JPH05318694A - 化粧板の製造法 - Google Patents

化粧板の製造法

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JPH05318694A
JPH05318694A JP14792592A JP14792592A JPH05318694A JP H05318694 A JPH05318694 A JP H05318694A JP 14792592 A JP14792592 A JP 14792592A JP 14792592 A JP14792592 A JP 14792592A JP H05318694 A JPH05318694 A JP H05318694A
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thermosetting resin
colored
pattern
resin
decorative
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JP14792592A
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Hiroaki Taguma
裕昭 田熊
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CHIYODA GRAVURE INSATSUSHIYA K
CHIYODA GRAVURE INSATSUSHIYA KK
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CHIYODA GRAVURE INSATSUSHIYA K
CHIYODA GRAVURE INSATSUSHIYA KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 着色した熱硬化性樹脂を熱硬化性樹脂含浸紙
に塗布するか該着色樹脂を担持させた透明オーバーレイ
紙もしくはプラスチックフィルムを熱硬化性樹脂含浸紙
に重ね合わせたものを表面化粧材として用いる。これを
凹凸模様付基材に重ね合わせて熱圧成形しするか、表面
平滑な基材と組み合わせてエンボス型板で熱圧成形す
る。 【効果】 凹凸模様と同調した着色模様を付与すること
ができ、化粧紙の印刷柄に依存する従来の製造法では到
底不可能な、高級感ある特殊な意匠表現が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、凹凸模様に同調した着
色模様を有する熱硬化性樹脂化粧板を製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】合板、パーチクルボード等、安価な板か
らなる基材にシート状の表面化粧材を接着してなる化粧
板のうち、熱硬化性樹脂含浸処理を施した化粧紙すなわ
ち熱硬化性樹脂含浸紙(単に含浸紙ということもある)
を化粧材に用い、いわゆる熱圧成型による貼り合わせ工
程で加圧下に加熱して含浸樹脂を硬化させ、基材に化粧
材を接着すると同時に表面化粧材層の強化を行なった熱
硬化性樹脂化粧板は、表面が事実上樹脂化されているた
め、表面物性に優れ、汚れにくく、後で塗装する必要が
ないという特長がある。
【0003】この化粧板で表面に模様を有するものを製
造するときは、所望の模様が印刷された化粧紙を用意
し、それに透明な(無着色の)熱硬化性樹脂を含浸さ
せ、得られた含浸紙を熱圧成型により基材に積層するの
が普通である。まれに、意匠性向上の一手段として、上
記方法による着色模様と共に凹凸模様を設ける場合もあ
るが、その場合は、プレス面に凹凸を有するエンボス型
板を用いて熱圧成型と同時にエンボスを行うか、金型等
を使用して基材に凹凸模様を形成しておき、得られた凹
凸付き基材に含浸紙を重ね合わせ、さらに離型シートと
クッション材(シリコーンゴムシート、フェルト等)を
重ねて熱圧成型を行う方法が採用される。
【0004】凹凸付き基材を用いる方法においては、成
型時の圧力によりクッション材が変形して離型シートお
よび含浸紙を基材の凹部に食い込ませ、凹凸模様のある
化粧板を与える。この方法で印刷模様に合わせた凹凸を
有するもの、あるいは凹凸模様に合わせた印刷模様を施
されたものを製造すると、意匠的にきわめて優れたもの
が得られる。しかしながら、含浸紙は化粧紙印刷後の樹
脂含浸と乾燥を経ると大きな寸法変化を生じるから、基
材の凹凸と完全に合致する図柄の製版は至難である。ま
た、寸法変化を考慮して精度の高い印刷を施すことがで
きたとしても、含浸紙は積層前に湿度変化によっても伸
縮を起こすし、熱圧成型時に基材の凹凸模様と含浸紙の
図柄を一致させることもきわめて煩雑な作業になる。し
たがって、基材の凹凸模様と含浸紙上の図柄を安定して
同調させることは従来ほとんど不可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、凹凸
模様とそれに同調した着色模様とを有する化粧板を化粧
紙の印刷模様に依存することなしに簡単に製造する方法
を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すること
に成功した本発明による化粧板製造法は、着色もしくは
不透明化した熱硬化性樹脂(以下、着色樹脂という)を
熱硬化性樹脂含浸紙に塗布するか該着色樹脂を担持させ
た透明オーバーレイ紙もしくはプラスチックフィルムを
熱硬化性樹脂含浸紙に重ね合わせてなる表面化粧材(以
下、本発明の表面化粧材という)を用いることを特徴の
一つとし、用いる基材や成型手段の相違により次の4方
法に大別することができる。
【0007】1.本発明の表面化粧材を凹凸模様付き基
材上にセットし、クッション材を介してプレス圧を加え
る熱圧成型を行う。 2.本発明の表面化粧材を表面平滑な基材上にセット
し、凹凸模様付与のための凹凸を有するエンボス型板を
用いて熱圧成型を行う。 3.本発明の表面化粧材を凹凸模様付き基材上にセット
し、平滑な鏡面板を介してプレス圧を加える熱圧成型を
行う。 4.本発明の表面化粧材を凹凸模様付き基材上にセット
し、凹凸模様付与のための凹凸を有するエンボス型板を
用いて熱圧成型を行う。
【0008】本発明の表面化粧材は、化粧紙に透明かつ
無着色の熱硬化性樹脂が含浸されてなる一般的な含浸紙
を用いて、次のいずれかの方法で製造されるものであ
る。 a.一般的な含浸紙の表面(模様印刷面)に着色樹脂
を、バーコーター、フローコーター、ロールコーター、
エアナイフコーター等で均一に塗布し乾燥する。 b.化粧板製造に通常使用される透明オーバーレイ紙に
着色樹脂を含浸処理し、一般的な含浸紙の表面側に重ね
合わせる。 c.プラスチックフィルムの片面に着色樹脂を、グラビ
ヤコーター、バーコーター、フローコーター、ロールコ
ーター等で均一に塗布し、乾燥後、一般的な含浸紙の表
面側に、着色樹脂塗布面を含浸紙側にして重ね合わせ
る。
【0009】本発明の化粧板製造法においては、上述の
ような本発明の表面化粧材を用い、その中の着色樹脂が
熱圧成型工程の初期の段階で軟化して流動可能になるの
を利用して、印刷による模様とは別の着色模様を形成さ
せる。以下、本発明の製造法の詳細を説明する。
【0010】最初に本発明の表面化粧材の製造法を説明
すると、これに使用する含浸紙は前述のように一般的な
ものでよく、その基材である化粧紙は、ベタ刷り着色さ
れたもの、凹凸と同調させようとする模様とは別の模様
を印刷されたものなど、いずれであってもよく、また、
いかなる印刷も施されていない紙(たとえば一般的な化
粧紙製造用原紙)であってよい。含浸紙に塗布するか透
明オーバーレイ紙もしくはプラスチックフィルムに担持
させる着色樹脂は、次の方法で調製することができる。
【0011】透明なままの着色には、主剤とする熱硬化
性樹脂に相溶性がある染料もしくは顔料等の透明着色剤
を用いる。樹脂を不透明化して使用する場合、不透明化
は同時に着色を伴っても差し支えなく、各種顔料(たと
えば酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、黄鉛、パール顔
料等)、金属粉末(アルミニウム粉末、銅・亜鉛合金粉
末等)、アクリルビーズ、その他、主剤とする熱硬化性
樹脂とは異なる熱硬化性樹脂もしくは熱可塑性樹脂であ
って主剤樹脂に溶け且つそれを不透明化するもの(たと
えばメラミン樹脂に対するアクリル樹脂エマルジョン)
などを、含浸樹脂の特性を著しく悪化させない範囲で混
合することにより行う。なお、不透明化は樹脂液の段階
では明白に生じなくてもよく、最終製品の硬化した樹脂
層において生じればよい。
【0012】着色樹脂を調製するための熱硬化性樹脂と
しては、ジアリルフタレート系樹脂、ポリエステル系樹
脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、フェノ
ール系樹脂、尿素系樹脂など、熱硬化性樹脂化粧板の製
造に通常使用されるものを用いることができ、含浸紙に
含浸された樹脂と同一である必要はないが、相溶性を有
するものであることが望ましい。主剤樹脂に対する染
料、顔料等の添加率は、意図する意匠効果に応じて、適
宜選定することができる。
【0013】透明オーバーレイ紙に着色樹脂を含浸した
ものを用いる場合、透明オーバーレイ紙としては、化粧
板の表面保護用に一般的に使用されている透明オーバー
レイ含浸紙製造用の原紙を使用することができ、ゴール
ド、シルバー、パール等の顔料をすき込んだ混抄紙であ
ってもよいが、下層に形成される模様を隠蔽しないよ
う、透明性のよいものを選ぶことが望ましい。
【0014】また、プラスチックフィルムに着色樹脂を
塗布したものを使用する場合、プラスチックフィルムと
してはポリエステルフィルムなど、高融点かつ物性の優
れたフィルムが適当である。なお、このフィルムは、熱
圧成型後、製品から剥がしてもよいが、そのまま製品の
表面層として残すこともできる。表面層として残す場合
は、樹脂との親和性を良くするための表面処理を施して
おくことが望ましい。本発明の表面化粧材における着色
樹脂の塗布量もしくは含浸量は、いずれの場合も、約2
0〜100g/m2程度が適当である。
【0015】基材としては、パーチクルボード、合板、
ファイバーボード、積層コア用のクラフト含浸紙、その
他スレートのような無機質板材など、任意のものを使用
することができる。凹凸模様を有する基材を用いる場合
は、エンボスその他任意の手段により凹凸模様を設けて
おく。
【0016】着色樹脂を塗布した含浸紙または着色樹脂
含浸処理オーバーレイ紙を本発明の表面化粧材として用
いる場合は、熱圧成型を行うとき積層材料の一番上にプ
ラスチックフィルムを配置して、それを製品の表面層と
して積層することができる。プラスチックフィルムを製
品の表面層として積層すると、化粧板の模様を保護し、
耐摩耗性、耐薬品性等を向上させることができる。この
場合に用いるプラスチックフィルムは、熱圧成型条件下
で溶融してはならないが、基材の凹凸に合わせて変形可
能であることが望ましい。また、化粧板表面に形成され
た模様が隠蔽されないよう熱圧成型後も透明なものでな
ければならないが、部分的には印刷や不透明化加工を施
されたものであってもよい。適当なフィルムとしては、
ポリエステルフィルムなど、物性の優れたフィルムの片
面に接着性を付与するためのコロナ放電処理やプライマ
ー処理を施したものなどがある。
【0017】また、製品最上層がフィルムになるような
構成でない場合は、クッション材や型板が着色樹脂層と
接着するのを防止するための離型シート、または艶消し
仕上げやテクスチャー仕上げのための微細凹凸形状転写
用シートを、着色樹脂層形成用材料の上に配置して熱圧
成型を行い、成型終了後に剥離することができる。
【0018】上述の材料を所定の配置で重ねて行う熱圧
成型は、基本的には常法に従って行うことができる。そ
の好適条件は用いる材料の種類により若干異なるが、お
おむね温度約100〜200℃、圧力約10〜100kg
f/cm2の範囲にある。剥離されるべきプラスチックフィ
ルムが最上層に配置されている場合は、樹脂の硬化完了
後、製品の表面に密着したフィルムを製品使用までの任
意の段階で剥がす。
【0019】本発明の表面化粧材を凹凸模様付き基材上
にセットし、クッション材を介してプレス圧を加える第
一の製造法では、熱圧成型開始直後、含浸紙が本来保有
していた無着色樹脂と共に着色樹脂が溶融状態になると
共に基材の凸部においては凹部よりも大きなプレス圧を
受けるため、化粧紙中または化粧紙表面を基材凹部の方
向に移動し、凹部上で多く凸部上で少ない偏在状態にな
る。同時に、クッション材がプレス圧により変形して基
材表面の凹部に入り込もうとし、凹部上の化粧紙を、そ
こに移動して来た樹脂と共に凹部に押し込む(最上層と
してプラスチックフィルムをセットした場合は、該フィ
ルムも上記クッション材および含浸紙の変形に追随す
る)。その後、温度が上昇して熱硬化性樹脂の硬化が進
み、化粧紙と基材との接着も完了したあとでは、着色樹
脂が透明なまま着色されたものであった場合は単位面積
当たりの着色樹脂量が凸部よりも多くなった凹部が凸部
よりも濃色になる。一方、着色樹脂が不透明化されてい
た場合は、同様にして樹脂量が増えた凹部では樹脂によ
る化粧紙の隠蔽度が強くなって化粧紙の地色とはほとん
ど無関係の、樹脂の色になるが、凸部では樹脂量が少な
くなって隠蔽度が低下し、樹脂層は半透明になって化粧
紙の地色や模様がそのまま見える状態になる。いずれの
場合も、基材の凹部を十分深く形成しておけば、凹部
は、周囲から移動して来た樹脂や化粧紙等が押し込まれ
て硬化した後も凹部として残る。以上により、凹凸と完
全に同調した着色模様が形成される。
【0020】本発明の表面化粧材を表面平滑な基材上に
セットし、エンボス型板を用いて熱圧成型を行う第二の
製造法においても、熱圧成型時に着色樹脂と無着色樹脂
が溶融状態になり、同時に、プレスに用いるエンボス型
板の凸部すなわち製品において凹部となる部分でエンボ
ス型板の凹部よりも大きなプレス圧が加わるため、化粧
紙に沿って樹脂がエンボス型板の凹部の方向に流れて偏
在するようになる。これと並行して、化粧紙と基材がエ
ンボスされるので、その後、樹脂の硬化が完了すると、
着色樹脂量が減少した製品凹部は樹脂量が増えた製品凸
部よりも樹脂色が薄くなるか化粧紙隠蔽度が減少して、
凹凸と完全に同調した着色模様が形成される。
【0021】本発明の表面化粧材を凹凸模様付き基材上
にセットし、平滑な鏡面板を介してプレス圧を加える第
三の製造法においては、溶融状態になった着色樹脂と含
浸紙の無着色樹脂がプレス圧の低い基材凹部の方向に移
動し、凹部上で多く凸部上で少ない偏在状態になる。樹
脂が硬化した後で得られる製品は、表面は平滑である
が、基材凹部において凸部よりも樹脂層が厚く、着色樹
脂による着色または不透明度が強いので、化粧紙の印刷
模様に深みと変化を生じる。
【0022】本発明の表面化粧材を凹凸模様付き基材上
にセットし、エンボス型板を用いて熱圧成型を行う第4
の製造法においては、溶融状態になった着色樹脂と含浸
紙の無着色樹脂が受けるプレス圧の分布とそれによる樹
脂の流動は、基材の凹凸とエンボス型板の凹凸の両方に
支配される。そして、化粧紙はエンボス型板の凸部によ
り基材に押し込まれるだけでなく、エンボス型板の凸部
ではない位置においても、基材凹部においては流入する
樹脂によって基材凹部に押し込まれる。基材凸部とエン
ボス型板凹部が対向した位置においては、エンボス型板
凹部方向に流動する樹脂によって化粧紙は基材からやや
浮き上がる。その結果、製品は表面凹凸、化粧紙面の凹
凸、着色樹脂層厚みの大小等が複合して作用することに
より独特の意匠効果を示すものとなる。
【0023】顔料等を用いて不透明化した樹脂と染料に
より着色しただけの樹脂とは、意匠的にはかなり異なっ
た効果を与える。例えば、隠蔽力の強い顔料を用いると
少量添加でも化粧紙の地色を完全に隠蔽した部分を製品
中に形成させることができるが、染料で着色した場合
は、着色してはいるが透明な硬化樹脂層が形成されるか
ら、着色樹脂量が最も多くなった部分においても化粧紙
の地色や柄が透視可能であり、それによる混色効果等の
特殊効果が現れる。
【0024】
【実施例】
実施例1 パールグリーン色にベタ刷りした化粧紙(100g/m2
に、含浸紙製造に通常使用されるジアリルフタレート系
樹脂を含浸処理し、乾燥して、含浸紙を製造した。この
含浸紙の表面に、含浸紙製造に用いたのと同じジアリル
フタレート樹脂および白色顔料(酸化チタン)の等量混
合物を、固形分換算で10g/m2になるようバーコーター
で均一に塗布し、本発明の表面化粧材を得た。基材とし
ては、厚さ5mmの中密度ファイバーボードの表面をエン
ボス板でプレスしてタイル目地状に深さ約0.6mmの凹
部を形成したものを用いた。
【0025】上記基材のエンボス面に上記酸化チタン含
有樹脂含浸紙と離型シート(ポリエステルフィルム;厚
さ75μm)を重ね、更にクッション材として厚さ3mm
のシリコーンゴムシートを重ねてから、平滑鏡面板をセ
ットしたプレスにより、熱盤設定温度150℃、圧力2
0kgf/cm2で5分間、成型を行なった。プレス終了後、
密着している離型シートを剥離したところ、製品は基材
同様にタイル目地状凹部を有し、且つ酸化チタンを含有
する樹脂がプレス圧の弱い上記凹部に移動した結果、化
粧紙の着色が凹部においては完全に隠蔽されて、白色セ
メントによる本物のタイル目地のように見えるものであ
った。一方、凹部以外の部分は、酸化チタン含有樹脂の
ほとんどが凹部に移行したことにより隠蔽度が低下して
化粧紙の印刷色が透視され、化粧タイルのように見える
ものであった。以上により、凹凸と色調の両方において
本物のタイル貼り壁面の性状を備えた化粧板が得られ
た。
【0026】実施例2 基材としてスレート系無機質板材に実施例1の基材と同
様のタイル目地状凹凸(凹部の最大深さ約0.4mm)を
付与したものを用い、あらかじめ、湿気硬化型ウレタン
によりアルカリ止めプライマー処理を施しておいた。ま
た、実施例1で用いたのと同じジアリルフタレート樹脂
含浸紙を用意した。別に、厚さ75μmのポリエステル
フィルムの片面にアクリルウレタン系プライマーで易接
着処理を施し、その処理面に、含浸紙製造に用いたのと
同様のジアリルフタレート樹脂と白色顔料との混合物
(白色顔料含有率:固形分換算25%)をバーコーターで
均一に塗布して乾燥したもの(塗布量:固形分換算20g/
m2)を用意した。
【0027】上記含浸紙に上記顔料含有樹脂コートフィ
ルムを、樹脂コート面を含浸紙側にして重ねたものを本
発明の表面化粧材として上記基材にセットし、実施例1
と同様にクッション材を用いて熱圧成型を行なった。最
上層のポリエステルフィルムは製品の表面に接着され
た。得られた化粧板は、実施例1の製品と同様に本物の
タイル貼り壁面の外観を有し、且つ、表面にポリエステ
ルフィルムが接着されていることにより、防かび性、対
汚染性、対摩擦性等に優れ、浴室など湿度の高い部屋の
壁材としても使用可能なものであった。
【0028】実施例3 化粧板製造用に市販されているショートサイクルメラミ
ン樹脂液に不透明化のための架橋型アクリルエマルジョ
ンを3%添加し、これを、透明オーバーレイ紙(30g/
m2)に固形分換算で60g/m2含浸して、オーバーレイ含
浸紙を製造した。また、御影石表面に似せた印刷を施し
た化粧紙(80g/m2)に通常のショートサイクルメラメ
ミン樹脂を120g/m2含浸し、含浸紙を製造した。
【0029】得られた含浸紙に上記オーバーレイ含浸紙
を重ね合わせたものを本発明の表面化粧材として厚さ1
5mmのパーチクルボード上にセットし、その上に表面光
沢調整のためのマット加工を施したポリエステルフィル
ムを、その加工面を含浸紙側にして置き、本物の石貼り
面から型取りしたエンボス型板(最大深度差約0.2mm)を
用いて、180℃、30kgf/cm2、60秒の条件で熱圧
成型を行なった。プレス終了後、密着しているポリエス
テルフィルムを剥離したところ、エンボスによる凹部が
ほぼ化粧紙印刷面どおりで凸部が乳白色半透明の、石貼
り壁面の外観を有する化粧板が得られた。
【0030】実施例4 鉄平石の表面割れ目状の凹凸形状(最大深度差約0.3m
m)を有するスレート板にアルカリ止めシーラー処理と
して湿気硬化型ウレタン塗料を塗布した基材を用意し
た。別に、象牙色系の大理石模様を印刷した化粧紙(8
0g/m2)に通常使用されるジアリルフタレート樹脂を固
形分換算で80g/m2含浸した含浸紙を用意した。また、
印刷用白色顔料として使われるものよりも微粒子で隠蔽
力の弱い酸化チタンをジアリルフタレート系樹脂液に固
形分換算で2%添加し、白色不透明化した樹脂液を透明
オーバーレイ紙(30g/m2)に75g/m2含浸し、乾燥し
てオーバーレイ含浸紙を得た。
【0031】さらに、ポリエステルフィルム(100μ
m)に大理石特有の鉄分質の割れ目模様の印刷を行い、
印刷面にアクリルウレタン系透明プライマーで易接着処
理を行った表面接着用フィルムを用意した。上記基材に
上記含浸紙を重ね、その上に上記オーバーレイ含浸紙を
置き、さらにその上に上記表面接着用フィルムを、その
印刷面をオーバーレイ含浸紙側にして置いて、平滑鏡面
板を介し、150℃、25kgf/cm2、5分の条件で熱圧
成型を行なった。最上層のフィルムは製品の表面に接着
された。
【0032】得られた化粧板は、表面が平滑で光沢を有
し、且つ、最下層の化粧紙の大理石模様上に形成されて
いる乳白色の着色樹脂層が基材凹凸に同調して厚みに大
小を有しそれに伴う隠蔽力の大小があるため、透視され
る大理石印刷模様が微妙に変化し、それと最上層フィル
ムに印刷された割れ目模様とが重なり合って見えるた
め、天然大理石研磨品に酷似するものであった。
【0033】
【発明の効果】上述のように、本発明は常法により化粧
板を製造するにあたり着色もしくは不透明化した熱硬化
性樹脂を付加的に用い、凹凸模様付き基材と熱圧成型す
るかエンボス型板により熱圧成型し、その際生じる強加
圧部から弱加圧部への樹脂流動を利用して弱加圧部と強
加圧部とで異なる色調を生じさせるものであるから、何
らの困難もなく、また簡単な工程で、凹凸と完全に同調
した着色模様を有する化粧板を製造することができる。
【0034】また、着色樹脂を担持させた透明オーバー
レイ紙またはプラスチックフィルムを本発明の表面化粧
材として用いる方法においては、透明オーバーレイ紙ま
たはプラスチックフィルムに化粧紙とは別の印刷を施す
こともできるため、その印刷柄を化粧紙の印刷柄と組み
合わせることにより容易に多品種の化粧板を製造するこ
とができる。
【0035】さらに、化粧紙の印刷だけで柄表現を行う
場合は印刷に使用するシリンダーの円周長で柄の繰り返
しピッチが決まってしまうが、本発明の製造法では着色
樹脂を利用する柄表現がプラスされるので、基材の凹凸
付与や熱圧成型に使用するエンボス型板を選ぶことによ
り、印刷だけでは不可能な、繰り返しのない柄表現が可
能である。したがって、本発明により、従来の製造法で
は事実上不可能であったような独特の模様を有する化粧
板を製造することが可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/20 A 6122−4F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂含浸紙に着色もしくは不透
    明化した熱硬化性樹脂を塗布するか該熱硬化性樹脂を担
    持させた透明オーバーレイ紙もしくはプラスチックフィ
    ルムを重ね合わせてなる表面化粧材を凹凸模様付き基材
    上にセットし、クッション材を介してプレス圧を加える
    熱圧成型を行うことを特徴とする、凹凸模様に同調した
    着色模様を有する化粧板の製造法。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂含浸紙に着色もしくは不透
    明化した熱硬化性樹脂を塗布するか該熱硬化性樹脂を担
    持させた透明オーバーレイ紙もしくはプラスチックフィ
    ルムを重ね合わせてなる表面化粧材を基材上にセット
    し、凹凸模様付与のための凹凸を有するエンボス型板を
    用いて熱圧成型を行うことを特徴とする、凹凸模様に同
    調した着色模様を有する化粧板の製造法。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂含浸紙に着色もしくは不透
    明化した熱硬化性樹脂を塗布するか該熱硬化性樹脂を担
    持させた透明オーバーレイ紙もしくはプラスチックフィ
    ルムを重ね合わせてなる表面化粧材を凹凸模様付き基材
    上にセットし、平滑な鏡面板を介してプレス圧を加える
    熱圧成型を行うことを特徴とする、表面平滑で基材の凹
    凸模様に同調した着色模様を有する化粧板の製造法。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂含浸紙に着色もしくは不透
    明化した熱硬化性樹脂を塗布するか該熱硬化性樹脂を担
    持させた透明オーバーレイ紙もしくはプラスチックフィ
    ルムを重ね合わせてなる表面化粧材を凹凸模様付き基材
    上にセットし、凹凸模様付与のための凹凸を有するエン
    ボス型板を用いて熱圧成型を行うことを特徴とする、凹
    凸模様に同調した着色模様を有する化粧板の製造法。
  5. 【請求項5】 着色もしくは不透明化した熱硬化性樹脂
    を担持させたプラスチックフィルムを熱圧成型の過程で
    化粧板表面に接着させることを特徴とする、請求項1、
    請求項2、請求項3または請求項4に記載の化粧板の製
    造法。
JP14792592A 1992-05-15 1992-05-15 化粧板の製造法 Pending JPH05318694A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0858274A (ja) * 1994-08-25 1996-03-05 Toppan Printing Co Ltd 情報担持シート
JPH1076538A (ja) * 1996-09-05 1998-03-24 Sekisui Chem Co Ltd 加飾成形用シート及び加飾成形品の製造方法
DE3824105C2 (de) * 1987-07-16 1999-05-06 Sony Corp Schaltungsanordnung zum Erzeugen einer stabilisierten Ausgangsspannung

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