JPH05309804A - 化粧板の製造法 - Google Patents
化粧板の製造法Info
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- JPH05309804A JPH05309804A JP4137587A JP13758792A JPH05309804A JP H05309804 A JPH05309804 A JP H05309804A JP 4137587 A JP4137587 A JP 4137587A JP 13758792 A JP13758792 A JP 13758792A JP H05309804 A JPH05309804 A JP H05309804A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 化粧紙貼り基材の表面を加工する樹脂に着色
剤を含有させておき、基材表面に凹凸模様を付けておく
方法あるいは樹脂が硬化する過程で樹脂層表面に型付け
するなどの方法により表面樹脂層に厚み変化を生じさ
せ、それにより生じる着色力または隠蔽力の差を利用し
て濃淡着色模様を形成させる。 【効果】 印刷柄上に無着色透明樹脂層を設ける従来の
製造法では到底不可能な、高級感ある特殊な意匠表現が
可能になる。
剤を含有させておき、基材表面に凹凸模様を付けておく
方法あるいは樹脂が硬化する過程で樹脂層表面に型付け
するなどの方法により表面樹脂層に厚み変化を生じさ
せ、それにより生じる着色力または隠蔽力の差を利用し
て濃淡着色模様を形成させる。 【効果】 印刷柄上に無着色透明樹脂層を設ける従来の
製造法では到底不可能な、高級感ある特殊な意匠表現が
可能になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、深みのある独特の着色
模様を有する化粧板を製造する方法に関するものであ
る。
模様を有する化粧板を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】合板、パーチクルボード等の安価な板か
らなる基材にシート状の表面化粧材を接着してなる化粧
板のうち、化粧材接着とは別工程で表面保護のための樹
脂被覆を行なって製造される化粧板の代表としてポリエ
ステル化粧板がある。ポリエステル化粧板では、印刷さ
れた柄を有する化粧紙上に厚い樹脂被覆を施すため、比
較的深みのある化粧板が得られる。また、樹脂中に顔料
を分散させたポリエステル樹脂を使用することにより、
印刷方式をとったベタもの(単色品)よりも深みのある
化粧板を製造することができる。しかしながら、天然素
材に比べればまだ単調な感じを免れない。
らなる基材にシート状の表面化粧材を接着してなる化粧
板のうち、化粧材接着とは別工程で表面保護のための樹
脂被覆を行なって製造される化粧板の代表としてポリエ
ステル化粧板がある。ポリエステル化粧板では、印刷さ
れた柄を有する化粧紙上に厚い樹脂被覆を施すため、比
較的深みのある化粧板が得られる。また、樹脂中に顔料
を分散させたポリエステル樹脂を使用することにより、
印刷方式をとったベタもの(単色品)よりも深みのある
化粧板を製造することができる。しかしながら、天然素
材に比べればまだ単調な感じを免れない。
【0003】木目印刷物の表面樹脂層に木目導管形状の
凹みを付け、その凹部を着色塗料でワイピング着色した
のち全面にクリヤー樹脂コーティングを行うことにより
木目化粧板を得る方法もあるが、この方法は木質感表現
に限定され、また、工程が複雑になり、製品が高価なも
のになってしまうという問題点がある。
凹みを付け、その凹部を着色塗料でワイピング着色した
のち全面にクリヤー樹脂コーティングを行うことにより
木目化粧板を得る方法もあるが、この方法は木質感表現
に限定され、また、工程が複雑になり、製品が高価なも
のになってしまうという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、複雑
な工程を要することなく深みのある多彩な着色模様を形
成させることのできる化粧板製造法を提供しようとする
ものである。
な工程を要することなく深みのある多彩な着色模様を形
成させることのできる化粧板製造法を提供しようとする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成した本発
明は、基本的には次の四つに分けられる化粧板製造法を
提供するものである。
明は、基本的には次の四つに分けられる化粧板製造法を
提供するものである。
【0005】1.平滑な表面を有する基材に化粧紙を貼
着し、次いで化粧紙表面上に着色もしくは不透明化した
反応硬化型樹脂を塗布し、該反応硬化型樹脂の塗膜上
に、表面に凹凸を有し反応硬化型樹脂と親和性のないシ
ートまたは型板を重ね合わせて密着させ、反応硬化型樹
脂を硬化させたのち上記シートまたは型板を剥離する。
着し、次いで化粧紙表面上に着色もしくは不透明化した
反応硬化型樹脂を塗布し、該反応硬化型樹脂の塗膜上
に、表面に凹凸を有し反応硬化型樹脂と親和性のないシ
ートまたは型板を重ね合わせて密着させ、反応硬化型樹
脂を硬化させたのち上記シートまたは型板を剥離する。
【0006】2.化粧紙貼着面に凹凸模様を有する化粧
紙貼り基材を用意し、その化粧紙貼着面に着色もしくは
不透明化した反応硬化型樹脂を塗布し、塗膜表面を平滑
に保った状態で樹脂を硬化させる。
紙貼り基材を用意し、その化粧紙貼着面に着色もしくは
不透明化した反応硬化型樹脂を塗布し、塗膜表面を平滑
に保った状態で樹脂を硬化させる。
【0007】3.化粧紙貼着面に凹凸模様を有する化粧
紙貼り基材を用意し、その化粧紙貼着面に着色もしくは
不透明化した反応硬化型樹脂を塗布し、該反応硬化型樹
脂の塗膜上に、表面に凹凸を有し反応硬化型樹脂と親和
性のないシートまたは型板を重ね合わせて密着させ、反
応硬化型樹脂を硬化させたのち上記シートまたは型板を
剥離する。
紙貼り基材を用意し、その化粧紙貼着面に着色もしくは
不透明化した反応硬化型樹脂を塗布し、該反応硬化型樹
脂の塗膜上に、表面に凹凸を有し反応硬化型樹脂と親和
性のないシートまたは型板を重ね合わせて密着させ、反
応硬化型樹脂を硬化させたのち上記シートまたは型板を
剥離する。
【0008】4.化粧紙貼り基材の化粧紙貼着面に着色
もしくは不透明化した反応硬化型樹脂を塗布し、該反応
硬化型樹脂の塗膜上に、透明もしくは半透明のフィルム
を重ね合わせて密着させ、反応硬化型樹脂を硬化させる
とともにその過程で樹脂層上に上記フィルムを固着させ
る。その際、基材およびフィルムの少なくとも一方に、
樹脂と接する面に凹凸模様を有するものを用いて反応硬
化型樹脂層の厚さを不均一にする。
もしくは不透明化した反応硬化型樹脂を塗布し、該反応
硬化型樹脂の塗膜上に、透明もしくは半透明のフィルム
を重ね合わせて密着させ、反応硬化型樹脂を硬化させる
とともにその過程で樹脂層上に上記フィルムを固着させ
る。その際、基材およびフィルムの少なくとも一方に、
樹脂と接する面に凹凸模様を有するものを用いて反応硬
化型樹脂層の厚さを不均一にする。
【0009】
【作用】本発明の化粧板製造法においては、化粧紙貼り
基材の表面を加工する樹脂に着色剤を含有させておき、
上記いずれかの方法により表面樹脂層に厚み変化を生じ
させ、それにより生じる着色力または隠蔽力の差を利用
して濃淡着色模様を形成させる。以下、本発明の製造法
について詳述する。
基材の表面を加工する樹脂に着色剤を含有させておき、
上記いずれかの方法により表面樹脂層に厚み変化を生じ
させ、それにより生じる着色力または隠蔽力の差を利用
して濃淡着色模様を形成させる。以下、本発明の製造法
について詳述する。
【0010】本発明の化粧板製造法において、基材とし
ては、合板、パーチクルボード、ファイバーボード、ハ
ードボード等の木質板材、スレート、けい酸カルシウム
板等の無機質板材、その他、樹脂含浸積層板等を使用す
ることができる。化粧紙としては、一般的な建材用薄葉
紙、紙間強化紙、チタン紙等に任意の模様を印刷したも
の、単色ベタ刷り印刷を行なったものなど、坪量約23
〜100g/m2のものが適当である。また、いかなる印刷
も施されていない紙(たとえば一般的な化粧紙製造用原
紙)も、製品の用途によっては化粧紙として使用するこ
とができる。化粧紙の表面は、表面加工用の反応硬化型
樹脂との親和性のよいものであることが必要で、加工用
樹脂との親和性を良くするため、印刷表面にプライマー
処理を施しておいてもよい。
ては、合板、パーチクルボード、ファイバーボード、ハ
ードボード等の木質板材、スレート、けい酸カルシウム
板等の無機質板材、その他、樹脂含浸積層板等を使用す
ることができる。化粧紙としては、一般的な建材用薄葉
紙、紙間強化紙、チタン紙等に任意の模様を印刷したも
の、単色ベタ刷り印刷を行なったものなど、坪量約23
〜100g/m2のものが適当である。また、いかなる印刷
も施されていない紙(たとえば一般的な化粧紙製造用原
紙)も、製品の用途によっては化粧紙として使用するこ
とができる。化粧紙の表面は、表面加工用の反応硬化型
樹脂との親和性のよいものであることが必要で、加工用
樹脂との親和性を良くするため、印刷表面にプライマー
処理を施しておいてもよい。
【0011】化粧紙は常法により基材に貼着しておく
が、凹凸模様付き基材を用いる製造法の場合は、化粧板
貼着の前または後に、基材のエンボス加工を行う。エン
ボス加工で付与する凹凸模様は、化粧紙に印刷された模
様と同調させてもよく、また全く無関係のものにしても
よい。反応硬化型樹脂としては、製造法および製品の用
途に応じて、下記のものから任意のものを選んで用いる
ことができる。
が、凹凸模様付き基材を用いる製造法の場合は、化粧板
貼着の前または後に、基材のエンボス加工を行う。エン
ボス加工で付与する凹凸模様は、化粧紙に印刷された模
様と同調させてもよく、また全く無関係のものにしても
よい。反応硬化型樹脂としては、製造法および製品の用
途に応じて、下記のものから任意のものを選んで用いる
ことができる。
【0012】1.ウレタンアクリレート系、アクリル
系、エポキシアクリレート系、不飽和ポリエステル系、
不飽和ポリエステルアクリレート系等の樹脂に光増感剤
を添加したいわゆるUV硬化樹脂。 2.電子線照射により硬化反応を開始するEB硬化樹
脂。
系、エポキシアクリレート系、不飽和ポリエステル系、
不飽和ポリエステルアクリレート系等の樹脂に光増感剤
を添加したいわゆるUV硬化樹脂。 2.電子線照射により硬化反応を開始するEB硬化樹
脂。
【0013】3.不飽和線状ポリエステル樹脂をスチレ
ン、メチルメタクリレート等のビニル系単量体に溶解
し、ナフテン酸コバルトの存在下にメチルエチルケトン
パーオキサイドを加え常温硬化を行う、いわゆる不飽和
ポリエステル樹脂。 4.アクリル系、尿素系、フェノール系、メラミン系等
の、溶剤タイプ反応硬化型樹脂(硬化過程で溶剤を揮発
させる必要があるので、使用可能なのは前記製造法2に
限られる)。
ン、メチルメタクリレート等のビニル系単量体に溶解
し、ナフテン酸コバルトの存在下にメチルエチルケトン
パーオキサイドを加え常温硬化を行う、いわゆる不飽和
ポリエステル樹脂。 4.アクリル系、尿素系、フェノール系、メラミン系等
の、溶剤タイプ反応硬化型樹脂(硬化過程で溶剤を揮発
させる必要があるので、使用可能なのは前記製造法2に
限られる)。
【0014】樹脂の着色もしくは不透明化には、各種染
料、各種顔料(酸化チタン、ベンガラ、黄鉛、パール顔
料等)、金属粉末(アルミニウム粉末、銅・亜鉛合金粉
末等)、アクリルビーズ、耐摩耗性向上にも有効なアル
ミナ粉末等を使用することができる。これらのほか、加
工用樹脂と相溶性のない樹脂を不透明化の目的で混合す
ることもできる。樹脂に配合する着色剤もしくは不透明
化剤の種類と配合率は、意図する意匠効果に応じて適宜
選定する。
料、各種顔料(酸化チタン、ベンガラ、黄鉛、パール顔
料等)、金属粉末(アルミニウム粉末、銅・亜鉛合金粉
末等)、アクリルビーズ、耐摩耗性向上にも有効なアル
ミナ粉末等を使用することができる。これらのほか、加
工用樹脂と相溶性のない樹脂を不透明化の目的で混合す
ることもできる。樹脂に配合する着色剤もしくは不透明
化剤の種類と配合率は、意図する意匠効果に応じて適宜
選定する。
【0015】着色もしくは不透明化した樹脂は、硬化触
媒を使用する樹脂の場合は硬化触媒を混合した後、化粧
紙貼り基材の化粧紙貼着面に塗布する。塗布量は、基材
凹凸の有無に関係なく、約50〜300g/m2が適当であ
る。この後の処理は次のいずれかによって行う。
媒を使用する樹脂の場合は硬化触媒を混合した後、化粧
紙貼り基材の化粧紙貼着面に塗布する。塗布量は、基材
凹凸の有無に関係なく、約50〜300g/m2が適当であ
る。この後の処理は次のいずれかによって行う。
【0016】 塗布した樹脂層の上に、表面に凹凸を
有し反応硬化型樹脂と親和性のないシートまたは型板
を、その凹凸面を樹脂側にして重ね合わせ、しごくか押
圧するかして樹脂層をならすとともに気泡を除く。その
まま樹脂の硬化を完了させた後、上記シートまはた型板
を取り去ると、その表面凹凸が硬化した樹脂層表面に転
写されている。樹脂が半硬化の段階で型押しを行う方法
によって樹脂層表面に凹凸を付与してもよい。凹凸を有
するシートまたは型板としては、ポリエステル、ポリプ
ロピレン、ビニロン等各種合成樹脂からなるもの、およ
び金属製型板を用いることができる。これらは、必要に
応じて離型剤で処理しておく。(化粧紙貼り基材の表面
凹凸の有無に関係なく実施可能)
有し反応硬化型樹脂と親和性のないシートまたは型板
を、その凹凸面を樹脂側にして重ね合わせ、しごくか押
圧するかして樹脂層をならすとともに気泡を除く。その
まま樹脂の硬化を完了させた後、上記シートまはた型板
を取り去ると、その表面凹凸が硬化した樹脂層表面に転
写されている。樹脂が半硬化の段階で型押しを行う方法
によって樹脂層表面に凹凸を付与してもよい。凹凸を有
するシートまたは型板としては、ポリエステル、ポリプ
ロピレン、ビニロン等各種合成樹脂からなるもの、およ
び金属製型板を用いることができる。これらは、必要に
応じて離型剤で処理しておく。(化粧紙貼り基材の表面
凹凸の有無に関係なく実施可能)
【0017】 表面凹凸を有する基材を用いた場合に
おいて、塗布した樹脂を、フラットロール、ワイヤーバ
ー、ドクターブレード等を用いてならし、最終的には樹
脂自体の流動性または平滑表面形成用仮着フィルム等を
利用して、樹脂が硬化したときその表面が平滑に仕上が
るようにする。
おいて、塗布した樹脂を、フラットロール、ワイヤーバ
ー、ドクターブレード等を用いてならし、最終的には樹
脂自体の流動性または平滑表面形成用仮着フィルム等を
利用して、樹脂が硬化したときその表面が平滑に仕上が
るようにする。
【0018】 樹脂の塗膜上に、透明もしくは半透明
のフィルムを重ね合わせ、気泡を完全に除いて密着させ
る。このとき用いるフィルムは、少なくともその樹脂側
に配置される表面は反応硬化型樹脂と親和性があり、樹
脂硬化後は樹脂層に固着される性質のものを選ぶ。ま
た、基材が平滑表面のものの場合、このフィルムは樹脂
側に配置される表面が凹凸模様を有するものとする。基
材が凹凸模様を有するものの場合、フィルムは平滑なも
のであってもよい。樹脂側に配置されるフィルム表面に
は、フィルム全体を不透明化しない範囲で、模様が印刷
されていてもよい。樹脂が硬化すると、硬化した樹脂層
上に上記フィルムが固着された3層構造の化粧板が得ら
れる。
のフィルムを重ね合わせ、気泡を完全に除いて密着させ
る。このとき用いるフィルムは、少なくともその樹脂側
に配置される表面は反応硬化型樹脂と親和性があり、樹
脂硬化後は樹脂層に固着される性質のものを選ぶ。ま
た、基材が平滑表面のものの場合、このフィルムは樹脂
側に配置される表面が凹凸模様を有するものとする。基
材が凹凸模様を有するものの場合、フィルムは平滑なも
のであってもよい。樹脂側に配置されるフィルム表面に
は、フィルム全体を不透明化しない範囲で、模様が印刷
されていてもよい。樹脂が硬化すると、硬化した樹脂層
上に上記フィルムが固着された3層構造の化粧板が得ら
れる。
【0019】上記〜のいずれの方法を採用した場合
も、基材上に形成された樹脂層は、巨視的には均一な厚
さでも、樹脂硬化過程で表面に密着していた凹凸付きシ
ートもしくは型板および基材の凸部では薄く、反対に凹
部では厚く、一様ではない。樹脂層の着色力や隠蔽力は
上記厚み変化に応じて変化するから、それによる樹脂層
自体の濃淡と化粧紙透視度の変化があいまって、化粧板
は深みのある独特の着色模様を有するものとなる。
も、基材上に形成された樹脂層は、巨視的には均一な厚
さでも、樹脂硬化過程で表面に密着していた凹凸付きシ
ートもしくは型板および基材の凸部では薄く、反対に凹
部では厚く、一様ではない。樹脂層の着色力や隠蔽力は
上記厚み変化に応じて変化するから、それによる樹脂層
自体の濃淡と化粧紙透視度の変化があいまって、化粧板
は深みのある独特の着色模様を有するものとなる。
【0020】樹脂を顔料で不透明化した場合と染料で着
色しただけの場合とでは、意匠的にかなり異なった効果
が現れる。すなわち、隠蔽力の強い顔料を用いると少量
添加でも化粧紙の地色を完全に隠蔽した部分を製品中に
形成させることができるが、染料で着色した場合は、着
色してはいるが透明な硬化樹脂層が形成されるから、着
色樹脂量が最も多くなった部分においても化粧紙の地色
や柄が透視可能であり、それによる混色効果等の特殊効
果が現れる。
色しただけの場合とでは、意匠的にかなり異なった効果
が現れる。すなわち、隠蔽力の強い顔料を用いると少量
添加でも化粧紙の地色を完全に隠蔽した部分を製品中に
形成させることができるが、染料で着色した場合は、着
色してはいるが透明な硬化樹脂層が形成されるから、着
色樹脂量が最も多くなった部分においても化粧紙の地色
や柄が透視可能であり、それによる混色効果等の特殊効
果が現れる。
【0021】
実施例1 化粧板のポリエステル加工に通常使用されている不飽和
ポリエステル樹脂に白色顔料(酸化チタン)を4重量%
添加してよく混合したもの、および、上記不飽和ポリエ
ステル樹脂の硬化触媒を用意した。別に、白色チタン原
紙(坪量80g/m2)上に淡いパールグリーンのベタ印刷
を施した化粧紙を用意した。
ポリエステル樹脂に白色顔料(酸化チタン)を4重量%
添加してよく混合したもの、および、上記不飽和ポリエ
ステル樹脂の硬化触媒を用意した。別に、白色チタン原
紙(坪量80g/m2)上に淡いパールグリーンのベタ印刷
を施した化粧紙を用意した。
【0022】また、本物の浮造りツキ板より熱圧転写す
ることにより製造した木目凹凸パターン付きのビニロン
/塩ビ貼合シート(ビニロン面が凹凸層)を用意した。
厚み3mmの平滑なスレート板を基材として用い、その表
面に接着剤として不飽和ポリエステル樹脂を20g/m2塗
布して上記化粧紙を重ね合わせ、熱板設定温度130
℃、荷重5kgf/cm2の条件で60秒間プレスして化粧紙
貼りを行なった。得られた平滑表面の樹脂加工用化粧紙
貼りスレート板に、上記白色顔料添加不飽和ポリエステ
ル樹脂と硬化触媒との混合物を塗布し、その上に上記木
目凹凸パターン付きシートを、凹凸面を樹脂側にして重
ね、直ちにゴムロールを用いて押圧することにより樹脂
層の厚さを均一化すると共に気泡を排除した。
ることにより製造した木目凹凸パターン付きのビニロン
/塩ビ貼合シート(ビニロン面が凹凸層)を用意した。
厚み3mmの平滑なスレート板を基材として用い、その表
面に接着剤として不飽和ポリエステル樹脂を20g/m2塗
布して上記化粧紙を重ね合わせ、熱板設定温度130
℃、荷重5kgf/cm2の条件で60秒間プレスして化粧紙
貼りを行なった。得られた平滑表面の樹脂加工用化粧紙
貼りスレート板に、上記白色顔料添加不飽和ポリエステ
ル樹脂と硬化触媒との混合物を塗布し、その上に上記木
目凹凸パターン付きシートを、凹凸面を樹脂側にして重
ね、直ちにゴムロールを用いて押圧することにより樹脂
層の厚さを均一化すると共に気泡を排除した。
【0023】常温で2時間静置し、不飽和ポリエステル
樹脂が硬化したところで凹凸パターン付きシートを剥離
した。得られた化粧板は、凹凸パターン付きシートから
白色ポリエステル樹脂層に転写された表面凹凸を有し、
その凸部は厚い白色樹脂層が化粧紙の印刷色を完全に隠
蔽して樹脂色を呈するが凹部は白色樹脂層が薄く隠蔽力
が微弱であることにより化粧紙の印刷色に酷似する色を
呈するものであって、それらの中間の色調も樹脂層の厚
さの部分的変化に応じて無段階で現れ、本物の浮造板と
ほとんど遜色のない質感のものであった。
樹脂が硬化したところで凹凸パターン付きシートを剥離
した。得られた化粧板は、凹凸パターン付きシートから
白色ポリエステル樹脂層に転写された表面凹凸を有し、
その凸部は厚い白色樹脂層が化粧紙の印刷色を完全に隠
蔽して樹脂色を呈するが凹部は白色樹脂層が薄く隠蔽力
が微弱であることにより化粧紙の印刷色に酷似する色を
呈するものであって、それらの中間の色調も樹脂層の厚
さの部分的変化に応じて無段階で現れ、本物の浮造板と
ほとんど遜色のない質感のものであった。
【0024】実施例2 ポリエステル加工用に通常使用される不飽和ポリエステ
ル樹脂に対し白色顔料(微粒子状酸化チタン)1.5重
量%および微量のアゾ系黄色顔料を添加してよく混合
し、半透明象牙色の樹脂を用意した。また、化粧紙とし
て、白色チタン原紙上に薄いベージュ系の石目柄を印刷
したものを用意した。
ル樹脂に対し白色顔料(微粒子状酸化チタン)1.5重
量%および微量のアゾ系黄色顔料を添加してよく混合
し、半透明象牙色の樹脂を用意した。また、化粧紙とし
て、白色チタン原紙上に薄いベージュ系の石目柄を印刷
したものを用意した。
【0025】基材とする中密度ファイバーボード(厚さ
8mm)の表面に酢酸ビニルエマルジョン接着剤を30g/
m2塗布し、その上に上記化粧紙をのせ、鉄平石表面状の
凹凸を有するエンボス金型にて130℃、20kgf/cm2
の条件で60秒間プレスして、凹凸表面の紙貼りボード
を得た。次いで上記半透明着色樹脂に硬化触媒を混合し
たものを上記基材の化粧紙貼着面上に塗布し、さらに実
施例1で用いたのと同様の凹凸パターン付きビニロン/
塩ビ貼合シート(但し凹凸が鉄平石表面状のもの)の凹
凸面を樹脂側にして重ね合わせ、ゴムロールで上からし
ごいて樹脂層厚さを均一化するとともに脱泡処理した。
その後、2時間放置して樹脂を硬化させたのち、凹凸パ
ターン付きシートを剥離した。
8mm)の表面に酢酸ビニルエマルジョン接着剤を30g/
m2塗布し、その上に上記化粧紙をのせ、鉄平石表面状の
凹凸を有するエンボス金型にて130℃、20kgf/cm2
の条件で60秒間プレスして、凹凸表面の紙貼りボード
を得た。次いで上記半透明着色樹脂に硬化触媒を混合し
たものを上記基材の化粧紙貼着面上に塗布し、さらに実
施例1で用いたのと同様の凹凸パターン付きビニロン/
塩ビ貼合シート(但し凹凸が鉄平石表面状のもの)の凹
凸面を樹脂側にして重ね合わせ、ゴムロールで上からし
ごいて樹脂層厚さを均一化するとともに脱泡処理した。
その後、2時間放置して樹脂を硬化させたのち、凹凸パ
ターン付きシートを剥離した。
【0026】得られた化粧板は、大理石を割った面と同
様の表面凹凸を有し、且つ凹凸に同調して半透明着色樹
脂層の厚みが変化していることにより、表面から見える
印刷柄にも微妙な階調を生じ、深みのある外観の大理石
柄化粧板になった。
様の表面凹凸を有し、且つ凹凸に同調して半透明着色樹
脂層の厚みが変化していることにより、表面から見える
印刷柄にも微妙な階調を生じ、深みのある外観の大理石
柄化粧板になった。
【0027】実施例3 厚さ5mmの中密度ファイバーボードの表面に酢酸ビニル
エマルジョン接着剤を塗布し、その上にオニックス柄の
印刷紙(坪量50g/m2の一般的な紙間強化紙にリコータ
ブルウレタンコートを施した、白を基調としたもの)を
重ね合わせ、130℃・20kgf/cm2の条件で、鉄平石
表面状の凹凸を有する樹脂板にて型押し接着を行なっ
た。
エマルジョン接着剤を塗布し、その上にオニックス柄の
印刷紙(坪量50g/m2の一般的な紙間強化紙にリコータ
ブルウレタンコートを施した、白を基調としたもの)を
重ね合わせ、130℃・20kgf/cm2の条件で、鉄平石
表面状の凹凸を有する樹脂板にて型押し接着を行なっ
た。
【0028】得られた印刷柄入り凹凸化粧材に、光増感
剤を含有する紫外線硬化塗料(白色顔料を1.5重量%
添加して乳白色半透明にしたもの)を塗布し、その上
に、大理石特有の鉄分質着色割れ目模様を印刷したポリ
エステルフィルム(印刷面にアクリルウレタン系の透明
プライマー処理を行ったもの)を、印刷面を塗料側にし
て重ね合わせ、スキージおよび脱泡を行なった。その
後、紫外線照射を行なって塗料を硬化させた。
剤を含有する紫外線硬化塗料(白色顔料を1.5重量%
添加して乳白色半透明にしたもの)を塗布し、その上
に、大理石特有の鉄分質着色割れ目模様を印刷したポリ
エステルフィルム(印刷面にアクリルウレタン系の透明
プライマー処理を行ったもの)を、印刷面を塗料側にし
て重ね合わせ、スキージおよび脱泡を行なった。その
後、紫外線照射を行なって塗料を硬化させた。
【0029】製品は、表面が平滑な光沢鏡面で、乳白色
の塗膜が化粧紙面の凹凸に従って厚み変化を生じている
ため透視される印刷柄に微妙な階調を生じ、ポリエステ
ルフィルムに印刷された着色割れ目模様とあいまって、
天然大理石に酷似した外観を呈するものであった。
の塗膜が化粧紙面の凹凸に従って厚み変化を生じている
ため透視される印刷柄に微妙な階調を生じ、ポリエステ
ルフィルムに印刷された着色割れ目模様とあいまって、
天然大理石に酷似した外観を呈するものであった。
【0030】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば簡単な方
法で濃淡ある、または隠蔽力に大小ある樹脂層が基材上
に形成され、併せて、印刷された化粧紙の着色模様の透
視度も無段階に変化するから、単に印刷柄上に無着色透
明樹脂層を設ける従来の製造法では到底不可能な、高級
感ある特殊な意匠表現が可能である。
法で濃淡ある、または隠蔽力に大小ある樹脂層が基材上
に形成され、併せて、印刷された化粧紙の着色模様の透
視度も無段階に変化するから、単に印刷柄上に無着色透
明樹脂層を設ける従来の製造法では到底不可能な、高級
感ある特殊な意匠表現が可能である。
Claims (4)
- 【請求項1】 平滑な表面を有する基材に化粧紙を貼着
し、次いで化粧紙表面上に着色もしくは不透明化した反
応硬化型樹脂を塗布し、該反応硬化型樹脂の塗膜上に、
表面に凹凸を有し反応硬化型樹脂と親和性のないシート
または型板を重ね合わせて密着させ、反応硬化型樹脂を
硬化させたのち上記シートまたは型板を剥離することを
特徴とする化粧板の製造法。 - 【請求項2】 化粧紙貼着面に凹凸模様を有する化粧紙
貼り基材を用意し、その化粧紙貼着面に着色もしくは不
透明化した反応硬化型樹脂を塗布し、塗膜表面を平滑に
保った状態で樹脂を硬化させることを特徴とする化粧板
の製造法。 - 【請求項3】 化粧紙貼着面に凹凸模様を有する化粧紙
貼り基材を用意し、その化粧紙貼着面に着色もしくは不
透明化した反応硬化型樹脂を塗布し、該反応硬化型樹脂
の塗膜上に、表面に凹凸を有し反応硬化型樹脂と親和性
のないシートまたは型板を重ね合わせて密着させ、反応
硬化型樹脂を硬化させたのち上記シートまたは型板を剥
離することを特徴とする化粧板の製造法。 - 【請求項4】 化粧紙貼り基材の化粧紙貼着面に着色も
しくは不透明化した反応硬化型樹脂を塗布し、該反応硬
化型樹脂の塗膜上に、透明もしくは半透明のフィルムを
重ね合わせて密着させ、反応硬化型樹脂を硬化させると
ともにその過程で樹脂層上に上記フィルムを固着させる
こと、および、その際、基材およびフィルムの少なくと
も一方に、樹脂と接する面に凹凸模様を有するものを用
いて反応硬化型樹脂層の厚さを不均一にすることを特徴
とする化粧板の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4137587A JPH05309804A (ja) | 1992-05-01 | 1992-05-01 | 化粧板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4137587A JPH05309804A (ja) | 1992-05-01 | 1992-05-01 | 化粧板の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05309804A true JPH05309804A (ja) | 1993-11-22 |
Family
ID=15202202
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4137587A Pending JPH05309804A (ja) | 1992-05-01 | 1992-05-01 | 化粧板の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05309804A (ja) |
-
1992
- 1992-05-01 JP JP4137587A patent/JPH05309804A/ja active Pending
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