JPH05303731A - フロッピーディスク用磁気ヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジンバル裏面側に突出するものはなく、ジン
バル裏面側がほとんどフラットなフロッピーディスク用
磁気ヘッドを得ることを目的とする。 【構成】 ボビン２及び３は、ジンバル１１面より摺動
面側に近く、かつ、このジンバル１１面と概略平行方向
のコイル端子６ａを有し、フレキシブルプリント回路基
板１０の一部は、ジンバル窓部１１ｂを通じて、摺動面
側へ折り曲げられ、このフレキシブルプリント回路基板
１０のランド部とこのコイル端子６ａとが半田付けされ
ることにより、ジンバル１１よりも摺動面側で電気的接
続をし、予め、ボビン成形時に端子６ａがモールドされ
るボビン内部に端子金具の延長部を露出させた露出部に
より、ヘッドチップ部のアースを取り易くしたフロッピ
ーディスク用磁気ヘッドである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、フロッピーデ
ィスク装置に使用されるフロッピーディスク用磁気ヘッ
ドに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、フロッピーディスク装置に使用さ
れているジンバルタイプのフロッピーディスク用磁気ヘ
ッドは、例えば、図１１〜図１３に示すような構成より
なっている。ここで、１は、信号の記録及び再生に使用
されるリード／ライト（以下、「Ｒ／Ｗ」という。）用
ギャップ１ａと、このＲ／Ｗ用ギャップ１ａにより形成
される記録トラックの両側を消去する消去（以下、
「Ｅ」という。）用ギャップ１ｂを組み込んだヘッドコ
ア１である。また、２はＲ／Ｗ用コイル２ａのボビン、
３はＥ用コイル３ａのボビンを示し、これらのボビン２
及び３においては、洋白よりなる端子がインサートモー
ルドされている。端子６ａは、上の方に突き出ている状
態となっている。また、４はバックコアであり、磁路を
形成させるために使用するものである。さらに、５は、
ヘッドコア１とバックコア４を密着させるために用いる
バネである。

【０００３】図１２Ａは、上述図１１で示した構成部品
を組み立てたもの、すなわち、ヘッドコア１の摺動部を
下にした状態を示すものであり、図１２Ｂは、この図１
２Ａの上下を逆にしたものを示すものである。

【０００４】次に、図１２Ａに示した完成品の上に、ジ
ンバル１１を貼付け、その上に更にフレキシブルプリン
ト回路基板（以下「ＦＰＣ」という。）を設置して、ボ
ビンの端子をＦＰＣのランドの脇に設けられた孔に係合
させて、ランドと端子を半田付けすることにより、電気
的接続を行なう。図１３Ａは、ヘッドコア１の摺動部を
下にした状態での完成品を示すものであり、図１３Ｂ
は、これを上下逆にしたものである。ここで、１０はＦ
ＰＣであり、１１はジンバル１１を示すものである。ま
た、１２はシールドリングである。また、図１４はジン
バル１１とＦＰＣ１０（アース部）との間のアース例を
示すものであり、図１５はジンバル１１とヘッドコアチ
ップとの間のアース例を示すものである。

【０００５】以上は、従来用いられているフロッピーデ
ィスク用磁気ヘッドの例を説明してきたものであるが、
近年、フロッピーディスク装置に使用されている磁気ヘ
ッドにおいて、ＦＤＤの薄型化に伴い、ヘッド自体の高
さも低くすることが要求され、特に、ヘッド摺動面と反
対側のジンバル１１裏面側も、ほとんどフラット（ＦＰ
Ｃ１０の厚み分程度）とする要求がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のフロッピーディスク用磁気ヘッドでは、ボビン
の端子がジンバル１１裏面に垂直に０．５〜１ｍｍ程度
突出することとなる（図１３Ａ参照）。また、ジンバル
１１とＦＰＣ１０との間のアースは、図１４に示すよう
に、ＦＰＣ１０をジンバル１１に貼った後に、ＦＰＣ１
０アース部とジンバル１１を覆うように導電塗料を塗布
し、更に保護用の例えぱ紫外線硬化性樹脂などの接着剤
を塗布硬化しているため、ジンバル１１裏面より０．４
〜０．５ｍｍ程度突出することとなる。

【０００７】一方、特願平３−１２０５７にて提案され
た例においても、上述したと同様であり、端子が突出す
るのと、ジンバル１１とＥ用コイル３ａ側のボビンの空
き端子とに直接導電塗料を塗布し、その後ＦＰＣ１０を
貼り、半田付けすることから、半田コテなどの機械的な
力の加わり方で、導電塗料が強度的に劣化するおそれが
ある。

【０００８】また、この他に提案されているものとし
て、ボビンの端子をジンバル１１面と平行方向に出し、
ジンバル１１裏面にＦＰＣ１０を貼った後、ヘッド摺動
面から半田付けし、ジンバル１１とＦＰＣ１０のアース
線を半田付けする例もあるが、この場合、ヘッド面にフ
ラックスや半田くずが付き易く、品質上の懸念が残ると
いう問題があった。

【０００９】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであり、ジンバル１１裏面側に突出するものはな
く、ジンバル１１裏面側がほとんどフラットなフロッピ
ーディスク用磁気ヘッドを得ることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明のフロッピーディ
スク用磁気ヘッドは、例えば、図１に示すように、コイ
ルを巻回したボビン２及び３を設置するヘッドコア１
と、このヘッドコア１に密着して磁路を形成するバック
コア４とを有し、このボビン２及び３のコイル端子６ａ
が、ジンバル１１を介して、ＦＰＣ１０の所定のランド
部と電気的接続をするフロッピーディスク用磁気ヘッド
において、このボビン２及び３は、このジンバル１１面
より摺動面側に近く、かつ、このジンバル１１面と概略
平行方向のコイル端子６ａを有し、このＦＰＣ１０の一
部は、ジンバル窓部１１ｂを通じて、摺動面側へ折り曲
げられ、このＦＰＣ１０のランド部とこのコイル端子６
ａとが半田付けされることにより、ジンバル１１よりも
摺動面側で電気的接続をし、予め、ボビン成形時に端子
６ａがモールドされるボビン内部に端子金具の延長部を
露出させた露出部により、ヘッドチップ部のアースを取
り易くしたものである。

【００１１】

【作用】本発明のフロッピーディスク用磁気ヘッドによ
れば、コイルを巻回したボビン２及び３を設置するヘッ
ドコア１と、このヘッドコア１に密着して磁路を形成す
るバックコア４とを有し、このボビン２及び３のコイル
端子６ａが、ジンバル１１を介して、ＦＰＣ１０の所定
のランド部と電気的接続をするフロッピーディスク用磁
気ヘッドにおいて、このボビン２及び３は、このジンバ
ル１１面より摺動面側に近く、かつ、このジンバル１１
面と概略平行方向のコイル端子６ａを有し、このＦＰＣ
１０の一部は、ジンバル窓部１１ｂを通じて、摺動面側
へ折り曲げられ、このＦＰＣ１０のランド部とこのコイ
ル端子６ａとが半田付けされることにより、ジンバル１
１よりも摺動面側で電気的接続をし、予め、ボビン成形
時に端子６ａがモールドされるボビン内部に端子金具の
延長部を露出させた露出部により、ヘッドチップ部のア
ースを取り易くしたことにより、ジンバル１１裏面側に
突出するものはなく、ジンバル１１裏面側がほとんどフ
ラットなフロッピーディスク用磁気ヘッドを得ることが
できる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明フロッピーディスク用磁気ヘッ
ドの一実施例について図１〜図４を参照して説明する。

【００１３】まず、本例フロッピーディスク用磁気ヘッ
ドの製造方法について、図１及び図２を参照しながら説
明する。図２は本例で用いたボビンを示すものである。
このボビンは、図２に示すように、ＦＰＣ１０と半田付
けをするために用いる端子６ａをボビン内で半田付け部
と反対側に延長させ、その一部を露出させた露出部６ｃ
を有するものであり、また、このボビンの端子にはＲ／
Ｗ用コイル２ａ及びＥ用コイル３ａの巻線の端部をから
げて、その部分を半田溶解そうにつけることによる半田
付け、すなわち半田ディップを行なうものである。

【００１４】図１は本例のフロッピーディスク用磁気ヘ
ッドを構成する部品を示すものであり、ここでは、これ
ら構成部品の組み立てについて順をおって説明すること
とする。まず、ヘッドコア１に、上述した各々のコイル
を挿入し、バックコア４及びバネを挿入した状態で、ヘ
ッドチップ部とバックコア４に導電塗料を塗布する。次
に、ジンバル１１を所定の位置に取り付け、瞬間接着剤
で固定する。ジンバル１１には、予めＥ用コイル３ａ側
のボビンの空き端子６ｂの露出部と位置が合うジンバル
窓１１ｂを設けておき、ヘッドチップ足とジンバル１１
との間及びジンバル１１のジンバル窓部と空き端子露出
部（図９参照）との間に導電塗料を塗布する。次に、Ｆ
ＰＣ１０を貼付け、Ｒ／Ｗ用コイル２ａ及びＥ用コイル
３ａの各ボビンの端子と半田付けをする。

【００１５】図３は、ボビンの端子とＦＰＣ１０部との
半田付の状態を示す拡大図である。ＦＰＣ１０は、折曲
げた状態で端子の下側に設置して、半田付けを行なうも
のである。図４は半田付け部の拡大図を示すものであ
り、半田ディップとランド部との間を半田付けするもの
である。

【００１６】この方法により、ヘッドコア１は、バック
コア４、ジンバル１１、Ｅ用コイル３ａのボビンの空き
端子６ｂを介し、ＦＰＣ１０とアースを取ることができ
る。また、ジンバル１１を介さなくても、バックコア４
と空き端子６ｂ間にて、導電塗料を塗布することによ
り、同様にアースを取ることができる（図１０参照）。

【００１７】次に、本発明フロッピーディスク用磁気ヘ
ッドの他の実施例について説明する。図５は他の実施例
に用いるボビンの例を示したものである。図５からわか
るように、２つのボビンが連続しており、その境目に
は、折り目が入っている。ボビンにコイルを巻き取る際
には、この折り目より、２つのボビンを重ね合わせた状
態とし、ボビンの軸を同一とすることにより、コイルの
巻取りをいっぺんにできるという利点がある。

【００１８】図６及び図７は他の実施例に用いるＦＰＣ
１０の例を示すものである。図６のＦＰＣ１０は、その
先端部分が連続しており、機械的強度を確保したもので
ある。また、図７のＦＰＣ１０は、ランド部に孔が設け
てあり、また、その孔にはＦＰＣ１０の外側まで達する
スリットを設け、この孔と端子の係合を容易にしてい
る。

【００１９】図８は、上述の図７で示したＦＰＣ１０を
用いたときの半田付け部の拡大図を示すものである。こ
こでは、ＦＰＣ１０の孔にボビンの端子を係合させ、そ
の後に、この端子の上面とＦＰＣ１０のランド部を半田
付けするものである。

【００２０】図９はボビン空き端子６ｂの露出部とジン
バル１１間の導電塗料を塗布した例を示すものである。
また、図１０は、ジンバル１１を介さずに、ボビン空き
端子６ｂの露出部とバックコア４とを直接アースを取る
例を示すものである。

【００２１】以上のことから、本例によれば、コイルを
巻回したボビン２及び３を設置するヘッドコア１と、こ
のヘッドコア１に密着して磁路を形成するバックコア４
とを有し、このボビン２及び３のコイル端子６ａが、ジ
ンバル１１を介して、ＦＰＣ１０の所定のランド部と電
気的接続をするフロッピーディスク用磁気ヘッドにおい
て、このボビン２及び３は、このジンバル１１面より摺
動面側に近く、かつ、このジンバル１１面と概略平行方
向のコイル端子６ａを有し、このＦＰＣ１０の一部は、
ジンバル窓部１１ｂを通じて、摺動面側へ折り曲げら
れ、このＦＰＣ１０のランド部とこのコイル端子６ａと
が半田付けされることにより、ジンバル１１よりも摺動
面側で電気的接続をし、予め、ボビン成形時に端子６ａ
がモールドされるボビン内部に端子金具の延長部を露出
させた露出部により、ヘッドチップ部のアースを取り易
くしたフロッピーディスク用磁気ヘッドとすることによ
り、ボビンの端子をジンバル１１面と略平行に出すこと
に加え、アースをＥ用コイル３ａのボビンに設けられた
空き端子６ｂの露出部を使用することで、ジンバル１１
裏面側に突出するものはなく、ジンバル１１裏面側がほ
とんどフラット（ジンバル１１裏面より、高さ０．２５
ｍｍ以下）なフロッピーディスク用磁気ヘッドを製造す
ることができる。また、Ｅ用コイル３ａのボビンの空き
端子６ｂを使用するが、半田付けする部分とは別のボビ
ンモールド部でアースを取るため、半田付けの際、直接
アース部には力は加わらず、信頼性を向上させることが
できる。

【００２２】なお、本発明は上述の実施例に限らず本発
明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得
ることはもちろんである。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ボビンの端子をジンバル１１面と略平行に出すことに加
え、アースをＥ用コイル３ａのボビンに設けられた空き
端子６ｂの露出部を使用することで、ジンバル１１裏面
側に突出するものはなく、ジンバル１１裏面側がほとん
どフラット（ジンバル１１裏面より、高さ０．２５ｍｍ
以下）なフロッピーディスク用磁気ヘッドを製造するこ
とができる。また、Ｅ用コイル３ａのボビンの空き端子
６ｂを使用するが、半田付けする部分とは別のボビンモ
ールド部でアースを取るため、半田付けの際、直接アー
ス部には力は加わらず、信頼性を向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明フロッピーディスク用磁気ヘッドの例の
分解斜視図である。

【図２】本発明フロッピーディスク用磁気ヘッドのボビ
ンを示す構成図である。

【図３】本発明フロッピーディスク用磁気ヘッドの要部
を示す構成図である。

【図４】本発明フロッピーディスク用磁気ヘッドの要部
を示す構成図である。

【図５】本発明フロッピーディスク用磁気ヘッドのボビ
ンの他の例を示す構成図である。

【図６】本発明フロッピーディスク用磁気ヘッドのＦＰ
Ｃの他の例を示す構成図である。

【図７】本発明フロッピーディスク用磁気ヘッドのＦＰ
Ｃの他の例を示す構成図である。

【図８】本発明フロッピーディスク用磁気ヘッドの他の
例を示す構成図である。

【図９】磁気ヘッドにおけるジンバルと空き端子の導通
を示す構成図である。

【図１０】磁気ヘッドにおけるバックコアと露出部の導
通を示す構成図である。

【図１１】従来のフロッピーディスク用磁気ヘッドの例
の分解斜視図である。

【図１２】従来のフロッピーディスク用磁気ヘッドの要
部を示す構成図である。

【図１３】従来のフロッピーディスク用磁気ヘッドの例
を示す構成図である。

【図１４】磁気ヘッドにおけるＦＰＣとジンバルの導通
を示す構成図である。

【図１５】磁気ヘッドにおけるジンバルとヘッドチップ
とを示す構成図である。

【符号の説明】

１ ヘッドコア ２ ボビン ２ａ Ｒ／Ｗ用コイル ３ ボビン ３ａ Ｅ用コイル ４ バックコア ６ ボビン ６ａ 端子 １０ ＦＰＣ １０ａ ランド部 １１ ジンバル １１ａ，１１ｂ ジンバル窓

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コイルを巻回したボビンを設置するヘッ
   ドコアと、該ヘッドコアに密着して磁路を形成するバッ
   クコアとを有し、 上記ボビンのコイル端子が、ジンバルを介して、フレキ
   シブルプリント回路基板の所定のランド部と電気的接続
   をするフロッピーディスク用磁気ヘッドにおいて、 上記ボビンは、上記ジンバル面より摺動面側に近く、か
   つ、上記ジンバル面と概略平行方向のコイル端子を有
   し、 上記フレキシブルプリント回路基板の一部は、ジンバル
   窓部を通じて、摺動面側へ折り曲げられ、 上記フレキシブルプリント回路基板のランド部と上記コ
   イル端子とが半田付けされることにより、ジンバルより
   も摺動面側で電気的接続をし、 予め、ボビン成形時に端子がモールドされるボビン内部
   に端子金具の延長部を露出させた露出部により、ヘッド
   チップ部のアースを取り易くしたことを特徴とするフロ
   ッピーディスク用磁気ヘッド。