JPH05313007A - カラーフィルターの製造方法 - Google Patents
カラーフィルターの製造方法Info
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- JPH05313007A JPH05313007A JP11495692A JP11495692A JPH05313007A JP H05313007 A JPH05313007 A JP H05313007A JP 11495692 A JP11495692 A JP 11495692A JP 11495692 A JP11495692 A JP 11495692A JP H05313007 A JPH05313007 A JP H05313007A
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- color filter
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電着基板に電着した着色層を転写するととも
に、ブラックマトリックスを着色層の自己整合によって
形成する。 【構成】 電気絶縁性基板面に、同一の表示色の着色層
の電着部に通電し他の表示色の着色層の電着部とは電気
的に接続しない電着用回路を設け、顔料と高分子物質を
分散した着色材の電着浴において電着した着色層を、カ
ラーフィルター基板面に一括して転写し、着色層の形成
されていない部分には着色層をマスクとして背面露光に
よって自己整合的にブラックマトリックスを形成する。 【効果】 高度なアライメント操作が不要となり生産能
率が高まる。
に、ブラックマトリックスを着色層の自己整合によって
形成する。 【構成】 電気絶縁性基板面に、同一の表示色の着色層
の電着部に通電し他の表示色の着色層の電着部とは電気
的に接続しない電着用回路を設け、顔料と高分子物質を
分散した着色材の電着浴において電着した着色層を、カ
ラーフィルター基板面に一括して転写し、着色層の形成
されていない部分には着色層をマスクとして背面露光に
よって自己整合的にブラックマトリックスを形成する。 【効果】 高度なアライメント操作が不要となり生産能
率が高まる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶用カラーフィルター
の製造方法に係わり、更に詳しくは電着基板を用いてカ
ラーフィルターを光学的な整合手段を用いることなく製
造する方法に関するものである。
の製造方法に係わり、更に詳しくは電着基板を用いてカ
ラーフィルターを光学的な整合手段を用いることなく製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】カラーテレビやコンピューター用液晶表示
装置のカラー表示方法には多種あるが、極めて一般的な
カラー表示手段としてR、G、B、その他からなる多色
フィルターを用いる方法がある。このカラーフィルター
の製造方法としては染色性レジストパターンの染色法、
感光性レジスト内に予め着色顔料を分散させておいて露
光現像する顔料分散法、印刷インキで各色の印刷をする
印刷法等が代表的方法である。しかし染色法では品質は
良いが耐熱性や耐光性が劣り、且つ製造工程が複雑なた
め高価であること、顔料分散法は耐熱耐光性が向上し工
程もやや簡便化できるが材料価格の低減に限度があるこ
と、印刷法は工程が簡便で最も廉価にできると期待され
ていたが、品質が劣り薄膜トランジスタ(TET)型液
晶表示体に対しては不十分であり、且つ製造時の良品歩
留りが低く、期待されていた程の価格の低廉化ができな
い等の問題点を抱えている。
装置のカラー表示方法には多種あるが、極めて一般的な
カラー表示手段としてR、G、B、その他からなる多色
フィルターを用いる方法がある。このカラーフィルター
の製造方法としては染色性レジストパターンの染色法、
感光性レジスト内に予め着色顔料を分散させておいて露
光現像する顔料分散法、印刷インキで各色の印刷をする
印刷法等が代表的方法である。しかし染色法では品質は
良いが耐熱性や耐光性が劣り、且つ製造工程が複雑なた
め高価であること、顔料分散法は耐熱耐光性が向上し工
程もやや簡便化できるが材料価格の低減に限度があるこ
と、印刷法は工程が簡便で最も廉価にできると期待され
ていたが、品質が劣り薄膜トランジスタ(TET)型液
晶表示体に対しては不十分であり、且つ製造時の良品歩
留りが低く、期待されていた程の価格の低廉化ができな
い等の問題点を抱えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、これらの問題点
を解決するために、通電する電気量によって膜厚を容易
に調整することができ、精度が高い着色層が比較的簡単
な工程によって得られる電着法が提案されている。電着
法は透明電極を有するガラス基板上にカラーフィルター
の着色層の成分の顔料をイオン性高分子物質と共に分散
させて電気化学的に電着する方法や、カラーフィルター
の基板とは別の基板上に着色層を電着した後、カラーフ
ィルター用のガラス基板上に転写する電着転写法など多
くの方法が提案されている。
を解決するために、通電する電気量によって膜厚を容易
に調整することができ、精度が高い着色層が比較的簡単
な工程によって得られる電着法が提案されている。電着
法は透明電極を有するガラス基板上にカラーフィルター
の着色層の成分の顔料をイオン性高分子物質と共に分散
させて電気化学的に電着する方法や、カラーフィルター
の基板とは別の基板上に着色層を電着した後、カラーフ
ィルター用のガラス基板上に転写する電着転写法など多
くの方法が提案されている。
【0004】電着転写法は、電着基板面に予めカラーフ
ィルターの各色成分を電着する回路を設け、図6に示す
ように該回路を色別に選択的に外部電源と接続し、顔料
と高分子物質を分散した電着槽中において、不溶性電極
を対極として電気化学的に着色材を目的の領域のみに電
着し、次いで他の回路と外部電極を接続して対応する着
色層を電着する工程を繰り返すことによって、カラーフ
ィルターの全色の着色層を電着したのちガラス基板に一
括転写してカラーフィルターを製造する方法であるが、
電着法のなかでも製造工程から見て最も好ましいと考え
られている。
ィルターの各色成分を電着する回路を設け、図6に示す
ように該回路を色別に選択的に外部電源と接続し、顔料
と高分子物質を分散した電着槽中において、不溶性電極
を対極として電気化学的に着色材を目的の領域のみに電
着し、次いで他の回路と外部電極を接続して対応する着
色層を電着する工程を繰り返すことによって、カラーフ
ィルターの全色の着色層を電着したのちガラス基板に一
括転写してカラーフィルターを製造する方法であるが、
電着法のなかでも製造工程から見て最も好ましいと考え
られている。
【0005】しかしながら、この方法で作成できるカラ
ーフィルターは各色の着色層が並列的に線状に配置され
ている、いわゆるストライプ型カラーフィルターのみで
あった。ストライプ型フィルターでは線状に画素を配列
するために電着用電気回路の配線は平面的に形成するの
みで実現することができるので、比較的容易であるが他
の形態のフィルターでは電着用の電気回路の配線は、配
線用空間が取れないために困難である。
ーフィルターは各色の着色層が並列的に線状に配置され
ている、いわゆるストライプ型カラーフィルターのみで
あった。ストライプ型フィルターでは線状に画素を配列
するために電着用電気回路の配線は平面的に形成するの
みで実現することができるので、比較的容易であるが他
の形態のフィルターでは電着用の電気回路の配線は、配
線用空間が取れないために困難である。
【0006】例えば表示品質が優れたTFT(薄膜トラ
ンジスタ)やその他のアクティブマトリクス型の表示装
置が広く採用されるようになり、着色層の配列として千
鳥状や複雑なモザイク状等が多く用いられるに至ってい
る。この場合には目的のカラーフィルターの着色層を電
着すべき領域へ電流を供給するための回路配線は、平面
的な配線では実現することができず、電着によってはス
トライプ型以外の配列の着色層の形成は実現されていな
い。また、カラーフィルターの製造工程では、着色層
と、表示画像のコントラストを向上させるために使用さ
れているブラックマトリックスとを光学的な整合手段等
による精密な整合を行う必要があり、製造を困難とする
要因のひとつとなっていた。
ンジスタ)やその他のアクティブマトリクス型の表示装
置が広く採用されるようになり、着色層の配列として千
鳥状や複雑なモザイク状等が多く用いられるに至ってい
る。この場合には目的のカラーフィルターの着色層を電
着すべき領域へ電流を供給するための回路配線は、平面
的な配線では実現することができず、電着によってはス
トライプ型以外の配列の着色層の形成は実現されていな
い。また、カラーフィルターの製造工程では、着色層
と、表示画像のコントラストを向上させるために使用さ
れているブラックマトリックスとを光学的な整合手段等
による精密な整合を行う必要があり、製造を困難とする
要因のひとつとなっていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーフィルタ
ー製造方法は、電着転写法によって製造するものである
が、モザイク状その他の複雑なカラーフィルター配列に
対応できる配線を有する3次元的立体配線基板(多層配
線基板)を用いるとともに、着色層のパターンを光学的
等の整合手段を用いずに容易にカラーフィルターを製造
する方法を提案するものである。
ー製造方法は、電着転写法によって製造するものである
が、モザイク状その他の複雑なカラーフィルター配列に
対応できる配線を有する3次元的立体配線基板(多層配
線基板)を用いるとともに、着色層のパターンを光学的
等の整合手段を用いずに容易にカラーフィルターを製造
する方法を提案するものである。
【0008】すなわち、液晶用多色カラーフィルターの
製造方法において、電気絶縁性基板面上に、同一色の着
色層の電着部には全て電気的に接続し、他の色の着色層
には電気的に接続しない電着用回路を有し、着色層の形
成部分には金属の被膜を形成した電着部を有した電着基
板に、各色毎に着色材を分散した浴中から着色層を電着
し、得られた着色層をカラーフィルター基板面に一括し
て転写した後に、着色層が形成されていない透明部分に
ブラックマトリックス形成部材を塗布しブラックマトリ
ックスを形成することからなるカラーフィルターの製造
方法であり、また着色層の電着に先立って電着基板の着
色層の電着部に剥離性が良好な剥離用金属薄膜を電気め
っきによって形成した後に各着色層を電着し、着色層と
ともに剥離用金属薄膜をカラーフィルター基板に一括し
て転写した後に、剥離用金属薄膜を溶解除去する方法、
あるいは着色層の電着に先立って電着部に電着を阻害せ
ずに剥離性を高めることができるシリコーン系剥離剤等
の層を形成した後に電着して転写する方法を適用したも
のである。また、カラーフィルター基板への着色層の一
括転写の前に、カラーフィルター基板上には硬化性透明
粘着材あるいは接着剤を塗布することによって着色層の
カラーフィルター基板との転写を効果的に行うことがで
きる。さらに、ブラックマトリックスを形成する場合
に、着色層をマスクとして利用することによって自己整
合し、別のフォトマスクを用いたり、精密な位置合わせ
等を行うことなくカラーフィルターを製造することがで
きる。
製造方法において、電気絶縁性基板面上に、同一色の着
色層の電着部には全て電気的に接続し、他の色の着色層
には電気的に接続しない電着用回路を有し、着色層の形
成部分には金属の被膜を形成した電着部を有した電着基
板に、各色毎に着色材を分散した浴中から着色層を電着
し、得られた着色層をカラーフィルター基板面に一括し
て転写した後に、着色層が形成されていない透明部分に
ブラックマトリックス形成部材を塗布しブラックマトリ
ックスを形成することからなるカラーフィルターの製造
方法であり、また着色層の電着に先立って電着基板の着
色層の電着部に剥離性が良好な剥離用金属薄膜を電気め
っきによって形成した後に各着色層を電着し、着色層と
ともに剥離用金属薄膜をカラーフィルター基板に一括し
て転写した後に、剥離用金属薄膜を溶解除去する方法、
あるいは着色層の電着に先立って電着部に電着を阻害せ
ずに剥離性を高めることができるシリコーン系剥離剤等
の層を形成した後に電着して転写する方法を適用したも
のである。また、カラーフィルター基板への着色層の一
括転写の前に、カラーフィルター基板上には硬化性透明
粘着材あるいは接着剤を塗布することによって着色層の
カラーフィルター基板との転写を効果的に行うことがで
きる。さらに、ブラックマトリックスを形成する場合
に、着色層をマスクとして利用することによって自己整
合し、別のフォトマスクを用いたり、精密な位置合わせ
等を行うことなくカラーフィルターを製造することがで
きる。
【0009】1枚の基板に3次元立体配線した多色カラ
ーフィルター製造用電着基板は、本発明者らが提案した
光半導体を利用した方法(特願平3−291758号、
同3−328913号)やその他の方法で製造可能であ
る。そして、本発明ではこのような電着基板を用いてカ
ラーフィルターを製造する方法を更に改良し、作業者が
おこなう必要があった高精度を要し、非能率的な着色パ
ターン等の光学的整合操作(アライメント操作)を不要
とし、簡便で容易、かつ能率的にカラーフィルター基板
を製造しようとするものである。
ーフィルター製造用電着基板は、本発明者らが提案した
光半導体を利用した方法(特願平3−291758号、
同3−328913号)やその他の方法で製造可能であ
る。そして、本発明ではこのような電着基板を用いてカ
ラーフィルターを製造する方法を更に改良し、作業者が
おこなう必要があった高精度を要し、非能率的な着色パ
ターン等の光学的整合操作(アライメント操作)を不要
とし、簡便で容易、かつ能率的にカラーフィルター基板
を製造しようとするものである。
【0010】すなわち、従来の電着によって着色層を形
成する方法では、着色層を転写するカラーフィルター基
板には、着色層の間および周辺を区画する遮光層となる
ブラックマトリックスをあらかじめ形成することが行わ
れていた。そして、そのブラックマトリックスを着色層
が形成されていない部分と一致するように正確に位置合
わせを行うことが必要であった。とくに電着によって形
成された着色層の境界部には着色材の電着が行われてい
ないから無色透明となっており、ブラックマトリックス
が着色層の間に正確に形成されないと、表示画像のコン
トラストが低下するなどの問題が生じていた。
成する方法では、着色層を転写するカラーフィルター基
板には、着色層の間および周辺を区画する遮光層となる
ブラックマトリックスをあらかじめ形成することが行わ
れていた。そして、そのブラックマトリックスを着色層
が形成されていない部分と一致するように正確に位置合
わせを行うことが必要であった。とくに電着によって形
成された着色層の境界部には着色材の電着が行われてい
ないから無色透明となっており、ブラックマトリックス
が着色層の間に正確に形成されないと、表示画像のコン
トラストが低下するなどの問題が生じていた。
【0011】カラーフィルター基板にブラックマトリッ
クスを形成するには、金属クロム膜、顔料を混合した樹
脂膜等をフォトリソグラフィーの手法による精密加工、
樹脂膜の染色、あるいは黒色のインキによって印刷する
等の方法で形成されていたが、いずれの方法の場合にも
カラーフィルター基板に高精度に形成することが必要で
あった。ブラックマトリックスと着色層との正確な位置
合わせは、精密な光学的操作で行うのが一般的である
が、この操作は非常に時間がかかり且つ高価な位置合わ
せ装置(アライメント装置)を用いなければならず、非
能率的で生産コストを上げる一要因となっている。
クスを形成するには、金属クロム膜、顔料を混合した樹
脂膜等をフォトリソグラフィーの手法による精密加工、
樹脂膜の染色、あるいは黒色のインキによって印刷する
等の方法で形成されていたが、いずれの方法の場合にも
カラーフィルター基板に高精度に形成することが必要で
あった。ブラックマトリックスと着色層との正確な位置
合わせは、精密な光学的操作で行うのが一般的である
が、この操作は非常に時間がかかり且つ高価な位置合わ
せ装置(アライメント装置)を用いなければならず、非
能率的で生産コストを上げる一要因となっている。
【0012】本発明は、カラーフィルター基板と電着基
板との位置合わせ操作が必要な電着法によるカラーフィ
ルターの製造方法において、新規の工程を導入すること
によって、位置合わせ操作を不要とし、カラーフィルタ
ーの製造を容易に、しかも低コスト化を可能にした方法
である。
板との位置合わせ操作が必要な電着法によるカラーフィ
ルターの製造方法において、新規の工程を導入すること
によって、位置合わせ操作を不要とし、カラーフィルタ
ーの製造を容易に、しかも低コスト化を可能にした方法
である。
【0013】すなわち、本発明のカラーフィルターの製
造方法では、ガラス等のカラーフィルター基板にはあら
かじめブラックマトリックスを形成することなく、電着
基板からカラーフィルター基板面に着色層を転写した後
に、隣接する着色層の間に形成された空間に、感光性の
遮光性物質、又は後に遮光化できる感光性物質を塗布
し、着色層部分をマスクとしてガラス基板側からの背面
露光をし、現像することによって正確に着色層が形成さ
れていない部分にブラックマトリックスを形成して遮光
化する方法、および着色層を転写した側にポジ型感光性
樹脂を全面に塗布し、金属クロム、ニッケルなどの遮光
膜を蒸着等によって形成した後に、ガラス基板側から露
光、現像することによって未硬化樹脂を溶解することに
よって、未硬化樹脂上の遮光膜も同時に除去する通常の
リフトオフ法により遮光化する方法によって形成するこ
とができる。また、感光性樹脂を用いずに剥離性電着金
属を利用し、その溶解除去時にリフトオフさせる方法で
非光学的に形成させることもできる。
造方法では、ガラス等のカラーフィルター基板にはあら
かじめブラックマトリックスを形成することなく、電着
基板からカラーフィルター基板面に着色層を転写した後
に、隣接する着色層の間に形成された空間に、感光性の
遮光性物質、又は後に遮光化できる感光性物質を塗布
し、着色層部分をマスクとしてガラス基板側からの背面
露光をし、現像することによって正確に着色層が形成さ
れていない部分にブラックマトリックスを形成して遮光
化する方法、および着色層を転写した側にポジ型感光性
樹脂を全面に塗布し、金属クロム、ニッケルなどの遮光
膜を蒸着等によって形成した後に、ガラス基板側から露
光、現像することによって未硬化樹脂を溶解することに
よって、未硬化樹脂上の遮光膜も同時に除去する通常の
リフトオフ法により遮光化する方法によって形成するこ
とができる。また、感光性樹脂を用いずに剥離性電着金
属を利用し、その溶解除去時にリフトオフさせる方法で
非光学的に形成させることもできる。
【0014】以下に本発明のカラーフィルターの製造方
法を図面を参照して説明する。図1は本発明のモザイク
型カラーフィルター製造用電着基板を説明する図であ
る。カラーフィルターの各着色層は遮光性のブラックマ
トリックスで区画されているが、これに対応して電着基
板は各画素に対応した着色単位1に区画されている。電
着基板面にR、G、Bの夫々が独立して電着されるよう
に赤用配線2、緑用配線3、青用配線4が形成されてい
る。各配線と着色単位の間に導電接続を形成するため
に、導電接続部5、6、7が形成されている。図1の例
では、1個の着色単位には赤用配線2、緑用配線3、青
用配線4の3本が配置されており、形成すべき表示色に
対応した配線に導電接続部5、6、7が設けられてい
る。又複数の同一色用の配線は外部電源から一括して通
電できるように、夫々の母線8、9、10と接続されて
いる。このような構造をとることによって着色単位の下
層部を利用した立体的配線によって任意の着色層に通電
し電着することが可能である。
法を図面を参照して説明する。図1は本発明のモザイク
型カラーフィルター製造用電着基板を説明する図であ
る。カラーフィルターの各着色層は遮光性のブラックマ
トリックスで区画されているが、これに対応して電着基
板は各画素に対応した着色単位1に区画されている。電
着基板面にR、G、Bの夫々が独立して電着されるよう
に赤用配線2、緑用配線3、青用配線4が形成されてい
る。各配線と着色単位の間に導電接続を形成するため
に、導電接続部5、6、7が形成されている。図1の例
では、1個の着色単位には赤用配線2、緑用配線3、青
用配線4の3本が配置されており、形成すべき表示色に
対応した配線に導電接続部5、6、7が設けられてい
る。又複数の同一色用の配線は外部電源から一括して通
電できるように、夫々の母線8、9、10と接続されて
いる。このような構造をとることによって着色単位の下
層部を利用した立体的配線によって任意の着色層に通電
し電着することが可能である。
【0015】図2は本発明のカラーフィルター製造用電
着基板の製造工程を示した断面図である。電気絶縁性基
板11面に銅等の導電性材料による配線加工を行う。絶
縁性基板にはエポキシ樹脂製のプリント基板、ポリエス
テルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミド
フィルム等のフィルム基板、ガラス、セラミックス等を
使用することができるが、熱的又は機械的に伸縮性の小
さいものがよい。したがって熱的又は機械的に安定であ
る金属板に前記フィルム基板を積層した基板も好まし
い。
着基板の製造工程を示した断面図である。電気絶縁性基
板11面に銅等の導電性材料による配線加工を行う。絶
縁性基板にはエポキシ樹脂製のプリント基板、ポリエス
テルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミド
フィルム等のフィルム基板、ガラス、セラミックス等を
使用することができるが、熱的又は機械的に伸縮性の小
さいものがよい。したがって熱的又は機械的に安定であ
る金属板に前記フィルム基板を積層した基板も好まし
い。
【0016】また、熱膨張係数の小さいステンレス、ア
ンバー等の金属板面に電気絶縁性被膜を塗布し、その上
に導電性部材として銅、ニッケル、クロム、鉄、アルミ
ニウム等の金属又はそれらの合金、導電性酸化膜等を用
いて、真空蒸着法や無電解めっき法、ラミネート法等に
より導電性膜を形成してもよい。導電性部材の配線加工
は通常のフォトリソグラフィーや印刷などによって配線
パターンを形成した後にエッチングして形成する。
ンバー等の金属板面に電気絶縁性被膜を塗布し、その上
に導電性部材として銅、ニッケル、クロム、鉄、アルミ
ニウム等の金属又はそれらの合金、導電性酸化膜等を用
いて、真空蒸着法や無電解めっき法、ラミネート法等に
より導電性膜を形成してもよい。導電性部材の配線加工
は通常のフォトリソグラフィーや印刷などによって配線
パターンを形成した後にエッチングして形成する。
【0017】配線加工は図2(A)のように赤用配線1
2、緑用配線13、青用配線14の3本の配線が各着色
単位15内を通過するように行う。次いで図2(B)に
示すようにこの面に高分子材料、好ましくは感光性樹脂
材料からなる電気絶縁性層16を厚さ0.5〜20μm
に塗布乾燥して形成するが、スルーホール形成が容易な
感光性樹脂材料を用いることが好ましい。
2、緑用配線13、青用配線14の3本の配線が各着色
単位15内を通過するように行う。次いで図2(B)に
示すようにこの面に高分子材料、好ましくは感光性樹脂
材料からなる電気絶縁性層16を厚さ0.5〜20μm
に塗布乾燥して形成するが、スルーホール形成が容易な
感光性樹脂材料を用いることが好ましい。
【0018】次に、図2(C)に示すように電気絶縁性
層16にスルーホール17を形成する。スルーホールの
形成方法は、各着色単位の所定位置、すなわち赤用配線
12、緑用配線13、青用配線14の各配線部に合わせ
て、スルーホール用パターンを形成したフォトマスクを
正確に整合し、密着露光して現像・乾燥することによっ
て容易に形成することができる(図示していない)。感
光性樹脂としては一般に用いられているネガ用或いはポ
ジ型感光性樹脂が利用できる。
層16にスルーホール17を形成する。スルーホールの
形成方法は、各着色単位の所定位置、すなわち赤用配線
12、緑用配線13、青用配線14の各配線部に合わせ
て、スルーホール用パターンを形成したフォトマスクを
正確に整合し、密着露光して現像・乾燥することによっ
て容易に形成することができる(図示していない)。感
光性樹脂としては一般に用いられているネガ用或いはポ
ジ型感光性樹脂が利用できる。
【0019】他の方法としては非感光性絶縁性樹脂膜
(ポリイミド膜、ポリエステル樹脂膜等)を形成し、次
いでフォトレジスト膜を形成してフォトエッチングする
方法なども利用できるが、感光性樹脂を利用することに
よってフォトレジストを用いることなくスルーホール用
の孔を容易に形成することができる。
(ポリイミド膜、ポリエステル樹脂膜等)を形成し、次
いでフォトレジスト膜を形成してフォトエッチングする
方法なども利用できるが、感光性樹脂を利用することに
よってフォトレジストを用いることなくスルーホール用
の孔を容易に形成することができる。
【0020】次いで形成されたスルーホール17を導電
性にするためには、銀や銅ペーストを充填したり、無電
解めっき法や蒸着法等によって金属の薄膜を形成して導
電化し、図2(D)に示す導電接続部18とすることが
できる。ここで好ましくは導電接続部18と絶縁性樹脂
層16の面とが同じ高さの平滑面に仕上げることが後に
電着部を形成するときに有利である。
性にするためには、銀や銅ペーストを充填したり、無電
解めっき法や蒸着法等によって金属の薄膜を形成して導
電化し、図2(D)に示す導電接続部18とすることが
できる。ここで好ましくは導電接続部18と絶縁性樹脂
層16の面とが同じ高さの平滑面に仕上げることが後に
電着部を形成するときに有利である。
【0021】導電接続部18が完成した後、全面に着色
層の電着用の金属層を形成させる。金属層は銅、銀、ニ
ッケル、クロム、鉄などの金属が利用できるが、無電解
めっきや蒸着法等が利用できる金属を選択するのがよ
く、また絶縁層面との接着性が強いことが望まれ、銅、
ニッケル、クロム等が好ましい。この金属層の厚さは1
μm〜20μm程度が好適である。厚い金属層を得るた
めには無電解めっきや蒸着によって金属面を形成後、更
に電気めっきする方法が時間的にも経済的にも有利であ
る。次いで通常のフォトエッチング法によって図2
(E)に示すカラーフィルターの着色層の電着単位のパ
ターン形状に金属層をエッチングして電着部19を形成
する。
層の電着用の金属層を形成させる。金属層は銅、銀、ニ
ッケル、クロム、鉄などの金属が利用できるが、無電解
めっきや蒸着法等が利用できる金属を選択するのがよ
く、また絶縁層面との接着性が強いことが望まれ、銅、
ニッケル、クロム等が好ましい。この金属層の厚さは1
μm〜20μm程度が好適である。厚い金属層を得るた
めには無電解めっきや蒸着によって金属面を形成後、更
に電気めっきする方法が時間的にも経済的にも有利であ
る。次いで通常のフォトエッチング法によって図2
(E)に示すカラーフィルターの着色層の電着単位のパ
ターン形状に金属層をエッチングして電着部19を形成
する。
【0022】電着部19は着色層の転写性を考慮して、
複数の金属層から形成してもよい。例えばニッケル、ク
ロム等の場合は単層でも良いが、銅等ではその上に更に
ニッケルやクロム層を形成することが好ましい。この理
由は電着フィルター層の転写を補助するために電着部に
2次的に銅等の剥離性の良好な金属薄膜を電着し、着色
層のカラーフィルター基板への転写時には電着部19と
2次的に形成した金属薄膜がニッケルやクロム面からは
容易に剥離して着色層とともに転写できるからである。
複数の金属層から形成してもよい。例えばニッケル、ク
ロム等の場合は単層でも良いが、銅等ではその上に更に
ニッケルやクロム層を形成することが好ましい。この理
由は電着フィルター層の転写を補助するために電着部に
2次的に銅等の剥離性の良好な金属薄膜を電着し、着色
層のカラーフィルター基板への転写時には電着部19と
2次的に形成した金属薄膜がニッケルやクロム面からは
容易に剥離して着色層とともに転写できるからである。
【0023】また、銅は薄膜の形成が容易であるととも
に、研磨によって平滑にすることが容易であるので、導
電接続部18の形成時の凹凸をなくすために若干厚い膜
を形成し、次いで平滑化することができる。この利点を
利用すれば導電接続部18の部分が平滑でなくても、銅
の薄膜を形成後に容易に研磨によって平滑化ができるの
でその上にニッケル層、クロム層を薄く形成すれば剥離
性を付与させた強固で良質の電着部19を得ることがで
きる。
に、研磨によって平滑にすることが容易であるので、導
電接続部18の形成時の凹凸をなくすために若干厚い膜
を形成し、次いで平滑化することができる。この利点を
利用すれば導電接続部18の部分が平滑でなくても、銅
の薄膜を形成後に容易に研磨によって平滑化ができるの
でその上にニッケル層、クロム層を薄く形成すれば剥離
性を付与させた強固で良質の電着部19を得ることがで
きる。
【0024】また、銅の表面は容易に研磨することがで
きるので、電着基板面にエッチングによって電着部19
を形成した後に、各電着部の間の形成された凹部に絶縁
性充填剤を充填し、電着部と充填剤の表面を同時に研磨
し、電着基板の表面全体を1回の処理で均一に平滑化で
きるので工程上有利である。
きるので、電着基板面にエッチングによって電着部19
を形成した後に、各電着部の間の形成された凹部に絶縁
性充填剤を充填し、電着部と充填剤の表面を同時に研磨
し、電着基板の表面全体を1回の処理で均一に平滑化で
きるので工程上有利である。
【0025】以上のように図2(E)の各電着部19を
有し、表面が平滑で電着物の剥離転写が容易なカラーフ
ィルター製造用の電着基板が完成するが、電着基板の製
造は本発明者らが提案した特願平3−291758号お
よび同3−328913号に記載の光半導体によって導
電接続部を形成する方法によって製造しても良い。
有し、表面が平滑で電着物の剥離転写が容易なカラーフ
ィルター製造用の電着基板が完成するが、電着基板の製
造は本発明者らが提案した特願平3−291758号お
よび同3−328913号に記載の光半導体によって導
電接続部を形成する方法によって製造しても良い。
【0026】図2(F)は、電着基板への電着中の概念
図を示しており、電着基板を陰極として銅めっき浴中に
入れ、銅を0.3〜3μmの厚さに電着部上に、剥離用
金属薄膜20を電着する。この場合は全ての電着部19
に一括電着できるように、図1に示される各色別に分割
されている外部電源接続用配線8、9、10に一括通電
して剥離用金属膜20を形成する。剥離性の金属は銅以
外にニッケル、鉄、錫、銀等の溶解除去し易い多くの金
属を用いることができる。
図を示しており、電着基板を陰極として銅めっき浴中に
入れ、銅を0.3〜3μmの厚さに電着部上に、剥離用
金属薄膜20を電着する。この場合は全ての電着部19
に一括電着できるように、図1に示される各色別に分割
されている外部電源接続用配線8、9、10に一括通電
して剥離用金属膜20を形成する。剥離性の金属は銅以
外にニッケル、鉄、錫、銀等の溶解除去し易い多くの金
属を用いることができる。
【0027】次いで図1の各色の電着用の外部電源接続
用配線8、9、10を選択し、カラーフィルターの各色
の着色材を含有した電着浴中に基板を浸漬し、電着基板
を陰極とし不溶性電極を陽極として通電し、1色ずつ着
色材を電着する。水洗後他の色の電着用配線を選択して
外部電源と接続し、他の色の着色材を電着して水洗す
る。この操作を繰り返して必要な色数のカラーフィルタ
ーの着色成分を電着後十分水洗し、乾燥して着色層の電
着を完了する。図2(F)は2色のカラーフィルターの
着色材の電着による着色層21、22と剥離用金属層2
0のみの段階での状態を示したものである。全てのカラ
ーフィルターの着色材の電着が完了した電着基板から全
ての着色層と剥離用金属膜とを同時に一括してガラス板
等のカラーフィルター基板面に転写するが、その状態を
図3に示す。
用配線8、9、10を選択し、カラーフィルターの各色
の着色材を含有した電着浴中に基板を浸漬し、電着基板
を陰極とし不溶性電極を陽極として通電し、1色ずつ着
色材を電着する。水洗後他の色の電着用配線を選択して
外部電源と接続し、他の色の着色材を電着して水洗す
る。この操作を繰り返して必要な色数のカラーフィルタ
ーの着色成分を電着後十分水洗し、乾燥して着色層の電
着を完了する。図2(F)は2色のカラーフィルターの
着色材の電着による着色層21、22と剥離用金属層2
0のみの段階での状態を示したものである。全てのカラ
ーフィルターの着色材の電着が完了した電着基板から全
ての着色層と剥離用金属膜とを同時に一括してガラス板
等のカラーフィルター基板面に転写するが、その状態を
図3に示す。
【0028】図3(A)は着色層21、22、23と剥
離用金属薄膜とが透明基板30に転写された状態であ
る。転写では透明基板30面に1〜10μの厚さに粘着
性あるいは接着性を有する硬化性透明樹脂層24を形成
し、透明基板の所望の位置に着色層が位置するように電
着基板と位置合わせして、空気の入らない状態で十分密
着したのち基板を剥離すると、透明基板側に各着色層2
1、22、23とそれらに付着した剥離用金属薄膜20
が同時に転写される。この場合の透明基板30上の転写
位置の精度は、100μmオーダーで良いので位置合わ
せが容易である。
離用金属薄膜とが透明基板30に転写された状態であ
る。転写では透明基板30面に1〜10μの厚さに粘着
性あるいは接着性を有する硬化性透明樹脂層24を形成
し、透明基板の所望の位置に着色層が位置するように電
着基板と位置合わせして、空気の入らない状態で十分密
着したのち基板を剥離すると、透明基板側に各着色層2
1、22、23とそれらに付着した剥離用金属薄膜20
が同時に転写される。この場合の透明基板30上の転写
位置の精度は、100μmオーダーで良いので位置合わ
せが容易である。
【0029】硬化性透明樹脂層24は各着色層の間の空
間の僅かな凹部に圧着によって浸入し、剥離後電着面と
平滑になっているか又は僅かな凹型となっているが、転
写後熱あるいは光によって硬化して着色層との間で強固
な接着を形成する。硬化性透明樹脂層には、熱または光
硬化性のアクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂等
を用いることができる。次いで剥離用金属膜を溶解除去
し、水洗乾燥すれば図3(B)の様なカラーフィルター
を得ることができる。
間の僅かな凹部に圧着によって浸入し、剥離後電着面と
平滑になっているか又は僅かな凹型となっているが、転
写後熱あるいは光によって硬化して着色層との間で強固
な接着を形成する。硬化性透明樹脂層には、熱または光
硬化性のアクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂等
を用いることができる。次いで剥離用金属膜を溶解除去
し、水洗乾燥すれば図3(B)の様なカラーフィルター
を得ることができる。
【0030】一方、図2(E)、(F)において剥離用
金属層20を形成せずに、シリコーン樹脂液、弗素系樹
脂液あるいはその他の剥離用物質溶液の希釈液を電着を
阻害しない厚さに塗布乾燥してもよいが、各色毎の着色
層の成分の違いによって電着基板からの剥離性の相違が
みられ、剥離が不安定となることがあるので、電着基板
からの剥離を管理する必要がある。これに対して、上記
した剥離用金属膜を電着部に形成した後に着色層を電着
することによって、剥離特性が一定するので剥離の管理
が容易となる。
金属層20を形成せずに、シリコーン樹脂液、弗素系樹
脂液あるいはその他の剥離用物質溶液の希釈液を電着を
阻害しない厚さに塗布乾燥してもよいが、各色毎の着色
層の成分の違いによって電着基板からの剥離性の相違が
みられ、剥離が不安定となることがあるので、電着基板
からの剥離を管理する必要がある。これに対して、上記
した剥離用金属膜を電着部に形成した後に着色層を電着
することによって、剥離特性が一定するので剥離の管理
が容易となる。
【0031】さらに、本発明のカラーフィルターの製造
方法においては、図4(A)のようにカラーフィルター
基板面に形成した着色層の全面にネガ型の黒色感光性樹
脂層25を0.5〜3μmの厚さに形成し、次いでフィ
ルター形成面の反対側すなわち透明基板側から紫外線に
よって背面露光を行った。紫外線は赤、緑、青の着色層
によって吸収されるので、各着色層は紫外線遮光マスク
となり、着色層が形成されていない部分の透明樹脂層2
4のみを透過するので、この部分の黒色感光性樹脂が感
光する。したがって、現像すれば着色層上の黒色感光性
樹脂は変化をしないので、透明部分のみに黒色感光性樹
脂が残留し、高価な光学的整合装置を用いたり、格別の
配慮もせずに着色層によって正確に自己整合(セルフア
ライメント)されたブラックマトリックスが得られる。
方法においては、図4(A)のようにカラーフィルター
基板面に形成した着色層の全面にネガ型の黒色感光性樹
脂層25を0.5〜3μmの厚さに形成し、次いでフィ
ルター形成面の反対側すなわち透明基板側から紫外線に
よって背面露光を行った。紫外線は赤、緑、青の着色層
によって吸収されるので、各着色層は紫外線遮光マスク
となり、着色層が形成されていない部分の透明樹脂層2
4のみを透過するので、この部分の黒色感光性樹脂が感
光する。したがって、現像すれば着色層上の黒色感光性
樹脂は変化をしないので、透明部分のみに黒色感光性樹
脂が残留し、高価な光学的整合装置を用いたり、格別の
配慮もせずに着色層によって正確に自己整合(セルフア
ライメント)されたブラックマトリックスが得られる。
【0032】黒色感光性樹脂には、ゴム−ビスアジド
系、ブタジエン系ネガ型フォトレジスト等を用いること
ができる。また、黒色感光性樹脂は遮光性が大きいため
に感度は著しく低いので、強力な紫外線光源が必要であ
る。また、青色の着色層の紫外線遮蔽性に懸念がある場
合には図3(A)で示すように剥離用金属薄膜が存在し
たまま露光・現像し、ついで剥離用金属薄膜を溶解除去
してもよい。
系、ブタジエン系ネガ型フォトレジスト等を用いること
ができる。また、黒色感光性樹脂は遮光性が大きいため
に感度は著しく低いので、強力な紫外線光源が必要であ
る。また、青色の着色層の紫外線遮蔽性に懸念がある場
合には図3(A)で示すように剥離用金属薄膜が存在し
たまま露光・現像し、ついで剥離用金属薄膜を溶解除去
してもよい。
【0033】本発明において得られたブラックマトリッ
クスは、着色層の境界部を完全に黒色感光性樹脂によっ
て覆っているので、着色層の間には透明部が存在するこ
とはなく表示色のコントラストを低下させたり、色彩度
を劣化させることも起こらず高品質のカラーフィルター
を得ることができる。
クスは、着色層の境界部を完全に黒色感光性樹脂によっ
て覆っているので、着色層の間には透明部が存在するこ
とはなく表示色のコントラストを低下させたり、色彩度
を劣化させることも起こらず高品質のカラーフィルター
を得ることができる。
【0034】ブラックマトリックスの形成において黒色
感光性樹脂を用いずに、ポジ型フォトレジストを用い、
露光現像すれば透明部のみが現像除去されるので、乾燥
後ニッケル、クロム等の蒸着膜や無電解めっきによって
金属薄膜の形成を行い、次いでカラーフィルター基板側
からフォトレジストを背面露光すると遮光部である着色
層部に残留する未感光のフォトレジストが溶解除去され
るリフトオフ法によって金属薄膜も同時に除去されてブ
ラックマトリックスを形成することができる。
感光性樹脂を用いずに、ポジ型フォトレジストを用い、
露光現像すれば透明部のみが現像除去されるので、乾燥
後ニッケル、クロム等の蒸着膜や無電解めっきによって
金属薄膜の形成を行い、次いでカラーフィルター基板側
からフォトレジストを背面露光すると遮光部である着色
層部に残留する未感光のフォトレジストが溶解除去され
るリフトオフ法によって金属薄膜も同時に除去されてブ
ラックマトリックスを形成することができる。
【0035】剥離用金属薄膜を残した状態で、着色層の
形成面の全面にニッケルやクロムの薄膜を形成した後
に、ニッケルやクロムを侵さず剥離用金属のみを溶解す
る溶解液によって処理すれば、前記のフォトレジストを
用いたリフトオフ法に比べて簡便なリフトオフ法でブラ
ックマトリックスを形成することが可能である。
形成面の全面にニッケルやクロムの薄膜を形成した後
に、ニッケルやクロムを侵さず剥離用金属のみを溶解す
る溶解液によって処理すれば、前記のフォトレジストを
用いたリフトオフ法に比べて簡便なリフトオフ法でブラ
ックマトリックスを形成することが可能である。
【0036】また、重クロム酸系、ジアゾ系等のネガ型
の水溶性感光性樹脂を用い、露光・現像後に透明部に残
留する樹脂部のみに銅、ニッケル、銀等の金属を無電解
めっき等の方法によって金属を析出させてもよい。この
場合は樹脂中に金属の微粒子が形成されるので黒色とな
り、しかも完全な黒色となる。
の水溶性感光性樹脂を用い、露光・現像後に透明部に残
留する樹脂部のみに銅、ニッケル、銀等の金属を無電解
めっき等の方法によって金属を析出させてもよい。この
場合は樹脂中に金属の微粒子が形成されるので黒色とな
り、しかも完全な黒色となる。
【0037】ブラックマトリックスの形成後には、図4
(B)の様にブラックマトリックス部分が僅かに凸部に
なることがあるが、図5に示すように、着色層およびブ
ラックマトリックス面上に透明樹脂を2〜5μmの厚さ
に塗布し、耐熱性とともに平滑性を付与させる保護層2
7を塗布し硬化させ、硬化した保護層は平滑化のために
研磨を行っても良い。保護層の形成に使用する透明樹脂
は、熱硬化性あるいは光硬化性のアクリル系樹脂、エポ
キシアクリレート樹脂等を使用することができる。
(B)の様にブラックマトリックス部分が僅かに凸部に
なることがあるが、図5に示すように、着色層およびブ
ラックマトリックス面上に透明樹脂を2〜5μmの厚さ
に塗布し、耐熱性とともに平滑性を付与させる保護層2
7を塗布し硬化させ、硬化した保護層は平滑化のために
研磨を行っても良い。保護層の形成に使用する透明樹脂
は、熱硬化性あるいは光硬化性のアクリル系樹脂、エポ
キシアクリレート樹脂等を使用することができる。
【0038】保護膜上にはITO膜(酸化インジウム−
酸化錫複合酸化物)などの透明導電性膜28を形成させ
てカラーフィルターが完成する。
酸化錫複合酸化物)などの透明導電性膜28を形成させ
てカラーフィルターが完成する。
【0039】以上の工程において、カラーフィルター製
造用電着基板は電着転写後多数回反復して使用でき、電
着基板製造後のカラーフィルター製造工程は、単に複数
回の電着・水洗・乾燥工程と転写及び自己整合によるブ
ラックマトリックス製造工程、仕上げ工程のみとなり、
短い工程の反復によって大量のカラーフィルターを容易
に製造できる。
造用電着基板は電着転写後多数回反復して使用でき、電
着基板製造後のカラーフィルター製造工程は、単に複数
回の電着・水洗・乾燥工程と転写及び自己整合によるブ
ラックマトリックス製造工程、仕上げ工程のみとなり、
短い工程の反復によって大量のカラーフィルターを容易
に製造できる。
【0040】以上のように、本発明の方法は3〜4回の
難しい整合操作を行い、工程が長く複雑な、感光性樹脂
を利用した染色法や顔料分散法などと異なり、カラーフ
ィルター製造用電着基板を高精度に製造した後は、電着
基板への電着とカラーフィルター基板への転写を反復し
て行うことができ、しかもブラックマトリックスと着色
層との高精度の位置合わせ作業が不必要であるので製造
工程が単純となり、生産効率を高めることができ、同時
に製造価格の低減をすることが可能となる。
難しい整合操作を行い、工程が長く複雑な、感光性樹脂
を利用した染色法や顔料分散法などと異なり、カラーフ
ィルター製造用電着基板を高精度に製造した後は、電着
基板への電着とカラーフィルター基板への転写を反復し
て行うことができ、しかもブラックマトリックスと着色
層との高精度の位置合わせ作業が不必要であるので製造
工程が単純となり、生産効率を高めることができ、同時
に製造価格の低減をすることが可能となる。
【0041】
【作用】本発明の立体配線を形成したカラーフィルター
製造用電着基板を用い、着色材を電着した着色層を透明
基板面に転写し、転写した着色層を露光用マスクとして
自己整合することによってブラックマトリックスを形成
させる方法は、ストライプ状、モザイク状等の任意の配
列の着色層の製造に適用でき、容易に大型あるいは大面
積の液晶用カラーフィルターの製造に適用できる。ま
た、電着基板は多数回反復使用できるので、カラーフィ
ルターの迅速、簡便、高能率生産ができる。さらに、従
来のフォトリソグラフィー技術を多用する方法に比べ、
格段と生産能率が高くなり且つ容易に高品質なカラーフ
ィルターを安価に製造することができる。
製造用電着基板を用い、着色材を電着した着色層を透明
基板面に転写し、転写した着色層を露光用マスクとして
自己整合することによってブラックマトリックスを形成
させる方法は、ストライプ状、モザイク状等の任意の配
列の着色層の製造に適用でき、容易に大型あるいは大面
積の液晶用カラーフィルターの製造に適用できる。ま
た、電着基板は多数回反復使用できるので、カラーフィ
ルターの迅速、簡便、高能率生産ができる。さらに、従
来のフォトリソグラフィー技術を多用する方法に比べ、
格段と生産能率が高くなり且つ容易に高品質なカラーフ
ィルターを安価に製造することができる。
【0042】
実施例1 大きさ300×300mm、厚さ0.1mmの平滑なス
テンレス板面に、0.25mm厚のポリエステルフィル
ム面に銅の薄膜を形成した片面導電性フィルムを接着剤
を用いて接着した。次いで通常のフォトリソグラフィー
法で図1に示すR、G、Bの3色の着色層用の電気配線
用のレジストパターンを設け、塩化第2鉄水溶液を使用
してエッチング加工を行った。各着色層の大きさ、配線
の仕様は以下のとおりである。
テンレス板面に、0.25mm厚のポリエステルフィル
ム面に銅の薄膜を形成した片面導電性フィルムを接着剤
を用いて接着した。次いで通常のフォトリソグラフィー
法で図1に示すR、G、Bの3色の着色層用の電気配線
用のレジストパターンを設け、塩化第2鉄水溶液を使用
してエッチング加工を行った。各着色層の大きさ、配線
の仕様は以下のとおりである。
【0043】電着有効面積(10.4インチパネル用:
158.4mm×211.2mm) 画素数 :480×640×3 R、G、B各画素の大きさ:330μm×110μm ブラックマトリックスの線幅 :30μm 画素内配線線幅 :70μm(330μ
m方向を分割) 配線線間距離 :22.5μm 着色層の配線と母線が他の着色層あるいは母線と交差す
る部分では、平面配線では相互に接触し導電接続が形成
されるので、交差する部分には下層の配線を形成した後
に、スクリーン印刷で絶縁性物質を塗布した後にその上
部に銅ペーストからなる導電性インキを印刷して他方の
配線を形成し、相互の電気的な接続が形成されないよう
にした。
158.4mm×211.2mm) 画素数 :480×640×3 R、G、B各画素の大きさ:330μm×110μm ブラックマトリックスの線幅 :30μm 画素内配線線幅 :70μm(330μ
m方向を分割) 配線線間距離 :22.5μm 着色層の配線と母線が他の着色層あるいは母線と交差す
る部分では、平面配線では相互に接触し導電接続が形成
されるので、交差する部分には下層の配線を形成した後
に、スクリーン印刷で絶縁性物質を塗布した後にその上
部に銅ペーストからなる導電性インキを印刷して他方の
配線を形成し、相互の電気的な接続が形成されないよう
にした。
【0044】基板面の非電着領域の配線上に電着が行わ
れるのを防止するために、各着色層に対応するスルーホ
ール部を形成するために、全面にネガ型感光性樹脂(東
京応化工業(株)製OMR−83)を1μmの厚さに塗
布し、電着部と電極引出し部及びスルーホール部が黒色
であるパターンをマスクとして密着露光し、指定処方に
従って現像、乾燥、ベーキングして電気絶縁膜を形成し
た。また、この電着基板の背面のステンレス基板の露出
部分には電着が行われないように予め絶縁性塗膜を被覆
した。
れるのを防止するために、各着色層に対応するスルーホ
ール部を形成するために、全面にネガ型感光性樹脂(東
京応化工業(株)製OMR−83)を1μmの厚さに塗
布し、電着部と電極引出し部及びスルーホール部が黒色
であるパターンをマスクとして密着露光し、指定処方に
従って現像、乾燥、ベーキングして電気絶縁膜を形成し
た。また、この電着基板の背面のステンレス基板の露出
部分には電着が行われないように予め絶縁性塗膜を被覆
した。
【0045】次いで銅を0.5μmの厚さに真空蒸着
し、更に電気めっき法によって銅の厚さを5μmとし
た。銅のめっき浴組成は次の通りである。 (銅めっき浴組成) 硫酸銅(CuSO4 ・5H2 O) 240g/1 硫酸 (H2 SO4 比重 1.83) 35g/1 液温 20℃ 電流密度 5A/dm2 。
し、更に電気めっき法によって銅の厚さを5μmとし
た。銅のめっき浴組成は次の通りである。 (銅めっき浴組成) 硫酸銅(CuSO4 ・5H2 O) 240g/1 硫酸 (H2 SO4 比重 1.83) 35g/1 液温 20℃ 電流密度 5A/dm2 。
【0046】次いで銅薄膜上に前記のネガ型感光性樹脂
を塗布・乾燥し、各色の着色材の電着単位である着色層
が透明であるパターンをマスクとして密着露光・現像・
ベーキングし、着色層部を保護してから露出している銅
を塩化第2鉄水溶液でエッチング除去し、水洗乾燥し
た。
を塗布・乾燥し、各色の着色材の電着単位である着色層
が透明であるパターンをマスクとして密着露光・現像・
ベーキングし、着色層部を保護してから露出している銅
を塩化第2鉄水溶液でエッチング除去し、水洗乾燥し
た。
【0047】次にエッチングされた凹部に無機充填材と
してチタンホワイトを含有し、銅と同様の研磨特性を有
する硬化性エポキシ樹脂(セメダインEP−108(一
液型))を充填し、完全に硬化させた後、研磨機を用い
て銅の厚さが3μmになるように研磨し、更にバフ研磨
して鏡面仕上げを行った。このとき同時にエポキシ樹脂
も研磨されるので全面が平滑化された着色層の電着部が
得られた。
してチタンホワイトを含有し、銅と同様の研磨特性を有
する硬化性エポキシ樹脂(セメダインEP−108(一
液型))を充填し、完全に硬化させた後、研磨機を用い
て銅の厚さが3μmになるように研磨し、更にバフ研磨
して鏡面仕上げを行った。このとき同時にエポキシ樹脂
も研磨されるので全面が平滑化された着色層の電着部が
得られた。
【0048】更に着色層の電着部を脱脂・酸処理後、各
色の着色層の通電用の母線を一括して外部電源に接続
し、1μmの厚さにニッケルめっきを行い、ニッケルの
鏡面状の電着部を有するカラーフィルター製造用電着基
板を完成させた。 (Niめっき浴組成) 硫酸ニッケル(NiSO4 ・6H2 O) 250g/l 塩化ニッケル(NiCl2 ・6H2 O) 45g/l 硼酸(H3 BO3 ) 35g/l 液温 30℃ 電流密度 5A/dm2 。
色の着色層の通電用の母線を一括して外部電源に接続
し、1μmの厚さにニッケルめっきを行い、ニッケルの
鏡面状の電着部を有するカラーフィルター製造用電着基
板を完成させた。 (Niめっき浴組成) 硫酸ニッケル(NiSO4 ・6H2 O) 250g/l 塩化ニッケル(NiCl2 ・6H2 O) 45g/l 硼酸(H3 BO3 ) 35g/l 液温 30℃ 電流密度 5A/dm2 。
【0049】ついで、電着部から電着した着色層の剥離
性を増すために基板をクロム酸溶液中に約30秒間浸漬
し、表面の処理の後に引き上げて十分水洗し乾燥した。
次いで着色層を色別に形成するための外部電源接続配線
の全てに通電して、前記銅めっき浴中において、0.5
〜1μmの厚さに銅めっきをして薄膜を形成の後に水洗
して剥離用金属層として銅の薄膜を形成した。次に銅の
剥離用金属層上に色別の外部電源接続用配線を選択して
一色ずつ、下記の着色層電着浴を用いて着色材の電着を
行った。 (カラーフィルター電着浴組成) アクリル樹脂 50重量部 エチルセロソルブ 25重量部 イソプロピルアルコール 3重量部 硫酸 1.5重量部 微粉砕顔料 15重量部 (赤用電着液にはピグメントレッド、 緑用電着浴にはフタロシアニンググリーン、 青用電着液にはフタロシアニンブルー) 水 800重量部
。
性を増すために基板をクロム酸溶液中に約30秒間浸漬
し、表面の処理の後に引き上げて十分水洗し乾燥した。
次いで着色層を色別に形成するための外部電源接続配線
の全てに通電して、前記銅めっき浴中において、0.5
〜1μmの厚さに銅めっきをして薄膜を形成の後に水洗
して剥離用金属層として銅の薄膜を形成した。次に銅の
剥離用金属層上に色別の外部電源接続用配線を選択して
一色ずつ、下記の着色層電着浴を用いて着色材の電着を
行った。 (カラーフィルター電着浴組成) アクリル樹脂 50重量部 エチルセロソルブ 25重量部 イソプロピルアルコール 3重量部 硫酸 1.5重量部 微粉砕顔料 15重量部 (赤用電着液にはピグメントレッド、 緑用電着浴にはフタロシアニンググリーン、 青用電着液にはフタロシアニンブルー) 水 800重量部
。
【0050】アクリル樹脂とエチルセロソルブ及び顔料
を混合し、顔料が0.2μm以下に微細化するまでボー
ルミルで混練りし、次いで上記組成に撹拌調製した。ま
ず、赤用母線を電源に接続し、電着基板を陰極とし、対
極には白金板を用いて赤用の電着浴中において電着を行
った。初期電着が開始され、電着膜厚増加に伴い電気抵
抗が増大し、電流が流れなくなるので徐々に電圧を上げ
て電着を続行し、80Vまで上昇した時点で厚さ2μm
の赤の着色層が電着され、水洗・熱乾燥を行い、赤の着
色層を得た。次いで同様にして厚さ2μmの緑及び青の
着色層の電着を行った。
を混合し、顔料が0.2μm以下に微細化するまでボー
ルミルで混練りし、次いで上記組成に撹拌調製した。ま
ず、赤用母線を電源に接続し、電着基板を陰極とし、対
極には白金板を用いて赤用の電着浴中において電着を行
った。初期電着が開始され、電着膜厚増加に伴い電気抵
抗が増大し、電流が流れなくなるので徐々に電圧を上げ
て電着を続行し、80Vまで上昇した時点で厚さ2μm
の赤の着色層が電着され、水洗・熱乾燥を行い、赤の着
色層を得た。次いで同様にして厚さ2μmの緑及び青の
着色層の電着を行った。
【0051】次に1.1mmの厚さのガラス板に粘着剤
として熱硬化性のアクリル系感光性樹脂(東邦化成工業
(株)製UV591)を2μmの厚さに均一に塗布し、
次いで全着色層を電着した電着基板と密着し、そのまま
ガラス板側から紫外線露光した後、電着基板を注意して
引き剥がすと、着色層と銅薄膜を共にガラス基板側に転
写した。表面の銅薄膜を希釈塩化第2鉄水溶液でエッチ
ング除去し、十分水洗して、150℃で30分間熱処理
をして着色層及び粘着剤を完全に硬化させ、着色層間が
透明であるカラーフィルター基板を得た。
として熱硬化性のアクリル系感光性樹脂(東邦化成工業
(株)製UV591)を2μmの厚さに均一に塗布し、
次いで全着色層を電着した電着基板と密着し、そのまま
ガラス板側から紫外線露光した後、電着基板を注意して
引き剥がすと、着色層と銅薄膜を共にガラス基板側に転
写した。表面の銅薄膜を希釈塩化第2鉄水溶液でエッチ
ング除去し、十分水洗して、150℃で30分間熱処理
をして着色層及び粘着剤を完全に硬化させ、着色層間が
透明であるカラーフィルター基板を得た。
【0052】次いで着色層を形成した側の全面に黒色の
感光性樹脂(東京応化工業(株)製OMR−83)を1
μmの厚さにスピンコーティングして乾燥し、1kWの
水銀灯から可視光カットフィルターを介して紫外線をガ
ラス基板側すなわち背面側から露光すると、R、G、B
の各色の着色層がマスクとなって着色層の間のあるいは
周囲の透明な部分が露光され、現像によってその部分に
黒色膜がブラックマトリックスとして形成された。
感光性樹脂(東京応化工業(株)製OMR−83)を1
μmの厚さにスピンコーティングして乾燥し、1kWの
水銀灯から可視光カットフィルターを介して紫外線をガ
ラス基板側すなわち背面側から露光すると、R、G、B
の各色の着色層がマスクとなって着色層の間のあるいは
周囲の透明な部分が露光され、現像によってその部分に
黒色膜がブラックマトリックスとして形成された。
【0053】次いで前記光硬化性の透明なアクリル系感
光性樹脂(東邦化成工業(株)製UV591)を2μm
の厚さに均一に塗布して乾燥後、前記と同様に全面に紫
外線を照射して硬化させて保護層とし、更に保護層上に
ITO膜をスパッタリングによって成膜して液晶用カラ
ーフィルターを完成させた。一方、電着層を剥離したあ
との電着基板は再び次の電着に共することが出来、前記
操作を繰り返して多数回反復使用することができた。
光性樹脂(東邦化成工業(株)製UV591)を2μm
の厚さに均一に塗布して乾燥後、前記と同様に全面に紫
外線を照射して硬化させて保護層とし、更に保護層上に
ITO膜をスパッタリングによって成膜して液晶用カラ
ーフィルターを完成させた。一方、電着層を剥離したあ
との電着基板は再び次の電着に共することが出来、前記
操作を繰り返して多数回反復使用することができた。
【0054】実施例2 実施例1の電着基板を用い、電着面側の全面にシリコー
ン系剥離液(信越化学工業(株)製KF410)を電着
部表面のニッケルの導電性を阻害しない程度に希釈して
約2%溶液とし薄く塗布乾燥した。次いで、処理をした
電着部に着色材の電着を順次行って3色の着色層の電着
を完了した。
ン系剥離液(信越化学工業(株)製KF410)を電着
部表面のニッケルの導電性を阻害しない程度に希釈して
約2%溶液とし薄く塗布乾燥した。次いで、処理をした
電着部に着色材の電着を順次行って3色の着色層の電着
を完了した。
【0055】次いで、実施例1と同様に熱硬化性粘着剤
を用いてガラス基板に3色の着色層を転写し、硬化処理
をした。次に、着色層側にポジ型感光性樹脂(東京応化
工業(株)製ONPR−830)を0.3μmの厚さに
スピンコーティングし、ガラス面側から1kWの水銀灯
を用いて紫外線で、ガラス基板側から背面露光し現像乾
燥した。これによって着色層の間に形成された透明部分
の感光性樹脂は現像除去された。次いで着色層側の全面
にクロムを0.15μmの厚さに真空蒸着し、ポジ型感
光性樹脂剥膜液(東京応化工業(株)製剥離液104)
で残留感光性樹脂を除去した。この時感光性樹脂膜上の
クロム膜は一緒に除去され、現像された部分のみにクロ
ム膜が残り、いわゆるリフトオフ法によってブラックマ
トリックスを形成することができた。
を用いてガラス基板に3色の着色層を転写し、硬化処理
をした。次に、着色層側にポジ型感光性樹脂(東京応化
工業(株)製ONPR−830)を0.3μmの厚さに
スピンコーティングし、ガラス面側から1kWの水銀灯
を用いて紫外線で、ガラス基板側から背面露光し現像乾
燥した。これによって着色層の間に形成された透明部分
の感光性樹脂は現像除去された。次いで着色層側の全面
にクロムを0.15μmの厚さに真空蒸着し、ポジ型感
光性樹脂剥膜液(東京応化工業(株)製剥離液104)
で残留感光性樹脂を除去した。この時感光性樹脂膜上の
クロム膜は一緒に除去され、現像された部分のみにクロ
ム膜が残り、いわゆるリフトオフ法によってブラックマ
トリックスを形成することができた。
【0056】実施例3 実施例1で銅の剥離用金属薄膜及び着色層が粘着剤によ
りガラス基板上に転写され硬化処理を行った状態の中間
工程の基板を2枚用意し、一方の基板にはカラーフィル
ターとしての有効領域の全面にニッケルを下記の組成の
化学めっき液によって0.3μmの厚さの薄膜に形成し
た。他方の基板にはスパッタリングによってクロム薄膜
を0.15μmの厚さに形成した。この結果、両者とも
ブラックマトリックス対応部及び剥離用金属膜上にニッ
ケル、クロムの良好な薄膜を形成することができた。
りガラス基板上に転写され硬化処理を行った状態の中間
工程の基板を2枚用意し、一方の基板にはカラーフィル
ターとしての有効領域の全面にニッケルを下記の組成の
化学めっき液によって0.3μmの厚さの薄膜に形成し
た。他方の基板にはスパッタリングによってクロム薄膜
を0.15μmの厚さに形成した。この結果、両者とも
ブラックマトリックス対応部及び剥離用金属膜上にニッ
ケル、クロムの良好な薄膜を形成することができた。
【0057】次いで、クロムおよびニッケルに作用せず
銅のみが溶解できる下記のエッチング液で、剥離用金属
膜を処理したところ、銅の溶解と同時に銅の上面に形成
されたニッケルおよびクロムが除去され、リフトオフが
可能であることが判明した。本方法によれば実施例1お
よび2よりも容易にブラックマトリックスが形成でき
た。
銅のみが溶解できる下記のエッチング液で、剥離用金属
膜を処理したところ、銅の溶解と同時に銅の上面に形成
されたニッケルおよびクロムが除去され、リフトオフが
可能であることが判明した。本方法によれば実施例1お
よび2よりも容易にブラックマトリックスが形成でき
た。
【0058】使用した化学めっき液および銅エッチング
液の組成は下記のとおりである。 (Ni化学めっき処方) センシタイザー: 塩化第1錫(SnCl2 ・2H2 O) 20g/l 塩酸(HCI・35%) 15ml 液温 30℃ アクチベータ: 塩化パラジウム(PdCl2 ) 0.2g/l 塩酸(HCI・35%) 2ml 液温 30℃ ニッケル化学めっき液処方: 硫酸ニッケル 120g/1 次亜燐酸ナトリウム 10g/1 酢酸ナトリウム 10g/1 PH 4〜6 銅エッチング液 アルカリエッチング液組成: アンモニア水 1容 3%過酸化水素水 4容 水 5容 リフトオフ後は十分水洗・乾燥後、前例のように保護膜
及びITO膜を形成してカラーフィルターを完成させ、
より簡便にブラックマトリックスの作成が可能であるこ
とがわかった。
液の組成は下記のとおりである。 (Ni化学めっき処方) センシタイザー: 塩化第1錫(SnCl2 ・2H2 O) 20g/l 塩酸(HCI・35%) 15ml 液温 30℃ アクチベータ: 塩化パラジウム(PdCl2 ) 0.2g/l 塩酸(HCI・35%) 2ml 液温 30℃ ニッケル化学めっき液処方: 硫酸ニッケル 120g/1 次亜燐酸ナトリウム 10g/1 酢酸ナトリウム 10g/1 PH 4〜6 銅エッチング液 アルカリエッチング液組成: アンモニア水 1容 3%過酸化水素水 4容 水 5容 リフトオフ後は十分水洗・乾燥後、前例のように保護膜
及びITO膜を形成してカラーフィルターを完成させ、
より簡便にブラックマトリックスの作成が可能であるこ
とがわかった。
【0059】
【発明の効果】本発明の、立体的電気配線構成を有する
色別電着機能を持つ多数回使用可能なカラーフィルター
製造用電着基板により、1枚の基板上に多色の着色層を
形成させ、透明な粘着剤又は接着剤を塗布した透明基板
面に着色層を転写するとともに、透明基板に転写後に着
色層をマスクとした背面露光法によって自己整合させて
着色層の形成されていない領域に正確にブラックマトリ
ックスが形成できるので、高価で能率の悪いアライメン
ト装置を用いる必要がなく、したがって生産能率が高ま
り、大面積化が容易であり、安価な製造設備で、低廉な
カラーフィルターを製造することができる。
色別電着機能を持つ多数回使用可能なカラーフィルター
製造用電着基板により、1枚の基板上に多色の着色層を
形成させ、透明な粘着剤又は接着剤を塗布した透明基板
面に着色層を転写するとともに、透明基板に転写後に着
色層をマスクとした背面露光法によって自己整合させて
着色層の形成されていない領域に正確にブラックマトリ
ックスが形成できるので、高価で能率の悪いアライメン
ト装置を用いる必要がなく、したがって生産能率が高ま
り、大面積化が容易であり、安価な製造設備で、低廉な
カラーフィルターを製造することができる。
【図1】本発明のカラーフィルター製造方法に使用する
電着基板を説明する図。
電着基板を説明する図。
【図2】電着基板の製造工程と着色層の電着までの工程
を示した断面図である。
を示した断面図である。
【図3】着色層をカラーフィルター基板上に一括して転
写する方法を説明する図である。
写する方法を説明する図である。
【図4】ブラックマトリックスの形成工程を説明する図
である。
である。
【図5】カラーフィルターの断面図である。
【図6】電着方法を説明する図である。
1…着色単位、2…赤用配線、3…緑用配線、4…青用
配線、5、6、7…導電接続部、8、9、10…母線、
11…電気絶縁性基板、12…赤用配線、13…緑用配
線、14…青用配線、15…着色単位、16…電気絶縁
性層、17…スルーホール、18…導電接続部、19…
電着部、20…剥離用金属層、21、22、23…着色
層、24…硬化性透明樹脂層、25…黒色感光性樹脂
層、26…ブラックマトリックス、27…保護層、28
…透明導電性膜、30…透明基板
配線、5、6、7…導電接続部、8、9、10…母線、
11…電気絶縁性基板、12…赤用配線、13…緑用配
線、14…青用配線、15…着色単位、16…電気絶縁
性層、17…スルーホール、18…導電接続部、19…
電着部、20…剥離用金属層、21、22、23…着色
層、24…硬化性透明樹脂層、25…黒色感光性樹脂
層、26…ブラックマトリックス、27…保護層、28
…透明導電性膜、30…透明基板
Claims (6)
- 【請求項1】 カラー液晶表示装置用のカラーフィルタ
ーの製造方法において、電気絶縁性基板面上に、同一の
表示色の着色層の電着部に通電し他の表示色の着色層の
電着部分とは電気的に接続しない電着用回路を形成した
後に、同一の表示色の電着用回路と電気的に接続した着
色層の電着部を形成した電着基板の電着部に、顔料と高
分子物質を分散した着色材の電着浴において、着色層を
電着する操作を複数の色毎に繰り返し行った後に、電着
部の着色層をカラーフィルター基板面に一括して転写
し、着色層が形成されていないカラーフィルター基板面
の空間部にブラックマトリックスを形成するとともに、
電着基板を反復使用することを特徴とするカラーフィル
ターの製造方法。 - 【請求項2】 電着基板の電着部に、電着部と剥離性が
良好な剥離用金属薄膜を形成した後に、着色材を電着
し、剥離用金属薄膜とともに着色層をカラーフィルター
基板面に一括転写した後、金属薄膜のみを溶解除去する
ことを特徴とする請求項1記載のカラーフィルターの製
造方法。 - 【請求項3】 電着基板の電着部に、着色材の剥離性が
良好で電着特性を阻害しない物質の層をあらかじめ形成
することを特徴とする請求項1記載のカラーフィルター
の製造方法。 - 【請求項4】 カラーフィルター基板面に硬化性の接着
性透明樹脂層を形成した後に着色層を転写し、次いで前
記接着性透明樹脂層を硬化することを特徴とする請求項
1記載のカラーフィルターの製造方法。 - 【請求項5】 ブラックマトリックスを、着色層をマス
クとして感光性樹脂を自己整合的に露光することによっ
て形成することを特徴とする請求項1記載のカラーフィ
ルターの製造方法。 - 【請求項6】 ブラックマトリックスを、剥離用金属薄
膜上に形成した遮光膜を剥離用金属薄膜の溶解除去とと
もに除去するリフトオフ法によって自己整合的に形成す
ることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルターの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11495692A JPH05313007A (ja) | 1992-05-07 | 1992-05-07 | カラーフィルターの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11495692A JPH05313007A (ja) | 1992-05-07 | 1992-05-07 | カラーフィルターの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05313007A true JPH05313007A (ja) | 1993-11-26 |
Family
ID=14650808
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11495692A Pending JPH05313007A (ja) | 1992-05-07 | 1992-05-07 | カラーフィルターの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05313007A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006317983A (ja) * | 2006-08-30 | 2006-11-24 | Sharp Corp | 液晶表示装置 |
-
1992
- 1992-05-07 JP JP11495692A patent/JPH05313007A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006317983A (ja) * | 2006-08-30 | 2006-11-24 | Sharp Corp | 液晶表示装置 |
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