
ム化、続いて無水酢酸で脱水することによって得た。ま
た、4−カルボキシメチル−3,5−ジメチル−2−チ
オフェンカルボアルデヒドは4−シアノメチル−3,5
−ジメチル−2−チオフェンカルボアルデヒドからアル
デヒドの保護、加水分解を経て合成し、4−シアノメチ
ル−3,5−ジメチル−2−チオフェンカルボアルデヒ
ドは3,5−ジメチル−2−チオフェンカルボアルデヒ
ドのクロロメチル化、続いてシアノ化により、また、
3,5−ジメチル−2−チオフェンカルボアルデヒドは
3−メチル−2−チオフェンカルボアルデヒドのメチル
化によって合成した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例2で得られた化合物のUV照射後(実
線)、可視光照射後(破線)の電子スペクトルを示す図
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 {式中、R1およびR2は低級アルキル基を示し、
    X、Yは同種または異種の―NR3―基(R3は低級アル
    キル基を示す)または硫黄原子を示し、R4、R6は同種
    または異種の低級アルキル基を、R5、R7は同種または
    異種の低級アルキル基もしくはシアノ基を、またR4
    5、および/またはR6とR7は相互に連結して置換も
    しくは非置換の芳香族環を形成してもよく、nは1〜
    3、mは0または1の整数を示す}で表される有機ケイ
    素化合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001090268A1 (de) * 2000-05-25 2001-11-29 Fraunhofer-Gesellschaft Zur Foerderung Der Angewandten Forschung E.V. Hybridpolymermaterial für photochrome beschichtungen und damit beschichtete optische gegenstände und verglasungen
JP2015107944A (ja) * 2013-12-05 2015-06-11 株式会社日本触媒 イミド化合物の製造方法

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