JPH0529989Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自転車を可及的小占有床面積で駐輪
および位置移動させることのできるハンガー型自
転車ラツク装置に関するものである。

（従来の技術） 自転車を縦姿勢に支持させることにより、一台
当たりの駐輪台数を多くしようとする試みは既に
なされており、例えば特開昭62−1978号公報に開
示されたものがある。

（考案が解決しようとする課題） 前記特開昭62−1978号公報に開示されたものの
外にいくつかの提案がなされているが、この種駐
輪装置は、何れも自転車をその前輪から人力で持
ち上げて起立させ、その状態でこの起立姿勢を保
持させるための固定手段を人為的操作に依存する
ようになつているために、起立させるための持ち
上げ動作と共に固定操作を行わねばならず、従つ
てこの場合は、起立させた自転車を片手で保持し
他方の手で固定操作を行わねばならないので安全
性に欠け、駐輪、取出し両時点で危険性が伴う問
題があり、またそのために駐輪間隔を狭くするこ
とができないという問題があつた。

本考案は、かかる問題点を解決するためになさ
れたものであり、駐輪用自転車保持体自体の構造
を自転車の駐輪、取出しが軽易な操作で行うこと
ができ、しかも多数の自転車を可及的に近接して
並列駐車させ得るように随時任意の駐輪位置にお
いて所要の操作空間を得ることのできる駐輪装置
を得ることを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案の駐輪装置は、自転車を縦姿勢でその前
輪により掛止め保持させる本体部の上端に懸吊横
行用ローラ部材を備えると共に下端に横行案内用
ローラ部材を備えてなる自転車ハンガーと、該自
転車ハンガーを横行自在に複数個懸吊保持させて
位置移動自在にキヤスターを備えてなるハンガー
ラツクとから成り、前記自転車ハンガーの本体部
は、その横行方向に所定間隔を存して平行状に縦
設した一対のパイプの上部位置に後方へ彎曲させ
た前輪車軸受入用の後退彎曲部を備える共に、そ
の下方位置には前輪位置決め支承用として前後方
向のＶ字状に付設すべき２個の受金物を夫々前輪
の受止め支承可能な矩形状枠体に形成し、その１
つを後部側に固着配設し、他の１つは前部側に所
定長さ突設した一対の支持腕端に回動自在に枢着
させた一対の支片により略水平状に支持させて揺
動回動可能かつその受け面が支承負荷により梃動
後傾するよう偏心的に支持装着させて成ることを
考案要旨とするものである。

（作用） 本考案においては、駐輪時に自転車を縦姿勢と
してその前輪を押付けることによつて、乗込み側
の可揺動な矩形枠状の受金物が押されてその受け
面を前輪に正対させるように揺動し、押上げられ
る前輪を掬い上げるように回動して乗込ませ、そ
の受け面が水平状になると受け面上の荷重が偏荷
重となつて固定受金物側へ自動的に傾動回動し、
前輪を固定受金物に押付ける姿勢となつて前輪を
所定の位置に位置決め支承するので、駐輪を軽い
人力で安全容易に行うことができる。また取出し
時には自転車を軽く手前に引出すと前輪の移動に
伴つて可揺動の受金物が前輪をその受け面上に掬
い上げるように揺動して前輪荷重を受支持するの
で、その後は自転車を手で受け支持して取出すこ
とができる。

（実施例） 以下この考案を図面に示す一実施例に基づいて
説明する。図において、１は本考案の駐輪用自転
車ハンガーを示し、これは駐輪用本体部２の上端
に懸吊横行用ローラ部材３を備えると共に下端に
横行案内用ローラ部材４を備えている。そして前
記駐輪用本体部２は、自転車Ａをその横行方向と
は直角に縦姿勢でその前輪ａの半分を乗込ませて
受け保持させ得るように、２本のパイプ材を横行
方向に所要間隔を存して継設し、このパイプ材の
上部位置にはこれを後方へ彎曲させた前輪車軸
a′の受入用後退彎曲部５を形成すると共に、その
下方位置には前輪ａを受保持させる前後方向のＶ
字状に付設すべき２個の受金物６，７を夫々前輪
ａを個々に受支持可能な矩形状枠体に形成して、
その１つを後部側に固着配設し、他の１つは前部
側に所定長さ突設した一対の支持腕８の端部に
夫々回動自在に枢着させた一対の支片９により略
水平姿勢となるよう直交状に支持させて揺動回動
可能に、かつその受け面が支承負荷により梃動後
傾するよう偏心的に支持装着させている。そして
更にその下方位置には駐輪時に自転車後輪ｂを嵌
入当接して位置決めさせるコ字状金具１０を前部
側に備えて成るものである。なお、６′は受金物
６の支え材である。

また上端の前記懸吊横行用ローラ部材３は、横
行方向が長い矩形状縦板３′の上縁部両端位置に
夫々貫設した支軸の両端に回転自在に装着させた
対をなす懸吊横行用ローラ３″を備えてなるもの
であり、下端の前記横行案内用ローラ部材４は、
横行方向が長い矩形状水平板４′の下面側両端位
置に夫々水平回転自在な横行案内用ローラ４″を
備えてなるものである。

しかして、１１は前記自転車ハンガー１を適数
個懸吊保持して移動させ得るハンガーラツクを示
し、該ハンガーラツク１１は、下端にキヤスター
１４を設けた一対の支柱１２間に前記自動車ハン
ガー１を横行自在に懸吊させる上部ガイドレール
１５とその横行を案内させる下部カイドレール１
６とを所定間隔を存して平行状上下に支持させて
成るものであり、本実施例では、前記支柱１２を
金属パイプを用いて逆Ｕ字状に曲成しその下端間
には連結材１３を一体的に介設補強したものと
し、これに支持させる上部ガイドレール１５と下
部ガイドレール１６に対して前記自転車ハンガー
１を支柱１２外より着脱させ得るようにすると共
に、該支柱１２による支持体勢を自転車の駐輪、
取出し時はもとより移動時にも安定した強固なも
のとしている。

また前記上部ガドレール１５は、その断面が下
端中央を開口させたリツプチヤンネル型をなし、
前記支柱１２内の天井に固着させ、前記下部ガイ
ドレール１６は、前記自転車ハンガー１の横行案
内用ローラ４′を案内すべく２本のアングル材を
平行状に連結材１３上に固着させている。

本考案は以上その実施例について説明したよう
な構成であり、自転車Ａを駐輪する時には、自転
車Ａを自転車ハンガー１の前面に縦姿勢として押
し当てると、前輪ａが可揺動の受金物７の前端を
押すことで受金物７が後退揺動回動して受け姿勢
となり、受金物７が受ける荷重を回動支軸で支え
ることで前輪ａを乗込ませながら前進揺動回動し
て前輪ａを掬い上げ、その後は前輪ａの荷重で梃
動後傾して前輪ａを所定の位置に送り込んで位置
決め支承するように作用する。したがつて取出し
時には手前に引出して受け支持するだけで簡単に
取出すことができる。

また、駐輪部材を横行可能なハンガー型として
移動自在なハンガーラツクに保持させているた
め、所望の場所へ移動させることができる。更に
自転車の保持高さを上下に変えた自転車ハンガー
をハンガーラツクにその駐輪方向を前後に変えて
懸吊させることで、駐輪間隔を短縮させることが
できると共に、随時任意所要の自転車ハンガー毎
の囲りに所定の駐輪空間を得ることができる。

（考案の効果） 本考案は以上のように自転車の前輪荷重を受け
支持して前輪を掬い上げるように乗込ませるべく
作用する受金物を備えた駐輪用支持体を懸吊横行
可能なハンガー構成すると共に、これを移動自在
なハンガーラツクに多数個懸吊保持させるように
したので、自転車の駐輪、取出しを任意のハンガ
ーで随時その周囲に必要な操作空間を確保して行
うごとができ、しかもその操作を前記受金物の作
用により軽易にかつ安全に行うことかできる。ま
たハンガーラツクに対してハンガー自体の向きを
前後交互に或いは自転車の保持高さを上下に変え
て適宜懸吊させることにより駐輪間隔を短縮させ
ることができ、更にハンガーラツクを自転車と共
に移動できるので、任意の間隔で分散、集合させ
ることができるなどその効果は大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は駐輪自転車ハンガーとこれを懸吊保持させるハ
ンガーラツクを一部切除して示す斜視図、第２図
は自転車との関係を示す側面図である。 １は自転車ハンガー、２は本体部、３は懸吊横
行用ローラ部材、４は横行案内用ローラ部材、５
は後退彎曲部、６は後部側受金物、７は前部側受
金物、８は支持腕、９は支片、１１はハンガーラ
ツク、１４はキヤスター、Ａは自転車、ａは前
輪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自転車を縦姿勢でその前輪により掛止め保持さ
   せる本体部の上端に懸吊横行用ローラ部材を備え
   ると共に下端に横行案内用ローラ部材を備えてな
   る自転車ハンガーと、該自転車ハンガーを横行自
   在に複数個懸吊保持させて位置移動自在にキヤス
   ターを備えてなるハンガーラツクとから成り、前
   記自転車ハンガーの本体部は、その横行方向に所
   定間隔を存して平行状に縦設した一対のパイプの
   上部位置に後方へ彎曲させた前輪車軸受入用の後
   退彎曲部を備えると共に、その下方位置には前輪
   位置決め支承用として前後方向のＶ字状に付設す
   べき２個の受金物を夫々前輪の受止め支承可能な
   矩形状枠体に形成しその１つを後部側に固着配設
   し、他の１つは前部側に所定長さ突設した一対の
   支持腕端に回動自在に枢着させた一対の支片によ
   り略水平状に支持させて揺動回動可能かつその受
   け面が支承負荷により梃動後傾するよう偏心的に
   支持装着させて成ることを特徴とするハンガー型
   自転車ラツク装置。