JPH05319060A - サスペンション制御装置 - Google Patents

サスペンション制御装置

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Publication number
JPH05319060A
JPH05319060A JP14871492A JP14871492A JPH05319060A JP H05319060 A JPH05319060 A JP H05319060A JP 14871492 A JP14871492 A JP 14871492A JP 14871492 A JP14871492 A JP 14871492A JP H05319060 A JPH05319060 A JP H05319060A
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JP
Japan
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vertical acceleration
pressure
wheel side
values
vibration
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Application number
JP14871492A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kimura
健 木村
Hideo Tohata
秀夫 戸畑
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】乗員に不快感を与えるばね下共振周波数側の振
動低減効果を大きくすると共に、位相のずれを補償して
正確な上下振動抑制制御を行う。 【構成】前輪11FL,11FR 側に設けた上下加速度センサ28
FL, 28FRの検出値をハイパスフィルタ40FL, 40FRに供給
して、ばね上共振周波数を含む低周波数成分を除去し、
これらと車速センサ26の車速検出値V とをマイクロコン
ピュータ42に入力することにより、前輪側が路面凹凸を
通過した時点から車速センサ24の車速検出値V及びホイ
ールベースから算出される遅延時間τD 分遅れた前記凹
凸を後輪が通過する時点で後輪11RL,11RR 側に設けた油
圧シリンダ18RL,18RR を制御する圧力制御弁20RL,20RRR
に対する圧力指令値を出力することにより車体の揺動を
抑制する制御を行い、4〜8Hzのばね下共振周波数側の
乗員に不快感を与える周波数領域での振動低減効果を大
きくすると共に、位相ずれを補償する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前輪位置での車体上下
加速度に基づいて車体及び後輪間に介装したアクチュエ
ータのストロークを制御するようにしたサスペンション
制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のサスペンション制御装置として
は、特開昭56−31861号公報(以下、従来例と称
す)に記載されているものがある。この従来例は、車両
の前輪における上下振動を振動加速度検出器で検出する
と共に、車速を車速検出器で検出し、車速検出器で検出
した車速と上下加速度センサ及び後輪側の振動を抑制す
るアクチュエータ間の距離とによって、アクチュエータ
及びその制御回路の位相遅れを補償して前輪の上下振動
情報を制御回路に伝達するようにした車両振動の予見制
御装置が開示され、この構成により路面不整による後輪
振動を抑制して乗心地を改善するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のサスペンション制御装置にあっては、路面から後輪
に与えられる振動入力の情報として、前輪の上下振動情
報をそのまま用いているので、サスペンション自身の共
振を低減する効果が小さいと共に、制御系の遅れを補償
するために、前輪の情報を後輪に伝達する際の遅延時間
を変化させているため、ばね下共振周波数側の高周波数
領域で位相のずれが大きくなり、正確な上下振動抑制制
御を行うことができないという未解決の課題がある。
【0004】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、特に乗員に不快感
を与えるばね下共振周波数側の振動低減効果を大きくす
ると共に、位相のずれを補償して正確な上下振動抑制制
御を行うことができるサスペンション制御装置を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係るサスペンション制御装置は、図1に
示すように、車体と後輪との間に配設され、制御信号に
よってそれら間のストロークを制御可能な制御力を発生
するアクチュエータと、前輪上の車体上下加速度を検出
する上下加速度検出手段と、該上下加速度検出手段の上
下加速度検出値に基づいて前記アクチュエータを前後輪
間の遅延時間を考慮して制御する制御手段とを備えたサ
スペンション制御装置において、前記上下加速度検出手
段と前記制御手段との間に上下加速度の検出値をフィル
タ処理するハイパスフィルタ手段を介挿したことを特徴
としている。
【0006】
【作用】本発明においては、前輪の上下加速度を上下加
速度検出手段で検出し、その検出値をハイパスフィルタ
手段でハイパスフィルタ処理して、例えばばね上共振周
波数よりばね下共振周波数側の周波数成分を抽出し、こ
れに基づいて前輪が通過した路面を後輪が通過する時点
で制御手段で後輪と車体との間に配設したアクチュエー
タを制御する。ここで、上下加速度検出値をハイパスフ
ィルタ処理することにより、車両固有のばね上共振点近
傍の周波数成分を除去することができると共に、ハイパ
スフィルタのカットオフ周波数近傍では位相を進ませる
ことができ、位相ずれを改善して良好な後輪制御を行
う。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は、本発明の一実施例を示す概略構成図であ
り、図中、10は車体側部材を、11FL〜11RRは前左
〜後右車輪を、12はサスペンション制御装置を夫々示
す。
【0008】サスペンション制御装置12は、車体側部
材10と車輪11FL〜11RRの各車輪側部材14との間
に各々介装されたアクチュエータとしての油圧シリンダ
18FL〜18RRと、これら油圧シリンダ18FL〜18RR
の作動圧を個別に調整する圧力制御弁20FL〜20RR
と、これら圧力制御弁20FL〜20RRに所定圧力の作動
油を供給側配管21Sを介して供給すると共に、圧力制
御弁20FL〜20RRからの戻り油を戻り側配管21Rを
通じて回収する油圧源22と、この油圧源22及び圧力
制御弁20FL〜20RR間の供給圧側配管21Sに介挿さ
れた蓄圧用のアキュムレータ24F,24Rと、車速を
検出してこれに応じたパルス信号を出力する車速センサ
26と、前左輪11FL及び前右輪11FRに夫々対応する
位置における車体の上下方向加速度を夫々個別に検出す
る上下加速度検出手段としての上下方向加速度センサ2
8FL及び28FRと、各センサ26及び28FL,28FRの
検出値に基づき前輪の運動状態に応じて後輪側の圧力制
御弁20RL及び20RRの出力圧を個別に制御するコント
ローラ30とを備えている。
【0009】油圧シリンダ18FL〜18RRの夫々は、シ
リンダチューブ18aを有し、このシリンダチューブ1
8aには、軸方向貫通孔を有するピストン18cにより
隔設された下側の圧力室Lが形成され、ピストン18c
の上下面の受圧面積差と内圧に応じた推力を発生する。
そして、シリンダチューブ18aの下端が車輪側部材1
4に取り付けられ、ピストンロッド18bの上端が車体
側部材10に取り付けられている。また、圧力室Lの各
々は、油圧配管38を介して圧力制御弁20FL〜20RR
の出力ポートに接続されている。また、油圧シリンダ1
8FL〜18RRの圧力室Lの各々は、絞り弁32を介して
バネ下振動吸収用のアキュムレータ34に接続されてい
る。また、油圧シリンダ18FL〜18RRの各々のバネ
上,バネ下相当間には、比較的低いバネ定数であって車
体の静荷重を支持するコイルスプリング36が配設され
ている。
【0010】圧力制御弁20FL〜20RRの夫々は、スプ
ールを摺動自在に内装した円筒状の弁ハウジングとこれ
に一体的に設けられた比例ソレノイドとを有する、従来
周知の3ポート比例電磁減圧弁(例えば特開昭64−7
4111号参照)で構成されている。そして、比例ソレ
ノイドの励磁コイルに供給する指令電流i(指令値)を
調整することにより、弁ハウジング内に収容されたポペ
ットの移動距離、即ちスプールの位置を制御し、供給ポ
ート及び出力ポート又は出力ポート及び戻りポートを介
して油圧源22と油圧シリンダ18FL〜18RRとの間で
流通する作動油を制御できるようになっている。
【0011】ここで、励磁コイルに加えられる指令電流
i(:iFL〜iRR)と圧力制御弁20FL(〜20RR)の
出力ポートから出力される制御圧Pとの関係は、図3に
示すように、ノイズを考慮した最小電流値iMIN のとき
には最低制御圧PNIM となり、この状態から電流値iを
増加させると、電流値iに比例して直線的に制御圧Pが
増加し、最大電流値iMAX のときには油圧源22の設定
ライン圧に相当する最高制御圧PMAX となる。この図3
で、iN は中立指令電流,PCNは中立制御圧である。
【0012】上下方向加速度センサ28FL及び28RLの
夫々は、図4に示すように、上下方向加速度が零である
ときに零の電圧、上方向の加速度を検出したときにその
加速度値に応じた正のアナログ電圧、下方向の加速度を
検出したときに、その加速度値に応じた負のアナログ電
圧でなる上下方向加速度検出値ZGFL 及びZGFR を出力
するように構成されている。
【0013】コントローラ30は、図5に示すように、
上下方向加速度センサ27FL,27FRの上下方向加速度
検出値ZGFL,GFR が夫々入力されるハイパスフィルタ
40FL,40FRと、これらのフィルタ出力をディジタル
値に変換するA/D変換器41FL, 41FRと、車速セン
サ26の車速検出値V及び各A/D変換器41FL,41
FRのA/D変換出力が入力されるマイクロコンピュータ
42と、このマイクロコンピュータ42から出力される
圧力指令値PFL〜PRRがD/A変換器43FL〜43RRを
介して供給され、これらを圧力制御弁20FL〜20RRに
対する駆動電流iFL〜iFRに変換する例えばフローティ
ング形定電圧回路で構成される駆動回路44FL〜44FR
とを備えている。
【0014】ここで、ハイパスフィルタ41FL,41FR
の夫々は、周波数に対するゲイン特性及び位相特性が夫
々図6(a) 及び(b) に示すように設定され、カットオフ
周波数fC が例えば図6(a) で鎖線図示のサスペンショ
ンの応答特性曲線のばね上共振周波数(約1.2Hz近
傍)より高い5Hzに設定されている。また、マイクロコ
ンピュータ42は、少なくとも入力側インタフェース回
路42a、出力側インタフェース回路42b、演算処理
装置42c及び記憶装置42dを有する。入力インタフ
ェース回路42aには、車速検出値V及びA/D変換器
41FL,41FRの変換出力が入力され、出力側インタフ
ェース回路42bからは各圧力制御弁20FL〜20RRに
対する圧力指令値PFL〜PRRがD/A変換器43FL〜4
3RRに出力される。また、演算処理装置42cは、後述
する図7の処理を実行して、所定サンプリング時間TS
(例えば20msec)毎に、前輪上下方向加速度ZGFL,
GFR のハイパスフィルタを通過した高周波数成分を読込
み、これらに基づいて前輪側の圧力制御弁20FL,20
FRに対する圧力指令値PFL,PFRを算出し、これらを記
憶装置42dに形成した所定段数のシフトレジスタに対
応する記憶領域に順次シフトしながら更新記憶すると共
に、車速検出値Vに基づいて算出した所定の遅延時間τ
D 分前の前輪の圧力指令値PFL,PFRを読出してこれを
後輪の現在圧力指令値PRL(n)及びPRR(n)として
D/A変換器43RL,43RRに出力する。
【0015】さらに、記憶装置42dは、予め演算処理
装置42cの演算処理に必要なプログラムが記憶されて
いると共に、所定サンプリング時間TS 毎に算出する前
輪側圧力指令値PFL及びPFRを夫々順次シフトさせなが
ら所定数格納するシフトレジスタ領域が形成され、さら
に演算処理装置42cの演算過程で必要な演算結果を逐
次記憶する。
【0016】次に、上記実施例の動作をマイクロコンピ
ュータ42における演算処理装置42cの処理手順を示
す図7のフローチャートを伴って説明する。すなわち、
図7の処理は所定サンプリング時間TS (例えば20ms
ec)毎のタイマ割込処理として実行され、先ず、ステッ
プS1で、ハイパスフィルタ41FL,41FRを通過して
前輪側の上下加速度センサ28FL,28FRの上下加速度
検出値ZGFL,GFR を読込み、次いでステップS2に移
行して車速センサ24の車速検出値Vを読込んでからス
テップS3に移行する。
【0017】このステップS3では、フィルタ処理され
た上下方向加速度検出値ZGFL,GFR をもとに下記(1)
式〜(4) 式の演算を行って現時点での前輪側の圧力制御
弁20FL〜20RRに対する圧力指令値PFL(n)〜PRR
(n)を算出し、これらのうち後輪側圧力指令値P
RL(n)及びPRR(n)を記憶装置42dに設定した2
組のシフトレジスタ領域の初段に夫々格納すると共に、
前回迄の後輪側圧力指令値PRL(n−1)及びPRR(n
−1)、PRL(n−2)及びPRR(n−2)……を順次
1つずつシフトする。
【0018】 PFL(n)=PNF−KB ・ZGFL …………(1) PFR(n)=PNF−KB ・ZGFR …………(2) PRL(n)=PNR−KB ・ZGFL …………(3) PRR(n)=PNR−KB ・ZGFR …………(4) ここで、PNF及びPNRは前輪側及び後輪を目標車高に維
持するために必要とする中立圧指令値、KB はバウンス
制御ゲインである。
【0019】次いで、ステップS4に移行して、下記
(5) 式に示すように、前輪11FL及び11FRと後輪11
RL及び11RRとの間の距離を表すホイールベースLを車
速検出値Vで除して前輪11FL及び11FRが通過した路
面を後輪11RL及び11RRが通過するまでの所要時間
(L/V)を算出し、これから演算遅れとアクチュエー
タの応答遅れを考慮した時間Δτを減算して前輪11FL
及び11FRと後輪11RL及び11RRとの間の遅延時間τ
D を算出する。
【0020】 τD =(L/V)−Δτ …………(5) 次いで、ステップS5に移行して、上記ステップS4で
算出した遅延時間τDをサンプリング時間TS で除し
て、現在時点で後輪11RL,11RRが通過する路面情報
に該当するシフトアドレスを決定し、これに基づいて記
憶装置42dのシフトレジスタ領域をアクセスして該当
する後輪用圧力指令値PRL(n−i)及びPRR(n−
i)を読出し、これらを後輪用圧力指令値PRL(m)及
びPRR(m)として決定する。 次いで、ステップS6
に移行して、前記ステップS3で算出した現時点での前
輪側圧力指令値PFL(n)及びPFR(n)とステップS
5で決定した後輪側圧力指令値PRL(m)及びP
RR(m)とを夫々D/A変換器43FL〜43RRに出力し
てからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラ
ムに復帰する。
【0021】ここで、図7の処理が制御手段に対応して
いる。したがって、今、車両が平坦な良路を目標車高を
維持して直進定速走行しているものとする。この状態で
は、車両が平坦な良路で目標車高を維持していることか
ら、車体側部材10に揺動を生じないので、前輪側に配
置された上下方向加速度センサ28FL及び28FRの加速
度検出値ZGFL 及びZGFR は略零となっており、これら
がハイパスフィルタ40FL及び40FRを介してコントロ
ーラ30に入力される。
【0022】このように、平坦な良路走行を継続してい
る状態では、マイクロコンピュータ42で、所定サンプ
リング時間TS 毎に実行される図7の処理におけるステ
ップS3で前記(1)〜(4)式で右辺第2項が零とな
ることにより、目標車高値H T にのみ対応した中立圧指
令値PNF及びPNRの前輪側圧力指令値PFL(n),PFR
(n)及び後輪側圧力指令値PRL(n),PRR(n)が
算出され、後輪側圧力指令値PRL(n),PRR(n)が
順次記憶装置42dのシフトレジスタ領域に格納され
る。このため、ステップS6で読出される前輪側及び後
輪側圧力指令値PFL(n),PFR(n)及びP
RL(m),PRR(m)は共に中立圧指令値PNF及びPNR
に対応した値となり、これらが出力側インタフェース回
路42b及びD/A変換器43FL〜43RRを介して駆動
回路44FL〜44RRに出力される。
【0023】このため、駆動回路44FL〜44RRで圧力
指令値PFL〜PRRに対応した指令電流iFL〜iRRに変換
されて前輪側の圧力制御弁20FL〜20RRに供給され
る。この結果、圧力制御弁20FL〜20RRから目標車高
を維持するために必要な中立圧PCNF ,PCNR が前輪側
及び後輪側の油圧シリンダ18FL,18FR及び18RL,
18RRに出力され、これら油圧シリンダ18FL〜18RR
で車体側部材10及び車輪側部材14間のストロークを
目標車高に維持する推力を発生する。
【0024】この良路直進走行状態で、例えば前左右輪
11FL及び11FRが同時に一過性の例えば凸部を通過す
る状態となると、前左右輪の凸部乗り上げによるバウン
ドによって車体側部材10に上方向の加速度が発生し、
これが前左右輪の上下方向加速度センサ28FL及び28
FRで検出される。このため、マイクロコンピュータ42
で図7の処理が実行されるサンプリング時間TS 毎に、
ステップS3で前輪側の上昇速度の変化を抑制する前輪
側圧力指令値PFL(n), FR(n)及び後輪側圧力指
令値PRL(n)及びPRR(n)が算出され、後輪側圧力
指令値PRL(n)及びPRR(n)が順次シフトされなが
ら記憶装置42dのシフトレジスタ領域に格納される。
したがって、ステップS3で算出される圧力指令値PFL
(n)及びPFR(n)は凸部乗り上げによる車体上昇速
度に応じて中立圧指令値PNFより低下され、これに応じ
て駆動回路44FL及び44FRから出力される指令電流i
FLが低下し、これによって圧力制御弁20FL及び20FR
から出力される制御圧PC が中立圧PCNF より低下し
て、油圧シリンダ18FL及び18FRの推力が低下され、
前輪側のストロークを減少させることにより、前輪11
FL及び11FRの凸部乗り上げによる車体側部材10の揺
動を抑制することができる。
【0025】その後、路面凸部の頂部を通過し終わる
と、リバウンド状態となって車体側部材10に下方向の
加速度を生じることになり、マイクロコンピュータ42
で図7の処理が実行されるサンプリング時間TS 毎に、
上記とは逆にステップS3で前輪側の加工速度の変化を
抑制する前輪側圧力指令値PFL(n), FR(n)及び
後輪側圧力指令値PRL(n)及びPRR(n)が算出さ
れ、後輪側圧力指令値PRL(n)及びPRR(n)が順次
シフトされながら記憶装置42dのシフトレジスタ領域
に格納される。したがって、ステップS3で算出される
圧力指令値PFL(n)及びPFR(n)は凸部通過後の車
体下降速度に応じて中立圧指令値PNFより増加され、こ
れに応じて駆動回路44FL及び44FRから出力される指
令電流iFLが増加し、これによって圧力制御弁20FL及
び20FRから出力される制御圧PC が中立圧PCNF より
増加して、油圧シリンダ18FL及び18FRの推力が増加
され、前輪側のストロークを増加させることにより、前
輪11FL及び11FRの凸部乗り上げ後の車体側部材10
の揺動を抑制することができる。
【0026】同様に、後輪側については、図7のステッ
プS4で算出される遅延時間τD が経過した時点から順
次、遅延時間τD だけ前即ち前述した前左右輪11FL,
11FRが凸部を通過した時点の後輪側圧力指令値P
RL(n−i),PRR(n−i)を読出し、これらを後輪
側圧力指令値PRL(m),PRR(m)として圧力制御弁
20RL,20RRに出力する。この結果、前輪11FL,1
1FRが凸部乗り上げ開始時点から遅延時間τD 分遅れた
後輪11RL,11RRが凸部に乗り上げる時点から後輪側
圧力指令値PRL(m),PRR(m)が中立圧指令値PN
から減少することにより、駆動回路44RL及び44RRか
ら出力される指令電流iRLが中立電流iNRより低下し、
これによって圧力制御弁20RL及び20RRから出力され
る制御圧PCが中立圧PCNR より低下して、油圧シリン
ダ18RL及び18RRの推力が低下され、後左輪側のスト
ロークを減少させることにより、後左右輪11RL及び1
1RRの凸部乗り上げによって車体側部材10に生じる揺
動を抑制することができる。
【0027】このとき、上下方向加速度センサ28FL及
び28FRの上下方向加速度検出値ZGFL 及びZGFR がハ
イパスフィルタ40FL及び40FRを介してマイクロコン
ピュータ42に入力され、これらハイパスフィルタ40
FL及び40FRのカットオフ周波数fC がばね上共振周波
数(約1.2Hz程度)より高い周波数の5Hzに設定され
ているので、これらハイパスフィルタ40FL及び40FR
によって上下加速度検出値ZGFL 及びZGFR 中の車体固
有の振動成分を除去することができる。また、カットオ
フ周波数近傍で位相を進ませる作用を有するので、制御
系の位相遅れを補償することができると共に、元々油圧
シリンダ18FL〜18RR自身が持っている減衰力を相殺
乃至抑制する負の減衰力を発生させることができ、車輪
側から車体側に伝達される振動入力を吸収して良好な乗
心地を確保することができる。
【0028】さらに、カットオフ周波数が5Hzのハイパ
スフィルタを使用した場合には、周波数に対するゲイン
特性は、図8で実線図示の曲線L1 で示すように、一点
鎖線図示の曲線L3 で示すハイパスフィルタを使用しな
い場合のゲイン特性に比較して、乗員が不快感を生じ易
い4〜8Hzの周波数領域におけるゲインを低下させて、
車体側部材10に伝達される振動を低減することがで
き、より乗心地を向上させることができる。すなわち、
乗員に不快感を与える周波数領域は、ISOの上下振動
の評価基準(作業の性格さを維持しうる時間を基準にし
て振動の負担度)を表している図9に示すように、1/
3オクターブバンドの中心周波数が4〜8Hzである場
合、例えば上下加速度が0.31であるときには8時間
耐えられるが、0.50になると4時間しか耐えられな
いことになるが、その他の周波数領域では、単位時間当
たりの耐えられる上下加速度の値が高くなることから、
車体に生じる上下方向加速度のうち4〜8Hzが最も乗員
が不快感を感じ易い周波数領域ということができる。
【0029】一方、前輪11FL,11FRの何れか一方例
えば前左輪11FLのみが一過性の凸部に乗り上げた場合
には、左輪側の油圧シリンダ18FL及び18RLについて
のみ上記揺動抑制制御が行われ、凸部乗り上げを生じな
い右輪側の油圧シリンダ18FR及び18RRについては、
中立圧を維持する制御が行われる。また、前輪11FL、
11FRが一過性の凹部に落ち込んだときには、上記と逆
の制御を行って車体の揺動を抑制することができ、さら
に一過性の凹凸に限らず不整路面等の連続的な凹凸路面
を走行する場合でも前輪の挙動に応じて後輪を予測制御
することができる。
【0030】なお、上記実施例においては、ハイパスフ
ィルタ40FL及び40FRのカットオフ周波数を5Hzに設
定した場合について説明したが、これに限定されるもの
ではなく、例えばカットオフ周波数を例えば10Hzに設
定した場合でも図8で破線図示の曲線L2 で示すよう
に、乗員に不快感を与える4〜8Hzの周波数領域でゲイ
ンを低下させることができ、カットオフ周波数をばね上
共振周波数より高い任意の周波数に選定することができ
る。
【0031】また、上記実施例においては、上下方向加
速度センサ28FL,28FRの上下方向加速度検出値Z
GFL,GFR をハイパスフィルタ40FL,40FRでフィル
タ処理する場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、ハイパスフィルタ40FL,40FRを省略
し、これに代えてマイクロコンピュータ42で読込んだ
上下方向加速度検出値ZGFL,GFR をハイパスフィルタ
処理するようにしてもよい。
【0032】さらに、上記実施例においては、上下方向
加速度に基づいてのみサスペンション制御を行う場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、他
の横方向加速度センサ、前後方向加速度センサ等の加速
度検出値に基づくロール、ピッチ、バウンスを抑制する
制御信号を算出し、これらを前記圧力指令値PFL〜PRR
に加減算してトータル制御を行うようにしてもよい。
【0033】さらにまた、上記各実施例においては、制
御弁として圧力制御弁20FL〜20RRを適用した場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、他
の流量制御型サーボ弁等を適用し得るものである。ま
た、上記実施例においては、コントローラ30をマイク
ロコンピュータ62で構成した場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、シフトレジスタ、
演算回路等の電子回路を組み合わせて構成するようにし
てもよいことは言うまでもない。
【0034】さらに、上記実施例においては、作動流体
として作動油を適用した場合について説明したが、これ
に限らず圧縮率の少ない流体であれば任意の作動流体を
適用し得る。またさらに、上記実施例においては、アク
チュエータとして能動型サスペンションを適用した場合
について説明したが、これに限定されるものではなく、
減衰力可変型ショックアブソーバ等のサスペンションの
減衰特性やばね特性を変更し得る構成であれば任意のア
クチュエータを適用することができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るサス
ペンション制御装置によれば、上下方向加速度検出手段
で検出した前輪側の上下方向加速度検出値をハイパスフ
ィルタ手段を介して制御手段に供給することにより、後
輪と車体との間に介挿したアクチュエータを予測制御す
る構成としたので、上下方向加速度検出値中の車体に固
有振動を与えるばね上共振周波数を含む低周波数成分を
除去して、固有振動を防止することができると共に、カ
ットオフ周波数近傍での位相遅れを補償することがで
き、さらに乗員に不快感を与える4〜8Hzの周波数領域
の振動を低下させて乗心地を格段に向上させることがで
きるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略構成を示す基本構成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図3】圧力制御弁の指令電流に対する制御圧の関係を
示す特性線図である。
【図4】上下方向加速度センサの出力特性を示す特性線
図である。
【図5】コントローラの一例を示すブロック図である。
【図6】ハイパスフィルタの特性を示す特性線図であ
り、(a) はゲイン特性線図、(b)は位相特性線図であ
る。
【図7】マイクロコンピュータの処理手順の一例を示す
フローチャートである。
【図8】本発明の動作の説明に供する周波数に対するゲ
イン特性を示す特性線図である。
【図9】1/3オクターブバンドの中心周波数と上下加
速度との関係を示す上下振動の評価基準特性線図であ
る。
【符号の説明】
10 車体側部材 11FL〜11RR 車輪 14 車輪側部材 18FL〜18RR 油圧シリンダ 20FL〜20RR 圧力制御弁 22 油圧源 26 車速センサ 28FL,28FR 上下方向加速度センサ 30 コントローラ 40FL,40FR ハイパスフィルタ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と後輪との間に配設され、制御信号
    によってそれら間のストロークを制御可能な制御力を発
    生するアクチュエータと、前輪上の車体上下加速度を検
    出する上下加速度検出手段と、該上下加速度検出手段の
    上下加速度検出値に基づいて前記アクチュエータを前後
    輪間の遅延時間を考慮して制御する制御手段とを備えた
    サスペンション制御装置において、前記上下加速度検出
    手段と前記制御手段との間に上下加速度の検出値をフィ
    ルタ処理するハイパスフィルタ手段を介挿したことを特
    徴とするサスペンション制御装置。
JP14871492A 1992-05-15 1992-05-15 サスペンション制御装置 Pending JPH05319060A (ja)

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