JPH05302007A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH05302007A
JPH05302007A JP10780292A JP10780292A JPH05302007A JP H05302007 A JPH05302007 A JP H05302007A JP 10780292 A JP10780292 A JP 10780292A JP 10780292 A JP10780292 A JP 10780292A JP H05302007 A JPH05302007 A JP H05302007A
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Kazuya Nakayama
和也 中山
Naotami Andou
直民 安藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂と硬化
触媒とを含む組成物であって、ポットライフが長く、硬
化性の良好な組成物をうる。 【構成】 (a)主鎖が実質的にビニル系重合体からな
り、加水分解性基と結合したケイ素含有基(加水分解性
シリル基)を1分子中に少なくとも1個有するビニル系
樹脂および(b)モノアルキルスズ脂肪酸塩からなる硬
化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加水分解性基と結合し
たケイ素含有基(以下、加水分解性シリル基ともいう)
を1分子中に少なくとも1個有するビニル系樹脂および
モノアルキルスズ脂肪酸塩からなる硬化性組成物に関す
る。さらに詳しくは、とくに焼付塗装ラインでの塗装性
の改良されたコーティング剤として有用な前記硬化性組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】加水分解
性シリル基含有ビニル系重合体が常温で硬化し、コンク
リート、ガラス、鋼板、アルミニウムなどの無機物に対
する密着性がよく、耐候性の優れた樹脂であることが見
出され、すでに特許出願されている(特開昭54−36
395号公報など)。
【0003】しかしながら、このビニル系重合体も硬化
触媒を混合したのちのポットライフと硬化性のバランス
をとるのが難しく、充分な硬化性とより長いポットライ
フが求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題点
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち、本発明は、 (a)主鎖が実質的にビニル系重合体からなり、加水分
解性基と結合したケイ素含有基(加水分解性シリル基)
を1分子中に少なくとも1個有するビニル系樹脂と (b)モノアルキルスズ脂肪酸塩 とからなる硬化性組成物に関する。
【0006】
【実施例】本発明の組成物には、(a)成分である主鎖
が実質的にビニル系重合体からなり、加水分解性シリル
基を1分子中に少なくとも1個有する重合体(以下、加
水分解性シリル基含有ビニル系樹脂ともいう)が含まれ
ている。
【0007】前記加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂
の主鎖が実質的にビニル系重合体からなるため、硬化物
の耐候性、耐薬品性などが優れるとともに、共重合組成
を変更することにより、軟質から硬質まで幅広い樹脂設
計が可能である。また、湿分が存在すると加水分解して
シラノール基となり、さらにシロキサン結合が生成して
硬化する加水分解性シリル基を1分子中に少なくとも1
個、好ましくは2個以上有するため、湿分の存在下、室
温で硬化させることができるとともに、化学的に安定な
シロキサン結合を生成するための硬化物の耐候性、耐薬
品性をさらに向上させることができる。
【0008】前記加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂
の分子量にはとくに限定はないが、作業性、安定性、塗
膜の外観性(光沢値、目視での評価)などの点から数平
均分子量が2000〜80000程度、好ましくは30
00〜25000程度のものが一般的に使用される。
【0009】前記加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂
は、たとえばビニルモノマーと加水分解性シリル基含有
モノマーとを共重合させることによりえられるが、主鎖
または側鎖の一部として全体の50%以下の範囲でウレ
タン結合あるいはシロキサン結合からなる単位などを含
んでいてもよい。
【0010】本発明に用いる(a)成分である加水分解
性シリル基含有ビニル系樹脂を製造する際に用いるビニ
ルモノマーにはとくに限定はなく、その具体例として
は、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチ
ル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メ
チルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、ビニルモノマーに含まれる東亜合
成化学工業(株)製のアロニクスM−5700、東亜合
成化学工業(株)製のマクロモノマーであるAS−6、
AN−6、AA−6、AB−6、AK−5、ダイセル化
学工業(株)製のPlaccel FA−1、Plac
cel FA−4、 Placcel FM−1、Pl
accel FM−4、(メタ)アクリル酸のヒドロキ
シアルキルエステル類などのα,β−エチレン性不飽和
カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸も
しくはリン酸エステル類との縮合生成物たるリン酸エス
テル基含有ビニル系化合物、スチレン、α−メチルスチ
レン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒド
ロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素
系ビニル系化合物、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
などの不飽和カルボン酸、それらの塩(アルカリ金属
塩、アンモニウム塩、アミン塩など)、それらの酸無水
物(無水マレイン酸など)またはそれらと炭素数1〜2
0の直鎖または分枝のアルコールとのジエステルまたは
ハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートな
どのビニルエステルやアリル化合物、ビニルピリジン、
アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル
系化合物、イタコン酸ジアミド、クロトンアミド、マレ
イン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリ
ドンなどのアミド基含有ビニル系化合物、2−ヒドロキ
シエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シク
ロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレ
ン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダ
ゾール、ビニルスルホン酸などのその他のビニル系化合
物などがあげられる。
【0011】これらのビニル系モノマーは単独で用いて
もよく、また2種以上併用してもよい。
【0012】前記加水分解性シリル基含有モノマーの具
体例としては、分子内に不飽和結合を有するシラン誘導
体、たとえば
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】などがあげられ、末端にアルコキシシリル
基をウレタン結合あるいはシロキサン結合を介して有す
る(メタ)アクリレートが含まれうる。これらの加水分
解性シリル基含有モノマーは1種で用いてもよく、2種
以上併用してもよい。
【0016】これら加水分解性シリル基含有モノマーと
ビニルモノマーとの共重合体の製法にはとくに限定はな
く、たとえば特開昭54−36395号公報、同57−
36109号公報、同58−157810号公報などに
示される方法によればよく、とくにアゾビスイソブチロ
ニトリルなどのアゾ系ラジカル開始剤を用いた溶液重合
法によるのが取扱いが容易であるなどの点から好まし
い。
【0017】また必要に応じて、たとえばn−ドデシル
メルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチル
メルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、(CH
3O)3 Si−S−S−Si(OCH3 3 、(CH3
O)3 Si−S8 −Si(OCH3 3 などの連鎖移動
剤の1種以上を用いることにより、分子量を調節するこ
とができる。加水分解性シリル基を分子中に有する連鎖
移動剤、たとえばγ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シランなどをモノマー混合溶液に添加して連続追加する
ことにより、分子量調節の作用と同時にビニル系重合体
の末端に加水分解性シリル基を導入することができるの
で有用である。
【0018】前記溶液重合に用いる溶剤の例としては、
たとえばトルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘ
キサンなどの炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなど
の酢酸エステル類;メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、n−ブタノールなどのアルコール類;エチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート
などのエーテル類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エ
チル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、メチ
ルイソブチルケトン、アセトンなどのケトン類などがあ
げられるが、これらに限定されるものではなく、非反応
性の溶剤であれば使用しうる。
【0019】本発明に用いる(b)成分であるモノアル
キルスズ脂肪酸塩は、(a)成分の硬化剤として使用さ
れる成分であり、硬化触媒を混合したのちのポットライ
フを長くしながら、硬化性を良好にするという、相反す
る性質を両立させるための成分である。
【0020】前記アルキルスズ脂肪酸塩の具体例として
は、たとえば式: SnR1 (COOR2 )(COOR3 )(COOR4 ) (式中、R1 は炭素数1〜20のアルキル基、R2 、R
3 、R4 は炭素数1〜18のアルキル基などであり、R
2 、R3 、R4 は同一のものでも異なっていてもよい)
で表わされる化合物があげられる。
【0021】前記化合物の具体例としては、たとえばモ
ノブチルスズトリ酢酸塩、モノブチルスズトリプロピオ
ン酸塩、モノ−n−オクチルスズトリ酢酸塩、モノ−n
−オクチルスズトリプロピオン酸塩、モノヘキシルスズ
トリ酢酸塩、モノヘキシルスズトリプロピオン酸塩、モ
ノステアリルスズトリ酢酸塩、モノステアリルスズトリ
プロピオン酸塩、モノブチルスズトリヘキサン酸塩、モ
ノ−n−オクチルスズトリヘキサン酸塩、モノブチルス
ズトリステアリン酸塩、モノ−n−オクチルスズトリス
テアリン酸塩、モノブチルスズトリオクタン酸塩、モノ
ブチルスズトリノナン酸塩などがあげられる。また、三
共有機合成(株)製のSCAT−24(モノブチルスズ
脂肪酸塩)などがあげられる。
【0022】前記加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂
100部(重量部、以下同様)に対するモノアルキルス
ズ脂肪酸塩の添加量は一般に0.01〜20部、好まし
くは0.01〜10部である。
【0023】本発明の硬化性組成物には脱水剤は用いて
も用いなくてもよいが、長期間にわたる安定性、くり返
し使用しても問題のない安定性を確保するためには、1
種または2種以上の脱水剤を用いる方が好ましい。
【0024】前記脱水剤の具体例としては、たとえばオ
ルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチ
ル、オルト酢酸エチル、メチルトリメトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、メチルシリケート、エチルシリケ
ートなどの加水分解性エステル化合物があげられる。こ
れらの加水分解性エステル化合物はシリル基含有ビニル
系共重合体の重合前、重合中あるいは重合後のどの段階
で加えてもよい。
【0025】前記のごとき本発明の組成物は、用途、添
加剤の種類や量などによっても異なるが、通常数センチ
ポイズから数万センチポイズの透明な液体である。
【0026】本発明の組成物にはさらに、用途に応じて
各種顔料、染料、紫外線吸収剤、沈降防止剤、レベリン
グ剤などの添加剤;ニトロセルロース、セルロースアセ
テートブチレートなどの繊維素系樹脂;アルキド樹脂、
アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩素化プロピレン系
樹脂、塩化ゴム、ポリビニルブチラールなどの樹脂類を
添加することができる。
【0027】前記のごとき本発明の組成物は、(a)成
分と(b)成分とを配合したのちのポットライフが長い
にもかかわらず、各種塗装法、たとえば浸漬、吹付け、
刷毛塗りなどの通常の方法により被塗物に塗布したの
ち、通常60〜250℃、好ましくは80〜200℃で
硬化させたばあいの硬化性が良好であり、硬化させるこ
とにより、被塗物の表面に密着性、耐久性などに優れた
塗膜を形成することができる。
【0028】つぎに本発明の硬化性組成物を実施例に基
づき説明する。
【0029】合成例1 (加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂(a)の合成
例)撹拌装置、温度計、チッ素導入管、滴下ロートおよ
び冷却管を備えた反応器にキシレン340gを仕込み、
110℃に加熱した。この反応器に、スチレン141
g、n−ブチルアクリレート331g、メチルメタクリ
レート401g、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン117g、アクリルアミド9.4g、アゾビ
スイソブチロニトリル18gおよびキシレン180gを
3時間かけて連続添加した。モノマー添加終了後、別に
用意したアゾビスイソブチロニトリル2.0gおよびキ
シレン30gの溶液をさらに1時間かけて添加し、さら
に1時間後重合を行ない、加水分解性シリル基含有ビニ
ル系樹脂(a)をえた。
【0030】えられた樹脂溶液の不揮発分濃度は63%
であり、キシレンで希釈して50%に調整して粘度15
00cps(23℃)の無色透明な液体をえた。また、
GPC法による数平均分子量は約10000であった。
【0031】実施例1〜3および比較例1〜2 合成例1でえられた加水分解性シリル基ビニル系樹脂
(a)の溶液を用いてPWC(全固形分に対する顔料の
重量%)40%、塗料固形分濃度60%となるように酸
化チタン(石原産業(株)製のCR−95)を分散させ
た白エナメルを調製した。分散はガラスビーズを用いペ
イントシェーカーで2時間行なった。
【0032】えられた白エナメルの樹脂固形分100部
に対してSCAT−24、モノブチルスズトリ酢酸塩、
モノヘキシルスズトリプロピオン酸塩を2.5部加えた
もの、ジブチルスズジラウレートを1部加えたもの、ジ
オクチルフォスフェートを1部加えたものについて、そ
れぞれ23℃での粘度変化の測定および120℃×20
分、140℃×20分の各焼き付け条件で作製した塗膜
のゲル分率を測定した。粘度変化はフタを解放した14
0mlのマヨネーズビンに塗料を80%入れた状態での
粘度変化をB型粘度計で測定し、ゲル分率については作
製した塗膜を12時間アセトンに浸漬したのちの塗膜残
存重量%で評価した。
【0033】評価結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は常温での反応性
の低さによるポットライフの長さと、加熱時の反応性の
発現による充分な硬化性をあわせもつ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)主鎖が実質的にビニル系重合体か
    らなり、加水分解性基と結合したケイ素含有基(加水分
    解性シリル基)を1分子中に少なくとも1個有するビニ
    ル系樹脂および (b)モノアルキルスズ脂肪酸塩 からなる硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 前記モノアルキルスズ脂肪酸塩(b)の
    アルキル基が炭素数1〜20である請求項1記載の硬化
    性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5902851A (en) * 1996-12-24 1999-05-11 Matsushita Electric Works, Ltd. Resinous composition for foul releasing coat and coating articles
JP2003041115A (ja) * 2001-08-01 2003-02-13 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 硬化性樹脂組成物
JP2006321938A (ja) * 2005-05-20 2006-11-30 Sekisui Chem Co Ltd 接着剤組成物

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