JPH0530466Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、汚れたパチンコ玉を合成樹脂等の研
磨粒により混合撹拌しながら研磨しつつ揚送する
パチンコ玉揚送装置の玉抜き機構に関し、特に玉
流入口を遮断する玉止め機構と併用して操作する
玉抜き機構において簡単な操作により手前側にパ
チンコ玉が抜き出せる玉抜き機構に関するもので
ある。

（従来の技術） 汚れたパチンコ玉を研磨し、揚送するパチンコ
玉揚送装置はパチンコ機列を構成した島内部の略
中央に配置されている。

例えば、パチンコ玉揚送装置が営業中に故障
（揚送不能）すると、故障しているにもかかわら
ず遊技を続けているため複数台並設したパチンコ
機から排出されたパチンコ玉（アウト玉）は、回
収樋よりパチンコ玉揚送装置の玉流入口内に入り
パイプ内が満杯となり、あとから来るパチンコ玉
は回収樋上で滞留し、しまいには回収樋より溢れ
出てしまう結果となつていた。

上記においてパチンコ玉揚送装置を修復する
際、回収樋上に滞留したパチンコ玉又は島内部に
溢れ出たパチンコ玉は人手（店員）を介して手作
業によつて玉箱等に掻き出して移し変えていた。

さらに、遊技場の各島で保有しているパチンコ
玉は長年使用しているとサビたりするため新しい
パチンコ玉と交換する必要がある。パチンコ玉が
汚れていると顧客に不快感を与えてしまうため行
うのである。

（考案が解決しようとする課題） 然かしながら、上記営業中において行う手作業
は狭い島内部で行うため作業がしにくく手間暇が
かかり、然かも多量に滞留したパチンコ玉を早急
に回収しなくてはならず掻き出す労力に時間を費
やしてしまつていた。

また、新しいパチンコ玉と交換する際、回収樋
の両端の２箇所を玉止めしながら行うため短時間
で交換することができなかつた。

本考案は上記の欠点に鑑み、短時間で作業が行
なえ、然かも店員の疲労感をなくし、操作が簡単
なパチンコ玉揚送装置の玉抜き機構を提供するも
のである。

（課題を解決するための手段） かかる目的を達成するため本考案は、パチンコ
機より排出されたパチンコ玉をパイプ内に流入す
る玉流入口を開口し、該玉流入口よりパチンコ玉
を流入して研磨粒と混合撹拌しながら研磨しつつ
揚送するパチンコ玉揚送装置であつて、前記玉流
入口を開放、遮断する手動式又は自動式の玉止め
機構を備え、該玉止め機構で遮断した際、併用す
る玉抜き機構の玉抜きプレートは、矩形状に形成
され且つ回収樋の最低部位の底面部の玉落下口に
摺動自在で開閉する構成とし、該底面部の下方に
手前側に向かつて傾斜する玉排出シユートを設け
ることにより流入方向とは逆の方向にパチンコ玉
が抜き出せる構成としたことを特徴とするもので
ある。

（作用） パチンコ玉揚送装置の玉抜き作業は、営業時に
島内のパチンコ玉揚送装置が故障した際、回収樋
上からパチンコ玉が溢れ出る事を防止し、且つパ
チンコ玉揚送装置のパイプ内にパチンコ玉が流入
する事を防止するものである。

本考案の作業は先ず玉流入口に設けられた玉止
め機構の玉止めプレートを上昇させて玉流入口へ
のパチンコ玉の流入を塞ぐ。次に回収樋の最低部
位の底面部の玉落下口に摺動自在に開閉する玉抜
きプレートを後方に摺動させて開口させ、回収樋
の下方の玉排出シユートより回収樋内に滞留した
パチンコ玉を流入方向とは逆の方向に抜き出すこ
とができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。先ず初めに玉止め機構と玉抜き機構を
具備したパチンコ玉揚送装置Ａについて説明す
る。

パチンコ玉揚送装置Ａは第４Ａ図のようにパチ
ンコ機を複数並設したパチンコ機列を構成した島
内部の略中央に配置され、各パチンコ機から排出
されるパチンコ玉（アウト玉）を回収樋１にて回
収し研磨している。

玉流入口２と連接した移送パイプ３に揚送パイ
プ４を起立させ、該移送パイプ３内に移送モータ
３ａの駆動により回転する移送螺旋体３ｂを内設
し、前記揚送パイプ４内にも同様に揚送モータ４
ａの駆動により回転する揚送螺旋体４ｂを内設し
ている。

パチンコ玉と研磨粒とを混合撹拌しながら研磨
しつつ揚送し揚送パイプ３の上部排出口５から排
出される混合物をパチンコ玉と研磨粒とに選別す
る選別装置６が設けられ、該選別装置６の内部は
隙間が研磨粒の外径よりも大きく、パチンコ玉よ
りも小さい簀の子状の分離樋９を僅かに下り傾斜
させ、その傾斜上端を排出口５に連結させると共
に、分離樋９により分離したパチンコ玉は補給樋
９ａに落下し、左右のパチンコ機へ補給される。

研磨粒は通常、選別装置６と移送パイプ３とを
連結した研磨粒循環ホース１０により、再度移送
パイプ３内に供給され再利用する。

また、簀の子状の分離樋９は第４Ｂ図の様に２
段に形成され、排出口５とは段差を持つて連結さ
れている。

さらに上部の選別装置６の上面には、蓋７が係
着され、外部からの埃（特に揚送モータ４ａに付
着する埃）の混入を防止すると共に、選別装置６
を密閉する事により集塵機８による研磨粉塵の集
塵力を増加させている。

上記選別装置６内において混合物が排出された
際、若しくは混合物が分離された際に発生する研
磨粉塵は集塵機８と連結された集塵ホース８ａに
より吸引され、集塵タンク８ｂに貯留される。

また、研磨粒が幾度かの再利用により汚れた時
は研磨粒循環ホース１０の途中に設けた切替シヤ
ツター（図示せず）で分岐し研磨粒清浄路１１か
ら研磨粒清浄装置１２に送り研磨粒の表面を剥離
して汚れを取り再び移送パイプ３内に戻してい
る。

尚、研磨粒清浄装置１２により取り去られた研
磨粒の汚れは、研磨粒粉塵回収箱１２ａに貯留さ
れ、適宜外部に廃棄される様に形成されている。

次に、第２図に示した玉案内プレート２０は回
収樋１の最低部位に位置し、側板２１に設けられ
た横長穴の調整穴２２に嵌合する固着部材２３を
介して側板２１に係着され、玉案内プレート２０
は前記調整穴２２の長手方向にその位置を調整可
能に成していて、該玉案内プレート２０は２０ａ
及び２０ｂによりその先端が玉流入口２に向かつ
て傾斜したＶ型に形成されており、両側の回収樋
１を転動してくるパチンコ玉を玉流入口２へ案内
している。

仮りにこの玉案内プレート２０が無いと、両側
の回収樋１から転動してくるパチンコ玉が該玉流
入口２の手前でお互いに打つかり合つてスムーズ
に玉流入口２に案内されないものであり、同時に
パチンコ機から排出され回収樋１を転動して来る
パチンコ玉量が左右異なる時に、流量の多い側を
広く開放し、流量の少ない側が狭くなる様に該玉
案内プレート２０を流量の少ない側に摺動させて
係着し、玉流入口２に流入するパチンコ玉の転動
をスムーズに成しているものである。

次に本考案の要旨とする玉抜き機構について説
明する。例えば手動式の玉抜き機構で説明すると
玉抜きプレート３０は端縁に折曲した引手３０ａ
を有し矩形の巾で形成され回収樋１の最低部位の
底面部の玉落下口３０ｂに摺動自在に開閉するよ
うに構成している。尚、玉落下口３０ｂの巾は玉
抜きプレート３０とほぼ同じ大きさである。

３１は玉排出シユートで回収樋１の下方に手前
側に向かつて傾斜するよう形成され玉落下口３０
ｂより落下したパチンコ玉が玉流入口２とは逆の
方向に転動して抜き出せるようにしている。

次に本考案の玉抜き機構を実施するにあたり玉
止め機構と合わせて併用する事が望ましく以下説
明する。

第１Ａ図〜第１Ｂ図は手動式の玉止め機構と併
用した際の実施例について説明する。

手動式の玉止め機構は回収樋１と移送パイプ３
の隙間にパチンコ玉が流入する玉流入口２が開口
され、該玉流入口２を開放、遮断する玉止めプレ
ート４２は玉流入口２と略同一の巾で形成され下
端に折曲した折曲片を有し、中央に縦長穴４２ａ
を穿設している。該玉止めプレート４２は前面の
Ｌ字状のプレート受板４１、後面の移送パイプ取
付体Ｂとで挟持されている。前面のプレート受板
４１にはピン４３が穿設され且つ水平部位には玉
止めプレート４２の折曲片と当着する固定部材の
マグネツト４１ａが貼着されている。前記プレー
ト受け板４１のピン４３は縦長穴４２ａ内を上下
動（スライド）する構成としている。

第１Ａ図においてパチンコ玉揚送装置Ａが故障
しているにもかかわらず各パチンコ機から排出さ
れたパチンコ玉に対して、未だ玉止め、玉抜きを
行つておらずパチンコ玉は順次玉流入口２を介し
てパチンコ玉揚送装置Ａの移送パイプ３内に流入
している状態図である。

第１Ｂ図及び第２図において玉止めプレート４
２を下方より持ち上げるとピン４３に沿つて上昇
しマグネツト４１ａに当着して玉流入口２が塞が
れパチンコ機から排出されたパチンコ玉の流入が
塞がれる。その際玉止めプレート４２は玉止めプ
レート受板４１に貼着されたマグネツト４１ａと
当着しているため玉止めプレート４２が自然落下
しないように遮断状態を維持している。

この時、玉抜きプレート３０を手前側（点線）
に摺動させながら引出すと、パチンコ玉は底面部
の玉落下口３０ｂより玉排出シユート３１上に落
下し、該玉排出シユート３１は手前に向かつて傾
斜しているため流入方向とは逆の方向に玉抜き、
取り出しが行なえる（第１Ｂ図）。

次の第３Ａ図〜第３Ｃ図は自動式の玉止め機構
と併用した実施例について説明する。

自動式の玉止め機構の構成は上記同様回収樋１
と移送パイプ３の隙間にパチンコ玉が流入する玉
流入口２が開口され該玉流入口２を開放、遮断す
る玉止めプレート５４は玉流入口２と略同一の巾
で形成され下端中央に横長穴の摺動溝５４ａを穿
設している。また、玉止めプレート５４の両側の
モータ取付枠５１により挟みこまれ且つ移送パイ
プ取付体Ｂに固着している垂直板１ａに沿つて上
下摺動自在と成している。

モータ取付枠５１に駆動モータ５２が固定され
該駆動モータ５２の出力軸５２ａに周縁の一部を
削つた切欠を有し且つ外周寄りに摺動ピン５３ａ
を一本穿設したカム５３が軸支されている。

また、前記カム５３に穿設した摺動ピン５３ａ
は摺動溝５４ａ内に遊嵌していてカム５３の回転
により玉止めプレート５４が上昇したり、下降し
たりする。

尚、上下動の検出は前記カム５３の両側で向い
合つて設けた検出スイツチＳ１，Ｓ２で検出され
る。該検出スイツチＳ１，Ｓ２はカム５３の切欠
でON，OFFするように位置している。

次に自動玉止め機構の作用は操作スイツチ（図
示せず）の“ONボタン”を押すと駆動モータ５
２に軸支したカム５３が回転し摺動ピン５３ａが
摺動溝５４ａ内を移動すると玉止めプレート５４
は下方より上昇する。

上死点での玉止めプレート５４は第３Ｃ図のよ
うに摺動ピン５３ａが最高部位となりカム５３の
切欠が検出スイツチＳ１でOFFとなりその時点
で駆動モータ５２が停止する。この時玉流入口２
は玉止めプレート５４によつて流入が塞がれパチ
ンコ玉は回収樋１で滞留する。

この時、上記同様に玉抜きプレート３０を手前
側（点線）に摺動させながら引出すとパチンコ玉
は底面部の玉落下口３０ｂより玉排出シユート３
１上に落下し、該玉排出シユート３１は手前に向
かつて傾斜しているため流入方向とは逆の方向に
玉抜き、取り出しが行なえる（第３Ｂ図）。

上記において玉抜き作業が終了したならば玉抜
きプレート３０を前方に摺動させて元の位置に戻
し玉落下口３０ｂを塞ぎ玉止めプレート５４を下
降させて玉流入口２へパチンコ玉が流入する。

（考案の効果） 以上の説明で明らかな様に本考案の玉抜き機構
は玉流入口を開放、遮断する手動式又は自動式の
玉止め機構と併用して行う機構としたため島内に
保有している全てのパチンコ玉を交換する際、玉
止め機構の玉止めプレートがパチンコ玉の流入を
遮断するためパイプ内には流入せず玉抜き作業が
行えるので短時間で新しいパチンコ玉と交換する
ことが出来る。

さらに、営業中において揚送不能等の故障が生
じた際の玉抜き作業は単に玉抜きプレートを手前
側に摺動させるとパチンコ玉は底面部の玉落下口
より玉排出シユート上に落下し流入方向とは逆の
方向にパチンコ玉が抜き出せるため島内の狭い手
の入りにくい箇所で行う作業に比べ、作業しやす
く玉箱に移し変える店員の労力が減る効果を有し
ている。

【図面の簡単な説明】

第１Ａ図〜第１Ｂ図は手動式の玉止め機構と玉
抜き機構の動作状態を示す断面図、第２図は同状
態斜視図、第３Ａ図〜第３Ｂ図は自動式の玉止め
機構と玉抜き機構の動作状態を示す断面図、第３
Ｃ図はギヤードモータと玉止めプレートとの関係
を示す正面図、第４Ａ図はパチンコ玉揚送装置の
全体斜視図、第４Ｂ図は選別装置の内部状態図で
ある。 Ａ……パチンコ玉揚送装置、１……回収樋、２
……玉流入口、３……移送パイプ、４……揚送パ
イプ、３０……玉抜きプレート、３０ｂ……玉落
下口、３１……玉排出シユート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 パチンコ機より排出されたパチンコ玉をパイプ
   内に流入する玉流入口を開口し、該玉流入口より
   パチンコ玉を流入して研磨粒と混合撹拌しながら
   研磨しつつ揚送するパチンコ玉揚送装置であつ
   て、 前記玉流入口を開放、遮断する手動式又は自動
   式の玉止め機構を備え、該玉止め機構で遮断した
   際、併用する玉抜き機構の玉抜きプレートは、矩
   形状に形成され且つ回収樋の最低部位の底面部の
   玉落下口に摺動自在で開閉する構成とし、該底面
   部の下方に手前側に向かつて傾斜する玉排出シユ
   ートを設けることにより流入方向とは逆の方向に
   パチンコ玉が抜き出せる構成としたことを特徴と
   するパチンコ玉揚送装置の玉抜き機構。