JPH05308261A - クロック移相器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】クロック周波数に依存しない広範囲のクロック
移相を可能とし、従来のアナログ型移相器に構成されて
いたコンデンサやコイル等を使用しないクロック移相器
を提供する。 【構成】入力クロック信号に同期し、かつ入力クロック
信号と周期の等しいのこぎり波信号を出力するのこぎり
波発生回路１と、のこぎり波の傾斜電圧と所望の移相量
に対応する基準電圧とを比較し、のこぎり波電圧が制御
電圧を超えた期間の間一定電圧を出力する電圧比較器２
と、電圧比較器の出力信号波形を波形変換し出力クロッ
ク信号として出力する波形変換回路４とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、入力されるクロック信
号に対する出力クロック信号の位相を制御電圧によって
連続的に変化させるクロック移相器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のクロック移相器は、図２（ａ），
（ｂ）の遅延回路，進み回路の構成素子１１〜１５に示
すように抵抗，コンデンサ，コイル等によって構成さ
れ、これらの構成品のいずれかの定数を変化させること
によってクロックの移相量を変化させていた。したがっ
て入力されるクロック信号の周波数により定数を設定し
て所望の移相量を得ていた。又この回路の移相量は９０
度以内なので、９０度以上の場合にはこれらの回路を縦
属接続して所望の移相量を得る必要がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この従来のクロック移
相器は変化可能な移相量が小さく、また、クロックの繰
り返し周波数が低い場合には、移相器を構成するコイ
ル，コンデンサ等の部品の寸法が大きくなるので、実装
上の困難を生じるという欠点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明のクロック移相器
は、入力されるクロック信号のパルス立上りに同期し、
この入力クロック信号の周期と周期の等しいのこぎり波
信号を発生するのこぎり波発生回路と、こののこぎり波
信号の傾斜電圧と所望の移相量に対応する可変できる基
準電圧とを比較し、のこぎり波電圧が前記基準電圧を超
えた期間の間のみ一定電圧を出力する電圧比較器と、こ
の電圧比較器の出力波形を波形変換し前記入力クロック
信号パルス幅と同じクロック信号として出力する波形変
換回路とを有することを特徴とするクロック移相器。前
記波形変換回路の出力パルスの立上り移相が前記比較回
路の出力パルスの立上り移相をトリガとして同期してい
る。

【０００５】

【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。図１は本発明の一実施例のブロック図、図２は本実
施例の各部の波形を示す波形図である。図１において、
のこぎり波発生回路１は入力クロックパルスの立上りを
トリガとして入力クロック信号ｅｉｎに同期し、かつ入
力クロック信号ｅｉｎと周期の等しいのこぎり波を発生
する。電圧比較器２はのこぎり波発生回路１から出力さ
れるのこぎり波信号ｅａと電圧を変えることができる制
御電圧３とを比較し、のこぎり波の傾斜電圧が制御電圧
３を超えている期間の間一定電圧の出力信号ｅｂを出力
する。波形変換回路４は電圧比較器２の出力信号ｅｏの
波形を入力クロック信号ｅｉｎと同じパルス幅に波形変
換する。

【０００６】次に本実施例の動作を図２により説明す
る。入力クロック信号ｅｉｎは、のこぎり波発生回路１
に入力され入力クロック信号ｅｉｎの立上りタイミング
をトリガとして入力クロック信号ｅｉｎに同期し、かつ
周期の等しいのこぎり波信号ｅａを出力する。電圧比較
器２では、こののこぎり波信号ｅａと所望の移相量Φに
対応する基準値の電圧である制御電圧Ｅｃｏｎｔとを比
較し、のこぎり波ｅａの電圧が制御電圧Ｅｃｏｎｔを超
えた期間の間、出力信号ｅｂを出力する。電圧比較器２
の出力パルス信号ｅｂの立上りは入力クロック信号の立
上りとの間にΦなる位相差を持つ。この位相差Φは、制
御電圧Ｅｃｏｎｔの値を変化させることにより、連続的
に変化させることができる。この電圧比較器２からの出
力信号ｅｂを波形変換回路４に入力し、入力クロック信
号ｅｉｎとパルス幅が同じで位相がΦだけ位相推移した
希望波形の出力クロック信号ｅｏｕｔを得ることができ
る。

【０００７】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、のこぎり
波発生回路、電圧比較器、直流源、波形変換回路の回路
構成とすることにより、従来のアナログ回路による移相
器のコンデンサ，コイル等を使用せずに広範囲に位相を
変化させることができる効果がある。又本発明の回路は
周波数に依存せず、低周波領域のクロック移相器が小型
で容易に構成できるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のブロック図である。

【図２】本実施例の各部の信号の波形図である。

【図３】従来のクロック移相器の回路図である。

【符号の説明】

１ のこぎり波発生回路 ２ 電圧比較器 ３ 制御電圧源 ４ 波形変換回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入力されるクロック信号のパルス立上り
   に同期し、この入力クロック信号の周期と周期の等しい
   のこぎり波信号を発生するのこぎり波発生回路と、この
   のこぎり波信号の傾斜電圧と所望の移相量に対応する可
   変できる基準電圧とを比較し、のこぎり波電圧が前記基
   準電圧を超えた期間の間のみ一定電圧を出力する電圧比
   較器と、この電圧比較器の出力波形を波形変換し前記入
   力クロック信号パルス幅と同じクロック信号として出力
   する波形変換回路とを有することを特徴とするクロック
   移相器。
2. 【請求項２】 前記波形変換回路の出力パルスの立上り
   移相が前記比較回路の出力パルスの立上り移相をトリガ
   として同期していることを特徴とする請求項１記載のク
   ロック移相器。