JPH05309728A - 易回収性二軸配向積層熱可塑性樹脂フイルム - Google Patents

易回収性二軸配向積層熱可塑性樹脂フイルム

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JPH05309728A
JPH05309728A JP12054992A JP12054992A JPH05309728A JP H05309728 A JPH05309728 A JP H05309728A JP 12054992 A JP12054992 A JP 12054992A JP 12054992 A JP12054992 A JP 12054992A JP H05309728 A JPH05309728 A JP H05309728A
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film
thermoplastic resin
laminated
particles
temperature
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JP12054992A
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Inventor
Yasuhiro Saeki
靖浩 佐伯
Kiminori Nishiyama
公典 西山
Hisashi Hamano
久 浜野
Masami Ecchu
正己 越中
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積層フイルムの溶融回収樹脂の再利用を可能
とし、製造コストを著しく低減することのできる二軸配
向積層熱可塑性樹脂フイルムを提供する。 【構成】 実質的に易滑性付与粒子を含有しない熱可塑
性樹脂を主成分とするフイルムBの少なくとも片面に、
熱可塑性樹脂と易滑性付与粒子とを主成分とするフイル
ムAが積層されてなる二軸配向積層フイルムであって、
該易滑性付与粒子が熱可塑性樹脂の押出温度より高く、
積層フイルム回収時の再溶融温度より低い融点を有する
有機粒子であることを特徴とする易回収性二軸配向積層
熱可塑性樹脂フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は易回収性二軸配向積層熱
可塑性樹脂フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フイルムの加工工程でのフイルム
表面の傷つきや高温高湿下での摩擦係数の上昇によるハ
ンドリング性不良を抑制し、かつビデオ、オーディオ用
途における記録再生時の画質・音質(S/N)の低下を
も抑制する目的で表面が平坦なフイルム(平坦層)と、
不活性粒子の添加により表面が粗く、摩擦係数の低いフ
イルム(易滑層)とを積層した二軸配向積層熱可塑性樹
脂フイルムが使用されている。
【0003】一方、二軸配向フイルムは、その製造工程
での両側端部が製品となり得ず、該両側端部を再溶融
し、フイルム製造の原料として回収、再利用すること
が、該二軸配向フイルムのコスト低減に必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記二軸配向
積層熱可塑性樹脂フイルムは、フイルムの再溶融による
回収工程において、各層を別個に回収することは事実上
不可能である。
【0005】このため、回収された熱可塑性樹脂には摩
擦係数低減のために易滑層に添加された易滑性付与粒子
が含まれることになる。
【0006】この回収樹脂を、再び、積層熱可塑性樹脂
フイルムの製造に使用する場合、大粒子の不活性粒子の
存在を考慮すると、易滑層用の樹脂への混入が望まし
い。しかし、該易滑層は、通常層内の大粒子による平坦
層への影響(突出し効果)を抑制するために層厚が薄く
設計されることが多いので、易滑層に用いる樹脂の必要
量そのものが少ない。このため発生した回収樹脂の使用
量は、積層樹脂フイルム全体の樹脂使用量に比べておの
ずと少量となり、回収再利用による積層フイルムの製造
コストの低減効果は小さい。
【0007】一方で、平坦層は、その表面への易滑層内
の大粒子からの影響(突出し効果)を抑制するため、通
常、層厚が厚く設計され、平坦層に用いる樹脂使用量は
多い。このため平坦層への回収樹脂の使用が可能であれ
ば、積層フイルムの製造コストを著しく低減することが
できるが、この場合回収樹脂中に含まれる大粒子が、平
坦層のフイルム表面に少なからぬ影響を与え、該積層フ
イルムを用いた記録媒体の記録再生時の画質・音質(S
/N)を低下させてしまう。
【0008】以上の理由により、従来の積層熱可塑性樹
脂フイルムにおいては、フイルムの再溶融による回収樹
脂の使用は事実上不可能であり、該積層フイルムの製造
コストは単層フイルムのそれに比べ、高いものとならざ
るを得なかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる問題
を解消し、記録媒体に使用する場合の記録再生時に画質
・音質(S/N)の低下をひき起こすことなく、積層熱
可塑性樹脂フイルムの再溶融回収樹脂の該積層フイルム
の製造に用いることを可能とすべく、鋭意研究した結
果、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は、実質的に易滑性付与
粒子を含有しない熱可塑性樹脂を主成分とするフイルム
Bの少なくとも片面に、熱可塑性樹脂と易滑性付与粒子
とを主成分とするフイルムAが積層されてなる二軸配向
積層フイルムであって、該易滑性付与粒子が熱可塑性樹
脂の押出温度よりも高く、積層フイルム回収時の再溶融
温度よりも低い融点を有する有機粒子であることを特徴
とする易回収性二軸配向積層熱可塑性樹脂フイルムであ
る。
【0011】本発明のフイルムを構成する熱可塑性樹脂
はポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリフ
ェニレンスルフィドなど特に限定されることはないが、
特に、ポリエステル、中でも、エチレンテレフタレー
ト、エチレン−α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)
エタン−4,4′−ジカルボキシレート、エチレン−
2,6−ナフタレート単位から選ばれた少なくとも一種
の構造単位を主要構成成分とするポリエステルが耐スク
ラッチ性、耐ダビング性、摩擦係数がより一層良好とな
るので望ましい。また、前記熱可塑性樹脂は結晶性、あ
るいは溶融時光学異方性である場合に耐スクラッチ性、
耐ダビング性、摩擦係数がより一層良好となるのできわ
めて望ましい。ここでいう結晶性とはいわゆる非晶質で
はないことを示すものであり、定量的には結晶化パラメ
ータにおける冷結晶化温度Tccが検出され、かつ結晶
化パラメータΔTcgが150℃以下のものである。さ
らに、示差走査熱量計で測定された融解熱(融解エンタ
ルピー変化)が7.5cal /g以上の結晶性を示す場合
に耐スクラッチ性、耐ダビング性、摩擦係数がより一層
良好となるのできわめて望ましい。また、エチレンテレ
フタレートを主要構成成分とするポリエステルの場合に
耐ダビング性と耐スクラッチ性がより一層良好となるの
でとくに望ましい。なお、本発明を阻害しない範囲内
で、2種以上の熱可塑性樹脂を混合してもよいし、共重
合ポリマーを用いてもよい。また、本発明の目的を阻害
しない範囲内で、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤
などの有機添加剤が通常添加される程度添加されていて
もよい。
【0012】本発明において熱可塑性樹脂中に添加含有
させる有機粒子は、特定の融点、すなわち前記熱可塑性
樹脂の溶融押出温度より高く、積層フイルム回収時の再
溶融温度より低い融点を有する限り、樹脂の種類によっ
て限定されることはない。かかる粒子特性を満足するも
のとして、架橋高分子による粒子(例えば、架橋ポリス
チレン、架橋ポリエステルなど)が好ましく挙げられ
る。
【0013】有機粒子の融点が前記の温度範囲よりも低
いと、該積層フイルムの易滑層となるべきフイルムA層
の溶融押出時に、該有機粒子も溶融してしまい、易滑層
となるフイルムA層の表面特性の形成に寄与できないた
め、耐スクラッチ性、摩擦係数が不良となるので、好ま
しくない。一方、有機粒子の融点が前記の温度範囲より
も高いと、積層フイルムの溶融回収時に有機粒子が溶融
せず、このため回収した熱可塑性樹脂中に有機粒子が粒
子の状態で残存し、積層フイルムを構成する平坦層(フ
イルムB層)へ回収した樹脂を使用すると、平坦層とな
るフイルムB層の表面粗さが増大し、該積層フイルムを
用いた記録媒体の記録・再生時に画質、音質(S/N)
が低下するので、好ましくない。
【0014】有機粒子の大きさは、フイルム中での平均
粒径が0.005〜2.5μm、さらに0.01〜2.
0μm、特に0.05〜1.5μmの範囲であることが
好ましい。平均粒径があまりに小さいと耐スクラッチ
性、摩擦係数が不良となり、逆に大きすぎても耐スクラ
ッチ性、摩擦係数、および該二軸配向積層フイルムを用
いた記録媒体の記録再生時の画質、音質(S/N)が不
良となるので好ましくない。
【0015】また、本発明の積層フイルムにおいて易滑
面を形成するフイルムA層中の有機粒子の含有量は0.
01〜50重量%、さらに0.015〜30重量%、特
に0.02〜20重量%であることが好ましい。有機粒
子の含有量が上記の範囲より少ないと、耐スクラッチ
性、摩擦係数が不良となり、逆に多すぎても耐スクラッ
チ性、および耐ダビング性が不良となるので好ましくな
い。
【0016】かかる有機粒子を含有する積層フイルム
は、回収時の再溶融温度を有機粒子の融点より高く、熱
可塑性樹脂の熱分解点未満とする必要がある。
【0017】回収時の再溶融温度が上記の温度範囲より
低いと、回収再溶融時に有機粒子が溶融せず、回収樹脂
中に有機粒子が粒子の状態で残存してしまい、また逆に
高いと回収時に熱可塑性樹脂が熱分解を引き起こし、回
収樹脂が再使用に適さないものとなるので、好ましくな
い。
【0018】かかる有機粒子を含有する熱可塑性樹脂
は、例えば次の方法で得ることができる。
【0019】熱可塑性樹脂がポリエステルの場合には、
有機粒子をジオール成分であるアルキレングリコール、
例えばエチレングリコールのスラリーの形で分散せし
め、このアルキレングリコールを所定のジカルボン酸成
分と重合せしめる方法で製造することができる。この方
法は延伸時のフイルム破れをなくし、所定範囲の厚み構
成、望ましい範囲の配向状態のフイルムを得るのに有効
である。また有機粒子を含有するポリエステルの溶融粘
度、共重合成分などを調節して、その結晶化パラメータ
ΔTcgを40〜65℃の範囲にしておく方法も延伸時
のフイルム破れをなくし、所定の範囲の厚さと平均粒径
の関係、含有量のフイルムを得るのに有効である。
【0020】さらにまた、有機粒子のアルキレングリコ
ールのスラリーを140〜200℃、特に180〜20
0℃の温度で30分〜5時間、特に1〜3時間熱処理す
る方法も延伸時のフイルム破れがなく、所定の範囲の厚
み構成、望ましい範囲の配向状態のフイルムを得るのに
有効である。
【0021】また熱可塑性樹脂(ポリエステルも含め
て)に有機粒子を含有せしめる他の方法として、有機粒
子をアルキレングリコール中で140〜200℃、特に
180〜200℃の温度で30分〜5時間、特に1〜3
時間熱処理した後、該グリコール溶媒を水で置換したス
ラリーの形で熱可塑性樹脂と混合し、ベント方式の二軸
押出機を用いて混練して熱可塑性樹脂に練り込む方法も
所定の範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量のフイルム
を得るのに有効である。
【0022】粒子の含有量を調節する方法としては、上
記方法で高濃度マスターを作っておき、それを製膜時に
有機粒子を実質的に含有しない熱可塑性樹脂で希釈して
粒子の含有量を調節する方法が一般的であるが、本発明
では、前記積層熱可塑性フイルムを再溶融して得られた
回収樹脂を稀釈用樹脂に所定量混合してもよい。
【0023】本発明において、積層熱可塑性樹脂フイル
ムを構成するフイルムBに用いる熱可塑性樹脂は、実質
的に易滑性付与粒子を含有しないので、該樹脂として回
収樹脂、および該回収樹脂と新たに重合した熱可塑性樹
脂との混合物を好ましく用いることができる。
【0024】かくして得られたフイルムA、B用の熱可
塑性樹脂の各ペレットを必要に応じて乾燥した後、公知
の溶融積層用押出機に供給し、スリット状のダイからシ
ート状に共押出し、キャスティングロール上で冷却固化
せしめて未延伸積層フイルムを作る。すなわち、2また
は3台の押出機、2または3層のマニホールドまたは合
流ブロックを用いて、フイルムA、B用の熱可塑性樹脂
を溶融積層し、口金から2または3層のシート状に共押
出し、キャスティングロールで冷却して未延伸積層フイ
ルムを作る。この場合、フイルムA用の熱可塑性樹脂の
ポリマー流路に、スタティックミキサー、ギアポンプを
設置する方法は延伸破れがなく、所定の範囲の厚み構
成、望ましい範囲の配向状態のフイルムを得るのに有効
である。
【0025】次いで、上記未延伸積層フイルムを二軸配
向せしめて二軸配向積層フイルムとする。一軸あるいは
無配向フイルムでは耐スクラッチ性が不良となるので好
ましくない。この配向の程度は特に限定されないが、熱
可塑性樹脂の分子配向の程度の目安であるヤング率が長
手方向、幅方向ともに350kg/mm2 以上である場合に
耐スクラッチ性がより一層良好となるのできわめて望ま
しい。
【0026】二軸延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸法
を用い、長手方向の延伸を2段階以上に分けて、総縦延
伸倍率を3.5〜6.5倍で行う方法は延伸破れがな
く、所定の範囲の厚さと望ましい範囲の配向状態のフイ
ルムを得るのに有効である。ただし、熱可塑性樹脂が溶
融光学異方性樹脂である場合は、長手方向延伸倍率は1
〜1.1倍が適切である。長手方向延伸温度は熱可塑性
樹脂の種類によって異なり一概には言えないが、通常、
その1段目を50〜130℃とし、2段目以降はそれよ
り高くすることが所定の範囲の厚さと平均粒径の関係、
含有量、望ましい範囲の配向状態、平均突起高さ、表層
粒子濃度比のフイルムを得るのに有効である。長手方向
延伸速度は5000〜50000%/分の範囲が好適で
ある。幅方向の延伸方法としてはステンタを用いる方法
が一般的である。延伸倍率は3.0〜5.0倍の範囲が
適当である。幅方向の延伸速度は1000〜20000
%/分、温度は80〜160℃の範囲が好適である。次
にこの延伸フイルムを熱処理する。この場合の熱処理温
度は170〜200℃、特に170〜190℃、時間は
0.5〜60秒の範囲が好適である。
【0027】本発明における特性値の測定方法並びに効
果の評価方法は、次の通りである。
【0028】(1)結晶化パラメータΔTcg、融解熱 パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II型
を用いて測定する。DSCの測定条件は次の通りであ
る。すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、3
00℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中に急冷す
る。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点
Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態からの
結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tccとす
る。さらに昇温を続け、融解ピークから融解熱および融
点Tmを求める。ここでTccとTgの差(Tcc−T
g)を結晶化パラメータΔTcgと定義する。
【0029】(2)熱分解温度 島津製作所製の熱重量分析装置TG−30Mを用いて測
定する。測定条件は次の通りである。
【0030】すなわち、試料をセットし、20℃/分で
昇温し、重量が減少を始める温度をもって熱分解温度と
定義する。
【0031】(3)耐スクラッチ性 フイルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面
粗度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度1
000m/分、走行回数10パス、巻き付け角:60
°、走行張力:20g)。この時、フイルムに入った傷
を顕微鏡で観察し、幅2.5μm以上の傷がテープ幅あ
たり2本未満は優、2本以上10本未満は良、10本以
上は不良と判定する。優が望ましいが、良でも実用的に
は使用可能である。
【0032】(4)耐ダビング性 フイルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレン
ダー処理した後、70℃、48時間キュアリングする。
上記テープ原反を1/2インチにスリットし、パンケー
キを作成する。このパンケーキから長さ250mの長さ
をVTRカセットに組み込みVTRカセットテープとす
る。
【0033】 (磁性塗料の組成) Co含有酸化鉄 100重量部 (BET値50m2 /g) エスレックA 10重量部 (積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体) ニッポラン2304 10重量部 (日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ) コロネートL 5重量部 (日本ポリウレタン製ポリイソシアネート) レシチン 1重量部 メチルエチルケトン 75重量部 メチルイソブチルケトン 75重量部 トルエン 75重量部 カーボンブラック 2重量部 ラウリン酸 1.5重量部
【0034】このテープに家庭用VTRを用いてシバソ
ク製のテレビ試験波形発生器(TG7/U706)によ
り100%クロマ信号を記録し、その再生信号からシバ
ソク製カラービデオノイズ測定器(925D/1)でク
ロマS/Nを測定しAとする。
【0035】また上記と同じ信号を記録したマスターテ
ープのパンケーキを磁界転写方式のビデオソフト高速プ
リントシステム(例えばソニーマグネスケール(株)製
のスプリンタ)を用いてAを測定したのと同じ試料テー
プ(未記録)のパンケーキへダビングした後のテープの
クロマS/Nを上記と同様にして測定し、Bとする。
【0036】このダビングによるクロマS/Nの低下
(A−B)が3dB未満の場合は耐ダビング性:優、3
dB以上5dB未満の場合は良、5dB以上は不良と判
定する。優が望ましいが、良でも実用的には使用可能で
ある。
【0037】(5)摩擦係数(μk) フイルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験器TBT−300型((株)横浜
システム研究所製)を使用し、60℃、80%RH雰囲
気で走行させ、初期の摩擦係数を下記の式より求める
(フイルム幅は1/2インチとした)。
【0038】
【数1】μk=0.733log(T2 /T1
【0039】ここでT1 は入側張力、T2 は出側張力で
ある。ガイド径は6mmφであり、ガイド材質はSUS2
7(表面粗度0.2S)、巻き付け角は180°、走行
速度は3.3cm/秒である。この測定によって得られた
μkが0.35以下の場合は摩擦係数:良好、0.35
を越える場合は摩擦係数:不良と判定する。
【0040】(6)粒子の平均粒径 滑剤粒子をエチレングリコールまたは水スラリーとして
遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて測定し平均粒径で
示す。
【0041】(7)粒子の添加量 熱可塑性樹脂を溶解し粒子を溶解しない溶媒を選択し、
粒子を熱可塑性樹脂から遠心分離し、粒子の全体重量に
対する比率(重量%)をもって粒子添加量とする。場合
によっては赤外分光法の併用も有効である。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0043】
【実施例1〜4】融点が320〜340℃となるように
架橋度や共重合成分を調整した表1に示す有機粒子(平
均粒径0.6μm)をエチレングリコールに均一分散さ
せてグリコールスラリーを調整し、このグリコールスラ
リーを190℃で1.5時間熱処理した。
【0044】一方、テレフタル酸ジメチルとエチレング
リコールとを常法によりエステル交換反応させた後、上
記グリコールスラリーを添加し、さらに重縮合反応させ
て、該粒子を0.25重量%含有するポリエチレンテレ
フタレート(以下、PETと略記する)のペレットを製
造した。このものをフイルムA用の原料とした。
【0045】また、グリコールスラリーを添加しない以
外は上記と同様に行って実質的に有機粒子を含まないP
ETのペレットを製造した。
【0046】これらのペレットをそれぞれ180℃で3
時間減圧乾燥(3Torr)したのち、各々押出機1,
2に供給し、310℃で溶融し、これらのポリマーを合
流ブロック(フィードブロック)で合流積層し、静電印
加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティング
・ドラムに密着させて冷却固化し、2層構造の未延伸積
層フイルムを作った。
【0047】この時、それぞれの押出機の吐出量を調節
することにより、該積層フイルムの総厚さ、フイルム
A、Bの層厚比を調節した。
【0048】この未延伸積層フイルムを温度80℃にて
長手方向に4.5倍延伸した。この延伸は2組ずつのロ
ールの周速差で、4段階で行った。この一軸延伸フイル
ムをステンタを用いて延伸速度2000%/分で100
℃で幅方向に4.0倍延伸し、定長下で200℃にて5
秒間熱処理し、総厚さ15μm、フイルムA層厚さ3μ
mの二軸配向積層フイルムを得た。
【0049】これらのフイルムを溶融温度350℃にて
溶融回収し、回収した熱可塑性樹脂を再び、各々の積層
フイルムを構成すべきフイルムB用原料に50重量%混
入し、これを新しいフイルムB用原料として上述の方法
に従って、総厚さ15μm、フイルムA層厚さ3μmの
二軸配向積層フイルムを得た。
【0050】
【比較例1〜4】融点が各々250℃、330℃、46
0℃の架橋ポリエステル粒子を各々比較例1、2、3
に、またコロイダルシリカによるシリカ粒子を比較例4
に使用し、実施例1と同様にして総厚さ15μm、フイ
ルムA層厚さ3μmの二軸配向積層フイルムを得た。
【0051】これらのフイルムを溶融温度350℃にて
溶融回収し、回収した熱可塑性樹脂を再び、各々の積層
フイルムを構成すべきフイルムB用原料に50重量%混
入し、これを新たにフイルムB用原料として上述の方法
に従って、総厚さ15μm、フイルムA層厚さ3μmの
二軸配向積層フイルムを得た。
【0052】但し、比較例2においては、溶融回収時の
溶融温度を310℃とした。
【0053】
【実施例5〜7】平均粒径が各々0.1μm、0.7μ
m、1.5μmの架橋ポリエステル粒子(融点330
℃)を各々20重量%、5重量%、0.1重量%含有す
るフイルムA層の厚さが3μm、総厚さが15μmの二
軸配向積層フイルムを実施例1と同様の方法で得た。
【0054】これらのフイルムを溶融温度350℃にて
溶融回収し、回収した熱可塑性樹脂を再び、各々の積層
フイルムを構成すべきフイルムB用原料に50重量%混
入し、これを新たにフイルムB用原料として上述の方法
に従って、総厚さ15μm、フイルムA層厚さ3μmの
二軸配向積層フイルムを得た。
【0055】実施例1〜7および比較例1〜4のフイル
ムの特性は表1、表2に示したとおりである。
【0056】表1、表2から、実施例のフイルムは耐ス
クラッチ性、耐ダビング性、摩擦係数が優または良であ
るが、比較例のフイルムは耐スクラッチ性、耐ダビング
性、摩擦係数を兼備するフイルムとは言えないものであ
ることが判る。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、二軸配向積層熱可塑性
樹脂フイルムでの有機粒子の融点と熱可塑性樹脂の溶融
押出温度及び該積層フイルムの回収時の再溶融温度と
が、特定の関係を満足するようにしているので、従来の
積層フイルムの利点を損なうことなく、該積層フイルム
の溶融回収樹脂の再使用を可能とし、二軸配向積層熱可
塑性樹脂フイルムの製造コストを著しく低減することが
できる。
フロントページの続き (72)発明者 越中 正己 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に易滑性付与粒子を含有しない熱
    可塑性樹脂を主成分とするフイルムBの少なくとも片面
    に、熱可塑性樹脂と易滑性付与粒子とを主成分とするフ
    イルムAが積層されてなる二軸配向積層フイルムであっ
    て、該易滑性付与粒子が熱可塑性樹脂の押出温度より高
    く、積層フイルム回収時の再溶融温度より低い融点を有
    する有機粒子であることを特徴とする易回収性二軸配向
    積層熱可塑性樹脂フイルム。
  2. 【請求項2】 フイルムAに含有される有機粒子の平均
    粒径が0.005〜2.5μmであり、フイルムA中の
    含有量が0.01〜50重量%である請求項1記載の易
    回収性二軸配向積層熱可塑性樹脂フイルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6221461B1 (en) 1997-07-22 2001-04-24 Teijin Limited Biaxially oriented laminated polyester film containing at least two different lubricant particles
JP2013041021A (ja) * 2011-08-12 2013-02-28 Teijin Dupont Films Japan Ltd 白色反射フィルム

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