JPH05310805A - アシル化環状イヌロオリゴ糖およびその製造法 - Google Patents

アシル化環状イヌロオリゴ糖およびその製造法

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JPH05310805A
JPH05310805A JP11380492A JP11380492A JPH05310805A JP H05310805 A JPH05310805 A JP H05310805A JP 11380492 A JP11380492 A JP 11380492A JP 11380492 A JP11380492 A JP 11380492A JP H05310805 A JPH05310805 A JP H05310805A
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JP
Japan
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formula
cyclic
cyclic inulooligosaccharide
represented
inulooligosaccharide
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Pending
Application number
JP11380492A
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English (en)
Inventor
Sunao Imaki
直 今木
Masato Aiura
眞人 相浦
Eri Hosono
恵里 細野
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】下記一般式[1] 【化1】 [式中、nは6〜8の整数を示す。また、(3×n)個
のRのうち少なくとも1個は、R1CO基(但し、R1
炭素数1〜20のアルキル基を示す)を示し、残りは水
素原子を示す]で表されるアシル化環状イヌロオリゴ糖
及びその製造法。本願発明のアシル化環状イヌロオリゴ
糖は、公知の環状イヌロオリゴ糖を酸無水物又は酸ハロ
ゲン化物と塩基の存在下で反応させることにより得られ
る。 【効果】本発明のアシル化環状イヌロオリゴ糖は、有機
溶媒に対して高い溶解性を有することから、包接作用等
の展開利用、食品、医薬品、化粧品、触媒、分離精製分
野において幅広く使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アシル化環状イヌロオ
リゴ糖及びその製造方法に関する。本発明のアシル化環
状イヌロオリゴ糖は、環状イヌロオリゴ糖の水酸基がア
シル化されたもので、種々の物質を包接することができ
るため、食品、医薬品、化粧品、触媒、分離精製分野に
おいての利用が期待できる新規な環状イヌロオリゴ糖誘
導体である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする問題点】数個
の糖単位からなる環状オリゴ糖としては、グルコースが
6〜8個 α−1、4結合したサイクロデキストリンが
知られており、種々の化合物に対する包接作用を示し食
品、医薬品、化粧品等の分野で広く用いられている。一
方、グルコース以外の糖からなる環状オリゴ糖として
は、特開平2−252701号公報に記載された6〜8
個のフラクトースが、β−2、1結合した環状イヌロオ
リゴ糖がある。この環状イヌロオリゴ糖は、単位糖構造
と結合様式がサイクロデキストリンと異なることから、
従来のサイクロデキストリンにはない包接作用が期待で
きるものである。しかしながら、上記のような環状イヌ
ロオリゴ糖は、水系溶媒には溶解するが、ジメチルホル
ムアミドやジメチルスルホキサイド以外の非水の有機溶
媒系に対しては、実質的に不溶であるため、利用上の制
限があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の環状
イヌロオリゴ糖に比べ、有機溶媒への溶解度が高い環状
イヌロオリゴ糖誘導体を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の問題を
解決するために種々検討した結果、環状イヌロオリゴ糖
の水酸基の一部又は全てをアシル化させたアシル化環状
イヌロオリゴ糖及びその製造方法の開発に成功したもの
である。すなわち、本発明は、下記一般式[1]
【0005】
【化3】
【0006】[式中、nは6〜8の整数を示す。また、
(3×n)個のRのうち少なくとも1個は、R1CO基
(但し、R1は炭素数1〜20のアルキル基を示す)を
示し、残りは水素原子を示す]で表されるアシル化環状
イヌロオリゴ糖に存する。また、本発明のアシル化環状
イヌロオリゴ糖は、下記一般式[2]
【0007】
【化4】
【0008】(式中、nは6〜8の整数を示す)で表さ
れる環状イヌロオリゴ糖を下記一般式[3] (R2CO)2O [3] (但し、R2は炭素数1〜20のアルキル基を示す)で
表される酸無水物、又は下記一般式[4] R3COX [4] (但し、R3は炭素数1〜20のアルキル基を示す)で
表される酸ハロゲン化物と塩基の存在下に反応させるこ
とにより製造される。
【0009】本発明のアシル化環状イヌロオリゴ糖の製
造方法についてより詳細に以下に述べる。上記一般式
[2]で表される環状イヌロオリゴ糖は、特開平2−2
52701号公報に記載の方法により得られる。本発明
の製造反応は、無溶媒下で行なっても良く、また環状イ
ヌロオリゴ糖を非プロトン性溶媒に溶解させて行なって
も良い。しかしながら、環状イヌロオリゴ糖は非プロト
ン性溶媒への溶解性が低いという欠点があるので溶媒を
使用する場合の使用量は、環状イヌロオリゴ糖に対して
100倍量(重量)以下、好ましくは10〜20倍量
(重量)とする。
【0010】アシル化剤としては、上記一般式[3]で
表される炭素数1〜20個のアルキル基を有する脂肪族
酸の酸無水物、又は上記一般式[4]で表される酸ハロ
ゲン化物が使用される。具体的には、酸無水物として
は、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水吉草
酸、無水n−カプロン酸等が、また酸ハロゲン化物とし
ては、酢酸クロライド、酢酸ブロマイド、プロピオン酸
クロライド、酪酸クロライド、吉草酸クロライド、n−
カプロン酸クロライド等が挙げられる。これらのアシル
化剤は、通常[2]式の環状イヌロオリゴ糖に対して
0.1〜100モル比の範囲で使用される。
【0011】本発明の製造反応で用いられる塩基として
は、トリエチルアミン、ピリジン等の含窒素塩基でも良
いが、好ましくは、脂肪族酸のアルカリ金属塩類、特に
ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。これらの塩基
は、通常[2]式の環状イヌロオリゴ糖に対して0.1
〜10モル比の範囲で使用される。本発明においてアシ
ル化反応は、−30℃〜200℃の範囲で実施され、反
応終了後、未反応の酸無水物、若しくは酸ハロゲン化物
を加水分解、中和後に通常使用される有機溶媒で抽出を
行なうことにより目的とするアシル化環状イヌロオリゴ
糖を採取することができる。
【0012】
【実施例】以下本発明を実施例において更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例1 フラクトース6個からなる環状イヌロオリゴ糖(シクロ
イヌロ−ヘキサオース:以下CF6と略す)の3水和物
5.14g(5ミリモル)、無水酢酸25.5ml(2
70ミリモル)及び酢酸ナトリウム0.205g(2.
5ミリモル)の混合物を140℃の油浴中で1.5時間
過熱させた。続いて反応液に飽和炭酸ナトリウム水溶液
を加え過剰の無水酢酸を加水分解し、中和させた後、ク
ロロホルム60mlで3回抽出した。合わせたクロロホ
ルム抽出溶液を水20mlで洗浄した後、クロロホルム
を留去、トルエンによる再結晶化、濾取を行なった。次
に得られた結晶を真空下で加熱溶融させることで、含有
トルエンを除去し、融点80℃〜81℃のフラクトース
6個からなる環状イヌロオリゴ糖の完全アセチル化体
(オクタデカアセチル−シクロイヌロ−ヘキサオース:
以下AcCF6と略す)7.22gを得た。
【0013】本物質の1H−NMR、13C−NMRのデ
ーター及び元素分析値は次の通りであった。
【表1】 1H−NMR(CDCl3溶媒) δ(ppm): 2.08 s 3H(−OCOCH3) 2.10 s 6H(−OCOCH3) 3.69 d 1H(−C1b−) 3.77 d 1H(−C1n−) 4.16 m 3H(−C5H−、−C62−) 4.40 5.35 t 1H(−C4H−) 5.54 d 1H(−C3H−) 元素分析値 C H O 計算値(%) 50.00 5.59 44.41 実測値(%) 49.83 5.38 44.79
【0014】比較例1 次に、実施例1にて得たAc−CF6と比較例としてC
6の溶解度をそれぞれ測定した。その結果は、表−1
に示すとおりであった。
【表2】 表−1 溶解度(g/溶媒100g、測定温度20℃) 溶 媒 Ac−CF6 CF6(比較例) H2O <0.3 >120 MeOH >100 <0.3 CH3CN >100 <0.3 CHCl3 >100 <0.3 表−1から明らかなように、本発明のアセチル化環状イ
ヌロオリゴ糖Ac−CF6は、環状イヌロオリゴ糖CF6
に比べ、有機溶媒への溶解度が著しく増加している。
【0015】
【発明の効果】本発明のアシル化環状イヌロオリゴ糖
は、有機溶媒に対して高い溶解性を有することから、包
接作用等の展開利用、食品、医薬品、化粧品、触媒、分
離精製分野において幅広く使用できるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1] 【化1】 [式中、nは6〜8の整数を示す。また、(3×n)個
    のRのうち少なくとも1個は、R1CO基(但し、R1
    炭素数1〜20のアルキル基を示す)を示し、残りは水
    素原子を示す]で表されるアシル化環状イヌロオリゴ
    糖。
  2. 【請求項2】 下記一般式[2] 【化2】 (式中、nは6〜8の整数を示す)で表される環状イヌ
    ロオリゴ糖を、下記一般式[3] (R2CO)2O [3] (式中、R2は炭素数1〜20のアルキル基を示す)で
    表される酸無水物、又は、下記一般式[4] R3COX [4] (式中、R3は炭素数1〜20のアルキル基を示し、X
    はハロゲン原子を示す)で表される酸ハロゲン化物と塩
    基の存在下で反応させることを特徴とする、請求項1記
    載のアシル化環状イヌロオリゴ糖の製造法。
JP11380492A 1992-05-06 1992-05-06 アシル化環状イヌロオリゴ糖およびその製造法 Pending JPH05310805A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005523299A (ja) * 2002-03-18 2005-08-04 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト シクロフルクタン、担体および薬物を含む局所用組成物
JP2012530809A (ja) * 2009-06-17 2012-12-06 ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム 分離剤としてのシクロフルクタン用の組成物および方法

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