JPH05302215A - 多孔質炭素繊維及びその製法 - Google Patents

多孔質炭素繊維及びその製法

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JPH05302215A
JPH05302215A JP4106576A JP10657692A JPH05302215A JP H05302215 A JPH05302215 A JP H05302215A JP 4106576 A JP4106576 A JP 4106576A JP 10657692 A JP10657692 A JP 10657692A JP H05302215 A JPH05302215 A JP H05302215A
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JP
Japan
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carbon fiber
fiber
holes
average diameter
oxygen
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Application number
JP4106576A
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English (en)
Inventor
Masaru Furukawa
勝 古河
Kazutoshi Haraguchi
和敏 原口
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素繊維の表面に0.05μm〜1μm程度
の穴が多数存在する新規な多孔質炭素繊維を得る。 【構成】 (1)表面に平均直径が0.05μm〜1μ
mの穴を有する多孔質炭素繊維。(2)等方性炭素繊維
を酸素の存在下で400℃〜900℃の温度で酸化する
多孔質炭素繊維の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は繊維の表面に、微細な穴
の開いた新規な炭素繊維、及びその製法に関するもので
あり、得られた多孔質炭素繊維はフィルター、吸着材、
吸音材、触媒担持体等の素材、或いは複合材における補
強繊維としての用途が考えられる。
【0002】
【従来技術】炭素質材料は、その化学的安定性、耐熱
性、導電性、力学特性、吸着性、X線透過性、振動減衰
性、耐摩耗性等の優れた特性を生かして種々の用途、例
えば超高温用断熱材、電極材、フィルター、吸音材、吸
着材、あるいは炭素繊維強化複合材料等に広く用いられ
ている。
【0003】これらの中で、繊維界面の特性が応用製品
の特性に大きく影響する用途は多い。例えば、複合材料
の場合、炭素繊維とプラスチック、ゴム、金属等のマト
リックスとの接着強度は、その力学特性に大きく影響す
る。その接着強度を大きく向上させる手段として、炭素
繊維の表面を処理することが広く行われている。表面処
理の手段としては、以下の方法が挙げられる。即ち、
(1)酸価によるエッチングと含酸素含有官能基の導入
を兼ねるもので、その方法としては、硝酸、燐酸、クロ
ム酸等による薬液酸化法、空気、オゾン等による気相酸
化法、或いは電解酸化法等が知られている。このエッチ
ングは、繊維方向への若干の溝、或いはランダムな溝が
走る程度の凹凸を持たせるものであり、表面に多数の穴
を形成させるものではない。またこの方法によって導入
される含酸素含有官能基としては、例えばカルボキシル
基、フェノール性水酸基、カルボニル基、エーテル結
合、過酸化水素結合、或いはニトロソ結合等が挙げられ
る。(2)グラフトまたは各種のコーティングにより表
面に他の物質をつけるもので、このような例としては樹
脂によるサイジング、或いは繊維表面に気相から結晶を
成長させ表面形状を工夫する、所謂ウイスカライジング
等を挙げることが出来る。
【0004】一方、吸音材、吸着材、各種フィルター用
途において繊維表面積の大きい方が性能の向上となる場
合があり、例えば、有効面積を大きくするために800
℃付近における水蒸気処理を行い活性炭繊維にする等の
方法が広く知られている。この場合繊維表面から内部に
気孔が形作られることで表面積を大きくするが、その気
孔径は、概略0.001〜0.03μmと極めて微小の
気孔である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に炭素繊維は10
μm前後の径を持つが、その原料、製法に係わらず、繊
維表面は平滑である。上述した通り、表面に溝状の凹凸
を持つ繊維、或いは直径が0.03μm以下と微小の気
孔を持つ繊維は既に存在するものの、表面の直径が0.
05〜1μm程度の穴を多数持ち、しかもその穴径が制
御されうる炭素繊維についてはまだその存在は知られて
いない。
【0006】本発明の目的は、炭素繊維の表面に0.0
5〜1μm程度の穴が多数存在する、新規な多孔質炭素
繊維を提供することにある。このような繊維では複合材
料における界面接着強度の向上効果が期待できるほか、
選択的な吸音材、吸着材、フィルター、あるいは触媒の
担持体、反応補助材等の新たな用途も種々考えられる。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、これらの課
題を解決すべく鋭意研究した結果、等方性の炭素繊維を
酸素の存在下で、加熱処理すると繊維表面に多数の穴を
有する繊維を製造でき、又、その穴の径は炭素繊維の焼
成温度を変えることで自由に制御でき、平均直径が0.
05〜0.2μmの穴、及び平均直径が0.2μm〜1
μmの穴をそれぞれ独立に、或いは混在して繊維表面に
形成し得ることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】即ち、本発明は、表面に平均直径が0.0
5〜1μm以下の多数の穴を有することを特徴とする多
孔質炭素繊維及びその製法を提供することにある。
【0009】本発明で使われる炭素繊維には、石炭系、
或いは石油系のピッチを出発原料として製造される引っ
張り強度が約200Kg/mm2以下、弾性率が10T
on/mm2以下の汎用型炭素繊維である等方性炭素繊
維が一般的である。他の原料を使用した等方性炭素繊維
も容易に製造でき、これらも使用できる。例えば通常高
強度タイプの炭素繊維と称されるものは、ポリアクリル
ニトリル、レーヨン、ピッチ等を原料として原料調整、
紡糸、熱酸化、炭化のいずれかの工程で強度を発現させ
るために繊維に異方性を付与する処理が行われるが、こ
の工程を省くことにより等方性繊維が作られる。本発明
で使用される炭素繊維は等方性であればいずれでもよく
その原料、製法にはよらない。
【0010】本発明における酸化処理とは、酸素の存在
下での加熱処理であり、加熱方法は種々考えられるが、
例えばベルトコンベアの上に炭素繊維を均一に拡げて、
該ベルトコンベアを加熱した空気中を通す方法や、密閉
乾燥炉容器内に一定量の炭素繊維を入れ加熱した空気で
内部を攪拌してやる方法等を挙げることができるが、本
発明は特にこれらの方法に限定されるものではない。
【0011】酸化に際しては酸化による炭素繊維の減量
が5%以上、望ましくは10%以上となる範囲がよい。
減量が5%未満では明確な穴は形成されない。炭素繊維
の酸化は一般には加熱された空気中を通すことによって
容易に行われるが、その際に酸素を補給して酸素濃度を
高めると処理温度、処理時間等を減じることができる。
又、使用する炭素繊維の焼成温度によっても異なり、低
い温度で焼成された炭素繊維は、より高い温度で焼成さ
れた炭素繊維と比較して、酸化温度は相対的に低くて済
む。
【0012】処理時間を考えると加熱温度は400℃以
上900℃以下が望ましい。400℃未満では処理時間
がかかりすぎ効率的ではなく、又、900℃を越えると
酸化速度が早すぎて穴を形成するための操作の管理が困
難となる傾向がある。また酸化の際の効率をあげるため
に例えば硝酸のような酸等で前処理することも可能であ
る。
【0013】酸化によって減量された炭素繊維に形成さ
れた穴の大きさは、炭素繊維の焼成温度によってほぼ制
御できる。焼成温度が800℃未満では良好な穴は形成
されないが、800〜1400℃で0.2μm以下の比
較的径の小さな穴が、更に原料焼成温度を上げていくと
0.2〜1μm径の穴が混在するようになる。しかし焼
成温度が2200℃を越えると再び0.2μm以下の小
さな穴だけが形成されるようになる。
【0014】本発明の多孔質炭素繊維は、炭素繊維を酸
素存在下で加熱処理して得るが、必要とあれば該処理後
の炭素繊維を再び焼成して得たものでも良い。この際の
再焼成温度は酸化処理以前の焼成温度より通常高く設定
する。
【0015】
【実施例】次いで本発明を実施例によって更に説明す
る。尚、例中の%は特に断りのない限り重量基準であ
る。
【0016】実施例1 ピッチ系汎用炭素繊維の1200℃焼成ミルド(繊維径
13.5μm、平均繊維長130μm)100gを1m
mの厚さでステンレス板の上に均一に拡げた。該ステン
レス板を540℃に保たれた熱風乾燥に入れ、10分保
持した後取り出した。炭素繊維ミルドは88.5gまで
減量していた。
【0017】得られた炭素繊維ミルドの表面を走差型電
子顕微鏡で観察したところ、平均直径0.1μmの穴が
多数形成されていた。
【0018】実施例2 ピッチ系汎用炭素繊維の900℃焼成ミルド(繊維径1
3.5μm、平均繊維長370μm)100gを加熱炉
にいれ650℃の空気で20分間加熱攪拌した。炭素繊
維ミルドは87gまで減量していた。
【0019】得られた炭素繊維ミルドの表面を走差型電
子顕微鏡で観察したところ、図−1に示すように平均直
径0.5μmの穴と平均直径0.15μmの穴が混在し
多数形成されていた。
【0020】実施例3 ピッチ系汎用炭素繊維の2800℃焼成チョップ(繊維
径13.5μm、平均繊維長3mm)100gを実施例
1と同様な方法で750℃で20分加熱処理した。炭素
繊維ミルドは88.3gまで減量していた。
【0021】得られた炭素繊維ミルドの表面を走差型電
子顕微鏡で観察したところ、平均直径0.1μmの穴が
多数形成されていた。
【0022】
【発明の効果】本発明によって得られた多孔質炭素繊維
は、従来存在しなかった形状、即ち表面に平均直径0.
05〜1μmの穴を有する全く新しい炭素質素材であ
り、今後その表面特性を生かした様々な用途への応用が
期待できる。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得た多孔質炭素繊維の走差型電子顕
微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B01D 39/20 C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に平均直径0.05〜1μm以下の
    穴を有することを特徴とする多孔質炭素繊維。
  2. 【請求項2】 炭素繊維が、等方性炭素繊維である請求
    項1記載の繊維。
  3. 【請求項3】 平均直径が0.2μm〜1μmの穴と平
    均直径0.2μm未満の穴が混在してしている請求項
    1、又は2記載の繊維。
  4. 【請求項4】 穴の平均直径が0.2μm未満である請
    求項1、又は2記載の繊維。
  5. 【請求項5】 炭素繊維を酸素の存在下で加熱処理する
    ことを特徴とする多孔質炭素繊維の製法。
  6. 【請求項6】 炭素繊維が、等方性炭素繊維である請求
    項5記載の製法。
  7. 【請求項7】 加熱処理温度が、400〜900℃であ
    る請求項5記載の製法。
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