JPH05281410A - 液晶パネル用カラーフィルターのブラックマトリクス製造方法及び製造されたカラーフィルター用ブラックマトリクス基板 - Google Patents

液晶パネル用カラーフィルターのブラックマトリクス製造方法及び製造されたカラーフィルター用ブラックマトリクス基板

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JPH05281410A
JPH05281410A JP6461791A JP6461791A JPH05281410A JP H05281410 A JPH05281410 A JP H05281410A JP 6461791 A JP6461791 A JP 6461791A JP 6461791 A JP6461791 A JP 6461791A JP H05281410 A JPH05281410 A JP H05281410A
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JP
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metal
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black matrix
electrodeposited
black
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JP6461791A
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Satoshi Takeuchi
武内敏
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 平滑、高精度、高品質であり、高能率であ
り、かつ、高歩留まりで安価に液晶パネル用カラーフィ
ルターのブラックマトリクスを製造する。 【構成】 少なくとも1面が導電性でありかつ電着金属
剥離性を有する導電性基板21の導電性の面に、電気絶
縁性レジスト22によりブラックマトリクス対応部を導
電性に保持し非ブラックマトリクス対応部を電気絶縁性
にするように、電気絶縁性レジストパターンを形成する
工程と、このような電気絶縁性レジストパターン22が
形成された導電性基板21を金属電解液中に浸漬して電
気絶縁性レジストパターンが形成された基板面に金属3
5を電着する工程と、金属が電着された導電性基板21
と電着金属35の転写用透明基板41との何れか一方又
は両方に硬化性接着剤42を介在せしめて電着金属35
を転写用透明基板41面に転写する工程とから。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶カラーディスプレ
イに用いるカラーフィルターの構成要素であるブラック
マトリクスの製造方法に係わり、さらに詳しくは、金属
電着法と転写法を用いて高品質で高精度かつ安価な液晶
パネル用カラーフィルターのブラックマトリクス製造方
法及び製造されたカラーフィルター用ブラックマトリク
ス基板に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーブラウン管(CRT)に代わる薄
型のフラットカラーディスプレイ(FPD)として、プ
ラズマディスプレイ(PDP)、蛍光表示ディスプレイ
(VFD)、電界発光ディスプレイ(ELD)、発光ダ
イオード(LED)等多数の方式の表示管が研究開発さ
れているが、最も有力なフラットカラーディスプレイは
液晶ディスプレイ(LCD)である。
【0003】LCDは、液晶の電気的スイッチング効果
を利用して光の透過、遮蔽を制御して、文字や画像の表
示を行うディスプレイ装置であることはよく知られてい
る。ディスプレイの構成画素部が3原色であれば、光の
透過時にその3原色を種々制御することによってカラー
表示が可能である(特殊な場合、適当な任意色とするこ
ともある。)。3原色は、画素部の液晶セル面に相当す
る色のフィルター(赤R/緑G/青B)を装着して得る
のが一般的である。このRGB3色フィルターをカラー
フィルターと言う。
【0004】このようなRGBフィルターの製造法は多
数提案されている(例えば、染色法、顔料分散法、電着
法、印刷法、その他。参考文献:印刷学会誌27巻6号
(1990)p.467)が、各色画素の境界部に遮光
性の細線を設け、色の混ざりや無色部分(白抜け)の悪
影響をこの遮光性細線で防止しているのが普通である。
これによって、発色効果や表示コントラストを良好にし
ている。
【0005】このような遮光性細線パターンはブラック
マトリクスと呼ばれ、蒸着クロム薄膜をフォトエッチン
グして得るのが最も高品質、高精度であり、現在多用さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この蒸着クロ
ム薄膜をフォトエッチングして得るブラックマトリクス
は、製造工程が複雑で、かつ、クロム薄膜を得るのが高
価なため、全体として高価なブラックマトリクスになる
のが大きな欠点である。
【0007】より安価にするために、黒色染料又は顔料
を分散したフォトレジストを用いて形成する方法や、黒
色インキで印刷する方法等が検討されており、一部実用
化されている。しかし、フォトレジスト法では、黒色で
あるため、露光時に光透過性が悪く露光時間がかかり、
全体の処理時間が長くなって非能率である。また、印刷
法では、細線の精度が保てず、ぎざぎざな画線となり、
より微細な画線の場合には(例えば、20μm幅以
下)、連続線とならず印刷不能状態になる。さらに、デ
ィスプレイ全体の長さ寸法が印刷機の構造から変動しや
すい欠点があり、能率は高いが、良品歩留まりが低いな
どの問題点を抱えている。
【0008】また、液晶用のカラーフィルターにおいて
は、ブラックマトリクス部を平滑にする必要があるが、
上記フォトレジスト法では0.3μm程度、印刷法では
2μm以上と、蒸着クロム膜エッチング法の場合の0.
1μm程度には達せず、この面からもフォトレジスト法
及び印刷法には問題があった。
【0009】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、上記従来の各種方法の問題点
を解決して、導電性面に正確にブラックマトリクスパタ
ーンに対応した露出導電部を形成し、金属単体又は黒色
金属化合物を電気化学的に電着積層させ、次いで、LC
D用カラーフィルターパネルとなる透明基板面に硬化性
接着剤を介して転写する方法により、蒸着クロムマトリ
クスのように平滑で、高精度、高品質であり、印刷法の
ように高能率であり、かつ、高歩留まりで安価に目的と
するブラックマトリクスパネルを製造する方法及び製造
されたカラーフィルター用ブラックマトリクスパネルを
提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明の液晶パネル用カラーフィルターのブラック
マトリクス製造方法は、まず、図1に示したようなブラ
ックマトリクスパターンの写真原版、その他を用意す
る。そして、図2に示すような少なくとも一面が導電性
である基板21の導電面に電気絶縁性フォトレジスト2
2を塗布して、図1に示したようなブラックマトリクス
パターンを露光し、現像処理して、図2に示すようにブ
ラックマトリクスパターンに対応する導電部23を露出
させて、原基板20とする。
【0011】この基板20面に形成されたマトリクスパ
ターンは、光学的露光法を用いて形成しているので、極
めて高い精度、品質が確保できる(蒸着クロム薄膜マト
リクス製造と同じ工程によるため、同様に高精度、高品
質である。)。
【0012】図2に示したような電気絶縁性レジストマ
トリクス22の別の製法としては、導電性基板21と接
着性が良くかつ電気絶縁性の高分子塗膜(例えば、ポリ
エステル、ポリイミド、ポリアクリル、エポキシ、その
他の樹脂類)を薄く(例えば、0.5μm〜3μm程
度)均一に形成し、その上に感光性樹脂(ネガ型、ポジ
型など多種類が市販されている。)を塗布して、図1の
ような写真原版を露光現像した後、上記高分子塗膜をエ
ッチング処理してマトリクス相当部の導電部23を露出
させる方法がある。この高分子塗膜のエッチングは、化
学薬品による湿式法とガスプラズマ等による乾式法があ
るが、乾式法の方が高精度にエッチングできる。
【0013】この種のエッチング法による電気絶縁性レ
ジストマトリクス22の製造方法においては、絶縁性薄
膜として、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜等の無機薄
膜も使用できる。無機薄膜の場合は、形成が難しいが耐
久性が極めて良く、有機膜の場合よりもはるかに反復使
用性があるので、1回当りのコストでは安価になる利点
がある。
【0014】次いで、上記のようにしてブラックマトリ
クスパターンに対応する導電部23を露出させた基板2
0を、図3に示すように、予め用意した電着浴31中の
金属電着液32中に浸漬し、基板20を負極とし対向電
極33を正極として電源34から電流を流すことにより
電着を行うと、基板20のマトリクスパターンの導電面
露出部23に金属電着35が行われる。
【0015】電着金属35の厚さは、一般に0.2〜6
μmであり、好ましくは、0.4〜3μmである。電着
金属としては、Ni、Cu、Zn、Sn、Ag、その他
の汎用金属が利用できる。錆びたり皮膜性の悪い金属は
使用しない方がよい。電着金属用の電解液は、汎用の市
販品でもよいし、また、電気化学ハンドブック、その他
に記載されている処方を利用してもよい。金属膜の場合
は、厚さが数100Å以上あれば遮光性の目的は達せら
れるが、後工程の転写工程を考慮して適当な厚さに決め
ることができる。
【0016】一方、電着金属膜は、一般に金属光沢があ
り、遮光性は十分であるが、反射率が高いために、マト
リクス面からの反射光が表示画像のコントラストを低下
させることがある。これを防止する手段として、電着金
属面を黒色仕上げすることがある。黒色仕上げ法には、
普通、2種類あり、一つは、黒色金属化合物の2次的電
着であり、他の一つは、1次電着金属表面の黒色化成化
法である。何れも、十分に反射光量を減少できるので、
これらの黒化処理をすれば、表示画像のコントラストを
効果的に改良することができる。
【0017】1次電着後の金属51(図5(c))面に
黒色金属化合物52(図5(c))を2次電着して黒色
仕上げする場合は、黒色ニッケル鍍金法、黒色鉛鍍金
法、モリブラック法等があり、また、1次電着金属面の
黒色化成化法には、酸化銅着色法、ブラスボンド法、ア
ルカリ着色法、パーカライジング法等がある(両者共、
田島栄編「表面処理ハンドブック」産業図書(株)、昭
和35年7月20日発行、「メッキ技術便覧」日刊工業
新聞社、昭和46年7月25日発行参照)。これらはそ
れぞれ特徴があり、黒化層の反射率や厚さを考慮して選
択できるが、厚さや工程上の利便さから見れば、黒色金
属化合物の2次的電着法が有利である。
【0018】なお、黒化処理は1次電着金属の表面に行
われるが、透明基板41(図4、図5)に転写される
と、基板41面側に黒色層(例えば、図5(c)の黒色
金属化合物52)が位置することになるので、この黒色
層は目視側となって光反射を減じるのに効果的である。
表示画像のコントラストを最大限に上げるには、背面光
源の光の液晶ディスプレイ内での内部反射を最少にすれ
ばよいが、この内部反射はそれ程大きな因子ではない。
しかし、高品質化指向に伴ってこの要求が生まれる。こ
の場合は、基板20面への1次電着に黒色金属化合物電
着をまず行い、次いで、2次金属電着、3次黒色電着処
理を行うことによって、目的を達成することができる
(図示せず)。このような工程を採るときは、必然的に
ブラックマトリクス部材の厚さが厚くなってくるのは、
やむを得ない。
【0019】もちろん、1次黒色電着のみでブラックマ
トリクス35を構成することもでき、これが理想的であ
るが、黒色電着部材はしばしば皮膜性が悪く、ピンホー
ル等が発生しすいので、完全な遮光性を期待するために
膜厚を厚くする必要が生じることがある。しかし、方法
の検討によって、このような1次電着のみで目的を達成
することも可能である。
【0020】さらに、電着塗装等で知られている黒色有
機高分子電着材料が利用できるのは、原理的に当然であ
る。有機電着材料を用いる場合の特徴は、電着時間が金
属系よりも短縮できて能率的である利点と、着色材混入
による黒色であるために光遮蔽効果を十分にするのには
膜厚が大きくなる欠点とである。
【0021】基板20上に電着されたマトリクス部材3
5は、次いで、例えば図4に示すように、透明基板41
に転写される。透明基板41としては、一般に1〜2m
m厚のガラスが使用される。その他、温度による寸法変
化がガラスに近い透明プラスチック材料も使用できる。
【0022】マトリクス部材35の転写に当たっては、
接着剤42を用いる。接着剤42は硬化性が要求され、
透明基板41面にマトリクス部材35転写後、硬化でき
ることが必要である。これは、後続するカラーフィルタ
ー形成工程のためである。また、接着時点での接着剤4
2の状態は、軟質粘着性であるか、無溶剤型の液状であ
る。この理由は、電着マトリクス部材35が容易に接着
剤42と接触する必要があることと、マトリクス部材3
5が基板20面の絶縁性レジスト22より突き出ている
場合に、接着剤層42に埋め込まれ、できるだけ平面性
を保つ必要があるからである(図5(a))。
【0023】接着剤42は電着基板20面又は透明基板
41面に予め塗布され、次いで、両者を重ね合わせて適
当な圧力をかけてよく密着させる。接着剤42として光
硬化性のものを用いる場合、図4に示すように、透明基
板41側から光を当てて硬化させ、また、経時硬化性の
ものを用いる場合は、そのまま放置して硬化させる。熱
硬化性ならば、加温すればよいが、加温は基板41の寸
法変化をもたらす懸念があり、好ましくない。しかし、
ガラス基板等では温度をかけても熱膨張係数が小さいの
で、心配はない。
【0024】このような接着時に、泡やゴミの混入は絶
対避ける必要があるが、密着状態から両者を剥離するの
は、接着剤42が十分に硬化した後か、少なくとも剥離
時に変形が起こらない程度まで硬化した後である。
【0025】この時、マトリクス部材35が電着基板2
1と強く接着していると、透明基板41側に転写しない
から、電着付着性は適当に弱くなければならない。例え
ば、電着基板材料面がステンレス、クロム、ニッケル等
であれば、一般に問題が起こらない。もし、この付着性
が強ければ、クロム酸や界面活性剤を用いて予め剥離処
理をしておけばよい。
【0026】また、接着剤42が絶縁性レジスト22と
強力な接着を起こしてもいけない。そうでないと、絶縁
性レジスト22を電着基板21から剥離転写してしまう
からである。この場合も、界面活性剤等による前処理に
より剥離が容易となる。また、使用する接着剤42とレ
ジスト22との親和性が小さい関係にある組み合せを選
択しなければならない。これは、接着剤業者データや実
験データで知ることができる。
【0027】なお、図5は転写後のカラーフィルター用
ブラックマトリクスパネル40の断面を示しており、同
図(a)はマトリクス部材35′が接着剤層42に一部
埋め込まれている場合、同図(b)はマトリクス部材3
5″が接着剤層42に全部埋め込まれている場合、同図
(c)はマトリクス部材が1次電着金属51とその上に
2次電着された黒色金属化合物52とからなる場合をそ
れぞれ示している。
【0028】以上説明したように、本発明の液晶パネル
用カラーフィルターのブラックマトリクス製造方法は、
少なくとも1面が導電性でありかつ電着金属剥離性を有
する導電性基板の導電性の面に、電気絶縁性レジストに
よりブラックマトリクス対応部を導電性に保持し非ブラ
ックマトリクス対応部を電気絶縁性にするように、電気
絶縁性レジストパターンを形成する工程と、このような
電気絶縁性レジストパターンが形成された導電性基板を
金属電解液中に浸漬して電気絶縁性レジストパターンが
形成された基板面に金属を電着する工程と、金属が電着
された導電性基板と電着金属の転写用透明基板との何れ
か一方又は両方に硬化性接着剤を介在せしめて電着金属
を転写用透明基板面に転写する工程とからなることを特
徴とする方法である。
【0029】この場合、導電性基板を負極とし、これに
対向させて正極の対向電極を配置して、0.3μmから
6μmの厚さに金属を電着し、洗浄後、乾燥してから転
写を行うようにすることが望ましい。
【0030】また、電気絶縁性レジストパターンが形成
された基板面に金属を電着した後、ブラックの金属化合
物を2次電着して、表面を光反射率の低い黒色仕上げと
するか、電気絶縁性レジストパターンが形成された基板
面に対して1次電着としてブラックの金属化合物を電着
し、2次電着として一般金属を電着し、さらに、3次電
着としてブラックの金属化合物を電着して、表面を光反
射率の低い黒色仕上げとするか、又は、電気絶縁性レジ
ストパターンが形成された基板面に金属を電着した後、
電着金属面を化学処理して、表面を光反射率の低い黒色
仕上げとすることが望ましい。
【0031】さらに、電気絶縁性レジストパターンが形
成された基板面に金属電着の代わりに黒色金属化合物又
は黒色有機電着性材料を電着するようにしてもよい。
【0032】なお、本発明は以上のようにして製造され
たカラーフィルター用ブラックマトリクス基板、すなわ
ち、透明基板の表面に硬化した透明接着剤層を有し、該
透明接着剤層中にブラックマトリクスが少なくとも一部
又は全部が埋没してなることを特徴とするカラーフィル
ター用ブラックマトリクス基板も含むものである。
【0033】
【作用】本発明の大きな利点は、電着基板の絶縁性レジ
ストを反復使用することによって、これに印刷法におけ
る印刷版と同様の作用を行わせることができ、1枚の電
着基板から反復して多数の電着ブラックマトリクスを転
写することができ、あたかも印刷のごとく安価にブラッ
クマトリクス基板を製造することができることである。
【0034】電着基板の製造は、半導体製造等に用いら
れ高精度で知られているフォトリソグラフィーを利用す
るため、ブラックマトリクスパターンは極めて高精度に
形成できる。また、電気化学的にレジストパターン通り
に電着する手法は、エレクロトフォーミンング法として
高精度電子部品等の製造に用いられているように、パタ
ーン再現性に優れている。
【0035】したがって、本発明の製造方法によって、
ブラックマトリクス部材は高精度、極微細に得ることが
できることから、これを透明基板上に転写して形成した
ブラックマトリクス形成パネルは高品質なものとなり、
フォトリソグラフィーで作成したブラックマトリクスパ
ネルと同品質のものが得られる。
【0036】さらに、電着部材面を黒化処理できるの
で、反射率が低下し、液晶表示をした場合に高いコント
ラストが得られ、カラーディスプレイとして最高の品質
を得ることができる。
【0037】さらに、電着ブラックマトリクス部材を透
明基板に転写した表面構造が硬化接着剤面と同じかほと
んど差がないので、この面上へのRGBカラーフィルタ
ーの形成が容易で、かつ、品質よく仕上げることができ
る効果を有している。
【0038】以上のごとく、本発明の製造方法によっ
て、安価で、高品質なカラーフィルターパネルを得るこ
とができる。
【0039】
【実施例】次に、本発明のいくつかの実施例について説
明する。 実施例1 鏡面に近い0.2mm厚のステンレス板にポリビニルア
ルコール(PVA)、重クロム酸アンモニウムを主成分
とする水溶性感光液を回転塗布した。乾燥後の塗布厚は
1.0μmあった。次いで、この上に図1に示す線幅2
5μmのブラックマトリクスパターンを露光し、30℃
の水で現像を行った後、乾燥し、さらに、230〜26
0℃の熱処理(バーニング)を約10分間行い、耐水性
と電気絶縁性を付与し、図2の電着基板20を得た。
【0040】次に、Ni板を陽極(図3の33)とし、
上記の電着基板を陰極として、レジストが存在しない導
電性の画線部にNiメッキを行った。Niメッキ条件は
次の通りであった。
【0041】Niメッキ浴組成 硫酸ニッケル 240〜340g/l 塩化ニッケル 45g/l ほう酸 30〜 38g/l PH 2.5〜5.5 浴温度 46〜 70℃ 電流密度 2.5〜 10A/cm2 Niメッキ厚を2μmとしてメッキを完了し、水洗、乾
燥した。
【0042】次に、完全に水洗した1.2mm厚の無色
透明ガラス基板上に、アクリル系の光硬化性接着剤を1
μm厚に塗布し、その上に前記Ni電着基板面を泡の入
らないように注意深く密着させ、ガラスの背面から十分
に露光して硬化させた。この光硬化性接着剤は、アクリ
レートモノマと光重合開始剤を主成分とし、アクリレー
トモノマとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、
1,4−ブタジオールジアクリレート等を使用でき、光
重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド等を使
用することができる。
【0043】接着剤が硬化した後、ゆっくりとステンレ
ス基板を剥離すると、ガラス基板面に電着ニッケルのブ
ラックマトリクスが形成された。この時のNi画線幅の
精度は、設計値に対し±1μmであり、必要かつ十分な
精度でブラックマトリクス基板を得ることができた。得
られたNiブラックマトリクスは光沢を有し、Cr製の
ブラックマトリクスとほぼ同等の50〜60%の光反射
率を示した。
【0044】実施例2 実施例1において、PVA感光液の代わりにOMR(商
品名:東京応化(株)製)を0.3〜0.5μmの厚さ
に回転塗布して乾燥し、図1のブラックマトリクスパタ
ーンを露光し、現像及びポストベーキングは指定通り行
って、電着基板とした。
【0045】次いで、1次電着を実施例1のNi浴を用
いて0.5μmのNiメッキを付着させ、水洗後、次の
処方で2次ブラックメッキを行った。
【0046】ブラックニッケルメッキ浴組成 硫酸ニッケル 75g/l ニッケルアンモニウム明礬 45g/l 硫酸亜鉛 38g/l チオシアン化ソーダ 15g/l PH 5.6〜5.9 浴温度 50〜 55℃ 陰極電流密度 0.5〜 2 A/dm2 メッキ厚さ 1 μm 1次、2次電着を行った基板を十分水洗乾燥した後、実
施例1同様に、1.2mm厚のガラス基板に光硬化性接
着剤を用いて転写し、ガラス面から見て黒色のブラック
マトリクスパネル板を得た。このマトリクス面の光反射
率は、実施例1と異なり、僅か数%を示したに過ぎなか
った。これを用いたRGBカラーフィルターパネルで作
った液晶ディスプレイのコントラストは、実施例1のも
のよりも良好であった。
【0047】実施例3 実施例1の電着基板を用い、次の電着性黒色有機塗料を
用いてブラックマトリクス電着を行った。
【0048】 電着処方: ポリエステル−メラミン樹脂の固形分10重量%水溶液 1l 微粉砕表面処理黒色顔料(カーボンブラック主成分) 10g/l 電着板をアノード 電圧 100〜150V 温度 室温 電着膜厚 約2μm 電着後十分な水洗、乾燥 次いで、実施例1、2のごとく、ガラス基板に転写して
ブラックマトリクスパネルを得た。
【0049】実施例4 ステンレス基板上に酸化シリコン又はチッ化シリコン膜
を常用のCVD法によって0.1μmの厚さに形成し
て、電気絶縁膜とした。この面に感光性レジストKOR
(商品名: 製)を回転塗布して、その上にブラ
ックマトリクスパターンを露光し、現像乾燥後、常法の
ごとくフッ酸系エッチング液でエッチングし、レジスト
を剥離して電着基板とした。
【0050】実施例1のNi電着を0.5〜1μmの厚
さで行い、実施例1、2のようにガラス基板に転写し
た。実施例1〜3に比べ、転写面が全く平坦な極めて良
好なブラックマトリクス基板が得られ、カラーフィルタ
ー作成に好結果を与え、また、電着基板の反復利用性が
レジスト電着基板に比して著しく増加し、ロングライフ
電着基板となった。
【0051】以上、本発明のいくつかの実施例について
説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の
変形が可能である。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶パネ
ル用カラーフィルターのブラックマトリクス製造方法に
よると、電着基板の絶縁性レジストを反復使用すること
によって、これに印刷法における印刷版と同様の作用を
行わせることができ、1枚の電着基板から反復して多数
の電着ブラックマトリクスを転写することができ、あた
かも印刷のごとく安価にブラックマトリクス基板を製造
することができることである。
【0053】電着基板の製造は、半導体製造等に用いら
れ高精度で知られているフォトリソグラフィーを利用す
るため、ブラックマトリクスパターンは極めて高精度に
形成できる。また、電気化学的にレジストパターン通り
に電着する手法は、エレクロトフォーミンング法として
高精度電子部品等の製造に用いられているように、パタ
ーン再現性に優れている。
【0054】したがって、本発明の製造方法によって、
ブラックマトリクス部材は高精度、極微細に得ることが
できることから、これを透明基板上に転写して形成した
ブラックマトリクス形成パネルは高品質なものとなり、
フォトリソグラフィーで作成したブラックマトリクスパ
ネルと同品質のものが得られる。
【0055】さらに、電着部材面を黒化処理できるの
で、反射率が低下し、液晶表示をした場合に高いコント
ラストが得られ、カラーディスプレイとして最高の品質
を得ることができる。
【0056】さらに、電着ブラックマトリクス部材を透
明基板に転写した表面構造が硬化接着剤面と同じかほと
んど差がないので、この面上へのRGBカラーフィルタ
ーの形成が容易で、かつ、品質よく仕上げることができ
る効果を有している。
【0057】以上のごとく、本発明の製造方法によっ
て、安価で、高品質なカラーフィルターパネルを得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブラックマトリクスパターンの1例の平面図で
ある。
【図2】表面にレジストパターンを形成した導電性基板
の断面図である。
【図3】表面にレジストパターンを形成した導電性基板
への電着工程を説明するための図である。
【図4】電着されたブラックマトリクス部材の転写工程
を説明するための図である。
【図5】転写後のカラーフィルター用ブラックマトリク
スパネルの断面図である。
【符号の説明】
20…電着基板 21…導電性基板 22…電気絶縁性レジストマトリクス 23…マトリクス相当導電部 31…電着浴 32…金属電着液 33…対向電極 34…電源 35、35′、35″…電着マトリクス部材 40…カラーフィルター用ブラックマトリクスパネル 41…透明基板 42…接着剤 51…1次電着金属 52…2次的電着黒色金属化合物

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶パネル用カラーフィルターのブラッ
    クマトリクス製造方法において、少なくとも1面が導電
    性でありかつ電着金属剥離性を有する導電性基板の導電
    性の面に、電気絶縁性レジストによりブラックマトリク
    ス対応部を導電性に保持し非ブラックマトリクス対応部
    を電気絶縁性にするように、電気絶縁性レジストパター
    ンを形成する工程と、このような電気絶縁性レジストパ
    ターンが形成された導電性基板を金属電解液中に浸漬し
    て電気絶縁性レジストパターンが形成された基板面に金
    属を電着する工程と、金属が電着された導電性基板と電
    着金属の転写用透明基板との何れか一方又は両方に硬化
    性接着剤を介在せしめて電着金属を転写用透明基板面に
    転写する工程とからなることを特徴とする液晶パネル用
    カラーフィルターのブラックマトリクス製造方法。
  2. 【請求項2】 導電性基板を負極とし、これに対向させ
    て正極の対向電極を配置して、0.3μmから6μmの
    厚さに金属を電着し、洗浄後、乾燥してから転写を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶パネル用カラーフ
    ィルターのブラックマトリクス製造方法。
  3. 【請求項3】 電気絶縁性レジストパターンが形成され
    た基板面に金属を電着した後、ブラックの金属化合物を
    2次電着して、表面を光反射率の低い黒色仕上げとする
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の液晶パネル用カ
    ラーフィルターのブラックマトリクス製造方法。
  4. 【請求項4】 電気絶縁性レジストパターンが形成され
    た基板面に対して1次電着としてブラックの金属化合物
    を電着し、2次電着として一般金属を電着し、さらに、
    3次電着としてブラックの金属化合物を電着して、表面
    を光反射率の低い黒色仕上げとすることを特徴とする請
    求項1又は2記載の液晶パネル用カラーフィルターのブ
    ラックマトリクス製造方法。
  5. 【請求項5】 電気絶縁性レジストパターンが形成され
    た基板面に金属を電着した後、電着金属面を化学処理し
    て、表面を光反射率の低い黒色仕上げとすることを特徴
    とする請求項1又は2記載の液晶パネル用カラーフィル
    ターのブラックマトリクス製造方法。
  6. 【請求項6】 電気絶縁性レジストパターンが形成され
    た基板面に金属電着の代わりに黒色金属化合物又は黒色
    有機電着性材料を電着することを特徴とする請求項1又
    は2記載の液晶パネル用カラーフィルターのブラックマ
    トリクス製造方法。
  7. 【請求項7】 透明基板の表面に硬化した透明接着剤層
    を有し、該透明接着剤層中にブラックマトリクスが少な
    くとも一部又は全部が埋没してなることを特徴とするカ
    ラーフィルター用ブラックマトリクス基板。
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