JP2643730B2 - 多孔質フィルムの製造装置 - Google Patents

多孔質フィルムの製造装置

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JP2643730B2 JP21762292A JP21762292A JP2643730B2 JP 2643730 B2 JP2643730 B2 JP 2643730B2 JP 21762292 A JP21762292 A JP 21762292A JP 21762292 A JP21762292 A JP 21762292A JP 2643730 B2 JP2643730 B2 JP 2643730B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔質フィルムの製造
装置に関し、特に衛生材料、医療材料、衣料材料、包装
材料等の素材として好適な多孔質フィルムを製造するた
めの装置に係わる。
【0002】
【従来の技術および課題】従来、この種のフィルムの製
造方法としては汎用のオレフィン樹脂(例えばポリエチ
レン)に微細な無機物粉末を大量(通常、樹脂に対して
50体積%以上)に充填した後、フィルム化し、更に一
軸又は二軸方向に高倍率で延伸することにより、前記無
機物粉末との境界面に破壊孔を形成して迷路的に連通し
た微細な孔を開口する方法である。しかしながら、前述
した従来の製造方法は次のような問題があった。
【0003】(1)無機物粉末を大量に添加するため、
フィルムを構成する樹脂本来の特性(例えば強度、ソフ
ト感、透明性等)が著しく低下し、実質的にプラスチッ
クライクのフィルムを得ることができない。
【0004】(2)無機物粉末を大量に添加し、一軸又
は二軸方向に高倍率で延伸する手法を採用するため、エ
ラストマーフィルムのような伸縮性を有するフィルムに
適用することができない。
【0005】(3)得られたフィルムには、迷路的に連
通したサブミクロンオーダの微細な孔が開口されるた
め、透湿性を有するものの、通気性は殆どゼロであり、
用途上の制限を受ける。
【0006】また、別の多孔質フィルムの製造方法とし
てはニードルパンチ法や熱溶融穿孔法のような機械的穿
孔法も知られている。前記ニードルパンチ法は、熱可塑
性樹脂フィルムに加熱された針を押し付けて穿孔する方
法である。前記熱溶融穿孔法は、加熱されたエンボスロ
ールにより熱可塑性樹脂フィルムを溶融して穿孔する方
法である。
【0007】しかしながら、前記機械的穿孔方法は孔の
大きさが100μm程度大きく、これより微細な孔を穿
孔することが困難であるばかりか、前記孔を高密度(例
えば1cm2 当り500個以上)で穿孔することができ
ないという問題がある。
【0008】本発明の目的は、高分子材料を始めとする
各種の長尺有機系フィルムに対してそのフィルム材料本
来の特性(例えば透明性、強度、ソフト感等)を殆ど損
なうことなくサブμm〜300μmの範囲で任意に選択
された微細な開口幅を有し、かつ内面が親和性を示す凹
部を一様かつ多数(例えば1cm2 当り500〜20
0,000個)形成することが可能な多孔質フィルムの
製造装置を提供するものである。
【0009】本発明の目的は、長尺有機系フィルムに対
してそのフィルム材料本来の特性(例えば透明性、強
度、ソフト感等)を殆ど損なうことなくサブμm〜30
0μmの範囲で任意に選択された微細な開口幅を有し、
かつ内面が親和性を示す凹部を一様かつ多数(例えば1
cm2 当り500〜200,000個)形成できると共
に、前記凹部の底部に対応する前記フィルムの残存薄膜
部に内面が親和性を示す前記開口幅より小さい径の貫通
孔を形成することが可能な多孔質フィルムの製造装置を
提供するものである。
【0010】本発明の別の目的は、前記長尺有機系フィ
ルムに皺を生じることなく前記凹部(または凹部および
これに繋がる貫通孔)を一様かつ多数形成できる多孔質
フィルムの製造装置を提供するものである。
【0011】本発明のさらに別の目的は、前記材料から
なる長尺有機系フィルムに対して破断することなく連続
的に前記凹部(または凹部およびこれに繋がる貫通孔)
を一様かつ多数形成できる多孔質フィルムの製造装置を
提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる多孔質フ
ィルムの製造装置は、長尺有機系フィルムを供給するた
めの供給手段;
【0013】鋭い角部を有する多数の天然もしくは合成
のダイヤモンド粒子が表面に付着された回転可能な第1
ロールと、前記第1ロールに対して逆方向に回転可能な
表面に誘電体層が被覆された第2ロールとを有し、前記
第1、第2のロール間に前記長尺有機系フィルムが通過
され、かつ前記各ロールのいずれか一方または両者にそ
れらの配列方向に移動自在に配置した穿孔用ユニット;
【0014】前記穿孔用ユニットの前記各ロールのうち
のいずれか一方のロールの両端部付近に設けられ、前記
各ロールによる前記長尺有機系フィルムへの押圧力を調
節するための圧力調節手段;前記第1ロールに高電圧を
供給するための高電圧供給手段;を具備したことを特徴
とするである。
【0015】前記長尺有機系フィルムとしては、例えば
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ
塩化ビニル、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエ
ーテルケトン、エラストマー、ポリウレタン等からなる
各種高分子樹脂フィルム;発泡ポリエチレン、発泡ポリ
プロピレンなどの各種の発泡高分子樹脂フィルム;発泡
紙;熱融着性樹脂フィルム;高分子材料にシリカ粉末、
カーボン粉末、アルミナ粉末等の無機質粉末を混合させ
た複合フィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム
とポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート
フィルムとポリプロピレンフィルムとを積層したような
材質の異なる高分子樹脂フィルムを2層または3層積層
した積層フィルム、高分子樹脂フィルムに織布または不
織布を積層した積層フィルム、高分子樹脂フィルムに紙
を積層した積層フィルムなどの各種の積層フィルム等を
用いることができる。前記長尺有機系フィルムは、例え
ば厚さ1μm〜10mmのものが用いられる。
【0016】前記長尺有機系フィルムを供給するための
供給手段としては、例えば前記長尺有機系フィルムを巻
装したロールを用いることができる。また、前記長尺有
機系フィルムが単一の高分子樹脂からなる場合には、前
記供給手段としてインフレーション法によるフィルム製
造機、またはキャスティング法によるフィルム製造機を
用いることができる。
【0017】前記第1ロールは、金属製ロール本体と、
前記ロールの本体表面に電着、または有機系もしくは無
機系の結合剤により付着され、表面に鋭い角部を有する
多数のモース硬度5以上の誘電体粒子とを備えた構造を
有する。
【0018】前記金属製ロール本体は、例えば銅および
銅合金、または鉄および鉄合金、あるいはこれらの金属
表面にニッケルめっき層、クロムめっき層を被覆したも
の等から形成される。
【0019】前記天然もしくは合成のダイヤモンド粒子
は、誘電率が5.7である。前記天然もしくは合成のダ
イヤモンド粒子は、硬度、強度等が著しく大きく、絶縁
耐圧が高いために好適である。特に、前記合成のダイヤ
モンド粒子は粒径の揃ったものが入手できるためにより
好適である。前記合成天然もしくは合成のダイヤモンド
粒子は、電着により前記ロール本体に付着させることが
望ましい。この際、前記ロール本体は良電気伝導性の銅
または銅合金から形成することがより好ましい。このよ
うに前記天然もしくは合成のダイヤモンド粒子を前記ロ
ール本体に電着させることによって、前記ロール本体に
対して前記ダイヤモンド粒子を強固に付着させることが
できると共に多数の前記天然もしくは合成のダイヤモン
ド粒子の前記ロール本体への付着率を向上できる。ま
た、前記ロール本体を表面にNiめっき層が被覆された
良電気伝導性の銅または銅合金から形成すれば、前記天
然もしくは合成のダイヤモンド粒子を前記ロール本体に
一層強固に電着させることが可能になる。
【0020】前記多数の天然もしくは合成のダイヤモン
粒子は、粒径が10〜350μmで粒径のばらつきが
5%以下のものを用いることが望ましい。前記多数の天
然もしくは合成のダイヤモンド粒子は、前記長尺有機系
フィルムに例えば1cm2 当たり500〜200,00
0個の多数の凹部を形成すると共に前記長尺有機系フィ
ルムに一様なコロナ放電を行う観点から、前記ロール本
体の表面に70%以上付着させることが望ましい。前記
第2ロールは、金属製ロール本体と、前記ロール本体表
面に被覆された誘電体層とを備えた構造を有する。
【0021】前記金属製ロール本体は、例えば鉄および
鉄合金、または銅および銅合金、あるいはこれらの金属
表面にニッケルめっき層、クロムめっき層を被覆したも
のなどの各種の金属から形成される。
【0022】前記誘電体層は、例えばシリコーンゴムま
たはアルミナ、ジルコニア、ムライト、窒化ケイ素など
のセラミック等から形成される。前記誘電体層の厚さ
は、2〜5mm程度にすることが望ましい。前記セラミ
ック層を前記ロール本体に被覆するには、例えば溶射法
が採用され、前記ロール本体に前記セラミック層を溶射
により被覆した後は、前記セラミック層表面を研摩処理
して平滑にすることが望ましい。
【0023】前記穿孔用ユニットは、前記第1、第2の
ロールと、これらロールの中心を貫通して挿着された軸
と、前記各軸の両端付近を軸支する軸受が内蔵されたボ
ックスとから構成することが望ましい。
【0024】前記穿孔用ユニットを構成する前記第1、
第2のロールは、横方向に並べて配置しても、上下に並
べて配置してもよいが、装置の組立ての簡便化、操作性
の向上の観点から、前記第1、第2のロールを上下に対
向して配置することが望ましい。
【0025】前記圧力調節手段は、前記第1、第2のロ
ールのいずれか一方のロールの前記軸の両端部付近に配
置された前記ボックスに配置され、他方のロールに向け
て押圧するためのスプリング等の圧縮部材を備える構造
にすることが望ましい。特に、前記第1ロールを固定
し、前記第2ロールを前記第1ロールに対して移動自在
に配置し、第2ロールの両端付近の前記ボックスに前記
圧力調節手段は配置して前記第2ロールを前記第1ロー
ルに向けて押圧する形態にすることが望ましい。
【0026】前記穿孔用ユニットは、前記第1ロールを
中心にして前記第2ロールの反対側にさらに前記第1ロ
ールに対して逆方向に回転可能な第3ロールが配置され
ることを許容する。
【0027】前記第3ロールは、その中心に軸を貫通し
て挿着し、かつ前記軸の両端付近に前記軸を軸支する軸
受が内蔵されたボックスを配置した構成にすることが望
ましい。また、前記第3ロールの軸の両端部付近の前記
ボックスに前記圧縮調節手段と同様な別の圧縮調節手段
を配置し、前記第3ロールを前記第1ロールに向けて押
圧する構造とすることが望ましい。
【0028】前記第3ロールを前記穿孔ユニットに追加
した場合には、前記第1ロールを前記第2、第3のロー
ル間に所望の距離範囲で移動自在、つまりフリーな状態
で配置し、前記第2ロール、前記第3ロールのいずれの
側からも前記圧縮調節手段により前記第1ロールに対し
て押圧できるようにすることが望ましい。このような配
置において、(1)前記第3ロールと前記第1ロールの
間にも前記長尺有機系フィルムを通過させて前記第1、
第2のロール間のみならず前記第1、第3のロール間で
も穿孔およびコロナ放電処理を施す形態と、(2)前記
第3ロールを前記第1ロールに対する押圧ロールとして
使用する形態とを採用することができる。
【0029】前記(1)の形態を採用した場合には、前
記第3ロールは前記第2ロールと同様な構造を有するも
のが用いられる。また、前記(2)の形態を採用した場
合には、前記第3ロールは前記高電圧が供給される第1
ロールとの絶縁を図る目的から、少なくとも表面が絶縁
材料で形成されたもの、例えばセラミックロール、セラ
ミック層や耐高電圧性の高分子樹脂層で表面が被覆され
た金属ロールが使用される。
【0030】前記高電圧供給手段は、例えば前記第1ロ
ールの軸を軸支する前記軸受の外周囲に被覆され、前記
ボックスに対して電気的に絶縁するための絶縁材料層
と、前記ボックスの表面から前記ボックスおよび前記絶
縁材料層を貫通して挿着された絶縁筒体と、前記絶縁筒
体に先端が前記軸受に接触するように挿着された高電圧
供給端子と、前記供給端子に接続された高電圧供給源
(例えば交流電源または直流電源)とを備えた構成にす
ることが望ましい。特に、前記高電圧供給端子と前記高
電圧供給源との接続経路にさらに前記第1ロールに供給
する高電圧を制御するための制御部材を設けることが望
ましい。前記絶縁材料層および前記絶縁筒体に用いられ
る絶縁材料としては、例えば高分子材料、セラミック等
を用いることができる。中でも、耐高電圧特性、強度の
優れたポリカーボネート樹脂等のエンジニアリングプラ
スチックが好適である。
【0031】前記圧力調節手段および高電圧供給手段が
設けられた前記穿孔用ユニットは、前記長尺有機系フィ
ルムの搬送方向に2つまたは3つ以上配列することを許
容する。例えば、2つのユニットを配列する場合には1
列目のユニットの第1ロールと2列目のユニットの第1
ロールに付着させるモース硬度5以上の多数の誘電体粒
子を粒径を異ならせてもよい。また、2つのユニットを
配列する場合には1列目のユニットのロール間(例えば
第1、第2のロール間)に長尺有機系フィルムを通して
穿孔を行った後、前記長尺有機系フィルムを2列目のユ
ニットのロール間(例えば第1、第2のロール間)に前
記フィルムの穿孔側の面と反対側の面が前記第1ロール
(多数のモース硬度5以上の誘電体粒子を付着させたロ
ール)に当接するように通し、前記フィルムの表裏面か
ら穿孔操作を行うようにしてもよい。
【0032】前記穿孔用ユニットの後段には、静電除去
手段が配置されることを許容する。かかる静電除去手段
としては、例えば純水を収容した容器と前記純水に超音
波を付与する超音波発生部材とから構成される。
【0033】
【作用】本発明に係わる多孔質フィルムの製造装置によ
れば、長尺有機系フィルムを供給するための供給手段;
鋭い角部を有する多数の天然もしくは合成のダイヤモン
粒子が表面に付着された回転可能な第1ロールと、前
記第1ロールに対して逆方向に回転可能な表面に誘電体
層が被覆された第2ロールとを有し、前記第1、第2の
ロール間に前記長尺有機系フィルムが通過され、かつ前
記各ロールのいずれか一方をそれらの配列方向に移動自
在に配置した穿孔用ユニット;前記穿孔用ユニットの前
記各ロールのうちのいずれか一方または両者のロールの
両端部付近に設けられ、前記各ロールによる前記長尺有
機系フィルムへの押圧力を調節するための圧力調節手
段;前記第1ロールに高電圧を供給するための高電圧供
給手段とを具備することによって、前記1つのユニット
により高分子樹脂を始めとする各種の長尺有機系フィル
ムに対してそのフィルム材料本来の特性(例えば透明
性、強度、ソフト感等)を殆ど損なうことなくサブμm
〜300μmの範囲で任意に選択された微細な開口幅を
有し、かつ内面が親和性を示す凹部を一様かつ多数(例
えば1cm2 当り500〜200,000個)連続的に
形成することができる。
【0034】すなわち、前記穿孔用ユニットを構成する
表面に誘電体層が被覆された第2ロールは、現在の機械
加工技術において数μmないしサブμmの精度で加工す
ることが可能である。しかしながら、前記ユニットを構
成する多数の天然もしくは合成のダイヤモンド粒子(例
えば合成ダイヤモンド粒子)が表面に付着された第1ロ
ールでは、前記粒子を付着させた後、研磨仕上げを行っ
てもその表面精度は数十μmが限界である。かかる表面
仕上げ精度の第1ロールを前記第2ロールと共に組み込
んで構成した穿孔用ユニットを用い、前記各ロール間に
長尺有機系フィルムを通すと、前記各ロールと接触する
前記フィルムの幅方向全体に亘って均一に押圧すること
が困難となる。従って、前記ユニットを用いて長尺有機
系フィルムの穿孔を行うと次のような問題を生じる。 (1)前記第1のロールの変位に起因して長尺有機系フ
ィルムへの押圧が不十分な部分が生じるため、所期深さ
の凹部を一様に形成することが困難となる。
【0035】(2)前記第1のロールの変位に起因して
第1、第2のロールの回転が間欠的となり、円滑なロー
ルの回転が阻害される。その結果、前記長尺有機系フィ
ルムの全面に亘って皺が発生する。
【0036】(3)前記長尺有機系フィルムに厚さのば
らつきがあると、前記ロール間を通過する過程で断線を
生じる。その結果、長尺有機系フィルムに前記凹部を連
続的に形成することが困難となる。
【0037】このようなことから、本発明は多数の天然
もしくは合成のダイヤモンド粒子(例えば合成ダイヤモ
ンド粒子)が表面に付着された第1ロールおよび前記第
1ロールと逆方向に回転可能な第2ロールを有する穿孔
用ユニットと、前記各ロールのいずれか一方の両端部付
近に配置された圧力調節手段とを備えることによって、
表面精度が数十μmである前記第1ロールを組み込んで
も互いに逆方向に回転する前記第1、第2のロール間を
通過する前記長尺有機系フィルムへの押圧力を調節でき
る。つまり、前記各ロール間を通過する長尺有機系フィ
ルムへの押圧力を前記フィルムの幅方向全体に均一化で
きる。また、前記フィルムの通過に伴う前記各ロール間
の振動、衝撃などの動的外力を吸収、緩和して前記ロー
ルを円滑かつ連続的に回転できる。
【0038】すなわち、上述した圧力調節手段により圧
力調節された穿孔用ユニットにおける前記第1、2のロ
ールを回転し、前記第1、第2のロール間に前記長尺有
機系フィルムを通過させると共に、前記多数の合成ダイ
ヤモンド粒子が表面に付着された第1ロールに高電圧供
給手段から高電圧を供給する。この際、前記第1、第2
のロールは互いに長さ方向全体に亘って均一に押圧され
ているため、これらロール間に前記長尺有機系フィルム
が通過すると、前記第1ロールに付着された多数の合成
ダイヤモンド粒子の鋭い角部が前記フィルムに一様に食
い込んで機械的な穿孔がなされ、前記フィルム本来の特
性(例えば透明性、強度、ソフト感等)を損なうことな
く、微細な開口幅を有する例えば逆円錐形状の凹部が多
数形成される。同時に、高電圧が供給された前記第1ロ
ールは前記長尺有機系フィルムを挟んで表面に前記誘電
体層が被覆された第2ロールと対向されているため、前
記第1ロール表面の誘電体である多数の合成ダイヤモン
ド粒子と前記第2ロールの誘電体層の間でコロナ放電が
一様に発生する。このようなコロナ放電操作において、
前記高電圧供給手段から比較的低い高電圧を前記第1ロ
ールに供給すると、前記第1ロールの多数の合成ダイヤ
モンド粒子が食い込まれた前記長尺有機系フィルムに比
較的エネルギーの低いコロナが一様に照射されるため、
前記長尺有機系フィルムに穿孔された多数の凹部の内面
が前記コロナ放電により親和化処理される。一方、前記
多数の合成ダイヤモンド粒子を前記長尺有機系フィルム
に食い込ませて前記凹部を形成した状態で、前記高電圧
供給手段から比較的高い高電圧を前記第1ロールに供給
すると、前記合成ダイヤモンド粒子の鋭い角部における
電界の集中、つまりエッジ効果により前記長尺有機系フ
ィルムの前記凹部の底部に位置する残存薄膜部に高エネ
ルギーのコロナが主に集中して照射されて穿孔がなされ
る。このため、前記残存薄膜部に前記凹部の開口幅より
小さい径の例えば円柱形状の貫通孔が形成される。ま
た、前記長尺有機系フィルムに穿孔された多数の凹部の
内面および前記貫通孔の内面は前記コロナ放電により親
和化処理される。
【0039】また、前記圧力調節手段による前記穿孔用
ユニットの前記第1、第2のロール間の押圧調節がなさ
れ、さらに前記第1ロールの撓み発生の防止がなされる
ため、前記第1、第2のロールを円滑に回転でき、しか
も前記各ロールの高速回転することが可能であるため、
前記長尺有機系フィルムに皺が発生することなく、穿孔
およびコロナ放電の処理能力を大幅に向上できる。
【0040】さらに、前記長尺有機系フィルムに厚さの
ばらつきがあっても、前述した作用により前記各ロール
間を前記長尺有機系フィルムが通過する過程で破断する
のを防止できるため、長尺有機系フィルムに多数の凹部
等をを連続的に形成することができる。
【0041】さらに、穿孔用ユニットに第3ロールを追
加し、前記第1〜第3のロールを移動自在に配列し、前
記第1ロールを中心にして互いに対向して配置された第
2、第3のロールを圧力調節手段により前記第1ロール
に向けて押圧することによって、前記第1ロールの長さ
方向に亘る撓み発生を効果的に防止できる。その結果、
前記長尺有機系フィルムへの穿孔およびコロナ放電の処
理能力をより大幅に向上できる。
【0042】以上のような製造装置によれば、長尺有機
系フィルムに対してそのフィルム材料本来の特性(例え
ば透明性、強度、ソフト感等)を殆ど損なうことなくサ
ブμm〜300μmの範囲で任意に選択された微細な開
口幅を有し、かつ内面が親和性を示す凹部を一様かつ多
数(例えば1cm2 当り500〜200,000個)で
形成できるため、優れた濡れ性を有し、水、細菌、雑菌
を透過せず、酸素ガス、炭酸ガスなどのガスや水蒸気を
透過してガス透過量、水蒸気透過量の制御性等を有する
多孔質フィルムを製造することができる。このような多
孔質フィルムは、次に説明する塗布膜形成用ベースフィ
ルム、積層用フィルムまたは青果物鮮度保持用包装材、
脱酸素剤用包装材などの各種包装材、はっぷ剤の伸縮性
ベースフィルム、手術用の手袋等に有効に利用できる。
【0043】すなわち、前記多孔質フィルムは、内面が
親和性を示す多数の凹部が形成されているため、前記凹
部が存在しない有機系フィルムに比べて濡れ性が著しく
改善される。また、前記多孔質フィルムは多数の微細な
凹部が形成されているため、前記多数の凹部の開口側に
接着剤層等を塗布すると、前記多数の凹部の個所で前記
接着剤層等に対して優れたアンカー効果を示す。このよ
うな前記多孔質フィルムは、次に説明する塗布膜形成用
ベースフィルム、積層用フィルムとして利用することが
できる。
【0044】(1)前記多孔質フィルムの多数の凹部の
開口部側の面に磁性粉末を含む樹脂溶液を塗布し、乾燥
することによって、前記多孔質フィルムの前記多数の微
細な凹部における濡れ性およびアンカー効果により前記
多孔質フィルムに対して密着性の優れた磁性層を被覆す
ることができる。したがって、前記磁性層が被覆された
多孔質フィルムは、磁気フィルムとして利用することが
できる。特に、前記多孔質フィルムの多数の凹部内に前
記磁性粉末を埋没させることができるため、前記磁性層
の厚さを薄くしても前記磁性粉末の充填密度を向上でき
る。その結果、高密度記録が可能な例えばプリペイドカ
ードのような薄い磁気フィルムを得ることが可能にな
る。
【0045】(2)前記多孔質フィルムの多数の凹部の
開口部側の面にインクを塗布し、乾燥することにより前
記多孔質フィルムの多数の微細な凹部の濡れ性およびア
ンカー効果により前記多孔質フィルムに対して密着性の
優れたインク層を被覆することができる。したがって、
前記インク層が被覆された多孔質フィルムは、インクリ
ボンとして利用することができる。特に、前記多孔質フ
ィルムの多数の凹部内にも前記インクを充填させること
ができるため、前記インク層の厚さを薄くしても前記イ
ンクの塗布量を向上できる。その結果、良好な印字記録
が可能で、薄いインクリボンを得ることが可能になる。
【0046】(3)所定の接着剤を用いて前記接着剤と
相溶しない有機系フィルム(第1有機系フィルム)と前
記接着剤と相溶する有機系フィルム(第2有機系フィル
ム)を積層する際、前記第1有機系フィルムに多数の微
細な凹部を形成して多孔質フィルムとし、前記多孔質フ
ィルムの凹部の開口部側の面に前記接着剤を塗布し、こ
の接着剤に前記第2有機系フィルムを接着して積層す
る。このような積層において、前記多孔質フィルムはそ
の多数の微細な凹部の濡れ性およびアンカー効果により
前記接着剤が良好に接着される。一方、前記第2有機系
フィルムは前記接着剤に対して相溶性を有する。その結
果、前記第1、第2有機系フィルムが前記接着剤により
良好に接着された積層フィルムを得ることができる。
【0047】また、前記多孔質フィルムは前記有機系フ
ィルムに微細な開口幅を有し、かつ内面が親和性を示す
凹部が多数形成されているため、前記多数の凹部底部に
対応する前記フィルムの残存薄膜部において水、細菌、
雑菌を透過せず、酸素ガス、炭酸ガスなどのガスや水蒸
気を透過して前記ガス透過量、水蒸気透過量を制御する
ことができる。具体的には、前記有機系フィルムの残存
薄膜部においてフィルム素材の持つガスの溶解、拡散が
起こるため、酸素ガス、炭酸ガスの透過量が大幅に増大
される。また、水蒸気は前記有機系フィルムの多数の微
細かつ内面が親和性を示す凹部に付着し、前記凹部底部
の前記残存薄膜部においてフィルム素材の持つ水蒸気の
拡散が起こるため、水蒸気の透過量が大幅に増大され
る。このため、前記凹部の開口幅およびその数やそれら
凹部に対応する前記残存薄膜部の厚さを制御することに
より、前記酸素ガス、炭酸ガスの透過量や水蒸気の透過
量が制御された機能性を有する多孔質フィルムが得られ
る。前記多孔質フィルムの酸素ガス透過量は、例えば1
3 〜107 cc/m2 ・24hr・25℃を有する。
このような機能性を有する多孔質フィルムは、次に説明
する包装材に応用することができる。
【0048】(1)例えばポリエチレンフィルム、二軸
延伸ポリプロピレンフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等からなる有
機系フィルムに多数の微細かつ内面が親和性を有する凹
部を形成した多孔質フィルムは、青果物鮮度保持用包装
材に利用できる。
【0049】すなわち、青果物を密封包装した場合、青
果物自身の呼吸作用により包装材内の酸素濃度が減少し
て炭酸ガス濃度が増加する。このため、酸素量の低下と
二酸化炭素の高濃度化によつて前記青果物の呼吸が抑制
され、前記青果物の鮮度保持がなされる。この場合、前
記包装材の素材であるフィルムは個々の青果物が正常に
呼吸して生命体を維持できる最低限度の酸素を透過する
こと、呼吸によって生成した炭酸ガス濃度も過剰になら
ないように制御されること、細菌繁殖の原因となる結露
を招く水蒸気を透過すること、等が要求される。
【0050】例えばポリプロピレンフィルムに多数の微
細かつ内面が親和性を示す凹部が形成して前記多孔質フ
ィルムを作製すると、前述したように酸素ガスおよび炭
酸ガスの透過量が大幅に増大されると共に、水蒸気の透
過量が増大され、かつ水、雑菌の透過が防止される。し
たがって、前記多孔質フィルムから形成された包装材
は、酸素ガスを透過でき、かつ前記青果物の呼吸によっ
て生成した炭酸ガスを透過して炭酸ガス濃度が過剰にな
るのを抑制でき、さらに結露の原因となる水蒸気を透過
することができる。その結果、前記多孔質フィルムから
なる包装材は優れた青果物鮮度保持作用を有する。
【0051】(2)例えばポリエチレンまたはポリプロ
ピレンからなる第1のフィルムと例えばポリエチレンテ
レフタレートからなる第2のフィルムとを積層した積層
フィルムに多数の微細かつ内面が親和性を示す凹部を前
記第2フィルム側から前記第1フィルムに亘って形成し
た多孔質フィルムは、低価格の脱酸素剤用包装材として
利用できる。なお、前記多孔質フィルムに形成された凹
部は、前記第2フィルム部分において貫通部となる。
【0052】すなわち、従来の脱酸素剤用包装材はポリ
エチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィル
ムの二層フィルムにニードルパンチ法等により多数の貫
通孔を穿設し、前記二層フィルムのポリエチレンフィル
ム側に和紙を積層した構造になっている。このため、前
記和紙を積層する分、価格が高くなる。また、前記包装
材に脱酸素剤を収納し、前記包装材を液状の内容物と共
に密閉容器に収納すると、前記内容物が前記包装材の貫
通孔および和紙の孔を通して内部に侵入する。その結
果、前記包装材中に収納した脱酸素剤を劣化させるとい
う問題がある。
【0053】前記多孔質フィルムを、前記残存薄膜部を
有する前記第1フィルムが内側になるように袋状にして
脱酸素剤用包装材を作製する。このような包装材は、外
部の酸素が前記第2フィルムの多数の貫通部を通り、さ
らに前記第1フィルムの凹部に対応する残存薄膜部にお
いてフィルム素材の持つガスの溶解、拡散により透過す
る特性を有する。
【0054】したがって、前記包装材に脱酸素剤を収納
し、前記包装材をガスバリア性の高い密閉容器に菓子等
の内容物と共に装填すると、前記容器内の酸素は前記包
装材を透過して前記脱酸素剤に吸収される。その結果、
前記容器内の雰囲気を酸素が殆ど存在しない状態にでき
るため、前記内容物の酸化に伴う品質劣化を防止でき
る。
【0055】また、前記包装材は高い耐透水性を有する
ため、前記内容物が液体であっても前記内容物が前記包
装材を通して内部に侵入して、その中の脱酸素剤を劣化
させるのを防止することができる。その結果、数種類の
包装材を用意するだけで、液体状、固体状の内容物を長
期間保存することができる。
【0056】(3)前記多孔質フィルムは、前記凹部の
開口幅、その数および前記残存薄膜部の厚さを制御する
ことにより、酸素ガスおよび炭酸ガスの透過量を制御で
きるため、酸素ガスフィルタまたは炭酸ガスフィルタと
して利用することができる。 (4)有機系フィルム、例えばエラストマーフィルムに
多数の微細かつ内面が親和性を示す凹部を形成した多孔
質フィルムは、はっぷ剤の伸縮性ベースフィルムに利用
できる。
【0057】すなわち、はっぷ剤は皮膚に貼り付けて消
炎または分泌物吸収の目的で用いられる。前記はっぷ剤
としては、従来より粉末薬品を含むペースト状外用剤を
布に塗布した構造のものが知られている。しかしなが
ら、このような構造のはっぷ剤は前記布が水蒸気を十分
に透過しない。このため、前記はっぷ剤を寝眠時に皮膚
に貼り付けて使用すると、皮膚から発生した汗が前記は
っぷ剤を透過せずにそのまま滞留して不快感を与える。
【0058】前記多孔質フィルムに外用剤を塗布したは
っぷ剤は、前記多孔質フィルムが高い水蒸気透過性を有
する。このため、前記はっぷ剤は皮膚から発生した汗を
透過して良好に揮散でき、寝眠時でも良好に使用するこ
とができる。
【0059】(5)前記(4)で説明したエラストマー
フィルムに多数の微細な凹部を形成した多孔質フィルム
は、水、細菌、雑菌を透過せず、水蒸気の透過量を増大
でき、さらに高い伸縮性を有する。このため、手術用の
手袋として利用することができる。
【0060】また、前述した製造装置によれば、長尺有
機系フィルムに対してそのフィルム材料本来の特性(例
えば透明性、強度、ソフト感等)を殆ど損なうことなく
サブμm〜300μmの範囲で任意に選択された微細な
開口幅を有し、かつ内面が親和性を示す凹部を一様かつ
多数(例えば1cm2 当り500〜200,000個)
で形成できると共に、前記凹部底部に位置する前記フィ
ルムの残存薄膜部に前記開口幅に比べて小さい径を有
し、かつ内面が親和性を示す貫通孔を穿孔できるため、
優れた濡れ性を有し、かつ水、細菌、雑菌を透過を抑制
ないし防止し、酸素ガス、炭酸ガスなどのガスや水蒸気
を透過してガス透過量、水蒸気透過量の制御性等を有す
る多孔質フィルムを製造することができる。このような
多孔質フィルムは、前述した塗布膜形成用ベースフィル
ム、積層用フィルムまたは青果物鮮度保持用包装材、脱
酸素剤用包装材などの各種包装材、はっぷ剤の伸縮性ベ
ースフィルム、手術用の手袋等に有効に利用できる。
【0061】特に、青果物鮮度保持用包装材として使用
されるポリエチレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレン
フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム(OPPフィルム)などは、本来的
にエラストマーフィルムやポリウレタンフィルムに比べ
て水蒸気透過量が極端に少ない。このような有機系フィ
ルムに本発明に係わる製造装置により穿孔およびコロナ
放電処理を施して前記フィルムに親和性をそれぞれ示す
多数の微細な凹部および前記凹部底部に繋がる貫通孔を
形成することによって、接触された水蒸気を前記有機系
フィルムの多数の微細かつ内面が親和性を示す凹部に付
着し、前記残存薄膜部に穿孔された前記内面が親和性を
示す貫通孔を通して拡散するため水蒸気の透過量を大幅
に増大された多孔質フィルムを製造できる。例えば、二
軸延伸ポリプロピレンフィルムに前記凹部、貫通孔を形
成した多孔質フィルムは未処理の二軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムに比べて水蒸気透過量が3桁程度増大され
る。その結果、前記多孔質フィルムは、水蒸気による曇
りおよび結露の発生を効果的に防止することが可能な青
果物鮮度保持用包装材として有効に利用することができ
る。
【0062】さらに、前記多孔質フィルムにおいて前記
凹部の開口幅、それら凹部の数、前記凹部底部に位置す
る前記フィルムの残存薄膜部部の厚さや前記残存薄膜部
に形成される貫通孔(例えば円柱形状の貫通孔)の径、
とりわけ前記残存薄膜部部の厚さおよび前記貫通孔の
径、を制御することにより、前記貫通孔を透過しようと
するガスの平均自由行程を制御できる。その結果、例え
ば空気中の酸素ガスのみを選択的に透過する酸素ガスフ
ィルタ、または炭酸ガスのみを選択的に透過する炭酸ガ
スフィルタ等として利用することができる。
【0063】さらに、本発明に係わる多孔質フィルムの
製造装置において前記供給手段としてインフレーション
法によるフィルム製造機、またはキャスティング法によ
るフィルム製造機を用いることによって、高分子材料の
原料から多孔質フィルムを一貫して、つまりインライン
で製造することが可能となる。
【0064】本発明に係わる多孔質フィルムの製造装置
において、前記第1ロールをロール本体と、前記ロール
本体に電着により多数の天然もしくは合成のダイヤモン
ド粒子を付着させた構造にすれば、天然もしくは合成の
ダイヤモンド粒子は硬度、強度が著しく大きく、かつ絶
縁耐圧が3.5×106 V/cmと高いため、前述した
長尺有機系フィルムに穿孔およびコロナ放電処理を長期
間に亘って安定的に行うことができる。しかも、前記多
数の天然もしくは合成のダイヤモンド粒子を前記ロール
本体に強固に密着力できるため、耐久性の優れた第1ロ
ールを実現できる。特に、前記ロール本体を表面にNi
めっき層が被覆された良電気導電性の銅または銅合金か
ら形成すれば、前記多数の天然もしくは合成のダイヤモ
ンド粒子を前記ロール本体により一層強固に電着でき、
著しく耐久性の優れた第1ロールを実現できる。
【0065】本発明に係わる多孔質フィルムの製造装置
において、前記圧力調節手段および高電圧供給手段が設
けられた前記穿孔用ユニットを前記長尺有機系フィルム
の搬送方向に2つ以上配列すれば、1列目のユニットの
第1ロールと2列目のユニットの第1ロールに付着させ
る多数のモース硬度5以上の誘電体粒子を粒径を異なら
せることによって、長尺有機系フィルムに穿孔径が異な
る多数の貫通孔を一様に形成することができる。
【0066】本発明に係わる多孔質フィルムの製造装置
においては、前記摩擦を主体とした穿孔用ユニットおよ
び帯電を誘起するコロナ処理により各種の絶縁材料から
なる長尺有機系フィルムに凹部等を形成するものであ
る。このため、穿孔およびコロナ放電処理後の前記フィ
ルム表面には大量の静電気が発生し、周囲のダストを付
着させる。このようなことから、前記ユニットの後段に
静電除去手段を設けることによって、前記穿孔処理後の
長尺有機系フィルム表面に生じる大量の静電気を除去で
き、前記フィルム表面にダストが付着して容易に除去で
きる。特に、前記静電除去手段として純水を収容した容
器と前記純水に超音波を付与する超音波発生部材とから
構成することによって前記穿孔処理後のフィルム表面に
付着したダストを極めて容易に洗い流すことができる。
【0067】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0068】図1は、本実施例の多孔質フィルムの製造
装置を示す正面図、図2は図1の製造装置の要部を示す
側面図、図3は図2の III− III線に沿う断面図、図4
は図1の製造装置における第1ロールの要部拡大断面
図、図5は図1の製造装置における第1ロールに高電圧
を供給する高電圧供給機構を説明するための概略図であ
る。
【0069】図中の1は、ベッドである。前記ベッド1
の右端付近を除く上面には、テーブル2が設けられてい
る。前記テーブル2上には、2つのカギ型のフレーム3
が前記テーブル2の幅方向にそれぞれ所定の間隔をあけ
て設置されている。前記フレーム3は、下板3a、側板
3b及び上板3cから形成されでいる。前記各フレーム
3の側板3bには、レール4が上下方向に亘ってそれぞ
れ形成されている。前記各レール4には、図3に示すよ
うに第1スライダー5(他方のスライダーは図示せず)
が上下動自在にそれぞれ配置されている。前記各スライ
ダー5には、軸受6を内蔵した第1ボックス7がそれぞ
れ固定されて、前記レール4に沿って上下動できるよう
になっている。前記各軸受6の周囲には、前記第1ボッ
クス7に対して絶縁するための例えばポリカーボネート
樹脂からなる絶縁環体8(他方の絶縁環体は図示せず)
がそれぞれ嵌合されいる。前記各フレーム3間には、第
1ロール9が配置されている。前記第1ロール9は、図
2および図4に示すように例えば50〜60μmの粒径
で鋭い角部を有する多数の天然もしくは合成のダイヤモ
ンド粒子(例えば合成ダイヤモンド粒子;誘電率5.
7)10が表面に70%以上の面積率でNi製の電着層
11aを介して付着された銅製のロール本体11と、前
記本体11の中心を貫通して前記本体11の両端面から
突出された軸12とから構成されている。前記軸12の
突出した両端部は、前記第1ボックス7内の軸受6にそ
れぞれ軸支されている。従って、前記第1ロール9は前
記第1ボックス7及び前記第1スライダー5により前記
レール4に沿って上下動自在に配置される。なお、前記
第1スライダー5に対応する前記レール4部分には2つ
のストッパ(図示せず)がそれぞれ設けられ、前記第1
スライダー5の上下動作を前記2つのストッパで例えば
5mmの範囲に規制するようになっている。
【0070】前記第1ボックス7の下方に位置する前記
各側板3bのレール4部分には、図3に示すように第2
スライダー13(他方のスライダーは図示せず)が上下
動自在にそれぞれ配置されている。前記各スライダー1
3には、軸受14を内蔵した第2ボックス15がそれぞ
れ固定され、前記レール4に沿って上下動できるように
なっている。また、前記各フレーム3間には第2ロール
16が前記第1ロール9の下方に位置するように対向し
て配置されている。前記第2ロール16は、図3および
図4に示すように例えば厚さ約3mmのアルミナからな
る誘電体層17が表面に被覆された鉄製のロール本体1
8と、前記本体18の中心を貫通して前記本体18の両
端面から突出された軸19とから構成されている。な
お、前記誘電体層17は前記ロール本体18表面にアル
ミナを溶射した後、溶射アルミナ層の表面を研摩するこ
とにより形成される。前記軸19の突出した両端部は、
前記第2ボックス15内の軸受14にそれぞれ軸支され
ている。従って、前記第2ロール16は前記第2ボック
ス15及び前記第2スライダー13により前記レール4
に沿って上下動自在に配置される。前記第2ロール16
の一端側(例えば左端側)の軸19部分は、前記第2ボ
ックス15を貫通して突出しており、かつ前記軸19の
突出部分には図示しないモータの駆動軸の歯車(図示せ
ず)と噛合する歯車20が軸着されている。
【0071】前記第1ボックス7の上方に位置する前記
各側板3bのレール4部分には、図3に示すように第3
スライダー21(他方のスライダーは図示せず)が上下
動自在にそれぞれ配置されている。前記各スライダー2
1には、軸受22を内蔵した第3ボックス23がそれぞ
れ固定され、前記レール4に沿って上下動できるように
なっている。また、前記各フレーム3間には第3ロール
24が前記第1ロール9の上方に位置するように対向し
て配置されている。前記第3ロール24は、図3に示す
ように例えば厚さ約3mmのアルミナからなる誘電体層
25が表面に被覆された鉄製のロール本体26と、前記
本体26の中心を貫通して前記本体26の両端面から突
出された軸27とから構成されている。前記軸26の突
出した両端部は、前記第3ボックス23内の軸受22に
それぞれ軸支されている。従って、前記第3ロール24
は前記第3ボックス23及び前記第3スライダー21に
より前記レール4に沿って上下動自在に配置される。前
記第3ロール24の一端側(例えば左端側)の軸27部
分は、前記第3ボックス23を貫通して突出しており、
かつ前記軸27の突出部分には前記モータの駆動軸の歯
車(図示せず)と噛合する歯車28が軸着されている。
後述する第1圧力調節手段により前記第2ロール16を
前記第1ロール9に押圧し、後述する第2圧力調節手段
により前記第3ロール24を前記第1ロール9に押圧し
た状態で、前記モータにより前記第2ロール16の軸1
9および前記第3ロール24の軸26を例えば時計回り
方向に回転すると、前記第2、第3のロール16、24
間に上下動自在に配置される前記第1ロール9が反時計
回り方向に回転されるようになっている。
【0072】前記2つのフレーム3、前記2つの第1ボ
ックス7、前記第1ロール9、前記前記2つの第2ボッ
クス15、前記第2ロール16、前記2つの第3ボック
ス23、前記第3ロール24、前記各スライダー5、1
3、21により穿孔用ユニット29を構成している。
【0073】前記各第1ボックス7の前面壁部には、図
3に示すようにねじ穴30がそれぞれ形成されている。
前記ねじ穴30には、前記ボックス7前面に当接される
フランジ部31を有する例えばポリカーボネート樹脂か
らなる絶縁筒体32がそれぞれ螺着され、かつ前記各絶
縁筒体32の先端は前記第1ボックス7に内蔵された前
記軸受6周囲の絶縁環体8を貫通して前記軸受6外周面
に達している。前記各絶縁筒体32内には、前記フラン
ジ31に当接する鍔部33を有する高電圧供給端子34
がそれぞれ挿入され、前記各端子34の先端は前記軸受
6に接続されている。前記各端子34の鍔部33には、
図5に示すようにケーブル35a、36bを通して高電
圧制御部材としての高圧トランス36にそれぞれ接続さ
れている。高圧トランス36は、ケーブル37を通して
例えば交流電源38に接続されている。前記絶縁環体
8、前記絶縁筒体32、前記高電圧供給端子34、前記
高圧トランス36および前記交流電源38等の部材によ
り、高電圧供給手段としての高電圧供給機構を構成して
いる。前記高電圧供給機構における前記交流電源38か
ら交流電圧を前記高圧トランス36に供給し、ここで所
望の高電圧に制御し、前記高電圧をケーブル35a、3
5bを通して前記各端子34に供給すると、前記各端子
34は前記各第1ボックス7に対して前記各絶縁筒体3
2で絶縁され、かつ前記各端子34の先端は前記軸受6
に接触しているため、前記第1ロール9のみに高電圧を
供給することができる。
【0074】前記各第2ボックス15の下壁には、上下
にフランジ39、40を有する円筒体41がそれぞれ配
置されている。前記各円筒体41は、図3に示すように
前記上部フランジ39から前記第2ボックス15の下壁
に螺着された複数のネジ42により前記第2ボックス1
5にそれぞれ固定されている。前記各円筒体41の下部
フランジ40には、中央に穴43を有する円板44がそ
れぞれ配置され、かつ前記各円板44は前記各円板44
から前記下部フランジ40に螺着された複数のネジ45
によりそれぞれ固定されている。前記各円筒体41内に
は、コイルバネ46がそれぞれ上下方向に弾性力を付与
するように収納されている。前記各円筒体41内には、
上端に圧力センサ47を取着したロッド48がそれぞれ
前記円板44の穴43を通して挿入されている。前記各
圧力センサ47は、前記各コイルバネ46の下端に当接
され、前記各ロッド48の上昇による前記コイルスバネ
46への押圧力を検出できるようになっている。前記各
センサ47下方の前記ロッド48部分には、前記ロッド
48を円滑に上下動させるための円板状ガイド49がそ
れぞれ取り付けられている。前記各ロッド44の下端部
には、ボールスクリュー50それぞれ螺着されている。
前記各ボールスクリュー50は、前記フレーム3の下板
3aを貫通して前記テーブル2の窪み部(図示せず)に
それぞれ突出している。前記窪み部内には、ネジ加工さ
れた係合板(図示せず)を内蔵したケーシング(他方の
ケーシングは図示せず)51がそれぞれ設けられてい
る。前記各ケーシング51内の前記係合板には、前記ボ
ールスクリュー50の下端突出部が螺合されている。前
記各ケーシング51内には、前記ボールスクリュー50
の下端突出部と係合するウォーム軸(図示せず)が水平
方向からそれぞれ挿入され、かつ前記各ウォーム軸の一
端にハンドル(他方のハンドルは図示せず)52がそれ
ぞれ設けられている。従って、前記ハンドル52を回転
することにより前記ハンドル52のウォーム軸と係合す
る前記ボールスクリュー50が回転し、前記ボールスク
リュー50が螺着された前記ロッド48を上昇(または
下降)するようになっている。この場合、前記ロッド4
8をある距離以上に下降させると、前記ロッド48に取
り付けられた前記円板状ガイド49が前記円筒体41下
部の円板44内面に当接して前記円筒体41自体を下降
させる。このため、前記円筒体41の上端に固定された
前記第2ボックス15が前記スライダー13により前記
レール4に沿って下降される。
【0075】前記2つの円筒体41、前記2つの円板4
4、前記2つのコイルバネ46、前記2つの圧力センサ
47、前記2つのロッド48、前記2つの円板状カイド
49、前記2つのボールスクリュー50、前記2つのケ
ーシング51、前記2つのウォーム軸(図示せず)およ
び前記2つのハンドル52により前記第1、第2のロー
ル9、16間を通過するフィルムへの押圧力を調節する
第1圧力調節手段53を構成している。
【0076】前記第3ボックス23の上壁には、上下に
フランジ54、55を有する円筒体56がそれぞれ配置
されている。前記各円筒体56は、図3に示すように前
記下部フランジ51から前記第3ボックス23の上壁に
螺着された複数のネジ57により前記第3ボックス23
にそれぞれ固定されている。前記各円筒体56の上部フ
ランジ54には、中央に穴58を有する円板59がそれ
ぞれ配置され、かつ前記各円板59は前記各円板59か
ら前記上部フランジ54に螺着された複数のネジ60に
よりそれぞれ固定されている。前記各円筒体56内に
は、コイルバネ61がそれぞれ上下方向に弾性力を付与
するように収納されており、かつ前記各コイルバネ61
の下端は前記第3ボックス23の上壁にそれぞれ当接さ
れている。前記各円筒体56内には、下端に圧力センサ
62を取着したロッド63がそれぞれ前記円板59の穴
58を通して挿入されている。前記各圧力センサ62
は、前記各コイルバネ61の上端に当接され、前記各ロ
ッド63の下降によるコイルバネ61への押圧力を検出
できるようになっている。前記各センサ62上方の前記
ロッド63部分には、前記ロッド63を円滑に上下動さ
せるための円板状ガイド64がそれぞれ取り付けられて
いる。前記各ロッド63の上端部には、ボールスクリュ
ー65がそれぞれ挿着されている。前記各ボールスクリ
ュー65は、前記フレーム3の上板3cを貫通して前記
上板3cの上方にそれぞれ突出している。前記各上板3
cの上面には、ネジ加工された係合板(図示せず)を内
蔵したケーシング(他方のケーシングは図示せず)66
がそれぞれ設けられている。前記各ケーシング66内の
前記係合板には、前記ボールスクリュー65の上端突出
部が螺合されている。前記各ケーシング66内には、前
記ボールスクリュー65の上端突出部と係合するウォー
ム軸(図示せず)が水平方向からそれぞれ挿入され、か
つ前記各ウォーム軸の一端にハンドル(他方のハンドル
は図示せず)67がそれぞれ設けられている。従って、
前記ハンドル67を回転することにより前記ハンドル6
7のウォーム軸と係合する前記ボールスクリュー65が
回転し、前記ボールスクリュー65が螺着された前記ロ
ッド63を下降(または上昇)するようになっている。
この場合、前記ロッド63をある距離以上に上昇させる
と、前記ロッド63に取り付けられた前記円板状ガイド
64が前記円筒体56上部の円板59内面に当接して前
記円筒体56自体を上昇させる。このため、前記円筒体
56の下端に固定された前記第3ボックス23が前記ス
ライダー21により前記レール4に沿って上昇される。
【0077】前記2つの円筒体56、前記2つの円板5
9、前記2つのコイルバネ61、前記2つの圧力センサ
62、前記2つのロッド63、前記2つの円板状カイド
64、前記2つのボールスクリュー65、前記2つのケ
ーシング66、前記2つのウォーム軸(図示せず)およ
び前記2つのハンドル67により前記第1、第3のロー
ル9、24間を通過するフィルムへの押圧力を調節する
第2圧力調節手段68を構成している。
【0078】前記穿孔用ユニット29の前段には、長尺
有機系フィルムの巻回ロール(図示せず)が配置されて
いる。前記巻回ロールの長尺有機系フィルム69は、例
えば2つの送りロール70を経由して前記ユニット29
の前記第1、第2のロール9、16間に供給され、さら
に送りロール66を経て前記第1、第3のロール9、2
4間に供給される。前記ユニット29の後段には、静電
除去手段71が配置されている。前記静電除去手段71
は、前記テーブル2上に設置され、純水を収容した容器
72と、前記純水に超音波を付与するための超音波発生
部材(図示せず)とから構成されている。前記ユニット
29と前記静電除去手段71の間、前記容器72内およ
び前記容器72の後段には、前記第1、第3のロール
9、24間を通過した前記長尺有機系フィルム69を搬
送するための5つの送りロール70がそれぞれ配置され
ている。なお、前記容器72の前後段に位置する前記2
つの送りロール70には当てロール73がそれぞれ配置
されている。前記静電除去手段71の後段には、前記送
りロール70、当てロール73間を通過した前記フィル
ム69を乾燥するための複数の熱風噴射部材(図示せ
ず)および巻取ロール(図示せず)が順次配置されてい
る。
【0079】次に、前述した構成の多孔質フィルムの製
造装置により例えば二軸延伸ポリプロピレン(OPP)
からなる長尺有機系フィルム69を第1、第2のロール
9、16間および第1、第3のロール9、24間を通過
させて多数の貫通孔を穿孔する操作を説明する。
【0080】まず、第1、第2の圧力調節手段53、6
8のハンドル52、67等を操作することによって図示
しないストッパにより下方への移動が規制された第1ロ
ール9に対して第2ロール16および第3ロール24を
十分な間隔をあけて離し、巻回ロール(図示せず)から
OPPからなる長尺有機系フィルム69を2つの送りロ
ール70により前記穿孔用ユニット29の前記第1、第
2のロール9、16間、送りロール66及び第1、第3
のロール9、24間を通過させた後、5つの送りロール
70により静電除去手段71の容器内72内を通過さ
せ、さらに複数の熱風噴射部材(図示せず)を通過させ
て巻取ロール(図示せず)に前記長尺有機系フィルム6
9の先端を巻く。
【0081】前記長尺有機系フィルム69の先端を巻取
ロールに巻き取った後、前記第1圧力調節手段53の2
つのハンドル52を時計回り方向に回転させることによ
り、各円筒体41の上端に連結された各第2ボックス1
5をスライダー13により各フレーム3の各レール4に
沿ってそれぞれ上昇させ、前記各第2ボックス15内の
軸受14に軸支された軸19を有する第2ロール16
を、その上の第1ロール9に前記長尺有機系フィルム6
9を挟んで当接させる。更に、前記各ハンドル52を同
方向に回転させることにより、各ロッド48上端の各セ
ンサ47でその上の各コイルバネ46を圧縮させる。か
かる前記各コイルバネ46の圧縮により、前記各第2ボ
ックス15の下壁に押圧力が付与され、前記各第2ボッ
クス15内の軸受14に軸支された前記軸19を有する
前記第2ロール16と前記第1ロール9の間の押圧力が
上昇する。この際、前記各圧力センサ47により前記第
2、第1のロール16、間の押圧力(圧縮力)を検出し
て、前記各ハンドル51を正逆方向に回転を調節するこ
とにより、前記第2、第1のロール16、9間に位置す
る前記長尺有機系フィルム69への押圧力が調節され
る。
【0082】次いで、前記第2圧力調節手段68の2つ
のハンドル67を反時計回り方向に回転させることによ
り、各円筒体56の下端に連結された各第3ボックス2
3をスライダー21により各フレーム3の各レール4に
沿ってそれぞれ下降させ、前記各第3ボックス23内の
軸受22に軸支された軸27を有する第3ロール24
を、その下の第1ロール9に前記長尺有機系フィルム6
9を挟んで当接させる。更に、前記各ハンドル67を同
方向に回転させることにより、各ロッド63下端の各セ
ンサ62でその下の各コイルバネ61を圧縮させる。か
かる前記各コイルバネ61の圧縮により、前記各第3ボ
ックス24の上壁に押圧力が付与され、前記各第3ボッ
クス23内の軸受22に軸支された前記軸27を有する
前記第3ロール24と前記第1ロール9の間の押圧力が
上昇する。この際、前記各圧力センサ62により前記第
3、第1のロール24、9間の押圧力(圧縮力)を検出
して、前記各ハンドル67を正逆方向に回転を調節する
ことにより、前記第3、第1のロール24、9間に位置
する前記長尺有機系フィルム69への押圧力が調節され
る。
【0083】以上のような前記第1圧力調節手段63に
よる前記穿孔用ユニット29への押圧調節により、前記
第2、第1のロール16、9間に位置する前記長尺有機
系フィルム69の幅方向全体に亘って均一な押圧力が付
与される。また、前記第2圧力調節手段68による前記
穿孔用ユニット29への押圧調節により、前記第3、第
1のロール24、9間に位置する前記長尺有機系フィル
ム69の幅方向全体に亘って均一な押圧力が付与され
る。さらに、前記第1、第2の圧力調節手段53、68
により前記第2、第3のロール16、24を前記スライ
ダー5およびストッパ(図示せず)で所望の距離範囲内
にて上下動する前記第1ロール9を押圧することによっ
て、前記第1ロール9の長さ方向への撓み発生が防止さ
れる。このような前記第1、第2の圧力調節手段53、
68を操作により穿孔の準備が完了する。
【0084】穿孔操作の準備が完了した後、前記静電除
去手段71の容器72に収容された純水に図示しない超
音波発生部材により超音波を付与する。つづいて、前記
巻取ロールを回転させると同時に、図示しないモータの
駆動軸を回転させることにより、前記駆動軸の歯車に噛
合した前記第2、第3のロール16、24の軸19、2
7の歯車20、28を時計回り方向に回転させる。前記
第2、第3のロール16、24が回転すると、それらロ
ール16、24間に位置すると共に、それらロール1
6、24で押圧された前記第1ロール9が反時計回り方
向に回転される。同時に、交流電源38から交流電圧を
ケーブル37を通して高圧トランス36に供給し、ここ
で電圧制御を行い、例えば3000V、0.26Aの高
電圧をケーブル36a、36bを通して前記各第1ボッ
クス7の前面に各絶縁筒体32で絶縁して取付けた各供
給端子34の各鍔部33に供給し、前記各供給端子3
4、前記各第1ボックス7に内蔵された各軸受12を経
由して前記第1ロール9に高電圧を供給する。このよう
に前記第1〜第3のロール9、16、24を回転させる
と共に、前記第1ロール9に高電圧を印加することによ
り、前記第1、第2のロール9、16間および前記第
1、第3のロール9、24間を通過する前記OPPから
なる長尺有機系フィルム69に多数の凹部が穿孔される
と共にそれらの内面が親和化処理される。
【0085】すなわち、前記第1ロール9は図2および
図4に示すように鋭い角部を有する多数の合成ダイヤモ
ンド粒子10が表面に例えば70%以上の面積率で電着
層11aを介して付着された銅製のロール本体11を備
えた構造になっていおり、かつ前記第2、第3のロール
16、24はそれぞれ表面に誘電体層17、25が被覆
された鉄製のロール本体18、26を備えた構造になっ
ている。このため、前記長尺有機系フィルム69が例え
ば前記第1、第2のロール9、16間を通過する時に、
図6に示すように前記第1ロール9表面の多数の合成ダ
イヤモンド粒子10の鋭い角部が前記長尺有機系フィル
ム69に一様に食い込んで機械的な穿孔がなされ、多数
の逆円錐形状の凹部74が形成される。同時に、交流高
電圧が供給された前記第1ロール9は前記長尺有機系フ
ィルム69を挟んで表面に前記誘電体層17が被覆され
た第2ロール16に対向されているため、前記第1ロー
ル9表面の誘電体である多数の合成ダイヤモンド粒子1
0と前記第2ロール16の誘電体層17の間でコロナ放
電が一様に発生する。その結果、同図6に示すように前
記第1ロール9の多数の合成ダイヤモンド粒子10の角
部が食い込まれた前記長尺有機系フィルム69に前記コ
ロナが一様に照射されるため、前記長尺有機系フィルム
69に穿孔された多数の凹部74の内面が前記コロナ放
電により親和化処理される。また、前記長尺有機系フィ
ルム69が前記第1、第3のロール9、24の間を通過
する時にも同様な穿孔およびコロナ放電処理がなされ、
前記長尺有機系フィルム69に多数の凹部が形成される
と共にその内面が親和化処理される。その結果、図7に
示すように長尺有機系フィルム69に内面が親和性を示
す微細な開口幅を有する凹部74が多数形成され、かつ
前記各凹部74の底部に対応する個所に残存薄膜部75
が存在する構造の長尺多孔質有機系フィルム76が得ら
れる。
【0086】また、前記第1、第2の圧力調節手段5
3、68による前記穿孔用ユニット29への押圧調節に
より、表面精度が数十μmである前記第1ロール9を組
み込んでも前記第1、第2のロール9、16間および第
1、第3のロール9、24間を通過する前記長尺有機系
フィルム69の幅方向全体に亘って均一な押圧力が付与
されるため、前記長尺有機系フィルム69の通過に伴う
前記第1、第2のロール9、16間および第1、第3の
ロール9、24間の振動、衝撃などの動的外力が吸収、
緩和され、前記第1〜第3のロール9、16、24が円
滑かつ連続的に回転される。その結果、第1ロール9に
よる前記長尺有機系フィルム69への機械的な穿孔およ
びコロナ放電は、その幅方向全体に亘って均一かつ一様
に行なわれる。
【0087】さらに、前記第1、第2の圧力調節手段5
3、68により前記第2、第3のロール16、24を上
下動可能、つまりフリーな状態で配置された前記第1ロ
ール9を押圧することによって、前記第1ロール9の長
さ方向への撓み発生が防止されているため、長時間の運
転においても前記第1ロール9表面に付着された多数の
合成ダイヤモンド粒子10の鋭い角部による機械的な一
様な穿孔とコロナ放電が維持される。
【0088】前記穿孔用ユニット29による穿孔がなさ
れた前記長尺有機系フィルム69は、5つの送りロール
70および2つの当てロール73により前記静電除去手
段71の容器72内を通過、搬送される。前記ユニット
29による前記長尺有機系フィルム69への穿孔は、前
記第1、第2のロール9、16間および第1、第3のロ
ール9、24間の摩擦およびコロナ放電によりなされる
ため、穿孔処理後の前記フィルム69表面に大量の静電
気が発生し、周囲のダストを付着させる。穿孔処理後の
前記長尺有機系フィルム69を前記静電除去手段71の
純水が収容された容器72を通過させると共に、図示し
ない超音波発生部材により前記純水に超音波を付与する
ことにより、前記長尺有機系フィルム69に付着したダ
ストが容易に洗い流される。ダストが洗い流された多数
の貫通孔が形成された前記長尺有機系フィルム69は、
図示しない複数の熱風噴射部材を通過して表面の水が揮
散除去され、更に巻取ロールに巻き取られる。
【0089】従って、前述した多孔質フィルム製造装置
によれば、第1ロール9表面に付着された多数の合成ダ
イヤモンド粒子10の鋭い角部による機械的な一様な穿
孔とコロナ放電が例えばOPPからなる長尺有機系フィ
ルム69に対してなされるため、前記長尺有機系フィル
ム69に前記フィルム材料本来の特性(例えば透明性、
ソフト感等)を殆ど損なうことなく、サブμm〜300
μmの範囲で任意に選択された微細な開口幅を有し、内
面が親和性を示す逆円錐形状をなす凹部を一様かつ多数
(例えば1cm2 当たり500個〜200,000個)
で形成でき、優れた濡れ性、水、雑菌を透過せず、酸素
ガス、炭酸ガスなどのガスの透過量、水蒸気透過量の制
御性を有するため、塗布膜形成用ベースフィルム、積層
用フィルム、青果物鮮度保持用包装材、脱酸素材用包装
材などの各種包装材、はっぷ剤の伸縮製ベースフィル
ム、手術用手袋などの医療料材料等の素材に好適な多孔
質フィルムを得ることができる。
【0090】また、前記長尺有機系フィルム69を前記
第1、第2のロール9、16間および第1、第3のロー
ル9、24間の両者に通過させれば、前記第1ロール9
表面に付着された多数の合成ダイヤモンド粒子10の鋭
い角部による機械的な一様な穿孔とコロナ放電処理が前
記長尺有機系フィルム69に2度に亘ってなされるた
め、内面が親和性を示す凹部をより多数(高密度)形成
することができる。
【0091】さらに、前記第1ボックス7に内蔵された
前記軸受6に例えばポリカーボネート樹脂からなる絶縁
環体8を嵌合させることによって、高電圧が供給される
前記第1ロール9を前記第1ボックス7に対して良好に
絶縁することが可能になる。
【0092】さらに、前記第1、第2の圧力調節手段5
3、68による前記穿孔用ユニット29の記第1、第2
のロール9、16間および第1、第3のロール9、24
間の押圧調節がなされているため、前記第1〜第3のロ
ール9、16、24を円滑かつ高速度で回転でき、前記
長尺有機系フィルム69に皺を生じることなく、前述し
た穿孔処理能力を大幅に向上できる。
【0093】さらに、前記長尺有機系フィルムに厚さの
ばらつきがあっても、前述したのと同様な作用により前
記前記各ロール間を前記長尺有機系フィルム69が通過
する過程で破断するのを防止できるため、長尺有機系フ
ィルム69に多数の内面が親和性を示す凹部を連続的に
形成することができる。
【0094】さらに、穿孔処理後の前記長尺有機系フィ
ルム69を静電除去手段71を通過させることにより、
ダスト等の付着のない取扱いが容易な長尺多孔質フィル
ムを巻取ロールに巻き取ることができる。
【0095】一方、前記実施例において前記高電圧供給
機構における交流電源38から交流電圧をケーブル37
を通して高圧トランス36に供給し、ここで電圧制御を
行い、例えば10kV、1.5Aの極めて高い高電圧を
ケーブル36a、36bを通して前記各第1ボックス7
の前面に各絶縁筒体32で絶縁して取付けた各供給端子
34の各鍔部33に供給し、前記各供給端子34、前記
各第1ボックス7に内蔵された各軸受12を経由して前
記第1ロール9に高電圧を供給すると、図8に示すよう
に前記第1ロール9に付着された誘電体である多数の合
成ダイヤモンド粒子10の鋭い角部における電界の集
中、つまりエッジ効果により前記合成ダイヤモンド粒子
10の角部の食い込みで形成された前記長尺有機系フィ
ルム69の凹部74の底部に位置する残存薄膜部75に
高エネルギーのコロナ77が主に集中して照射されて穿
孔がなされるため、前記残存薄膜部75に前記凹部74
の開口幅より小さい径の円柱形状の貫通孔が形成され
る。また、前記長尺有機系フィルム69に穿孔された多
数の凹部74の内面および前記貫通孔の内面は前記コロ
ナ放電により親和化処理される。その結果、図9に示す
ように長尺有機系フィルム69に内面が親和性を示す微
細な開口幅を有する凹部74が多数形成され、かつ前記
各凹部74の底部に位置する残存薄膜部75に内面が親
和性を示し、前記凹部74の開口幅より小さい径を有す
る円柱状の貫通孔78が穿孔された長尺多孔質有機系フ
ィルム79が得られる。
【0096】このような多孔質有機フィルムは、優れた
濡れ性を有し、かつ水、細菌、雑菌を透過を抑制ないし
防止し、酸素ガス、炭酸ガスなどのガスや水蒸気を透過
してガス透過量、水蒸気透過量の制御性(特に高い水蒸
気透過量)等を有する。このため、かかる多孔質有機系
フィルムは前述した塗布膜形成用ベースフィルム、積層
用フィルムまたは青果物鮮度保持用包装材、脱酸素剤用
包装材などの各種包装材、はっぷ剤の伸縮性ベースフィ
ルム、手術用の手袋、ガス選択透過フィルタ等に有効に
利用できる。
【0097】なお、前記実施例の製造装置において前記
圧力調節手段を前記円筒体、前記円板、前記コイルバ
ネ、前記圧力センサ、前記ロッド、前記円板状ガイド、
前記ボールスクリュー、前記ケーシング、前記ウォーム
軸および前記ハンドルにより構成したが、これに限定さ
れない。例えばエアーシリンダで圧力調節手段を形成し
てもよい。また、前記圧力調節手段の一構成部材である
圧力センサを省略してもよい。但し、より精度の高い穿
孔操作を行うには前記センサを内蔵することが望まし
い。
【0098】前記実施例においては、前記第1、第2の
ロール間および第1、第3のロール間の両者に長尺有機
系フィルムを通過させて、2度の穿孔操作を行ったが、
前記ロール間のいずれか一方のみに前記長尺有機系フィ
ルムを通過させるようにしてもよい。前記実施例では、
穿孔ユニットを第1〜第3のロールを含む構成とした
が、第1、第2のロールにより穿孔用ユニットを構成し
てもよい。
【0099】前記実施例においては、OPPからなる長
尺有機系フィルムに多数の貫通孔を形成した例について
説明したが、無延伸ポリプロピレン、ポリエチレンなど
の他のポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィル
ム、エラストマーフィルム等の各種の高分子材料フィル
ム、その他、発泡高分子材料フィルム、複合フィルム、
高分子材料フィルムを2層または3層ラミネートした積
層フィルムなどに適用しても実施例と同様、それらのフ
ィルム材料本来の特性を殆ど損なうことなく、サブμm
〜300μmの範囲で任意に選択された微細な開口幅を
有し、内面が親和性を示す凹部、または同様な開口幅を
有し、内面が親和性を示す凹部および前記凹部の底部の
残存薄膜部に内面が親和性を示す前記開口幅より小さい
径の貫通孔を一様かつ多数で形成できる。
【0100】
【発明の効果】以上詳述し如く、本発明によれば高分子
材料、積層物を始めとした各種の長尺有機系フィルムに
対してそのフィルム材料本来の特性(例えば透明性、ソ
フト感、強度等)を殆ど損なうことなくサブμm〜30
0μmの範囲で任意に選択された微細な開口幅を有し、
内面が親和性を示す凹部を一様かつ多数(例えば1cm
2 当たり500個〜200,000個)、またはそれぞ
れ内面が親和性を示す微細な凹部および前記凹部に底部
に繋がる前記凹部の開口幅より小さい径の貫通孔を一様
かつ多数(例えば1cm2 当たり500個〜200,0
00個)形成でき、塗布膜形成用ベースフィルム、各種
のガスフィルタ、医療素材、青果物鮮度保持用包装材な
どの機能性フィルム等の素材として好適な多孔質フィル
ムを量産的に製造することが可能な製造装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における多孔質フィルムの製造
装置を示す正面図。
【図2】図1の製造装置の要部を示す側面図。
【図3】図2の III− III線に沿う断面図。
【図4】図1の製造装置における第1ロールの要部拡大
断面図。
【図5】図1の製造装置における第1ロールに高電圧を
供給する高電圧供給機構を説明するための概略図。
【図6】図1の製造装置による長尺有機系フィルムへの
穿孔およびコロナ放電処理を説明するための要部拡大断
面図。
【図7】図6の穿孔およびコロナ放電処理により得られ
た長尺多孔質有機系フィルムの要部拡大断面図。
【図8】図1の製造装置による長尺有機系フィルムへの
別の穿孔およびコロナ放電処理を説明するための要部拡
大断面図。
【図9】図8の穿孔およびコロナ放電処理により得られ
た長尺多孔質有機系フィルムの要部拡大断面図。
【符号の説明】
1…ベッド、2…テーブル、3…フレーム、7…第1ボ
ックス、8…絶縁環体、9…第1ロール、10…合成ダ
イヤモンド粒子、15…第2ボックス、16…第2ロー
ル、17、25…アルミナ層、23…第3ボックス、2
4…第3ロール、29…穿孔用ユニット、32…絶縁筒
体、34…高電圧供給端子、36…高圧トランス、38
…交流電源、41、56…円筒体、46、61…コイル
バネ、50、65…ボールスクリュー、52、67…ハ
ンドル、53、68…圧力調節手段、69…長尺有機系
フィルム、71…静電除去手段 74…凹部、75…残存薄膜部、76、79…長尺多孔
質有機系フィルム、78…貫通孔。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺有機系フィルムを供給するための供
    給手段; 鋭い角部を有する多数の天然もしくは合成のダイヤモン
    粒子が表面に付着された回転可能な第1ロールと、前
    記第1ロールに対して逆方向に回転可能な表面に誘電体
    層が被覆された第2ロールとを有し、前記第1、第2の
    ロール間に前記長尺有機系フィルムが通過され、かつ前
    記各ロールのいずれか一方または両者をそれらの配列方
    向に移動自在に配置した穿孔用ユニット; 前記穿孔用ユニットの前記各ロールのうちのいずれか一
    方のロールの両端部付近に設けられ、前記各ロールによ
    る前記長尺有機系フィルムへの押圧力を調節するための
    圧力調節手段; 前記第1ロールに高電圧を供給するための高電圧供給手
    段; を具備したことを特徴とする多孔質フィルムの製造装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第2ロールは、金属製のロール本体
    と、このロール本体表面に被覆されたセラミックからな
    る誘電体層とから形成されていることを特徴とする請求
    項1記載の多孔質フィルムの製造装置。
  3. 【請求項3】 前記穿孔ユニットは、さらに前記第1ロ
    ールを中心にして前記第2ロールの反対側に前記第1ロ
    ールに対して逆方向に回転可能な第3ロールが配置され
    ていることを特徴とする請求項1記載の多孔質フィルム
    の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記第3ロールは、金属製のロール本体
    と、このロール本体表面に被覆されたセラミックからな
    る誘電体層とから形成されていることを特徴とする請求
    記載の多孔質フィルムの製造装置。
  5. 【請求項5】 前記穿孔用ユニットの前記各ロールは、
    それらの中心を貫通して挿着された軸により回転される
    と共に、前記各軸の両端付近はボックスに内蔵した軸受
    にそれぞれ軸支されていることを特徴とする請求項1ま
    たは記載の多孔質フィルムの製造装置。
  6. 【請求項6】 前記圧力調節手段は、前記第2ロールの
    前記ボックスに配置され、かつ前記第1ロールに向けて
    押圧するための圧縮部材を備えることを特徴とする請求
    項1または記載の多孔質フィルムの製造装置。
  7. 【請求項7】 さらに別の圧力調節手段は、前記第3ロ
    ールの前記ボックスに配置され、かつ前記第1ロールに
    向けて押圧するための圧縮部材を備えることを特徴とす
    る請求項1または記載の多孔質フィルムの製造装置。
  8. 【請求項8】 前記高電圧供給手段は、前記第1ロール
    に供給する高電圧を制御するための制御部材を備えるこ
    とを特徴とする請求項1記載の多孔質フィルムの製造装
    置。
  9. 【請求項9】 前記高電圧供給手段は、前記第1ロール
    の軸を軸支する前記軸受の外周囲に被覆され、前記ボッ
    クスに対して電気的に絶縁するための絶縁材料層と、前
    記ボックスの表面から前記ボックスおよび前記絶縁材料
    層を貫通して挿着された絶縁筒体と、前記絶縁筒体に先
    端が前記軸受に接触するように挿着された高電圧供給端
    子と、前記供給端子に接続された高電圧供給源とを備え
    ることを特徴とする請求項1記載の多孔質フィルムの製
    造装置。
  10. 【請求項10】 前記高電圧供給手段は、前記高電圧供
    給端子と前記高電圧供給源都の接続経路にさらに前記第
    1ロールに供給する高電圧を制御するための制御部材が
    設けられることを特徴とする請求項記載の多孔質フィ
    ルムの製造装置。
  11. 【請求項11】 前記圧力調節手段が設けられた前記穿
    孔用ユニットは、前記フィルムの搬送方向に複数配列さ
    れることを特徴とする請求項1ないし10いずれか記載
    の多孔質フィルムの製造装置。
  12. 【請求項12】 前記穿孔用ユニットの後段に静電除去
    手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし11いず
    れか記載の多孔質フィルムの製造装置。
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