JPH0530842A - 多条刈コンバインの穀稈搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 多条刈コンバインの穀稈搬送装置において、
穀稈を無理なく搬送でき、掻込搬送装置の清掃、メンテ
ナンスを容易に行うようにする。 【構成】 株元搬送チエンは脱穀機のフィ−ドチエンか
ら最も遠い右側を前方にし近い左側を後方にして前記フ
ィ−ドチエンに近づけるように傾斜させて設け、該株元
搬送チエンに刈取穀稈を供給させる中間搬送チエン７と
その左側にある左搬送チエンとは株元搬送チエンに対し
て前者を接近させ後者の間隔を離して対向させて設け、
刈取装置の前方から上方には各条列の穀稈を掻込搬送す
る掻込輪体９と掻込ラグ１０付きベルト１１を配置して
設け、前記中間搬送チエン７と左搬送チエン８とはそれ
ぞれ同軸上の掻込輪体９との間隔を異にする高さに軸架
し株元搬送チエンとの対向部分における高さに差を設け
て構成した多条刈コンバインの穀稈搬送装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、多条刈コンバインの穀
稈搬送装置に関するものであって、自脱型コンバインに
利用するものである。

【０００２】

【従来の技術】多条刈のコンバインにあっては、各刈取
条ごとの穀稈を後方の搬送チエンに合流させ収集し、後
方の供給チエンを中継させて脱穀機に供給する構成とす
る場合に、各刈取条ごとの穀稈を前記搬送チエンまで搬
送するチエンに工夫がなく、両チエンが干渉したり、受
け継ぎが円滑にできない等の問題点があった。

【０００３】また、従来のこの種多条刈コンバインは、
多条の穀稈条列を刈取装置に掻き込む各掻込み搬送装置
は、機体に固定されていて簡単に取り外すことが出来な
い構成になっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この種多条刈のコンバ
インの穀稈搬送装置にあっては、各穀稈条列の刈取穀稈
を収集して後方に搬送する株元搬送チエンと、その前方
において刈り取った穀稈をその株元搬送チエンに供給し
て穀稈を合流させる数本の搬送チエンとは、刈取条数が
増えるにつれて（搬送後方になるにしたがって）対向間
隔を広くしなければ合理的な収集搬送が期待できない。

【０００５】多条刈コンバインで広い幅にまたがる穀稈
条列を一度に刈り進む刈取前処理装置は、当然のことな
がら幅が広くなり刈取装置の中間部分の清掃、メンテナ
ンスはきわめて困難である。特に、刈取前処理装置は、
その中間部分にある掻込搬送部材が機体に固定状態にあ
って、取外しが出来ないため、その傾向が高いものであ
る。この種装置は、掻込み搬送途中の穀稈を巻き込んだ
り、絡みついたりするとこれらを除去しなければその後
の作業を継続して行うことが出来ない問題点がある。

【０００６】そこで、各掻込装置は、全てが着脱自由で
あっても良いが少なくとも、両側の固定のものに対して
その間のものを着脱自由に構成すれば巻き付き穀稈の取
り除き等きわめて簡単に行うことが出来る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するため次の如き技術手段を講ずるものである。す
なわち、走行装置１を有する車台２上に脱穀機３を搭載
し、その前方に設けた刈取装置４の後方に刈取穀稈を順
次収集して後方に搬送する株元搬送チエン５を有する多
条刈コンバインにおいて、前記株元搬送チエン５は脱穀
機３のフィ−ドチエン６から最も遠い右側を前方にし近
い左側を後方にして前記フィ−ドチエン６に近づけるよ
うに傾斜させて設け、該株元搬送チエン５に刈取穀稈を
供給させる中間搬送チエン７とその左側にある左搬送チ
エン８とは株元搬送チエン５に対して前者を接近させ後
者の間隔を離して対向させて設け、前記刈取装置４の前
方から上方には各条列の穀稈を掻込搬送する掻込輪体９
と掻込ラグ１０付きベルト１１を配置して設け、前記中
間搬送チエン７と左搬送チエン８とはそれぞれ同軸上の
掻込輪体９との間隔を異にする高さに軸架し株元搬送チ
エン５との対向部分における高さに差を設けて構成した
多条刈コンバインの穀稈搬送装置である。

【０００８】つぎに、２番目の発明は、前記刈取装置４
の前方から上方には各条列の穀稈を掻込搬送する掻込輪
体９と掻込ラグ１０付きベルト１１をほぼ同一高さに配
置して設け、前記中間搬送チエン７と左搬送チエン８と
はそれぞれ同軸上の掻込輪体９との間に同一長さのスペ
−サ−１２をいれるにあたり挿入個数に差をつけて構成
した多条刈コンバインの穀稈搬送装置である。

【０００９】そして、３番目の発明は、前記刈取装置４
の前方から上方には各条列の穀稈を掻込搬送する掻込輪
体９と掻込ラグ１０付きベルト１１をほぼ同一高さに配
置して設け、中間位置の掻込輪体９と掻込ラグ１０付き
ベルト１１とは隣接の掻込輪体９と掻込ラグ１０付きベ
ルト１１とを機体１３に着脱自由の支持フレ−ム１４に
一体として支持させる構成とした多条刈コンバインの穀
稈搬送装置である。

【００１０】

【実施例】まず、その構成について説明する。コンバイ
ンは、走行装置１を有する車台２上に脱穀機３を搭載
し、前方には刈取搬送装置１５を設けている。そして、
刈取搬送装置１５は、後述するように、分草杆１６、掻
込輪体９、掻込ラグ１０付きベルト１１、刈取装置４、
穀稈引起し装置１７、株元搬送チエン５、穂先搬送ベル
ト１８、供給搬送装置１９等から構成している。

【００１１】以下、刈取搬送装置１５の具体的構成につ
いて述べる。まず、支持筒２０は、伝動軸２１を内装し
た筒状部材からなり、基部を車台２の広幅にした懸架台
２２に枢着して先端側が昇降自由となる構成としてい
る。なお、２３は油圧装置であって、支持筒２０を昇降
させる構成としている。刈取伝動ケ−ス２４は、前記支
持筒２０の先端部に横向きに設け、これにア−ム２５を
介して横枠２６を取り付ける共に上方には伝動軸を内装
した支持装置２７を延長させて後述の穀稈引起し装置１
７を支持して伝動できる構成としている。

【００１２】分草杆１６は、前記横枠２６に基部を取り
付け先端部分に分草体２８を有し穀稈条列ごとに区分す
るように複数本から構成している。刈取装置４は、前記
横枠２６の前側に設け、刈取伝動ケ−ス２４から伝動ロ
ット２９によって伝動される構成としている。そして、
株元搬送チエン５は、刈取装置４の後方にあって、脱穀
機３のフィ−ドチエン６から最も遠い右側を前方にし近
い左側を後方にして前記フィ−ドチエン６に近づけるよ
うに傾斜させて設け、刈取装置４によって刈取った全幅
の穀稈を収集して後方に搬送できる構成としている。

【００１３】供給搬送装置１９は、始端部を前記株元搬
送チエン５にのぞませ、終端部分を脱穀機３のフィ−ド
チエン６にのぞませて穀稈を受渡し搬送できる構成とし
ている。なお、この供給搬送装置１９は、扱深さ調節が
できる構成としている。そして、中間位置にある掻込輪
体９と掻込ラグ１０付きベルト１１とこれに隣接する掻
込輪体９と掻込ラグ１０付きベルト１１は、その中間に
位置する支持フレ−ム１４に軸受支持され、刈取装置４
の前方から上方において位置している。

【００１４】そして、支持フレ−ム１４は、その前端を
分草杆１６の中間部にねじによって着脱自由に取付け、
後部を後部機枠３０に着脱自由に取り付けて構成してい
る。なお、他の掻込輪体９と掻込ラグ１０付きベルト１
１は、それぞれ機体に軸受支持されている。そして、各
掻込輪体９と掻込ラグ１０付ベルト１１は、図１に示す
ように、隣接のもの同志が噛み合って伝動できる構成に
している。

【００１５】そして、中間搬送チエン７は、前述の中間
位置の掻込輪体９に２個のスペ−サ−１２を取り付けて
設けたスプロケット３１と駆動スプロケット３２とに巻
回し、株元搬送チエン５に対向面を接近させて上側に位
置させている。左搬送チエン８は、図１に示すように、
掻込輪体９に１個のスペ−サ−１２を介して取り付けた
スプロケット３３に巻回し、後方の株元搬送チエン５と
の対向させた合流部をその株元搬送チエン５から間隔を
隔てて同じ高さ位置に設けている。

【００１６】そして、支持筒２０は、前述のとおり広幅
とした懸架台２２に回動自由に支持され、懸架台２２の
外側に軸着したプ−リ３４から伝動軸２１に回転動力が
伝動される構成としている。前述の供給搬送装置１９
は、上述の懸架台２２の内側部から上方に立ち上がらせ
た伝動ケ−ス３５を介して前記プ−リ３４から動力が伝
動される構成としている。

【００１７】次にその作用について説明する。まず、各
部を駆動しながら作業を開始する。走行装置１によって
車台２を推進させると、圃場の穀稈は、前部の分草体２
８によって穀稈条列ごとに分草されて穀稈引起し装置１
７に達して引起し作用を受ける。

【００１８】そして、穀稈は、各穀稈条ごとに株元部分
が掻込ラグ１０による掻込作用を受け、刈取装置４に達
して刈取られ同時に掻込輪体９によって後方に掻き込む
まれる。以上のようにして、穀稈は、中間搬送チエン７
や左搬送チエン８等の作用を受け、各刈取条ごとに後方
の株元搬送チエン５に合流される。このように、穀稈
は、株元搬送チエン５と穂先搬送ベルト１８によってま
とめられて後方の供給搬送装置１９に達して脱穀機３の
フィ−ドチエン６に供給されるものである。

【００１９】このとき、株元搬送チエン５は、車台２の
進行方向に向かって右側の刈取穀稈条列から順次集めて
合流させながら収集するが、そのとき、株元搬送チエン
５との対向間隔が中間搬送チエン７より左側の左搬送チ
エン８を広く構成しているから、穀稈の受け継ぎ合流が
極めて確実にできる。中間搬送チエン７は、２個のスペ
−サ−１２を敷いて左搬送チエン８より高くしており、
株元搬送チエン５に接近して受渡しが容易にできる構成
にしていても上下にずれているからチエン同志が干渉す
ることはない。

【００２０】左搬送チエン８は、株元搬送チエン５と同
じ高さで対向しているが、搬送穀稈の量が順次増えるた
めに間隔を広くしているから、干渉することなく確実に
搬送できる。つぎに、掻込輪体９及び掻込ラグ１０付き
ベルト１１の清掃、メンテナンス作業について説明す
る。

【００２１】支持フレ−ム１４は、前部と後部とのねじ
を緩めて取り外すと、これに取り付けられている両側の
掻込輪体９、掻込ラグ１０付きベルト７を一体と取り外
すことができる。したがって、この部分は、支持フレ−
ム１４を取外した後に広い空間部分が出来るため、清掃
やメンテナンスを容易に行うことが出来るものである。

【００２２】

【発明の作用効果】以上説明したように本発明の多条刈
コンバインの穀稈搬送装置は、多条の穀稈を混乱なく確
実に搬送することが出来る特徴がある。しかも、本発明
によれば、その清掃、メンテナンスをきわめて容易に行
うことの出来る特有の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例であって、要部の正断面図で
ある。

【図２】本発明の一実施例であって、要部の平面図であ
る。

【図３】本発明の一実施例の側面図である。

【図４】本発明の一実施例であって、その平面図であ
る。

【図５】本発明の一実施例の側面図である。

【符号の説明】

１ 走行装置 ２ 車台 ３
脱穀機 ４ 刈取装置 ５ 株元搬送チエン ６
フィ−ドチエン ７ 中間搬送チエン ８ 左搬送チエン ９
掻込輪体 １０ 掻込ラグ １２ スペ−サ− １３
機体 １４ 支持フレ−ム

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行装置１を有する車台２上に脱穀機３
   を搭載し、その前方に設けた刈取装置４の後方に刈取穀
   稈を順次収集して後方に搬送する株元搬送チエン５を有
   する多条刈コンバインにおいて、前記株元搬送チエン５
   は脱穀機３のフィ−ドチエン６から最も遠い右側を前方
   にし近い左側を後方にして前記フィ−ドチエン６に近づ
   けるように傾斜させて設け、該株元搬送チエン５に刈取
   穀稈を供給させる中間搬送チエン７とその左側にある左
   搬送チエン８とは株元搬送チエン５に対して前者を接近
   させ後者の間隔を離して対向させて設け、前記刈取装置
   ４の前方から上方には各条列の穀稈を掻込搬送する掻込
   輪体９と掻込ラグ１０付きベルト１１を配置して設け、
   前記中間搬送チエン７と左搬送チエン８とはそれぞれ同
   軸上の掻込輪体９との間隔を異にする高さに軸架し株元
   搬送チエン５との対向部分における高さに差を設けて構
   成した多条刈コンバインの穀稈搬送装置
2. 【請求項２】 前記刈取装置４の前方から上方には各条
   列の穀稈を掻込搬送する掻込輪体９と掻込ラグ１０付き
   ベルト１１をほぼ同じ高さに配置して設け、中間搬送チ
   エン７と左搬送チエン８とはそれぞれ同軸上の掻込輪体
   ９との間に同一長さのスペ−サ−１２をいれるにあたり
   挿入個数に差をつけて構成した多条刈コンバインの穀稈
   搬送装置
3. 【請求項３】 前記刈取装置４の前方から上方には各条
   列の穀稈を掻込搬送する掻込輪体９と掻込ラグ１０付き
   ベルト１１をほぼ同一高さに配置して設け、中間位置の
   掻込輪体９と掻込ラグ１０付きベルト１１と隣接の掻込
   輪体９と掻込ラグ１０付きベルト１１とを機体１３に着
   脱自由の支持フレ−ム１４に一体として支持させる構成
   とした多条刈コンバインの穀稈搬送装置