JP3318059B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JP3318059B2
JP3318059B2 JP17130293A JP17130293A JP3318059B2 JP 3318059 B2 JP3318059 B2 JP 3318059B2 JP 17130293 A JP17130293 A JP 17130293A JP 17130293 A JP17130293 A JP 17130293A JP 3318059 B2 JP3318059 B2 JP 3318059B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐候性の優れた硬化性組
成物に関する。さらに詳しくは、長期間にわたって優れ
た耐候性を示すとともに、光沢、肉持性および耐溶剤性
などに優れた塗膜を形成することのできる共重合体を含
有する硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】加水分解
性シリル基含有ビニル系重合体が常温で硬化し、コンク
リート、ガラス、鋼板、アルミニウムなどの無機物に対
する密着性のよい優れた樹脂であることが見出され、す
でに特許出願されている(特開昭54−36395号公
報など)。
【0003】この樹脂の耐候性は、従来よいとされてい
たアクリルウレタン系樹脂より優れているが、フッ化ビ
ニリデン樹脂を始めとする加熱硬化フッ素樹脂と比較す
ると劣るばあいがある。
【0004】近年、人件費の高騰、職人の減少などから
メンテナンスフリーに対する社会的要請が強くなってき
ており、長期間の耐候性が要求されるようになってきて
おり、従来の加水分解性シリル基含有ビニル系重合体の
耐候性をさらに向上させることが必要になってきてい
る。
【0005】従来、耐候性の向上は、紫外線吸収剤や光
安定剤などの添加で行なわれているが、これらの手段で
は、混合物であるため、長期間の暴露や加熱硬化時に昇
華などが起こり、その効果の発現が阻害されたり、効果
の持続性が充分でなかったりしている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。
【0007】すなわち、本発明は (a)主鎖が実質的にビニル系重合体からなり、加水分
解性基と結合したケイ素含有基(加水分解性シリル基)
および(または)シラノール基を1分子中に少なくとも
1個有し、さらに共重合成分として重合性紫外線安定性
単量体および(または)重合性紫外線吸収性単量体を含
有するビニル系樹脂および (b)硬化触媒である有機スズ化合物からなる硬化性組
成物に関する。
【0008】
【実施例】本発明の組成物には、(a)成分である主鎖
が実質的にビニル系重合体からなり、加水分解性基と結
合した加水分解性シリル基および(または)シラノール
基を1分子中に少なくとも1個有し、さらに共重合体成
分として重合性紫外線安定性単量体および(または)重
合性紫外線吸収性単量体を含有するビニル系単量体に由
来する単位を含有するビニル系樹脂(以下、加水分解性
シリル基および(または)シラノール基含有ビニル系樹
脂または加水分解性シリル基等含有ビニル系樹脂ともい
う)が含有されている。
【0009】前記加水分解性シリル基等含有ビニル系樹
脂の主鎖が実質的にビニル系重合体からなるため、硬化
物の耐候性、耐薬品性などが優れるとともに、共重合組
成を変更することにより、軟質から硬質まで幅広い樹脂
設計が可能である。また、加水分解性シリル基のばあ
い、湿分が存在すると加水分解してシラノール基となる
が、このようにして生成したシラノール基または最初か
ら含まれるシラノール基からさらにシロキサン結合が生
成して硬化する原因となる加水分解性シリル基等を1分
子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上有するた
め、湿分の存在下、室温で硬化させることができるとと
もに、化学的に安定なシロキサン結合を生成するために
硬化物の耐候性、耐薬品性をさらに向上させることがで
きる。
【0010】なお、加水分解性シリル基の個数は、Si
原子に結合した加水分解性基が1個のときは1個、した
がって、1個のSi原子に加水分解性基が3個結合して
いるときは3個になる。同様にシラノール基の個数も、
Si原子に水酸基が1個結合しているときは1個、2個
結合しているときは2個になる。
【0011】さらに、前記加水分解性シリル基等含有ビ
ニル系樹脂には、重合性紫外線安定性単量体および重合
性紫外線吸収性単量体が共重合により含有されているた
め、主鎖の分解劣化を効果的に抑制することができる。
この結果、長期間にわたり耐候性が改善される。
【0012】前記重合性紫外線安定性単量体は、加水分
解性シリル基等含有ビニル系樹脂に共重合させることに
より多量に含有させることができるが、重合性紫外線安
定性単量体を共重合により多量に含有させると、えられ
る樹脂の保存安定性が低下する。それゆえ、重合性紫外
線安定性単量体の共重合量としては、えられる樹脂10
0部(重量部、以下同様)に対して0.5〜10部が好
ましく、1〜5部がさらに好ましい。
【0013】また、重合性紫外線吸収性単量体も加水分
解性シリル基等含有ビニル系樹脂に共重合により含有さ
せることができるが、重合性紫外線吸収性単量体を共重
合により多量に含有させると、えられる樹脂が着色した
りする。したがって、えられる樹脂100部に対する共
重合量としては、0.5〜10部が好ましく、1〜5部
がさらに好ましい。
【0014】重合性紫外線安定性単量体および重合性紫
外線吸収性単量体は単独で共重合させてもよいし、同時
に共重合させてもよい。同時に共重合させるばあいに
は、えられる樹脂100部に対して、前者を1〜5部、
後者を1〜5部にするのが、保存安定性をよくし着色を
おさえるという点から好ましい。
【0015】前記重合性紫外線安定性単量体は、たとえ
ば一般式(I):
【0016】
【化5】
【0017】(式中、一般式(I)中、R1 は水素原子
またはシアノ基、R2 およびR3 はそれぞれ独立して水
素原子または炭素数1〜2のアルキル基、Xはイミノ基
または酸素原子、Yは水素原子、炭素数1〜18のアル
キル基または
【0018】
【化6】
【0019】(式中、R2 、R3 は前記と同じ)を示
す)で表わされる化合物であり、一般式(I)中のYが
とくに炭素数1〜18のアルキル基のばあい、えられる
樹脂の保存安定性が良好になるため好ましい。
【0020】前記重合性紫外線安定性単量体の具体例と
しては、たとえば1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジルアクリレート、2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレー
ト、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルア
クリレート、1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−
イミノピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テ
トラメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、4
−シアノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジルメタクリレート、4−シアノ−1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートなどが
あげられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】また、前記重合性紫外線吸収性単量体は、
たとえば一般式(II):
【0022】
【化7】
【0023】(式中、R4 は水素原子または炭素数1〜
10の1価のアルキル基、Zは、
【0024】
【化8】
【0025】(式中、R5 は炭素数1〜10の2価のア
ルキレン基)を示す)で表わされる化合物である。
【0026】前記重合性紫外線吸収性単量体の具体例と
しては、たとえば2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイ
ルオキシエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−(アクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシメチルアミ
ノベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイ
ルオキシメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メタクリロイルオキシメチルチオベンゾフェノンなど
があげられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】前記加水分解性シリル基等含有ビニル系樹
脂の分子量にはとくに限定はないが、作業性、安定性、
塗膜の外観性(光沢値、目視での評価)などの点から好
ましくは数平均分子量2000〜80000程度、とく
に好ましくは3000〜25000程度のものが一般的
に使用される。
【0028】前記加水分解性シリル基等含有ビニル系樹
脂は、たとえばビニルモノマー、加水分解性シリル基等
含有モノマーならびに重合性紫外線安定性単量体および
(または)重合性紫外線吸収性単量体を共重合させるこ
とによりえられるが、主鎖または側鎖の一部として全体
の50%(重量%、以下同様)以下の範囲でウレタン結
合あるいはシロキサン結合などに基づく単位を含んでい
てもよい。
【0029】前記加水分解性シリル基等含有ビニル系樹
脂を製造する際に用いるビニルモノマーにはとくに限定
はなく、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオ
ロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピ
ル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グ
リシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル
(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N
−メチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、東亜合成化学工業(株)製の
アロニクスM−5700、東亜合成化学工業(株)製の
マクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、
AB−6、AK−5、ダイセル化学工業(株)製のPl
accel FA−1、Placcel FA−4、P
laccel FM−1、Placcel FM−4、
(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類な
どのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシ
アルキルエステル類とリン酸もしくはリン酸エステル類
との縮合生成物たるリン酸エステル基含有ビニル系化合
物、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、
スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、ビニル
トルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル系化合物;マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン
酸、それらの塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、ア
ミン塩など)、それらの酸無水物(無水マレイン酸な
ど)またはそれらと炭素数1〜20の直鎖または分岐の
アルコールとのジエステルまたはハーフエステルなどの
不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルや
アリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエ
ーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸
ジアミド、クロトンアミド、マレイン酸ジアミド、フマ
ル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含
有ビニル系化合物;2−ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエー
テル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プ
ロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィ
ンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホ
ン酸などのその他のビニル系化合物などがあげられる。
これらのビニル系モノマーは単独で用いても、また2種
以上を併用してもよい。
【0030】前記加水分解性シリル基等含有モノマーの
具体例としては、分子内に不飽和結合を有するシラン誘
導体、たとえば
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】などがあげられ、末端にアルコキシシリル
基をウレタン結合あるいはシロキサン結合を介して有す
る(メタ)アクリレートも含まれる。これらの加水分解
性シリル基含有モノマーは1種で用いてもよく、2種以
上併用してもよい。
【0034】これら加水分解性シリル基等含有モノマー
とビニルモノマーと重合性紫外線安定性単量体および
(または)重合性紫外線吸収性単量体との共重合体の製
法にはとくに限定はなく、たとえば特開昭54−363
95号公報、同57−36109号公報、同58−15
7810号公報などに示される方法によればよい。とく
にアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系ラジカル開
始剤を用いた溶液重合法によるのが取扱いが容易である
などの点から好ましい。
【0035】また必要に応じて、たとえばn−ドデシル
メルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチル
メルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、(CH
3O)3 Si−S−S−Si(OCH3 3 、(CH3
O)3 Si−S8 −Si(OCH3 3 などの連鎖移動
剤の1種以上を用いることにより、分子量を調節するこ
とができる。加水分解性シリル基を分子中に有する連鎖
移動剤、たとえばγ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シランなどをモノマー混合溶液に添加して連続追加する
ことにより、分子量調節の作用と同時にビニル系重合体
の末端に加水分解性シリル基を導入することができるの
で有用である。
【0036】前記溶液重合に用いる溶剤の例としては、
たとえばトルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘ
キサンなどの炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなど
の酢酸エステル類;メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、n−ブタノールなどのアルコール類;エチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート
などのエーテル類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エ
チル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、メチ
ルイソブチルケトン、アセトンなどのケトン類などがあ
げられるが、これらに限定されるものではなく、非反応
性の溶剤であれば使用しうる。
【0037】本発明に用いる(b)成分である硬化触媒
有機スズ化合物としては、たとえばジブチルスズジラ
ウレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズ
ジラウレート、ジオクチルスズジマレエート、オクチル
酸スズなどがあげられる。前記有機スズ化合物以外の硬
化触媒としては、リン酸、モノメチルホスフェート、モ
ノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノ
オクチルホスフェート、モノデシルホスフェート、ジメ
チルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホ
スフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフ
ェートなどのリン酸またはリン酸エステル;アルキルチ
タン酸塩;トリス(エチルアセトアセテート)アルミニ
ウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウムの
ような有機アルミニウム化合物;テトラブチルジルコネ
ート、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウ
ム、テトライソブチルジルコネート、ブトキシトリス
(アセチルアセトナート)ジルコニウムのような有機ジ
ルコニウム化合物;マレイン酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、イタコン酸、クエン酸、コハク酸、
フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの
酸無水物、パラトルエンスルホン酸などの酸性化合物;
ヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、N,
N−ジメチルドデシルアミン、ドデシルアミンなどのア
ミン類;これらアミンと酸性リン酸エステルとの混合物
または反応物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
のアルカリ性化合物などがあげられる。
【0038】これら硬化触媒のうち、有機スズ化合物、
酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミンとの
混合物もしくは反応物、飽和もしくは不飽和多価カルボ
ン酸またはその酸無水物、反応性シリコン化合物、有機
チタネート化合物、有機アルミニウム化合物またはこれ
らの混合物が活性も高く好ましい。
【0039】前記加水分解性シリル基等含有ビニル系樹
脂100部に対する前記硬化触媒の添加量は一般に0.
01〜20部、好ましくは0.01〜10部である。
【0040】本発明の硬化性組成物には脱水剤は用いて
も用いなくてもよいが、長期間にわたる安定性、くり返
し使用しても問題のない安定性を確保するためには、1
種または2種以上の脱水剤を用いる方が好ましい。
【0041】前記脱水剤の具体例としては、たとえばオ
ルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチ
ル、オルト酢酸エチル、メチルトリメトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、メチルシリケート、エチルシリケ
ートなどの加水分解性エステル化合物があげられる。こ
れらの加水分解性エステル化合物はシリル基含有ビニル
系共重合体の重合前、重合中あるいは重合後のどの段階
で加えてもよい。
【0042】前記のごとき本発明の組成物は、用途、添
加材の種類や量などによっても異なるが、通常数センチ
ポイズ(cP)から数万センチポイズの透明な液体であ
る。
【0043】本発明の組成物には、さらに用途に応じ
て、各種顔料、染料、沈降防止剤、レベリング剤などの
添加剤;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチ
レートなどの繊維素系樹脂;アルキド樹脂、アクリル樹
脂、塩化ビニル系樹脂、塩素化プロピレン系樹脂、塩化
ゴム、ポリビニルブチラールなどの樹脂類を添加するこ
とができる。
【0044】本願発明の組成物は長期間にわたり改良さ
れた耐候性を保持する塗膜を与えるコーティング剤とし
て有用である。
【0045】つぎに本発明の組成物を実施例に基づき説
明する。
【0046】合成例1 撹拌装置、温度計、チッ素導入管、滴下ロートおよび冷
却管を備えた反応器にキシレン360gを仕込み、11
0℃に加熱した。この反応器に、n−ブチルアクリレー
ト307g、メチルメタクリレート536g、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン117g、1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタク
リレート40gおよびアゾビスイソブチロニトリル8.
5gよりなる溶液を3時間かけて連続添加した。モノマ
ー添加終了後、別に用意したアゾビスイソブチロニトリ
ル0.5gおよびトルエン200gの溶液をさらに1時
間かけて添加し、さらに1時間後重合を行ない、加水分
解性シリル基含有ビニル系樹脂(a−1)をえた。
【0047】えられた樹脂溶液の不揮発分濃度は63%
であり、キシレンで希釈して50%に調整し粘度130
0cP(23℃)の無色透明な液体をえた。また、GP
C法による数平均分子量は約15,000であった。
【0048】合成例2〜10 単量体の使用割合を表1に示したように変更した以外は
合成例1と同様にして、本願発明の(a)成分である加
水分解性シリル基含有ビニル系樹脂(a−2)〜(a−
8)の50%溶液をえた。
【0049】また、比較例用に、共重合成分として重合
性紫外線安定性単量体および重合性紫外線吸収性単量体
を含まない加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂(a−
9)の50%溶液を前記と同様の方法でえた。
【0050】さらに、比較例用にメチルメタクリレート
(MMA)48部、ブチルアクリレート(BA)42
部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)10
部および1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペ
リジルメタクリレート4部の共重合によりえられたアク
リルポリオール
【0051】
【外1】
【0052】の50%溶液をえた(a−10)。
【0053】
【表1】
【0054】合成例11〜20 えられた(a−1)〜(a−10)の樹脂溶液を用いて
PWC(全固形分に対する顔料の重量%)40%、塗料
固形分濃度60%となるように酸化チタン(石原産業
(株)製のCR−90)を分散させ、白エナメルを調製
した。分散はガラスビーズを用いペイントシェーカーで
2時間行なった。
【0055】実施例1〜8および比較例1〜2 市販されている合成樹脂エマルジョン系複層仕上塗材
(神東塗料(株)製のクラックガード#300)を、室
温で1日放置後の膜厚が3mmになるようにスレート上
に塗布した。室温で1日放置したのち、(a−1)〜
(a−9)の樹脂溶液を用いて調製した前記白エナメル
に硬化剤としてジオクチルスズマレエートおよびγ−
(β−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラ
ンを樹脂固形分100部に対してそれぞれ1部加えて、
シンナーで固形分濃度45%になるように希釈したもの
を前記塗膜上に膜厚が約50μmになるように塗装し
た。
【0056】一方、(a−10)の樹脂溶液を用いて調
製した前記白エナメルには、硬化剤としてポリイソシア
ネート(武田薬品工業(株)製のタケネートD170
N)をOH/NCO=1/1(当量比)になるように加
え、固形分濃度が45%になるようにシンナーで希釈し
たものを前記塗膜上に膜厚が約50μmになるように塗
装した。
【0057】室温で14日放置したのち、形成された塗
膜のSWM促進耐候性を評価した。結果を表2に示す。
また、(a−1)〜(a−9)の樹脂溶液を用いたもの
の50℃、7日間の保存安定性(粘度変化率=保存後の
粘度/初期の粘度)を表3に示す。
【0058】比較例3 (a−9)の樹脂溶液に樹脂固形分100部に対して添
加型紫外線吸収剤(チバガイギー社製、チヌビン32
8)を2部配合した。この樹脂溶液を用いてPWC40
%、固形分濃度60%になるように酸化チタンを分散さ
せた白エナメルを調製した。
【0059】えられた白エナメルを用いて実施例1など
と同様にしてSWM促進耐候性を評価した。結果を表2
に示す。
【0060】比較例4 (a−9)の樹脂溶液に樹脂固形分100部に対し添加
型光安定剤(チバガイギー社製、チヌビン292)を2
部配合した。この樹脂溶液を用いてPWC40%、固形
分濃度60%になるように酸化チタンを分散させた白エ
ナメルを調製した。
【0061】えられた白エナメルを用いて実施例1など
と同様にしてSWM促進耐候性を評価した。結果を表2
に示す。
【0062】比較例5 (a−9)の樹脂溶液に樹脂固形分100部に対して添
加型紫外線吸収剤(チヌビン328)と添加型光安定剤
(チヌビン292)をそれぞれ2部づつ配合した。この
樹脂溶液を用いてPWC40%、固形分濃度60%にな
るように酸化チタンを分散させた白エナメルを調製し
た。
【0063】えられた白エナメルを用いて実施例1など
と同様にしてSWM促進耐候性を評価した。結果を表2
に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】本発明の組成物から形成した塗膜は、長
期間にわたって優れた耐候性を示すとともに、光沢、肉
持性および耐溶剤性などに優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 33/14 C08L 33/14 43/04 43/04 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08 C08F 20/34 C08F 20/60 C08F 30/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)主鎖が実質的にビニル系重合体か
    らなり、加水分解性基と結合したケイ素含有基(加水分
    解性シリル基)および(または)シラノール基を1分子
    中に少なくとも1個有し、さらに共重合成分として重合
    性紫外線安定性単量体および(または)重合性紫外線吸
    収性単量体を含有するビニル系樹脂および (b)硬化触媒である有機スズ化合物 からなる硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 前記重合性紫外線安定性単量体が、一般
    式(I): 【化1】 (式中、一般式(I)中、R1は水素原子またはシアノ
    基、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子または炭
    素数1〜2のアルキル基、Xはイミノ基または酸素原
    子、Yは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基または 【化2】 (式中、R2、R3は前記と同じ)を示す)で表わされる
    単量体である請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 前記重合性紫外線吸収性単量体が、一般
    式(II): 【化3】 (式中、R4は水素原子または炭素数1〜10の1価の
    アルキル基、Zは、 【化4】 (式中、R5は炭素数1〜10の2価のアルキレン基)
    を示す)で表わされる単量体である請求項1記載の硬化
    性組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(I)中のYが炭素数が1〜18
    のアルキル基である請求項2記載の硬化性組成物。
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