JPH05310692A - 新規ビニル化合物及びその製造方法 - Google Patents

新規ビニル化合物及びその製造方法

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JPH05310692A
JPH05310692A JP4103573A JP10357392A JPH05310692A JP H05310692 A JPH05310692 A JP H05310692A JP 4103573 A JP4103573 A JP 4103573A JP 10357392 A JP10357392 A JP 10357392A JP H05310692 A JPH05310692 A JP H05310692A
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JP
Japan
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acrylic acid
vinyl compound
acid halide
aminopropyl
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JP4103573A
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English (en)
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JPH0686427B2 (ja
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Setsuko Furuya
古屋せつ子
Akira Kodama
亮 児玉
Hiroaki Nomiyama
弘章 野見山
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式 【化1】 (式中のR1は水素原子又はメチル基、R2はアルキル基
である)で表わされる新規なアクリルアミド誘導体。こ
れはアクリル酸ハライド又はメタクリル酸ハライドとN
‐(3‐アミノプロピル)‐2‐アルキルピペリジンと
の反応で得られる。 【効果】 上記新規物質は、遮光性材料、記録材料、感
熱素子材料、表示材料、吸着剤、捺染剤、被覆剤、分離
膜、曇り止め材料、診断用材料、メカノケミカル材料、
細胞培養培地材料、水呼吸体、玩具、インテリアなどに
利用しうる、熱可逆的曇点現象を示す重合体の原料モノ
マーとして有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なビニル化合物及
びその製造法に関するものである。さらに詳しくいえ
ば、本発明は、遮光性材料、記録材料、感温スイッチや
温度センサーなどの感熱素子材料、表示材料、吸着剤、
捺染剤、被覆剤、分離膜、曇り止め材料、診断用材料、
メカノケミカル材料、細胞培養培地材料、水呼吸体、玩
具、インテリアなどに利用しうる、熱可逆的曇点現象を
示す重合体の原料モノマーとして好適な新規ビニル化合
物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水溶液としたときに、所定の温度(曇点
又は転移温度)以上では析出して白濁状となりその温度
以下では溶解して透明化する水溶性高分子化合物は、通
常熱可逆高分子と称され、その可逆性を利用して遮光体
や温度センサーのような感熱素子材料や吸着剤などへの
応用がはかられている。
【0003】これまで、アクリル系の熱可逆高分子とし
ては、ポリ(N‐プロピルアクリルアミド)、ポリ
(N,N‐ジエチルアクリルアミド)などのN‐アルキ
ル置換‐アクリルアミドの重合体、ポリ(N‐アクリル
ピロリジン)、ポリ(N‐アクリルピペリジン)などが
知られている。
【0004】しかし、このようなアクリル系熱可逆高分
子は種類が少ないため、例えば温度センサーや遮光体な
どに利用しようとしても、転移温度が限られたものとな
り、目的に応じて任意に選択することができず、適用範
囲が制限されるのを免れなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情の下、アクリル系熱可逆高分子の利用範囲を拡大す
べく、さらに異なった転移温度を有する新規なアクリル
系熱可逆高分子を製造するための原料モノマーとして有
用な新規ビニル化合物を提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい新規ビニル化合物を開発するために種々研究を重
ねた結果、特定のアクリルアミド系化合物がその目的に
適合することを見出し、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、一般式
【化2】 (式中のR1は水素原子又はメチル基、R2はアルキル基
である)で表わされるアクリルアミド誘導体を提供する
ものである。
【0008】本発明の上記一般式(I)の化合物は、文
献未載の新規物質である。この化合物は、例えばアクリ
ル酸ハライド又はメタクリル酸ハライドとN‐(3‐ア
ミノプロピル)‐2‐ピペコリンなどのN‐(3‐アミ
ノプロピル)‐2‐アルキルピペリジンとを溶媒中で反
応させることによって製造することができる。
【0009】この反応の際に用いられる溶媒について
は、出発原料特にアクリル酸ハライド又はメタクリル酸
ハライドに対して不活性であれば特に制限はなく、一般
にはベンゼン、トルエン、アセトン、エーテルなどが用
いられる。
【0010】また反応は、好ましくはトリエチルアミン
のような有機アミンなどの脱ハロゲン化水素剤の存在下
に行うのがよく、特にN‐(3‐アミノプロピル)‐2
‐アルキルピペリジンと脱ハロゲン化水素剤を適当な溶
媒に溶解した溶液に、アクリル酸ハライド又はメタクリ
ル酸ハライドを滴下するのが望ましい。
【0011】出発原料のN‐(3‐アミノプロピル)‐
2‐アルキルピペリジンとアクリル酸ハライド又はメタ
クリル酸ハライドとの使用割合については特に制限はな
く、好ましくは、脱ハロゲン化水素剤を用いる場合、モ
ル比で1.0:1.0〜1.0:1.3の範囲、特に等
モル比付近で選ばれ、また脱ハロゲン化水素剤を用いな
い場合、原料のN‐(3‐アミノプロピル)‐2‐アル
キルピペリジン自体を反応で生成するハロゲン化水素と
結合するに十分な量とする必要があることから、モル比
で1.0:2.0〜1.0:2.3の範囲、特に2倍モ
ル比付近で選ばれる。
【0012】原料のアクリル酸ハライド又はメタクリル
酸ハライドとしては、アクリル酸クロリド又はメタクリ
ル酸クロリドが好ましい。反応温度は、室温以下、有利
には10℃以下とするのが好ましい。反応時間は、原料
や脱ハロゲン化水素剤の種類、反応温度などにより、変
動するが、通常3〜24時間程度である。
【0013】このようにして得られる反応混合物から目
的化合物を単離するには、通常まずろ過などによって、
トリエチルアミン塩酸塩のような脱ハロゲン化水素剤の
ハロゲン化水素塩又はN‐(3‐アミノプロピル)‐2
‐アルキルピペリジンのハロゲン化水素塩を除去したの
ち、ろ液からロータリーエバポレータなどの蒸発装置を
用いて溶媒を留去し、粗生成物を得たのち、減圧蒸留の
ような分留操作等により精製する。この際の留出物は、
必要に応じ、減圧蒸留等の精製操作を繰り返して高純度
のものとすることができる。
【0014】本発明のビニル化合物の重合体は、低温域
で水に溶け、高温域で水に不溶となる熱可逆高分子であ
る。
【0015】
【発明の効果】本発明のビニル化合物は文献未載の新規
化合物であって、熱可逆的曇点現象を示す重合体の原料
モノマーとして有用であり、特に他のコモノマーと共重
合させることにより、曇点を適宜変動させることができ
る。例えばコモノマーに親水性のものを用いると曇点を
上昇させることが、またコモノマーに疎水性のものを用
いると曇点を低下させることがそれぞれ可能になる。
【0016】そして、本発明のビニル化合物から得られ
る重合体や共重合体は、可逆的に低温で水に溶け、高温
で水に不溶となるという熱可逆高分子であって、一種の
感温性ポリマーとして、温室、フレームハウス、化学実
験室、ラジオアイソトープのトレーサー実験室、太陽熱
温水器などの被覆・被蓋材のような遮光性材料、熱可逆
性を記録再生に利用した記録材料、表示材料、感温スイ
ッチや温度センサーなどの感熱素子材料、吸着剤、捺染
剤、被覆剤、分離膜材、曇り止め材料、診断用ラテック
スのような診断用材料、メカノケミカル材料、細胞培養
培地材料、水呼吸体、玩具、インテリアなどの種々の用
途に利用しうる。
【0017】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明する。
【0018】実施例 1リットル容三ツ口フラスコにトリエチルアミン0.2
モル(20.2g)、N‐(3‐アミノプロピルピペコ
リン)0.2モル(31.3g)及びベンゼン200m
lを入れ、この内溶液を氷浴中5℃以下に保ち、この中
にアクリル酸クロリド0.2モル(18g)を少量ずつ
滴下し、激しくかきまぜ、10℃以下に保った。滴下終
了後、10℃以下で1時間かきまぜたのち、1昼夜冷蔵
庫に放置し反応を完了させた。次いで、この反応混合物
をろ過し、ろ液をロータリーエバポレータで蒸発処理し
てベンゼンを留去し、粗生成物を減圧蒸留し、式
【化3】 で表わされる目的化合物を沸点132℃/1.5mmH
gの透明な留分として35.6g(収率84.8%)得
た。この目的物の赤外線吸収スペクトルを図1に示し
た。該吸収スペクトルには、‐NH‐、‐C=O及びC
H2=CH‐のそれぞれの特性吸収位置(3250cm-
1;1655cm-1;1620cm-1、990cm-1)
にシヤープな極大がみられる。また、目的物は、質量分
析値M+=210と分子量が測定され、1H‐NMRスペ
クトルの分析によりピペリジン環プロトンの特性吸収位
置(1.0〜2.4ppm)にシヤープな極大が確認さ
れた。また元素分析によるC、H及びNの測定値(6
8.57,10.48,13.33%)は理論値(6
8.32,10.52,13.30)とよく一致した。
【0019】参考例 実施例のモノマーのラジカル重合体を製造した。アゾビ
スイソブチロニトリルを重合開始剤に用い、重合開始剤
濃度20mg/mlのベンゼン溶液15.0ml中に実
施例のモノマー5.0gを加え、封管中において70℃
で2時間重合反応させた。反応終了液を室温に戻し、n
ーヘキサン溶媒中に加え、精製したポリマーを沈でんさ
せ、回収した。
【0020】このようにして得られたポリマーについ
て、水中における熱可逆性を調べた。転移温度(曇点)
はその水溶液の温度変化に伴う光透過率変化から決定し
た。すなわち、1重量%濃度のポリマー水溶液を調製
し、分光光度計UV‐240K(島津製作所製、商品
名)及び電子冷熱式温度コントローラ温度プログラマー
KPC‐5(島津製作所製)を用い、低温側から1℃/
minの速度で昇温させ、次いで高温側から1℃/mi
nの速度で冷却するときの波長500nmにおける光透
過率の変化を測定し、この昇温時の光透過率が初期光透
過率の1/2となる温度を転移温度(曇点)とした。こ
うして求めた曇点は8.5℃であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の化合物の赤外線スペクトルである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中のR1は水素原子又はメチル基、R2はアルキル基
    である)で表わされるアクリルアミド誘導体。
  2. 【請求項2】 アクリル酸ハライド又はメタクリル酸ハ
    ライドとN‐(3‐アミノプロピル)‐2‐アルキルピ
    ペリジンとを反応させることを特徴とする請求項1記載
    のアクリルアミド誘導体の製造方法。
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