JPH05309780A - 積層複合フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

積層複合フィルムおよびその製造方法

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JPH05309780A
JPH05309780A JP12132091A JP12132091A JPH05309780A JP H05309780 A JPH05309780 A JP H05309780A JP 12132091 A JP12132091 A JP 12132091A JP 12132091 A JP12132091 A JP 12132091A JP H05309780 A JPH05309780 A JP H05309780A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】各種の金属からなるフィルムに対して前記フィ
ルムと同種または異種の材料からなるフィルムが高強度
で接着された積層複合フィルムを提供することを目的と
する。 【構成】微細な貫通孔が500個/cm2 以上の密度で
多数かつ一様に穿孔された金属からなる多孔質の第1フ
ィルム173と、前記第1フィルム173の片面もしく
は両面に積層された第2フィルム171と、前記第1、
第2のフィルム173、171間に介在され、一部が前
記第1フィルム173の多数の貫通孔180内に埋没さ
れた接着剤層181とを具備したことを特徴としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属からなる多孔質の
第1フィルムに前記フィルムと同種または異種の材料か
らなる第2フィルムを積層した積層複合フィルム及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】最近、包装分野、医療分野、
電子機器分野または宇宙産業分野において、各種の高分
子フィルムや金属フィルムが使用されている。しかしな
がら、前記産業分野でのフィルムに対する要望の多様
化、高機能化等により前記フィルム単体の物性、機能で
は前記要望に対応できなくなるという問題が発生した。
【0003】このようなことから、各種素材との複合化
が進められている。例えば、金属フィルム(金属箔)を
補強材、導電材または耐透湿材とし、これに高分子フィ
ルムを積層した積層複合フィルム等が開発されている。
【0004】前記積層複合フィルムは、従来より金属フ
ィルムにコロナ処理を施した後、接着剤を介して高分子
フィルムをラミネートすることが行われている。しかし
ながら、前記汎用の接着剤は高分子フィルムと金属フィ
ルムの両方に良好に接着し難いため、前記各フィルム間
の接着強度が低くなり、剥離を生じ易いという問題があ
った。なお、高分子フィルムと金属フィルムの両方に良
好に接着する接着剤も開発されているが、極めて高価な
ものである。
【0005】また、耐熱性の高い高分子フィルム(例え
ばポリエステルフィルム)に真空蒸着によりアルミニウ
ム等の金属薄膜を蒸着して積層複合フィルムを製造する
ことが行われている。しかしながら、かかる方法では大
掛かりな真空蒸着装置を必要とするばかりか、蒸着法に
より金属を積層するため、金属薄膜をμmオーダ以上に
厚くすることは生産性、コストの点から制約される。
【0006】本発明の目的は、金属からなる多孔質の第
1フィルムに対して前記フィルムと同種または異種の材
料からなる第2フィルムを汎用の接着剤を用いて高強度
で接着した構造の積層複合フィルムを提供するものであ
る。本発明の別の目的は、前記積層複合フィルムを簡単
かつ量産的に製造し得る方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる積層複合
フィルムは、微細な貫通孔が500個/cm2 以上の密
度で多数かつ一様に穿孔された金属からなる多孔質の第
1フィルムと、前記第1フィルムの片面もしくは両面に
積層された第2フィルムと、前記第1、第2のフィルム
間に介在され、一部が前記第1フィルムの多数の貫通孔
内に埋没された接着剤層と、を具備したことを特徴とす
るものである。
【0008】前記第1フィルムとしては、フィルム化が
可能なものであればいかなるものでよく、例えばAl
箔、Al−MgなどのAl合金箔、Cu箔もしその合金
箔箔、軟鉄箔、ステンレス箔、金箔またはTi、Ta、
Wなどの高融点金属箔等を挙げることができる。
【0009】前記第1フィルムに穿孔される微細な貫通
孔は、前記接着剤が侵入して埋没され得る孔径を有する
ことが必要である。かかる貫通孔の孔径は、5〜50μ
m、より好ましくは10〜30μmの範囲とすることが
望ましい。
【0010】前記第1フィルムに穿孔される微細な貫通
孔の密度を限定した理由は、500個/cm2 未満にす
ると前記貫通孔に埋没された接着剤による投錨効果を十
分発揮できず、前記第1フィルムに対して前記第2フィ
ルムを高強度で接着することができなくなるからであ
る。このような第1フィルムに占める貫通孔の密度は、
その孔径にもよるが、後述する方法により最大で200
000個/cm2 まで高くすることが可能である。この
ため、前記第1フィルムに占める貫通孔の密度は前記貫
通孔の孔径との関係や前記第2フィルムの材質等により
500個/cm2 〜200000個/cm2 の範囲で任
意に選択することが可能である。
【0011】前記第2フィルムとしては、例えば高分子
フィルム、高分子発泡フィルム、織布もしくは不織布か
らなるフィルム、紙、発泡紙、セラミックスフィルム、
その他高分子材料にシリカ粉末、カーボン粉末、アルミ
ナ粉末等の無機質粉末を混合させた複合フィルム等を挙
げることができる。また、前記第2フィルムは前記第1
フィルムと同様な金属からなる多孔質フィルムを用いる
ことができる。前記高分子フィルムとしては、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエ
ステル、フッ素樹脂、ポリアミドなどの汎用高分子フィ
ルム、ポリカーボネート、ポリイミドなどのエンジニア
リングプラスチックフィルム、またはポリエーテルエー
テルケトン、ポリエーテルケトンなどのスーパエンジニ
アリングプラスチックフィルム、或いはエラストマーフ
ィルム、その他熱融着性樹脂フィルム等を用いることが
できる。前記セラミックスフィルムとしては、例えばア
ルミナフィルム、ジルコニアフィルム、窒化アルミニウ
ムフィルム、炭素フィルム等を用いることができる。前
記接着剤は、高分子樹脂系の各種のものを用いることが
できる。このような積層複合フィルムは、
【0012】鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上
の粒子が表面に付着された第1ロールと硬質材料からな
る第2ロールとの間に長尺金属フィルムを通過させると
共に、前記各ロール間を通過する前記長尺金属フィルム
への押圧力を前記各ロールと接触するフィルム面全体に
亘って均一となるように調節することにより前記第1ロ
ール表面の多数の粒子の鋭い角部で前記長尺金属フィル
ムに微細な貫通孔を500個/cm2 以上の密度で多数
穿孔して金属からなる多孔質の第1フィルムを作製する
工程と、前記第1フィルムの片面もしくは両面に第2フ
ィルムを接着剤を介してラミネートする工程と、により
製造される。
【0013】前記第1ロールは、金属製ロール本体の表
面に鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上の粒子を
電着、または有機系もしくは無機系の結合剤により付着
させた構造を有する。前記モース硬度5以上の粒子とし
ては、例えばタングテンカーバイトなどの超硬合金粒
子、または炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子、サファイ
ア粒子、立方晶窒化ホウ素(CBN)粒子、天然又は合
成のダイヤモンド粒子等を挙げることができる。特に、
硬度、強度等が大きい合成ダイヤモンド粒子が望まし
い。前記粒子は、粒径が10〜100μmで粒径のばら
つきが5%以下のものを用いることが望ましい。前記多
数の粒子は、長尺金属フィルムに貫通孔を500個/c
2 以上の密度で形成する観点から、前記ロール本体表
面に50%以上付着させることが望ましい。
【0014】前記硬質材料からなる第2ロールとして
は、例えば鉄ロール、鉄系合金ロール、表面にNiメッ
キ処理、Crメッキ処理を施した鉄ロール等を用いるこ
とができる。
【0015】前記第1フィルムに前記第2フィルムを接
着剤を介してラミネートする手段としては、前記第1フ
ィルムに接着剤を塗布した後、前記第2フィルムを前記
接着剤に重ねて圧着する方法、予め接着剤が塗布された
第2フィルムを前記第1フィルムに前記接着剤が前記第
1フィルム側に位置するように重ねて圧着する方法を採
用し得る。
【0016】なお、前記積層複合フィルムは前記方法の
他に、前記金属からなる多孔質の第フィルムの片面もし
くは両面に金属フィルムを除く第2フィルムを圧着また
は加熱圧着することによっても製造される。かかる第2
フィルムとしては、例えば前述した各種の高分子フィル
ム、有機バインダにセラミックス微粒子を分散させたセ
ラミックスグリーンシート、高分子材料にシリカ粉末、
カーボン粉末、アルミナ粉末等の無機質粉末を混合させ
た複合フィルム等を用いることができる。ただし、セラ
ミックスグリーンシートを用いる場合には、前記圧着工
程後に焼成が施す。本発明に係わる更に別の積層複合フ
ィルムは、微細な未貫通孔が500個/cm2 以上の密
度で多数かつ一様に穿孔された金属からなる多孔質の第
1フィルムと、前記第1フィルムの未貫通孔形成面に積
層された第2フィルムと、前記第1、第2のフィルムの
間に介在され、一部が前記第1フィルムの多数の未貫通
孔内に埋没された接着剤層と、を具備したことを特徴と
するものである。
【0017】前記第1フィルムとしては、フィルム化が
可能なものであればいかなるものでよく、例えばAl
箔、Al−MgなどのAl合金箔、Cu箔もしその合金
箔箔、軟鉄箔、ステンレス箔、金箔またはTi、Ta、
Wなどの高融点金属箔等を挙げることができる。
【0018】前記第1フィルムに穿孔される微細な未貫
通孔は、前記接着剤が侵入して埋没され得る孔径を有す
ることが必要である。かかる未貫通孔の孔径は、20〜
50μm、より好ましくは30〜50μmの範囲とする
ことが望ましい。
【0019】前記第1フィルムに穿孔される微細な未貫
通孔の密度を限定した理由は、500個/cm2 未満に
すると前記未貫通孔に埋没された接着剤による投錨効果
を十分発揮できず、前記第1フィルムに対して前記第2
フィルムを高強度で接着することができなくなるからで
ある。このような前記第1フィルムに占める未貫通孔の
密度は、その孔径にもよるが、後述する方法により最大
で200000個/cm2 まで高くすることが可能であ
る。このため、前記第1フィルムに占める未貫通孔の密
度は前記未貫通孔の孔径との関係や前記第2フィルムの
材質等により500個/cm2 〜200000個/cm
2 の範囲で任意に選択することが可能である。
【0020】前記第2フィルムとしては、例えば高分子
フィルム、高分子発泡フィルム、織布もしくは不織布か
らなるフィルム、紙、発泡紙、セラミックスフィルム、
その他高分子材料にシリカ粉末、カーボン粉末、アルミ
ナ粉末等の無機質粉末を混合させた複合フィルム等を挙
げることができる。また、前記第2フィルムは前記第1
フィルムと同様な金属からなる多数の未貫通孔を有する
多孔質フィルムを用いることができる。前記高分子フィ
ルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリアミ
ドなどの汎用高分子フィルム、ポリカーボネート、ポリ
イミドなどのエンジニアリングプラスチックフィルム、
またはポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケト
ンなどのスーパエンジニアリングプラスチックフィル
ム、或いはエラストマーフィルム、熱融着性樹脂フィル
ム等を用いることができる。前記セラミックスフィルム
としては、例えばアルミナフィルム、ジルコニアフィル
ム、窒化アルミニウムフィルム、炭素フィルム等を用い
ることができる。このような積層複合フィルムは、
【0021】鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上
の粒子が表面に付着された第1ロールと表面が軟質材料
からなる第2ロールとの間に長尺金属フィルムを通過さ
せると共に、前記各ロール間を通過する前記長尺金属フ
ィルムへの押圧力を前記各ロールと接触するフィルム面
全体に亘って均一となるように調節することにより前記
第1ロール表面の多数の粒子の鋭い角部を前記長尺金属
フィルムに喰い込ませて未貫通孔を500個/cm2
上の密度で多数かつ一様にに穿孔して金属からなる多孔
質の第1フィルムを作製する工程と、前記第1フィルム
の未貫通孔形成面に第2フィルムを接着剤を介してラミ
ネートする工程と、により製造される。前記第1ロール
は、前述したのと同様な構成のものが用いられる。
【0022】前記表面が軟質材料からなる第2ロールと
しては、例えば真鍮、アルミニウム、銅からなるロー
ル、または金属製ロール本体の表面に高分子樹脂層を被
覆したものを用いることができる。前記高分子樹脂とし
ては、各種の樹脂を用いることができるが、特に前記長
尺金属フィルムに対する緩衝作用の高いウレタン樹脂、
シリコンゴム等が好適である。
【0023】
【作用】本発明によれば、微細な貫通孔が500個/c
2 以上の密度で多数かつ一様に穿孔された金属からな
る多孔質の第1フィルムと、前記第1フィルムの片面も
しくは両面に積層された第2フィルムと、前記第1、第
2のフィルム間に介在され、一部が前記第1フィルムの
多数の貫通孔内に埋没された接着剤層とを具備すること
によって、前記第1フィルムの多数の貫通孔に埋没され
た接着剤層部分での投錨効果により前記第1フィルムに
対して前記第2フィルムを高強度で接着された積層複合
フィルムを得ることができる。また、前記第1フィルム
の両面に前記第2フィルムを接着剤層を介して積層する
と、前記第1フィルム両側の接着剤層の一部が前記第1
フィルムの多数の貫通孔に埋没され、前記第1フィルム
両側の接着剤層がそれら埋没接着剤部分を通して相互の
結合される。その結果、前記第1フィルムを中間フィル
ムとし、その両側に第2フィルムが強固に接着された三
層構造の積層複合フィルムを得ることができる。従っ
て、金属からなる第1フィルムと第2フィルム(例えば
高分子フィルム)の両方に良好な接着性を有する特殊な
接着剤を用いることなくそれらフィルム同志を高強度で
接着できるため、以下に列挙する多種多様な用途に利用
することが可能な積層複合フィルムを得ることができ
る。
【0024】(1)高分子材料からなる第2フィルムを
前記第1フィルムの片面または両面に接着することによ
り、前記第1フィルムを補強材とする高強度の積層複合
フィルムを得ることができる。
【0025】(2)熱融着性樹脂からなる第2フィルム
を前記第1フィルムに接着することにより、前記第1フ
ィルムによる導電性と前記熱融着性樹脂フィルムによる
熱融着性とを兼ね備えた積層複合フィルムを得ることが
できる。
【0026】(3)高分子発泡材料からなる第2フィル
ムを前記第1フィルムに接着することにより、前記第1
フィルムによる導電性と高分子発泡フィルムによるクッ
ションとを兼ね備えた積層複合フィルムを得ることがで
きる。
【0027】(4)セラミックスフィルム(例えばアル
ミナ、ジルコニア、炭素)からなる第2フィルムをAl
−Mg合金などのAl合金からなる第1フィルムの両側
に接着することにより、耐熱性等が優れたセラミックス
をベースとした軽量、高強度の特性を有し、宇宙産業、
海洋産業の構造材として好適な積層複合フィルムを得る
ことができる。
【0028】(5)前記第2フィルムとして第1フィル
ムと同様な金属からなる多孔質フィルムを用い、これら
第1、第2のフィルム間に比較的厚い接着剤層を介在し
て接合することにより、接着剤層(高分子層)を中間に
挟んで、両側に金属からなる多孔質のフィルムを配置し
た三層構造を有し、洗濯機等の家電製品の外装部品素材
に利用される制振性の積層複合フィルムを得ることがで
きる。
【0029】前記積層複合フィルムの製造方法によれ
ば、鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上の粒子が
表面に付着された第1ロールと硬質材料からなる第2ロ
ールとの間に長尺金属フィルムを通過させると共に、前
記各ロール間を通過する前記長尺金属フィルムへの押圧
力を前記各ロールと接触するフィルム面全体に亘って均
一となるように調節することにより、前記長尺金属フィ
ルム本来の特性を殆ど損うことなく、前記第1ロール表
面の多数の粒子の鋭い角部で前記長尺金属フィルムに微
細な貫通孔が500個/cm2 以上の密度で多数穿孔さ
れた金属からなる多孔質の第1フィルムを作製できる。
この後、前記第1フィルムの片面もしくは両面に第2フ
ィルムを接着剤を介してラミネートすることによって、
金属からなる第1フィルムと第2フィルム(例えば高分
子フィルム)の両方に良好な接着性を有する特殊な接着
剤を用いることなくそれらフィルム同志を高強度で接着
され、前述した多種多様の用途に利用し得る積層複合フ
ィルムを量産的に製造することができる。
【0030】さらに、本発明によれば微細な未貫通孔が
500個/cm2 以上の密度で多数かつ一様に穿孔され
た金属からなる多孔質の第1フィルムと、前記多孔質金
属フィルムの未貫通孔形成面に積層された第2フィルム
と、前記第1、第2のフィルムの間に介在され、一部が
前記第1フィルムの多数の未貫通孔内に埋没された接着
剤層とを具備することによって、前記第1フィルムの多
数の未貫通孔に埋没された接着剤層部分での投錨効果に
より前記第1フィルムに対して前記第2フィルムを高強
度で接着された積層複合フィルムを得ることができる。
従って、金属からなる第1フィルムと第2フィルム(例
えば高分子フィルム)の両方に良好な接着性を有する特
殊な接着剤を用いることなくそれらフィルム同志を高強
度で接着できるため、以下に列挙する多種多様な用途に
利用することが可能な積層複合フィルムを得ることがで
きる。
【0031】(a)高分子材料からなる第2フィルムを
前記第1フィルムの片面または両面に接着することによ
り、前記第1フィルムを補強材とする高強度の積層複合
フィルムを得ることができる。また、かかる積層複合フ
ィルムを構成する金属からなる第1フィルムは多数の未
貫通孔が穿孔され、優れたガス遮断性を有するため、包
装材料として利用することが可能となる。
【0032】(b)高分子材料(特に熱融着性樹脂)か
らなる第2フィルムを前記第1フィルムに接着すること
により、前記第1フィルムによる導電性と前記熱融着性
樹脂フィルムによる熱融着性とを兼ね備えた積層複合フ
ィルムを得ることができる。特に、前記第1フィルムに
は未貫通孔が穿孔されているため、前述した多数の貫通
孔を穿設した金属からなる多孔質フィルムを用いた場合
に比べて前記第1フィルムの導電性をより高めることが
可能となる。また、かかる積層複合フィルムはコンピュ
ータ室の壁面に前記熱融着性のフィルムにより張り付け
ることにより電磁シールド材として利用できる。
【0033】(c)高分子発泡材料からなる第2フィル
ムを前記第1フィルムに接着することにより、前記第1
フィルムによる導電性と高分子発泡フィルムによるクッ
ションとを兼ね備えた積層複合フィルムを得ることがで
きる。
【0034】前記積層複合フィルムの製造方法によれ
ば、鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上の粒子が
表面に付着された第1ロールと表面が軟質材料からなる
第2ロールとの間に長尺金属フィルムを通過させると共
に、前記各ロール間を通過する前記長尺金属フィルムへ
の押圧力を前記各ロールと接触するフィルム面全体に亘
って均一となるように調節することによって、前記長尺
金属フィルム本来の特性を殆ど損うことなく、前記第1
ロール表面の多数の粒子の鋭い角部を前記長尺金属フィ
ルムに喰い込ませて未貫通孔を500個/cm2 以上の
密度で多数かつ一様に穿孔でき、金属からなる多孔質の
第1フィルムを作製できる。この後、前記第1フィルム
の片面もしくは両面に第2フィルムを接着剤を介してラ
ミネートすることによって、金属からなる第1フィルム
と第2フィルム(例えば高分子フィルム)の両方に良好
な接着性を有する特殊な接着剤を用いることなくそれら
フィルム同志を高強度で接着され、前述した多種多様の
用途に利用し得る積層複合フィルムを量産的に製造でき
る。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0036】図1は、本実施例に用いられる積層複合フ
ィルムの製造装置の主要部を示す正面図、図2は図1の
製造装置の要部を示す側面図、図3は図2のIII −III
線に沿う断面図、図4はラミネート機構を示す正面図で
ある。
【0037】図中の101は、ベッドである。前記ベッ
ド101の右端付近を除く上面には、テーブル102が
設けられている。前記テーブル102上には、2つのカ
ギ型のフレーム103が前記テーブル102の幅方向に
それぞれ所定の間隔をあけて設置されている。前記フレ
ーム103は、下板103a、側板103b及び上板1
03cから形成されでいる。前記各フレーム103の側
板103bの中間付近には、軸受104を内蔵した第1
ボックス105がそれぞれ固定されている。前記各フレ
ーム103間には、第1ロール106が配置されてい
る。前記第1ロール106は、図2に示すように例えば
70〜85μmの粒径で鋭い角部を有する多数のモース
硬度5以上の粒子(例えば合成ダイヤモンド粒子)10
7が表面に70%以上の面積率で電着された鉄製のロー
ル本体108と、前記本体108の中心を貫通して前記
本体108の両端面から突出された軸109とから構成
されている。前記軸109の突出した両端部は、前記第
1ボックス105内の軸受104にそれぞれ軸支されて
いる。前記第1ロール106の一端側(例えば左端側)
の軸109は、前記ボックス105を貫通しており、か
つ前記軸109の突出部分には図示しないモータの駆動
軸の歯車と噛合する歯車111が軸着されている。した
がって、前記モータの駆動により前記第1ロール106
が例えば時計回り方向に回転されるようになっている。
また、前記歯車111と前記ボックス105の左側面の
間に位置する前記軸109の突出部分には、歯車110
が軸着されている。
【0038】前記第1ボックス105の下方および上方
に位置する前記各フレーム103の側板103b部分に
は、レール112、113がそれぞれ形成されている。
前記下方の各レール112には、図3に示すようにスラ
イダー114(他方のスライダーは図示せず)が上下動
自在にそれぞれ配置されている。前記各スライダー11
4には、軸受115を内蔵した第2ボックス116がそ
れぞれ固定され、前記レール112に沿って上下動でき
るようになっている。また、前記各フレーム103間に
は第2ロール117が前記第1ロール106の下方に位
置するように対向して配置されている。前記第2ロール
117は、例えばステンレスからなる表面が硬質のロー
ル本体118と、前記本体118の中心を貫通して前記
本体118の両端面から突出された軸119とから構成
されている。前記軸119の突出した両端部は、前記第
2ボックス116内の軸受115にそれぞれ軸支されて
いる。前記第2ロール117の一端側(例えば左端側)
の軸119部分は、前記第2ボックス116を貫通して
突出しており、かつ前記軸119の突出部分には前記第
1ロール106の軸109の歯車110と噛合する歯車
120が軸着されている。したがって、前記第2ロール
117は前記第2ボックス116及び前記スライダー1
14により前記レール112に沿って上下動自在に配置
される。また、前記モータにより前記第1ロール106
の軸109を時計回り方向に回転することによって、前
記軸109の歯車110と噛合する前記歯車120を有
する前記軸119が反時計回り方向に回転し、結果的に
は前記第2ロール117が反時計回り方向に回転するよ
うになっている。
【0039】前記上方の各レール113には、図3に示
すようにスライダー121(他方のスライダーは図示せ
ず)が上下動自在にそれぞれ配置されている。前記各ス
ライダー121には、軸受122を内蔵した第3ボック
ス123がそれぞれ固定され、前記レール113に沿っ
て上下動できるようになっている。また、前記各フレー
ム103間には第3ロール124が前記第1ロール10
6の上方に位置するように対向して配置されている。前
記第3ロール124は、例えばウレタン樹脂などの高分
子樹脂層125が表面に被覆された鉄製のロール本体1
26と、前記本体126の中心を貫通して前記本体12
6の両端面から突出された軸127とから構成されてい
る。前記軸127の突出した両端部は、前記第3ボック
ス123内の軸受122にそれぞれ軸支されている。前
記第3ロール124の一端側(例えば左端側)の軸12
7部分は、前記第3ボックス123を貫通して突出して
おり、かつ前記軸127の突出部分には前記第1ロール
106の軸109の歯車110と噛合する歯車128が
軸着されている。従って、前記第3ロール124は前記
第3ボックス123及び前記スライダー121により前
記レール113に沿って上下動自在に配置される。ま
た、前記モータにより前記第1ロール106の軸109
を時計回り方向に回転することによって、前記軸109
の歯車110と噛合する前記歯車128を有する前記軸
127が反時計回り方向に回転し、結果的には前記第3
ロール124が反時計回り方向に回転するようになって
いる。
【0040】前記2つのフレーム103、前記2つの第
1ボックス105、前記第1ロール106、前記2つの
各スライダー112、113、前記2つの第2ボックス
116、前記第2ロール117、前記2つの第3ボック
ス123、前記第3ロール124により穿孔用ユニット
129を構成している。
【0041】前記2つの第2ボックス116の下壁に
は、上下にフランジ130、131を有する円筒体13
2がそれぞれ配置されている。前記各円筒体132は、
図3に示すように前記上部フランジ130から前記第2
ボックス116の下壁に螺着された複数のネジ133に
より前記第2ボックス116にそれぞれ固定されてい
る。前記各円筒体132の下部フランジ131には、中
央に穴134を有する円板135がそれぞれ配置され、
かつ前記各円板135は前記各円板135から前記下部
フランジ131に螺着された複数のネジ136によりそ
れぞれ固定されている。前記各円筒体132内には、コ
イルバネ137がそれぞれ上下方向に弾性力を付与する
ように収納されている。前記各円筒体132内には、上
端に圧力センサ138を取着したロッド139がそれぞ
れ前記円板135の穴134を通して挿入されている。
前記各圧力センサ138は、前記各コイルバネ137の
下端に当接され、前記各ロッド139の上昇による前記
コイルスバネ137への押圧力を検出できるようになっ
ている。前記各センサ138下方の前記ロッド139部
分には、前記ロッド139を円滑に上下動させるための
円板状ガイド140がそれぞれ取り付けられている。前
記各ロッド139の下端部には、ボールスクリュー14
1それぞれ挿着されている。前記各ボールスクリュー1
41は、前記フレーム103の下板103aを貫通して
前記ベッド102の窪み部(図示せず)にそれぞれ突出
している。前記窪み部内には、ネジ加工された係合板
(図示せず)を内蔵したケーシング(他方のケーシング
は図示せず)142がそれぞれ設けられている。前記各
ケーシング142内の前記係合板には、前記ボールスク
リュー141の下端突出部が螺合されている。前記各ケ
ーシング142内には、前記ボールスクリュー141の
下端突出部と係合するウォーム軸(図示せず)が水平方
向からそれぞれ挿入され、かつ前記各ウォーム軸の一端
にハンドル(他方のハンドルは図示せず)143がそれ
ぞれ設けられている。従って、前記ハンドル143を回
転することにより前記ハンドル143のウォーム軸と係
合する前記ボールスクリュー141が回転し、前記ボー
ルスクリュー141が挿着された前記ロッド139を上
昇(または下降)するようになっている。この場合、前
記ロッド139をある距離以上に下降させると、前記ロ
ッド139に取り付けられた前記円板状ガイド140が
前記円筒体132下部の円板135内面に当接して前記
円筒体132自体を下降させる。このため、前記円筒体
132の上端に固定された前記第2ボックス116が前
記スライダー114により前記レール下方の112に沿
って下降される。
【0042】前記2つの円筒体132、前記2つの円板
135、前記2つのコイルバネ137、前記2つの圧力
センサ138、前記2つのロッド139、前記2つの円
板状カイド140、前記2つのボールスクリュー14
1、前記2つのケーシング142、前記2つのウォーム
軸(図示せず)および前記2つのハンドル143により
前記第1、第2ロール106、117間を通過するフィ
ルムへの押圧力を調節する第1圧力調節手段144を構
成している。
【0043】前記2つの第3ボックス123の上壁に
は、上下にフランジ145、146を有する円筒体14
7がそれぞれ配置されている。前記各円筒体147は、
図3に示すように前記下部フランジ146から前記第3
ボックス123の上壁に螺着された複数のネジ148に
より前記第3ボックス123にそれぞれ固定されてい
る。前記各円筒体147の上部フランジ145には、中
央に穴149を有する円板150がそれぞれ配置され、
かつ前記各円板150は前記各円板150から前記上部
フランジ145に螺着された複数のネジ151によりそ
れぞれ固定されている。前記各円筒体147内には、コ
イルバネ152がそれぞれ上下方向に弾性力を付与する
ように収納されており、かつ前記各コイルバネ152の
下端は前記第3ボックス123の上壁にそれぞれ当接さ
れている。前記各円筒体147内には、下端に圧力セン
サ153を取着したロッド154がそれぞれ前記円板1
50の穴149を通して挿入されている。前記各圧力セ
ンサ153は、前記各コイルバネ152の上端に当接さ
れ、前記各ロッド154の下降によるコイルバネ152
への押圧力を検出できるようになっている。前記各セン
サ153上方の前記ロッド154部分には、前記ロッド
154を円滑に上下動させるための円板状ガイド155
がそれぞれ取り付けられている。前記各ロッド154の
上端部には、ボールスクリュー156がそれぞれ挿着さ
れている。前記各ボールスクリュー156は、前記フレ
ーム103の上板103cを貫通して前記上板103c
の上方にそれぞれ突出している。前記各上板103cの
上面には、ネジ加工された係合板(図示せず)を内蔵し
たケーシング(他方のケーシングは図示せず)157が
それぞれ設けられている。前記各ケーシング157内の
前記係合板には、前記ボールスクリュー156の上端突
出部が螺合されている。前記各ケーシング157内に
は、前記ボールスクリュー156の上端突出部と係合す
るウォーム軸(図示せず)が水平方向からそれぞれ挿入
され、かつ前記各ウォーム軸の一端にハンドル(他方の
ハンドルは図示せず)158がそれぞれ設けられてい
る。従って、前記ハンドル158を回転することにより
前記ハンドル158のウォーム軸と係合する前記ボール
スクリュー156が回転し、前記ボールスクリュー15
6が挿着された前記ロッド154を下降(または上昇)
するようになっている。この場合、前記ロッド154を
ある距離以上に上昇させると、前記ロッド154に取り
付けられた前記円板状ガイド155が前記円筒体147
上部の円板150内面に当接して前記円筒体147自体
を上昇させる。このため、前記円筒体147の下端に固
定された前記第3ボックス123が前記スライダー12
1により前記レール113に沿って上昇される。
【0044】前記2つの円筒体147、前記2つの円板
150、前記2つのコイルバネ152、前記2つの圧力
センサ153、前記2つのロッド154、前記2つの円
板状カイド155、前記2つのボールスクリュー15
6、前記2つのケーシング157、前記2つのウォーム
軸(図示せず)および前記2つのハンドル158により
前記第1、第3ロール106、124間を通過するフィ
ルムへの押圧力を調節する第2圧力調節手段159を構
成している。
【0045】前記穿孔用ユニット129の前段には、長
尺金属フィルムの巻回ロール(図示せず)が配置され、
前記巻回ロールの長尺金属フィルム160は2つの送り
ロール161を経由して前記ユニット129の前記第
1、第2のロール106、117間および第1、第3の
ロール106、124間に供給される。前記ユニット1
29の後段には、穿孔屑除去手段162が配置されてい
る。前記穿孔屑除去手段162は、前記テーブル102
上に設置され、純水を収容した容器163と、前記純水
に超音波を付与するための超音波発生部材(図示せず)
とから構成されている。前記ユニット129と前記穿孔
屑除去手段162の間、前記容器163内および前記容
器163の後段には、前記第1、第3のロール106、
124間を通過した前記長尺フィルムを搬送するための
5つの送りロール161がそれぞれ配置されている。な
お、前記容器163の前後段に位置する前記2つの送り
ロール161には当てロール164がそれぞれ配置され
ている。前記穿孔屑除去手段162の後段には、前記送
りロール161、前記当てロール164間を通過した前
記フィルムを乾燥するための複数の熱風噴射部材(図示
せず)が配置されている。
【0046】前記熱風噴射部材の後段には、図4に示す
ラミネート機構165が配置されている。前記ラミネー
ト機構165は、接着剤166を収容した第1、第2の
槽167、168を備えている。前記第1の槽167に
は、3つの塗布ロール169が上下方向に配置されてい
る。最下部の塗布ロール169の一部は、前記第1の槽
167内の接着剤166に浸漬されている。最上部の塗
布ロール169には、接合ロール170が対向配置され
ている。これら塗布ロール169と接合ロール170の
間には、長尺の第2フィルム171が供給される。前記
接合ロール170には、当てロール172が対向配置さ
れている。これら接合ロール170と当てロール172
の間には、前記穿孔処理された金属からなる多孔質の第
1フィルム173と接着剤が塗布された前記第2フィル
ム171が供給される。前記第2の槽168には、2つ
の塗布ロール174が上下方向に配置されている。下部
の塗布ロール173の一部は、前記第2の槽168内の
接着剤166に浸漬されている。上部の塗布ロール17
4には、接合ロール175が対向配置されている。これ
ら塗布ロール174と接合ロール175の間には、長尺
の別の第2フィルム176が供給される。前記接合ロー
ル175には、当てロール177が対向配置されてい
る。これら接合ロール175と当てロール177の間に
は、送りロール178を通して前記長尺の第1フィルム
173に前記長尺の第2フィルム171を接着剤を介し
て接着した積層フィルム179と接着剤が塗布された前
記別の第2フィルム176が供給される。なお、前記当
てロール177は前記接合ロール175に対して離接自
在に配置され、前記別の第2フィルム176を使用しな
い形態では、前記当てロール177が前記接合ロール1
75から十分に離れるように移動される。前記ラミネー
ト機構165の後段には、巻取ロール(図示せず)が配
置されている。 実施例1
【0047】前述した構成の積層複合フィルムの製造装
置における前記穿孔用ユニット129の第1、第2ロー
ル106、117間でAl−Mg合金からなる長尺フィ
ルムを穿孔し、得られた多孔質の第1フィルムの片面に
ポリ塩化ビニル(PVC)からなる第2フィルムを接着
した積層複合フィルムを製造する方法を図1〜図4およ
び図5を参照して説明する。
【0048】まず、第1圧力調節手段144の2つのハ
ンドル143を例えば反時計回り方向に回転させること
により、各円筒体132の上端に連結された穿孔用ユニ
ット129の各第2ボックス116をスライダー114
により各フレーム103の各レール112に沿ってそれ
ぞれ下降させ、前記各第2ボックス116内の軸受11
5に軸支された第2ロール117をその上の第1ロール
106から十分な間隔をあけて離なす。また、第2圧力
調節手段159の2つのハンドル158を例えば時計回
り方向に回転させることにより、各円筒体147の下端
に連結された各第3ボックス123をスライダー121
により各フレーム103の各レール113に沿ってそれ
ぞれ上昇させ、前記各第3ボックス123内の軸受12
2に軸支された第3ロール124をその下の第1ロール
106から十分な間隔をあけて離なす。かかる状態にお
いて、巻回ロール(図示せず)から厚さ20μmのAl
−Mg系のAl合金からなる長尺フィルム160を2つ
の送りロール161により前記ユニット129の前記第
1、第2ロール106、117間、送りロール161及
び第1、第3ロール106、124間を通過させた後、
前記4つの送りロール161により穿孔屑除去手段16
2の容器内163内を通過させ、さらに複数の熱風噴射
部材(図示せず)、ラミネート機構165の接合ロール
170と当てロール172間、送りロール178、当て
ロール177を通過させて巻取ロール(図示せず)に前
記長尺フィルム160の先端を巻く。
【0049】なお、前記工程において前記長尺フィルム
160を前記第1、第3ロール106、124間を通過
させる場合には、図5に示すように前記長尺フィルム1
60が前記第1ロール106表面に接触させないようす
る。また、本実施例1では第1フィルムの片面のみに第
2フィルムを積層するため、前記ラミネート機構165
の厚さ30μmのPVCからなる第2フィルム171を
第1の槽167に配置した最上部の塗布ロール168と
接合ロール170の間を通して前記長尺フィルムに当て
ロール172と接合ロール170間で重ねた状態で前記
送りロール178、前記当てロール177を通過させて
巻取ロール(図示せず)に前記長尺フィルム160の先
端を巻く。この場合、前記当てロール177は第2の槽
166の上方に配置された接合ロール175から十分に
離しておく。
【0050】次いで、前記長尺フィルム160の先端を
巻取ロールに巻き取った後、前記第1圧力調節手段14
4の2つのハンドル143を時計回り方向に回転させる
ことにより、各円筒体132の上端に連結された各第2
ボックス116をスライダー114により各フレーム1
03の各レール112に沿ってそれぞれ上昇させ、前記
各第2ボックス116内の軸受115に軸支された第2
ロール117をその上の第1ロール106と当接させ
る。更に、前記各ハンドル143を同方向に回転させる
ことにより、各ロッド139上端の各センサ138によ
りその上の各コイルバネ137を圧縮させる。かかる前
記各コイルバネ137の圧縮により、前記各第2ボック
ス116の下壁に押圧力が付与され、前記第2ボックス
116内の軸受115に軸支された前記第2ロール11
7と前記第1ロール106間の押圧力が上昇する。この
際、前記各圧力センサ138により前記第2ロール11
7と前記第1ロール106間の押圧力(圧縮力)を検出
して、前記各ハンドル143を正逆方向に回転を調節す
ることにより、前記第2、第1のロール117、106
間に位置する前記長尺フィルム160への押圧力が調節
される。このような前記第1圧力調節手段144による
前記ユニット129への押圧調節により、前記第2、第
1のロール117、106と接触する前記フィルム16
0面全体に亘って均一な押圧力が付与され、穿孔操作の
準備が完了する。
【0051】穿孔操作の準備が完了した後、前記穿孔屑
除去手段162の容器163に収容された純水に図示し
ない超音波発生部材により超音波を付与する。また、前
記ラミネート機構165の第1の槽167に日曹株式会
社製のポリイソシアネート溶剤タイプのポリウレタン系
接着剤166を収容する。つづいて、前記巻取ロールを
回転させると同時に、図示しないモータの駆動軸を回転
させることにより、前記駆動軸の歯車、前記第1ロール
106における軸109の歯車111の回転伝達により
前記第1ロール106が時計回り方向に回転される。前
記第1ロール106が回転すると、前記軸109の歯車
110と前記第2ロール117における軸119の歯車
120の回転伝達により前記第2ロール117が反時計
回り方向に回転される。この場合、前記第3ロール12
4は前記第1ロール106の上方に十分離して配置され
ているため、前記第3ロール124における軸127の
歯車128と前記第1ロール106における軸109の
歯車110の噛合が解除され、前記第3ロール124は
モータの回転による駆動はなされれず、フリーな回転と
なる。このように第1、第2のロール106、117が
回転されることにより、これらロール106、117間
を通過する前記長尺フィルム160が穿孔される。
【0052】すなわち、前記第1ロール106は図2に
示すように鋭い角部を有する多数の合成ダイヤモンド粒
子107が表面に70%以上の面積率で電着された鉄製
のロール本体108を備えた構造になっており、かつ前
記第2ロール117は例えばステンレスのように表面が
硬質なロール本体118を備えた構造になっている。ま
た、前記第1圧力調節手段144による前記ユニット1
29への押圧調節により、第1、第2のロール106、
117間を通過する前記長尺フィルム160の前記ロー
ル106、117との接触面全体に亘って均一な押圧力
が付与される。このため、前記Al合金からなる長尺フ
ィルム160が前記第1、第2のロール106、117
間を通過する時に、前記第1ロール106表面の多数の
合成ダイヤモンド粒子107の鋭い角部によりAl合金
フィルム本来の特性を殆ど損なうことなく、その幅方向
に一様にに穿孔される。その結果、図7に示すように2
0〜30μmの微細寸法の貫通孔180が2000個/
cm2 の密度で多数かつ一様に穿孔されたAl合金から
なる多孔質の第1フィルム173が作製される。
【0053】次いで、前記ユニット129による穿孔が
なされた第1フィルム173を5つの送りロール161
および2つの当てロール164により前記穿孔屑除去手
段162の容器163内に通過、搬送する。前記ユニッ
ト129による前記長尺フィルム160への穿孔は、前
記第1、第2のロール106、117の摩擦を主体とし
たものであるため、穿孔処理後の前記第1フィルム17
3表面に穿孔屑等が付着される。穿孔処理後の前記第1
フィルム173を前記穿孔屑除去手段160の純水が収
容された容器163を通過させると共に、図示しない超
音波発生部材により前記純水に超音波を付与することに
より、前記第1フィルム173に付着した穿孔屑を洗い
流す。つづいて、前記第1フィルム173を図示しない
複数の熱風噴射部材に通過させて表面の水を揮散除去す
る。
【0054】次いで、前記第1フィルム173がラミネ
ート機構165に搬送され、前記接合ロール170と当
てロール172間を通過すると同時に、前記接合ロール
170と塗布ロール169間を通過して第1の槽167
内の接着剤166が片面に塗布された厚さ30μmのP
VCからなる長尺の第2フィルム171が前記接合ロー
ル170と当てロール172間に通過される。この工程
により前記第1フィルム173と接着剤が塗布された前
記第2フィルム171とが前記接合ロール170と当て
ロール172とで押圧されて第1、第2のフィルム17
3、171が接着剤層を介して積層される。つづいて、
積層フィルム179が送りロール178、当てロール1
76を通して図示しない複数の熱風噴射部材に搬送され
て乾燥された後、更に巻取ロールに巻き取られる。
【0055】以上のような本実施例1の方法により図8
に示す構造の積層複合フィルムが製造される。すなわ
ち、図中の173は20〜30μmの貫通孔180が2
000個/cm2 の密度で多数かつ一様に穿孔された厚
さ20μmのAl合金からなる第1フィルムである。前
記第1フィルム173の片面には、ポリウレタン系接着
剤層181を介してPVCからなる厚さ30μmの第2
フィルム171が積層されている。前記接着剤層181
の一部は、前記第1フィルム173の多数の貫通孔18
0に埋設されている。
【0056】本実施例1により製造された積層複合フィ
ルムおよび貫通孔のないAl合金フィルムに実施例1と
同様な接着剤を用いてコロナ放電処理されたPVCフィ
ルムを積層した積層複合フィルム(比較例1)につい
て、それらフィルム間の接着強度を測定した。その結
果、比較例1の積層複合フィルムでは800g/30m
mであったのに対し、本実施例1の積層複合フィルムは
1200g/30mmを越える極めて高い接着強度を有
することが確認された。 実施例2
【0057】実施例1と同様な方法により穿孔、穿孔屑
の洗い流し、乾燥処理を施した第1フィルム173をラ
ミネート機構165に搬送し、接合ロール170と当て
ロール172間を通過させると同時に、前記接合ロール
170と塗布ロール169間を通過させて第1の槽16
7内の接着剤166が片面に塗布された厚さ30μmの
PVCからなる長尺の第2フィルム171を前記接合ロ
ール170と当てロール172間を通過させる。この工
程により前記第1フィルム173と接着剤が塗布された
前記第2フィルム171とが前記接合ロール170と当
てロール172で押圧されてそれら前記第1、第2のフ
ィルム173、171が接着剤層を介して積層される。
つづいて、積層フィルム179を送りロール178を通
して接合ロール175と当てロール177間を通過させ
ると同時に、前記接合ロール175と塗布ロール174
間を通過させて第2の槽168内のウレタン系接着剤1
66が片面に塗布された厚さ30μmのPVCからなる
長尺の別の第2フィルム176を前記接合ロール175
と当てロール177間に通過させる。この工程により前
記積層フィルム179と接着剤が塗布された前記第2フ
ィルム176とが前記接合ロール175と当てロール1
77で押圧されてそれらフィルム179、176が接着
剤層を介して積層される。その後、図示しない複数の熱
風噴射部材で乾燥した後、更に巻取ロールに巻き取る。
【0058】以上のような本実施例2の方法により図9
に示す構造の積層複合フィルムが製造される。すなわ
ち、図中の173は20〜30μmの貫通孔180が2
000個/cm2 の密度で多数かつ一様に穿孔された厚
さ20μmAl合金からなる第1フィルムである。前記
第1フィルム173の両面には、接着剤層181、18
2を介してPVCからなる厚さ30μmの第2フィルム
171、176がそれぞれ積層されている。前記接着剤
層181、182の一部は、前記第1フィルム173の
多数の貫通孔180に埋設されていると共に、それら貫
通孔内で互いに結合されている。
【0059】本実施例2により製造された積層複合フィ
ルムについて、中間のAl合金からなる第1フィルムに
対する両側のPVCからなる第2フィルムの接着強度を
測定した。その結果、本実施例2の積層複合フィルムは
1200g/30mmを越える前記実施例1の積層複合
フィルムよりさらに高い接着強度を有することが確認さ
れた。 実施例3
【0060】実施例1と同様な方法により作製された2
0〜30μmの微細寸法の貫通孔が2000個/cm2
の密度で多数かつ一様に穿孔された銅からなる多孔質の
第1フィルムの両面に、アクリル樹脂用溶剤(二塩化メ
チレン)型接着剤(アクリルサンデー社製商品名;アク
リルサンデー)を介して厚さ1mmのアクリル板(第2
フィルム)をそれぞれ積層して積層複合フィルムを製造
した。
【0061】本実施例3の積層複合フィルムおよび貫通
孔のない銅フィルム両面に実施例3と同様に接着剤を介
してアクリル板をそれぞれ積層した積層複合フィルム
(比較例3)について、中間の銅からなるフィルムに対
する両側のアクリル板の接着強度を測定した。その結
果、比較例3の積層複合フィルムでは200g/30m
mと殆ど接着されていないのに対し、本実施例3の積層
複合フィルムは2800g/30mmと極めて高い接着
強度を有することが確認された。 実施例4
【0062】実施例1と同様な方法により作製された2
0〜30μmの微細寸法の貫通孔が2000個/cm2
の密度で多数かつ一様に穿孔された銅からなる多孔質の
第1フィルムの両面に、東亜合成化学社製のアロンセラ
ミックス(接着剤)を均一に塗布した。また、厚さ1m
mのアルミナセラミックスシートの片面に前記アロンセ
ラミックスを均一に塗布した。つづいて、前記第1フィ
ルムの両面に前記アルミナセラミックスシートをそれら
シートの接着剤が前記第1フィルム側に位置するように
張り合わせ、それらを軽く押さえて8時間自然乾燥し
た。その後、約80℃で1時間加熱脱水した後、150
℃以上の温度で前記接着剤を加熱硬化させ、更に自然放
冷することにより積層複合フィルムを製造した。
【0063】本実施例4により製造された積層複合フィ
ルムおよび貫通孔が穿孔されていない銅フィルム両面に
実施例4と同様な方法によりアルミナセラミックスシー
トを接着した積層複合フィルム(比較例4)について、
銅のフィルムに対するアルミナセラミックスシートの接
着強度を測定した。その結果、比較例4の積層複合フィ
ルムは殆ど接着されていないのに対し、本実施例4の積
層複合フィルムは100kg/cm2 と極めて高い接着
強度を有することが確認された。 実施例5
【0064】前述した構成の積層複合フィルムの製造装
置における前記穿孔用ユニット129の第1、第3ロー
ル106、124間でAl−Mg合金からなる長尺フィ
ルムを穿孔し、得られた多孔質の第1フィルムの片面に
ポリエステルからなる第2フィルムを接着した積層複合
フィルムを製造する方法を図1〜図4および図6を参照
して説明する。
【0065】まず、前述した実施例1と同様に第1圧力
調節手段144の2つのハンドル143を例えば反時計
回り方向に回転させることにより、第2ロール117を
その上の第1ロール106から十分な間隔をあけて離な
し、かつ第2圧力調節手段159の2つのハンドル15
8を例えば時計回り方向に回転させることにより、第3
ロール124をその下の第1ロール106から十分な間
隔をあけて離なし、さらに巻回ロール(図示せず)から
厚さ20μmのAl−Mg系合金からなる長尺フィルム
160の先端を実施例1と同様に各部材を通過させて巻
取ロール(図示せず)に巻く。なお、前記長尺フィルム
160を前記第1、第2ロール106、117間を通過
させる場合には、図6に示すように前記長尺フィルム1
60が前記第1ロール106表面に接触させないようす
る。
【0066】次いで、前記長尺フィルム160の先端を
巻取ロールに巻き取った後、前記第2圧力調節手段15
9の2つのハンドル158を反時計回り方向に回転させ
ることにより、各円筒体147の下端に連結された各第
3ボックス123をスライダー121により各フレーム
103の各レール113に沿ってそれぞれ下降させ、前
記各第3ボックス123内の軸受122に軸支された第
3ロール124をその下の第1ロール106と当接させ
る。更に、前記各ハンドル158を同方向に回転させる
ことにより、各ロッド154下端の各センサ152によ
りその下の各コイルバネ152を圧縮させる。かかる前
記各コイルバネ152の圧縮により、前記各第3ボック
ス124の上壁に押圧力が付与され、前記第3ボックス
123内の軸受122に軸支された前記第3ロール12
4と前記第1ロール106間の押圧力が上昇する。この
際、前記各圧力センサ152により前記第3ロール12
4と前記第1ロール106間の押圧力(圧縮力)を検出
して、前記各ハンドル158を正逆方向に回転を調節す
ることにより、前記第3、第1のロール124、106
間に位置する前記長尺フィルム160への押圧力が調節
される。このような前記第2圧力調節手段159による
前記ユニット129への押圧調節により、前記第3、第
1のロール124、106間に位置する前記長尺フィル
ム160の幅方向全体に亘って均一な押圧力が付与さ
れ、穿孔操作の準備が完了する。
【0067】穿孔操作の準備が完了した後、前記穿孔屑
除去手段162の容器163に収容された純水に図示し
ない超音波発生部材により超音波を付与する。また、前
記ラミネート機構165の第1の槽167に実施例1と
同様なウレタン系接着剤166を収容する。つづいて、
前記巻取ロールを回転させると同時に、図示しないモー
タの駆動軸を回転させることにより、前記駆動軸の歯
車、前記第1ロール106における軸109の歯車11
1の回転伝達により前記第1ロール106が時計回り方
向に回転される。前記第1ロール106が回転すると、
前記軸109の歯車110と前記第3ロール124にお
ける軸127の歯車128の回転伝達により前記第3ロ
ール124が反時計回り方向に回転される。この場合、
前記第2ロール117は前記第1ロール106の上方に
十分離して配置されているため、前記第2ロール117
における軸119の歯車120と前記第1ロール106
における軸109の歯車110の噛合が解除され、前記
第2ロール117はモータの回転による駆動はなされれ
ず、フリーな回転となる。このように第1、第3のロー
ル106、124が回転されることにより、これらロー
ル106、124間を通過する前記長尺フィルム160
が穿孔される。
【0068】すなわち、前記第1ロール106は図2に
示すように鋭い角部を有する多数の合成ダイヤモンド粒
子107が表面に70%以上の面積率で電着された鉄製
のロール本体108を備えた構造になっていおり、かつ
前記第3ロール124は例えばウレタン樹脂などの高分
子樹脂層125が表面に被覆されたロール本体126を
備えた構造になっている。また、前記第2圧力調節手段
159による前記ユニット129への押圧調節により、
第1、第3のロール106、124間を通過する前記長
尺フィルム160の前記ロール106、124との接触
面全体に亘って均一な押圧力が付与される。このため、
前記Al合金からなる長尺フィルム160が前記第1、
第3のロール106、124間を通過する時に、前記第
1ロール106表面の多数の合成ダイヤモンド粒子10
7の鋭い角部による前記フィルム160への押圧力が前
記高分子樹脂層125で緩和されて喰い込み、前記Al
合金フィルム本来の特性を殆ど損なうことなく未貫通孔
が一様に穿設される。その結果、図10に示すように3
0〜40μmの微細寸法の未貫通孔183が2000個
/cm2 の密度で多数かつ一様に穿孔されたAl合金か
らなる多孔質の第1フィルム173が作製される。
【0069】次いで、前記ユニット129による穿孔が
なされた第1フィルム173を5つの送りロール161
および2つの当てロール164により前記穿孔屑除去手
段162の容器163内に通過、搬送する。前記ユニッ
ト129による前記長尺フィルム160への穿孔は、前
記第1、第2のロール106、117の摩擦を主体とし
たものであるため、穿孔処理後の前記第1フィルム17
3表面に穿孔屑等が付着される。穿孔処理後の前記第1
フィルム173を前記穿孔屑除去手段160の純水が収
容された容器163を通過させると共に、図示しない超
音波発生部材により前記純水に超音波を付与することに
より、前記第1フィルム173に付着した穿孔屑等を洗
い流す。つづいて、前記第1フィルム173を図示しな
い複数の熱風噴射部材に通過させて表面の水を揮散除去
する。
【0070】次いで、前記第1フィルム173がラミネ
ート機構165に搬送され、前記接合ロール170と当
てロール172間を通過すると同時に、前記接合ロール
170と塗布ロール169間を通過して第1の槽167
内の接着剤166が片面に塗布された厚さ12μmのポ
リエステルからなる長尺の第2フィルム171が前記接
合ロール170と当てロール172間に通過される。こ
の工程により前記第1フィルム173と該フィルム17
3の未貫通孔形成面側に接着剤を介して配置された前記
第2フィルム171とが前記接合ロール170と当てロ
ール172とで押圧されてそれらフィルム173、17
1が接着剤層を介して積層される。つづいて、積層フィ
ルム179が送りロール178、当てロール176を通
して図示しない複数の熱風噴射部材に搬送されて乾燥さ
れた後、更に巻取ロールに巻き取られる。
【0071】以上のような本実施例5の方法により図1
1に示す構造の積層複合フィルムが製造される。すなわ
ち、図中の173は30〜40μmの未貫通孔183が
2000個/cm2 の密度で多数かつ一様に穿孔された
厚さ20μmのAl合金からなる第1フィルムである。
前記第1フィルム173の未貫通孔183形成面には、
接着剤層184を介してポリエステルからなる厚さ12
μmの第2フィルム171が積層されている。前記接着
剤層184の一部は、前記第1フィルム173の多数の
未貫通孔183に埋没されている。
【0072】本実施例5により製造された積層複合フィ
ルムおよび貫通孔のないAl合金フィルムにウレタン系
接着剤を用いてコロナ放電処理された厚さ12μmのポ
リエステルフィルムを積層した積層複合フィルム(比較
例5)について、それらフィルム間の接着強度を測定し
た。その結果、比較例5の積層複合フィルムでは100
g/30mmと殆ど接着されなかったのに対し、本実施
例5の積層複合フィルムは800g/30mmと極めて
高い接着強度を有することが確認された。
【0073】なお、前記実施例1〜5では第1フィルム
としてAl−Mg系合金、銅を用いたが、真鍮箔などの
他の金属からなるものを用いても実施例1〜5と同様な
優れた接着性を有する積層複合フィルムを得ることがで
きる。
【0074】
【発明の効果】以上詳述し如く、本発明によれば各種の
金属からなるフィルムに対して前記フィルムと同種また
は異種の材料からなるフィルムが高強度で接着され、前
記金属フィルムを補強材、導電材とする包装分野、衣料
分野、電子機器分野、宇宙産業または海洋産業の分野に
有用な積層複合フィルム、並びにかかる積層複合フィル
ムを簡単かつ量産的に製造し得る方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いられる積層複合フィルム
の製造装置の主要部を示す正面図。
【図2】図1の製造装置の要部を示す側面図。
【図3】図2のIII −III 線に沿う断面図。
【図4】前記装置の後段にに組み込まれるラミネート機
構を示す概略図。
【図5】実施例1の製造工程を説明するための正面図。
【図6】実施例5の製造工程を説明するための正面図。
【図7】実施例1により作製された第1フィルムを示す
断面図。
【図8】実施例1により製造された積層複合フィルムを
示す断面図。
【図9】実施例2により製造された積層複合フィルムを
示す断面図。
【10】実施例5より作製された第1フィルムを示す断
面図。
【図11】実施例5により製造された積層複合フィルム
を示す断面図。
【符号の説明】
101…ベッド、102…テーブル、103…フレー
ム、105…第1ボックス、106…第1ロール、11
6…第2ボックス、117…第2ロール、123…第3
ボックス、124…第3ロール、129…穿孔用ユニッ
ト、132、147…円筒体、137、152…コイル
バネ、151、143、158、175…ハンドル、1
44、159…圧力調節手段、、160…長尺フィル
ム、162…穿孔屑除去手段、166…接着剤、16
7、168…槽、171、176…第2フィルム、17
3…第1フィルム、180…貫通孔、181、182、
184…接着剤層、183…未貫通孔。
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いられる積層複合フィルム
の製造装置の主要部を示す正面図。
【図2】図1の製造装置の要部を示す側面図。
【図3】図2のIII −III 線に沿う断面図。
【図4】前記装置の後段にに組み込まれるラミネート機
構を示す概略図。
【図5】実施例1の製造工程を説明するための正面図。
【図6】実施例5の製造工程を説明するための正面図。
【図7】実施例1により作製された第1フィルムを示す
断面図。
【図8】実施例1により製造された積層複合フィルムを
示す断面図。
【図9】実施例2により製造された積層複合フィルムを
示す断面図。
【図10】実施例5より作製された第1フィルムを示す
断面図。
【図11】実施例5により製造された積層複合フィルム
を示す断面図。
【符号の説明】 101…ベッド、102…テーブル、103…フレー
ム、105…第1ボックス、106…第1ロール、11
6…第2ボックス、117…第2ロール、123…第3
ボックス、124…第3ロール、129…穿孔用ユニッ
ト、132、147…円筒体、137、152…コイル
バネ、151、143、158、175…ハンドル、1
44、159…圧力調節手段、、160…長尺フィル
ム、162…穿孔屑除去手段、166…接着剤、16
7、168…槽、171、176…第2フィルム、17
3…第1フィルム、180…貫通孔、181、182、
184…接着剤層、183…未貫通孔。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細な貫通孔が500個/cm2 以上の
    密度で多数かつ一様に穿孔された金属からなる多孔質の
    第1フィルムと、 前記第1フィルムの片面もしくは両面に積層された第2
    フィルムと、 前記第1、第2のフィルム間に介在され、一部が前記第
    1フィルムの多数の貫通孔内に埋没された接着剤層と、
    を具備したことを特徴とする積層複合フィルム。
  2. 【請求項2】 鋭い角部を有する多数のモース硬度5以
    上の粒子が表面に付着された第1ロールと硬質材料から
    なる第2ロールとの間に長尺金属フィルムを通過させる
    と共に、前記各ロール間を通過する前記長尺金属フィル
    ムへの押圧力を前記各ロールと接触するフィルム面全体
    に亘って均一となるように調節することにより前記第1
    ロール表面の多数の粒子の鋭い角部で前記長尺金属フィ
    ルムに微細な貫通孔を500個/cm2 以上の密度で多
    数穿孔して金属からなる多孔質の第1フィルムを作製す
    る工程と、 前記第1フィルムの片面もしくは両面に第2フィルムを
    接着剤を介してラミネートする工程と、を具備したこと
    を特徴とする請求項1記載の積層複合フィルムの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 微細な未貫通孔が500個/cm2 以上
    の密度で多数かつ一様に穿孔された金属からなる多孔質
    の第1フィルムと、 前記多孔質金属フィルムの未貫通孔形成面に積層された
    第2フィルムと、 前記第1、第2のフィルムの間に介在され、一部が前記
    第1フィルムの多数の未貫通孔内に埋没された接着剤層
    と、を具備したことを特徴とする積層複合フィルム。
  4. 【請求項4】 鋭い角部を有する多数のモース硬度5以
    上の粒子が表面に付着された第1ロールと表面が軟質材
    料からなる第2ロールとの間に長尺金属フィルムを通過
    させると共に、前記各ロール間を通過する前記長尺金属
    フィルムへの押圧力を前記各ロールと接触するフィルム
    面全体に亘って均一となるように調節することにより前
    記第1ロール表面の多数の粒子の鋭い角部を前記長尺金
    属フィルムに喰い込ませて未貫通孔を500個/cm2
    以上の密度で多数かつ一様に穿孔し、金属からなる多孔
    質の第1フィルムを作製する工程と、 前記第1フィルムの未貫通孔形成面に第2フィルムを接
    着剤を介してラミネートする工程と、を具備したことを
    特徴とする請求項3記載の積層複合フィルムの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021528841A (ja) * 2018-06-29 2021-10-21 エルジー・ケム・リミテッド 電磁波遮蔽フィルム

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JPH01139530U (ja) * 1988-03-14 1989-09-25

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