JPH0676918A - コロナ放電用電極、コロナ放電処理装置および多孔質フィルムの製造装置 - Google Patents

コロナ放電用電極、コロナ放電処理装置および多孔質フィルムの製造装置

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JPH0676918A
JPH0676918A JP4174460A JP17446092A JPH0676918A JP H0676918 A JPH0676918 A JP H0676918A JP 4174460 A JP4174460 A JP 4174460A JP 17446092 A JP17446092 A JP 17446092A JP H0676918 A JPH0676918 A JP H0676918A
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corona discharge
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Abstract

(57)【要約】 【目的】長尺の各種有機系フィルム表面にその幅方向に
亘って一様かつ高エネルギーのコロナ放電処理を行うこ
とができ、その濡れ性を著しく改善することが可能なコ
ロナ放電処理装置を提供しようとするものである。 【構成】導電性を有するバー型電極本体6の放電面に鋭
い角部を有する多数の導電性粒子8を付着することによ
り形成されたコロナ放電用電極5と、前記電極5に対し
て所望の間隔をあけて配置され、表面に誘電体層3が被
覆された対向電極1と、前記コロナ放電用電極5と前記
対向電極1の間に長尺有機系フィルム12をそれら電極
5、1に対して所望のギャップをあけて供給するための
供給手段と、前記放電用電極5に高電圧を供給するため
の高電圧供給手段とを具備したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コロナ放電用電極およ
び前記放電用電極を備えたコロナ放電処理装置、多孔質
フィルムの製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】例えば、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムの表面に磁性膜などの各種の塗膜を形
成する場合には、前記フィルム表面の濡れ性を高めこと
が必要である。このような濡れ性を改善するためには、
例えば前記フィルム表面にコロナ処理を施すことが行わ
れている。
【0003】ところで、従来のコロナ処理装置は導電性
を有するバー型の放電用電極(例えば銅製電極)と、前
記電極に対して所望の距離をあけて配置された表面に誘
電体薄膜が被覆された対向電極と、前記放電用電極に高
電圧を供給するための高電圧供給源とを備えた構造のも
のが知られている。かかるコロナ処理装置において、前
記電極間に例えば長尺ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを前記各電極に対して所望のギャップをあけて供給
すると共に、高電圧供給源から前記放電用電極の所定の
高電圧を供給すると、前記放電用電極の放電面と前記対
向電極との間でコロナ放電を生じる。その結果、前記電
極間を通過する前記フィルムの前記放電用電極側の面に
コロナが照射されて表面が活性化されるため、その濡れ
性が改善される。
【0004】しかしながら、前述した従来のコロナ処理
装置ではコロナ放電のエネルギーを十分に高められない
ため前記電極間を通過するフィルムの濡れ性を十分に改
善することが困難になるという問題がある。本発明の目
的は、放電面から一様かつ高エネルギーのコロナ放電を
行うことが可能なコロナ放電用電極を提供しようとする
ものである。
【0005】本発明の別の目的は、長尺の各種フィルム
表面にその幅方向に亘って一様かつ高エネルギーのコロ
ナ放電処理を行うことが可能なコロナ処理装置を提供し
ようとするものである。
【0006】本発明のさらに別の目的は、長尺有機系フ
ィルムに対してそのフィルム材料本来の特性(例えば、
ソフト感、透明性、強度等)を殆ど損なうことなく、し
かも破断せずに連続的にサブμm〜十数μmの範囲で任
意に選択された微細寸法の多数の貫通孔を一様かつ高密
度(1cm2 当り5000個〜200000個)で形成
できる多孔質フィルムの製造装置を提供しようとするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるコロナ放
電用電極は、導電性の電極本体と、前記電極本体の放電
面に付着された鋭い角部を有する多数の導電性粒子とを
具備したことを特徴とするものである。前記電極本体
は、例えばバー型、円板型等任意な形状を有する。前記
電極本体は、例えば銅および銅合金、または鉄および鉄
合金等から形成される。
【0008】前記導電性粒子としてしは、例えばタング
テンカーバイトなどの超硬合金粒子、または炭化ケイ素
粒子、天然又は合成のダイヤモンド粒子等を挙げること
ができる。特に、合成ダイヤモンド粒子は低抵抗で硬
度、強度等が大きく、さらに粒径の揃ったものが入手で
きるために好適である。前記導電性粒子は、粒径が10
〜100μmで粒径のばらつきが5%以下のものを用い
ることが望ましい。
【0009】前記導電性粒子は、前記電極本体の放電面
に電着、または有機系もしくは無機系の結合剤により付
着させる。特に、導電性粒子として合成ダイヤモンド粒
子を用いた場合、前記合成ダイヤモンド粒子の前記電極
本体の放電面への付着力を向上するために電着を採用す
ることが望ましい。前記導電性粒子は、一様なコロナ放
電を行う観点から、前記電極本体の放電面に70%以上
付着させることが望ましい。
【0010】本発明に係わるコロナ放電処理装置は、導
電性を有するバー型電極本体の放電面に鋭い角部を有す
る多数の導電性粒子を付着することにより形成されたコ
ロナ放電用電極;前記電極に対して所望の間隔をあけて
配置され、表面に誘電体層が被覆された対向電極;前記
コロナ放電用電極と前記対向電極の間に長尺有機系フィ
ルムをそれら電極に対して所望のギッヤップをあけて供
給するための供給手段;前記放電用電極に高電圧を供給
するための高電圧供給手段;を具備したことを特徴とす
るものである。前記放電用電極は、前述したコロナ放電
用電極と同様な構成を有する。
【0011】前記対向電極は、電極本体およびその表面
に被覆された誘電体層とを備える。前記電極本体は、例
えば銅および銅合金、または鉄および鉄合金などの各種
の金属から形成される。前記誘電体材料としては、例え
ばシリコーンゴムまたはアルミナ、ジルコニア、ムライ
ト、窒化ケイ素などのセラミック等を用いることができ
る。前記誘電体層の厚さは、2〜5mm程度にすること
が望ましい。前記セラミック層を前記電極本体に被覆す
るには、例えば溶射法が採用され、前記電極本体に前記
セラミック層を溶射により被覆した後は、前記セラミッ
ク層表面をに研摩処理を施して平滑にすることが望まし
い。前記対向電極は、回転可能な導電性ロールと、前記
ロール表面に被覆された誘電体層とを備える構造にする
ことがより好ましい。
【0012】前記有機系フィルムとしては、例えばポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ
エチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ塩化
ビニル、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテ
ルケトン、エラストマー、ポリウレタン等からなる各種
高分子樹脂フィルム;発泡ポリエチレン、発泡ポリプロ
ピレンなどの各種の発泡高分子樹脂フィルム;発泡紙;
熱融着性樹脂フィルム;ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムとポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタ
レートフィルムとポリプロピレンフィルムとを積層した
ような材質の異なる高分子樹脂フィルムを2層または3
層積層した積層フィルム、高分子樹脂フィルムに織布ま
たは不織布を積層した積層フィルム、高分子樹脂フィル
ムに紙を積層した積層フィルムなどの各種の積層フィル
ム等を用いることができる。前記高電圧供給手段は、交
流高電圧供給源、直流高電圧供給源のいずれでもよい。
本発明に係わる多孔質フィルムの製造装置は、長尺有機
系フィルムを供給するための供給手段;
【0013】鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上
の粒子が表面に付着された回転可能な第1ロールと、前
記ロールに対して逆方向に回転可能な第2ロールとを備
え、前記第1、第2のロールを互いに対向して配置して
それらの間に前記長尺フィルムを通過させるようにする
と共に、前記各ロールをそれらの配列方向に移動自在に
配置した穿孔用ユニット;
【0014】前記ユニットの前記各ロールのうちのいす
れか一方のロールの両端部付近に設けられ、前記各ロー
ルによる前記フィルムへの押圧力を調節するための圧力
調節手段;
【0015】前記ユニットの後段に配置され、高電圧が
供給される導電性を有するバー型電極本体の放電面に鋭
い角部を有する多数の導電性粒子を付着することにより
形成されたコロナ放電用電極と、前記電極に対して所望
の間隔をあけて配置され、表面に誘電体層が被覆された
対向電極とを備え、前記ユニットから搬送されたフィル
ムにコロナを照射するためのコロナ放電処理手段;を具
備したことを特徴とするものである。
【0016】前記有機系フィルムとしては、例えばポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ
エチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ塩化
ビニル、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテ
ルケトン、エラストマー、ポリウレタン等からなる各種
高分子樹脂フィルム;発泡ポリエチレン、発泡ポリプロ
ピレンなどの各種の発泡高分子樹脂フィルム;発泡紙;
熱融着性樹脂フィルム;高分子材料にシリカ粉末、カー
ボン粉末、アルミナ粉末等の無機質粉末を混合させた複
合フィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルムとポ
リエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムとポリプロピレンフィルムとを積層したような材質
の異なる高分子樹脂フィルムを2層または3層積層した
積層フィルム、高分子樹脂フィルムに織布または不織布
を積層した積層フィルム、高分子樹脂フィルムに紙を積
層した積層フィルムなどの各種の積層フィルム等を用い
ることができる。前記有機系フィルムは、例えば厚さ5
μm〜3mmのものが用いられる。
【0017】前記長尺フィルムを供給するための供給手
段としては、例えば前記各種のフィルムを巻装したロー
ルを用いることができる。また、前記長尺フィルムが高
分子材料からなる場合には前記供給手段としてインフレ
ーション法によるフィルム製造機、またはキャスティン
グ法によるフィルム製造機を用いることができる。
【0018】前記第1ロールは、金属製ロール本体の表
面に鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上の粒子を
電着、または有機系もしくは無機系の結合剤により付着
させた構造を有する。前記モース硬度5以上の粒子とし
ては、例えばタングテンカーバイトなどの超硬合金粒
子、または炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子、サファイ
ア粒子、立方晶窒化ホウ素(CBN)粒子、天然又は合
成のダイヤモンド粒子等を挙げることができる。特に、
合成ダイヤモンド粒子は硬度、強度等が非常に大きく、
優れた耐久性を有し、さらに粒径の揃ったものを容易に
入手できるために好適である。前記合成ダイヤモンド粒
子は、前記金属製ロール本体に強固に付着させる観点か
ら電着により前記ロール本体に付着させることが望まし
い。前記粒子は、粒径が10〜100μmで粒径のばら
つきが5%以下のものを用いることが望ましい。前記多
数の粒子は、前記長尺有機系フィルムに貫通孔を高密度
で形成する観点から、前記ロール本体表面に70%以上
付着させることが望ましい。
【0019】前記第2ロールとしては、例えば鉄ロー
ル、鉄系合金ロール、表面にNiメッキ処理、Crメッ
キを施した鉄ロール等の表面が硬質のロール;金属製ロ
ール本体の表面に高分子樹脂層を被覆したもの、真鍮、
アルミニウム、銅からなるロール等の表面が軟質のロー
ル;を用いることができる。前記高分子樹脂としては、
各種の樹脂を用いることができるが、特に前記長尺フィ
ルムに対する緩衝作用の高いウレタン樹脂、シリコンゴ
ム等が好適である。
【0020】前記穿孔用ユニットは、前記第1、第2の
ロールと、これらロールの中心を貫通して挿着された軸
と、前記各軸の両端付近を軸支する軸受が内蔵されたボ
ックスとから構成することが望ましい。
【0021】前記穿孔用ユニットを構成する前記第1、
第2のロールは、横方向に並べて配置しても、上下に並
べて配置してもよい。また、前記第1、第2のロールは
例えば前記第1ロールを固定し、前記第1ロールの上方
に前記第2ロールを移動自在に配置する形態を採用する
ことができる。かかる第1、第2のロールの配置形態を
採用した場合には、前記圧力調節手段は前記上部側の第
2ロールの両端付近上面に設けられることになる。
【0022】前記穿孔用ユニットは、前記第1ロールを
中心にして前記第2ロールの反対側にさらに前記第1ロ
ールに対して逆方向に回転可能な第3ロールが配置され
ることを許容する。このような第3ロールは、前記ロー
ルの中心に軸を貫通して挿着し、かつ前記軸の両端付近
に前記軸を軸支する軸受が内蔵されたボックスを配置し
た構成することが望ましい。
【0023】前記圧力調節手段は、前記第1、第2のロ
ールのいずれか一方のロールの前記軸の両端部付近に配
置された前記ボックスを他方のロールに向けて押圧する
ためのスプリング等の圧縮部材を備える構造とすること
が望ましい。前記第3ロールをさらに配置する場合に
は、前記第3ロールの軸の両端部付近に配置された前記
ボックスを前記第1ロールに向けて押圧するためのスプ
リング等の圧縮部材を備える構造とすることが望まし
い。前記圧力調節手段が設けられた前記穿孔用ユニット
は、前記長尺フィルムの搬送方向に2つ、または3つ以
上配列することを許容する。前記コロナ処理手段を構成
する放電用電極および対向電極は、前述したコロナ処理
装置と同様な構造のものが用いられる。
【0024】前記対向電極と前記長尺有機系フィルムと
のギャップは、1〜5mmの範囲にすることが望まし
い。この理由は、前記ギャップが前記範囲を逸脱すると
前記放電用電極と前記対向電極との間に高電圧を加えた
場合、前記穿孔用ユニットで予め前記長尺有機系フィル
ムに穿孔された未貫通孔に充分なパワーのコロナを照射
することが困難となるからである。前記放電用電極に供
給される高電圧は、交流高電圧、直流高電圧のいずれで
もよい。
【0025】前記コロナ処理手段の後段には、静電除去
手段が配置されることを許容する。かかる静電除去手段
としては、例えば純水を収容した容器と前記純水に超音
波を付与する超音波発生部材とから構成される。
【0026】
【作用】本発明に係わるコロナ放電用電極によれば、導
電性の電極本体と、前記電極本体の放電面に付着された
鋭い角部を有する多数の導電性粒子とを具備することに
よって、前記電極本体に高電圧を供給することにより前
記電極本体と所定の距離あけて配置された対向電極に前
記多数の導電性粒子の鋭い角部からコロナを放電でき
る。その結果、高エネルギーのコロナを放電できる。
【0027】本発明に係わるコロナ放電処理装置によれ
ば、導電性を有するバー型電極本体の放電面に鋭い角部
を有する多数の導電性粒子を付着することにより形成さ
れたコロナ放電用電極と、前記電極に対して所望の間隔
をあけて配置され、表面に誘電体層が被覆された対向電
極と、前記コロナ放電用電極と前記対向電極の間に長尺
有機系フィルムをそれら電極に対して所望のギャップを
あけて供給するための供給手段と、前記放電用電極に高
電圧を供給するための高電圧供給手段とを具備する。こ
のような構成において、前記コロナ放電用電極に前記電
源から高電圧を供給すると、前記放電用電極の前記多数
の導電性粒子の鋭い角部において電界が大きくなり、放
電の集中(周辺効果)によりそれらの角部から高エネル
ギーのコロナをそれぞれ前記対向電極に向けて放電でき
る。このため、前記各電極間に前記供給手段から長尺有
機系フィルムを供給すると、前記放電用電極側の前記フ
ィルム面が前記コロナで処理される。その結果、従来の
金属単体からなるバー型放電用電極を用いるコロナ放電
処理装置に比べて前記フィルムの表面の濡れ性を大幅に
向上できる。したがって、前記コロナ処理された長尺有
機系フィルムのコロナ処理面に磁性塗料等の塗膜を形成
する場合、前記塗膜を前記フィルム表面に強固に密着す
ることができる。
【0028】本発明に係わる多孔質フィルムの製造装置
によれば、長尺有機系フィルムを供給するための供給手
段;鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上の粒子が
表面に付着された回転可能な第1ロールと、前記ロール
に対して逆方向に回転可能な第2ロールとを備え、前記
第1、第2のロールを互いに対向して配置してそれらの
間に前記長尺フィルムを通過させるようにすると共に、
前記各ロールをそれらの配列方向に移動自在に配置した
穿孔用ユニット;前記ユニットの前記各ロールのうちの
いすれか一方のロールの両端部付近に設けられ、前記各
ロールによる前記フィルムへの押圧力を調節するための
圧力調節手段;前記ユニットの後段に配置され、高電圧
が供給される導電性を有するバー型電極本体の放電面に
鋭い角部を有する多数の導電性粒子を付着することによ
り形成されたコロナ放電用電極と、前記電極に対して所
望の間隔をあけて配置され、表面に誘電体層が被覆され
た対向電極とを備え、前記ユニットから搬送されたフィ
ルムにコロナを照射するためのコロナ放電処理手段;を
具備することによって、長尺有機系フィルムに対してそ
のフィルム材料本来の特性(例えば、ソフト感、透明
性、強度等)を殆ど損なうことなく、しかも破断せずに
連続的にサブμm〜十数μmの範囲で任意に選択された
微細寸法の多数の貫通孔を一様かつ高密度(1cm2
り5000個〜200000個)で形成できる。
【0029】すなわち、前記穿孔用ユニットを構成する
金属からなる第2ロールや表面が高分子樹脂層で覆われ
た第2ロールは、現在の機械加工技術において数μmな
いしサブμmの精度で加工することが可能である。しか
しながら、前記ユニットを構成する多数のモース硬度5
以上の粒子(例えば合成ダイヤモンド粒子)が表面に付
着された第1ロールでは、前記粒子を付着させた後、研
磨仕上げを行ってもその表面精度は数十μmが限界であ
る。かかる表面仕上げ精度の第1ロールおよび前記第2
ロールを組み込んだ穿孔用ユニットを用い、前記各ロー
ル間に長尺有機系フィルムを通すと、ロールと接触する
前記フィルムの幅方向全体に亘って均一に押圧すること
が困難となる。従って、前記ユニットを用いて長尺フィ
ルムの穿孔を行うと次のような問題を生じる。
【0030】(1)前記第のロールの変位に起因して長
尺有機系フィルムへの押圧が不十分な部分が生じるた
め、部分的に穿孔されない箇所が生じて貫通孔等を一様
に形成することが困難となる。
【0031】(2)前記第1ロールの変位に起因して第
1、第2のロールの回転が間欠的となり、円滑なロール
の回転が阻害される。その結果、前記フィルムの全面に
亘って皺が発生する。
【0032】(3)前記フィルムに厚さのばらつきがあ
ると、前記ロール間を通過する過程で断線を生じる。そ
の結果、長尺有機系フィルムに貫通孔を連続的に形成す
ることが困難となる。
【0033】このようなことから、本発明は前記穿孔用
ユニットを構成する多数のモース硬度5以上の粒子が表
面に付着された第1ロール、表面が平滑な第2ロールの
うち移動自在に配置されるロールの両端部付近に圧力調
節手段を設けることによって、表面精度が数十μmであ
る前記第1ロールを組み込んでも互いに逆方向に回転す
る前記各ロール間を通過する前記長尺有機系フィルムへ
の押圧力を調節できる。つまり、前記ロール間を通過す
る長尺有機系フィルムへの押圧力を前記フィルムの幅方
向全体に均一化できる。また、前記フィルムの通過に伴
う前記各ロール間の振動、衝撃などの動的外力を吸収、
緩和して前記ロールを円滑かつ連続的に回転できる。従
って、次のような効果を発揮できる。
【0034】(1)互いに逆方向に回転する前記第1、
第2のロール間に長尺有機系フィルムを通過させる際、
前記各ロールによる前記フィルムへの押圧力をその幅方
向全体に亘って均一にできるため、前記フィルムに貫通
孔等を一様かつ高密度で形成することができる。しか
も、前記穿孔操作は前記第1ロール表面に付着された鋭
い角部を有する多数のモース硬度5以上の粒子による機
械的な力によりなされるため、前記フィルム材料本来の
特性を殆ど損なうことなくを、前記フィルムにサブμm
〜十数μmの範囲で任意に選択された微細寸法の多数の
均一な貫通孔または未貫通孔を形成できる。
【0035】(2)前記第1、第2のロールの回転を円
滑化できるため、前記長尺有機系フィルムに皺が発生す
ることなく穿孔することができる。しかも、前記各ロー
ルの高速回転が可能となるため、前記フィルムへの穿孔
処理能力を大幅に向上できる。
【0036】(3)前記長尺有機系フィルムに厚さのば
らつきがあっても、前記ロール間を通過する過程で破断
することなく、長尺有機系フィルムに貫通孔または未貫
通孔を連続的に穿孔することができる。
【0037】前記ユニットによる穿孔操作により前記長
尺有機系フィルムに多数の貫通孔を形成する場合、前記
フィルムに未貫通孔が形成されることがある。かかる穿
孔操作後の前記フィルムを前記コロナ放電処理手段のコ
ロナ放電用電極と対向電極の間に通過させると共に前記
放電用電極に高電圧(例えば交流高電圧)を供給するこ
とによって、前記放電用電極の放電面に付着した多数の
導電性粒子(例えば合成ダイヤモンド粒子)の鋭い角部
において電界が大きくなり、放電の集中(周辺効果)に
よりそれらの角部から高エネルギーのコロナを放出する
ことができる。その結果、前記電極間を通過する前記フ
ィルムにコロナを照射でき、前記未貫通孔の未貫通部
(残存薄膜部)をコロナで穿孔できるため、前記フィル
ムの孔全てを貫通孔とすることができる。
【0038】一方、前記長尺有機系フィルムに前記ユニ
ットにより未貫通孔を形成すると、貫通孔を形成する場
合に比べて未貫通孔周囲のフィルムへの機械的破損等を
抑制することができる。かかる穿孔操作後の前記フィル
ムに前記コロナ放電処理手段によりコロナを照射するこ
とによって、前記多数の未貫通孔の未貫通部がコロナで
穿孔されるため、多数の貫通孔をその周囲のフィルム部
分への機械的な強度低下を招くことなく、より一様かつ
高密度で形成できる。
【0039】以上のような製造装置により長尺有機系フ
ィルムにサブμm〜十数μmの範囲で任意に選択された
微細寸法を有する多数の均一な貫通孔を一様かつ高密度
(1cm2 当り5000〜200000個)で形成する
ことによって、透湿性、通気性を有する多孔質フィルム
を製造することができる。このような多孔質フィルム
は、好適な透湿性、通気性を有し、使い捨て紙おむつに
代表される衛生材料、医療材料、衣料材料等の素材とし
て利用することができる。
【0040】また、前記長尺有機系フィルムの供給手段
としてインフレーション法によるフィルム製造機、また
はキャスティング法によるフィルム製造機を用いること
によって、高分子材料の原料から高分子材料からなる多
孔質フィルムを一貫して、つまりインラインで製造する
ことが可能となる。
【0041】さらに、前記コロナ放電処理手段を付設し
た製造装置は摩擦を主体とした穿孔用ユニットにより前
記長尺有機系フィルムに未貫通孔等を形成する時、更に
コロナ放電時に前記フィルム表面には大量の静電気が発
生し、周囲のダストを付着させる。このようなことか
ら、前記コロナ放電処理手段の後段に静電除去手段を設
けることによって、前記穿孔処理後の長尺有機系フィル
ム表面に生じる大量の静電気を除去でき、前記フィルム
表面にダストが付着して容易に除去できる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 実施例1 図1は本発明に係わるコロナ放電処理装置を示す斜視
図、図2は図1のII−II線に沿う断面図である。
【0043】対向電極1は、例えば鉄製のロール本体2
と、前記ロール本体2の表面に被覆した例えばアルミナ
からなる誘電体層3と、前記ロール本体2の中心を貫通
し、前記本体2の両端から突出するように設けられた軸
4とから構成されている。前記対向電極1は、その両端
に突出した軸4が図示しない駆動源により後述する長尺
有機系フィルムの供給速度と同期して回転され、かつ図
示しない昇降部材により上下動できるようになってい
る。
【0044】コロナ放電用電極5は、前記対向電極1の
上方に所定の距離をあけて配置されている。前記放電用
電極5は、例えば下面(放電面)にニッケルめっき層
(図示せず)が被覆された銅からなるバー型電極本体6
と、前記電極本体6の下面のニッケルめっき層に電着層
7を介して接着された鋭い角部を有する多数の導電性粒
子である合成ダイヤモンド粒子8とから構成されてい
る。前記合成ダイヤモンド粒子8は、例えば50〜60
μmの粒径を有し、前記電極本体6の下面に70%以上
の面積率で接着されている。
【0045】2つの高電圧供給端子9は、前記バー型電
極本体6の両端付近を挟持して前記電極本体6を支持し
ている。金属製ロッド10は、その下端が前記各供給端
子10にそれぞれ取着され、かつ前記金属ロッド10の
他端は例えば図示しない高圧トランスおよび交流電源に
接続されている。碍子11は、前記供給端子10近傍の
前記金属ロッド10部分にそれぞれ嵌合されている。長
尺有機系フィルム(例えば長尺ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム;PETフィルム)12は、図示しないフ
ィルム供給ロールから前記放電用電極5と前記対向電極
1の間に供給される。
【0046】このような構成によれば、対向電極1を昇
降部材(図示せず)によりコロナ放電用電極5との距離
を調節した後、前記対向電極1を図示しない駆動源によ
り後述する長尺PETフィルムの供給速度と同期して回
転させながら、前記交流電源および高圧トランス(いず
れも図示せず)から例えば8〜10kVの交流高電圧を
それぞれ2本の金属ロッド10および供給端子9を通し
てコロナ放電用電極5のバー型電極本体6に供給する
と、前記バー型電極本体6の放電面に電着層7を介して
鋭い角部を有する多数のダイヤモンド粒子8の付着さ
れ、かつ前記対向電極1の表面に例えばアルミナからな
る誘電体層3が被覆されているため、図3に示すように
前記バー型電極本体6の放電面に電着層7を介して付着
された多数のダイヤモンド粒子8の鋭い角部からコロナ
13がそれぞれ対向電極1に向けて一様に放電される。
前記コロナ13は、前記多数のダイヤモンド粒子8の鋭
い角部において電界が大きくなり放電の集中(周辺効
果)によりこれら角部から放電されるため、そのエネル
ギーは従来のコロナ放電処理装置の金属単体からなるバ
ー型電極本体から放電されるコロナに比べて著しく高め
られる。
【0047】前記コロナ放電が安定した状態で、図示し
ないフィルム供給ロールから長尺PETフィルム12を
前記放電用電極5と前記対向電極1の間にそれら電極
5、1と所望のギャップをあけて供給すると、前記放電
用電極5側の前記長尺PETフィルム12の面に高エネ
ルギーのコロナ13が一様に照射される。その結果、前
記長尺PETフィルム12面がコロナ処理され、濡れ正
が著しく改善される。
【0048】事実、本実施例1によりコロナ処理された
PETフィルムと従来の金属単体からなるバー型電極本
体を有するコロナ放電用電極を備えたコロナ放電処理装
置によりココロナ処理されたPETフィルムの濡れ張力
を調べた。その結果、本実施例1のコロナ放電処理装置
でコロナ処理されたPETフィルムの濡れ張力は40d
yne/cm以上であるのに対し、従来のコロナ放電処
理装置でコロナ処理されたPETフィルムの濡れ張力は
35dyne/cmであり、本発明のコロナ放電処理装
置でコロナ処理されたPETフィルムは濡れ性が著しく
改善されことが確認された。
【0049】また、前記対向電極1の回転速度を前記長
尺PETフィルム12の供給速度と同期させることによ
って、前記コロナ13が前記対向電極1表面の誘電体層
3の同一箇所に照射されるのを回避できため、前記誘電
体層3のコロナ破壊を抑制して装置の長寿命化を図るこ
とができる。 実施例2
【0050】図4は、実施例2の多孔質フィルムの製造
装置を示す正面図、図5は図4の製造装置の要部を示す
側面図、図6は図5のVI−VI線に沿う断面図である。図
中の101は、ベッドである。前記ベッド101の右端
付近を除く上面には、テーブル102が設けられてい
る。前記テーブル102上には、2つのカギ型のフレー
ム103が前記テーブル102の幅方向にそれぞれ所定
の間隔をあけて設置されている。前記フレーム103
は、下板103a、側板103b及び上板103cから
形成されでいる。前記各フレーム103の側板103b
の中間付近には、軸受104を内蔵した第1ボックス1
05がそれぞれ固定されている。前記各フレーム103
間には、第1ロール106が配置されている。前記第1
ロール106は、図5に示すように例えば70〜85μ
mの粒径で鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上の
粒子(例えば合成ダイヤモンド粒子)107が表面に7
0%以上の面積率で電着された鉄製のロール本体108
と、前記本体108の中心を貫通して前記本体108の
両端面から突出された軸109とから構成されている。
前記軸109の突出した両端部は、前記第1ボックス1
05内の軸受104にそれぞれ軸支されている。前記第
1ロール106の一端側(例えば左端側)の軸109
は、前記ボックス105を貫通しており、かつ前記軸1
09の突出部分には図示しないモータの駆動軸の歯車と
噛合する歯車111が軸着されている。従って、前記モ
ータの駆動により前記第1ロール106が例えば時計回
り方向に回転されるようになっている。また、前記歯車
111と前記ボックス105の左側面の間に位置する前
記軸109の突出部分には、歯車110が軸着されてい
る。
【0051】前記第1ボックス105の下方および上方
に位置する前記各フレーム103の側板103b部分に
は、レール112、113がそれぞれ形成されている。
前記下方の各レール112には、図6に示すようにスラ
イダー114(他方のスライダーは図示せず)が上下動
自在にそれぞれ配置されている。前記各スライダー11
4には、軸受115を内蔵した第2ボックス116がそ
れぞれ固定され、前記レール112に沿って上下動でき
るようになっている。また、前記各フレーム103間に
は第2ロール117が前記第1ロール106の下方に位
置するように対向して配置されている。前記第2ロール
117は、例えばステンレスからなる表面が硬質のロー
ル本体118と、前記本体118の中心を貫通して前記
本体118の両端面から突出された軸119とから構成
されている。前記軸119の突出した両端部は、前記第
2ボックス116内の軸受115にそれぞれ軸支されて
いる。前記第2ロール117の一端側(例えば左端側)
の軸119部分は、前記第2ボックス116を貫通して
突出しており、かつ前記軸119の突出部分には前記第
1ロール106の軸109の歯車110と噛合する歯車
120が軸着されている。従って、前記第2ロール11
7は前記第2ボックス116及び前記スライダー114
により前記レール112に沿って上下動自在に配置され
る。また、前記モータにより前記第1ロール106の軸
109を時計回り方向に回転することによって、前記軸
109の歯車110と噛合する前記歯車120を有する
前記軸119が反時計回り方向に回転し、結果的には前
記第2ロール117が反時計回り方向に回転するように
なっている。
【0052】前記上方の各レール113には、図6に示
すようにスライダー121(他方のスライダーは図示せ
ず)が上下動自在にそれぞれ配置されている。前記各ス
ライダー121には、軸受122を内蔵した第3ボック
ス123がそれぞれ固定され、前記レール113に沿っ
て上下動できるようになっている。また、前記各フレー
ム103間には第3ロール124が前記第1ロール10
6の上方に位置するように対向して配置されている。前
記第3ロール124は、例えばウレタン樹脂などの高分
子樹脂層125が表面に被覆された鉄製のロール本体1
26と、前記本体126の中心を貫通して前記本体12
6の両端面から突出された軸127とから構成されてい
る。前記軸127の突出した両端部は、前記第3ボック
ス123内の軸受122にそれぞれ軸支されている。前
記第3ロール124の一端側(例えば左端側)の軸12
7部分は、前記第3ボックス123を貫通して突出して
おり、かつ前記軸127の突出部分には前記第1ロール
106の軸109の歯車110と噛合する歯車128が
軸着されている。従って、前記第3ロール124は前記
第3ボックス123及び前記スライダー121により前
記レール113に沿って上下動自在に配置される。ま
た、前記モータにより前記第1ロール106の軸109
を時計回り方向に回転することによって、前記軸109
の歯車110と噛合する前記歯車128を有する前記軸
127が反時計回り方向に回転し、結果的には前記第3
ロール124が反時計回り方向に回転するようになって
いる。
【0053】前記2つのフレーム103、前記2つの第
1ボックス105、前記第1ロール106、前記2つの
各スライダー112、113、前記2つの第2ボックス
116、前記第2ロール117、前記2つの第3ボック
ス123、前記第3ロール124により穿孔用ユニット
129を構成している。
【0054】前記2つの第2ボックス116の下壁に
は、上下にフランジ130、131を有する円筒体13
2がそれぞれ配置されている。前記各円筒体132は、
図8に示すように前記上部フランジ130から前記第2
ボックス116の下壁に螺着された複数のネジ133に
より前記第2ボックス116にそれぞれ固定されてい
る。前記各円筒体132の下部フランジ131には、中
央に穴134を有する円板135がそれぞれ配置され、
かつ前記各円板135は前記各円板135から前記下部
フランジ131に螺着された複数のネジ136によりそ
れぞれ固定されている。前記各円筒体132内には、コ
イルバネ137がそれぞれ上下方向に弾性力を付与する
ように収納されている。前記各円筒体132内には、上
端に圧力センサ138を取着したロッド139がそれぞ
れ前記円板135の穴134を通して挿入されている。
前記各圧力センサ138は、前記各コイルバネ137の
下端に当接され、前記各ロッド139の上昇による前記
コイルスバネ137への押圧力を検出できるようになっ
ている。前記各センサ138下方の前記ロッド139部
分には、前記ロッド139を円滑に上下動させるための
円板状ガイド140がそれぞれ取り付けられている。前
記各ロッド139の下端部には、ボールスクリュー14
1それぞれ挿着されている。前記各ボールスクリュー1
41は、前記フレーム103の下板103aを貫通して
前記ベッド102の窪み部(図示せず)にそれぞれ突出
している。前記窪み部内には、ネジ加工された係合板
(図示せず)を内蔵したケーシング(他方のケーシング
は図示せず)142がそれぞれ設けられている。前記各
ケーシング142内の前記係合板には、前記ボールスク
リュー141の下端突出部が螺合されている。前記各ケ
ーシング142内には、前記ボールスクリュー141の
下端突出部と係合するウォーム軸(図示せず)が水平方
向からそれぞれ挿入され、かつ前記各ウォーム軸の一端
にハンドル(他方のハンドルは図示せず)143がそれ
ぞれ設けられている。従って、前記ハンドル143を回
転することにより前記ハンドル143のウォーム軸と係
合する前記ボールスクリュー141が回転し、前記ボー
ルスクリュー141が挿着された前記ロッド139を上
昇(または下降)するようになっている。この場合、前
記ロッド139をある距離以上に下降させると、前記ロ
ッド139に取り付けられた前記円板状ガイド140が
前記円筒体132下部の円板135内面に当接して前記
円筒体132自体を下降させる。このため、前記円筒体
132の上端に固定された前記第2ボックス116が前
記スライダー114により前記レール下方の112に沿
って下降される。
【0055】前記2つの円筒体132、前記2つの円板
135、前記2つのコイルバネ137、前記2つの圧力
センサ138、前記2つのロッド139、前記2つの円
板状カイド140、前記2つのボールスクリュー14
1、前記2つのケーシング142、前記2つのウォーム
軸(図示せず)および前記2つのハンドル143により
前記第1、第2ロール106、117間を通過するフィ
ルムへの押圧力を調節する第1圧力調節手段144を構
成している。
【0056】前記2つの第3ボックス123の上壁に
は、上下にフランジ145、146を有する円筒体14
7がそれぞれ配置されている。前記各円筒体147は、
図8に示すように前記下部フランジ146から前記第3
ボックス123の上壁に螺着された複数のネジ148に
より前記第3ボックス123にそれぞれ固定されてい
る。前記各円筒体147の上部フランジ145には、中
央に穴149を有する円板150がそれぞれ配置され、
かつ前記各円板150は前記各円板150から前記上部
フランジ145に螺着された複数のネジ151によりそ
れぞれ固定されている。前記各円筒体147内には、コ
イルバネ152がそれぞれ上下方向に弾性力を付与する
ように収納されており、かつ前記各コイルバネ152の
下端は前記第3ボックス123の上壁にそれぞれ当接さ
れている。前記各円筒体147内には、下端に圧力セン
サ153を取着したロッド154がそれぞれ前記円板1
50の穴149を通して挿入されている。前記各圧力セ
ンサ153は、前記各コイルバネ152の上端に当接さ
れ、前記各ロッド154の下降によるコイルバネ152
への押圧力を検出できるようになっている。前記各セン
サ153上方の前記ロッド154部分には、前記ロッド
154を円滑に上下動させるための円板状ガイド155
がそれぞれ取り付けられている。前記各ロッド154の
上端部には、ボールスクリュー156がそれぞれ挿着さ
れている。前記各ボールスクリュー156は、前記フレ
ーム103の上板103cを貫通して前記上板103c
の上方にそれぞれ突出している。前記各上板103cの
上面には、ネジ加工された係合板(図示せず)を内蔵し
たケーシング(他方のケーシングは図示せず)157が
それぞれ設けられている。前記各ケーシング157内の
前記係合板には、前記ボールスクリュー156の上端突
出部が螺合されている。前記各ケーシング157内に
は、前記ボールスクリュー156の上端突出部と係合す
るウォーム軸(図示せず)が水平方向からそれぞれ挿入
され、かつ前記各ウォーム軸の一端にハンドル(他方の
ハンドルは図示せず)158がそれぞれ設けられてい
る。従って、前記ハンドル158を回転することにより
前記ハンドル158のウォーム軸と係合する前記ボール
スクリュー156が回転し、前記ボールスクリュー15
6が挿着された前記ロッド154を下降(または上昇)
するようになっている。この場合、前記ロッド154を
ある距離以上に上昇させると、前記ロッド154に取り
付けられた前記円板状ガイド155が前記円筒体147
上部の円板150内面に当接して前記円筒体147自体
を上昇させる。このため、前記円筒体147の下端に固
定された前記第3ボックス123が前記スライダー12
1により前記レール113に沿って上昇される。
【0057】前記2つの円筒体147、前記2つの円板
150、前記2つのコイルバネ152、前記2つの圧力
センサ153、前記2つのロッド154、前記2つの円
板状カイド155、前記2つのボールスクリュー15
6、前記2つのケーシング157、前記2つのウォーム
軸(図示せず)および前記2つのハンドル158により
前記第1、第3ロール106、124間を通過するフィ
ルムへの押圧力を調節する第2圧力調節手段159を構
成している。
【0058】前記穿孔用ユニット129の前段には、長
尺有機系フィルムの供給ロール(図示せず)が配置さ
れ、前記供給ロールの長尺有機系フィルム160は2つ
の送りロール161を経由して前記ユニット129の前
記第1、第2のロール106、117間および第1、第
3のロール106、124間に供給される。前記ユニッ
ト129の後段には、コロナ放電処理機構162が配置
されている。前記コロナ放電処理機構162は、対向電
極163を備えている。前記対向電極163は、図7に
示すように例えば鉄製のロール本体164と、前記ロー
ル本体164の表面に被覆した例えばアルミナからなる
誘電体層165と、前記ロール本体164の中心を貫通
し、前記本体164の両端から突出するように設けられ
た軸166とから構成されている。前記対向電極163
の両端に突出した軸166は、それぞれ互いに底板で一
体化された2つの軸受ボックス(他方の軸受ボックスは
図示せず)167に軸支されている。前記軸167は、
図示しない駆動源により回転されるようになっている。
前記軸167の回転速度は、前記長尺有機系フィルム1
60の供給速度に同期するように調節されている。前記
底板中央の下面には、ボールスクリュー168が取り付
けられている。前記ボールスクリュー168は、前記テ
ーブル102の窪み部(図示せず)内に突出している。
なお、図中の169は前記フレーム103の下板103
aからの延出部である。前記窪み内には、ネジ加工され
た係合板(図示せず)を内蔵したケーシング170が設
けられている。前記ケーシング170内の前記係合板に
は、前記ボールスクリュー168の下端突出部が螺合さ
れている。前記ケーシング170内には、前記ボールス
クリュー168の下端突出部と係合するウォーム軸(図
示せず)が水平方向から挿入され、かつ前記ウォーム軸
の一端にハンドル171が設けられている。従って、前
記ハンドル171を回転することにより前記ハンドル1
71のウォーム軸と係合する前記ボールスクリュー16
8が回転し、前記ボールスクリュー168が取着された
前記軸受ボックス167を下降(または上昇)させて前
記ボックス167に軸支された前記対向電極163が送
りロール161間を搬送される前記長尺有機系フィルム
160と所望のギャップをあけて位置されるようになっ
ている。
【0059】前記対向電極163の上方には、コロナ放
電用電極172が前記対向電極163の長手方向に亘っ
て前記対向電極163と一定間隔をあけて対向するよう
に配置されている。前記放電用電極172は、前述した
図1と同様に例えば下面(放電面)にニッケルめっき層
(図示せず)が被覆された銅からなるバー型電極本体1
73と、前記電極本体173下面のニッケルめっき層に
電着層を介して接着された鋭い角部を有する多数の導電
性粒子である合成ダイヤモンド粒子174とから構成さ
れている。前記合成ダイヤモンド粒子174は、例えば
50〜60μmの粒径を有し、前記電極本体172の下
面に70%以上の面積率で接着されている。2つの高電
圧供給端子175は、前記バー型電極本体の両端付近を
挟持して前記電極本体173を支持している。金属製ロ
ッド176は、その下端が前記各供給端子175にそれ
ぞれ取着され、かつ前記金属ロッド176の他端は支持
部材177により支持されている。前記支持部材177
は、例えば図示しない高圧トランスを通して直流電源に
接続されている。碍子178は、前記供給端子175近
傍の前記金属ロッド176部分にそれぞれ嵌合されてい
る。
【0060】前記コロナ放電処理機構162の後段に
は、静電除去機構179が配置されている。前記静電除
去機構179は、前記テーブル102上に設置され、純
水を収容した容器180と、前記純水に超音波を付与す
るための超音波発生部材(図示せず)とから構成されて
いる。前記ユニット129、前記コロナ放電処理機構1
62および前記静電除去手段179の間、前記容器18
0内および前記容器180の後段には、前記第1、第3
のロール106、124間を通過した前記長尺有機系フ
ィルム160を搬送するための送りロール161がそれ
ぞれ配置されている。なお、前記容器180の前後段に
位置する前記2つの送りロール161には当てロール1
81がそれぞれ配置されている。前記静電除去手段17
9の後段には、前記送りロール161、当てロール18
1間を通過した前記フィルム160を乾燥するための複
数の熱風噴射部材(図示せず)および巻取ロール(図示
せず)が順次配置されている。
【0061】次に、前述した構成の多孔質フィルムの製
造装置により、前記穿孔用ユニット129の第1、第3
ロール106、124間で長尺有機系フィルムを予備穿
孔し、コロナ放電処理機構162により未貫通孔を穿孔
する操作を図4〜図7を参照して説明する。
【0062】まず、第1圧力調節手段144の2つのハ
ンドル143を例えば反時計回り方向に回転させること
により、各円筒体132の上端に連結された穿孔用ユニ
ット129の各第2ボックス116をスライダー114
により各フレーム103の各レール112に沿ってそれ
ぞれ下降させ、前記各第2ボックス116内の軸受11
5に軸支された第2ロール117をその上の第1ロール
106から十分な間隔をあけて離なす。また、第2圧力
調節手段159の2つのハンドル158を例えば時計回
り方向に回転させることにより、各円筒体147の下端
に連結された各第3ボックス123をスライダー121
により各フレーム103の各レール113に沿ってそれ
ぞれ上昇させ、前記各第3ボックス123内の軸受12
2に軸支された第3ロール124をその下の第1ロール
106から十分な間隔をあけて離なす。かかる状態にお
いて、巻回ロール(図示せず)から例えばポリエチレン
からなる長尺有機系フィルム160を2つの送りロール
161により前記ユニット129の前記第1、第2ロー
ル106、117間、送りロール161及び第1、第3
ロール106、124間を通過させた後、前記4つの送
りロール161により静電除去手段162の容器内16
3内を通過させ、さらに複数の熱風噴射部材(図示せ
ず)を通過させて巻取ロール(図示せず)に前記長尺有
機系フィルム160の先端を巻く。なお、前記長尺有機
系フィルム160を前記第1、第2ロール106、11
7間を通過させる場合には、前記長尺有機系フィルム1
60が前記第1ロール106表面に接触させないようす
る。
【0063】前記長尺有機系フィルム160の先端を巻
取ロールに巻き取った後、前記第2圧力調節手段159
の2つのハンドル158を反時計回り方向に回転させる
ことにより、各円筒体147の下端に連結された各第3
ボックス123をスライダー121により各フレーム1
03の各レール113に沿ってそれぞれ下降させ、前記
各第3ボックス123内の軸受122に軸支された第3
ロール124をその下の第1ロール106と当接させ
る。更に、前記各ハンドル158を同方向に回転させる
ことにより、各ロッド154下端の各センサ152によ
りその下の各コイルバネ152を圧縮させる。かかる前
記各コイルバネ152の圧縮により、前記各第3ボック
ス124の上壁に押圧力が付与され、前記第3ボックス
123内の軸受122に軸支された前記第3ロール12
4と前記第1ロール106間の押圧力が上昇する。この
際、前記各圧力センサ152により前記第3ロール12
4と前記第1ロール106間の押圧力(圧縮力)を検出
して、前記各ハンドル158を正逆方向に回転を調節す
ることにより、前記第3、第1のロール124、106
間に位置する前記長尺有機系フィルム160への押圧力
が調節される。このような前記第2圧力調節手段159
による前記ユニット129への押圧調節により、前記第
3、第1のロール124、106間に位置する前記長尺
有機系フィルム160の幅方向全体に亘って均一な押圧
力が付与され、穿孔操作の準備が完了する。
【0064】穿孔操作の準備が完了した後、前記コロナ
放電処理機構162のハンドル171を回転させて前記
対向電極163を前記長尺有機系フィルム160下面と
のギッャプが例えば2mm程度なるように前記フィルム
160に対向配置すると共に、前記コロナ放電用電極1
72を前記長尺有機系フィルム160上面とのギャップ
がほぼゼロとなるように配置する。また、前記静電除去
手段179の容器180に収容された純水に図示しない
超音波発生部材により超音波を付与する。つづいて、前
記巻取ロールを回転させると同時に、図示しないモータ
の駆動軸を回転させることにより、前記駆動軸の歯車、
前記第1ロール106における軸109の歯車111の
回転伝達により前記第1ロール106が時計回り方向に
回転される。前記第1ロール106が回転すると、前記
軸109の歯車110と前記第3ロール124における
軸127の歯車128の回転伝達により前記第3ロール
124が反時計回り方向に回転される。この場合、前記
第2ロール117は前記第1ロール106の上方に十分
離して配置されているため、前記第2ロール117にお
ける軸119の歯車120と前記第1ロール106にお
ける軸109の歯車110の噛合が解除され、前記第2
ロール117はモータの回転による駆動はなされれず、
フリーな回転となる。このように第1、第3のロール1
06、124が回転されることにより、これらロール1
06、124間を通過する前記長尺有機系フィルム16
0が穿孔される。
【0065】すなわち、前記第1ロール106は図7に
示すように鋭い角部を有する多数の合成ダイヤモンド粒
子107が表面に70%以上の面積率で電着された鉄製
のロール本体108を備えた構造になっていおり、かつ
前記第3ロール124は例えばウレタン樹脂などの高分
子樹脂層125が表面に被覆されたロール本体126を
備えた構造になっている。その結果、前記長尺有機系フ
ィルム160が前記第1、第3のロール106、124
間を通過する時に、前記第1ロール106表面の多数の
合成ダイヤモンド粒子107の鋭い角部により穿孔され
ると共に、前記合成ダイヤモンドの穿孔による押圧力が
前記高分子樹脂層125で緩和される。このため、前記
合成ダイヤモンド粒子107の鋭い角部が前記長尺有機
系フィルム160に喰い込むため、サブμm〜十数μm
の微細寸法の多数の均一な未貫通孔が前記長尺有機系フ
ィルム160に一様かつ高密度で形成される。また、前
記第2圧力調節手段159による前記ユニット129へ
の押圧調節により、表面精度が数十μmである前記第1
ロール106を組み込んでも前記第1、第3のロール1
06、124間を通過する前記長尺有機系フィルム16
0の幅方向全体に亘って均一な押圧力が付与されるた
め、前記長尺有機系フィルム160の通過に伴う前記第
1、第3のロール106、124間の振動、衝撃などの
動的外力が吸収、緩和され、前記第1、第3ロール10
6、124が円滑かつ連続的に回転される。その結果、
前記長尺有機系フィルム160に前記微細寸法の多数の
均一な未貫通孔が一様かつ高密度で予備穿孔される。
【0066】前記ユニット129で予備穿孔された前記
長尺有機系フィルム160を、複数の送りロール161
で前記コロナ放電処理機構162に搬送し、前記コロナ
放電処理機構162の対向電極163を前記フィルム1
60の走行速度に同期させて回転させると共に、前記交
流電源および高圧トランス(いずれも図示せず)から例
えば8〜10kVの交流高電圧をそれぞれ2本の金属ロ
ッド176および供給端子175を通してコロナ放電用
電極172のバー型電極本体173に供給すると、前記
バー型電極本体173の放電面に電着層を介して鋭い角
部を有する多数のダイヤモンド粒子174が付着され、
かつ前記対向電極163の表面に例えばアルミナからな
る誘電体層165が被覆されているため、図7に示すよ
うに前記バー型電極本体173の多数のダイヤモンド粒
子174の鋭い角部から高エネルギーのコロナ182が
それぞれ対向電極163に向けて一様に放電される。こ
のため、前記フィルム160の幅方向に亘って穿孔され
た各未貫通孔183の未貫通部に前記コロナが均一に照
射されて穿孔され、前記微細寸法の多数の均一な貫通孔
184が前記フィルム160形成される。なお、かかる
コロナ放電工程において前記対向電極163を回転させ
ることによって前記対向電極163表面の誘電体層16
5が損傷されるのを抑制することができる。
【0067】前記穿孔処理がなされた前記長尺有機系フ
ィルム160は、5つの送りロール161および2つの
当てロール181により前記静電除去機構179の容器
180内を通過、搬送される。前記ユニット129によ
る前記長尺有機系フィルム160への穿孔は、前記第
1、第3のロール106、124の摩擦を主体としたも
のであり、前記コロナ放電処理機構162による未貫通
孔へのコロナ放電は前記フィルム160に帯電を誘起す
るため、穿孔処理後の前記フィルム160表面に大量の
静電気が発生し、周囲のダストを付着させる。穿孔処理
後の前記長尺有機系フィルム160を前記静電除去手段
179の純水が収容された容器180を通過させると共
に、図示しない超音波発生部材により前記純水に超音波
を付与することにより、前記長尺有機系フィルム160
に付着したダストが容易に洗い流される。ダストが洗い
流された多数の貫通孔が形成された前記長尺有機系フィ
ルム160は、図示しない複数の熱風噴射部材を通過し
て表面の水が揮散除去され、更に巻取ロールに巻き取ら
れる。従って、前述した実施例2の多孔質フィルムの製
造装置によれば次のような効果が発揮される。
【0068】(1)前記圧力調節手段159による前記
穿孔用ユニット129への押圧調節により、表面に合成
ダイヤモンド粒子107が電着された表面精度が数十μ
mである前記第1ロール106を組み込んでも、前記第
1、第3のロール106、124間を通過する前記長尺
有機系フィルム160の幅方向全体に亘って均一な押圧
力を付与できるため、前記長尺有機系フィルム160に
多数の未貫通孔183を一様かつ高密度で予備穿孔する
ことができる。しかも、前記予備穿孔操作は前記第1ロ
ール106表面に付着された鋭い角部を有する多数の合
成ダイヤモンド粒子107による機械的な力によりなさ
れるため、前記長尺有機系フィルム160の本来の特性
(例えば強度、ソフト感、透明性)を殆ど損なうことな
くを、前記長尺有機系フィルム160にサブμm〜十数
μmの範囲で任意に選択された微細寸法の多数の均一な
未貫通孔183を形成できる。
【0069】(2)前記第1、第3のロール106、1
24の回転を円滑化できるため、前記長尺有機系フィル
ム160に皺が発生することなく予備穿孔することがで
きる。しかも、前記第1、第3ロール106、124の
高速回転が可能となるため、前記長尺有機系フィルム1
60への予備穿孔処理能力を大幅に向上できる。
【0070】(3)前記長尺有機系フィルム160に厚
さのばらつきがあっても、前記第1、第3のロール10
6、124間を通過する過程で破断されることなく、前
記長尺有機系フィルム160に貫通孔を連続的に形成す
ることができる。
【0071】(4)図7に示すように前記穿孔用ユニッ
トにより前記長尺有機系フィルム160に多数の未貫通
孔を形成する予備穿孔を行ない、前記コロナ放電処理機
構162により前記長尺有機系フィルム160の未貫通
孔183の未貫通部に高エネルギーのコロナ182を均
一に照射することによって、前記穿孔用ユニット129
のみによって多数の貫通孔を形成する場合に比べて貫通
孔周囲のフィルム部分への傷発生を抑制できると共に、
より微細な貫通孔の形成が可能となる。その結果、前記
貫通孔周囲の引っ張り強度等が改善され、フィルム本来
の特性を維持すると共に、サブμm〜十数μmの微細寸
法の多数の均一な貫通孔が一様かつ高密度で形成された
長尺多孔質フィルムを連続的に製造できる。
【0072】(5)穿孔処理後の長尺有機系フィルムを
静電除去機構を通過させることにより、ダスト等の付着
のない取扱いが容易な多孔質フィルムを巻取ロールの巻
き取ることができる。
【0073】また、前記穿孔用ユニット129のみによ
り前記長尺有機系フィルム160に多数の貫通孔を形成
すると、穿孔された全てが貫通孔とならず、未貫通孔が
一部残る場合がある。かかる場合には、未貫通孔が一部
残る長尺有機系フィルムを前述したコロナ放電処理機構
162を通過させることにより長尺有機系フィルムの孔
全てを貫通孔とすることができる。
【0074】なお、前記実施例2の多孔質フィルムの製
造装置において前記圧力調節手段を前記円筒体、前記円
板、前記コイルバネ、前記圧力センサ、前記ロッド、前
記円板状カイド、前記ボールスクリュー、前記ケーシン
グ、前記ウォーム軸および前記ハンドルにより構成した
が、これに限定されない。例えばエアーシリンダで圧力
調節手段を形成してもよい。また、前記圧力調節手段の
一構成部材である圧力センサを省略してもよい。但し、
より精度の高い穿孔操作を行うには前記センサを内蔵す
ることが望ましい。
【0075】また、前記実施例2の製造装置において第
1ロールの表面に付着させる多数のモース硬度5以上の
粒子として合成ダイヤモンド粒子を用いたが、これに限
定されない。例えば、前記合成ダイヤモンド粒子の代わ
りにタングテンカーバイトなどの超硬合金粒子、または
炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子、サファイア粒子等の
別のモース硬度5以上の粒子を用いても長尺有機系フィ
ルムにサブμmから十数μmの範囲で任意に選択された
微細寸法の多数の均一な貫通孔又は未貫通孔を一様かつ
高密度で形成することが可能である。
【0076】
【発明の効果】以上詳述し如く、本発明によれば放電面
から一様かつ高エネルギーのコロナ放電を行うことが可
能なコロナ放電用電極を提供てきる。
【0077】また、本発明によれば長尺の各種フィルム
表面にその幅方向に亘って一様かつ高エネルギーのコロ
ナ放電処理を行うことができ、前記フィルム表面の濡れ
性を著しく改善することが可能なコロナ放電処理装置を
提供できるものである。
【0078】さらに、本発明によれば長尺有機系フィル
ムに対してそのフィルム材料本来の特性(例えば、ソフ
ト感、透明性、強度等)を殆ど損なうことなく、しかも
破断せずに連続的にサブμm〜十数μmの範囲で任意に
選択された微細寸法の多数の貫通孔を一様かつ高密度
(1cm2 当り5000個〜200000個)で形成で
き、使い捨て紙おむつに代表される衛生材料、医療材
料、衣料材料および包装材料の素材として有効に利用可
能な多孔質フィルムの製造装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるコロナ放電処理装置
を示す斜視図。
【図2】図2は図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】図1のコロナ放電処理装置によるコロナ処理を
説明するための断面図。
【図4】本発明の実施例2の多孔質フィルムの製造装置
を示す正面図。
【図5】図4の製造装置の要部を示す側面図。
【図6】図5のVI−VI線に沿う断面図。
【図7】図4の多孔質フィルムの製造装置に組み込まれ
るコロナ放電処理機構の要部断面図。
【符号の説明】
1、163…対向電極、3、165…誘電体層、5、1
72…コロナ放電用電極、7、174…ダイヤモンド粒
子、12、160…長尺有機系フィル、13、182…
コロナ、101…ベッド、105…第1ボックス、10
6…第1ロール、116…第2ボックス、117…第2
ロール、124…第3ロール、129…穿孔用ユニッ
ト、144、159…圧力調節手段、162…コロナ放
電処理機構、179…静電除去機構、183…未貫通
孔、184…貫通孔。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性の電極本体と、前記電極本体の放
    電面に付着された鋭い角部を有する多数の導電性粒子と
    を具備したことを特徴とするコロナ放電用電極。
  2. 【請求項2】 前記導電性粒子は、合成ダイヤモンド粒
    子であり、前記合成ダイヤモンド粒子は前記電極本体の
    放電面に電着されていることを特徴とする請求項1記載
    のコロナ放電用電極。
  3. 【請求項3】 導電性を有するバー型電極本体の放電面
    に鋭い角部を有する多数の導電性粒子を付着することに
    より形成されたコロナ放電用電極;前記電極に対して所
    望の間隔をあけて配置され、表面に誘電体層が被覆され
    た対向電極;前記コロナ放電用電極と前記対向電極の間
    に長尺有機系フィルムをそれら電極に対して所望のギャ
    ップをあけて供給するための供給手段;前記放電用電極
    に高電圧を供給するための高電圧供給手段;を具備した
    ことを特徴とするコロナ放電処理装置。
  4. 【請求項4】 前記導電性粒子は、合成ダイヤモンド粒
    子であり、前記合成ダイヤモンド粒子は前記電極本体の
    放電面に電着されていることを特徴とする請求項3記載
    のコロナ放電処理装置。
  5. 【請求項5】 前記対向電極は回転可能な導電性ロール
    と、前記ロール表面に被覆された誘電体層とを備えるこ
    とを特徴とする請求項3または4記載のコロナ放電処理
    装置。
  6. 【請求項6】 長尺有機系フィルムを供給するための供
    給手段;鋭い角部を有する多数のモース硬度5以上の粒
    子が表面に付着された回転可能な第1ロールと、前記ロ
    ールに対して逆方向に回転可能な第2ロールとを備え、
    前記第1、第2のロールを互いに対向して配置してそれ
    らの間に前記長尺フィルムを通過させるようにすると共
    に、前記各ロールをそれらの配列方向に移動自在に配置
    した穿孔用ユニット;前記ユニットの前記各ロールのう
    ちのいすれか一方のロールの両端部付近に設けられ、前
    記各ロールによる前記フィルムへの押圧力を調節するた
    めの圧力調節手段;前記ユニットの後段に配置され、高
    電圧が供給される導電性を有するバー型電極本体の放電
    面に鋭い角部を有する多数の導電性粒子を付着すること
    により形成されたコロナ放電用電極と、前記電極に対し
    て所望の間隔をあけて配置され、表面に誘電体層が被覆
    された対向電極とを備え、前記ユニットから搬送された
    フィルムにコロナを照射するためのコロナ放電処理手
    段;を具備したことを特徴とする多孔質フィルムの製造
    装置。
  7. 【請求項7】 前記モース硬度5以上の粒子は、合成ダ
    イヤモンド粒子であることを特徴とする請求項6記載の
    多孔質フィルムの製造装置。
  8. 【請求項8】 前記穿孔用ユニットの前記第1、第2の
    ロールは、それらの中心を貫通して挿着された軸により
    回転されると共に、前記各軸の両端付近はボックスに内
    蔵した軸受にそれぞれ軸支されていることを特徴とする
    請求項7記載の多孔質フィルムの製造装置。
  9. 【請求項9】 前記圧力調節手段は、前記移動自在なロ
    ールの前記軸の両端部付近に配置された前記ボックスを
    前記固定側のロールに向けて押圧するためのスプリング
    を備えることを特徴とする請求項6または9記載の多孔
    質フィルムの製造装置。
  10. 【請求項10】 前記穿孔用ユニットは、前記第1ロー
    ルを中心にして前記第2ロールの反対側にさらに前記第
    1ロールに対して逆方向に回転可能な第3ロールが配置
    されることを特徴とする請求項6記載の多孔質フィルム
    の製造装置。
  11. 【請求項11】 前記導電性粒子は、合成ダイヤモンド
    粒子であり、前記合成ダイヤモンド粒子は前記電極本体
    の放電面に電着されていることを特徴とする請求項6記
    載の多孔質フィルムの製造装置。
  12. 【請求項12】 前記対向電極は、回転可能な導電性ロ
    ールと、前記ロール表面に被覆された誘電体層とを備え
    ることを特徴とする請求項6または12記載の多孔質フ
    ィルムの製造装置。
  13. 【請求項13】 前記コロナ放電処理手段の後段にさら
    に静電除去手段を設けたことを特徴とする請求項6記載
    の多孔質フィルムの製造装置。載の多孔質フィルムの製
    造装置。
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