JPH0530385B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 パルスモータにより印字ヘツドをエスケープ位
置及びアプローチ位置に移動させる熱転写プリン
タにおいて、印字ヘツドの初期設定時に、リボン
のたるみが発生することを防止する。

〔産業上の利用分野〕

本発明はパルスモータにより、印字ヘツドのエ
スケープ及びアプローチ動作を行う熱転写プリン
タに係り、特にヘツドの初期位置設定時に、リボ
ンのたるみを生じないようた熱転写プリンタの印
字ヘツド移動制御装置に関する。

熱転写プリンタは印字ヘツドの発熱体を加熱
し、リボンの熱溶解性インクを溶かし、用紙上に
転写して印字を行う。この場合リボンは印字ヘツ
ドにより押されて用紙と密着するため、リボンが
用紙を擦ることで用紙を汚染しないように、印字
ヘツドの移動速度と同じ速度で巻き取られる。

即ち、一般に熱転写型プリンタは、印字ヘツド
を印字位置に運搬するキヤリア上に、リボンカセ
ツトを搭載し、印字ヘツドが用紙に密着した位置
（アプローチ位置）では、印字と同時にリボンの
巻き取りを行い、印字ヘツドが用紙から退避した
位置（エスケープ位置）では、リボンを巻き取ら
ない機構となつている。

リボン巻き取りの動力源はキヤリアを移動させ
るスペース動作であり、印字ヘツドのアプロー
チ／エスケープ機構と連係する巻き取り機構とな
つている。即ち、印字ヘツドがアプローチ位置と
なると、例えば、スペースモータにより回転する
歯車とかみ合う歯車により動力を伝達され、印字
ヘツドがエスケープ位置となると該歯車が離れ
て、リボン巻き取りが停止する。

これは、リボンが印字されない時に巻き取られ
て、無駄な未使用部分を多くしないように、リボ
ン節約を行うためでもある。

第４図はアプローチ／エスケープ位置を説明す
る図である。

第４図ａは上面図で、第４図ｂは側面図であ
る。２５はリボンカセツト、２６はアプローチ位
置にある印字ヘツド、２７はエスケープ位置にあ
る印字ヘツド、２８はアプローチ位置のリボン、
２９はエスケープ位置のリボン、３０はキヤリ
ア、３１はプラテンである。

リボンカセツト２５はキヤリア３０に搭載さ
れ、印字ヘツド２７が入る切り欠き部分を有し、
印字ヘツド２７のエスケープ位置では、リボン２
９はプラテン３１から離れており、印字ヘツド２
６のアプローチ位置では、リボン２８は印字ヘツ
ド２６により、リボンカセツト２５から引き出さ
れ、プラテン３１上にある用紙と密着する。

そしてキヤリア３０が矢印Ｘの方向に移動する
とすれば、リボン２８は矢印Ｙの方向に、キヤリ
ア３０の移動速度と同じ速度で巻き取られる。

このように、印字ヘツドは印字する時アプロー
チ位置となり、印字しない時エスケープ位置とな
るが、このアプローチ／エスケープ動作の駆動源
としては、一般にプランジヤマグネツトが使用さ
れている。

しかし、プランジヤマグネツトはプラテンに印
字ヘツドが到達した時、最も速度が速くエネルギ
ーが大きいため、動作音が大きく、且つリボンが
用紙に強く圧着されて、用紙を汚染する。又、動
作時間が一定にならないという欠点がある。この
欠点を避けるため、パルスモータを用いるものが
ある。

このパルスモータを使用する場合、電源投入時
等の初期位置設定時、印字ヘツドを所定の初期設
定位置に移動しなければならないが、このためリ
ボンにたるみが生じないことが必要である。

〔従来の技術〕

従来、印字ヘツドの初期化方法として、印字ヘ
ツドの位置を検出するセンサを使用せず、パルス
モータを無条件に一定ステツプ送り、故意に脱調
させて印字ヘツドの位置決めを行う方法と、アプ
ローチ側とエスケープ側とに夫々位置検出センサ
を設け、印字ヘツドの位置決めを行い、初期位置
設定後の通常のアプローチ／エスケープ動作にお
いても、この位置検出センサの信号に基づき、制
御を行う方法とがある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

前者の方法では、機構的精度の関係から一般に
アプローチ側のプラテンに突き当るまで、パルス
モータを駆動し、印字ヘツドが停止した位置を基
準として、パルスモータを逆方向に所定のステツ
プ駆動した位置をエスケープ位置とする。

又、一個のパルスモータで二個の印字ヘツドを
駆動し、一方をアプローチ状態に、他方をエスケ
ープ状態にする場合には、エスケープ側に突き当
てる面が無く、必ずアプローチ側に突き当てるこ
ととなる。

この時リボンは第４図で説明した如くリボンカ
セツトから引き出されるが、キヤリアは移動して
いないため、リボン巻き取りは停止している。従
つて、リボンにたるみが発生する。このたるみは
リボンカセツト内にたるみ防止機構を設けても、
吸収出来ず、印字開始時に用紙の汚染やステツク
（リボンが印字ヘツドに焼き付く現象）を発生さ
せる原因となると共に、用紙吸入時に用紙がリボ
ンに引掛り、リボン外れやリボンジヤム発生の原
因となる。

又更にパルスモータや駆動回路の不良、機構部
の不良等の動作不良の確認は、検出手段が無いた
め実施することが出来ないという問題がある。

後者の方法では、印字ヘツドが、アプローチ位
置からエスケープ位置まで、全領域を移動し、最
終的にエスケープ位置に停止するので、アプロー
チ／エスケープ系の動作確認は可能であるが、前
者と同様に、リボンにたるみが発生する。

又、通常のアプローチ／エスケープ動作は、各
位置検出センサが切り替わるまでの制御を行うの
で、動作時間が一定とならず、リボン節約のため
の制御を最適に行うことが出来ないという問題が
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

第１図は本発明の原理ブロツク図である。

１はワードプロセツサやパーソナルコンピユー
タ等の上位装置、２は上位装置１の表示部、３は
上位装置１の本体、４は命令やデータを本体３に
入力するキーボードである。

５は上位装置１の制御により文字等を印刷する
熱転写プリンタ、６は上位装置１が送出する印字
データに基づき、熱転写プリンタ５全体を制御し
て印字動作を行うと共に、アプローチ／エスケー
プ動作機構のチエツクを行う制御手段、７は印字
ヘツドの退避位置を検出するエスケープ位置検出
手段である。

熱転写プリンタ５の制御手段６は、初期設定動
作時に、印字ヘツドをエスケープ位置からアプロ
ーチ位置に向けて僅かな距離だけ移動するよう
に、駆動回路を経てパルスモータを駆動するとと
もに、エスケープ位置検出 手段７の検出信号を監視し、その出力の変化によ
り印字ヘツドの基準位置を設定するように制御す
る。

〔作用〕

上記構成とすることにより、リボンのたるみを
生じることなく印字ヘツドの初期位置を設定する
ことができる。

〔実施例〕

第２図は本発明の一実施例を示す回路のブロツ
ク図である。

プロセツサ１０はROM１１からプログラムを
読出して動作する。プロセツサ１０は位置センサ
２４から入力ポート２３を経て入る印字ヘツド１
６の位置信号を調べる。

第３図はアプローチ／エスケープ動作を説明す
る図である。

パルスモータ２２の軸には、例えば溝３３を設
けたカム３２が取付けられており、カム３２が矢
印Ａの方向に回転すると、溝３３は点線３３′に
示す如く動き、溝３３に沿つて摺動するレバー３
４が点線３４′に示す如く変位する。

従つて、レバー３４に取付けられた印字ヘツド
２７はエスケープ位置からアプローチ位置に移動
する。

位置センサ２４は印字ヘツド２７のエスケープ
位置を検出しており、印字ヘツド２７がアプロー
チ側に僅かに移動すると、例えばオンからオフに
変化し、入力ポート２３を経てプロセツサ１０に
通知する。

初期設定動作時において、プロセツサ１０は位
置センサ２４の位置信号がオンであることを確認
し、アプローチ／エスケープ制御回路２１を経て
パルスモータ２２を駆動し、印字ヘツド１６をア
プローチ側へ僅かな距離移動させるように、矢印
Ａの方向にカム３２を回転させる。

プロセツサ１０は、位置センサ２４が送出する
印字ヘツド１６の位置信号を調べ、オフとなると
パルスモータ２２の駆動を停止する。そして、こ
のオフとなつた点を基準として、パルスモータ２
２を所定のステツプ駆動し、カム３２を矢印Ｂの
方向に回転させ、退避位置に印字ヘツド１６を移
す。

初期設定動作開始時に、印字ヘツド１６は通常
エスケープ位置にあるので、印字ヘツド１６はエ
スケープ位置から僅かにアプローチ側に動くのみ
であり、リボンのたるみは発生しない。そして、
プロセツサ１０は位置センサ２４の位置信号が変
化したことにより、パルスモータ２２、アプロー
チ／エスケープ制御回路２１の動作を確認し、且
つ機構の渋り等も調べることが出来る。

初期設定動作終了後、ワードプロセツサの如き
上位装置から、インタフエース回路１３を経て印
字データが入ると、プロセツサ１０はRAM１４
に一旦格納する。

プロセツサ１０はアプローチ／エスケープ制御
回路２１を経て、パルスモータ２２をオープンル
ープで所定ステツプ駆動し、印字ヘツド１６をア
プローチ位置とすると共に、RAM１４から読出
した印字データから印字コードを抽出して、文字
発生回路１２から該当する文字パターンを読出
し、印字ヘツド制御回路１５を経て印字ヘツド１
６に送出し、発熱体を通過させリボンのインクを
用紙上に転写させる。

同時にスペース制御回路１９を経てスペースモ
ータ２０を駆動し、キヤリアを駆動させて印字ヘ
ツド１６を印字位置に位置付けし、スペース動作
を行わせる。この時前記印字ヘツド１６がアプロ
ーチ位置となつたことで、リボンはキヤイアと同
じ速度で巻き取られる。

プロセツサ１０は印字データから改行コードを
検出すると、アプローチ／エスケープ制御回路２
１を経てパルスモータ２２を駆動し、印字ヘツド
１６をエスケープ位置に退避させ、改行制御回路
１７を経て改行モータ１８を駆動し、用紙送りを
行わせる。

又最後に改行コードが無い場合でも、リボン交
換や用紙セツト等を容易に行えるように、一行分
の印字終了時に印字ヘツド１６を退避位置に退避
させる。

これらの通常のアプローチ／エスケープ動作
は、パルスモータを所定のステツプ数駆動するオ
ープンループ制御としている。

〔発明の効果〕

以上説明した如く、本発明は電源投入時等の初
期設定動作時に、リボンのたるみを発生させるこ
となく、印字ヘツドの初期位置設定を行うことが
できる。

又、初期設定動作時以後の動作はオープンルー
プ制御としているため、動作時間が一定となり、
最適なりリボン節約も可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の原理ブロツク図、第２図は本
発明の一実施例を示す回路のブロツク図、第３図
はアプローチ／エスケープ駆動を説明する図、第
４図はアプローチ／エスケープ状態を説明する図
である。 図において、１は上位装置、２は標示部、３は
本体、４はキーボード、５は熱転写プリンタ、６
は制御手段、７はエスケープ位置検出手段、１０
はプロセツサ、１１はROM、１２は文字発生回
路、１３はインタフエース回路、１４はRAM、
１５は印字ヘツド制御回路、１６，２６，２７は
印字ヘツド、１７は改行制御回路、１８は改行モ
ータ、１９はスペース制御回路、２０はスペース
モータ、２１はアプローチ／エスケープ制御回
路、２２はパルスモータ、２３は入力ポート、２
４は位置センサ、２５はリボンカセツト、２８，
２９はリボン、３０はキヤリア、３１はプラテ
ン、３２はカム、３３は溝、３４はレバーであ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ リボン及び用紙を介してプラテンに密着する
   アプローチ位置とプラテンから離間したエスケー
   プ位置との間を揺動する印字ヘツドと、 この印字ヘツドを前記アプローチ位置およびエ
   スケープ位置に位置するように駆動するパルスモ
   ータと、 前記印字ヘツドが前記エスケープ位置付近にあ
   ることを検出するエスケープ位置検出手段と、 このエスケープ位置検出手段からの位置信号が
   入力されるとともに、前記印字ヘツドをエスケー
   プ位置及びアプローチ位置に位置するように前記
   パルスモータを制御する制御手段とよりなり、 該制御手段は、初期設定が指示されると、前記
   印字ヘツドがエスケープ位置からアプローチ位置
   に向けて僅かな距離だけ移動するように前記パル
   スモータを制御するとともに、 その移動に伴う前記位置信号の変化を検出し、
   この信号が変化した時の印字ヘツドの位置を基準
   位置とし、この基準位置を基にして前記エスケー
   プ位置およびエプローチ位置への位置決めを行う
   ことを特徴とする熱転写プリンタにおける印字ヘ
   ツドの移動制御装置。