JPH05313169A - 液晶配向膜 - Google Patents

液晶配向膜

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JPH05313169A
JPH05313169A JP4116301A JP11630192A JPH05313169A JP H05313169 A JPH05313169 A JP H05313169A JP 4116301 A JP4116301 A JP 4116301A JP 11630192 A JP11630192 A JP 11630192A JP H05313169 A JPH05313169 A JP H05313169A
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JP
Japan
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liquid crystal
group
chemical
alignment film
crystal display
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Application number
JP4116301A
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English (en)
Inventor
Chiyoji Nozaki
千代志 野崎
Naoya Imamura
直也 今村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 封入された液晶が大きなプレチルト角を示す
ポリイミド配向膜を有する液晶配向膜を提供する。 【構成】 一般式(I)で表される構成単位を有するポ
リイミド配向膜。 一般式(I) 【化1】 上式中、R1 は4価の環式脂肪族基および環式脂肪族基
を有する基、または芳香族基および芳香族基を有する基
を表し、R2 は水素原子,アルキル基または芳香族基を
表す。Xは−CO−または−SO2 −を表し、Yは単結
合または−O−を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶配向膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、時計あるいはコンピュータ
ー、ワードプロセッサーなどのディスプレーに使用され
ている液晶表示素子は、その基本構造として、透明電極
上に配向膜を設けた二枚の透明電極基板が配向膜を内側
にして配置され、その間に液晶が封入される構造をとっ
ているものが普通である。このような液晶表示素子透明
電極は、一般に、基板上にストライプ状または格子状な
どの表示パターンの形で形成されており、また配向膜は
この透明電極及び露出した(表示パターン以外の)基板
の全面に塗布または蒸着により設けられている。この二
枚の透明電極基板はそれぞれ配向膜を内側にして配置
し、その間に液晶を封入することにより液晶表示素子が
製造される。一般に、上記配向膜は、液晶をある方向に
そろえて配列させる、すなわち配向させる必要があるた
めに設けられており、これにより液晶分子を配向させて
いる。
【0003】このような液晶表示素子はネマチック液晶
をねじれ構造にしたツイステッドネマチック(TN)モ
ードによる表示が主流である。ところが、このTN型液
晶表示素子は、しきい値が急峻でないため高マルチプレ
ックス駆動(一般に、ドットマトリックスに用いられて
いる時分割駆動)による大容量表示に適していない。ま
たTN型液晶表示素子は応答速度が遅く、現状では20
ミリ秒が限度であるという欠点を有しており、高速応答
性が要求されるテレビジョンパネルなどに利用する際の
大きな問題となっている。
【0004】最近、電界の変化に対して速やかに応答す
る上記高速応答性を有し、さらに加えられる電界に応答
して第一の光学的安定状態と第二の光学的安定状態のい
ずれかをとり、且つ電圧の印加のないときはその状態を
維持する性質、すなわちメモリー性(双安定性ともい
う)をも有する強誘電性液晶が注目されている。そし
て、これを利用した液晶表示素子は、簡単な構造で、高
速応答性を実現できることから検討されている。
【0005】前記TNモードの動作原理は、ねじれ角度
90度前後の液晶セルの旋光性を利用しているが、ネマ
チック液晶を用いたSBE(超ねじれ複屈折)モードを
利用すれば、急峻なしきい値が得られることから高マル
チプレックス駆動による大容量表示が可能となる。この
ような急峻なしきい値が得られるSBE(超ねじれ複屈
折)モードは、上記液晶を用いてねじれ角度180度以
上の液晶セルの複屈折を利用している。すなわち、液晶
を配向方向に上下基板間で180度以上のねじれを起こ
させる必要がある。このためには、液晶分子が、基板電
極界面で3度〜30度のプレチルト角を有することが要
求される。一般にこのようなプレチルト角の付与は配向
膜により行われる。一方、このようなプレチルト角を与
える配向膜を使用すれば、一般に上記強誘電性液晶など
のスメクチック液晶の配向欠陥が極度に減少させること
ができ、双安定性についても向上させることが出来る。
【0006】しかしながら、従来のTNモードなどで用
いられていた、ポリマーなどの有機物からなる配向膜を
電極基板上に形成してラビング処理した場合は、配向し
た液晶分子のプレチルト角は最大で2度程度で、大きな
値は得られない。また、配向膜としてSiOなどの斜方
蒸着膜を用いた場合は、大きなプレチルト角が得られる
が、蒸着により配向膜を形成することは量産性が低く、
製造上有利とは言えない。
【0007】大きなプレチルト角が得られる塗布型の配
向膜材料として、カルボン酸無水物およびジアミンの少
なくとも一方にフッ素原子を有する成分からなるポリア
ミド酸の組成物(特開昭62−127827号公報)、
およびジアミン,テトラカルボン酸二無水物および特定
のモノアミンから得られるポリイミド樹脂の配向処理材
(特開昭62−297819号公報)が開示されてい
る。また、強誘電性液晶用配向膜として、ジ−4−アミ
ノシクロヘキシルメタンを塩基成分とし、骨格に一つ又
は二つのベンゼン環を有する芳香族テトラカルボン酸無
水物を酸成分として得られるポリイミド膜(特開平2−
310524号公報)、および含フッ素ポリイミド(特
開平3−25418号公報)が開示されている。
【0008】しかしながら、上記配向膜を用いて液晶を
配向させた場合、必ずしも常に大きなプレチルト角が得
られず、ラビング処理等の後処理の条件により変化しや
すいという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、大きなプレ
チルト角を示すポリイミド配向膜を有する液晶表示素子
を提供することを目的とする。
【0010】また本発明は、マルチプレックス駆動に適
したポリイミド配向膜を有する液晶表示素子を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、透明電極上
に配向膜を設けた二枚の透明電極基板が配向膜を内側に
して配置し、その間に液晶を封入してなる液晶表示素子
において、該透明電極上の少なくとも一方に、一般式
(I)で表される構成単位を有するポリイミドからなる
配向膜を用いることにより達成することができる。 一般式(I)
【0012】
【化2】
【0013】上式中、R1 は4価の環式脂肪族基および
環式脂肪族基を有する基、または芳香族基および芳香族
基を有する基を表し、R2 は水素原子,アルキル基また
は芳香族基を表す。Xは−CO−または−SO2 −を表
し、Yは単結合または−O−を表す。上記一般式(I)
を以下に詳細に説明する。R1 は置換または無置換の芳
香族基および置換または無置換の芳香族基を有する基、
又は置換または無置換の環式脂肪族基および置換または
無置換の環式脂肪族基を有する基を表す。その具体的な
基の例を以下に示すが本発明はこれに限定されない。
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】
【化13】
【0025】
【化14】
【0026】R2 の具体的な基の例としては、メチル
基,エチル基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル
基,オクチル基,ドデシル基,シクロヘキシル基,2−
シクロヘキシルエチル基,などの無置換アルキル基、ト
リフルオロメチル基,ペンタフルオロエチル基,ヘプタ
フルオロプロピル基,2−パーフルオロオクチルエチル
基,4−トリフルオロメチルシクロヘキシル基,3,4
−ジクロロシクロヘキシル基,3−トリフルオロメチル
ペンチル基などの置換アルキル基、フェニル基,ビフェ
ニル基,ナフチル基などの無置換芳香族基、4−トリフ
ルオロメチルフェニル基,3−ノナフルオロブチルフェ
ニル基,ペンタフルオロフェニル基,3,5−ジメチル
フェニル基,4−フェノキシフェニル基などの置換芳香
族基などが挙げられる。
【0027】本発明の液晶配向膜の好ましい態様は以下
の通りである。
【0028】一般式(I)においてR1 は、芳香族基が
好ましい。
【0029】一般式(I)においてR2 はアルキル基が
好ましく、特に好ましくは置換または無置換の炭素数1
以上14以下の直鎖または分岐のアルキル基である。
【0030】本発明の液晶配向膜を用いて得られる液晶
表示素子の好ましい構成について説明する。 図1に、
本発明の液晶表示素子の一例の断面図を示す。
【0031】透明基板1a、1b上に、透明電極2a、
2bおよび配向膜3a、3bが、それぞれこの順に積層
され、二枚の透明電極基板を構成している。必要に応じ
て、透明電極と配向膜の間に絶縁層を介してもよい。二
枚の透明電極基板はそれぞれ配向膜3a、3bを向かい
合わせるように配置され、その間に強誘電性液晶4が封
入されている。透明電極2a、2bは、それぞれ透明基
板1a上および1b上にストライプ状の表示パターンの
形で形成されている。
【0032】上記のように透明電極2a、2bは、スト
ライプ状に形成されており、その際ストライプの形が互
いに直交するように形成されている。これによりマトリ
ックス表示が可能となる。また、上記透明電極は、一方
のみストライプ状に形成されていてもよい。
【0033】本発明の液晶配向膜を用いて得られる液晶
表示素子は、上記配向膜3aおよび3bが上記一般式
(I)で表される構成単位を有するポリイミドから形成
されている。この配向膜を用いることにより、液晶、特
に強誘電性液晶を、SiOの斜方蒸着による配向膜でし
か得ることができないような大きなプレチルト角で配向
させることができる。
【0034】本発明の液晶配向膜を用いてなる液晶表示
素子は、図1に示したものだけでなく、スペーサーを使
用したりなどの通常の液晶表示素子について行われる態
様が、すべて可能である。特に、両配向膜間の間隙(す
なわち液晶層の層厚)を確保するためにスペーサーが使
用されることは好ましい。スペーサーとしては、ガラス
ファイバー、ガラス・ビーズ、プラスチック・ビーズ、
アルミナやシリカなどの金属酸化物粒子が用いられる。
スペーサーの粒径は、用いられる液晶、配向膜材料、ゼ
ルギャップの設定、スペーサーとして用いる粒子などに
よって異なるが1.2μmから6μmが一般的である。
【0035】ここで用いられる液晶表示素子は、例えば
下記のようにして製造することができる。透明基板とし
ては、例えば平滑性の良好なフロートガラスなどガラス
の他、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート等のポリエステル、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、アセ
チルセルロース、ポリアミノ酸エステル、芳香族ポリア
ミド等の耐熱樹脂、ポリスチレン、ポリアクリル酸エス
テル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリルアミ
ド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のビニル系ポリマ
ー、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂及びそれら
の変性体等から形成されたプラスチックフィルムを挙げ
ることができる。
【0036】上記基板上には、常法によりストライプ状
あるいは格子状などの表示パターンの透明電極が形成さ
れる。透明電極としては、例えば、酸化インジウム(I
23 ),酸化スズ(SnO2 )およびITO(イン
ジウム・スズ・オキサイド)等を挙げることができる。
なお、基板表面にカラーフィルターおよび保護層をこの
順に形成しても良い。上記透明電極(及び基板)上に
は、本発明の配向膜が、例えば下記のようにして形成さ
れる。
【0037】本発明の液晶配向膜は、種々の製造法を用
いることができるが好ましくは一般式(II)で表され
るジアミン化合物と一般式(III)で表されるテトラ
カルボン酸二無水物とから得られるポリアミック酸の一
部または全部を脱水閉環することにより得られる。 一般式(II)
【0038】
【化15】
【0039】上式中、R2 は水素原子,アルキル基また
は芳香族基を表す。Xは−CO−または−SO2 −を表
し、Yは単結合または−O−を表す。 一般式(III)
【0040】
【化16】
【0041】上式中、R1 は4価の環式脂肪族基および
環式脂肪族基を有する基、または芳香族基および芳香族
基を有する基を表す。上記一般式(II)で表されるジ
アミンの具体例を以下に示す。
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】
【化19】
【0045】
【化20】
【0046】
【化21】
【0047】
【化22】
【0048】
【化23】
【0049】
【化24】
【0050】
【化25】
【0051】
【化26】
【0052】
【化27】
【0053】
【化28】
【0054】
【化29】
【0055】
【化30】
【0056】
【化31】
【0057】
【化32】
【0058】
【化33】
【0059】
【化34】
【0060】上記一般式(III)で表されるテトラカ
ルボン酸二無水物の具体例を以下に示すが、本発明はこ
れに限定されない。
【0061】
【化35】
【0062】
【化36】
【0063】
【化37】
【0064】
【化38】
【0065】
【化39】
【0066】
【化40】
【0067】
【化41】
【0068】
【化42】
【0069】
【化43】
【0070】
【化44】
【0071】
【化45】
【0072】
【化46】
【0073】上記ポリアミック酸の製造に関して、ジア
ミン化合物とテトラカルボン酸二無水物のモル比は任意
の比率でもよいが、好ましくはジアミン化合物/テトラ
カルボン酸二無水物(モル数/モル数)が0.50〜
2.0の範囲内であり、特に好ましくは0.83〜1.
2である。
【0074】また、ポリアミック酸の製造に関して、一
般式(II)以外のジアミン化合物と共重合してもよ
い。
【0075】本発明の液晶配向膜は、一般式(II)で
表されるジアミン化合物と一般式(III)で表される
テトラカルボン酸二無水物とから合成されたポリアミッ
ク酸を溶剤に溶解して配向膜形成用塗布液を調製し、こ
れを基板上に塗布し、乾燥、加熱処理することにより一
部または全部をポリイミド膜とすることにより形成され
る。
【0076】ポリアミック酸の合成例1を下記に示す。
【0077】合成例1 ポリアミック酸;C−1の合成 A−1のジアミン化合物1.042g(0.0020モ
ル)のN−メチル−ピロリドン13.30g溶液にB−
1のテトラカルボン酸二無水物0.436g(0.00
20モル)を加え室温で6時間攪拌して10wt%のポ
リアミック酸;C−1を得た。
【0078】合成例2 合成例1に準じポリアミック酸C−2〜C−27を得
た。これを表1に示す。 表1 ポリアミック酸の合成 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ポリアミック酸 ジアミン 酸無水物 ジアミン/酸無水物(モル比) C−2 A−2 B−1 1/1 C−3 A−3 B−1 1/1.1 C−4 A−4 B−1 1.1/1 C−5 A−5 B−1 1/1 C−6 A−6 B−1 1/1 C−7 A−7 B−1 1.2/1 C−8 A−8 B−1 1.15/1 C−9 A−9 B−1 1/1 C−10 A−10 B−2 1/1 C−11 A−11 B−3 1/1 C−12 A−12 B−4 1/1 C−13 A−13 B−5 1/1 C−14 A−14 B−6 1/1 C−15 A−15 B−7 1/1.2 C−16 A−16 B−8 1/1 C−17 A−17 B−9 1/1 C−18 A−18 B−10 1/1 C−19 A−3 B−11 1/1 C−20 A−3 B−12 1/1 C−21 A−1 B−2 1/1 C−22 A−2 B−2 1/1 C−23 A−3 B−2 1/1 C−24 A−4 B−2 1/1 C−25 a.A-1 b.A-3 B−2 (a 0.5,b 0.5)/1 C−26 A−3 c.B-1 d.B-2 1/(c 0.5,d 0.5) C−27 a.A-2 b.A-3 c.B-1 d.B-2 (a 0.5,b 0.5)/(c 0.5,d 0.5) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0079】配向膜形成用塗布液は、上記で得られたポ
リアミック酸溶液または再沈等で得られたポリアミック
酸をピリジン、N−メチル−2−ピロリドン、ジオキサ
ン、THF、グリコール誘導体などの適当な溶媒に溶解
させた溶液を調製することができる。この塗布液には、
前記成分以外にも基板との接着を増したり、あるいは塗
布液の粘度を調整する等の目的で、他の高分子重合体や
有機金属などを添加してもよい。
【0080】配向膜形成用塗布液を、透明電極上および
露出した基板上に、スピンコーターなどによって塗布
し、常温〜150℃にて常圧又は減圧下1〜120分
(好ましくは80〜120℃にて10〜80分)乾燥す
る。次いで、塗布膜は150〜300℃で常圧又は減圧
下0.5〜3時間加熱処理が行われる。加熱は、後の1
50〜300℃,0.5〜3時間の加熱だけでも良い。
これによりポリイミドの配向膜が形成される。
【0081】得られる配向膜の膜厚は、用いる液晶およ
び配向膜の種類により異なるが、10〜800nmであ
り、好ましくは20〜100nmである。
【0082】透明電極基板(および保護層)上に設けら
れた配向膜は、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロ
ニトリルのような合成繊維、綿、羊毛のような天然繊維
などでラビング処理するのが好ましい。
【0083】このようにして形成された本発明のポリイ
ミド配向膜により、液晶を大きなプレチルト角で配向さ
せることができる。本発明の配向膜はポリイミドのジア
ミン成分として上記一般式(II)で表されるジアミン
化合物を用いているのが特徴であり、一般式(II)で
表されるジアミン化合物は新規ジアミンである。
【0084】上記のようにして製造された、透明基板、
透明電極および配向膜からなる透明電極基板二枚をそれ
ぞれの配向膜が内側になるようにして、間隙をあけて相
対させ、セルとする。この間隙の大きさ、すなわちセル
・ギャップは0.5μm〜6μm程度が好ましい。
【0085】次に、このセル内に下記の液晶(好ましく
は強誘電性液晶)を注入、封止した後に徐冷して液晶表
示素子を作成する。
【0086】本発明に用いられる液晶は、SBEモード
に使用できるものや強誘電性液晶が好ましいが、特に強
誘電性液晶が好ましい。
【0087】強誘電性を有する液晶は、具体的にはカイ
ラルスメクティクC相(SmC* )、H相(Sm
* )、I相(SmI* )、J相(SmJ* )、K相
(SmK* )、G相(SmG* )またはF相(Sm
* )を有する液晶である。たとえば、『高速液晶技
術』(シーエムシー発行)p. 127〜161 に記載されてい
るような公知の強誘電性液晶がすべて、本発明に使用す
ることができる。
【0088】また、具体的な液晶組成物としては、チッ
ソ(株)製のCS−1018、CS−1023、CS−
1025、CS−1026、ロディック(株)製のDO
F0004、DOF0006、DOF0008、メルク
社製のZLI−4237−000、ZLI−4237−
100、ZLI−4654−100、ZLI−2293
などを挙げることができる。これらの液晶の中には液晶
に溶解する二色性染料、減粘剤等を添加しても何ら支障
はない。
【0089】このようにして得られた液晶表示素子は、
封入された液晶を大きなプレチルト角にて配向させるこ
とができる。液晶のプレチルト角は、3〜90度が好ま
しい。
【0090】上記のようにして製造された、液晶表示素
子は、使用目的に応じて、セルの両方の基板上に、偏光
板を設けても良い。透明電極と配向膜の間には、絶縁
層、カラーフィルター、保護層などが設けられても良
い。さらに、本発明の液晶表示素子は、使用目的に応じ
て反射板、位相差板など、従来の液晶表示素子に設けら
れる構成を設けることができる。
【0091】
【実施例】次に本発明の実施例を記載する。ただし、本
発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0092】実施例1 二枚の厚さ1.1mmガラス基板上に、インジウム−ス
ズ酸化物(ITO)の透明電極をストライプ状(電極の
幅:100μm、電極間の間隙:15μm)に形成し
た。
【0093】この二枚の透明電極付ガラス基板の上に、
層厚100nmの絶縁層をSiOを蒸着することにより
形成した。
【0094】上記絶縁層上に、C−1の10wt%ポリ
アミック酸N−メチルピロリドン溶液20重量部、塗布
液用希釈剤(N−メチルピロリドン20%,エチレング
リコールモノブチルエーテル40%,ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル40%)80重量部で調整した
塗布液をスピナーで塗布した。
【0095】スピナーの条件は、回転数2500r.p.
m.、時間30秒であった。塗布後、200℃、1時間乾
燥してポリイミド配向膜を形成した。
【0096】この塗膜の両方の面を、ナイロン起毛布で
ラビング処理し、それぞれのラビング処理面を内側にし
て、ラビング方向が反平行に且つ電極パターンが直交す
るように二枚のガラス板を2μmのスペーサーを介して
重ね合わせて、セル・ギャップが2μmのセルを作成し
た。このセルにメルク社製の液晶ZLI−2293を1
00℃で注入し、約2℃/分の速度で室温まで徐冷し
た。
【0097】得られた液晶表示素子を、(株)ニコン製
の偏光顕微鏡を用いてクリスタルローテーション法にて
プレチルト角を測定したところ、7°であった。
【0098】実施例2〜8 実施例1において、ポリアミック酸としてC−2〜C−
8のポリアミック酸を用いた以外は実施例1と同様にし
て液晶表示素子を製造した。
【0099】得られた液晶表示素子を、実施例1と同様
にしてプレチルト角を測定した結果を下記表2に示す。 表2 実施例2〜8のプレチルト角 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例 ポリアミック酸 プレチルト角(度) 2 C−2 5 3 C−3 5 4 C−4 17 5 C−5 22 6 C−6 23 7 C−7 90 8 C−8 90 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0100】実施例9〜35 実施例1において、ナイロン起毛布でのラビング処理の
際、それぞれのラビング処理面を内側にして行うラビン
グの方向を反平行から同一方向に変え、そして液晶を下
記の表3に示される液晶組成物〔相転移温度(℃)C*
58.0A83.4N* 89.3Iso〕に変え、さら
にポリアミック酸としてC−1〜C−27を用いた以外
は実施例1と同様にして液晶表示素子を製造した。 表3 液晶組成物 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 化合物 組成比(wt%) 5−ヘプチル−2−(4−オクチルオキシフェニル) 11 ピリミジン 5−ノニル−2−(4−オクチルオキシフェニル) 11 ピリミジン 5−ヘプチル−2−(4−ノニルオキシフェニル) 11 ピリミジン 5−オクチル−2−(4−オクチルオキシフェニル) 22 ピリミジン 5−ヘキシル−2−(4−ペンチルビフェニリル−4’−) 8 ピリミジン 5−ヘプチル−2−(4−ペンチルビフェニリル−4’−) 8 ピリミジン 5−オクチル−2−(4−ヘプチルビフェニリル−4’−) 8 ピリミジン 5−ノニルオキシ−2−(4−ヘプチルフェニル)ピリミジン 15 5−オクチル−2−〔4−((2S)−2−フルオロ 5 オクチルオキシ)フェニル〕ピリミジン 5−((2S)−2−メチルブチル)−2−(4−ヘプチル 1 ビフェニリル−4’−)ピリミジン −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0101】得られたすべての液晶表示素子の配向状態
を観察したところ、ジグザグ欠陥のない良好な配向状態
が得られた。さらに上記液晶表示素子をマルチプレック
ス駆動したところ、良好なコントラストが得られた。
【0102】
【発明の効果】上記実施例で示したように本発明の液晶
配向膜は、封入された液晶を配向させるための配向膜
に、上記一般式(I)で表される構成単位を有するポリ
イミドを用いることにより、液晶をSiOの斜方蒸着に
よる配向膜でしか得ることができないような大きなプレ
チルト角で配向させることができ、かつ配向欠陥がほと
んどなく特に強誘電性液晶を用いた液晶表示素子で、S
iOの斜方蒸着による配向膜でしか達成することが出来
ない良好なマルチプレックス駆動が可能となる。さら
に、本発明の配向膜は塗布により形成することができる
ので製造上有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に用いた液晶表示素子の構成例
を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1a、1b:透明基板 2a、2b:透明電極 3a、3b:配向膜 4:液晶

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表される構成単位を有す
    るポリイミド配向膜。 一般式(I) 【化1】 上式中、R1 は4価の環式脂肪族基および環式脂肪族基
    を有する基、または芳香族基および芳香族基を有する基
    を表し、R2 は水素原子,アルキル基または芳香族基を
    表す。Xは−CO−または−SO2 −を表し、Yは単結
    合または−O−を表す。
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